JP2001056735A - 座標読取装置用の筆記装置 - Google Patents

座標読取装置用の筆記装置

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JP2001056735A
JP2001056735A JP23115399A JP23115399A JP2001056735A JP 2001056735 A JP2001056735 A JP 2001056735A JP 23115399 A JP23115399 A JP 23115399A JP 23115399 A JP23115399 A JP 23115399A JP 2001056735 A JP2001056735 A JP 2001056735A
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coil
pen
writing
circuit
marker
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JP23115399A
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Takuya Nagai
永井拓也
Tsutomu Ohashi
大橋勉
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクにより記録が可能であるとともに、交
番磁界により座標の読取が可能な座標読取装置用の筆記
装置において小型化が可能で、且つ重量バランスがよい
操作性の高い座標読取装置用の筆記装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ペン60は、円筒形状の胴体部61aが
備えられ、その内部には、コイルL1と、ペン先62を
備え矢印F2で示す方向に取り出し可能なインクカート
リッジ63と、発振回路等が実装された回路基板69
と、電源である電池70とが設けられている。コイルL
1は、胴体部61aの握持部の近傍において、インクカ
ートリッジ63の周囲に環状に配設されたことを特徴と
するため、筆記装置を使用するときに握持部にその重心
が近づき慣性モーメントが小さくなるため、筆記装置を
回転させやすくなり使用感が良くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクにより記録
が可能であるとともに、交番磁界により座標の読取が可
能な座標読取装置用の筆記装置に関し、特に、操作性の
高い筆記装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ホワイトボード等にインクを使用
したマーカーで文字や図形を描くと、このボード上に描
かれた文字や図形がコピーされたり、或いはデジタルデ
ータとして取り込まれるいわゆる電子黒板が使用されて
いる。例えば、特開平5−274079号公報に記載さ
れている座標入力装置の入力器具のような発明では、筆
記装置である入力器具に電源を有さず、黒板本体から送
出された電波に基づいて発生する誘導電圧のみをエネル
ギー源とするもので感度が弱いものであり、また本体側
には位置情報しか伝えられなかった。そこで、筆記装置
側に電源を備え発振装置を備えたものが提案された。こ
の筆記装置側に電源を備え発振装置を備えたものであれ
ば強い磁界を発生でき、そのため、ボード側に備えられ
る受信用のコイルの間隔も比較的広いものとできるた
め、ボードの構造が簡単になり、ボードの大型化も容易
になる。その上、複数の発振周波数を組み合わせて発振
すれば、ペン属性の情報を電子黒板本体に伝えることも
可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、筆記装
置は使用者が手に握持して使用するものであり、筆記装
置側に電源や発信装置を備えると、その配置によっては
長さや体積が大きくなり、収納に不便になったり、使い
にくくなるという問題があった。また、比較的重量の大
きい発振用のコイルなどは、特に筆記装置の重量バラン
スに影響し、その配置によっては重量バランスが悪くな
り使用感が劣るものとなるという問題もあった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、インクにより記録が可能であるとともに、交番磁界
により座標の読取が可能な座標読取装置用の筆記装置に
おいて小型化が可能で、且つ重量バランスがよい操作性
の高い座標読取装置用の筆記装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の座標読取装置用の筆記装置で
は、インクにより記録が可能な筆記面と、当該筆記面の
奥部にあって交番磁界と磁気結合可能な複数の導線が敷
設された受信部とを有する本体に対して、インクが収容
されその先端部で前記筆記面上にインクによる記録を行
うマーカー部と、交番磁界を発生するコイルと、当該コ
イルに所定の周期の交番磁界を発生させる制御部と、前
記コイルに交番磁界を発生させるための電気を供給する
電源部と、前記コイルと前記制御部と前記電源部とを収
納し、且つ前記マーカー部を着脱可能に支持するケース
部とを備え、前記コイルは、前記ケース部の握持部の近
傍において、前記マーカー部の周囲に環状に配設された
ことを特徴とする。
【0006】この構成に係る座標読取装置用の筆記装置
では、比較的重量の大きい発振用のコイルが、ケース部
の握持部の近傍において、マーカー部の周囲に環状に配
設されているため、筆記装置を使用するときに握持部に
その重心が近づき慣性モーメントが小さくなるため、筆
記装置を回転させやすくなり使用感が良くなる。又、コ
イルの巻き形状などにより、使用者が握持部を握りやす
い形状にすることができるためにさらに、使用感が良く
なる。
【0007】請求項2に係る発明の座標読取装置用の筆
記装置では、請求項1に記載の座標読取装置用の筆記装
置の構成に加え、前記制御部は、可撓性を有する基板上
に配設され、当該基板は、前記コイルの後方側に隣接し
た位置に前記マーカー部と前記ケース部の間隙に略環状
に配置され、前記基板を固定するとともに前記マーカー
部を前記ケース部から着脱可能に支持するマーカー支持
部を備えたことを特徴とする。
【0008】この構成に係る座標読取装置用の筆記装置
では、一般に比較的体積の大きくなりがちな制御基板等
を可撓性を有する基板上に配設した上で、その可撓性を
利用してマーカー部とケース部の間隙のコイルの後方側
に隣接したデッドスペースとなりがちなスペースを利用
してケース部に巻き付けるようにして略環状に配置され
る。そのため、マーカーの小型化に寄与することができ
る。なお、この場合に基板が可撓性を有するため不用意
に振動すると結線の不良などを生じるおそれもあるの
で、ケース内で基板を固定するにマーカー支持部を設
け、且つこのマーカ支持部をマーカーを摺動可能に支持
するために用いているため無駄な部材がなくコンパクト
に構成することができる。
【0009】請求項3に係る発明の座標読取装置用の筆
記装置では、請求項1又は請求項2に記載の座標読取装
置用の筆記装置の構成に加え、前記電源部は、前記マー
カー部と前記ケース部の間隙に配設されたことを特徴と
する。
【0010】この構成に係る座標読取装置用の筆記装置
では、例えば比較的重量の大きい電池などにより構成さ
れる電源部を、マーカー部とケース部の間隙に配設する
ことで、筆記装置全体を小型化できるばかりでなく、重
量バランスも良くなり使用感が優れたものとすることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る座標読取装
置用の筆記装置を、好ましい実施の形態である座標読取
装置として、ボード上に描かれる手書き文字や図形など
を電気的に読み取るいわゆる電子黒板1を、その筆記装
置としてペン60を例に挙げて説明する。
【0012】以下、本発明の座標読取装置の筆記装置の
好ましい実施の形態であるペン60について説明する。
まず、ペン60の主要構成について図8を参照して説明
する。図3は、ペン60の内部構造を示す説明図であ
り、図8は、図3に示すペン60の電気的構成を示す説
明図である。
【0013】図3に示すようにペン60には円筒形状の
胴体部61aと、この胴体部61aの後端に着脱可能に
取り付けられた蓋61cとが備えられている。胴体部6
1aの内部には、コイルL1と、矢印F2で示す方向に
取り出し可能なインクカートリッジ63と、このインク
カートリッジ63に挿入されたペン先62と、コイルL
1から交番磁界を発生させるための発振回路等が実装さ
れた回路基板69と、この回路基板69に電気を供給す
る電源である電池70とが設けられている。このコイル
L1は、内径が15mm程度で長さが15mm程度に2
00回巻きされて環状に形成される。また、筆記面21
a(図1参照)と当接するペン先62の先端からおよそ
20mm程度離して配置されている。つまりコイルL1
は、使用者が胴体部61aを握持する位置の近傍に、ペ
ン60内のインクカートリッジ63の周囲に環状に配設
されている。そのため、使用者は、筆記装置であるペン
60を使用するときに握持部にその重心が近づき慣性モ
ーメントが小さくなるため、筆記装置を回転させやすく
なり使用感が良くなる。
【0014】また、インクカートリッジ63と回路基板
69との間には、上記発振回路等への電気の供給及び遮
断を行うための押しボタン式のスイッチ67が設けられ
ている。スイッチ67は、ペン先62を筆記面21a
(図1参照)に押し付け、インクカートリッジ63が矢
印F1で示す方向へ移動するとONし、筆記を中止する
と、スイッチ67内のばねにより矢印F2で示す方向へ
戻りOFFする。つまり、ペン60によって筆記面21
aに筆記を行っているときのみコイルL1から交番磁界
が発生する。
【0015】図8は、ペン60の電気的構成を示す図で
ある。なお、後述のペン160,260については、構
成位置の違いのみでペン60と同一の電気的構成を有す
るため、以後の説明は省略する。図8に示すように、回
路基板69(図3参照)に実装された回路は、インクの
色やペン先の太さなどのペンの属性毎に異なる変調周波
数が設定されたCR回路69eと、このCR発振回路6
9eから発振された信号を搬送する搬送波を発振するL
C回路69cと、このLC回路69cの発振周波数をC
R発振回路69eの変調周波数によってFSK(Fre
quencyShift Keying)変調するFS
K回路69dとから構成される。搬送波の発振周波数
は、LC発振回路69cを構成するインダクタンスL1
及びコンデンサC1,C2,C3によって決定され、変
調周波数は、CR発振回路69eを構成するコンデンサ
C5及び抵抗R2,R3によって決定される。また、搬
送波の発振周波数の周波数偏位は、FSK回路69dの
コンデンサC4の容量によって決定される。
【0016】ペン60の属性と変調周波数fmとの関係
は、その関係を説明する図10(A)に示すように設定
されている。図10(A)において、「細」とはペン先
62(図3参照)が細いことを示しており、「太」とは
ペン先62が太いことを示す。例えば、「黒太」とは、
ペン先62が太く黒色インクを使用するペンを示す。な
お、イレーサ40もコイルを内蔵しており、そのコイル
から発生した交番磁界によってセンスコイルに発生した
信号に基づいてイレーサ40による消去範囲を演算する
ため、イレーサ40にも変調周波数fmを割り当て、ペ
ン60と識別する。
【0017】図8において、スイッチ67がONする
と、電池70の電気が各回路に供給され、CR発振回路
69eの集積回路IC3の出力がFSK回路69dのM
OSFETのゲートをスイッチングし、LC発振回路6
9cから発振した搬送波がCR発振回路69eから発振
された信号によって周波数変調される。本実施の形態で
は、搬送波の中心周波数は、410kHzであり、周波
数偏位は±20kHzである。また、本実施の形態で
は、集積回路IC1は東芝製のTC7SLU04Fであ
り、集積回路IC2及びIC3は共に東芝製のU04で
ある。また、MOS FETは2SK2158である。
抵抗R1及びR2は共に1MΩであり、可変抵抗R3の
可変範囲は0Ω〜1MΩである。コンデンサC1,C
4,C5は、それぞれ0.1μF,0.0015μF,
100pFであり、コンデンサC2,C3は共に0.0
033μFである。さらに、電池70は、LR44であ
り、その電圧は約1.5Vである。
【0018】ここで、図19(A)はペン60の第1の
変形例であるペン160の内部構成を示す図であり、図
19(B)は、図19(A)の一部を拡大した図であ
る。以下、ペン160について、図19(A),(B)
を参照して説明する。ペン160はペン60と比較する
と、制御基板169が配設される位置において異なる。
具体的には、ペン160の制御部である回路基板169
が、ポリイミド(PI)製の可撓性を有する基材上に各
基板要素が配設される。そして、回路基板169は、コ
イルL101の後方側に隣接した位置に胴体部161a
とインクカートリッジ163の間隙に丸めるように撓ま
せて略環状に配置される。そして、図19(B)に示す
ように胴体部161aの内部のコイルL101の後端部
近傍に胴体部161aから突設されたマーカー支持部1
61dとその後方に突設されたマーカー支持部161e
により回路基板169の両端が挟持されて固定される。
また、マーカー支持部161d,161eは協働してイ
ンクカートリッジ163を胴体部161aに対し着脱で
きるように摺動可能に支持する。
【0019】つまり、一般にエポキシ樹脂を固めたよう
なハードタイプの基材では比較的体積の大きくなりがち
な回路基板等を可撓性を有するポリイミド製の基材上に
プリント配線し各要素を配設した上で、その可撓性を利
用して胴体部61aとインクカートリッジ163の間隙
のコイルL101の後方側に隣接したデッドスペースと
なりがちなスペースを利用してケース部に巻き付けるよ
うにして略環状に配置される。そのため、ペン60のよ
うにインクカートリッジ163の後方に回路基板69を
配置しないため、ペン160全体の長さが短くなり且つ
ペンの最大径を変えることなく、ペン160の小型化に
寄与することができる。この場合、回路基板169が可
撓性を有するため不用意に振動すると結線の不良などを
生じるおそれもある。そのため、胴体部161a内で回
路基板169を固定するためにマーカー支持部161
d,161eを胴体部161aに円周状に設け、ここに
回路基板169の端部を挿入する溝を設け、回路基板1
69をこのマーカ支持部161d,161eの溝に嵌入
させて支持する。そのため、回路基板169は固定され
て振動等を生じず、結線が切断するようなことがない。
また、このマーカー支持部161d,161eがインク
カートリッジ163を摺動可能に支持するため無駄な部
材を用いず、コンパクトに構成することができる。
【0020】図20(A)は、ペン60の第2の変形例
であるペン260の内部構成を示す図である。図20
(A)に示すようにペン260はペン160と比較する
と、電池170が配設される位置において異なる。具体
的には、ペン160の回路基板169に比較して前後方
向に短く構成されたペン260の回路基板269が配置
され、さらにインクカートリッジ263の周囲であっ
て、回路基板269の後方には、電池270が配置され
る。この電池270は、例えばリチウムイオン二次電池
の電解液の代わりに導電性高分子に可塑剤を添加して形
成したポリマー電池のような電池が好適であり、このよ
うな電池であれば極めて薄い形状に形成できる。
【0021】このような構成のペン260では、例えば
比較的重量の大きい乾電池などにより構成される電源部
を前述のような薄くて軽い充電池を用い、これを胴体部
261aとインクカートリッジ263の間隙に配設する
ことで、筆記装置全体を小型化できるばかりでなく、重
量バランスも良くなり使用感の優れたものとすることが
できる。
【0022】なお、このような充電池を備えた場合は、
充電池への充電が必要になるが、本実施形態及びその変
形例のペン60,160,260では、発振コイルL
1,L101,L201が筆記面近くに配設されている
ため、このコイルL1,L101,L201を用いて充
電するように構成することもできる。以下、充電回路以
外はペン260と同様な構成のペン360を例に説明を
する。図21は、ペン360のコイルL1を用いて充電
をする充電器300を示す。充電器300は、スタンド
状の本体301に設けられた、挿入部302にペン36
0の胴体部361aの先端が挿入されて支持される。こ
のときペン先362は、密閉されて乾燥が防止される。
充電器300には、コイルL301と対向する位置に充
電コイルL302が配設され、コイルL301と電磁的
に結合可能に配設される。
【0023】図22は、充電器300及び充電回路を有
するペン360の電気的構成を示す図である。充電器3
00は、交流電源303が充電コイルL302に接続さ
れ、スイッチSW1により開閉可能に構成されている。
また、ペン360側のスイッチSW1,SW2により発
振回路と充電回路に接続が切り替えられ、ペン360の
コイルL301の接続先が変更可能になっている。スイ
ッチSW1,SW2は連動しており、充電時には、手動
で充電回路側に切り替えられ、ペン360は充電器30
0に載置される。なお、充電器300に載置された時に
充電回路側に自動的に切り替えられるように構成しても
よい。このとき充電コイルL302とコイルL301
は、磁気的に結合し、コイルL301に交流電気を流そ
うとする。ここで、ダイオードD301により、1方向
のみに半波形の電流が流れ、且つコンデンサC301が
平滑回路として働き略直流電流となるように平滑化され
る。そしてツェナーダイオードD302により基準電圧
が発生され、トランジスタTR301により定電流化さ
れ過電流が防止されつつ電池370が充電される。
【0024】なお、ペン60、160,260の胴体部
61a,161a,261aは、記録される線の太さに
応じて、太い線が記録されるペンには太い胴体部61
a,161a,261aを、細い線が記録されるペンに
は細い胴体部61a,161a,261aを備えること
が望ましい。このように記録される線の太さが、胴体部
61a,161a,261aを見るだけで一見して理解
できれば、書き間違いも少なくなる。もちろん、胴体部
61a,161a,261aの色を記録される色に合わ
せてもよい。
【0025】一方、コイルL1,L101,L201
は、後述する筆記パネル10の大きさや、センスコイル
23の配列により、感度や分解能に応じて位置や巻き
数、直径などが決定され、その形状を変更できることは
いうまでもない。ここで図20(B)は、コイルL1の
巻き方の変形例を示すコイルL401の構造を示す。例
えば、図20(B)に示すように、ペン460の胴体部
461aの直径が、コイルL401の巻き径に比べて相
対的に小さい場合は、コイルL401が配置された部分
の胴体部461aを突出するように形成してもよい。こ
のように形成することで、胴体部461aが細い場合で
も、使用者はペン460を持ちやすくするとともに、感
度や分解能を調節することができる。ここで、図20
(C)から(E)は、ペン先62の変形例を示す。ペン
先62を示す図20(C)のように磁束を収束するため
に、フェルトから形成されたペン先62にフェライト粉
を分散させたり、あるいは図20(D)に示すように、
ペン先62の内部に針状の鉄芯を入れたり、さらに、図
20(E)に示すようにペン先62の周囲を鉄パイプを
被せたようなものとし、磁力線の向きや密度を調整する
ことで感度や分解能を調整することが可能である。
【0026】次に本実施の形態に係る座標読取装置であ
る電子黒板1の他の部分の構成について図1及び図2を
参照して説明する。図1は、電子黒板の主要構成を示す
外観斜視図であり、図2は、図1に示す電子黒板1にパ
ーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する。)10
0及びプリンタ200を接続した状態を示す説明図であ
る。
【0027】電子黒板1には、筆記パネル10と、筆記
面21aに筆記を行うためのペン60と、筆記された軌
跡及びその軌跡を示すデータを消去するためのイレーサ
40とが備えられている。筆記パネル10には、枠状の
フレーム11が備えられており、そのフレーム11に
は、筆記パネル本体20が組み込まれている。フレーム
11の前面下端には、その下端に沿って板状の台12が
前面に張り出す形で取り付けられている。台12の上面
には、ペン60を差して収容するためのスタンド状の複
数の凹部12aが形成されており、ここに前述の充電器
300を設けることもできる。その凹部12aの右側に
は、イレーサ40などを置くための平面部12bが形成
されている。
【0028】フレーム11の前面右側には、操作部30
が設けられている。操作部30には、操作音や警告音な
どの音を再生するスピーカ31と、筆記面21aに筆記
された内容を示すデータ(以下筆記データと略称す
る。)を記憶したページ数を7セグメントのLEDによ
って表示するページ数表示LED32と、押す毎に1ペ
ージずつ戻るページ戻りボタン33と、押す毎に1ペー
ジずつ送るページ送りボタン34と、記憶されている筆
記データを押す毎に1ページずつ消去する消去ボタン3
5と、記憶されている筆記データをプリンタ200(図
2)へ出力するために押すプリンタ出力ボタン36と、
記憶されている筆記データをPC100(図2)へ出力
するために押すPC出力ボタン37と、ペン60の電池
切れを報知する電池切れ報知用LED39と、この電子
黒板1を起動するために押す電源ボタン38とが設けら
れている。
【0029】フレーム11の前面下部には、この電子黒
板1の電源となる単2乾電池14aを4本収容するバッ
テリーケース14が設けられており、そのバッテリーケ
ース14の前面には、蓋14bが開閉可能に取り付けら
れている。バッテリーケース14の右側には、スピーカ
31のボリューム調節つまみ13cが設けられており、
その右側には、コネクタ13b,13aが設けられてい
る。図2に示すように、コネクタ13bには、プリンタ
200と接続された接続ケーブル204のプラグ202
が接続され、コネクタ13aには、PC100と接続さ
れた接続ケーブル104のプラグ102が接続される。
つまり、電子黒板1の筆記面21aに筆記された内容を
示す筆記データをPC100へ出力し、PC100に備
えられたモニタ103により、電子黒板1に筆記された
内容を見ることができる。また、筆記データをプリンタ
200へ出力し、電子黒板1に筆記された内容を印刷用
紙203に印刷することもできる。
【0030】また、図1に示すようにフレーム11の裏
面上端の両端部には、この電子黒板1を壁に掛けるため
の金具15,15が取り付けられている。本実施の形態
では、筆記面21aの高さH1は900mmであり、幅
W1は600mmである。また、フレーム11及び台1
2は、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂により軽量
に形成されており、電子黒板1の総重量は10kg以下
である。
【0031】次に、筆記パネル本体20の構造について
図4を参照して説明する。図4は、筆記パネル20の各
構成部材を示す説明図である。筆記パネル本体20は、
筆記面21aを有する筆記シート21と、板状のパネル
22と、センスコイル23が敷設された枠形状の取付パ
ネル24と、板状のバックパネル25とを順に積層した
構造である。この実施の形態では、筆記シート21は、
貼り合わされたPET(ポリエチレンテレフタレート)
フィルムにより厚さ0.1mmに形成されており、パネ
ル22は、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネ
−ト)等により厚さ3.0mmに形成されている。ま
た、取付パネル24は、発泡スチロールなどの発泡樹脂
製材料により厚さ40mmに形成されており、バックパ
ネル25は、アルミニウム等の導電性材料により厚さ
1.0mmに形成されている。さらに、筆記パネル本体
20の各端部を挟持するフレーム11の全体の厚さは5
0mmである。
【0032】次に、センスコイル23の構成について図
5を参照して説明する。図5(A)は、図4に示すセン
スコイル23の構成を一部を省略して示す説明図であ
り、図5(B)は、図5(A)に示すセンスコイル23
の幅及び重ねピッチを示す説明図である。なお、以下の
説明では、センスコイル23のうちX軸方向に配列され
たセンスコイルをXコイルと称し、Y軸方向に配列され
たセンスコイルをYコイルと称する。図5(A)に示す
ように、X軸方向には、ペン60及びイレーサ40の
(X、Y)座標のX座標を検出するためのX1〜Xmの
Xコイルがm本配置されており、Y軸方向には、Y座標
を検出するためのY1〜YnのYコイルがXコイルと直
交してn本配置されている。Xコイル及びYコイルは、
それぞれが略矩形状に形成されており、矩形部分の長辺
の長さはそれぞれP2X,P2Yである。
【0033】図5(B)に示すように、Xコイルは、そ
れぞれ幅(矩形部分の短辺の長さ)P1に形成されてお
り、隣接するXコイルは、幅P1の2分の1のピッチで
それぞれ重ねられている。Yコイルもそれぞれ幅P1に
形成されており、隣接するYコイルは、幅P1の2分の
1のピッチでそれぞれ重ねられている。センスコイルま
た、Xコイルの各端子23aは、Xコイル切替え回路5
0aに接続されており、Yコイルの各端子23bは、Y
コイル切替え回路50bに接続されている(図9)。一
例として、この実施の形態では、P1=50mmであ
り、P2X=680mmであり、P2Y=980mmで
ある。また、m=22であり、n=34である。さらに
Xコイル及びYコイルは、共に表面に絶縁皮膜層(例え
ば、エナメル層)を有する直径0.345mmの銅線に
より形成されている。
【0034】次に、筆記面21a上のペン60の位置座
標を検出するための位置座標テーブルについて図6及び
図7を参照して説明する。図6(A)は、XコイルX1
〜X3の一部を示す説明図であり、図6(B)は図6
(A)に示すXコイルX1〜X3に発生する電圧と幅方
向の距離との関係を示すグラフであり、図6(C)は図
6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に隣接するセ
ンスコイル間の電圧差を示すグラフである。図7(A)
は位置座標テーブルをグラフ化して示す説明図であり、
図7(B)は、位置座標テーブルの説明図であり、図7
(C)は各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【0035】図6においてXコイルX1,X2,X3の
中心線をそれぞれC1,C2,C3とし、XコイルX
1,X2,X3に発生する電圧をそれぞれex1,ex
2,ex3とする。図6(B)に示すように、電圧ex
1〜ex3は、それぞれセンスコイルの中心C1〜C3
において最大になり、長手方向の端部が近づくにつれて
小さくなる単峰性を示す。なお、各コイルは、自己のヌ
ル点が隣接するコイルの中心の外側となるようにPの2
分の1の幅で重ねられる。なお、図5(A),(B)、
図6(A)においては、各センスコイル23の重なり方
を見やすくするため、幅をやや小さく示している。図6
(C)に示すようにXコイルX1〜3の相互に隣接する
センスコイル間の電圧差は、センスコイルの中心C1〜
C3上にそれぞれ最大値を有し、センスコイルの中心と
センスコイルの長辺部分との中間点、つまり隣接するセ
ンスコイルが重なった部分の中間点で零となるグラフと
なる。
【0036】例えば、図6(C)において(ex1−e
x2)を示すグラフの右半分(実線で示す部分)は、X
コイルX1の中心C1から、XコイルX2が重ねられた
部分の中間点Q2間での距離(重ねピッチの2分の1、
つまりPの4分の1)と(ex1−ex2)との関係を
示す。いま、仮にペン60が点Q2に存在する場合、
(ex1−ex2)を検出すれば中心C1からQ2点ま
での距離ΔX1を検出できるため、Q2点のX座標を求
めることができる。この実施の形態では、コイル幅P1
が50mmであるから、P1/4=12.5mmであ
る。例えば、図6(C)において(ex1−ex2)の
特性を示す部分(実線で描いた部分)を8bitのデジ
タルデータに変換すると、図7(A)に示すグラフを得
る。このグラフをテーブル形式に変換すると、図7
(B)に示す位置座標テーブル58aを得る。この位置
座標テーブル58aは、ROM58(図9参照)等に記
憶され、ペン60の位置座標の演算に用いられる。
【0037】次に、電子黒板1の主な電気的構成及び制
御内容について図9,図10(B)及び図11を参照し
て説明する。図9は、電子黒板1の電気的構成をブロッ
クで示す説明図であり、図10(B)は、図9の中の
A,B,C点における信号を示す説明図である。図11
は図9に示すCPU56が実行する主な制御内容を示す
フローチャートである。図9に示す制御装置50に備え
られたCPU56は、電源ボタン38(図1参照)が押
下され、電源がONしたことを検出すると(ステップ
(以下Sと略す。)100:Yes)、ROM58に記
憶されている制御プログラムや位置座標テーブル58a
(図7(B)参照)をRAM59のワークエリアにロー
ドする等の初期設定を行い(S200)、座標読取・ペ
ン情報検出処理を実行する(S300)。
【0038】ここで座標読取処理について、その流れを
示す図12のフローチャートを参照して説明する。CP
U56は、XコイルX1〜Xmを順に選択するコイル選
択信号A(図10(B))を入出力回路(I/O)53
を介してXコイル切替え回路50aに出力することによ
り、XコイルX1〜Xmのスキャンを行う(S30
2)。続いてペン60のコイルL1から発生した交番磁
界と、いずれかのXコイルとの磁気結合によって発生し
た信号は、増幅器50c(図9参照)によって増幅さ
れ、その増幅信号(図10(B)参照)は、バンドパス
フィルタ(BPF)50dによって不要な帯域が濾波さ
れ、振幅検波回路51によって振幅検波される。続いて
その振幅検波された信号(図10(B))は、A/D変
換回路52によって振幅、つまり電圧値に対応したデジ
タル信号に変換され、入出力回路53を介してCPU5
6に入力される。
【0039】続いてCPU56は、ペン60を検出した
と判定し(S304:Yes)、XコイルX1〜Xmを
スキャンして入力されたデジタル信号によって示される
電圧値e1〜emを図7(C)に示すように、Xコイル
のコイル番号と対応付けてRAM59の電圧値記憶エリ
ア59aに順次記憶していく(S306)。続いてCP
U56は、電圧値記憶エリア59aに記憶された各電圧
値に基づいて以下の手順によってペン60のX座標を演
算する(S308)。まず、電圧値記憶エリア59aに
記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値e
maxを選択し、その電圧値emaxを発生させたXコ
イルのコイル番号(以下、maxと称する。)をRAM
59に記憶する。例えば、図6に示すように、ペン60
は、位置Q3に存在し、図6(B)に示すように、Xコ
イルX1,X2,X3からそれぞれ電圧値e1,e2,
e3が発生したとすると、最大の電圧値e2を選択し、
その電圧値e2を発生させたXコイルのコイル番号2を
maxとしてRAM59に記憶する。そして、CPU5
6は、emaxの両隣の電圧値emax±1のうち大き
い方を決定し、その決定された電圧値を発生したXコイ
ルのコイル番号(以下、max2と称する。)をRAM
59に記憶する。
【0040】図6に示す例では、e2の両隣の電圧値e
3,e1のうち大きい方のe3に決定し、その電圧値e
3を発生させたXコイルのコイル番号3をmax2とし
てRAM59に記憶する。続いてCPU56は、RAM
59に記憶されたコイル番号max及びmax2を比較
して、コイル番号max2はコイル番号maxからX軸
の+方向又は−方向のどちらに存在するかを判定する。
そして、max2≧maxである場合は、変数SIDE
を1に設定し、max2<maxである場合は、変数S
IDEを−1に設定しする。図6に示す例では、max
=2でmax2=3であるから、max2>maxとな
り、変数SIDEを1に設定する。続いてCPU56
は、
【0041】 DIFF=e(max)−e(max2)・・・(1)
【0042】を演算し、その演算されたDIFFに最も
近い位置座標をROM58に、記憶されている位置座標
テーブル58aから読出し、それをOFFSETとす
る。続いてCPU
【0043】 X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE
【0044】を演算し、X座標X1を求める。ここで、
(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のX
座標を示す。図6に示す例では、(2)式は、X=(P
1/2)×2+(e2−e3)×1となり、位置Q3の
X座標は、XコイルX2の中心線C2からX軸の+方向
に(e2−e3)に対応する距離、例えばΔX2離れた
座標となる。そして、CPU56は、各Yコイルのスキ
ャンを実行し(S310)、各Yコイルから検出した電
圧値をRAM59のYコイル用の電圧値記録エリアに記
憶する(S312)。続いてCPU56は、前述のS3
08におけるX座標の演算と同じ手法を用いてペン60
のY座標を演算する(S314)。
【0045】次に、CPU56が、ペン属性を判定する
ための電気的構成及び制御について図13乃至図18を
参照して説明する。図13は、FSK復調回路55(図
9)の電気的構成を示す説明図であり、図14は図13
に示すFSK復調回路55の各部位に表れる信号波形を
示す説明図である。
【0046】図15(A)は、CR発振回路69eの出
力信号(以下、CR信号と称する。)と、LC発振回路
69cの出力信号(以下キャリア信号と称する。)と、
リミッタ回路54の出力信号(以下リミッタ出力信号と
称する。)と、カウント回路55a(図13参照)によ
るカウント値との関係を示す説明図である。図15
(B)は、シフトレジスタ55b(図13参照)に格納
されたカウント値がシフトする様子を示す説明図であ
る。
【0047】図16(A)は、絶対値コンパレータ55
fによるしきい値判定出力と、CPU56の判定周期と
の関係を示す説明図であり、図16(B)はカウンタ5
5gによるカウント値が移動する様子を示す説明図であ
る。図17はFSK復調回路55を構成するカウント回
路55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペ
ン属性検出処理1)の流れを示すフローチャートであ
り、図18はカウンタ55g及び加算機55iの処理
(ペン属性検出処理2)の流れを示すフローチャートで
ある。なお、図15(A)に示すキャリア信号は、例え
ば前述したように中心周波数が410kHzであり、周
波数偏位が±20kHzであるが、説明をわかり易くす
るために、図15(A)では、周波数偏位を誇張してい
る。
【0048】最初に、ペン属性を検出するためのFSK
復調回路55の特徴について図15を参照して説明す
る。図15(A)に示す例では、CR信号のローレベル
の間は、キャリア信号は高い周波数(例えば430kH
z)に変調されており、ハイレベルの間は低い周波数
(例えば390kHz)に変調されている。このため、
CR信号がローレベルの間のリミッタ出力信号の周期を
TBとすると、CR信号がハイレベルの間のリミッタ出
力信号の周期はTBより長いTCとなる。従って、カウ
ント回路55aによるリミッタ出力信号の1周期分のカ
ウント値kは、CR信号がローレベルからハイレベルに
変化したときに増加し、ハイレベルからローレベルに変
化したときに増加する。
【0049】つまり、カウント回路55aによるカウン
ト値kが変化したタイミングを検出することにより、C
R信号の立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングを検
出することができる。そして、カウント値kが変化して
から次に変化する間での時間はCR信号の半周期に対応
するため、カウント値kの変化している時間の1周期分
を計測すれば、CR信号の周期を求めることができるの
で、ペン属性を検出することができる。ここで、FSK
復調回路55の各構成要素の作用の概略を説明すると、
カウント回路55aはカウント値kを計測し、シフトレ
ジスタ55b、第1加重平均回路55c、第2加重平均
回路55d、減算器55eおよび絶対値コンパレータ5
5fはカウント値kの変化タイミングを検出し、カウン
タ55g、レジスタ55hおよび加算器55iはカウン
ト値kが変化する周期を計測する。そして、CPU56
は、加算器55iから出力された加算値に基づいてペン
属性を判定する(S318)
【0050】次に、FSK復調回路55の動作を詳細に
説明する。バンドパスフィルタ50dから出力された信
号は、リミッタ回路54によって図14(A)に示す方
形波のリミッタ出力信号に変換され、FSK復調回路5
5に出力される。そして、FSK復調回路55は、リミ
ッタ出力信号の立ち上がりを検出すると(図17のS1
0:Yes)、システムクロック(CLK)を用いてリ
ミッタ出力信号の周期のカウントを開始し(S12)、
リミッタ出力信号の次の立ち上がりを検出すると(S1
4:Yes)、カウント値kをシフトレジスタ55bに
出力し(S16)、カウント値kをリセットする(S1
8)。つまり、カウント回路55aはリミッタ出力信号
の1周期の長さTBまたはTCを計測する。
【0051】この実施の形態では、シフトレジスタ55
bは、図15(B)に示すように、リミッタ出力信号の
1周期分のカウント値kをk1〜k8の8周期分格納
し、最も新しいカウント値kを取り込むごとに最も古い
カウント値kを破棄し、各カウンタ値kを1つずつシフ
トして行く。第1加重平均回路55cは、シフトレジス
タ55bに格納されている最も新しいカウント値から3
番目に新しいカウント値までの加重平均値を演算し、そ
の加重平均値(以下、第1加重平均値と称する。)を減
算器55eに出力する。また、第2加重平均回路55d
は、シフトレジスタ55bに格納されている最も古いカ
ウント値から3番目に古いカウント値までの加重平均値
を演算し、その加重平均値(以下、第2加重平均値と称
する。)を減算器55eに出力する。
【0052】減算器55eは、第1加重平均と第2加重
平均との差Δmを演算し、その差Δmを絶対値コンパレ
ータ55fに出力する(図17のS20)。例えば、図
15(A)において、第1加重平均回路55cがカウン
ト値k1〜k3の加重平均を演算し、第2加重平均回路
55dがカウント値k6〜k8の加重平均値を演算した
場合、カウント値k6〜k8のうち、カウント値k7及
びk8は、リミッタ出力信号の周期TBよりも長い周期
TCをカウントしたものであるから、第2加重平均値は
第1加重平均値よりも大きくなる。従って、第2加重平
均値が第1加重平均値よりも大きくなったことを検出す
れば、CR信号の周期の変化点を検出することができ
る。つまり、CR信号の周期の変化点の周期を検出すれ
ば、CR信号の周期を検出できるため、ペン60の属性
情報を認識することができる。
【0053】このように、時間的に半れてカウントされ
たカウント値を加重平均回路によって加重平均するた
め、あるカウント値がノイズの影響を受けても、その影
響は小さくなる。
【0054】次に、絶対値コンパレータ55fから加算
器55iまでの処理について図16を参照しながら説明
する。図16において〜はカウンタ55gによるカ
ウント値を示す。絶対値コンパレータ55fは、差Δm
と、予め設定されているしきい値m1とを比較し、差Δ
mがしきい値m1以上であるか否かを判定し(図17の
S22)、差Δmがしきい値m1以上であると判定する
と(S22:Yes)、しきい値判定出力をローレベル
からハイレベルに変化させる(S24)。つまり、リミ
ッタ出力信号の周期が変化した(CR信号の立ち上がり
エッジを検出した)と判定する。例えば、図15(A)
に示すリミッタ信号の短い方の周期TBのカウント回路
55aによるカウント値を10,周期TCのカウント値
を16、しきい値m1を2とすると、カウント値k1〜
k6はいずれも10であるから、第1加重平均値=(k
1+k2+k3)/3=10となる。また、カウント値
k7及びk8は共に16であるから、第2加重平均値=
(k6+k7+k8)/3=42/3=14となり、差
Δm=10−14=−4となる。
【0055】なお、第1加重平均回路55c及び第2加
重平均回路55d、それぞれ搬送波の周波数(LC発振
回路69cの発振周波数)と変調周波数の比と、回路の
複雑さとに基づいて決定する。また、シフトレジスタ5
5bが保持するカウント値、つまりリミッタ出力信号の
周期の数はシステムクロック周波数と、搬送波の周波数
の比で決定され、システムクロックの周波数は、、周波
数の変化を十分弁別できる大きさに設定する。
【0056】従って、(差Δmの絶対値=4)>(しき
い値m1=2)となるため、しきい値判定出力がローレ
ベルからハイレベルに変化する(S24)。このハイレ
ベルの状態は、次に絶対値コンパレータ55fが差Δm
の絶対値がしきい値m1以上であると判定するまで維持
される。そして、第1加重平均回路55c及び第2加重
平均回路55dの演算範囲が、CR信号のエッジを通過
した部分に到達すると、リミッタ出力信号の周期は一定
になるため、両加重平均回路は共に同じ周期のカウント
値の加重平均値を演算するので、減算器55eによる減
算値は0になり、しきい値判定出力はハイレベル状態が
続く。
【0057】一方、カウンタ55gは、しきい値判定出
力がローレベルからハイレベルに変化したことを検出す
ると(図18(A)のS30:Yes)判定出力がハイ
レベルになっている時間、つまり判定出力の半周期をシ
ステムクロック(CLK)を用いてカウントする(S3
2)。そのカウント値をとする(図16(B)の(B
1))。そして、再び絶対値コンパレータ55fが差Δ
mがしきい値m1以上であると判定すると(図17のS
22:Yes)、しきい値判定出力をハイレベルからロ
ーレベルに変化させる(S24)。つまり、リミッタ出
力信号の周期が変化した(CR信号の立ち下がりエッジ
を検出した)と判定する。これにより、カウンタ55g
は、しきい値判定出力がハイレベルからローレベルに変
化したことを検出し(S34:Yes)、図16(B)
の(B2)に示すように、カウント値をレジスタ55
hに出力する(S36)。続いてカウンタ55gは、カ
ウント値をリセットし(S38)、しきい値判定出力
がローレベルになっている時間、つまりしきい値判定出
力の半周期をカウントする(S32)。そのカウント値
をとする。
【0058】続いて加算器55iは、カウンタ55g及
びレジスタ55hに共にカウント値が保持されたタイミ
ング、つまり加算タイミングであると判定すると(S5
0:Yes)、カウンタ55gが保持しているカウント
値及びレジスタ55hが保持しているカウント値を
加算し(S52)、加算値をCPU56へ出力する
(S54)。このとき、カウンタ55gは、図16
(B)の(B3)に示すようにカウント値をレジスタ
55hに出力する(図18(A)のS36)。そして、
CPU56は、加算値を読み込み(図12のS31
6)、その読み込んだ加算値に基づいてペン属性を
判定する(S318)。例えば、加算値が245で
ある場合は、図10(A)に示すようにペン属性は黒太
であると判定する。また、CPU56は、ペン属性とX
Y座標とを対応付けてRAM59に記憶する。このよう
な形で記憶された筆記データは、例えばプリンタ200
(図2参照)に出力され、黒太で印刷される。また、P
C100へ出力され、モニタ103(図2参照)に黒太
で表示される。つまり、ペン60の属性の通りに筆記デ
ータを再生することができる。
【0059】続いて加算器55iは、レジスタ55hの
カウント値及びカウンタ55gのカウント値を加算
し、CPU56へ出力する(図16(B)の(B
3))。以降、しきい値判定出力が変化する毎に、カウ
ンタ55gによるカウント値は、レジスタ55hに出力
され、加算器55iは、カウンタ55gによるカウント
値及びレジスタ55hに保持されたカウント値を加算
し、加算値をCPU56に出力するというサイクルを繰
り返す。つまり、図16(B)に示すように、加算器5
5iは、カウンタ55gによってカウントされた最新の
カウント値とレジスタ55hに保持されている1つ前の
カウント値とを加算し、それをCPU56に出力するた
め、図16(A)に示すように、CPU56は、しきい
値判定出力の半周期毎に、最新のカウント値及び1つ前
のカウント値の加算値に基づいてペン属性を判定する。
従って、しきい値判定出力の途中、例えば図16(A)
の時刻t0とt1との間でセンスコイル23のスキャン
が行われた場合であっても、しきい値判定出力の次の1
周期(t2〜t4)の加算値を取り込まなくても、時刻
t1から半周期後の時刻t2〜t4の1周期の加算値を
取り込めばよいため、ペン属性の判定を高速に行うこと
ができる。
【0060】ここで、図11の説明に戻り、また、CP
U56は、ページ戻りボタン33、ページ送りボタン3
4及び消去ボタン35が押されたときに、記憶されてい
る筆記データのページ単位での戻し、送り、或いは消去
などのページ処理を行う(S400)。さらに、CPU
56は、操作部30に設けられた各種ボタン(図1参
照)の操作により発生するスイッチング信号をI/F回
路57(図9参照)を介して取り込み、RAM59に格
納されている位置座標データを記憶するページをページ
単位で送ったり、戻したり、或いは位置座標データをペ
ージ単位で消去する等のページ処理を実行する(S40
0)。また、CPU56は、RAM59に格納されてい
る位置データのうち、目的のページの位置座標データを
適当なフォーマットに変換してPC100やプリンタ2
00(図2参照)へ出力するデータ出力処理を実行する
(S500)。
【0061】さらに、CPU56は、各種ボタンが押さ
れた際に発生するスイッチング信号に基づいて音声回路
31aを動作させてスピーカ31から「ピー」、「ピ
ッ」等の操作音を発声する音声処理を実行する(S60
0)。また、CPU56は、イレーサ40に内蔵された
コイルから発生する交番磁界によってXコイル及びYコ
イルに発生する電圧に基づいてイレーザ40の払拭軌跡
を演算し、その演算した払拭軌跡内の位置座標データを
RAM59(図9)から消去するイレーサ処理を実行す
る(S700)。
【0062】本発明に係る実施の形態のペン60は、上
記のような構成、作用を備えるため、インクにより記録
が可能であるとともに、交番磁界により座標の読取が可
能な座標読取装置である電子黒板1において小型化が可
能で、且つ重量バランスがよく操作性を高くすることが
できるという効果がある。
【0063】以上、一の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
改良変更が可能であることは容易に推察できるものであ
る。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明の座標読取装置用の筆記装置によれば、比
較的重量の大きい発振用のコイルが、ケース部の握持部
の近傍において、マーカー部の周囲に環状に配設されて
いるため、筆記装置を使用するときに握持部にその重心
が近づき慣性モーメントが小さくなるという効果があ
る。そのため、筆記装置を回転させやすくなり使用感が
良くなるという効果を奏する。又、コイルの巻き形状な
どにより、使用者が握持部を握りやすい形状にすること
ができるという効果がある。そのためにさらに、使用感
が良くなるという効果を奏する。
【0065】また、請求項2に係る発明の座標読取装置
用の筆記装置によれば、請求項1に係る発明の座標読取
装置用の筆記装置の効果に加え、一般に比較的体積の大
きくなりがちな制御基板等を可撓性を有する基板上に配
設した上で、その可撓性を利用してマーカー部とケース
部の間隙のコイルの後方側に隣接したデッドスペースと
なりがちなスペースを利用してケース部に巻き付けるよ
うにして略環状に配置されるため、マーカーの小型化に
寄与することができるという効果がある。なお、この場
合に基板が可撓性を有するため不用意に振動すると結線
の不良などを生じるおそれもあるので、ケース内で基板
を固定するにマーカー支持部を設け、且つこのマーカ支
持部をマーカーを摺動可能に支持するために用いている
ため無駄な部材がなくコンパクトに構成することができ
る。
【0066】請求項3に係る発明の座標読取装置用の筆
記装置によれば、請求項1又は請求項2に係る発明の座
標読取装置用の筆記装置の効果に加え、例えば比較的重
量の大きい電池などにより構成される電源部を、マーカ
ー部とケース部の間隙に配設することで、筆記装置全体
を小型化できるという効果がある。さらに、重量バラン
スも良くなり使用感が優れたものとすることができると
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子黒板の主要構成を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す電子黒板にパーソナルコンピュータ
100及びプリンタ200を接続した状態を示す説明図
である。
【図3】ペン60の内部構造を示す説明図である。
【図4】筆記パネル20の各構成部材を示す説明図であ
る。
【図5】(A) 図4に示すセンスコイル23の構成を
一部を省略して示す説明図である。 (B) 図(A)に示すセンスコイル23の幅及び重ね
ピッチを示す説明図である。
【図6】(A) XコイルX1〜X3の一部を示す設計
図である。 (B) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3に発生す
る電圧と幅方向の距離との関係を示すグラフである。 (C) 図6(A)に示すXコイルX1〜X3の相互に
隣接するセンスコイル間の電圧差を示すグラフである。
【図7】(A) 位置座標テーブルをグラフ化して示す
説明図である。 (B) 位置座標テーブルの説明図である。 (C) 各Xコイルから検出した検出値の記憶状態を示
す説明図である。
【図8】図3に示すペン60の電気的構成を示す説明図
である。
【図9】図9は、電子黒板1の電気的構成をブロックで
示す説明図である。
【図10】(A) ペン60の属性と変調周波数fmと
の関係を説明する図である。 (B)は、図9の中のA,B,C点における信号を示す
説明図である。
【図11】図9に示すCPU56が実行する主な制御内
容を示すフローチャートである。
【図12】座標読取処理についての流れを示すフローチ
ャートである。
【図13】FSK復調回路55(図9)の電気的構成を
示す説明図である。
【図14】図13に示すFSK復調回路55の各部位に
表れる信号波形を示す説明図である。
【図15】(A) CR発振回路69eの出力信号と、
LC発振回路69cの出力信号と、リミッタ回路54の
出力信号と、カウント回路55aによるカウント値との
関係を示す説明図である。 (B) シフトレジスタ55bに格納されたカウント値
がシフトする様子を示す説明図である。
【図16】(A) 絶対値コンパレータ55fによるし
きい値判定出力と、CPU56の判定周期との関係を示
す説明図である。 (B) カウンタ55gによるカウント値が移動する様
子を示す説明図である。
【図17】FSK復調回路55を構成するカウント回路
55aから絶対値コンパレータ55fまでの処理(ペン
属性検出処理1)の流れを示すフローチャートである。
【図18】カウンタ55g及び加算機55iの処理(ペ
ン属性検出処理2)の流れを示すフローチャートであ
る。
【図19】(A) ペン60の第1の変形例であるペン
160の内部構成を示す図である。 (B) 図19(A)の一部を拡大した図である。
【図20】(A) ペン60の第2の変形例であるペン
260の内部構成を示す図である。 (B) コイルL1の巻き方の変形例を示すコイルL4
01の構造を示す。 (C) ペン先62の変形例を示す。 (D) ペン先62の他の変形例を示す。 (E) ペン先62の他の変形例を示す。
【図21】ペン360のコイルL1を用いて充電をする
充電器300を示す。
【図22】充電器300及び充電回路を有するペン36
0の電気的構成を示す図である。
【符号の説明】
1 電子黒板 2 増幅器 3 集積回路IC 60 ペン 61a 胴体部 61c 蓋 62 ペン先 63 インクカートリッジ 67 スイッチ 69 回路基板 70 電池

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクにより記録が可能な筆記面と、当
    該筆記面の奥部にあって交番磁界と磁気結合可能な複数
    の導線が敷設された受信部とを有する本体に対して、イ
    ンクが収容されその先端部で前記筆記面上にインクによ
    る記録を行うマーカー部と、 交番磁界を発生するコイルと、 当該コイルに所定の周期の交番磁界を発生させる制御部
    と、 前記コイルに交番磁界を発生させるための電気を供給す
    る電源部と、 前記コイルと前記制御部と前記電源部とを収納し、且つ
    前記マーカー部を着脱可能に支持するケース部とを備
    え、 前記コイルは、 前記ケース部の握持部の近傍において、前記マーカー部
    の周囲に環状に配設されたことを特徴とする座標読取装
    置用の筆記装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、 可撓性を有する基板上に配設され、当該基板は、前記コ
    イルの後方側に隣接した位置に前記マーカー部と前記ケ
    ース部の間隙に略環状に配置され、 前記基板を固定するとともに前記マーカー部を前記ケー
    ス部から着脱可能に支持するマーカー支持部を備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の座標読取装置用の筆記
    装置。
  3. 【請求項3】 前記電源部は、 前記マーカー部と前記ケース部の間隙に配設されたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の座標読取装
    置用の筆記装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011204183A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Seiko Epson Corp 電子ペン

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