JP2001100901A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

Info

Publication number
JP2001100901A
JP2001100901A JP28022399A JP28022399A JP2001100901A JP 2001100901 A JP2001100901 A JP 2001100901A JP 28022399 A JP28022399 A JP 28022399A JP 28022399 A JP28022399 A JP 28022399A JP 2001100901 A JP2001100901 A JP 2001100901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inverter
circuit
coil
pen
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28022399A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitsugu Tomomatsu
義継 友松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP28022399A priority Critical patent/JP2001100901A/ja
Publication of JP2001100901A publication Critical patent/JP2001100901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drawing Aids And Blackboards (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省電力で、且つ読取精度の高い座標入力装置
を提供すること。 【解決手段】 電子黒板のペンが、インバータIC1
と、インバータIC1の帰還抵抗である抵抗R1と、イ
ンバータIC1に並列に接続されたコイルL1とインバ
ータIC1の入力側に接続されたコンデンサC1と、イ
ンバータIC1の出力側に接続されたコンデンサC2と
を備えた所定の共振周波数を発振するLC発振回路69
cと、コンデンサC2と並列に接続されたコンデンサC
3及びFET1を備えたスイッチング回路からなるFS
K回路69dと、スイッチング回路を開閉するパルス発
生回路であるCR発振回路69eとを備えて構成され、
コンデンサC1と、コンデンサC2の容量を、C1
0.9>C2の関係を満たすように構成することで、消
費電流を減少させることができるだけでなく、ペンから
送信される信号のAM成分を小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気結合により座
標を読み取る座標入力装置に関する。詳しくは、交番磁
界を発生する発振回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電子黒板などに利用される電磁誘導方式
の座標入力装置において、例えば、位置指示器であるペ
ンを備え、その位置を指示するために特定の発振周波数
で交番磁界を発生する電磁コイルをこのペンに内蔵した
ものがある。受信側から交番磁界を発生させて、位置指
示器には電源を有さないセンスコイルを備えてその位置
を指示するものもあるが、ペン側に電源と交番磁界を発
生する電磁コイルを設けることにより、強い信号を出力
して、ノイズに強く読取精度の高い電子黒板とすること
ができるばかりでなく、さらに発生させる交番磁界の周
波数を特定周波数で変調することによりペンの色や太さ
などの属性を受信側に伝えることも可能であった。
【0003】この交番磁界を発生させるための発振回路
として、例えば、図19に示すような発振コイルとなる
リアクタンスであるコイルL1や、インバータIC1、
帰還抵抗である抵抗R1、負荷容量(以下適宜単に容量
又はキャパシタンスという)であるコンデンサC1、C
2から構成されるいわゆるLC発振回路69cが利用さ
れていた。このLC発振回路69cは、この回路を構成
するコイルL1の巻き数や、負荷容量であるコンデンサ
C1,C2により定まる時定数からその発振周波数が決
定され、目的とする搬送波周波数fcを得るには、 fc=1/[2π{(L1・(C1・C2))/(C1
+C2)}1/2] の関係を満たすように、コイルL1のインダクタンス、
コンデンサC1,C2のキャパシタンスを決定すればよ
いので、広い範囲でコイルL1の巻き数の変更、コンデ
ンサC1,C2のキャパシタンスの任意の組み合わせを
用いることができた。
【0004】また、図19に示すように、CR発振回路
69eにより所定の変調周波数fmの発振信号を発生さ
せ、このLC発振回路69cのコンデンサC2に並列に
接続されたコンデンサC3とスイッチング回路であるF
ET1により構成されるFSK回路69dを用いてLC
発振回路69cにより発振される周波数を変調し、この
変調された信号を受信部のFSK復調回路55(図9参
照)で復調することにより、CR発振回路69eで発振
された周波数を読取り、この周波数によってペンの属性
などの情報を読み取ることもできた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LC発
振回路69cにおいて上記のようにコイルL1のインダ
クタンスや、コンデンサC1,C2のキャパシタンスを
決定すれば、目的の発振周波数を得ることはできるが、
従来は消費電力を考慮してなかったためこれらの組み合
わせにより目的の周波数を発振することができても、電
力消費が大きくなってしまうような場合があった。消費
電力が大きくなれば、特にペンに電源として乾電池を内
蔵するような構成のものでは、インクの消費時間に比べ
て電池の消費の割合が多くなり、インク残量がまだ多く
あるのにペンが使用できなくなるという問題があった。
また、インクの消費時間に対応して電池の寿命を長くし
ようとすると電池の大型化、重量増加を招いてしまうと
いう問題があった。また、LC発振回路69cの構成に
よっては、FSK変調された信号にAM成分が多く発生
してしまうことがあり、振幅検波された信号から振幅情
報により位置を検出する際に、このAM成分によって正
しく振幅が読み取れず読取精度が落ちてしまうという問
題があった。
【0006】この発明は上記課題を解決するものであ
り、省電力で、且つ読取精度の高い座標入力装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の座標入力装置では、所定の搬
送周波数の交番磁界を発生させる送信部と、複数のセン
スコイルが敷設され前記交番磁界と磁気結合可能な受信
部とを備えた座標入力装置において、前記送信部は、電
源となる電池と、インバータと、前記インバータの帰還
抵抗と、前記インバータに並列に接続された発振コイル
と前記インバータの入力側に接続された第一の負荷容量
と、前記インバータの出力側に接続された第二の負荷容
量と、を備えた所定の共振周波数を発振する発振回路を
備え、前記第一の負荷容量は、前記第二の負荷容量より
大きい容量の負荷容量から構成されていることを特徴と
する。
【0008】この構成に係る座標入力装置では、電池を
利用して所定の搬送周波数の交番磁界を発生させる送信
部と、複数のセンスコイルが敷設され交番磁界と磁気結
合可能な受信部とを備えた座標入力装置において、イン
バータと、インバータの帰還抵抗と、インバータに並列
に接続された発振コイルとインバータの入力側に接続さ
れた第一の負荷容量と、インバータの出力側に接続され
た第二の負荷容量とを備えた所定の共振周波数を発振す
る発振回路を備えて構成された送信部において、第一の
負荷容量を、第二の負荷容量より大きい容量の負荷容量
から構成することで、送信部の消費電力を減少させるこ
とができる。そのため、送信部の電池の使用時間を長く
して、長時間電池切れのない送信部として使用者の不便
のない座標入力装置とすることができる。また、同じ使
用時間であれば、送信部の電池を軽量化でき、使用者に
使いやすい送信部とすることができる。
【0009】請求項2に係る発明の座標入力装置では、
請求項1に記載の座標入力装置の構成に加え、所定の搬
送周波数の交番磁界を発生させる送信部と、複数のセン
スコイルが敷設され前記交番磁界と磁気結合可能な受信
部とを備えた座標入力装置において、前記送信部は、電
源となる電池と、インバータと、前記インバータの帰還
抵抗と、前記インバータに並列に接続された発振コイル
と前記インバータの入力側に接続された第一の負荷容量
と、前記インバータの出力側に接続された第二の負荷容
量と、前記第二の負荷容量と並列に接続された第三の負
荷容量及びスイッチング回路と、前記スイッチング回路
を開閉するパルス発生回路とを備えた所定の変調された
共振周波数を発振する発振回路を備え、前記第一の負荷
容量と前記第二の負荷容量は、前記第一の負荷容量をC
1とし、前記第二の負荷容量をC2とするとき、C1
0.9>C2の関係を満たすように構成されていること
を特徴とする。
【0010】この構成に係る座標入力装置では、電池を
利用して所定の搬送周波数の交番磁界を発生させる送信
部と、複数のセンスコイルが敷設され交番磁界と磁気結
合可能な受信部とを備えた座標入力装置において、イン
バータと、インバータの帰還抵抗と、インバータに並列
に接続された発振コイルとインバータの入力側に接続さ
れた第一の負荷容量と、インバータの出力側に接続され
た第二の負荷容量と、第二の負荷容量と並列に接続され
た第三の負荷容量及びスイッチング回路と、スイッチン
グ回路を開閉するパルス発生回路とを備え所定の変調さ
れた共振周波数を発振する発振回路を備えて構成された
送信部において、第一の負荷容量と第二の負荷容量を、
第一の負荷容量をC1とし、第二の負荷容量をC2とし
たときに、C10.9>C2の関係を満たすように構成
することで、消費電流を減少させることができるだけで
なく、送信部から送信される信号のAM成分を小さくす
ることができる。そのため、受信部において、送信部か
ら受信した信号から振幅情報を検出するときにAM成分
により読取誤差が生じることなく正確に振幅を検出で
き、もって正確な座標を入力することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標入力装
置を、好ましい実施の形態である電子黒板1により説明
する。この説明では、電子黒板1とは、送信部であるペ
ン60により受信部である筆記パネル10の筆記面21
a上に手書き文字や図形などを描くとともに、交番磁界
を発生するペン60の筆記面21a上の位置を、筆記パ
ネル10の奥に敷設した複数のセンスコイル23を備え
た受信部により、磁気結合してその座標を読み取るもの
をいう。
【0012】図1は、電子黒板1の主要構成を示す外観
斜視図である。図1に示すように、電子黒板1は、送信
部であるペン60と、受信部である筆記パネル10とか
ら構成されるが、まず、送信部であるペン60の主要構
成について図3及び図8を参照して説明する。図3は、
ペン60の内部構造を示す説明図であり、図8は、図3
に示すペン60の電気的構成を示す説明図である。
【0013】図3に示すようにペン60には円筒形状の
胴体部61aと、この胴体部61aの後端に着脱可能に
取り付けられた蓋61cとが備えられている。胴体部6
1aの内部には、コイルL1と、矢印F2で示す方向に
取り出し可能なインクカートリッジ63と、このインク
カートリッジ63に挿入されたペン先62と、コイルL
1から交番磁界を発生させるためのLC発振回路69
c,FSK回路69d、CR発振回路69e等が実装さ
れた回路基板69と、この回路基板69に電気を供給す
る電源である電池70とが設けられている。このコイル
L1は、内径が15mm程度で長さが15mm程度に2
00回巻きされて環状に形成される。また、筆記面21
a(図1参照)と当接するペン先62の先端からおよそ
20mm程度離して配置されている。
【0014】また、インクカートリッジ63と回路基板
69との間には、上記発振回路等への電気の供給及び遮
断を行うための押しボタン式のスイッチ67が設けられ
ている。スイッチ67は、ペン先62を筆記面21a
(図1参照)に押し付け、インクカートリッジ63が矢
印F1で示す方向へ移動するとONし、筆記を中止する
と、スイッチ67内のばねにより矢印F2で示す方向へ
戻りOFFする。つまり、ペン60によって筆記面21
aに筆記を行っているときのみコイルL1から交番磁界
が発生する。
【0015】図8に示すように、回路基板69(図3参
照)に実装された回路は、インクの色やペン先62(図
3参照)の太さ等のペン60(図3参照)の属性(以下
ペン属性という。)を識別するために、属性毎に異なる
変調周波数fmが発生できるように設定されたCR発振
回路69eと、このCR発振回路69eから発振された
信号を搬送する搬送波S1を発振するLC発振回路69
cと、このLC発振回路69cの発振周波数fnをCR
発振回路69eの変調周波数fmによってFSK(Fr
equency Shift Keying)変調する
FSK回路69dと、これらに電気を供給する電源であ
る電池70とスイッチ67とから構成される。
【0016】LC発振回路は69cは、インバータIC
1と並列に設けられた帰還抵抗である抵抗R1と、同様
にインバータIC1と並列に設けられた発振コイルとな
るコイルL1とが接続される。インバータIC1の電源
端子には、電源である電池70に接続される接続線が、
回路を開閉するスイッチ67を介して接続されている。
また電池70の他の端子は接地される。そして、インバ
ータIC1の他の電源端子は接地されている。また、イ
ンバータIC1の入力端子側には、コンデンサC1が接
続されて、コンデンサC1の他端は接地される。そし
て、インバータIC1の出力端子側は、コンデンサC2
が接続されて、コンデンサC2の他端は接地される。さ
らに、インバータIC1の出力端子側には、FSK回路
69dに接続されている。
【0017】FSK回路69dには、コンデンサC3
と、スイッチング回路としてFET1が設けられ、FE
T1のソースSがコンデンサC3を介してインバータI
C1の出力側に接続され、ドレインDが接地され、ゲー
トGがCR発振回路69e出力部に接続されている。
【0018】CR発振回路69eは、FSK回路69d
のFET1のゲートGに接続された接続線が、インバー
タIC3の入力端子に接続され、またインバータIC3
の入力端子には、インバータIC2の出力端子が接続さ
れる。インバータIC2の入力端子には、抵抗R2が接
続され、抵抗R2の他端にはコンデンサC5が接続され
る。コンデンサC5の他端は、インバータIC3の出力
端子側に接続される。そして、可変抵抗R3は、その一
端がインバータIC2の出力端子とインバータIC3の
入力端子の間に接続される。また、この可変抵抗R3の
他の一端は、抵抗R2とコンデンサC5の間に接続され
る。インバータIC2,IC3の一方の電源端子は、ス
イッチ67を介し電池70に接続され、インバータIC
2,IC3の他の電源端子はそれぞれ接地されている。
【0019】このように構成されたCR発振回路69e
は、コンデンサC5のキャパシタンス、抵抗R2、可変
抵抗R3の抵抗の大きさにより、発振周波数が決定され
る。
【0020】具体的には、本実施の形態では、集積回路
IC1は東芝製のTC7SLU04Fであり、集積回路
IC2及びIC3は共に東芝製のTC7SLU04であ
る。また、FET1は2SK2158である。各抵抗の
抵抗値は、抵抗R1、R2は、ともに1MΩであり、可
変抵抗R3の可変範囲は0Ω〜1MΩである。また、各
コンデンサのキャパシタンスは、コンデンサC1は、2
700pFであり、コンデンサC2は、1000pF、
C3は270pFあり、C5は、100pFである。さ
らに、電池70は、LR44であり、その電圧は約1.
5Vである。なお、コンデンサC1,C2のキャパシタ
ンスの関係に関しては、後に詳細に説明する。
【0021】上記のように構成されたLC発振回路69
c、FSK回路69d、CR発振回路69eを備えて構
成されたペン60の回路基板69(図3参照)は、以下
の様な作用がある。
【0022】ここで、図19に示すように、コイルL1
が発振する搬送波周波数fcは、基本的には、LC発振
回路69cを構成するコイルL1のインダクタンス及び
キャパシタンスであるコンデンサC1,C2により定ま
る時定数に従って決定される。また、FSK回路69d
のFET1のゲートGにCR発振回路69eからの変調
周波数fmのパルス電圧が印加されると、その間、FE
T1のソースに接続されたコンデンサC3とFET1の
ドレインに接続された接地部との回路が閉じられる。
【0023】ここで、図20(A)は、FET1のゲー
トGに電圧が印加されていない場合のLC発振回路69
cの等価回路を示す。図20(B)は、FET1のゲー
トGに電圧が印加された場合のLC発振回路69cの等
価回路を示す。
【0024】FET1のゲートGに電圧が印加されない
場合は、コンデンサC3には電気が流れないため、LC
発振回路69cは、図20(A)に示すような回路と等
価となる。そのため、搬送周波数fcを決定するための
キャパシタンスは、コンデンサC1とコンデンサC2が
直列に配列された合成キャパシタンスになる。従って、
図20(A)に示す回路では、搬送周波数fc1は、以
下の数式1により決定される。
【0025】 fc1=1/[2π{(L1・C1・C2)/(C1+C2)}1/2 ] ・・・数式1
【0026】一方、FET1のゲートGに電圧が印加さ
れた場合は、コンデンサC3に電気が流れるため、LC
発振回路69cは、図20(B)に示すような回路と等
価となる。つまり、搬送周波数fcを決定するためのキ
ャパシタンスは、並列に接続されたコンデンサC2及び
C3とが、さらにコンデンサC1と直列に配列された合
成キャパシタンスになる。従って、図20(B)に示す
回路では、搬送周波数fc2は、以下の数式2により決
定される。
【0027】 fc2=1/[2π{(L・C1(C2+C3))/(C1+C2+C3)}1/2] ・・・数式2
【0028】次に、LC発振回路69cにおいて、コン
デンサC1とコンデンサC2のキャパシタンスの関係に
ついて説明する。前述のようにLC発振回路69cにお
いてコイルL1から発振される搬送周波数fcは、コイ
ルL1のコンダクタンスと、コンデンサC1,C2,C
3のキャパシタンスからその共振周波数が決定される。
従って、任意の搬送周波数fc1、fc2を得るために
は、コイルL1のコンダクタンスと、コンデンサC1,
C2,C3のキャパシタンスを、上記数式1及び数式2
を満たすような数値とすることで構成でき、その組み合
わせは無数にあるといえる。
【0029】ここで本発明者は、コイルL1を異なるコ
ンダクタンスに変更しながら、これに対応してコンデン
サC1とコンデンサC2とコンデンサC3のキャパシタ
ンスの条件を変えて所定の発振周波数で発振させて、そ
の組み合わせで消費する電流を測定する実験を行った。
図27は、コンデンサC1とコンデンサC2とコンデン
サC3のキャパシタンスと、コイルL1のインダクタン
スの組み合わせごとの消費電流を測定した結果を示す。
ここで、LC発振回路69c(図8参照)の搬送波周波
数fcとすると、
【0030】(C1・C2)/(C1+C2)=1/
{(2π・fc) L1}
【0031】の関係があるので、ここで、fc=400
kHとして、コイルL1のインダクタンスを600μ
H、400μH、200μHに変更した場合に、コンデ
ンサC1とコンデンサC2のキャパシタンスが、搬送波
周波数fcである400kHzになるような組み合わせ
が選択される。また、コンデンサC3のキャパシタンス
は、周波数偏移が20〜30kHzになる容量を基準と
して選択している。
【0032】測定の結果、コンデンサC1とコンデンサ
C2のキャパシタンスがC1>C2の比が大きい構成を
とるほど消費電流が小さくなることが判明した。また、
少なくともC1=C2のときには、従来の消費電流の下
限である200μAを達成できる。従って、コンデンサ
C1とコンデンサC2のキャパシタンスがC1>C2の
関係、つまり第一の負荷容量であるコンデンサC1が、
第二の負荷容量であるコンデンサC2より大きい容量の
負荷容量から構成されていれば、従来の同等の回路の消
費電流が一般に200μA〜500μAであったのに比
較して、200μA未満となり、省電力化を図ることが
できる。
【0033】図25は、コンデンサC1とコンデンサC
2のキャパシタンスを変化させたときに、異なるインダ
クタンスのコイルL1ごとに、LC発振回路69cで搬
送波周波数fcが400kHzとなる組み合わせを図上
にプロットしたグラフである。縦軸はコンデンサC2の
キャパシタンス(pF)を対数軸で示し、横軸はコンデ
ンサC1のキャパシタンス(pF)を対数軸で示したも
のである。図25のグラフ上実線の部分がそれぞれ消費
電流が200μAを下回る範囲を示すものである。ま
た、G1が600μH、G2が400μH、G3が20
0μHの場合の実験結果を示すグラフである。
【0034】図25に示すように、グラフによっても、
グラフG1、G2、G3において、消費電流が200μ
A未満となる範囲が実線の部分となることが判った。こ
のボーダーラインとなる点は、グラフにおいて、C2=
C1を示す直線G4の近傍であり、このグラフからも実
験から、少なくとも
【0035】C1>C2
【0036】とする構成であれば、C1とC2の組み合
わせにおいて低消費電流とすることができることを見い
だした。
【0037】次に、送信部であるペン60から送信され
る変調された信号について説明する。ここで、図21
(A)は、本実施の形態のLC発振回路69cのFET
1のゲートG(図19参照)に電圧を印加してない、即
ち周波数が偏移されてない搬送波SH1を示す。また、
図21(B)は、本実施の形態のLC発振回路69cの
FET1のゲートG(図19参照)に電圧を印加した、
即ち周波数が偏移された搬送波SL1を示す。また、図
21(C)は、本実施の形態の所定周期Tで、FSK変
調された搬送波S1を示す。図22は、本実施の形態の
搬送波S1のオシロスコープ画面による表示を示す図で
ある。
【0038】また、図23(A)は、比較例のLC発振
回路69cのFET1のゲートG(図19参照)に電圧
を印加してない、即ち周波数が偏移されてない搬送波S
H2を示す。また、図23(B)は、比較例のLC発振
回路69cのFET1のゲートG(図19参照)に電圧
を印加した、即ち周波数が偏移された搬送波SL2を示
す。また、図23(C)は、比較例の所定周期TでFS
K変調された搬送波S2を示す。図24は、比較例の搬
送波S2のオシロスコープ画面による表示を示す図であ
る。
【0039】本実施の形態のLC発振回路69cで発振
された振幅VH1の搬送波SH1を、説明のために模式
的に図21(A)に示し、また、搬送波SH1が、周波
数偏移された振幅VL1の搬送波SL1を同様に、図2
1(B)に示す。
【0040】本実施の形態のFSK変調された搬送波S
1は次のような関係がある。即ち、LC発振回路69c
において、コンデンサC1及びコンデンサC2が所定の
キャパシタンスに設定がなされている場合は、搬送波S
H1を周波数偏移させた場合に、振幅VH1は、変化す
ることなく周波数のみが偏移する。従って、搬送波SH
1の振幅VH1と、搬送波SL1の振幅VL1は同一の
振幅であり、所定周期TでFSK変調された搬送波S1
は、周期Tで搬送波VH1と搬送波VL1を交互に繰り
返し発振するが、その振幅は変化せず、AM成分が発生
しない。
【0041】一方、比較例のLC発振回路69cで発振
された振幅VH2の搬送波SH2を、説明のために模式
的に図23(A)に示し、また、搬送波SH2が、周波
数偏移された振幅VL2の搬送波SL2を同様に、図2
3(B)ように示す。そして、FSK変調された搬送波
S2は次のような関係がある。即ち、LC発振回路69
cにおいて、コンデンサC1及びコンデンサC2が所定
のキャパシタンスに設定がなされていない場合は、搬送
波SH2を周波数偏移させた場合に、周波数のみでなく
振幅VH2も変化する。従って、搬送波SH2の振幅V
H2と、搬送波SL2の振幅VL2は同一の振幅ではな
く、所定周期TでFSK変調された搬送波S2は、周期
Tで搬送波VH2と搬送波VL2を交互に繰り返し発振
するが、その振幅が変化してAM成分が発生する。
【0042】ここで、搬送波S2にAM成分が含まれる
場合、後述するように、コイルL1から搬送波S2に基
づいた交番磁界が形成され、これと磁気結合した受信部
である筆記パネル10の所定のセンスコイル23に誘起
電流が誘起され、振幅検波回路51で振幅検波される。
ここで、振幅検波された入力信号が、A/D変換回路5
2により信号の電圧値がサンプリングされて測定され、
ディジタル化されて記憶されるが、その際AM成分があ
ると、読取の精度が低下してしまう。そのため、AM成
分は、搬送波S2において、少なくとも、
【0043】(VL2−VH2)/VL2<0.01
【0044】の式を満たすことが望ましい。
【0045】また、本発明者は、このAM成分は、コン
デンサC1とコンデンサC2のキャパシタンスの大きさ
の比率によりその発生の大きさが変化することを見いだ
し、以下のような実験を行った。ここで、図26は、コ
ンデンサC1とコンデンサC2のキャパシタンスを変化
させたときに、異なるインダクタンスのコイルL1ごと
に、上記式の条件を満たすC1とC2の組み合わせを、
図上にプロットしたグラフである。
【0046】縦軸はコンデンサC2のキャパシタンス
(pF)を対数軸で示し、横軸はコンデンサC1のキャ
パシタンス(pF)を対数軸で示したものである。ここ
で、LC発振回路69cの搬送波周波数fcとすると、
【0047】(C1・C2)/(C1+C2)=1/
{(2πfc) L1}
【0048】の関係があるので、fc=400kHにな
るように、コイルL1のインダクタンス(μH)、コン
デンサC1、C2のキャパシタンス(pF)を変更し
て、組み合わせた。図28は、図26に示す実験におい
て、測定した組み合わせを示す表である。なお、表にお
いてFerriteとは、コイルL1に鉄芯を入れたも
のをいい、Airとは、L1が空芯のものをいう。そし
て、ほぼ(VL2−VH2)/VL2<0.01となる
点をプロットしたのが図26に示すグラフである。
【0049】この図26にプロットされた点は、ほぼ対
数グラフ上で直線をなし、ここから直線を求めれば、上
記の実験から、AM成分が1%になるボーダーとしてグ
ラフGが得られる。このグラフGからコンデンサC1と
コンデンサC2のキャパシタンスを、
【0050】C2<C10.9
【0051】を満たすように設定することで、AM成分
が1%未満になって、振幅を読み取る際の読取誤差を生
じさせない。そのため座標読取精度を高くすることがで
きる。
【0052】ペン60の属性と変調周波数fmとの関係
は、その関係を説明する図10(A)に示すように設定
されている。図10(A)において、「細」とはペン先
62(図3参照)が細いことを示しており、「太」とは
ペン先62が太いことを示す。例えば、「黒太」とは、
ペン先62が太く黒色インクを使用するペン60を示
す。なお、イレーサ40もコイルを内蔵しており、その
コイルから発生した交番磁界によってセンスコイルに発
生した信号に基づいてイレーサ40による消去範囲を演
算するため、イレーサ40にも変調周波数fmを割り当
て、ペン60と識別する。
【0053】図8において、スイッチ67がONする
と、電池70の電気が各回路に供給され、CR発振回路
69eの集積回路IC3の出力がFSK回路69dのF
ET1のゲートをスイッチングし、LC発振回路69c
から発振した搬送波SH1がCR発振回路69eから発
振された信号によって周波数変調される。
【0054】本実施の形態では、搬送波S1の中心周波
数は、410kHzであり、周波数偏移は±15kHz
である。
【0055】次に本実施の形態に係る座標入力装置であ
る電子黒板1の他の部分の構成について図1及び図2を
参照して説明する。図2は、図1に示す電子黒板1にパ
ーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する。)10
0及びプリンタ200を接続した状態を示す説明図であ
る。
【0056】電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記
面21aに筆記を行うためのペン60と、筆記された軌
跡及びその軌跡を示すデータを消去するためのイレーサ
40とが備えられている。筆記パネル10には、枠状の
フレーム11が備えられており、そのフレーム11に
は、筆記パネル本体20が組み込まれている。フレーム
11の前面下端には、その下端に沿って板状の台12が
前面に張り出す形で取り付けられている。台12の上面
には、ペン60を差して収容するためのスタンド状の複
数の凹部12aが形成されいる。その凹部12aの右側
には、イレーサ40などを置くための平面部12bが形
成されている。
【0057】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音等
の音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記さ
れた内容を示すデータ(以下筆記データと略称する。)
を記憶したページ数を7セグメントのLEDによって表
示するページ数表示LED32と、押す毎に1ページず
つ戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ページずつ
送るページ送りボタン34と、記憶されている筆記デー
タを押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン35と、
記憶されている筆記データをプリンタ200(図2参
照)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、
記憶されている筆記データをPC100(図2参照)へ
出力するために押すPC出力ボタン37と、ペン60の
電池切れを報知する電池切れ報知用LED39と、この
電子黒板1を起動するために押す電源ボタン38とが設
けられている。
【0058】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリーケース14が設けられており、そのバッテリーケ
ース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取り付けら
れている。バッテリーケース14の右側には、スピーカ
31のボリューム調節つまみ13cが設けられており、
その右側には、コネクタ13b,13aが設けられてい
る。図2に示すように、コネクタ13bには、プリンタ
200と接続された接続ケーブル204のプラグ202
が接続され、コネクタ13aには、PC100と接続さ
れた接続ケーブル104のプラグ102が接続される。
つまり、電子黒板1の筆記面21aに筆記された内容を
示す筆記データをPC100へ出力し、PC100に備
えられたモニタ103により、電子黒板1に筆記された
内容を見ることができる。また、筆記データをプリンタ
200へ出力し、電子黒板1に筆記された内容を印刷用
紙203に印刷することもできる。
【0059】また、図1に示すようにフレーム11の裏
面上端の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるため
の金具15,15が取り付けられている。本実施の形態
では、筆記面21aの高さH1は900mmであり、幅
W1は600mmである。また、フレーム11及び台1
2は、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により軽量
に形成されており、電子黒板1の総重量は10kg以下
である。
【0060】次に、筆記パネル本体20の構造について
図4を参照して説明する。図4は、筆記パネル本体20
の各構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20
は、筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパ
ネル22と、センスコイル23が敷設された枠形状の取
付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に積層
した構造である。この実施の形態では、筆記シート21
は、貼り合わされたPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルムにより厚さ0.1mmに形成されており、
パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカー
ボネート)等により厚さ3.0mmに形成されている。
また、取付パネル24は、発泡スチロール等の発泡樹脂
製材料により厚さ40mmに形成されており、バックパ
ネル25は、アルミニウム等の導電性材料により厚さ
1.0mmに形成されている。さらに、筆記パネル本体
20の各端部を挟持するフレーム11の全体の厚さは5
0mmである。
【0061】次に、センスコイル23の構成について図
5を参照して説明する。図5(A)は、図4に示すセン
スコイル23の構成を一部を省略して示す説明図であ
り、図5(B)は、図5(A)に示すセンスコイル23
の幅及び重ねピッチを示す説明図である。なお、以下の
説明では、センスコイル23のうちX軸方向に配列され
たセンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列され
たセンスコイルをYコイルと称する。図5(A)に示す
ように、X軸方向には、ペン60及びイレーサ40の
(X、Y)座標のX座標を検出するためのX1〜Xmの
Xコイルがm本配置されており、Y軸方向には、Y座標
を検出するためのY1〜YnのYコイルがXコイルと直
交してn本配置されている。Xコイル及びYコイルは、
それぞれが略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺
の長さはそれぞれP2X,P2Yである。
【0062】図5(B)に示すように、Xコイルの矩形
部分の短辺の長さが、幅P1に形成されており、隣接す
るXコイルは、幅P1の2分の1のピッチでそれぞれ重
ねられている。Yコイルもそれぞれ幅P1に形成されて
おり、隣接するYコイルは、幅P1の2分の1のピッチ
でそれぞれ重ねられている。センスコイルまた、Xコイ
ルの各端子23aは、Xコイル切替え回路50aに接続
されており、Yコイルの各端子23bは、Yコイル切替
え回路50bに接続されている(図9参照)。以下Xコ
イル切替え回路50aとYコイル切替え回路50bをま
とめてX,Yコイル切替え回路50という。一例とし
て、この実施の形態では、P1=50mmであり、P2
X=680mmであり、P2Y=980mmである。ま
た、m=22であり、n=34である。さらにXコイル
及びYコイルは、共に表面に絶縁皮膜層(例えば、エナ
メル層)を有する直径0.345mmの銅線により形成
されている。
【0063】次に、筆記面21a上のペン60の位置座
標を検出するための位置座標テーブルについて図6及び
図7を参照して説明する。図6(A)は、XコイルX1
〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6
(A)に示すXコイルX1〜X3に発生する電圧と幅方
向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図
6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に隣接するセ
ンスコイル間の電圧差を示すグラフである。図7(A)
は位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であり、
図7(B)は、位置座標テーブルの説明図であり、図7
(C)は各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【0064】図6においてXコイルX1,X2,X3の
中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、XコイルX
1,X2,X3に発生する電圧をそれぞれex1,ex
2,ex3とする。図6(B)に示すように、電圧ex
1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C1〜C3
において最大になり、長手方向の端部が近づくにつれて
小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、自己のヌ
ル点、即ち電圧ex1、ex2,ex3が0となる点が
隣接するコイルの中心の外側となるようにPの2分の1
の幅で重ねられる。なお、図5(A),(B)、図6
(A)においては、各センスコイル23の重なり方を見
やすくするため、幅をやや小さく示している。図6
(C)に示すようにXコイルX1〜3の相互に隣接する
センスコイル間の電圧差は、センスコイルの中心C1〜
C3上にそれぞれ最大値を有し、センスコイルの中心と
センスコイルの長辺部分との中間点、つまり隣接するセ
ンスコイルが重なった部分の中間点で零となるグラフと
なる。
【0065】例えば、図6(C)において(ex1−e
x2)を示すグラフの実線で示す部分は、XコイルX1
の中心C1から、XコイルX2が重ねられた部分の中間
点Q1間での距離(重ねピッチの2分の1、つまりPの
4分の1)と(ex1−ex2)との関係を示す。い
ま、仮にペン60が点Q2に存在する場合、(ex1−
ex2)を検出すれば中心C1からQ2点までの距離Δ
X1を検出できるため、Q2点のX座標を求めることが
できる。この実施の形態では、コイル幅P1が50mm
であるから、P1/4=12.5mmである。例えば、
図6(C)において(ex1−ex2)の特性を示す部
分(実線で描いた部分)を8bitのデジタルデータに
変換すると、図7(A)に示すグラフを得る。このグラ
フをテーブル形式に変換すると、図7(B)に示す位置
座標テーブル58aを得る。この位置座標テーブル58
aは、ROM58(図9参照)等に記憶され、ペン60
の位置座標の演算に用いられる。
【0066】次に、電子黒板1の主な電気的構成及び制
御内容について図9,図10(B)及び図11を参照し
て説明する。図9は、電子黒板1の電気的構成をブロッ
クで示す説明図であり、図10(B)は、図9の中の
A,B,C点における信号を示す説明図である。図11
は図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示す
フローチャートである。図9に示す制御部2に備えられ
たCPU56は、電源ボタン38(図1参照)が押下さ
れ、電源がONしたことを検出すると(ステップ(以下
Sと略す。)100:Yes)、ROM58に記憶され
ている制御プログラムや位置座標テーブル58a(図7
(B)参照)をRAM59のワークエリアにロードする
等の初期設定を行い(S200)、座標読取・ペン情報
検出処理を実行する(S300)。
【0067】ここで座標読取処理について、その流れを
示す図12のフローチャートを参照して説明する。CP
U56は、XコイルX1〜Xmを順に選択するコイル選
択信号A(図10(B))を入出力回路(I/O)53
を介してXコイル切替え回路50aに出力することによ
り、XコイルX1〜Xmのスキャンを行う(S30
2)。続いてペン60のコイルL1から発生した交番磁
界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によって発生し
た信号は、増幅器50c(図9参照)によって増幅さ
れ、その増幅信号(図10(B)参照)は、バンドパス
フィルタ(BPF)50dによって不要な帯域が濾波さ
れ、振幅検波回路51によって振幅検波される。続いて
その振幅検波された信号(図10(B))は、A/D変
換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジ
タル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU5
6に入力される。このとき本実施の形態ペン60から
は、AM成分がすくない信号が発振されるので、A/D
変換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデ
ジタル信号に変換する際の誤差が少なく正確に読み取れ
る。
【0068】続いてCPU56は、ペン60を検出した
と判定し(S304:Yes)、XコイルX1〜Xmを
スキャンして入力されたデジタル信号によって示される
電圧値e1〜emを図7(C)に示すように、Xコイル
のコイル番号と対応付けてRAM59の電圧値記憶エリ
ア59aに順次記憶していく(S306)。続いてCP
U56は、電圧値記憶エリア59aに記憶された各電圧
値に基づいて以下の手順によってペン60のX座標を演
算する(S308)。まず、電圧値記憶エリア59aに
記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値e
maxを選択し、その電圧値emaxを発生させたXコ
イルのコイル番号(以下、maxと称する。)をRAM
59に記憶する。例えば、図6に示すように、ペン60
は、位置Q3に存在し、図6(B)に示すように、Xコ
イルX1,X2,X3からそれぞれ電圧値e1,e2,
e3が発生したとすると、最大の電圧値e2を選択し、
その電圧値e2を発生させたXコイルのコイル番号2を
maxとしてRAM59に記憶する。そして、CPU5
6は、emaxの両隣の電圧値emax±1のうち大き
い方を決定し、その決定された電圧値を発生したXコイ
ルのコイル番号(以下、max2と称する。)をRAM
59に記憶する。
【0069】図6に示す例では、e2の両隣の電圧値e
3,e1のうち大きい方のe3に決定し、その電圧値e
3を発生させたXコイルのコイル番号3をmax2とし
てRAM59に記憶する。続いてCPU56は、RAM
59に記憶されたコイル番号max及びmax2を比較
して、コイル番号max2はコイル番号maxからX軸
の+方向又は−方向のどちらに存在するかを判定する。
そして、max2≧maxである場合は、変数SIDE
を1に設定し、max2<maxである場合は、変数S
IDEを−1に設定する。図6に示す例では、ペン60
がQ3にある場合max=2でmax2=3であるか
ら、max2>maxとなり、変数SIDEを1に設定
する。続いてCPU56は、
【0070】 DIFF=e(max)−e(max2)・・・(1)
【0071】を演算し、その演算されたDIFFに最も
近い位置座標をROM58に、記憶されている位置座標
テーブル58aから読出し、それをOFFSETとす
る。続いてCPUは、
【0072】 X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE
【0073】を演算し、X座標X1を求める。ここで、
(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のX
座標を示す。図6に示す例では、(2)式は、X=(P
1/2)×2+(e2−e3)×1となり、位置Q3の
X座標は、XコイルX2の中心C2からX軸の+方向に
(e2−e3)に対応する距離、例えばΔX2離れた座
標となる。そして、CPU56は、各Yコイルのスキャ
ンを実行し(S310)、各Yコイルから検出した電圧
値をRAM59のYコイル用の電圧値記録エリアに記憶
する(S312)。続いてCPU56は、前述のS30
8におけるX座標の演算と同じ手法を用いてペン60の
Y座標を演算する(S314)。
【0074】次に、CPU56が、ペン属性を判定する
ための電気的構成及び制御について図13乃至図18を
参照して説明する。図13は、FSK復調回路55(図
9参照)の電気的構成を示す説明図であり、図14は図
13に示すFSK復調回路55の各部位に表れる信号波
形を示す説明図である。
【0075】図15(A)は、CR発振回路69e(図
8参照)の出力信号(以下、CR信号と称する。)と、
LC発振回路69c(図8参照)の出力信号(以下キャ
リア信号と称する。)と、リミッタ回路54(図9参
照)の出力信号(以下リミッタ出力信号と称する。)
と、カウント回路55a(図13参照)によるカウント
値との関係を示す説明図である。図15(B)は、シフ
トレジスタ55b(図13参照)に格納されたカウント
値がシフトする様子を示す説明図である。
【0076】図16(A)は、絶対値コンパレータ55
fによるしきい値判定出力と、CPU56の判定周期と
の関係を示す説明図であり、図16(B)はカウンタ5
5gによるカウント値が移動する様子を示す説明図であ
る。図17は、S318におけるFSK復調回路55を
構成するカウント回路55aから絶対値コンパレータ5
5f(図13参照)までの処理(ペン属性検出処理1)
の流れを示すフローチャートであり、図18(A)は、
S318におけるカウンタ55gの処理の流れを示すフ
ローチャートであり、図18(B)は、S318におけ
る加算器55iの処理の流れを示すフローチャートであ
る。なお、図15(A)に示すキャリア信号は、例えば
前述したように中心周波数が410kHzであり、周波
数偏移が±15kHzであるが、説明をわかり易くする
ために、図15(A)では、周波数偏移を誇張してい
る。
【0077】最初に、ペン属性を検出するためのFSK
復調回路55の特徴について図15を参照して説明す
る。図15(A)に示す例では、CR信号のローレベル
の間は、キャリア信号は高い周波数(例えば425kH
z)に変調されており、ハイレベルの間は低い周波数
(例えば395kHz)に変調されている。このため、
CR信号がローレベルの間のリミッタ出力信号の周期を
TBとすると、CR信号がハイレベルの間のリミッタ出
力信号の周期はTBより長いTCとなる。従って、カウ
ント回路55aによるリミッタ出力信号の1周期分のカ
ウント値kは、CR信号がローレベルからハイレベルに
変化したときに増加し、ハイレベルからローレベルに変
化したときに減少する。
【0078】つまり、カウント回路55aによるカウン
ト値Kが変化したタイミングを検出することにより、C
R信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを検
出することができる。そして、カウント値Kが変化して
から次に変化する間での時間はCR信号の半周期に対応
するため、カウント値Kの変化している時間の1周期分
を計測すれば、CR信号の周期を求めることができるの
で、ペン属性を検出することができる。ここで、FSK
復調回路55の各構成要素の作用の概略を説明すると、
カウント回路55aはカウント値Kを計測し、シフトレ
ジスタ55b、第1加重平均回路55c、第2加重平均
回路55d、減算器55eおよび絶対値コンパレータ5
5fはカウント値Kの変化タイミングを検出し、カウン
タ55g、レジスタ55hおよび加算器55iはカウン
ト値Kが変化する周期を計測する。そして、CPU56
は、加算器55iから出力された加算値に基づいてペン
属性を判定する(図12:S318)
【0079】次に、FSK復調回路55の動作を詳細に
説明する。バンドパスフィルタ50dから出力された信
号は、リミッタ回路54によって図14(A)に示す方
形波のリミッタ出力信号に変換され、FSK復調回路5
5に出力される。そして、FSK復調回路55は、リミ
ッタ出力信号の立ち上がりを検出すると(図17のS1
0:Yes)、システムクロック(CLK)を用いてリ
ミッタ出力信号の周期のカウントを開始し(S12)、
リミッタ出力信号の次の立ち上がりを検出すると(S1
4:Yes)、カウント値Kをシフトレジスタ55bに
出力し(S16)、カウント値Kをリセットする(S1
8)。つまり、カウント回路55aはリミッタ出力信号
の1周期の長さTBまたはTCを計測する。
【0080】この実施の形態では、シフトレジスタ55
bは、図15(B)に示すように、リミッタ出力信号の
1周期分のカウント値KをK1〜K8の8周期分格納
し、最も新しいカウント値Kを取り込むごとに最も古い
カウント値Kを破棄し、各カウンタ値Kを1つずつシフ
トして行く。第1加重平均回路55cは、シフトレジス
タ55bに格納されている最も新しいカウント値Kから
3番目に新しいカウント値Kまでの加重平均値を演算
し、その加重平均値(以下、第1加重平均値と称す
る。)を減算器55eに出力する。また、第2加重平均
回路55dは、シフトレジスタ55bに格納されている
最も古いカウント値から3番目に古いカウント値までの
加重平均値を演算し、その加重平均値(以下、第2加重
平均値と称する。)を減算器55eに出力する。
【0081】減算器55eは、第1加重平均値と第2加
重平均値との差Δmを演算し、その差Δmを絶対値コン
パレータ55fに出力する(図17のS20)。例え
ば、図15(A)において、第1加重平均回路55cが
カウント値K1〜K3の加重平均値を演算し、第2加重
平均回路55dがカウント値K6〜K8の加重平均値を
演算した場合、カウント値K6〜K8のうち、カウント
値K7及びK8は、リミッタ出力信号の周期TBよりも
長い周期TCをカウントしたものであるから、第2加重
平均値は第1加重平均値よりも大きくなる。従って、第
2加重平均値が第1加重平均値よりも大きくなったこと
を検出すれば、CR信号の周期の変化点を検出すること
ができる。つまり、CR信号の周期の変化点の周期を検
出すれば、CR信号の周期を検出できるため、ペン60
の属性情報を認識することができる。
【0082】このように、時間的に離れてカウントされ
たカウント値を加重平均回路によって加重平均するた
め、あるカウント値がノイズの影響を受けても、その影
響は小さくなる。
【0083】次に、絶対値コンパレータ55fから加算
器55iまでの処理について図16を参照しながら説明
する。図16において〜はカウンタ55gによるカ
ウント値を示す。絶対値コンパレータ55fは、差Δm
と、予め設定されているしきい値m1とを比較し、差Δ
mがしきい値m1以上であるか否かを判定し(図17の
S22)、差Δmがしきい値m1以上であると判定する
と(S22:Yes)、しきい値判定出力をローレベル
からハイレベルに変化させる(S24)。つまり、リミ
ッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち上がり
エッジを検出した)と判定する。例えば、図15(A)
に示すリミッタ出力信号の短い方の周期TBのカウント
回路55aによるカウント値を10,周期TCのカウン
ト値を16、しきい値m1を2とすると、カウント値K
1〜K6はいずれも10であるから、第1加重平均値=
(K1+K2+K3)/3=10となる。また、カウン
ト値K7及びK8は共に16であるから、第2加重平均
値=(K6+K7+K8)/3=42/3=14とな
り、差Δm=10−14=−4となる。
【0084】なお、第1加重平均回路55c及び第2加
重平均回路55d、それぞれ搬送波S1の周波数fc
(LC発振回路69cの発振周波数)と変調周波数fm
の比と、回路の複雑さとに基づいて決定する。また、シ
フトレジスタ55bが保持するカウント値、つまりリミ
ッタ出力信号の周期の数はシステムクロック周波数と、
搬送波周波数fcの比で決定され、システムクロックの
周波数は、、周波数の変化を十分弁別できる大きさに設
定する。
【0085】従って、(差Δmの絶対値=4)>(しき
い値m1=2)となるため、しきい値判定出力がローレ
ベルからハイレベルに変化する(図17:S24)。こ
のハイレベルの状態は、差Δmの絶対値がしきい値m1
以上であると絶対値コンパレータ55fに判定されるま
で維持される。そして、第1加重平均回路55c及び第
2加重平均回路55dの演算範囲が、CR信号のエッジ
を通過した部分に到達すると、リミッタ出力信号の周期
は一定になるため、両加重平均回路55c、55dは共
に同じ周期のカウント値Kの加重平均値を演算するの
で、減算器55eによる減算値は0になり、しきい値判
定出力はハイレベル状態が続く。
【0086】一方、カウンタ55gは、しきい値判定出
力がローレベルからハイレベルに変化したことを検出す
ると(図18(A)のS30:Yes)判定出力がハイ
レベルになっている時間、つまり判定出力の半周期をシ
ステムクロックを用いてカウントする(S32)。その
カウント値をとする(図16(B)の(B1))。そ
して、が差Δmがしきい値m1以上であると絶対値コン
パレータ55fにおいて再び判定される(図17のS2
2:Yes)、しきい値判定出力をハイレベルからロー
レベルに変化させる(S24)。つまり、リミッタ出力
信号の周期が変化した(CR信号の立ち下がりエッジを
検出した)と判定する。これにより、カウンタ55g
は、しきい値判定出力がハイレベルからローレベルに変
化したことを検出し(図18(A):S34:Ye
s)、図16(B)の(B2)に示すように、カウント
値をレジスタ55hに出力する(S36)。続いてカ
ウンタ55gは、カウント値をリセットし(S3
8)、しきい値判定出力がローレベルになっている時
間、つまりしきい値判定出力の半周期をカウントする
(丸つきBを介してS32)。そのカウント値をとす
る。
【0087】続いて加算器55iは、カウンタ55g及
びレジスタ55hに共にカウント値が保持されたタイミ
ング、つまり加算タイミングであると判定すると(図1
8(B):S50:Yes)、カウンタ55gが保持し
ているカウント値及びレジスタ55hが保持している
カウント値を加算し(S52)、加算値をCPU
56へ出力する(S56)。このとき、カウンタ55g
は、図16(B)の(B3)に示すようにカウント値
をレジスタ55hに出力する(図18(A)のS3
6)。そして、CPU56は、入出力回路53を介して
FSK復調回路55の値、すなわち、加算値を読み
込み(図12のS316、図13)、その読み込んだ加
算値に基づいてペン属性を判定する(S318)。
例えば、加算値が245である場合は、図10
(A)に示すようにペン属性は黒太であると判定する。
また、CPU56は、ペン属性とXY座標とを対応付け
てRAM59に記憶する。このような形で記憶された筆
記データは、例えばプリンタ200(図2参照)に出力
され、黒太で印刷される。また、PC100(図2参
照)へ出力され、モニタ103(図2参照)に黒太で表
示される。つまり、ペン60の属性の通りに筆記データ
を再生することができる。
【0088】続いて加算器55iは、レジスタ55hの
カウント値及びカウンタ55gのカウント値を加算
し、CPU56へ出力する(図16(B)の(B
3))。以降、しきい値判定出力が変化する毎に、カウ
ンタ55gによるカウント値は、レジスタ55hに出力
され、加算器55iは、カウンタ55gによるカウント
値及びレジスタ55hに保持されたカウント値を加算
し、加算値をCPU56に出力するというサイクルを繰
り返す。つまり、図16(B)に示すように、加算器5
5iは、カウンタ55gによってカウントされた最新の
カウント値とレジスタ55hに保持されている1つ前の
カウント値とを加算し、それをCPU56に出力するた
め、図16(A)に示すように、CPU56は、しきい
値判定出力の半周期毎に、最新のカウント値及び1つ前
のカウント値の加算値に基づいてペン属性を判定する。
従って、しきい値判定出力の途中、例えば図16(A)
の時刻t0とt1との間でセンスコイル23のスキャン
が行われた場合であっても、しきい値判定出力の次の1
周期(t2〜t4)の加算値を取り込まなくても、時刻
t1から半周期後の時刻t2〜t4の1周期の加算値を
取り込めばよいため、ペン属性の判定を高速に行うこと
ができる。
【0089】ここで、図11の説明に戻り、また、CP
U56は、ページ戻りボタン33、ページ送りボタン3
4及び消去ボタン35が押されたときに、記憶されてい
る筆記データのページ単位での戻し、送り、或いは消去
等のページ処理を行う(S400)。つまり、CPU5
6は、操作部30に設けられた各種ボタン(図1参照)
の操作により発生するスイッチング信号をI/F回路5
7(図9参照)を介して取り込み、RAM59に格納さ
れている位置座標データを記憶するページをページ単位
で戻したり、送ったり、或いは位置座標データをページ
単位で消去する等のページ処理を実行する。また、CP
U56は、RAM59に格納されている位置データのう
ち、目的のページの位置座標データを適当なフォーマッ
トに変換してPC100やプリンタ200(図2参照)
へ出力するデータ出力処理を実行する(S500)。
【0090】さらに、CPU56(図9参照)は、各種
ボタンが押された際に発生するスイッチング信号に基づ
いて音声回路31a(図9参照)を動作させてスピーカ
(SP)31(図9参照)から「ピー」、「ピッ」等の
操作音を発声する音声出力処理を実行する(図11:S
600)。また、CPU56は、イレーサ40(図1参
照)に内蔵されたコイルから発生する交番磁界によって
Xコイル及びYコイルに発生する電圧に基づいてイレー
ザ40の払拭軌跡を演算し、その演算した払拭軌跡内の
位置座標データをRAM59(図9参照)から消去する
イレーサ処理を実行する(S700)。
【0091】本発明に係る実施の形態の座標入力装置
は、上記のような構成、作用を備えるため、以下のよう
な効果がある。即ち、インバータIC1と、インバータ
IC1の帰還抵抗である抵抗R1と、インバータIC1
に並列に接続されたコイルL1とインバータIC1の入
力側に接続されたコンデンサC1と、インバータIC1
の出力側に接続されたコンデンサC2とを備えた所定の
共振周波数を発振するLC発振回路69cと、コンデン
サC2と並列に接続されたコンデンサC3及びFET1
を備えたスイッチング回路からなるFSK回路69d
と、スイッチング回路を開閉するパルス発生回路である
CR発振回路69eとを備えて構成されたペン60にお
いて、コンデンサC1の負荷容量を、コンデンサC2の
負荷容量より大きい容量の負荷容量から構成すること
で、ペン60の消費電力を減少させることができるとい
う効果がある。そのため、ペン60の電池70の使用時
間を長くして、長時間電池切れのないペン60として使
用者の不便のない電子黒板1とすることができるという
効果を奏し、また、同じ使用時間であれば、電池70を
軽量化でき、使用者に使いやすい電子黒板1とすること
ができるという効果を奏する。
【0092】さらに、本実施の形態の電子黒板1では、
コンデンサC1とコンデンサC2の負荷容量を、C1
0.9>C2の関係を満たすように構成することで、消
費電流を減少させることができるという効果があるだけ
でなく、ペン60から送信される信号のAM成分を小さ
くすることができるという効果もある。そのため、受信
部である筆記パネル10において、ペン60から受信し
た信号からA/D変換回路52により振幅情報を検出す
るときにAM成分により読取誤差が生じることなく正確
に振幅を検出でき、もって正確な座標を入力することが
できる。
【0093】以上、一の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
改良変更が可能であることは容易に推察できるものであ
る。
【0094】
【発明の効果】請求項1に係る発明の座標入力装置によ
れば、電池を利用して所定の搬送周波数の交番磁界を発
生させる送信部と、複数のセンスコイルが敷設され交番
磁界と磁気結合可能な受信部とを備えた座標入力装置に
おいて、インバータと、インバータの帰還抵抗と、イン
バータに並列に接続された発振コイルとインバータの入
力側に接続された第一の負荷容量と、インバータの出力
側に接続された第二の負荷容量とを備えた所定の共振周
波数を発振する発振回路を備えて構成された送信部にお
いて、第一の負荷容量を、第二の負荷容量より大きい容
量の負荷容量から構成することで、送信部の消費電力を
減少させることができるという効果がある。そのため、
送信部の電池の使用時間を長くして、長時間電池切れの
ない送信部として使用者の不便のない座標入力装置とす
ることができるという効果を奏し、また、同じ使用時間
であれば、送信部の電池を軽量化でき、使用者に使いや
すい送信部とすることができるという効果を奏する。
【0095】また、請求項2に係る発明の座標入力装置
によれば、電池を利用して所定の搬送周波数の交番磁界
を発生させる送信部と、複数のセンスコイルが敷設され
交番磁界と磁気結合可能な受信部とを備えた座標入力装
置において、インバータと、インバータの帰還抵抗と、
インバータに並列に接続された発振コイルとインバータ
の入力側に接続された第一の負荷容量と、インバータの
出力側に接続された第二の負荷容量と、第二の負荷容量
と並列に接続された第三の負荷容量及びスイッチング回
路と、スイッチング回路を開閉するパルス発生回路とを
備え所定の変調された共振周波数を発振する発振回路を
備えて構成された送信部において、第一の負荷容量と第
二の負荷容量を、第一の負荷容量をC1とし、第二の負
荷容量をC2としたときに、C10.9>C2の関係を
満たすように構成することで、消費電流を減少させるこ
とができるだけでなく、送信部から送信される信号のA
M成分を小さくすることができるという効果がある。そ
のため、受信部において、送信部から受信した信号から
振幅情報を検出するときにAM成分により読取誤差が生
じることなく正確に振幅を検出でき、もって正確な座標
を入力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子黒板の主要構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す電子黒板にパーソナルコンピュータ
100及びプリンタ200を接続した状態を示す説明図
である。
【図3】ペン60の内部構造を示す説明図である。
【図4】筆記パネル本体20の各構成部材を示す説明図
である。
【図5】(A) 図4に示すセンスコイル23の構成を
一部を省略して示す説明図である。 (B) 図(A)に示すセンスコイル23の幅及び重ね
ピッチを示す説明図である。
【図6】(A) XコイルX1〜X3の一部を示す設計
図である。 (B) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3に発生す
る電圧と幅方向の距離との関係を示すグラフである。 (C) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に
隣接するセンスコイル間の電圧差を示すグラフである。
【図7】(A) 位置座標テーブルをグラフ化して示す
説明図である。 (B) 位置座標テーブルの説明図である。 (C) 各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【図8】図3に示すペン60の電気的構成を示す説明図
である。
【図9】電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明
図である。
【図10】(A) ペン60の属性と変調周波数fmと
の関係を説明する図である。 (B)は、図9の中のA,B,C点における信号を示す
説明図である。
【図11】図9に示すCPU56が実行する主な制御内
容を示すフローチャートである。
【図12】座標読取処理についての流れを示すフローチ
ャートである。
【図13】FSK復調回路55(図9)の電気的構成を
示す説明図である。
【図14】図13に示すFSK復調回路55の各部位に
表れる信号波形を示す説明図である。
【図15】(A) CR発振回路69eの出力信号と、
LC発振回路69cの出力信号と、リミッタ回路54の
出力信号と、カウント回路55aによるカウント値との
関係を示す説明図である。 (B) シフトレジスタ55bに格納されたカウント値
がシフトする様子を示す説明図である。
【図16】(A) 絶対値コンパレータ55fによるし
きい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示
す説明図である。 (B) カウンタ55gによるカウント値が移動する様
子を示す説明図である。
【図17】FSK復調回路55を構成するカウント回路
55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン
属性検出処理1)の流れを示すフローチャートである。
【図18】カウンタ55g及び加算機55iの処理(ペ
ン属性検出処理2)の流れを示すフローチャートであ
る。
【図19】電源回路等その一部を省略したペン60の電
気回路図である。
【図20】(A) FET1のゲートGに電圧が印加さ
れていない場合の、LC発振回路69cの等価回路を示
す図である。 (B) FET1のゲートGに電圧が印加された場合
の、LC発振回路69cの等価回路を示す図である。
【図21】(A) 本実施の形態のLC発振回路69c
のFET1のゲートG(図19参照)に電圧を印加して
ない、即ち変調されてない搬送波SH1を示す図であ
る。 (B) 本実施の形態のLC発振回路69cのFET1
のゲートG(図19参照)に電圧を印加した、即ち周波
数が偏移された搬送波SL1を示す図である。 (C) 本実施の形態の所定周期Tで、FSK変調され
た搬送波S1を示す。
【図22】本実施の形態の搬送波S1のオシロスコープ
画面による表示を示す図である。
【図23】(A) 比較例のLC発振回路69cのFE
T1のゲートG(図19参照)に電圧を印加してない、
即ち変調されてない搬送波SH2を示す図である。 (B) 比較例のLC発振回路69cのFET1のゲー
トG(図19参照)に電圧を印加した、即ち周波数が偏
移された搬送波SL2を示す図である。 (C) 比較例の所定周期Tで、FSK変調された搬送
波S2を示す図である。
【図24】比較例の搬送波S2のオシロスコープ画面に
よる表示を示す図である。
【図25】コンデンサC1とコンデンサC2のキャパシ
タンスを変化させたときに、異なるインダクタンスのコ
イルL1ごとに、LC発振回路69cで搬送波周波数f
cが400kHzとなる組み合わせを図上にプロットし
たグラフである。
【図26】コンデンサC1とコンデンサC2のキャパシ
タンスを変化させたときに、異なるインダクタンスのコ
イルL1ごとに、上記式の条件を満たすC1とC2の組
み合わせを、図上にプロットしたグラフである。
【図27】コンデンサC1とコンデンサC2とコンデン
サC3のキャパシタンスと、コイルL1のインダクタン
スの組み合わせごとの消費電流を測定した結果を示す。
【図28】図26に示す実験において、測定した組み合
わせを示す表である。
【符号の説明】
1 電子黒板 10 筆記パネル(受信部) 23 センスコイル 60 ペン(送信部) 67 スイッチ 69 回路基板 69c LC発振回路(発振回路) 69d FSK回路(スイッチング回路) 69e CR発振回路(パルス発生回路) 70 電池 IC1 インバータ L1 コイル(発振コイル) R1 抵抗(帰還抵抗) C1 コンデンサ(第一の負荷容量) C2 コンデンサ(第二の負荷容量) C3 コンデンサ(第三の負荷容量) FET1 MOS FET

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の搬送周波数の交番磁界を発生させ
    る送信部と、 複数のセンスコイルが敷設され前記交番磁界と磁気結合
    可能な受信部とを備えた座標入力装置において、 前記送信部は、 電源となる電池と、 インバータと、 前記インバータの帰還抵抗と、 前記インバータに並列に接続された発振コイルと 前記インバータの入力側に接続された第一の負荷容量
    と、 前記インバータの出力側に接続された第二の負荷容量
    と、を備えた所定の共振周波数を発振する発振回路を備
    え、 前記第一の負荷容量は、前記第二の負荷容量より大きい
    容量の負荷容量から構成されていることを特徴とする座
    標入力装置。
  2. 【請求項2】 所定の搬送周波数の交番磁界を発生させ
    る送信部と、 複数のセンスコイルが敷設され前記交番磁界と磁気結合
    可能な受信部とを備えた座標入力装置において、 前記送信部は、 電源となる電池と、 インバータと、 前記インバータの帰還抵抗と、 前記インバータに並列に接続された発振コイルと 前記インバータの入力側に接続された第一の負荷容量
    と、 前記インバータの出力側に接続された第二の負荷容量
    と、 前記第二の負荷容量と並列に接続された第三の負荷容量
    及びスイッチング回路と、 前記スイッチング回路を開閉するパルス発生回路とを備
    えた所定の変調された共振周波数を発振する発振回路を
    備え、 前記第一の負荷容量と前記第二の負荷容量は、 前記第一の負荷容量をC1とし、前記第二の負荷容量を
    C2とするとき、C10.9>C2の関係を満たすよう
    に構成されていることを特徴とする座標入力装置。
JP28022399A 1999-09-30 1999-09-30 座標入力装置 Pending JP2001100901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28022399A JP2001100901A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 座標入力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28022399A JP2001100901A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 座標入力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001100901A true JP2001100901A (ja) 2001-04-13

Family

ID=17622036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28022399A Pending JP2001100901A (ja) 1999-09-30 1999-09-30 座標入力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001100901A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108725049A (zh) * 2018-07-18 2018-11-02 安徽科创生产力促进中心有限责任公司 一种擦黑板装置
WO2021084824A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社ワコム 電子ペン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108725049A (zh) * 2018-07-18 2018-11-02 安徽科创生产力促进中心有限责任公司 一种擦黑板装置
WO2021084824A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社ワコム 電子ペン
JP7513627B2 (ja) 2019-10-29 2024-07-09 株式会社ワコム 電子ペン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6744426B1 (en) Pen coordinate reading device with pen attribute detecting function
JP6544775B2 (ja) 位置指示器、位置検出装置、位置検出装置の入力制御方法および入力装置
TWI479396B (zh) 位置檢測裝置
US20080150917A1 (en) Oscillator circuit for use in an untethered stylus
US6639585B1 (en) Coordinate reading device
JP2001100901A (ja) 座標入力装置
JP2001142646A (ja) 座標入力装置のイレーサ
JP4078764B2 (ja) 座標読取装置
JP2001282444A (ja) 座標入力器具および座標読取装置
JP2002108551A (ja) 座標読み取り装置
JP2001100902A (ja) 図形入力装置
JP2001100900A (ja) 座標読取装置
JP2002108552A (ja) 座標入力装置
JP2001142627A (ja) 座標読取装置
JP2001209485A (ja) 座標読取装置
JP2001142628A (ja) 座標読取装置
JP2001100899A (ja) 座標読取装置
JP2001056736A (ja) 座標読取装置用の筆記装置
JP2001051786A (ja) 座標入力ペンおよび座標読取装置
JP2001056735A (ja) 座標読取装置用の筆記装置
US10921931B2 (en) Touch input system
JP2503025B2 (ja) 電子黒板装置
JPH0869350A (ja) 位置指示器及びそれを利用した座標入力装置
JP2001265513A (ja) 座標読取装置
JP3885220B2 (ja) 座標読取装置