JP2001100902A - 図形入力装置 - Google Patents

図形入力装置

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JP2001100902A
JP2001100902A JP27854399A JP27854399A JP2001100902A JP 2001100902 A JP2001100902 A JP 2001100902A JP 27854399 A JP27854399 A JP 27854399A JP 27854399 A JP27854399 A JP 27854399A JP 2001100902 A JP2001100902 A JP 2001100902A
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pen
writing
trajectory
graphic
input device
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JP27854399A
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English (en)
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Yoshitsugu Tomomatsu
義継 友松
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者が自然な手書き入力をするだけで、頻
繁に使用される直線及び円等が正確に清書されて入力さ
れる図形入力装置を提供すること。 【解決手段】 電子黒板は、筆記手段であるペンと受信
部である筆記パネルとから構成され、座標読取・ペン情
報検出処理後、清書処理を行う。清書処理は、軌跡の座
標を読み込み(S408)、軌跡に基づき基準とする図
形を判定し(S412)、円と判定された場合は、Lm
ax、中心点c、半径ro(S414〜S418)から
基準円Cを求め、この基準円Cに基づいて有効幅の
算出をし(S420)、有効性の判断をし(S42
2)、有効である場合は軌跡Kを清書する(S424,
S426)。また直線と判定された場合は、基準線D
を求め、この基準線Dに基づいて有効幅の算出をし
(S440)、有効性の判断をし(S442)、有効で
ある場合は軌跡Kを清書する(S444,S446)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座標の読取が可能
な図形入力装置に関し、直線、円等の清書が容易な操作
性の高い図形入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図形入力装置には、例えば筆記面である
ホワイトボード等に筆記手段であるインクを使用したペ
ンで手書きの文字や図形を描くと、交番磁界を発生する
ペンの位置がループコイルが多数敷設されペンと磁気結
合した受信部上での座標として認識されて、このボード
上に描かれた文字や図形がビットマトリクスによるデジ
タルデータとして取り込まれるいわゆる電子黒板をはじ
め、その他機械的スイッチ等を利用した各種のデジタイ
ザのようなものが提案されている。このような図形入力
装置により手書きの文字や図形を入力する場合、直線や
円などの図形を正確に且つ速く手書きで書くことは極め
て困難である。一方、円や直線を含む様々な幾何学的な
図形を描くためのCAD(Computer Aided Design)装
置などのドロー系の幾何図形入力装置も、種々使用さ
れ、キーボードからの数値入力や画面上でマウスなどの
ポインティングデバイスにより所定の情報を入力するこ
とで、直線や円をはじめとする任意の幾何学的な図形を
極めて正確に入力することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手書き
で文字や図形を描く際に、直線や円は極めて頻繁に使用
される図形であり、これらを手書きで正確に且つ速く描
くことは困難で文字や図形を描く使用者にとって大きな
負担となり、整った描画結果を得ることができなかった
り、或いは描画に時間がかかってしまうという問題があ
った。その一方、このような頻繁に使用される直線や円
を描く度に、いちいち手書き入力装置の入力モードか
ら、幾何学的な図形入力の機能を有する幾何図形入力装
置を備えておいて、この幾何図形入力装置への入力モー
ドに切り替えて図形を描くことは使用者に煩雑な操作を
強要し、操作感が損なわれるとともに、その装置も制御
が複雑になるという問題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、使用者が自然な手書き入力をするだけで、頻繁に使
用される直線及び円等が正確に清書されて入力される図
形入力装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の図形入力装置では、筆記面上
で筆記手段により描かれた軌跡の、始点、終点を含む座
標を読み取る座標読取手段と、前記座標読取手段により
読み取られた軌跡の座標に基づいて所定の基準図形を生
成する基準図形生成手段と、前記基準図形に基づいて、
有効範囲を算出する有効範囲算出手段と、前記軌跡の座
標が、前記有効範囲に存在する場合に有効と判別する判
別手段と、前記判別手段により有効と判別された場合
に、前記軌跡の座標を、前記所定の基準図形に基づいた
図形に置き換える置き換え手段とを備えたことを特徴と
する。
【0006】この構成に係る図形入力装置では、煩雑な
切り替え操作なしで、使用者が自然な手書き入力をする
だけで、頻繁に使用される所定の図形が正確に清書さ
れ、使用者の負担を軽減させ、且つ、整った描画結果を
素早く得ることができ、極めて操作性の高い手書き図形
入力ができる。
【0007】請求項2に係る発明の図形入力装置では、
請求項1に記載の図形入力装置の構成に加え、前記所定
の基準図形は、直線及び円であることを特徴とする。
【0008】この構成に係る図形入力装置では、清書の
対象とする基準図形を最も頻繁に用いられる円及び直線
とすることで、比較的簡単な制御で、且つ使用者の描画
の負担を軽減させ、操作性の高い図形入力装置とするこ
とができる。
【0009】請求項3に係る発明の図形入力装置では、
請求項1又は請求項2に記載の図形入力装置の構成に加
え、前記有効範囲は、前記読み取られた軌跡の座標に基
づいて自動的に変更されることを特徴とする。
【0010】この構成に係る図形入力装置では、軌跡の
長さ等により図形入力装置側で自動的に有効範囲を変更
し判断するため、使用者は、何ら複雑な操作なしで手書
き図形を入力することができる。
【0011】請求項4に係る発明の図形入力装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の図形入力装置
の構成に加え、前記有効範囲は、任意に変更可能である
ことを特徴とする。
【0012】この構成に係る図形入力装置では、使用者
が、有効範囲を変更することができるので、使用者の使
いやすい有効範囲で、清書を図形入力装置に行わせるこ
とができる。
【0013】請求項5に係る発明の図形入力装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の図形入力装置
の構成に加え、前記座標読取装置は、磁界を変化させる
ことが可能な筆記装置と、当該筆記装置と磁気結合して
その座標を認識する受信部とから構成されることを特徴
とする。
【0014】この構成に係る図形入力装置では、磁界を
変化させることが可能な筆記装置と、筆記装置と磁気結
合してその座標を認識する受信部とから構成される座標
読取装置を備えるため、いわゆる電子黒板として用いた
り、特定周波数で変調した交番磁界を発生させた筆記装
置などで、色や太さ等のペンの属性を受信部に認識させ
る装置を構成することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る図形入力装
置を、好ましい実施の形態である電子黒板1を例に挙げ
て添付図面を参照して説明する。図1は、電子黒板1の
主要構成を示す外観斜視図である。図に示すように、電
子黒板1は、筆記手段であるペン60と受信部である筆
記パネル10とから構成される。
【0016】まず、ペン60の主要構成について図3を
参照して説明する。図3は、ペン60の内部構造を示す
説明図であり、図8は、図3に示すペン60の電気的構
成を示す説明図である。
【0017】図3に示すようにペン60には円筒形状の
胴体部61aと、この胴体部61aの後端に着脱可能に
取り付けられた蓋61cとが備えられている。胴体部6
1aの内部には、コイルL1と、矢印F2で示す方向に
取り出し可能なインクカートリッジ63と、このインク
カートリッジ63に挿入されたペン先62と、コイルL
1から交番磁界を発生させるための発振回路等が実装さ
れた回路基板69と、この回路基板69に電気を供給す
る電源である電池70とが設けられている。このコイル
L1は、内径が15mm程度で長さが15mm程度に2
00回巻きされて環状に形成される。また、筆記面21
a(図1参照)と当接するペン先62の先端からおよそ
20mm程度離して配置されている。
【0018】また、インクカートリッジ63と回路基板
69との間には、上記回路基板69等への電気の供給及
び遮断を行うための押しボタン式のスイッチ67が設け
られている。スイッチ67は、ペン先62を筆記面21
a(図1参照)に押し付け、インクカートリッジ63が
矢印F1で示す方向へ移動するとONし、筆記を中止す
ると、スイッチ67内のばねにより矢印F2で示す方向
へ戻りOFFする。つまり、ペン60によって筆記面2
1aに筆記を行っているときのみコイルL1から交番磁
界が発生する。
【0019】図8に示すように、回路基板69(図3参
照)に実装された回路は、インクの色やペン先62(図
3参照)の太さなどのペン60(図3参照)の属性(以
下ペン属性という。)毎に異なる変調周波数fmが設定
されたCR発振回路69eと、このCR発振回路69e
から発振された信号を搬送する搬送波を発振するLC発
振回路69cと、このLC発振回路69cの発振周波数
をCR発振回路69eの変調周波数fmによってFSK
(Frequency Shift Keying)変
調するFSK回路69dとから構成される。搬送波の発
振周波数は、LC発振回路69cを構成するインダクタ
ンスL1であるコイル及びキャパシタンスであるコンデ
ンサC2,C3によって決定され、変調周波数fmは、
CR発振回路69eを構成するキャパシタンスであるコ
ンデンサC5及び抵抗R2、可変抵抗R3によって決定
される。また、搬送波の発振周波数の周波数偏移は、F
SK回路69dのキャパシタンスであるコンデンサC4
の容量によって決定される。
【0020】ペン属性と変調周波数fmとの関係は、そ
の関係を説明する図10(A)に示すように設定されて
いる。図10(A)において、「細」とはペン先62
(図3参照)が細いことを示しており、「太」とはペン
先62が太いことを示す。例えば、「黒太」とは、ペン
先62が太く黒色インクを使用するペンを示す。なお、
イレーサ40もコイルを内蔵しており、そのコイルから
発生した交番磁界によってセンスコイルに発生した信号
に基づいてイレーサ40による消去範囲を演算するた
め、イレーサ40にも変調周波数fmを割り当て、ペン
60と識別する。
【0021】図8において、スイッチ67がONする
と、電池70の電気が各回路に供給され、CR発振回路
69eの集積回路IC3の出力がFSK回路69dのM
OSFETのゲートをスイッチングし、LC発振回路6
9cから発振した搬送波がCR発振回路69eから発振
された信号によって周波数変調される。本実施の形態で
は、搬送波の中心周波数は、410kHzであり、周波
数偏移は±15kHzである。また、本実施の形態で
は、集積回路IC1は東芝製のTC7SLU04Fであ
り、集積回路IC2及びIC3は共に東芝製のTC7S
LU04である。また、MOS FETは2SK215
8である。抵抗R1及びR2は共に1MΩであり、可変
抵抗R3の可変範囲は0Ω〜1MΩである。コンデンサ
C2,C3,C4,C5は、それぞれ2700pF,1
000pF,270pF,100pFである。さらに、
電池70は、LR44であり、その電圧は約1.5Vで
ある。
【0022】次に本実施の形態に係る座標読取装置の受
信部である電子黒板1の筆記パネル10の構成について
図1及び図2を参照して説明する。図2は、図1に示す
電子黒板1にパーソナルコンピュータ(以下、PCと略
記する。)100及びプリンタ200を接続した状態を
示す説明図である。
【0023】電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記
面21aに筆記を行うためのペン60と、筆記された軌
跡及びその軌跡を示すデータを消去するためのイレーサ
40とが備えられている。筆記パネル10には、枠状の
フレーム11が備えられており、そのフレーム11に
は、筆記パネル本体20が組み込まれている。フレーム
11の前面下端には、その下端に沿って板状の台12が
前面に張り出す形で取り付けられている。台12の上面
には、ペン60を差して収容するためのスタンド状の複
数の凹部12aが形成されている。その凹部12aの右
側には、イレーサ40などを置くための平面部12bが
形成されている。
【0024】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音な
どの音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記
された内容を示すデータ(以下筆記データと略称す
る。)を記憶したページ数を7セグメントのLEDによ
って表示するページ数表示LED32と、押す毎に1ペ
ージずつ戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ペー
ジずつ送るページ送りボタン34と、記憶されている筆
記データを押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン3
5と、記憶されている筆記データをプリンタ200(図
2)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、
記憶されている筆記データをPC100(図2)へ出力
するために押すPC出力ボタン37と、清書された図形
を元の手書き入力された図形に戻すために押すキャンセ
ルボタン39aと、清書条件設定ボタン39bと、この
電子黒板1を起動するために押す電源ボタン38とが設
けられている。
【0025】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリーケース14が設けられており、そのバッテリーケ
ース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取り付けら
れている。バッテリーケース14の右側には、スピーカ
31のボリューム調節つまみ13cが設けられており、
その右側には、コネクタ13b,13aが設けられてい
る。図2に示すように、コネクタ13bには、プリンタ
200と接続された接続ケーブル204のプラグ202
が接続され、コネクタ13aには、PC100と接続さ
れた接続ケーブル104のプラグ102が接続される。
つまり、電子黒板1の筆記面21aに筆記された内容を
示す筆記データをPC100へ出力し、PC100に備
えられたモニタ103により、電子黒板1に筆記された
内容を見ることができる。また、筆記データをプリンタ
200へ出力し、電子黒板1に筆記された内容を印刷用
紙203に印刷することもできる。
【0026】また、図1に示すようにフレーム11の裏
面上端の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるため
の金具15,15が取り付けられている。本実施の形態
では、筆記面21aの高さH1は900mmであり、幅
W1は600mmである。また、フレーム11及び台1
2は、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により軽量
に形成されており、電子黒板1の総重量は10kg以下
である。
【0027】次に、筆記パネル本体20の構造について
図4を参照して説明する。図4は、筆記パネル本体20
の各構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20
は、筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパ
ネル22と、センスコイル23が敷設された枠形状の取
付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に積層
した構造である。この実施の形態では、筆記シート21
は、貼り合わされたPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムにより厚さ0.1mmに形成されており、
パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカー
ボネート)等により厚さ3.0mmに形成されている。
また、取付パネル24は、発泡スチロールなどの発泡樹
脂製材料により厚さ40mmに形成されており、バック
パネル25は、アルミニウム等の導電性材料により厚さ
1.0mmに形成されている。さらに、筆記パネル本体
20の各端部を挟持するフレーム11の全体の厚さは5
0mmである。
【0028】次に、センスコイル23の構成について図
5を参照して説明する。図5(A)は、図4に示すセン
スコイル23の構成を一部を省略して示す説明図であ
り、図5(B)は、図5(A)に示すセンスコイル23
の幅及び重ねピッチを示す説明図である。なお、以下の
説明では、センスコイル23のうちX軸方向に配列され
たセンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列され
たセンスコイルをYコイルと称する。図5(A)に示す
ように、X軸方向には、ペン60及びイレーサ40の
(X、Y)座標のX座標を検出するためのX1〜Xmの
Xコイルがm本配置されており、Y軸方向には、Y座標
を検出するためのY1〜YnのYコイルがXコイルと直
交してn本配置されている。Xコイル及びYコイルは、
それぞれが略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺
の長さはそれぞれP2X,P2Yである。
【0029】図5(B)に示すように、Xコイルの矩形
部分の短辺の長さが、それぞれ幅P1に形成されてお
り、隣接するXコイルは、幅P1の2分の1のピッチで
それぞれ重ねられている。Yコイルもそれぞれ幅P1に
形成されており、隣接するYコイルは、幅P1の2分の
1のピッチでそれぞれ重ねられている。センスコイルま
た、Xコイルの各端子23aは、Xコイル切替え回路5
0aに接続されており、Yコイルの各端子23bは、Y
コイル切替え回路50bに接続されている(以下まとめ
てX,Yコイル切替え回路50という。)(図9)。一
例として、この実施の形態では、P1=50mmであ
り、P2X=680mmであり、P2Y=980mmで
ある。また、m=22であり、n=34である。さらに
Xコイル及びYコイルは、共に表面に絶縁皮膜層(例え
ば、エナメル層)を有する直径0.345mmの銅線に
より形成されている。
【0030】次に、筆記面21a上のペン60の位置座
標を検出するための位置座標テーブルについて図6及び
図7を参照して説明する。図6(A)は、XコイルX1
〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6
(A)に示すXコイルX1〜X3に発生する電圧と幅方
向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図
6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に隣接するセ
ンスコイル間の電圧差を示すグラフである。図7(A)
は位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であり、
図7(B)は、位置座標テーブルの説明図であり、図7
(C)は各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【0031】図6においてXコイルX1,X2,X3の
中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、XコイルX
1,X2,X3に発生する電圧をそれぞれex1,ex
2,ex3とする。図6(B)に示すように、電圧ex
1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C1〜C3
において最大になり、長手方向の端部が近づくにつれて
小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、自己のヌ
ル点、すなわち電圧が0となる点が隣接するコイルの中
心の外側となるようにPの2分の1の幅で重ねられる。
なお、図5(A),(B)、図6(A)においては、各
センスコイル23の重なり方を見やすくするため、幅を
やや小さく示している。図6(C)に示すようにXコイ
ルX1〜3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差
は、センスコイルの中心C1〜C3上にそれぞれ最大値
を有し、センスコイルの中心とセンスコイルの長辺部分
との中間点、つまり隣接するセンスコイルが重なった部
分の中間点で零となるグラフとなる。
【0032】例えば、図6(C)において(ex1−e
x2)を示すグラフの右半分(実線で示す部分)は、X
コイルX1の中心C1から、XコイルX2が重ねられた
部分の中間点Q2間での距離(重ねピッチの2分の1、
つまりPの4分の1)と(ex1−ex2)との関係を
示す。いま、仮にペン60が点Q2に存在する場合、
(ex1−ex2)を検出すれば中心C1からQ2点ま
での距離ΔX1を検出できるため、Q2点のX座標を求
めることができる。この実施の形態では、コイル幅P1
が50mmであるから、P1/4=12.5mmであ
る。例えば、図6(C)において(ex1−ex2)の
特性を示す部分(実線で描いた部分)を8bitのデジ
タルデータに変換すると、図7(A)に示すグラフを得
る。このグラフをテーブル形式に変換すると、図7
(B)に示す位置座標テーブル58aを得る。この位置
座標テーブル58aは、ROM58(図9参照)等に記
憶され、ペン60の位置座標の演算に用いられる。
【0033】次に、電子黒板1の主な電気的構成及び制
御内容について図9,図10(B)及び図11を参照し
て説明する。図9は、電子黒板1の電気的構成をブロッ
クで示す説明図であり、図10(B)は、図9の中の
A,B,C点における信号を示す説明図である。図11
は図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示す
フローチャートである。図9に示す制御部2に備えられ
たCPU56は、電源ボタン38(図1参照)が押下さ
れ、電源がONしたことを検出すると(ステップ(以下
Sと略す。)100:Yes)、ROM58に記憶され
ている制御プログラムや位置座標テーブル58a(図7
(B)参照)をRAM59のワークエリアにロードする
等の初期設定を行い(S200)、座標読取・ペン情報
検出処理を実行する(S300)。
【0034】ここで座標読取処理について、その流れを
示す図12のフローチャートに沿って図9を参照しつつ
説明する。CPU56は、XコイルX1〜Xmを順に選
択するコイル選択信号A(図10(B))を入出力回路
(I/O)53を介してXコイル切替え回路50aに出
力することにより、XコイルX1〜Xmのスキャンを行
う(S302)。続いてペン60のコイルL1から発生
した交番磁界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によ
って発生した信号は、増幅器50cによって増幅され、
その増幅信号(図10(B)参照)は、バンドパスフィ
ルタ(BPF)50dによって不要な帯域が濾波され、
振幅検波回路51によって振幅検波される。続いてその
振幅検波された信号(図10(B))は、A/D変換回
路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジタル
信号に変換され、入出力回路53を介してCPU56に
入力される。
【0035】続いてCPU56は、ペン60を検出した
と判定し(S304:Yes)、XコイルX1〜Xmを
スキャンして入力されたデジタル信号によって示される
電圧値e1〜emを図7(C)に示すように、Xコイル
のコイル番号と対応付けてRAM59の電圧値記憶エリ
ア59aに順次記憶していく(S306)。続いてCP
U56は、電圧値記憶エリア59aに記憶された各電圧
値に基づいて以下の手順によってペン60のX座標を演
算する(S308)。まず、電圧値記憶エリア59aに
記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値e
maxを選択し、その電圧値emaxを発生させたXコ
イルのコイル番号(以下、maxと称する。)をRAM
59に記憶する。例えば、図6に示すように、ペン60
は、位置Q3に存在し、図6(B)に示すように、Xコ
イルX1,X2,X3からそれぞれ電圧値e1,e2,
e3が発生したとすると、最大の電圧値e2を選択し、
その電圧値e2を発生させたXコイルのコイル番号2を
maxとしてRAM59に記憶する。そして、CPU5
6は、emaxの両隣の電圧値emax±1のうち大き
い方を決定し、その決定された電圧値を発生したXコイ
ルのコイル番号(以下、max2と称する。)をRAM
59に記憶する。
【0036】図6に示す例では、e2の両隣の電圧値e
3,e1のうち大きい方のe3に決定し、その電圧値e
3を発生させたXコイルのコイル番号3をmax2とし
てRAM59に記憶する。続いてCPU56は、RAM
59に記憶されたコイル番号max及びmax2を比較
して、コイル番号max2はコイル番号maxからX軸
の+方向又は−方向のどちらに存在するかを判定する。
そして、max2≧maxである場合は、変数SIDE
を1に設定し、max2<maxである場合は、変数S
IDEを−1に設定する。図6に示す例では、ペン60
がQ3にある場合max=2でmax2=3であるか
ら、max2>maxとなり、変数SIDEを1に設定
する。続いてCPU56は、
【0037】 DIFF=e(max)−e(max2)・・・(1)
【0038】を演算し、その演算されたDIFFに最も
近い位置座標をROM58に、記憶されている位置座標
テーブル58aから読出し、それをOFFSETとす
る。続いてCPUは、
【0039】 X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE
【0040】を演算し、X座標X1を求める。ここで、
(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のX
座標を示す。図6に示す例では、(2)式は、X=(P
1/2)×2+(e2−e3)×1となり、位置Q3の
X座標は、XコイルX2の中心線C2からX軸の+方向
に(e2−e3)に対応する距離、例えばΔX2離れた
座標となる。そして、CPU56は、各Yコイルのスキ
ャンを実行し(S310)、各Yコイルから検出した電
圧値をRAM59のYコイル用の電圧値記録エリアに記
憶する(S312)。続いてCPU56は、前述のS3
08におけるX座標の演算と同じ手法を用いてペン60
のY座標を演算する(S314)。
【0041】次に、CPU56が、ペン属性を判定する
ための電気的構成及び制御について図13乃至図18を
参照して説明する。図13は、FSK復調回路55(図
9)の電気的構成を示す説明図であり、図14は図13
に示すFSK復調回路55の各部位に表れる信号波形を
示す説明図である。
【0042】図15(A)は、CR発振回路69e(図
8参照)の出力信号(以下、CR信号と称する。)と、
LC発振回路69c(図8参照)の出力信号(以下キャ
リア信号と称する。)と、リミッタ回路54(図9参
照)の出力信号(以下リミッタ出力信号と称する。)
と、カウント回路55a(図13参照)によるカウント
値Kとの関係を示す説明図である。図15(B)は、シ
フトレジスタ55b(図13参照)に格納されたカウン
ト値Kがシフトする様子を示す説明図である。
【0043】図16(A)は、絶対値コンパレータ55
f(図13参照)によるしきい値判定出力と、CPU5
6の判定周期との関係を示す説明図であり、図16
(B)はカウンタ55gによるカウント値Kが移動する
様子を示す説明図である。図17は、S318における
FSK復調回路55を構成するカウント回路55aから
絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン属性検出処
理1)の流れを示すフローチャートであり、図18
(A)は、S318におけるカウンタ55gの処理の流
れを示すフローチャートであり、図18(B)は、S3
18における加算器55iの処理の流れを示すフローチ
ャートである。なお、図15(A)に示すキャリア信号
は、例えば前述したように中心周波数が410kHzで
あり、周波数偏移が±15kHzであるが、説明をわか
り易くするために、図15(A)では、周波数偏移を誇
張している。
【0044】最初に、ペン属性を検出するためのFSK
復調回路55の特徴について図15を参照して説明す
る。図15(A)に示す例では、CR信号のローレベル
の間は、キャリア信号は高い周波数(例えば425kH
z)に変調されており、ハイレベルの間は低い周波数
(例えば395kHz)に変調されている。このため、
CR信号がローレベルの間のリミッタ出力信号の周期を
TBとすると、CR信号がハイレベルの間のリミッタ出
力信号の周期はTBより長いTCとなる。従って、カウ
ント回路55aによるリミッタ出力信号の1周期分のカ
ウント値Kは、CR信号がローレベルからハイレベルに
変化したときに増加し、ハイレベルからローレベルに変
化したときに減少する。
【0045】つまり、カウント回路55aによるカウン
ト値Kが変化したタイミングを検出することにより、C
R信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを検
出することができる。そして、カウント値Kが変化して
から次に変化する間での時間はCR信号の半周期に対応
するため、カウント値Kの変化している時間の1周期分
を計測すれば、CR信号の周期を求めることができるの
で、ペン属性を検出することができる。ここで、FSK
復調回路55の各構成要素の作用の概略を説明すると、
カウント回路55aはカウント値Kを計測し、シフトレ
ジスタ55b、第1加重平均回路55c、第2加重平均
回路55d、減算器55eおよび絶対値コンパレータ5
5fはカウント値Kの変化タイミングを検出し、カウン
タ55g、レジスタ55hおよび加算器55iはカウン
ト値Kが変化する周期を計測する。そして、CPU56
は、加算器55iから出力された加算値に基づいてペン
属性を判定する(図12:S318)
【0046】次に、FSK復調回路55の動作を詳細に
説明する。バンドパスフィルタ50dから出力された信
号は、リミッタ回路54によって図14(A)に示す方
形波のリミッタ出力信号に変換され、FSK復調回路5
5に出力される。そして、FSK復調回路55は、リミ
ッタ出力信号の立ち上がりを検出すると(図17のS1
0:Yes)、システムクロック(CLK)を用いてリ
ミッタ出力信号の周期のカウントを開始し(S12)、
リミッタ出力信号の次の立ち上がりを検出すると(S1
4:Yes)、カウント値Kをシフトレジスタ55bに
出力し(S16)、カウント値Kをリセットする(S1
8)。つまり、カウント回路55aはリミッタ出力信号
の1周期の長さTBまたはTCを計測する。
【0047】この実施の形態では、シフトレジスタ55
bは、図15(B)に示すように、リミッタ出力信号の
1周期分のカウント値KをK1〜K8の8周期分格納
し、最も新しいカウント値Kを取り込むごとに最も古い
カウント値Kを破棄し、各カウンタ値Kを1つずつシフ
トして行く。第1加重平均回路55cは、シフトレジス
タ55bに格納されている最も新しいカウント値Kから
3番目に新しいカウント値Kまでの加重平均値を演算
し、その加重平均値(以下、第1加重平均値と称す
る。)を減算器55eに出力する。また、第2加重平均
回路55dは、シフトレジスタ55bに格納されている
最も古いカウント値Kから3番目に古いカウント値Kま
での加重平均値を演算し、その加重平均値(以下、第2
加重平均値と称する。)を減算器55eに出力する。
【0048】減算器55eは、第1加重平均と第2加重
平均との差Δmを演算し、その差Δmを絶対値コンパレ
ータ55fに出力する(図17のS20)。例えば、図
15(A)において、第1加重平均回路55cがカウン
ト値K1〜K3の加重平均を演算し、第2加重平均回路
55dがカウント値K6〜K8の加重平均値を演算した
場合、カウント値K6〜K8のうち、カウント値K7及
びK8は、リミッタ出力信号の周期TBよりも長い周期
TCをカウントしたものであるから、第2加重平均値は
第1加重平均値よりも大きくなる。従って、第2加重平
均値が第1加重平均値よりも大きくなったことを検出す
れば、CR信号の周期の変化点を検出することができ
る。つまり、CR信号の周期の変化点の周期を検出すれ
ば、CR信号の周期を検出できるため、ペン60の属性
情報を認識することができる。
【0049】このように、時間的に離れてカウントされ
たカウント値Kを加重平均回路によって加重平均するた
め、あるカウント値Kがノイズの影響を受けても、その
影響は小さくなる。
【0050】次に、絶対値コンパレータ55fから加算
器55iまでの処理について図16を参照しながら説明
する。図16において〜はカウンタ55gによるカ
ウント値Kを示す。絶対値コンパレータ55fは、差Δ
mと、予め設定されているしきい値m1とを比較し、差
Δmがしきい値m1以上であるか否かを判定し(図17
のS22)、差Δmがしきい値m1以上であると判定す
ると(S22:Yes)、しきい値判定出力をローレベ
ルからハイレベルに変化させる(S24)。つまり、リ
ミッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち上が
りエッジを検出した)と判定する。例えば、図15
(A)に示すリミッタ出力信号の短い方の周期TBのカ
ウント回路55aによるカウント値Kを10,周期TC
のカウント値Kを16、しきい値m1を2とすると、カ
ウント値K1〜K6はいずれも10であるから、第1加
重平均値=(K1+K2+K3)/3=10となる。ま
た、カウント値K7及びK8は共に16であるから、第
2加重平均値=(K6+K7+K8)/3=42/3=
14となり、差Δm=10−14=−4となる。
【0051】なお、第1加重平均回路55c及び第2加
重平均回路55d、それぞれ搬送波の周波数(LC発振
回路69cの発振周波数)と変調周波数fmの比と、回
路の複雑さとに基づいて決定する。また、シフトレジス
タ55bが保持するカウント値K、つまりリミッタ出力
信号の周期の数はシステムクロック周波数と、搬送波の
周波数の比で決定され、システムクロックの周波数
は、、周波数の変化を十分弁別できる大きさに設定す
る。
【0052】従って、(差Δmの絶対値=4)>(しき
い値m1=2)となるため、しきい値判定出力がローレ
ベルからハイレベルに変化する(図17:S24)。こ
のハイレベルの状態は、差Δmの絶対値がしきい値m1
以上であると絶対値コンパレータ55fに判定されるま
で維持される。そして、第1加重平均回路55c及び第
2加重平均回路55dの演算範囲が、CR信号のエッジ
を通過した部分に到達すると、リミッタ出力信号の周期
は一定になるため、両加重平均回路55c,55dは共
に同じ周期のカウント値Kの加重平均値を演算するの
で、減算器55eによる減算値は0になり、しきい値判
定出力はハイレベル状態が続く。
【0053】一方、カウンタ55gは、しきい値判定出
力がローレベルからハイレベルに変化したことを検出す
ると(図18(A)のS30:Yes)判定出力がハイ
レベルになっている時間、つまり判定出力の半周期をシ
ステムクロック(CLK)を用いてカウントする(S3
2)。そのカウント値Kをとする(図16(B)の
(B1))。そして、差Δmがしきい値m1以上である
と絶対値コンパレータ55fにおいて判定されると(図
17のS22:Yes)、しきい値判定出力をハイレベ
ルからローレベルに変化させる(S24)。つまり、リ
ミッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち下が
りエッジを検出した)と判定する。これにより、カウン
タ55gは、しきい値判定出力がハイレベルからローレ
ベルに変化したことを検出し(図18(A):S34:
Yes)、図16(B)の(B2)に示すように、カウ
ント値をレジスタ55hに出力する(S36)。続い
てカウンタ55gは、カウント値をリセットし(S3
8)、しきい値判定出力がローレベルになっている時
間、つまりしきい値判定出力の半周期をカウントする
(丸付きB、S32)。そのカウント値をとする。
【0054】続いて加算器55iは、カウンタ55g及
びレジスタ55hに共にカウント値Kが保持されたタイ
ミング、つまり加算タイミングであると判定すると(S
50:Yes)、カウンタ55gが保持しているカウン
ト値及びレジスタ55hが保持しているカウント値
を加算し(S52)、加算値をCPU56へ出力す
る(S56)。このとき、カウンタ55gは、図16
(B)の(B3)に示すようにカウント値をレジスタ
55hに出力する(図18(A)のS36)。そして、
CPU56は、入出力回路53を介してFKS復調回路
55の値、すなわち加算値を読み込み(図12:S
316、図13)、その読み込んだ加算値に基づい
てペン属性を判定する(S318)。例えば、加算値
が245である場合は、図10(A)に示すようにペ
ン属性は黒太であると判定する。また、CPU56は、
ペン属性とXY座標とを対応付けてRAM59に記憶す
る。このような形で記憶された筆記データは、例えばプ
リンタ200(図2参照)に出力され、黒太で印刷され
る。また、PC100(図2参照)へ出力され、モニタ
103(図2参照)に黒太で表示される。つまり、ペン
60の属性の通りに筆記データを再生することができ
る。
【0055】続いて加算器55iは、レジスタ55hの
カウント値及びカウンタ55gのカウント値を加算
し、CPU56へ出力する(図16(B)の(B
3))。以降、しきい値判定出力が変化する毎に、カウ
ンタ55gによるカウント値Kは、レジスタ55hに出
力され、加算器55iは、カウンタ55gによるカウン
ト値K及びレジスタ55hに保持されたカウント値Kを
加算し、加算値をCPU56に出力するというサイクル
を繰り返す。つまり、図16(B)に示すように、加算
器55iは、カウンタ55gによってカウントされた最
新のカウント値Kとレジスタ55hに保持されている1
つ前のカウント値Kとを加算し、それをCPU56に出
力するため、図16(A)に示すように、CPU56
は、しきい値判定出力の半周期毎に、最新のカウント値
K及び1つ前のカウント値Kの加算値に基づいてペン属
性を判定する。従って、しきい値判定出力の途中、例え
ば図16(A)の時刻t0とt1との間でセンスコイル
23のスキャンが行われた場合であっても、しきい値判
定出力の次の1周期(t2〜t4)の加算値を取り込ま
なくても、時刻t1から半周期後の時刻t2〜t4の1
周期の加算値を取り込めばよいため、ペン属性の判定を
高速に行うことができる。
【0056】上記のようにX、Yコイルスキャン(S3
02,S310)を繰り返し、図1に示すペン60を筆
記面21aに当て書き始め、初めてペン60が検出され
てから(図12:S304:Yes)、ペン60を筆記
面21aから離してペン60が検出されなくなるまで
(S304:No)の一連のペン60のペン属性とXY
座標とが対応づけられてRAM59の図示しない軌跡記
憶エリアに記憶される(S320)。このペン60の位
置は、順次軌跡記憶エリアにX軸、Y軸方向に整列され
たドットマトリクスにおける、X座標、Y座標としてペ
ンの属性とともに記憶される。このとき、スキャンによ
り連続して認識された一連の座標は、連続した線から構
成される軌跡Kとして関連付けられて記憶される。な
お、軌跡記憶エリアは、新たな軌跡Kの入力があればそ
の記憶が更新される。
【0057】次に、本実施の形態の電子黒板1における
清書機能について、説明する。ここで、図26は、図1
1におけるフローチャートの清書処理(S400)の手
順を詳細に示したフローチャートである。以下図26の
フローチャートに沿って清書処理(S400)の手順を
説明する。まず、図11のフローチャートに示す座標読
取・ペン情報検出処理(S300)においては、図12
のフローチャートの手順が、Xコイルスキャン(S30
2)によりペン60を連続して検出している間(S30
4:Yes)は、S306〜S320、S302の処理
が繰り返されるが、Xコイルスキャン(S302)によ
ってペンが検出がされなくなった場合(S304:N
o)は、座標読取・ペン情報検出処理(図11:S30
0)を終了して(終了)、清書処理(図11:S40
0)に移行する。
【0058】上記のように座標読取・ペン検出処理(S
300)においては、ペン60の軌跡Kの座標が、Xコ
イルスキャン(S302)の処理で認識されたあと、ペ
ン属性とXY座標とを対応付けて記憶(S320)する
処理において軌跡記憶エリアに記憶された座標のうち、
筆記面21a(図1参照)にペン60が接地した座標を
始点Ps(Xs,Ys)とし、次にペン60が筆記面か
ら離れた点、即ちXコイルスキャン(S302)により
ペン検出ができなくなる(S304:No)直前に認識
された最後の座標を終点Pe(Xe,Ye)とする。こ
の始点Psから終点Peまでの軌跡Kについて上述のス
キャンによってプロットされて記憶された点を始点Ps
の側から順に中間点P(X,Y)、P(X
)、P(X,Y)、・・・・Pn(Xn,Y
n)とする。また、軌跡Kを構成する任意の点を点P
(X,Y)とする。
【0059】清書処理(図11:S400)が開始され
ると(図26:スタート)、CPU56により、入力設
定が、清書条件設定モードになっているか否かがRAM
59に設けられた図示しない設定フラグ記憶エリアの所
定のフラグにより判断され(S402)、清書条件設定
ボタン39b(図1参照)が押下されて清書条件設定モ
ードになっている場合には(S402:Yes)、清書
条件設定(S404)の処理を行う。
【0060】清書条件設定(S404)の処理は、後述
するように、円か直線かを判別するための始点Psと終
点Peの偏差ΔPと、軌跡Kが円として判別される場合
に満たすべき条件である基準円Cから離間を許容され
る距離Δαと、軌跡Kが直線として判別される場合に満
たすべき条件である基準線Dから離間を許容される距
離Δβとを所定範囲内で使用者が設定する処理である。
なお、ΔP、Δα、Δβの条件については、ここで設定
しない場合は、ROM58に記憶されているデフォルト
値により自動的に図形の判別が行われる。なお、清書条
件を設定するS402,S404の処理を設けないで、
すべてデフォルト値で処理を行う構成としてもよい。
【0061】また、CPU56により、清書条件設定モ
ードになっていないと判断された場合(S402:N
o)、あるいは清書条件設定処理(S404)が終了し
た場合は、入力モードが清書を自動的に行う清書モード
か、清書をしない通常モードかがRAM59に設けられ
た図示しないモードフラグ記憶エリアの所定のフラグに
よりCPU56に判断され(S406)、清書モードに
なっていないと判断された場合には(S406:N
o)、清書処理(図11:S400)の処理を終了し
(終了)、ページ処理(図11:S500)に移行す
る。
【0062】また、CPU56がモードフラグ記憶エリ
アの所定のフラグを認識し、清書モードであると判断し
た場合(S406:Yes)は、まず清書を行うために
軌跡記憶エリアに記憶された軌跡Kの座標がワークエリ
アへ読み込まれると同時に清書図形記憶エリアがクリア
される(S408)。
【0063】ここで、図19、図20、図21は、軌跡
Kとして描かれた図形が円である場合の処理を説明する
図である。図22は、軌跡Kとして描かれた図形が円で
ある場合の処理の変形例を説明する図である。まず、図
19に示す図形において、始点座標Ps(Xs,Ys)
と終点座標Pe(Xe,Ye)について、その偏差ΔP
が算出される(S410)。偏差ΔPは、偏差ΔP=
{(Xe−Xs)+(Ye−Ys)1/2により
算出される。そして、偏差ΔPは、定数kと比較され
(S412)、もしΔP<kであれば(S412:Ye
s)、閉じた図形として、軌跡Kは円として描かれた可
能性がある図形と判断される。つまりΔP<k、即ち、
始点Psと終点Peとの距離が定数kより小さいこと
が、円として判別される第1の条件となる。この定数k
は、例えば10(mm)にデフォルト値として設定され
ているが、清書条件設定の処理(S406)で任意に設
定することも可能である。
【0064】ΔP<kである場合は(S412:Ye
s)、軌跡Kが構成する図形が円であるための条件を1
つ満たしていることになるので、軌跡Kが構成する図形
が円であるとの仮定のもとに、さらに検証が進められ
る。ここで、軌跡Kの図形が円であると判別する基準と
なる基準図形である基準円Cを求めるために、Lma
xが算出される(S414)。Lmaxは、基準円C
の直径となる距離であり、始点Ps、終点Peと、中間
点P(X,Y)、P(X,Y)、P(X
,Y)、・・・・Pn(Xn,Yn)において、最
大の距離Lを持つ2点を算出する。距離Lの算出は、ま
ずPsを中心に、P1〜Pn及びPeの距離をL=
{(Xs−X+(Ys−Y1/2のよう
に順次求め、RAM59のワークエリアにその最大値を
更新しながら記憶し、次に、Pを中心にP〜Pn、
Peまでの距離Lを順次求めその最大値を、ワークエリ
アに記憶してある最大値と比較して更新する。このよう
にすべての2点間の距離Lの中から最大値を求める。こ
のようにして求められた最大の距離LをLmaxとし、
この最大の距離Lmaxになる2点を、それぞれ点P
(X、Y)、点P(X 、Y)として、RAM
59の清書図形記憶エリアに記憶する。
【0065】次に、中心点cを算出する(S416)。
ここでは、点P、点Pを端点とする長さLmaxの
線分を、直径dとする。そして、その中点の座標を、X
=1/2(X+X)、Y=1/2(Y
)により求め、その中点を中心点c(X,Y
とする。そして、半径roを算出する(S418)。半
径は、ro=1/2・dから算出する。
【0066】次に、この半径roの円を基準円Cとし
て、一定距離の範囲内に軌跡Kを構成する点Pのすべて
が存在する場合にこの軌跡Kを円と判断する。この説明
において、基準図形、即ち基準円C又は基準線D
らの一定距離の範囲を、「有効幅」といい、基準図形で
ある基準円C又は基準線Dを基準として軌跡Kを構
成する点Pが有効と判断される範囲を「有効範囲」と
呼ぶ。そして、ここでは、中心点c、半径roの円を基
準円Cとし、ここからΔαの距離以内の範囲を有効範
囲として軌跡Kを構成するすべて点Pが有効範囲に存
在するときに、軌跡Kを円と判別する。つまり、中心点
c、rmax=ro+Δαである半径rmaxの境界円
と、中心点c、rmin=ro−Δαである半径r
minの境界円Cの2つの同心円に挟まれた範囲にす
べての点Pが存在するときに、軌跡Kは円と判別され
る。
【0067】この有効幅を決定するΔαは、描く図形の
大きさが大きくなるに比例して筆記時の誤差が大きくな
ることを鑑み、半径roの大きさに基づいた距離とする
ことが望ましい。そこで、ここでは、有効幅をΔα=a
・roにより求める(S420)。ここでaは、定数で
ありデフォルト値は0.3に設定されるが、清書条件設
定(S404)の処理において、0<a<1の範囲で設
定することができる。
【0068】なお、境界円Cの半径rmaxと境界円
の半径rminは、図22に示すように、有効幅Δ
αを、異なる有効幅Δα、Δαに分けて設定して、
境界円Cの半径をrmax=ro+Δα、境界円C
の半径をrmin=ro−Δαとしてもよく、さら
に、Δα=0、つまり境界円Cと基準円Cを同一
の円としてもよい。本実施の形態では、Δα=Δα
として等しいものとする。
【0069】次に、軌跡記憶エリアに記憶されているす
べての点Pについて、 rmin<{(X−X+(Y−Y
1/2<rmax を満たすかどうか判断して(S422)、有効範囲内に
あれば(S422:Yes)、軌跡Kは円であると判別
して、軌跡記憶エリアに記憶され、画面に表示されてい
る軌跡Kの座標は消去し(S424)、中心点c、半径
roの基準円Cと同一の円を描画して清書する(S4
26)。
【0070】なお、半径roは、軌跡Kの最大幅から算
出したものであるから、描画した軌跡Kに対して清書さ
れる円が、若干大きく感じられる場合がある。この場合
において、清書される円を、基準円Cと同一の円では
なくて、描画される円の半径をrfとすると、例えば、
sを0<s<1の範囲の定数として、rf=s・roの
ように半径rfを算出し、基準円Cの半径を所定の定
数倍、例えば0.8倍し、縮小して描画するようにして
もよい。このように構成することで、使用者が手書きで
描画した円と、清書された円のスケールが、感覚的に一
致するように調整できるようにできる。
【0071】ここで、もし使用者の意思に反するような
清書が行われた場合には、使用者は、次の入力をする前
であれば(S428:No)、キャンセルボタン39a
(図1参照)を押下することで(S430:Yes)、
清書がキャンセルされ、元の軌跡Kが表示され(S43
2)、処理が終了される。また、次の入力をした場合は
(S428:Yes)、処理が終了される(終了)。
【0072】一方、軌跡記憶エリアに記憶されているす
べての点Pについて、 rmin<{(X−X+(Y−Y
1/2<rmax を満たすかどうか判断して(S422)、1点でも有効
範囲内になければ(S422:No)、軌跡Kは円では
ないと判別して、処理を終了する(終了)。
【0073】なお、清書は、真円のみならず、清書で楕
円を生成するような構成とすることもできる。すなわ
ち、図20に示すように、Lmaxに垂直で中心Cを通
る直線を求める。次に、この直線に最も近い2点を求
め、その2点間の距離Lminを求める。そして、この
Lmax、Lminをそれぞれ長径Lmax、短径Lm
inとする楕円に変換してもよい。
【0074】次に、S412において、ΔP<kでない
場合(S412:No)について説明する。この場合
は、軌跡Kが構成する図形が円であるための条件を満た
してないことになるので、軌跡Kが構成する図形が直線
であるかどうかの検証が進められる。
【0075】ここで、図23、図24は、軌跡Kとして
描かれた図形が直線である場合の処理を説明する図であ
る。図25は、軌跡Kとして描かれた図形が直線である
場合の処理の変形例を説明する図である。
【0076】図23に示すように、始点Psと終点Pe
とを結ぶ線分が基準図形である基準線Dとなる。ここ
では、軌跡Kが直線であるか否かの判別の条件は、ま
ず、軌跡Kを構成するすべての点Pが、基準線D
らの一定の距離Δβ離れた2直線をそれぞれ境界線
,Dすると、この境界線D,Dに囲まれた有
効幅の範囲内に存在することを第1の条件とする。そし
て、基準線Dと直交し、且つ始点Psと終点Peを通
る2直線をそれぞれ境界線D,Dすると、この境界
線D,Dに囲まれた範囲内に存在することを第2の
条件とする。
【0077】まず、有効範囲の演算をする(S44
0)。点Ps(Xs,Ys)と点Pe(Xe,Ye)を
通る基準線Dは、傾きa=(Ye−Ys)/(Xe
−Xs)で、切片b=(XeYs−XsYe)/(X
e−Xs)の直線 Y=(Ye−Ys)/(Xe−Xs)X+(XeYs−Xs
Ye)/(Xe−Xs) の一部である。ここで、この直線をY=aX+b
表すとする。また、基準線DからΔβ離れた境界線D
及びDは、その切片において、 Δb=Δβ・{(Xe−Xs)+(Ye−Ys)}1/2
/|(Xe−Xs)| だけ異なるものであるので、基準線DとΔβの距離に
ある2直線は、 Y=aX+b±Δb である。従って、第1の条件を満たすためには軌跡Kを
構成するすべての点P(X、Y)が、 Y<a+b+Δbで且つY>a+b
−Δb 又は、 Y>a+b+Δbで且つY<a+b
−Δb を満たすことが条件となる。
【0078】また、第2の条件を満たすためには、同様
に点Pe(Xe,Ye)を通る境界線Dは、傾きa
=−(Xe−Xs)/(Ye−Ys)で、切片b
(Xe +Ye−XeXs−YeYs)/(Ye−Y
s)で、点Ps(Xs,Ys)を通る境界線Dは、傾
きa=−(Xe−Xs)/(Ye−Ys)で、切片b
=(−Xs−Ys+XeXs+YeYs)/(Y
e−Ys)であるので、2つの境界線D,Dを、Y
=aX+bとY=aX+bと表せば、第2の条
件を満たすためには軌跡Kを構成するすべての点P
(X、Y)が、 Y<a+bで且つY>a+b 又は Y>a+bで且つY<a+b を満たすことが条件となる。
【0079】軌跡Kを構成するすべての点P(X
)が、上記の有効範囲内にあるかどうか判断して
(S442)、範囲内にあれば(S442:Yes)、
軌跡Kは直線であると判別して、画面に表示されている
軌跡Kの座標は消去し(S444)、始点Ps、終点P
eを結ぶ直線を描画して清書する(S446)。
【0080】ここで、もし使用者の意思に反するような
清書が行われた場合には、使用者は、次の入力をする前
であれば(S428:No)、キャンセルボタン39a
(図1参照)を押下することで(S430:Yes)、
清書がキャンセルされ、元の軌跡Kが表示され(S43
2)、処理が終了される。また、次の入力をした場合は
(S428:Yes)、処理が終了される(終了)。
【0081】ここで、軌跡Kが直線Dと交わる点に最
も近い点Pを求め、PsとPを結ぶ線を直線とし、
PsからPまでの点で直線Dから最も離れた点を通
る円弧に変換してもよい。
【0082】一方、軌跡記憶エリアに記憶されているす
べての点Pについて、上記の2つの条件を満たすかど
うか判断して(S442)、1点でも有効範囲内になけ
れば(S442:No)、軌跡Kは直線ではないと判別
して、処理を終了する(終了)。
【0083】以上、本実施の形態の清書処理について、
図26のフローチャートに沿って説明したが、この清書
処理は、以下のような処理をすることも可能である。図
25は、直線の有効範囲についての別の処理を示す図で
ある。例えば、直線の有効範囲の演算(S440)の処
理において、図25に示すように、図24に示す境界線
,Dについて、基準線Dの外側の基準線D
傾き方向にそれぞれΔγだけ偏位させた境界線D,D
を設け、有効範囲を拡大するようにしてもよい。
【0084】このように構成することで、始点Psや終
点Pe近傍における軌跡Kに微細な曲がりなどがあって
も、この微細な曲がりによって清書できないという不都
合を回避することができる。
【0085】なお、有効幅は、境界線D,Dを曲線
や屈曲した線分とすることで、始点Psや終点Pe近傍
においての有効幅に対して、基準線Dの中央部近傍に
かけて有効幅を広く設定するようにしてもよい。
【0086】このように構成すれば、使用者が直線とは
意図しない、始点Psや終点Pe近傍において屈曲した
L字状、Z字状やコ字状の軌跡Kを直線と判別すること
なく、使用者の意図により近い清書を行うことができ
る。
【0087】また、直線を清書する場合において(S4
46)、所定値ΔδはΔδ=e・D(eは定数)であっ
て、例えばe=0.05のような小さな数値であれば、
始点Ps及び終点PeのX座標Xs,Xeが、所定値Δ
δに対してXe−Xs<Δδの式を満たす場合、基準線
は、垂直線とみなしても差し支えない。そしてこの
場合は、基準線Dは、その中点あるいはいずれかの端
点を中心に回転させて垂直にして、この垂直線を清書す
べき図形として描画するようにしてもよい。
【0088】このように構成することで、頻繁に用いら
れる垂直線を自動的に生成でき、使用者が、簡単に垂直
線を描くことができる。この場合、清書条件設定(S4
04)の処理においてeは使用者により、設定可能にし
てもよい。
【0089】同様に、水平線についても同じように制御
することが可能である。
【0090】さらに、直線を清書する場合において(S
446)、清書される図形が水平線又は垂直線である場
合に、ΔPが一定以上の距離、例えば100mm以上で
ある場合は、自動的に罫線の入力とみなし、描画される
図形の位置の座標を、例えば10mmや50mm単位に
丸め処理を行い、10mmあるいは50mm間隔で一定
間隔の罫線を容易に形成できるようにしてもよい。
【0091】このように構成することで、等間隔の罫線
がフリーハンドで形成でき、使用者は、いちいち罫線モ
ードなどに切り替えないでも、簡易に且つ正確な罫線を
引くことができる。その上、文字や小さな図形では、不
本意な清書が行われず、使用者は自然な操作感で文字や
図形を描画できる。
【0092】そして、直線の場合、Dが所定値、例えば
50mm未満の場合、また円の場合についても、Lma
xが所定値、例えば50mm未満の場合には、清書しな
いように構成しないようにしてもよい。
【0093】このように構成することで、文字が混在す
る場合でも不本意な清書が行われず、使用者は、自然な
操作感で文字と図形を描画できる。
【0094】さらに、始点Psと終点Peは、ペン60
の筆記開始終了で選ぶ必要はなく、適時ペンが停止ある
いはゆっくり動く点を検出してそれをPs,Peとして
もよい。これは、任意の座標と、その次に検出された座
標について、一定時間、例えば1巡のスキャンにおいて
座標の位置の変化がないか、若しくは少ない場合にPs
もしくはPeと判断する。具体的には、P1、P2、p
3で、その距離は|P1−P2|、|P2−P3|がφ
あるいは所定値より小さいかを判断)ことを判定する。
【0095】このように構成することで、Ps、Peを
検出することができるので、ペンを筆記面21aから離
さない場合でも、直線が連続した図形である折れ線の頂
点として認識することで、折れ線、さらに三角形、四角
形あるいは多角形の清書が可能になる。
【0096】加えて、2つの直線の端部がお互いに所定
の距離よりも近接しているときは、一方の点、例えば、
後に描いた直線の端点を他方の点、例えば後に描いた直
線のいずれかの端点と同一座標に変換してもよい。ある
いは、2つの直線を延長して交わる点をそれぞれの直線
の始点Ps又は終点Peに変換してもよい。
【0097】このように構成することで、それぞれの端
点が所定距離の範囲内で離れた2つの直線を容易に連続
した折れ線とすることができる。さらに、開いた折れ線
を閉じた多角形として変換することも可能となる。従っ
て、使用者は、一筆書きで閉じた多角形を描きたい場合
に、先に述べたように各頂点でペンを停止させ頂点とし
て認識させて折れ線を描けば、書き始めの点と書き終わ
りの点を厳密に一致させなくても容易に閉じた多角形を
描くことができる。また、多角形を描きたい場合に、必
ずしも一筆書きにする必要はなく、例えば、2組の平行
線を筆記面21aに描いて、これを平行四辺形とするこ
ともできる。
【0098】ペンを文字用と清書図形用に分けてもよ
い。例えば、図10(A)に示す、fmが4.5kHz
のときは、黒書きの手書きモードとして、fmが4.1
kHz場合に、ペン属性の「黒太」を、ペンの太さの代
わりに清書用にペンとして認識させて「黒清書」とし
て、この復調カウント数が得られたときは、自動的に黒
で描く清書モードに移行してもよい。
【0099】このように構成することで、使用者は、極
めて容易に手書きモードと清書モードを使い分けられ、
いちいちモードの切り替えをしたり、あるいは不本意な
清書が実行されたりすることがない。特に、清書用のペ
ンの場合は、共用のペンの場合と比べれば、望まない清
書の実行を排除する必要がないため、図形としての認識
の幅を広く取ることができ、図形を厳密に描かなくても
簡単に清書させることが可能になる。
【0100】ここで、図11のフローチャートに戻り説
明を続ける。清書処理(S400)が終了すると、CP
U56は、ページ戻りボタン33、ページ送りボタン3
4及び消去ボタン35が押されたときに、記憶されてい
る筆記データのページ単位での戻し、送り、或いは消去
などのページ処理(S500)を行う。ページ処理で
は、CPU56が、操作部30に設けられた各種ボタン
(図1参照)の操作により発生するスイッチング信号を
I/F回路57(図9参照)を介して取り込み、RAM
59に格納されている位置座標データを記憶するページ
をページ単位で戻したり、送ったり、或いは位置座標デ
ータをページ単位で消去する等のページ処理を実行す
る。また、CPU56は、RAM59に格納されている
位置データのうち、目的のページの位置座標データを適
当なフォーマットに変換してPC100やプリンタ20
0(図2参照)へ出力するデータ出力処理(S600)
を実行する。
【0101】さらに、CPU56(図9参照)は、各種
ボタンが押された際に発生するスイッチング信号に基づ
いて音声回路31a(図9参照)を動作させてスピーカ
(SP)31(図9参照)から「ピー」、「ピッ」等の
操作音を発声する音声出力処理を実行する(S70
0)。また、CPU56は、イレーサ40(図1参照)
に内蔵されたコイルから発生する交番磁界によってXコ
イル及びYコイルに発生する電圧に基づいてイレーサ4
0の払拭軌跡を演算し、その演算した払拭軌跡内の位置
座標データをRAM59(図9参照)から消去するイレ
ーサ処理を実行し(S800)、一巡の処理が終了した
ら、S100〜S800までの処理を繰り返す(リター
ン、S100〜S800)。
【0102】本発明に係る実施の形態の電子黒板1で
は、上記のような構成、作用を備えるため、以下のよう
な効果がある。即ち、本発明に係る図形入力装置である
電子黒板1では、煩雑な切り替え操作なしで、使用者が
自然な手書き入力をするだけで、頻繁に使用される所定
の図形が正確に清書され、使用者の負担を軽減させる効
果があり、且つ、整った描画結果を素早く得ることがで
きるという効果があり、極めて操作性の高い手書き図形
入力ができるという効果を奏する。
【0103】さらに、清書の対象とする基準図形を最も
頻繁に用いられる円及び直線とすることで、比較的簡単
な制御で、且つ使用者の描画の負担を軽減させ、操作性
の高い図形入力装置とすることができるという効果があ
る。
【0104】また、軌跡Kの長さ等により電子黒板1側
で自動的に有効範囲を変更し判断するため、使用者は、
何ら複雑な操作なしで手書き図形を入力することができ
るという効果がある。
【0105】一方、使用者が、有効範囲を変更すること
ができるので、使用者の使いやすい有効範囲で、清書を
図形入力装置に行わせることができるという効果があ
る。
【0106】そして、交番磁界を発生させることが可能
なペン60と、ペン60と磁気結合してその座標を認識
する筆記パネル10とから構成される座標読取装置を備
え、ペン60は特定周波数でFSK変調した交番磁界を
発生させて、その位置の座標ばかりでなくインクの色や
太さ等のペンの属性を筆記パネル10側に認識させるこ
ともできるという効果がある。
【0107】以上、一の実施の形態に基づき、本発明の
図形入力装置を説明したが、本発明は上述の実施の形態
に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載
を逸脱しない範囲で種々改良し変更して実施できること
はいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に係る発明の図形入力装置では、煩雑な切り替え操作な
しで、使用者が自然な手書き入力をするだけで、頻繁に
使用される所定の図形が正確に清書され、使用者の負担
を軽減させる効果があり、且つ、整った描画結果を素早
く得ることができるという効果があり、極めて操作性の
高い手書き図形入力ができるという効果を奏する。
【0109】請求項2に係る発明の図形入力装置では、
請求項1に係る発明の図形入力装置の効果に加え、清書
の対象とする基準図形を最も頻繁に用いられる円及び直
線とすることで、比較的簡単な制御で、且つ使用者の描
画の負担を軽減させ、操作性の高い図形入力装置とする
ことができるという効果がある。
【0110】請求項3に係る発明の図形入力装置では、
請求項1又は請求項2に係る発明の図形入力装置の効果
に加え、軌跡の長さ等により図形入力装置側で自動的に
有効範囲を変更し判断するため、使用者は、何ら複雑な
操作することなしで手書き図形を入力することができる
という効果がある。
【0111】請求項4に係る発明の図形入力装置では、
請求項1乃至請求項3のいずれかに係る発明の図形入力
装置の効果に加え、使用者が、有効範囲を変更すること
ができるので、使用者の使いやすい有効範囲で、清書を
図形入力装置に行わせることができるという効果があ
る。
【0112】請求項5に係る発明の図形入力装置では、
請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明の図形入力
装置の効果に加え、磁界を変化させることが可能な筆記
装置と、筆記装置と磁気結合してその座標を認識する受
信部とから構成される座標読取装置を備えるため、いわ
ゆる電子黒板として用いたり、特定周波数で変調した交
番磁界を発生させた筆記装置などで、色や太さ等のペン
の属性を受信部に認識させる装置を構成することもでき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子黒板1の主要構成を示す外観斜視図であ
る。
【図2】図1に示す電子黒板1にパーソナルコンピュー
タ100及びプリンタ200を接続した状態を示す説明
図である。
【図3】ペン60の内部構造を示す説明図である。
【図4】筆記パネル20の各構成部材を示す説明図であ
る。
【図5】(A) 図4に示すセンスコイル23の構成を
一部を省略して示す説明図である。 (B) 図5(A)に示すセンスコイル23の幅及び重
ねピッチを示す説明図である。
【図6】(A) XコイルX1〜X3の一部を示す説明
図である。 (B) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3に発生す
る電圧と幅方向の距離との関係を示すグラフである。 (C) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に
隣接するセンスコイル間の電圧差を示すグラフである。
【図7】(A) 位置座標テーブルをグラフ化して示す
説明図である。 (B) 位置座標テーブルの説明図である。 (C) 各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【図8】図3に示すペン60の電気的構成を示す説明図
である。
【図9】電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明
図である。
【図10】(A) ペン60の属性と変調周波数fmと
の関係を説明する図である。 (B) 図9の中のA,B,C点における信号を示す説
明図である。
【図11】図9に示すCPU56が実行する主な制御内
容を示すフローチャートである。
【図12】座標読取処理について、その流れを示すフロ
ーチャートである。
【図13】FSK復調回路55の電気的構成を示す説明
図である。
【図14】図13に示すFSK復調回路55の各部位に
表れる信号波形を示す説明図である。
【図15】(A) CR発振回路69eの出力信号と、
LC発振回路69cの出力信号と、リミッタ回路54の
出力信号と、カウント回路55aによるカウント値Kと
の関係を示す説明図である。 (B) シフトレジスタ55bに格納されたカウント値
Kがシフトする様子を示す説明図である。
【図16】(A) 絶対値コンパレータ55fによるし
きい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示
す説明図である。 (B) カウンタ55gによるカウント値Kが移動する
様子を示す説明図である。
【図17】FSK復調回路55を構成するカウント回路
55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン
属性検出処理1)の流れを示すフローチャートである。
【図18】(A) S318におけるカウンタ55gの
処理の流れを示すフローチャートである。(B) S3
18における加算器55iの処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図19】軌跡Kとして描かれた図形が円である場合の
処理を説明する図である。
【図20】軌跡Kとして描かれた図形が円である場合の
処理を説明する図である。
【図21】軌跡Kとして描かれた図形が円である場合の
処理を説明する図である。
【図22】軌跡Kとして描かれた図形が円である場合の
処理の変形例を説明する図である。
【図23】軌跡Kとして描かれた図形が直線である場合
の処理を説明する図である。
【図24】軌跡Kとして描かれた図形が直線である場合
の処理を説明する図である。
【図25】軌跡Kとして描かれた図形が直線である場合
の処理の変形例を説明する図である。
【図26】図11におけるフローチャートの清書処理
(S400)の手順を詳細に示したフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 電子黒板 10 筆記パネル 20 筆記パネル本体 21a 筆記面 23 センスコイル 39a キャンセルボタン 39b 清書条件設定ボタン 56 CPU 58 ROM 59 RAM 60 ペン(筆記手段) Ps 始点 Pe 終点 P1、・・・Pn 中間点 P 軌跡を構成する点 P,P dの端点 K 軌跡 ΔP 始点と終点の偏差 L 中間点間の距離 Lmax 最大距離 c 中心点 C 基準円: ro 基準円の半径 C 境界円 rmax 境界円Cの半径 C 境界円 rmin 境界円Cの半径 D,D,D3、,D 境界線 Δα:円の認識幅 Δβ:直線の認識幅 Δγ:直線端部の認識幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記面上で筆記手段により描かれた軌跡
    の、始点、終点を含む座標を読み取る座標読取手段と、 前記座標読取手段により読み取られた軌跡の座標に基づ
    いて所定の基準図形を生成する基準図形生成手段と、 前記基準図形に基づいて、有効範囲を算出する有効範囲
    算出手段と、 前記軌跡の座標が、前記有効範囲に存在する場合に有効
    と判別する判別手段と、 前記判別手段により有効と判別された場合に、前記軌跡
    の座標を、前記所定の基準図形に基づいた図形に置き換
    える置き換え手段とを備えたことを特徴とする図形入力
    装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の基準図形は、直線及び円であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の図形入力装置。
  3. 【請求項3】 前記有効範囲は、 前記読み取られた軌跡の座標に基づいて自動的に変更さ
    れることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の図
    形入力装置。
  4. 【請求項4】 前記有効範囲は、 任意に変更可能であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の図形入力装置。
  5. 【請求項5】 前記座標読取装置は、 磁界を変化させることが可能な筆記装置と、当該筆記装
    置と磁気結合してその座標を認識する受信部とから構成
    されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    かに記載の図形入力装置。
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