JP2001100899A - 座標読取装置 - Google Patents

座標読取装置

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JP2001100899A
JP2001100899A JP27556399A JP27556399A JP2001100899A JP 2001100899 A JP2001100899 A JP 2001100899A JP 27556399 A JP27556399 A JP 27556399A JP 27556399 A JP27556399 A JP 27556399A JP 2001100899 A JP2001100899 A JP 2001100899A
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coil
group
switch
common line
loop
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JP27556399A
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Kazuya Taki
和也 滝
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な機械的構成と簡単なアルゴリズムによ
る制御で正確に座標を読み取ることができ、且つ低コス
トで製造できる座標読取装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の電子黒板1は、ペン60の座標
をループコイル23で磁気的に読み取る。第一、第二の
コイル群81,82とにループコイル23を分けて、第
一、第二のコイル検索手段により、それぞれ第一、第二
のスイッチ群83,84、第一、第二の接地スイッチ8
7,88を順次閉じることで最大誘起電圧となるコイル
位置を検索し、誘起電圧差検出手段により第一、第二の
コイル群81,82とにおいて、それぞれ誘起電圧が最
大になるコイルに対応する第一、第二のスイッチ群8
3,84におけるスイッチを選択的に閉じ、その誘起電
圧の差を差動増幅器89で検出し、位置検出手段によっ
て、誘起電圧差検出手段により検出された誘起電圧の振
幅値の差からCPU56で位置検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交番磁界と磁気結
合可能な受信部を備えた座標読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子黒板等に応用される座標読取
装置として、磁界を変化させる位置指示器と、この位置
指示器と磁気結合可能で磁界の変化を検出可能な複数の
ループコイルが敷設された受信部を備えたものが提案さ
れている。このような座標読取装置において、例えば、
発振回路を備え発振コイルから交番磁界を発生させる位
置指示器の位置を、ループコイルを用いて最大誘起電圧
と、その次に大きな誘起電圧を生じているコイルを探索
し、その電圧差を取り出して演算することにより、位置
指示器の位置を検出をするような構成のものがあった。
【0003】例えば、特開平8−110829号公報に
記載されているデジタイザおよびデジタイザの位置決定
方法では、図23に示すようにタブレットに配設された
ループコイル群から隣接する2本のループコイルLを選
択し、各ループコイルの両端部に設けられたスイッチか
らなるスイッチ群112により選択したループコイル対
の位置指示器のコイルとのそれぞれの相互作用による生
成信号の「和」及び「差」から位置指示器のタブレット
上の指示位置を決定する。また、上記相互作用を発生す
る発振系としてループコイル対が選択されたときに加算
器の「和」出力が最大値を示す場合は、減算器の「差」
出力を取得する。この結果、精度の良い位置検出が行
え、且つ検出処理時間を短縮できるものであった。
【0004】また、例えば、特開平7−36601号公
報に記載されている位置検出装置では、開口面積がほぼ
等しく且つ互いに位相が180°異なる交流信号を誘起
させ得る第1のループ及び第2のループが位置検出方向
に順次並ぶように並設してなる複数のループコイルを用
い、該複数のループコイルのうち、前記第1のループ及
び第2のループが略重なり合った2つのループコイルに
誘起される交流信号の同期検波結果から共振回路、即ち
位置指示器の指示位置の座標値を求めるものであった。
このような構成の位置検出装置であれば、正確な位置が
検出できるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−110829号公報に記載のデジタイザでは、
各ループコイル対毎にスイッチを2個設けていたため、
その差電圧を取り出すのに1つのコイルについて2つの
スイッチを制御しなければならず、スイッチ制御回路が
複雑で大規模となり、また、その制御も複雑なものとな
って、製造コストも高くなるという問題があった。ま
た、特開平7−36601号公報に記載の位置検出装置
では、スイッチの数は少なく、検出精度も上がるが、ル
ープコイルの配列が複雑で、その制御も複雑となり、や
はり製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】この発明は上記課題を解決するものであ
り、最大及び2番目に大きな誘起電圧を生じるコイルの
検索とその差電圧の検出を、スイッチ数を増やさずに簡
単な機械的構成と簡単なアルゴリズムによる制御で行う
ことが可能で、正確に座標を読み取ることができ、且つ
低コストで製造できる座標読取装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の座標読取装置では、磁界を変
化させる位置指示器と、前記位置指示器と磁気結合可能
で前記磁界の変化を検出可能な複数のループコイルが敷
設された受信部とを備えた座標読取装置において、略平
行に配列され一端が接地された複数のループコイルから
構成された第一のコイル群と、略平行に配列され一端が
接地された複数のループコイルであって前記第一のコイ
ル群の複数のループコイルと相互に配列されたループコ
イルから構成された第二のコイル群と、前記第一のコイ
ル群の各ループコイルのその中心に前記位置指示器があ
るときに同じ出力極性になる各一端部に設けられた第一
のスイッチ群と、前記第二のコイル群の各ループコイル
のその中心に前記位置指示器があるときに同じ出力極性
になる各一端部に設けられた第二のスイッチ群と、前記
第一のスイッチ群に接続された第一の共通線と、前記第
二のスイッチ群に接続された第二の共通線と、一端が前
記第一の共通線に接続され、他の一端が接地された第一
の接地スイッチと、一端が前記第二の共通線に接続さ
れ、他の一端が接地された第二の接地スイッチと、前記
第一の共通線と前記第二の共通線とが接続された増幅器
と、前記第一の接地スイッチを閉じ、前記第二のスイッ
チ群を順次切り換えて閉じて最大誘起電圧となるコイル
位置を検索する第一のコイル検索手段と、前記第二の接
地スイッチを閉じ、前記第一のスイッチ群を順次切り換
えて閉じて最大誘起電圧となるコイル位置を検索する第
二のコイル検索手段と、前記第一のコイル群と前記第二
のコイル群とにおいて、それぞれ誘起電圧が最大になる
コイルに対応する前記第一のスイッチ群と前記第二のス
イッチ群におけるスイッチを選択的に閉じ、その誘起電
圧の差を検出する誘起電圧差検出手段と、当該誘起電圧
差検出手段により検出された誘起電圧の振幅値の差から
位置検出を行う位置検出手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】この構成に係る座標読取装置では、位置指
示器のループコイル上において座標を読み取る場合に、
第一のコイル群と第二のコイル群とにループコイルを分
けて、第一のコイル検索手段及び第二のコイル検索手段
により、それぞれ第一のスイッチ群、第二のスイッチ
群、第一の接地スイッチ、及び第二の接地スイッチを所
定の順序で順次閉じることで最大誘起電圧となるコイル
位置を検索し、誘起電圧差検出手段により第一のコイル
群と第二のコイル群とにおいて、それぞれ誘起電圧が最
大になるコイルに対応する第一のスイッチ群と第二のス
イッチ群におけるスイッチを選択的に閉じ、その誘起電
圧の差を検出し、位置検出手段によって、誘起電圧差検
出手段により検出された誘起電圧の振幅値の差から位置
検出を行うことができる。そのため、それぞれのループ
コイルの両端にスイッチを設けることなく、いずれか一
方にスイッチを設けることでスイッチ数が少ない簡単な
機械的構成とし、低コストな装置でありながら、最大及
び2番目に大きな誘起電圧を生じるコイルの検索とその
差電圧の検出ができ、正確に位置指示器の座標を求める
ことができる。
【0009】請求項2に係る発明の座標読取装置では、
請求項1に記載の座標読取装置の構成に加え、前記第二
のスイッチ群は、前記第一のスイッチ群が接続された前
記第一のコイル群の各一端部と同じ出力極性の前記第二
のコイル群の各一端部に接続され、前記増幅器は、差動
増幅器であり、前記第一の共通線と前記第二の共通線
は、それぞれ差動増幅器の異なった入力端子に接続され
前記第一の共通線と前記第二の共通線とから伝達される
誘起電圧の差を増幅することを特徴とする。
【0010】この構成に係る座標読取装置では、誘起電
圧差を差動増幅器で求めるため、回路構成が単純化し、
簡単なアルゴリズムによる制御で位置指示器の座標を求
めることができる。さらに、2つのループコイルの電圧
差から位置を求めることにより2つのループコイルから
の入力信号に等しく含まれる外部ノイズを消去できるた
め、外部ノイズに影響されないで正確に座標を読み取る
ことができる。
【0011】請求項3に係る発明の座標読取装置では、
請求項1に記載の座標読取装置の構成に加え、前記第二
のスイッチ群は、前記第一のスイッチ群が接続された前
記第一のコイル群の各一端部と異なる出力極性の前記第
二のコイル群の各一端部に接続され、前記第一の共通線
と前記第二の共通線は、それぞれ前記増幅器に接続され
前記第一の共通線と前記第二の共通線とから伝達される
極性の異なる誘起電圧の和を増幅することを特徴とす
る。
【0012】この構成に係る座標読取装置では、第一の
共通線と第二の共通線とから伝達される極性の異なる誘
起電圧の和を増幅することで、誘起電圧差を求めるた
め、単純な増幅器で位置指示器の座標を求めることがで
きる。そのため、回路が単純化し、製造コストも低くす
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標読取装
置を、好ましい1の実施の形態である電子黒板1により
添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる電子
黒板1は、この発明に係る座標読取装置を用いて、筆記
パネル10の筆記面21a上に位置指示器であるペン6
0で文字や図形を描いて記録すると共に、筆記パネル1
0上に描かれた手書き文字や図形等の軌跡を電気的に読
み取る装置である。
【0014】最初に本実施の形態に係る電子黒板1の主
要構成について図1及び図2を参照して説明する。図1
は、電子黒板1の主要構成を示す外観斜視図であり、図
2は、図1に示す電子黒板1にパーソナルコンピュータ
(以下、PCと略記する。)100及びプリンタ200
を接続した状態を示す説明図である。
【0015】電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記
するための筆記面21aと、この筆記面21aに筆記を
行うためのペン60と、筆記された軌跡及びその軌跡を
示すデータを消去するためのイレーサ40とが備えられ
ている。筆記パネル10には、枠状のフレーム11が備
えられており、そのフレーム11には、筆記パネル本体
20が組み込まれている。フレーム11の前面下端に
は、その下端に沿って板状の台12が前面に張り出す形
で取り付けられている。台12の上面には、ペン60を
収容するためのスタンド状の複数の孔を有する凹部12
aが形成されており、その凹部12aの右側には、イレ
ーサ40を載置しておくための平坦部12bが形成され
ている。
【0016】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音等
の音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記さ
れた内容を示すデータ(以下筆記データと略称する。)
を記憶したページ数を7セグメントのLEDによって表
示するページ数表示LED32と、押す毎に1ページず
つ戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ページずつ
送るページ送りボタン34と、記憶されている筆記デー
タを押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン35と、
記憶されている筆記データをプリンタ200(図2参
照)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、
記憶されている筆記データをPC100(図2参照)へ
出力するために押すPC出力ボタン37と、各種の警告
を行うLED39と、この電子黒板1を起動するために
押す電源ボタン38とが設けられている。
【0017】図1に示すように、フレーム11の前面下
部には、この電子黒板1の電源となる単2乾電池14a
を4本収容するバッテリーケース14が設けられてお
り、そのバッテリーケース14の前面には、蓋14bが
開閉可能に取り付けられている。バッテリーケース14
の右側には、スピーカ31のボリューム調節つまみ13
cが設けられており、その右側には、コネクタ13b,
13aが設けられている。図2に示すように、コネクタ
13bには、プリンタ200と接続された接続ケーブル
204のプラグ202が接続され、コネクタ13aに
は、PC100と接続された接続ケーブル104のプラ
グ102が接続される。つまり、電子黒板1の筆記面2
1aに筆記された内容を示す筆記データをPC100へ
出力し、PC100に備えられたモニタ103により、
電子黒板1に筆記された内容を見ることができる。ま
た、筆記データをプリンタ200へ出力し、電子黒板1
に筆記された内容を印刷用紙203に印刷することもで
きる。
【0018】また、フレーム11の裏面上端の両端部に
は、この電子黒板1を壁に掛けるための金具15,15
が取り付けられている。本実施の形態では、筆記面21
aの高さH1は900mmであり、幅W1は600mm
である。また、フレーム11及び台12は、PP(ポリ
プロピレン)等の合成樹脂により軽量に形成されてお
り、電子黒板1の総重量は10kg以下である。
【0019】次に、筆記パネル本体20の構造について
図4を参照して説明する。図4は、筆記パネル本体20
の各構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20
は、筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパ
ネル22と、ループコイル23が多数敷設された枠形状
の取付パネル24と、板状のバックパネル25とを順に
積層した構造である。この実施の形態では、筆記シート
21は、厚さ0.1mmのPET(ポリエチレンテレフ
タレート)フィルムが貼り合わされて形成されており、
パネル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカー
ボネート)等により厚さ3.0mmに形成されている。
また、取付パネル24は、発泡スチロール等の発泡樹脂
製材料により厚さ40mmに形成されており、バックパ
ネル25は、アルミニウム性の導電性材料により厚さ
1.0mmに形成されている。なお、筆記パネル本体2
0の各端部を挟持するフレーム11の全体の厚さは50
mmである。
【0020】次に、多数のループコイル23が敷設され
た取付パネル24の構成について図5を参照して説明す
る。図5(A)は、図4に示すループコイル23の構成
を一部を省略して模式的に示す説明図であり、図5
(B)は、図5(A)に示すループコイル23の幅及び
重ねピッチを示す説明図である。
【0021】図5(A)に示すように、ループコイル2
3は、X軸方向に配列された複数のループコイルからな
るXコイルと、Y軸方向に配列された複数のループコイ
ルからなるYコイルとから構成される。また、Xコイル
は、本実施の形態では22本のループコイルから構成さ
れ、後述するように、ループコイルX101,X10
2,X103・・・X111(不図示)からなる第一の
コイル群81と、ループコイルX201,X202,X
203・・・X211からなる第二のコイル群82とか
ら構成され、第一のコイル群81に属するループコイル
と第二のコイル群82に属するループコイルは1つおき
に交互に配列されている。同様に、Yコイルは、本実施
の形態では34本のループコイルから構成され、ループ
コイルY101,Y102,Y103・・・Y117
(不図示)からなる第一のコイル群81と、ループコイ
ルY201,Y202,Y203・・・Y217からな
る第二のコイル群82とから構成され、第一のコイル群
81に属するループコイル23と第二のコイル群82に
属するループコイル23は1つおきに交互に配列されて
いる。このXコイルによりペン60のX座標が、Yコイ
ルによりペン60のY座標が検出される。
【0022】Xコイル及びYコイルは、それぞれが略同
じ大きさの略矩形状に形成されたループコイル23が平
行に配列されており、矩形部分の長辺の長さはそれぞれ
P2X,P2Yである。
【0023】図5(B)に示すように、Xコイルの矩形
部分の短辺の長さが、それぞれ幅P1に形成されてお
り、隣接するXコイルは、幅P1の2分の1のピッチで
それぞれ重ねられている。Yコイルもそれぞれ幅P1に
形成されており、隣接するYコイルは、幅P1の2分の
1のピッチでそれぞれ重ねられている。なお、図5、図
6(A)においては、見やすくするためにループコイル
23の幅をやや狭くしてずらして表示している。また、
Xコイルの各端子23aは、Xコイル切替え回路50a
に接続されており、Yコイルの各端子23bは、Yコイ
ル切替え回路50bに接続されている(図9参照)。以
下、Xコイル切替え回路50a及びYコイル切替え回路
50bをまとめてX,Yコイル切替え回路50という。
この実施の形態では、一例として、P1=50mmであ
り、P2X=680mmであり、P2Y=980mmで
ある。さらにXコイル及びYコイルは、共に表面に絶縁
皮膜層(例えば、エナメル層)を有する直径0.345
mmの銅線により形成されている。
【0024】図19は、Xコイルと、Xコイル切替え回
路50aの一部を示す図である。この図19では、図5
(A)に示した多数のループコイル23からなるXコイ
ルの一部を向きを変えて模式的に示している。図19に
示すように、略平行に、重ならないように配列され、一
端が接地部91a,91c、91e・・・により接地さ
れた複数のループコイルX101,X102,X103
・・・から構成された第一のコイル群81が設けられ
る。また、この第一のコイル群81と同様に構成され略
平行に配列されて、一端が接地部91b,91d・・・
により接地された複数のループコイルX201,X20
2,X203・・・からなる第二のコイル群82が、図
5(B)に示すように、第一のコイル群81の複数のル
ープコイルX101,X102,X103・・・と1つ
おきに、それぞれ幅(矩形部分の短辺の長さ)P1の2
分の1の幅ずつ重なるように配置されており、第一のコ
イル群81と第二のコイル群82によりXコイルが構成
されている。
【0025】そして、第一のコイル群81の各ループコ
イルX101,X102,X103・・・は、その中心
に位置指示器であるペン60があるときに同じ出力極性
になる各端子23a(図5参照)に、回路を開閉するス
イッチ83a,83b,83c・・・から構成される第
一のスイッチ群83がそれぞれ接続される。また、第二
のコイル群82の各ループコイルX201,X202,
X203・・・も、その中心にペン60があるときに同
じ出力極性になる各端子23aに、回路を開閉するスイ
ッチ84a,84b,84c・・・から構成される第二
のスイッチ群84がそれぞれ接続される。そして、第一
のスイッチ群83は、第一のコイル群81と接続された
端子23aと反対側の端子23aが、これらを共通して
接続する第一の共通線85に接続される。また、第二の
スイッチ群84も、第二のコイル群82と接続された端
子23aと反対側の端子23aが、これらを共通して接
続する第二の共通線86に接続される。
【0026】そして第一の共通線85には、一端が接地
部91hにより接地された開閉スイッチである第一の接
地スイッチ87が接続され、第二の共通線86には、一
端が接地部91gにより接地された開閉スイッチである
第二の接地スイッチ88が接続されている。
【0027】第一の共通線85と第二の共通線86の端
部には差動増幅器89が配設され、第一の共通線85
が、差動増幅器89のプラス入力に、第二の共通線86
が、差動増幅器89のマイナス入力にそれぞれ接続され
ている。
【0028】次に、筆記面21a上のペン60の位置座
標を検出するための位置座標テーブル58aについて図
6及び図7を参照して説明する。図6(A)は、ループ
コイルX101,X201,X102の一部を示す説明
図であり、図6(B)は、図6(A)に示すループコイ
ルX101,X201,X102に発生する電圧と幅方
向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図
6(A)に示すループコイルX101,X201,X1
02の相互に隣接するループコイル間の電圧差を示すグ
ラフである。図7(A)は位置座標テーブル58aをグ
ラフ化して示す説明図であり、図7(B)は、位置座標
テーブル58aの説明図であり、図7(C)はXコイル
の第一のコイル群81及び第二のコイル群82のそれぞ
れから検出した最大の誘起電圧を記憶する電圧値記憶エ
リア59aの記憶状態を示す説明図である。
【0029】図6においてループコイルX101,X2
01,X102の中心をそれぞれC101,C201,
C102とし、位置指示器であるペン60の位置により
ループコイルX101,X201,X102に発生する
電圧をそれぞれex101,ex201,ex102と
する。図6(B)に示すように、電圧ex101,ex
201,ex102は、それぞれループコイルの中心C
101,C201,C102において最大になり、長手
方向の端部が近づくにつれて小さくなる単峰性を示す。
なお、各コイルは、自己のヌル点すなわち、電圧ex1
01が0となる点が隣接するコイルの中心の外側となる
ように幅P1の2分の1の幅で重ねられる(図5(B)
参照)。また、図6(C)に示すようにループコイルX
101,X201,X102の相互に隣接する各ループ
コイル間の電圧差は、ループコイルの中心C101,C
201,C102上にそれぞれ最大値を有し、各ループ
コイルの中心とループコイルの長辺部分との中間点、つ
まり隣接するループコイルが重なった部分の中間点に最
小値を有するグラフとなる。
【0030】例えば、図6(C)において(ex101
−ex201)を示すグラフ(実線で示す部分)は、ル
ープコイルX101の中心C101から、ループコイル
X201が重ねられた部分の中間点Q1間での距離(重
ねピッチの2分の1、つまりPの4分の1)と(ex1
01−ex201)との関係を示す。いま、仮にペン6
0が点Q2に存在する場合、(ex101−ex20
1)を検出すれば中心C101からQ2点までの距離Δ
X1を検出できるため、Q2点のX座標を求めることが
できる。この実施の形態では、コイル幅P1が50mm
であるから、P1/4=12.5mmである。例えば、
図6(C)において(ex101−ex201)の特性
を示す部分(実線で描いた部分)を8bitのデジタル
データに変換すると、図7(A)に示すグラフを得る。
このグラフをテーブル形式に変換すると、図7(B)に
示す位置座標テーブル58aを得る。この位置座標テー
ブル58aは、ROM58(図9参照)等に記憶され、
ペン60の位置座標の演算に用いられる。
【0031】次に、ペン60の主要構成について図3を
参照して説明する。図3は、ペン60の内部構造を示す
説明図であり、図8は、図3に示すペン60の電気的構
成を示す説明図である。
【0032】ペン60には円筒形状の胴体部61aと、
この胴体部61aの後端に着脱可能に取り付けられた蓋
61cとが備えられている。胴体部61aの内部には、
コイルL1と、矢印F2で示す方向に取り出し可能なイ
ンクカートリッジ63と、このインクカートリッジ63
に挿入されたペン先62と、コイルL1から交番磁界を
発生させるための発振回路等が実装された回路基板69
と、この回路基板69に電気を供給する電池70とが設
けられている。また、インクカートリッジ63と回路基
板69との間には、上記発振回路等への電気の供給及び
遮断を行うための押しボタン式のスイッチ67が設けら
れている。スイッチ67は、ペン先62を筆記面21a
(図1参照)に押し付け、インクカートリッジ63が矢
印F1で示す方向へ移動するとONし、矢印F2で示す
方向へ戻るとOFFする。つまり、ペン60によって筆
記面21aに筆記を行っているときコイルL1から交番
磁界が発生する。
【0033】図8に示すように、回路基板69に実装さ
れた回路は、インクの色やペン先62(図3参照)の太
さ等のペン60(図3参照)の属性(以下、ペン属性と
いう。)毎に異なる変調周波数fmが設定されたCR発
振回路69eと、このCR発振回路69eから発振され
た信号を搬送する搬送波を発振するLC発振回路69c
と、このLC発振回路69cの発振周波数をCR発振回
路69eの変調周波数fmによってFSK(Frequ
ency Shift Keying)変調するFSK
回路69dとから構成される。搬送波の発振周波数は、
LC発振回路69cを構成するインダクタンスであるコ
イルL1及びコンデンサC1,C2,C3によって決定
され、変調周波数fmは、CR発振回路69eを構成す
るコンデンサC5及び抵抗R2、可変抵抗R3によって
決定される。また、搬送波の発振周波数fmの周波数偏
位は、FSK回路69dのコンデンサC4の容量によっ
て決定する。
【0034】ペン属性と変調周波数fmとの関係は、そ
の関係を説明する図10(A)に示すように設定されて
いる。図10(A)において、「細」とはペン先62
(図3参照)が細いことを示しており、「太」とはペン
先62が太いことを示す。例えば、「黒太」とは、ペン
先62が太く黒色インクを使用するペン60を示す。な
お、イレーサ40もコイルを内蔵しており、CPU56
は、そのコイルから発生した交番磁界によってループコ
イル23に発生した信号に基づいてイレーサ40による
消去範囲を演算する。そのため、イレーサ40にも変調
周波数fmが割り当てられ、ペン60が識別される。
【0035】まず、スイッチ67がONされると、電池
70の電気が各回路に供給され、CR発振回路69eの
集積回路IC3の出力がFSK回路69dのMOS F
ETのゲートをスイッチングし、LC発振回路69cか
ら発振した搬送波がCR発振回路69eから発振された
信号によって周波数変調される。本実施の形態では、搬
送波の中心周波数は、410kHzであり、周波数偏位
は±20kHzである。なお、具体的には、本実施の形
態では、集積回路IC1は東芝製のTC7SLU04F
であり、集積回路IC2及びIC3は共に東芝製のU0
4である。また、MOS FETは2SK2158であ
る。抵抗R1及びR2は共に1MΩであり、可変抵抗R
3の可変範囲は0Ω〜1MΩである。コンデンサC1,
C4,C5は、それぞれ0.1μF,0.0015μ
F,100pFであり、コンデンサC2,C3は共に
0.0033μFである。さらに、電池70の電圧は約
1.5Vである。
【0036】次に、電子黒板1の主な電気的構成及び制
御内容について図9,図10(B)及び図11を参照し
て説明する。図9は、電子黒板1の電気的構成をブロッ
クで示す説明図であり、図10(B)は、図9の中の
A,B,C点における信号を示す説明図であり、図11
は図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示す
フローチャートである。図9に示す制御部2に備えられ
たCPU5は、電源ボタン38(図1参照)がONした
ことを検出すると(ステップ(以下Sと略す。)10
0:Yes)、ROM58に記憶されている制御プログ
ラムや位置座標テーブル58a(図7(B)参照)をR
AM59のワークエリアにロードする等の初期設定(S
200)を行い、座標読取・ペン情報検出処理(S30
0)を実行する。
【0037】ここで、座標読取・ペン情報検出処理(S
300)について、その流れを示す図12のフローチャ
ートを参照して詳説する。座標読取・ペン情報検出処理
(S300)では、まずX座標読取処理(S302)が
行われる。
【0038】ここで、図22は、ペン60のX座標読取
処理(S302)の手順を示したフローチャートであ
る。以下、X座標読取処理(S302)の手順を、図1
9を参照して説明する。まず、第二の接地スイッチ88
(SW−eG)をGNDに接地して(S202)、差動
増幅器89のマイナス端子をGND電位(0V)にす
る。第一のコイル群81の第一のスイッチ群83(SW
−oN)は、制御信号により回路の開閉が可能なスイッ
チ手段で、第一のスイッチ群83(SW−oN)にCP
U56から順次アクセスして閉成させるためにスイッチ
毎にアドレスが付けられている。そして、スイッチ83
a(SW−o1)からアクセスするために、Nを、N=
1にリセットする(S204)。
【0039】次に、CPU56によりN番目のスイッチ
(SW−oN)、ここではN=1であるので、スイッチ
83a(SW−o1)に信号を送って、ONする(S2
06)。ここで、ペン60のコイルL1から発生した交
番磁界と、ループコイルX101との磁気結合によって
発生した信号は、図9に示すように増幅器50cである
差動増幅器89によって増幅され、その増幅信号(図1
0(B)参照)は、バンドパスフィルタ(BPF)50
dによって不要な帯域が濾波され、振幅検波回路51に
よって振幅検波される。続いてその振幅検波された信号
(図10(B)参照)は、A/D変換回路52によって
振幅、つまり電圧値に対応したデジタル信号に変換さ
れ、入出力回路(I/O)53を介してCPU56によ
り入力され、ここでは図7(C)のRAM59の電圧値
記憶エリア59aに、デジタル信号によって示される電
圧値ENmaxとして所定値が、コイル番号Nmaxと
して1が記憶される(S208)。
【0040】次は、CPU56から制御信号を送り、ス
イッチ83a(SW−o1)をOFFし(S210)、
次のコイルの誘起電圧を読み出すため、NをN+1(S
212)とインクリメントしてN=2とする。ここで
は、N=2、Nend=11であるので、N>Nend
ではない(S214:NO)。即ち、第一のコイル群8
1の第一のスイッチ群83(SW−oN)は、SW−o
11までであるので、つまりインクリメントされたN
が、Nendである11を超えてないので、次の第一の
コイル群81の第一のスイッチ群83(SW−oN)の
うち、ループコイルX102に接続されたスイッチ83
b(SW−o2)をONして(S216)、ENma
x、即ち電圧値記憶エリア59aに記憶されている最高
電圧値と、EN、即ち最後にXコイルから読み出した電
圧値、ここではループコイルX102の電圧値と比較す
る(S218)。
【0041】ここでENmax>ENでなければ(S2
18:NO)、ENmax=ENとして、電圧値記憶エ
リア59aに記憶されているENmaxを、最後に読み
出したENに更新するとともに、同時にNmax=Nと
して、最高電圧値ENmaxを示したコイル番号Nma
xを、最後に読み出したコイル番号Nに更新する(S2
20)。一方、ENmax>ENであれば(S218:
YES)、電圧値記憶エリア59aに記憶されているE
Nmax及びNmaxの値は更新しない。そして、SW
−oN、ここではスイッチ83b(SW−o2)をOF
Fして(S222)、第一のコイル群81の2番目のル
ープコイルであるループコイルX102からの電圧の読
み込みを終了する。
【0042】同様に、N=N+1(S212)して、具
体的にはN=2からN=3として、第一のコイル群81
の3番目のループコイルであるループコイルX103か
らの電圧の読み込みを行い(S216)、電圧値記憶エ
リア59aの記憶値を更新してゆく(S218、S22
0)。そして、N>Nendになるまで処理が繰り返さ
れ(S214〜S222)、N>Nendになったら
(S214:YES)、ここでは11番目のループコイ
ルX111までの処理が完了したことになるので、第一
のコイル群81のXコイルからの電圧の読み込みを終了
する。そして、RAM59の電圧値記憶エリア59aに
記憶された、第一のコイル群81のXコイルの最高電圧
値ENmaxが、基準となる所定の電圧Voと比較し
て、ENmax<Voとなった場合は(S224:YE
S)、入力がなかったものとして、処理を打ち切る(丸
つきAを介してリターン)。また、ENmax<Voで
はないときは(S224:NO)、所定の入力があった
として、S230〜S252までの第二のコイル群82
のXコイルからの電圧の読み込み処理に移行する。
【0043】第二のコイル群82のXコイルからの電圧
の読み込み処理では、まず、第二の接地スイッチ88
(SW−eG)をGNDからOFFにして、第一の接地
スイッチ87(SW−oG)をGNDに接地させて(S
230)、差動増幅器89のプラス端子をGND電位
(0V)に接地する。第二のコイル群82の第二のスイ
ッチ群84(SW−eM)には、第二のスイッチ群84
(SW−eM)にCPU56から順次アクセスして閉成
させるためにスイッチ毎にアドレスが付けられている。
そして、スイッチ84a(SW−e1)から、アクセス
するために、M=1にリセットする(S232)。
【0044】次に、CPU56によりM番目のスイッチ
(SW−eM)、ここではM=1であるので、スイッチ
84a(SW−e1)に信号を送って、ONする(S2
34)。ここで、ペン60のコイルL1から発生した交
番磁界と、ループコイルX201との磁気結合によって
発生した信号は、差動増幅器89によって極性が反転さ
れて増幅され、その増幅信号(図10(B)参照)は、
バンドパスフィルタ50dによって不要な帯域が濾波さ
れ、振幅検波回路51によって振幅検波される。続いて
その振幅検波された信号(図10(B)参照)は、A/
D変換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応した
デジタル信号に変換され、入出力回路53を介してCP
U56により入力され、ここでは図7(C)のRAM5
9の電圧値記憶エリア59aに、電圧値EMmaxとし
て所定値が、コイル番号Mmaxとして1が記憶される
(S236)。
【0045】次は、CPU56から制御信号を送り、ス
イッチ84a(SW−e1)をOFFし(S238)、
次のループコイルの誘起電圧を読み出すため、Mを1イ
ンクリメントしてM+1として(S240)、その結果
M>Mendでなければ(S242:NO)、即ちMが
所定値Mendである11を超えてなければ、次の第二
のコイル群82の第二のスイッチ群84(SW−eM)
のうち、ループコイルX202に接続されたスイッチ8
4b(SW−e2)をONして(S244)、EMma
x、即ち電圧値記憶エリア59aに記憶されている最高
電圧値と、EM、即ち最後にXコイルから読み出した電
圧値、ここではループコイルX202の電圧値と比較す
る(S246)。
【0046】ここでEMmax>EMでなければ(S2
46:NO)、EMmax=EMとして、電圧値記憶エ
リア59aに記憶されているEMmaxを、最後に読み
出したEMに更新するとともに、同時にMmax=Mと
して、最高電圧値EMmaxを示したコイル番号Mma
xを、最後に読み出したコイル番号Mに更新する(S2
48)。一方、EMmax>EMであれば(S246:
YES)、電圧値記憶エリア59aに記憶されているE
Mmax及びMmaxの値は更新しない。そして、SW
−eM、ここではスイッチ84b(SW−e2)をOF
Fして(S250)、第二のコイル群82の2番目のル
ープコイルであるループコイルX202からの電圧の読
み込みを終了する。
【0047】同様に、M=M+1(S240)して、こ
こではM=2からM=3として、第二のコイル群82の
3番目のループコイルであるループコイルX203から
の電圧の読み込みを行い(S244)、電圧値記憶エリ
ア59aの記憶値を更新してゆく(S246、S24
8)。そして、M>Mendになるまで処理が繰り返さ
れ(S240〜S250)、M>Mendになったら
(S242:YES)、ここでは11番目のループコイ
ルX211までの処理が完了した後は、第一の接地スイ
ッチ87(SW−oG)をGNDからOFFして第二の
コイル群82のXコイルからの電圧の読み込みを終了す
る(S252)。
【0048】以上のように、S202〜S222までの
第一のコイル群81のXコイルからの誘起電圧の読み込
み処理と、S230〜S252までの第二のコイル群8
2からの誘起電圧の読み込み処理が終了すると、図7
(C)に示すRAM59の電圧値記憶エリア59aに
は、第一のコイル群81における最高電圧値ENmax
とそのコイル番号Nmaxと、第二のコイル群82にお
ける最高電圧値EMmaxとそのコイル番号Mmaxと
が検出した数字により記憶されている。そして、すべて
のXコイルの中で最高の電圧値を示すXコイルと、次に
高い電圧値を示すXコイルは、必ず隣接しているはずで
ある。つまり、最高の電圧値を示すXコイルが、もし第
一のコイル群81に属するものであれば、次に高い電圧
値を示すXコイルは、必ず第二のコイル群82に属する
コイルである。逆に、最高の電圧値を示すXコイルが、
もし第二のコイル群82に属するものであれば、次に高
い電圧値を示すXコイルは、必ず第一のコイル群81に
属するコイルである。従って、電圧値記憶エリア59a
に記憶された、第一のコイル群81における最高電圧値
のコイル番号Nmaxと、第二のコイル群82における
最高電圧値のコイル番号Mmaxは、隣接したコイルで
ある。
【0049】そこで、第一のコイル群81における最高
電圧値のコイル番号Nmaxに対応する第一のスイッチ
群83のスイッチSW−oNmaxと、第二のコイル群
82における最高電圧値のコイル番号Mmaxに対応す
る第二のスイッチ群84のスイッチSW−eMmaxを
同時にONする(S254)。このように、二つのスイ
ッチを同時にONすることで、第一のコイル群81にお
ける最高電圧値のコイル番号Nmaxにおいて発生した
誘起電圧は、スイッチSW−oNmax、第一の共通線
85を介して差動増幅器89のプラス入力端子に印加さ
れるとともに、第二のコイル群82における最高電圧値
のコイル番号Mmaxにおいて発生した誘起電圧は、ス
イッチSW−eMmax、第二の共通線86を介して差
動増幅器89のマイナス入力端子に印加される。従っ
て、差動増幅器89からは、ループコイルXNmaxか
ら印加された電圧と、ループコイルXMmaxから印加
された電圧との差に応じた電圧の誘起電圧が所定倍増幅
され、振幅検波回路51で検波され、A/D変換回路5
2で、アナログデジタル変換されたデジタル信号が入出
力回路53を介してCPU56に伝えられ、ループコイ
ルXNmaxとループコイルXMmaxの差に応じた電
圧値ΔEが認識されRAM59にΔEが記憶される。
【0050】次に、CPU56によりX座標の演算(S
256)が行われる。まず、RAM59の電圧値記憶エ
リア59aには、第一のコイル群81における最高電圧
値ENmaxとそのコイル番号Nmaxと、第二のコイ
ル群82における最高電圧値EMmaxとそのコイル番
号Mmaxとが記憶されているので、ENmaxとEM
maxとを比較し、ループコイルX101からコイルに
連続番号を付けた場合に電圧の高い方のコイルをma
x、電圧の低い方のコイルをmax2としてRAM59
に記憶する。続いてCPU56は、RAM59に記憶さ
れたコイル番号max及びmax2を比較して、コイル
番号max2はコイル番号maxからX軸の+方向又は
−方向のどちらに存在するかを判定する。そして、ma
x2≧maxである場合は、変数SIDEを1に設定
し、max2<maxである場合は、変数SIDEを−
1に設定する。図6に示す例では、ペン60がQ3にあ
る場合max=2でmax2=3であるから、max2
>maxとなり、変数SIDEを1に設定する。続いて
CPU56は、S254において差動増幅器89から出
力された電圧値ΔEに最も近い位置座標をROM58
に、記憶されている位置座標テーブル58aから読出
し、それをOFFSETとする。続いてCPU56は、
【0051】 X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE
【0052】を演算し、X座標X1を求める。ここで、
(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のX
座標を示す。図6に示す例では、上式は、X=(P1/
2)×2+ΔE×1となり、位置Q3のX座標は、ルー
プコイルX201の中心C201からX軸の+方向にΔ
Eに対応する距離、例えばΔX2離れた座標となる。
【0053】そして、CPU56は、図12に示すフロ
ーチャートのX座標読取処理(S302)を終了する。
そして、X座標読取処理(S302)と同様な処理によ
り、Y座標読取処理(S314)を行う。Y座標読取処
理(S314)が終了すると、FSK復調回路55の値
を読み込む(S316)。そして、その値に基づいてペ
ン属性を判定する(S318)。
【0054】次に、FSK復調回路55の値の読み込み
(S316)の処理の説明のため、まず、CPU56
が、ペン60の属性の判定をするための電気的構成及び
制御について図13乃至図18を参照して説明する。図
13は、FSK復調回路55(図9参照)の電気的構成
を示す説明図であり、図14は図13に示すFSK復調
回路55の各部位に表れる信号波形を示す説明図であ
る。図15(A)は、CR発振回路69e(図8参照)
の出力信号(以下、CR信号と称する。)と、LC発振
回路69c(図8参照)の出力信号(以下キャリア信号
と称する。)と、リミッタ回路54の出力信号(以下リ
ミッタ出力信号と称する。)と、カウント回路55a
(図13参照)によるカウント値との関係を示す説明図
である。図15(B)は、シフトレジスタ55b(図1
3参照)に格納されたカウント値がシフトする様子を示
す説明図である。図16(A)は、絶対値コンパレータ
55f(図13参照)によるしきい値判定出力と、CP
U56の判定周期との関係を示す説明図であり、図16
(B)はカウンタ55g(図13参照)によるカウント
値が移動する様子を示す説明図である。図17はS31
8におけるFSK復調回路55を構成するカウント回路
55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン
属性検出処理1)の流れを示すフローチャートであり、
図18(A)は、S318におけるカウンタ55gの処
理の流れを示すフローチャートであり、図18(B)
は、S318における加算器55i(図13参照)の処
理の流れを示すフローチャートである。なお、図15
(A)に示すキャリア信号は、例えば前述したように中
心周波数が410kHzであり、周波数偏位が±20k
Hzであるが、説明をわかり易くするために、図15
(A)では、周波数偏位を誇張している。
【0055】最初に、ペン属性を検出するためのFSK
復調回路55の特徴について図15を参照して説明す
る。図15(A)に示す例では、CR信号のローレベル
の間は、キャリア信号は高い周波数(例えば430kH
z)に変調されており、ハイレベルの間は低い周波数
(例えば390kHz)に変調されている。このため、
CR信号がローレベルの間のリミッタ出力信号の周期を
TBとすると、CR信号がハイレベルの間のリミッタ出
力信号の周期はTBより長いTCとなる。従って、カウ
ント回路55aによるリミッタ出力信号の1周期分のカ
ウント値kは、CR信号がローレベルからハイレベルに
変化したときに増加し、ハイレベルからローレベルに変
化したときに減少する。
【0056】つまり、カウント回路55aによるカウン
ト値Kが変化したタイミングを検出することにより、C
R信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを検
出することができる。そして、カウント値Kが変化して
から次に変化する間での時間はCR信号の半周期に対応
するため、カウント値Kの変化している時間の1周期分
を計測すれば、CR信号の周期を求めることができるの
で、ペン属性を検出することができる。ここで、FSK
復調回路55の各構成要素の作用の概略を説明すると、
カウント回路55aはカウント値Kを計測し、シフトレ
ジスタ55b、第1加重平均回路55c、第2加重平均
回路55d、減算器55e及び絶対値コンパレータ55
fはカウント値Kの変化タイミングを検出し、カウンタ
55g、レジスタ55h及び加算器55iはカウント値
Kが変化する周期を計測する。そして、CPU56は、
加算器55iから出力された加算値に基づいてペン属性
を判定する(図12のS318)
【0057】次に、FSK復調回路55の動作を詳細に
説明する。バンドパスフィルタ50dから出力された信
号は、リミッタ回路54によって図14(A)に示す方
形波のリミッタ出力信号に変換され、FSK復調回路5
5に出力される。そして、FSK復調回路55は、リミ
ッタ出力信号の立ち上がりを検出すると(図17のS1
0:Yes)、システムクロック(CLK)を用いてリ
ミッタ出力信号の周期のカウントを開始し(S12)、
リミッタ出力信号の次の立ち上がりを検出すると(S1
4:Yes)、カウント値Kをシフトレジスタ55bに
出力し(S16)、カウント値Kをリセットする(S1
8)。つまり、カウント回路55aはリミッタ出力信号
の1周期の長さTBまたはTCを計測する。
【0058】この実施の形態では、シフトレジスタ55
bは、図15(B)に示すように、リミッタ出力信号の
1周期分のカウント値KをK1〜K8の8周期分格納
し、最も新しいカウント値Kを取り込むごとに最も古い
カウント値Kを破棄し、各カウント値Kを1つずつシフ
トして行く。第1加重平均回路55cは、シフトレジス
タ55bに格納されている最も新しいカウント値Kから
3番目に新しいカウント値Kまでの加重平均値を演算
し、その加重平均値(以下、第1加重平均値と称す
る。)を減算器55eに出力する。また、第2加重平均
回路55dは、シフトレジスタ55bに格納されている
最も古いカウント値Kから3番目に古いカウント値Kま
での加重平均値を演算し、その加重平均値(以下、第2
加重平均値と称する。)を減算器55eに出力する。
【0059】減算器55eは、第1加重平均値と第2加
重平均値との差Δmを演算し、その差Δmを絶対値コン
パレータ55fに出力する(図17のS20)。例え
ば、図15(A)において、第1加重平均回路55cが
カウント値K1〜K3の加重平均値を演算し、第2加重
平均回路55dがカウント値K6〜K8の加重平均値を
演算した場合、カウント値K6〜K8のうち、カウント
値K7及びK8は、リミッタ出力信号の周期TBよりも
長い周期TCをカウントしたものであるから、第2加重
平均値は第1加重平均値よりも大きくなる。従って、第
2加重平均値が第1加重平均値よりも大きくなったこと
を検出すれば、CR信号の周期の変化点を検出すること
ができる。つまり、CR信号の周期の変化点の周期を検
出すれば、CR信号の周期を検出できるため、ペン60
の属性情報を認識することができる。
【0060】このように、時間的に離れてカウントされ
たカウント値Kを加重平均回路によって加重平均するた
め、あるカウント値Kがノイズの影響を受けても、その
影響は小さくなる。
【0061】次に、絶対値コンパレータ55fから加算
器55iまでの処理について図16を参照しながら説明
する。図16において〜はカウンタ55gによるカ
ウント値Kを示す。絶対値コンパレータ55fは、差Δ
mと、予め設定されているしきい値m1とを比較し、差
Δmがしきい値m1以上であるか否かを判定し(図17
のS22)、差Δmがしきい値m1以上であると判定す
ると(S22:Yes)、しきい値判定出力をローレベ
ルからハイレベルに変化させる(S24)。つまり、リ
ミッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち上が
りエッジを検出した)と判定する。例えば、図15
(A)に示すリミッタ出力信号の短い方の周期TBのカ
ウント回路55aによるカウント値を10、周期TCの
カウント値を16、しきい値m1を2とすると、カウン
ト値K1〜K6はいずれも10であるから、第1加重平
均値=(K1+K2+K3)/3=10となる。また、
カウント値K7及びK8は共に16であるから、第2加
重平均値=(K6+K7+K8)/3=42/3=14
となり、差Δm=10−14=−4となる。
【0062】なお、第1加重平均回路55c及び第2加
重平均回路55d、それぞれ搬送波の周波数(LC発振
回路69cの発振周波数)と変調周波数fmの比と、回
路の複雑さとに基づいて決定する。また、シフトレジス
タ55bが保持するカウント値K、つまりリミッタ出力
信号の周期の数はシステムクロック周波数と、搬送波の
周波数の比で決定され、システムクロックの周波数は、
周波数の変化を十分弁別できる大きさに設定する。
【0063】従って、(差Δmの絶対値=4)>(しき
い値m1=2)となるため、しきい値判定出力がローレ
ベルからハイレベルに変化する(図17のS24)。こ
のハイレベルの状態は、差Δmの絶対値がしきい値m1
以上であると絶対値コンパレータ55fに判定されるま
で維持される。そして、第1加重平均回路55c及び第
2加重平均回路55dの演算範囲が、CR信号のエッジ
を通過した部分に到達すると、リミッタ出力信号の周期
は一定になるため、両加重平均回路55c,55dは共
に同じ周期のカウント値Kの加重平均値を演算するの
で、減算器55eによる減算値は0になり、しきい値判
定出力はハイレベル状態が続く。
【0064】一方、カウンタ55gは、しきい値判定出
力がローレベルからハイレベルに変化したことを検出す
ると(図18(A)のS30:Yes)判定出力がハイ
レベルになっている時間、つまり判定出力の半周期をシ
ステムクロックを用いてカウントする(S32)。その
カウント値をとする(図16(B)の(B1))。そ
して、差Δmの絶対値がしきい値m1以上であると絶対
値コンパレータ55fにおいて再び判定されると(図1
7のS22:Yes)、しきい値判定出力をハイレベル
からローレベルに変化させる(S24)。つまり、リミ
ッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち下がり
エッジを検出した)と判定する。これにより、カウンタ
55gは、しきい値判定出力がハイレベルからローレベ
ルに変化したことを検出し(図18(A)のS34:Y
es)、図16(B)の(B2)に示すように、カウン
ト値をレジスタ55hに出力する(S36)。続いて
カウンタ55gは、カウント値をリセットし(S3
8)、しきい値判定出力がローレベルになっている時
間、つまりしきい値判定出力の半周期をカウントする
(丸つきBを介してS32)。そのカウント値をとす
る。
【0065】続いて加算器55iは、カウンタ55g及
びレジスタ55hに共にカウント値が保持されたタイミ
ング、つまり加算タイミングであると判定すると(図1
8(B)のS50:Yes)、カウンタ55gが保持し
ているカウント値及びレジスタ55hが保持している
カウント値を加算し(S52)、加算値をCPU
56へ出力する(S56)。このとき、カウンタ55g
は、図16(B)の(B3)に示すようにカウント値
をレジスタ55hに出力する(図18(A)のS3
6)。そして、CPU56は入出力回路53を介してF
SK復調回路55の値、すなわち加算値を読み込み
(図12のS316、図13)、その読み込んだ加算値
に基づいてペン属性を判定する(S318)。例え
ば、加算値が245である場合は、図10(A)に
示すようにペン属性は黒太であると判定する。また、C
PU56は、ペン属性とXY座標とを対応付けてRAM
59に記憶する。このような形で記憶された筆記データ
は、例えばプリンタ200(図2参照)に出力され、黒
太で印刷される。また、PC100(図2参照)へ出力
され、モニタ103(図2参照)に黒太で表示される。
つまり、ペン60の属性の通りに筆記データを再生する
ことができる。
【0066】続いて加算器55iは、レジスタ55hの
カウント値及びカウンタ55gのカウント値を加算
し、CPU56へ出力する(図16(B)の(B
3))。以降、しきい値判定出力が変化する毎に、カウ
ンタ55gによるカウント値は、レジスタ55hに出力
され、加算器55iは、カウンタ55gによるカウント
値及びレジスタ55hに保持されたカウント値を加算
し、加算値をCPU56に出力するというサイクルを繰
り返す。つまり、図16(B)に示すように、加算器5
5iは、カウンタ55gによってカウントされた最新の
カウント値とレジスタ55hに保持されている1つ前の
カウント値とを加算し、それをCPU56に出力するた
め、図16(A)に示すように、CPU56は、しきい
値判定出力の半周期毎に、最新のカウント値及び1つ前
のカウント値の加算値に基づいてペン属性を判定する。
従って、しきい値判定出力の途中、例えば図16(A)
の時刻t0とt1との間でループコイル23のスキャン
が行われた場合であっても、しきい値判定出力の次の1
周期(t2〜t4)の加算値を取り込まなくても、時刻
t1から半周期後の時刻t2〜t4の1周期の加算値を
取り込めばよいため、ペン属性の判定を高速に行うこと
ができる。
【0067】ここで、図11のフローチャートに戻り説
明を続けると、CPU56は、ページ戻りボタン33、
ページ送りボタン34及び消去ボタン35が押されたと
きに、記憶されている筆記データのページ単位での戻
し、送り、或いは消去等のページ処理を行う(S40
0)。つまり、CPU56は、操作部30に設けられた
各種ボタン(図1参照)の操作により発生するスイッチ
ング信号をI/F回路57(図9参照)を介して取り込
み、RAM59に格納されている位置座標データを記憶
するページをページ単位で戻したり、送ったり、或いは
位置座標データをページ単位で消去する等のページ処理
を実行する。また、CPU56は、RAM59に格納さ
れている位置データのうち、目的のページの位置座標デ
ータを適当なフォーマットに変換してPC100やプリ
ンタ200(図2参照)へ出力するデータ出力処理を実
行する(S500)。
【0068】さらに、CPU56(図9参照)は、各種
ボタンが押された際に発生するスイッチング信号に基づ
いて音声回路31a(図9参照)を動作させてスピーカ
(SP)(図9参照)31から「ピー」、「ピッ」等の
操作音を発声する音声出力処理を実行する(図11のS
600)。また、CPU56は、イレーサ40(図1参
照)に内蔵されたコイルから発生する交番磁界によって
Xコイル及びYコイルに発生する電圧に基づいてイレー
サ40の払拭軌跡を演算し、その演算した払拭軌跡内の
位置座標データをRAM59(図9参照)から消去する
イレーサ処理を実行する(S700)。
【0069】本発明に係る実施の形態の電子黒板1は、
以上述べたような構成、作用を有するため以下のような
効果がある。
【0070】本実施の形態の電子黒板1では、位置指示
器であるペン60のループコイル23上において座標を
読み取る場合に、第一のコイル群81と第二のコイル群
82とにループコイル23を分けて、第一のコイル検索
手段及び第二のコイル検索手段であるX,Yコイル切替
え回路50、CPU56等により、それぞれ第一のスイ
ッチ群83、第二のスイッチ群84、第一の接地スイッ
チ87、及び第二の接地スイッチ88を所定の順序で順
次閉じることで最大誘起電圧となるコイル位置を検索
し、誘起電圧差検出手段であるX,Yコイル切替え回路
50、差動増幅器89により第一のコイル群81と第二
のコイル群82とにおいて、それぞれ誘起電圧が最大に
なるコイルに対応する第一のスイッチ群83と第二のス
イッチ群84におけるスイッチを選択的に閉じ、その誘
起電圧の差を検出し、位置検出手段であるCPU56に
よって、誘起電圧差検出手段により検出された誘起電圧
の振幅値の差から位置検出を行うことができる。そのた
め、それぞれのループコイル23の両端23aにスイッ
チを設けることなく、いずれか一方にスイッチを設ける
ことでスイッチ数が少ない簡単な機械的構成とし、低コ
ストな装置でありながら、最大及び2番目に大きな誘起
電圧を生じるコイルの検索とその差電圧の検出ができ、
正確に位置指示器の座標を求めることができるという効
果がある。
【0071】さらに、電子黒板1では、誘起電圧差を差
動増幅器89で求めるため、回路構成が単純化し、簡単
なアルゴリズムによる制御で位置指示器の座標を求める
ことができる。さらに、2つのループコイル23の電圧
差から位置を求めることにより2つのループコイル23
からの入力信号に等しく含まれる外部ノイズを消去でき
るため、外部ノイズに影響されないで正確に座標を読み
取ることができる。
【0072】なお、上記実施の形態では、第二のスイッ
チ群84は、第一のスイッチ群83が接続された第一の
コイル群81の各端子23aと同じ出力極性の第二のコ
イル群82の各端子23aに接続され、第一の共通線8
5と第二の共通線86が、それぞれ差動増幅器89の異
なった入力に接続され第一の共通線85と第二の共通線
86とから伝達される誘起電圧の差を増幅することによ
り、第一のコイル群81と第二のコイル群82とにおい
て、それぞれ誘起電圧が最大になるコイルに対応する第
一のスイッチ群83と第二のスイッチ群84におけるス
イッチを選択的に閉じ、その誘起電圧の差を検出してい
たが、この構成は、以下のように変形して実施すること
もできる。
【0073】ここで、図20は、本実施の形態の電子黒
板1のXコイル切替え回路50a及び増幅器50cを変
形した変形例1を示す図である。図20に示すように、
第二のスイッチ群84は、第一のスイッチ群83が接続
された第一のコイル群81の各端子23aと異なる出力
極性の第二のコイル群82の各端子23aに接続され
る。つまり、第一のコイル群81であるループコイルX
101,X102,X103・・・の各端子23aは、
中心に位置指示器であるペン60があるときに同じ出力
極性になる各端子23aに第一のスイッチ群83が設け
られているが、第二のコイル群82であるループコイル
X201,X202,X203・・・は、ループコイル
X101,X102,X103・・・の中心に位置指示
器であるペン60があるときに誘起電圧の位相が180
°ずれる位置、即ち流れる電流の極性と反対の極性とな
る各端子部23aに第二のスイッチ群84が接続され
る。即ち、図20において、第一のスイッチ群83に接
続されたループコイルX101,X102,X103・
・・は、左回りの形状に構成されるが、第二のスイッチ
群84に接続されたループコイルX201,X202,
X203・・・は、図20において右回りの形状に構成
される。
【0074】そして、変形例1では、上述の実施の形態
の電子黒板1が差動増幅器89を用いて回路を構成して
いるのと異なり、第一の共通線85と第二の共通線86
は、それぞれ2回路のプラス入力端子を備えたアナログ
加算器である増幅器90aに接続され、第一の共通線8
5と第二の共通線86とから伝達される極性の異なる誘
起電圧の和を増幅して、その増幅された入力信号を、図
9に示すようにバンドパスフィルタ50d、振幅検波回
路51、A/D変換回路52を介してCPU56に入力
する。
【0075】このように構成された変形例1では、第一
の共通線85と第二の共通線86とから伝達される極性
の異なる誘起電圧の和を増幅することで、誘起電圧差を
求めることができるため、単純な構造の増幅器90aで
位置指示器であるペン60の座標を求めることができる
という効果がある。そのため、回路が単純化し、製造コ
ストも低くすることができるという効果を奏する。
【0076】次に、図21は、変形例1の増幅器90a
に換えて、単一入力型の増幅器90bにより回路を構成
した変形例2を示す図である。図21に示すように、2
回路のプラス入力端子を備えたアナログ加算器である増
幅器90aに換えて、単一入力型の増幅器90bによっ
ても、本発明は実施することができる。R201,R2
02,R203は抵抗であり、抵抗値を適宜選択するこ
とで増幅率を最適化する。
【0077】このように構成された変形例2では、増幅
器をさらに簡易なものとすることができ、さらに製造コ
ストを低くすることができるという効果がある。
【0078】以上、一の実施の形態及び変形例に基づき
本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に何
ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲で種々の改良をし変更して実施が可能であることは
容易に推察できるものである。
【0079】
【発明の効果】上記説明より明らかなように、請求項1
に係る発明の座標読取装置によれば、位置指示器のルー
プコイル上において座標を読み取る場合に、第一のコイ
ル群と第2のコイル群とにループコイルを分けて、第一
のコイル検索手段及び第二のコイル検索手段により、そ
れぞれ第一のスイッチ群、第二のスイッチ群、第一の接
地スイッチ、及び第二の接地スイッチを所定の順序で順
次閉じることで最大誘起電圧となるコイル位置を検索
し、誘起電圧差検出手段により第一のコイル群と第二の
コイル群とにおいて、それぞれ誘起電圧が最大になるコ
イルに対応する第一のスイッチ群と第二のスイッチ群に
おけるスイッチを選択的に閉じ、その誘起電圧の差を検
出し、位置検出手段によって、誘起電圧差検出手段によ
り検出された誘起電圧の振幅値の差から位置検出を行う
ことができるという効果がある。そのため、それぞれの
ループコイルの両端にスイッチを設けることなく、いず
れか一方にスイッチを設けることでスイッチ数が少ない
簡単な機械的構成とし、低コストな装置でありながら、
最大及び2番目に大きな誘起電圧を生じるコイルの検索
とその差電圧の検出ができ、正確に位置指示器の座標を
求めることができるという効果を奏する。
【0080】また、請求項2に係る発明の座標読取装置
によれば、請求項1に係る発明の座標読取装置の効果に
加え、誘起電圧差を差動増幅器で求めるため、回路構成
が単純化し、簡単なアルゴリズムによる制御で位置指示
器の座標を求めることができるという効果がある。さら
に、2つのループコイルの電圧差から位置を求めること
により2つのループコイルからの入力信号に等しく含ま
れる外部ノイズを消去できるため、外部ノイズに影響さ
れないで正確に座標を読み取ることができるという効果
を奏する。
【0081】請求項3に係る発明の座標読取装置によれ
ば、請求項1に係る発明の座標読取装置の効果に加え、
第一の共通線と第二の共通線とから伝達される極性の異
なる誘起電圧の和を増幅することで、誘起電圧差を求め
るため、単純な増幅器で位置指示器の座標を求めること
ができるという効果がある。そのため、回路が単純化
し、製造コストも低くすることができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子黒板1の主要構成を示す外観斜視図であ
る。
【図2】図1に示す電子黒板1にパーソナルコンピュー
タ100及びプリンタ200を接続した状態を示す説明
図である。
【図3】ペン60の内部構造を示す説明図である。
【図4】筆記パネル本体20の各構成部材を示す説明図
である。
【図5】(A) 図4に示すループコイル23の構成を
一部を省略して模式的に示す説明図である。 (B) 図5(A)に示すループコイル23の幅及び重
ねピッチを示す説明図である。
【図6】(A) ループコイルX101,X201,X
102の一部を示す説明図である。 (B) 図6(A)に示すループコイルX101,X2
01,X102に発生する電圧と幅方向の距離との関係
を示すグラフである。 (C) 図6(A)に示すループコイルX101,X2
01,X102の相互に隣接するループコイル間の電圧
差を示すグラフである。
【図7】(A) 位置座標テーブル58aをグラフ化し
て示す説明図である。 (B) 位置座標テーブル58aの説明図である。 (C) Xコイルの第一のコイル群81及び第二のコイ
ル群82のそれぞれから検出した最大の誘起電圧を記憶
する電圧値記憶エリア59aの記憶状態を示す説明図で
ある。
【図8】図3に示すペン60の電気的構成を示す説明図
である。
【図9】電子黒板1の電気的構成をブロックで示す説明
図である。
【図10】(A) ペン属性と変調周波数fmとの関係
を説明する図である。 (B) 図9の中のA,B,C点における信号を示す説
明図である。
【図11】図9に示すCPU56が実行する主な制御内
容を示すフローチャートである。
【図12】座標読取・ペン情報検出処理(S300)に
ついての流れを示すフローチャートである。
【図13】FSK復調回路55の電気的構成を示す説明
図である。
【図14】図13に示すFSK復調回路55の各部位に
表れる信号波形を示す説明図である。
【図15】(A) CR発振回路69eの出力信号と、
LC発振回路69cの出力信号と、リミッタ回路54の
出力信号と、カウント回路55aによるカウント値との
関係を示す説明図である。 (B) シフトレジスタ55bに格納されたカウント値
がシフトする様子を示す説明図である。
【図16】(A) 絶対値コンパレータ55fによるし
きい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示
す説明図である。 (B) カウンタ55gによるカウント値が移動する様
子を示す説明図である。
【図17】S318におけるFSK復調回路55を構成
するカウント回路55aから絶対値コンパレータ55f
までの処理(ペン属性検出処理1)の流れを示すフロー
チャートである。
【図18】(A) S318におけるカウンタ55gの
処理の流れを示すフローチャートである。 (B) S318における加算器55iの処理の流れを
示すフローチャートである。
【図19】Xコイルと、Xコイル切替え回路50aの一
部を示す図である。
【図20】本実施の形態の電子黒板1のXコイル切替え
回路50a及び増幅器50cを変形した変形例1を示す
図である。
【図21】変形例1の増幅器90aに換えて、単一入力
型の増幅器90bにより回路を構成した変形例2を示す
図である。
【図22】ペン60のX座標読取処理(S302)の手
順を示したフローチャートである。
【図23】従来の座標読取装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 電子黒板(座標読取装置) 10 筆記パネル 20 筆記パネル本体 21 筆記シート 21a 筆記面 22 パネル 23 ループコイル(受信部) 23a 端子 50 X、Yコイル切替え回路 50a Xコイル切替え回路 50b Yコイル切替え回路 56 CPU 58 ROM 59 RAM 60 ペン 81 第一のコイル群 82 第二のコイル群 83 第一のスイッチ群 84 第二のスイッチ群 85 第一の共通線 86 第二の共通線 87 第一の接地スイッチ 88 第二の接地スイッチ 89 差動増幅器 90a 増幅器 90b 単一入力型の増幅器 91 接地部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界を変化させる位置指示器と、前記位
    置指示器と磁気結合可能で前記磁界の変化を検出可能な
    複数のループコイルが敷設された受信部とを備えた座標
    読取装置において、 略平行に配列され一端が接地された複数のループコイル
    から構成された第一のコイル群と、 略平行に配列され一端が接地された複数のループコイル
    であって前記第一のコイル群の複数のループコイルと相
    互に配列されたループコイルから構成された第二のコイ
    ル群と、 前記第一のコイル群の各ループコイルのその中心に前記
    位置指示器があるときに同じ出力極性になる各一端部に
    設けられた第一のスイッチ群と、 前記第二のコイル群の各ループコイルのその中心に前記
    位置指示器があるときに同じ出力極性になる各一端部に
    設けられた第二のスイッチ群と、 前記第一のスイッチ群に接続された第一の共通線と、 前記第二のスイッチ群に接続された第二の共通線と、 一端が前記第一の共通線に接続され、他の一端が接地さ
    れた第一の接地スイッチと、 一端が前記第二の共通線に接続され、他の一端が接地さ
    れた第二の接地スイッチと、 前記第一の共通線と前記第二の共通線とが接続された増
    幅器と、 前記第一の接地スイッチを閉じ、前記第二のスイッチ群
    を順次切り換えて閉じて最大誘起電圧となるコイル位置
    を検索する第一のコイル検索手段と、 前記第二の接地スイッチを閉じ、前記第一のスイッチ群
    を順次切り換えて閉じて最大誘起電圧となるコイル位置
    を検索する第二のコイル検索手段と、 前記第一のコイル群と前記第二のコイル群とにおいて、
    それぞれ誘起電圧が最大になるコイルに対応する前記第
    一のスイッチ群と前記第二のスイッチ群におけるスイッ
    チを選択的に閉じ、その誘起電圧の差を検出する誘起電
    圧差検出手段と、 当該誘起電圧差検出手段により検出された誘起電圧の振
    幅値の差から位置検出を行う位置検出手段とを備えたこ
    とを特徴とする座標読取装置。
  2. 【請求項2】 前記第二のスイッチ群は、前記第一のス
    イッチ群が接続された前記第一のコイル群の各一端部と
    同じ出力極性の前記第二のコイル群の各一端部に接続さ
    れ、 前記増幅器は、差動増幅器であり、 前記第一の共通線と前記第二の共通線は、それぞれ差動
    増幅器の異なった入力端子に接続され前記第一の共通線
    と前記第二の共通線とから伝達される誘起電圧の差を増
    幅することを特徴とする請求項1に記載の座標読取装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第二のスイッチ群は、前記第一のス
    イッチ群が接続された前記第一のコイル群の各一端部と
    異なる出力極性の前記第二のコイル群の各一端部に接続
    され、 前記第一の共通線と前記第二の共通線は、それぞれ前記
    増幅器に接続され前記第一の共通線と前記第二の共通線
    とから伝達される極性の異なる誘起電圧の和を増幅する
    ことを特徴とする請求項1に記載の座標読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101903504B1 (ko) * 2017-03-27 2018-11-07 주식회사 더한 지시체의 위치를 검출하는 신호 처리 회로 및 이를 포함하는 위치 검출 장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101903504B1 (ko) * 2017-03-27 2018-11-07 주식회사 더한 지시체의 위치를 검출하는 신호 처리 회로 및 이를 포함하는 위치 검출 장치

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