JP2001262923A - 可動式パネル及び角度規制部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転容易であると同時に所定角度ごとに安定
した静止状態を得ることができる連結パネル及びこれに
用いる角度規制部材を提供する。 【解決手段】 多角形壁５ｃを設けた角度規制部材５を
パネル端部に装着して、多角形壁をパネル先端に露出さ
せ、この多角形壁同士を接面させてパネル１，１を連結
し、回転可能に設置した。回転可能な連結は、一端の係
止端部４ａを一方のパネルの一面側に固定し、他端の係
止端部４ａを他方のパネルの反対面側に固定した可撓帯
４と、上記とは逆面側に固定した可撓帯４とにより、両
パネル端部を同時にたすき掛け状に巻き回して保持させ
ることにより行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転可能に連結す
る間仕切り等の可動式パネル及び角度規制部材に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】連結するパネル同士を回転可能に連結す
る構成は、両パネル端部に固定した雌雄軸同士を互いに
軸止させ合うようにするか、蝶番を両プレート間に渡す
か、或いはまた、プレート両端に軸受け孔を穿孔した一
枚板状のダブルヒンジを、両パネル間に枢支させて介在
させるようにした構成等が採用されている。また、パネ
ルは、端面が前後面に直交した平坦面としてあり、連結
パネル間に隙間が形成されると共に、回転するパネルは
固定部材で支持されない限り、静止状態を強制されない
ので、回転自由状態にあった。なお、パネル端面に装着
されているパッキング材は、連結パネル間の隙間を少し
でも塞ごうとするものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記連結構成におい
て、両パネルの雌雄軸を軸止させ合う構成とする場合
は、雌雄軸を突設し、その分だけパネル間に間隙が生じ
るか、或いは雌雄軸部分が納まり合うようにパネル端部
を対称的に凹凸形成する等の特別のパネル加工が必要で
あった。蝶番を渡す場合は、蝶番がそのままパネル面に
露出し外観を損なわせので、パネルに表面と裏面の区別
を生じさせていた。また、ビス止めしにくい材質のパネ
ルでは蝶番を使いにくい問題もあった。また、ダブルヒ
ンジを介在させる場合は、板面をパネル端部内に納める
ことができる外観的利点はあるが、図７に示す如く、軸
受け孔の枢軸の回転という目的とする回転運動の外に、
全く不要な運動、すなわちプレート両端に形成した軸受
け孔間の距離を半径として、ヒンジプレート自体が回転
移動してしまいやすく、そのためパネル同士が上記半径
分だけ互いにずれ合ってしまい、パネルを一直線状に配
置しにくく、或いは折り畳みにくい等の欠点があった。
また、連結パネルは、ヒンジにより回転自由状態となっ
ているため、パネルが移動しないように所定角度で固定
しておきたい時に、パネルとは別の部材をあてがう等し
なければならなかった。

【０００４】本発明は、上記の如き問題点に着眼してな
したものであり、従来とは異なる新規な構成を採用する
ことにより、パネルがずれ合うことなく滑らかで正確に
回転運動できるようにすると同時に、パネルを所望の回
転角度に静止させておくことができるようにした可動式
パネル及びこれに用いることができるヒンジ角度規制部
材を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、膨出先端面を断面多角形面とした角度規
制部材をパネル端部に装着して、少なくともパネル先端
面に上記多角形面を露出させてなるパネルを、上記多角
形面同士を接合させて連設すると共に、少なくとも一方
のパネルを上記角度規制部材が接触しつつ回転可能に設
置した構成を有して可動式パネルとなしたことを特徴と
する。また、本発明は、連結側端面を断面多角形面に形
成してなるパネルを、上記多角形面同士を接合させて連
設すると共に、少なくとも一方のパネルを上記多角形が
接触しつつ回転可能に設置した構成を有して可動式パネ
ルとなしたものでもある。上記パネルの連結は、可撓帯
の一端部を一方のパネルの一面側に固定し、他端部を他
方のパネルの反対面側に固定する可撓帯と、上記とは逆
面側に固定する可撓帯とにより、両パネル端部を同時に
保持させるようにして行うことができる。また、上記多
角形面は正多角形の半割り形面とすることができ、この
場合、回転軸をこの多角形の中心に位置させるようにす
るのが好ましい。さらに本発明は、膨出先端面を断面多
角形面とし、パネル端部に装着した状態において上記多
角形面がパネル端部に露出し得る構成を有した可動式パ
ネル用角度規制部材としたことも特徴としている。

【０００６】上記構成によれば、連結したパネルは多角
形部分を接触させつつ回転し、多角形の角部を乗り越え
る前の回転に若干大きい応力が加わるが、面同士が接面
した状態においてパネルの静止状態を安定させる作用を
奏することになり、多角形に対応した所望の角度でのパ
ネル静止を容易に実現させることができる。多角形面は
正多角形面とすることにより、回転容易性と安定性を最
も効果的に生じさせ得る。また、この作用は、パネル自
体の端部に持たせることができ、またパネルに装着する
角度規制部材に持たせることもできる。また、可撓帯を
用いてパネルを連結した場合は、その端部は連設する両
パネルの各端部に固定され、可撓帯は両パネル端部に亘
ってたすき掛け状に渡り、別の可撓帯は逆向きたすき掛
け状に渡って前後対称的に配設され、これらの対をなし
た可撓帯により両パネル端部が互いに均等的に抱持され
るので、パネルは一直線状に連結され、かつ一定距離を
保って略々隙間なく連結される。パネル回転中は、対と
なった可撓帯が前後方向へのパネルのずれを互いに規制
し合うので、パネル端部の回転軸は常に一点に維持さ
れ、パネルにずれが生じさせることがない。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を一実施例として示
した図面によって説明する。図１は本発明に係るパネル
端部のヒンジ構造と角度規制部材を示す分解斜視図、図
２，３は連結したパネル作動状態の説明図であり、図４
は本発明の別の一例を示す図面である。

【０００８】パネル１は、その材質、構造を任意とし、
パネル本体２と縦縁３とを一体若しくは別体いずれの構
成として形成してもよいが、縁部付近に可撓帯４端部を
固定するための固定部を形成したものが実施例の使用に
好適である。図ではパネル本体２の端面に縦縁３を脱離
可能に嵌着させた構造を例示してある。図１〜３におい
て、縦縁３は押出成形可能な断面形態を有し、パネル本
体端面との接合面となる基端面３ａ、パネル前後面と同
面か好ましくは若干の凹面となる前後面３ｂ，３ｃ、基
端面と対向する断面円弧状曲面の先端面３ｄを有し、基
端面３ａ内にパネル本体端面への嵌着部３ｅを設けると
共に、前後面寄り部位に可撓帯の係止端部４ａを差し込
み係止可能な受溝状の固定部３ｆを形成し、中心部に軸
止用の溝部３ｇを設けてある。

【０００９】可撓帯４は、ヒンジ機能を果たすものであ
って、ポリプロピレン樹脂その他の軟質プラスチック、
布、ゴム等、適宜材料からなる非伸縮性ベルトであり、
両端部を折り返してそれぞれに係止部４ｂを有した係止
端部４ａを形成し、所定長さを有したものとしてある。
この所定長さは、パネル１，１を連結し、縦縁３，３が
略々接触状態で対向配置した状態において、可撓帯４の
一方の係止端部４ａを一方の縦縁３の前面側固定部３ｆ
に係止し、その前面３ｂから先端面３ｄ部分に沿い、か
つ、他方の縦縁３の先端面３ｄ部分からその後面３ｃに
沿うようにたすき掛け状に回り、他方の係止端部４ａを
他方の縦縁３の後面側固定部３ｆに係止し得る長さとし
てある。

【００１０】ヒンジ機能は、上記たすき掛け状の可撓帯
４と、上記とは逆のたすき掛け状、すなわち一方の縦縁
３の後面側固定部３ｆから他方の縦縁３の前面側固定部
３ｆに至って対称的に配設された可撓帯４とを、少なく
とも一対として成り立つものである。パネル１，１の連
結は、少なくともパネル上下部にそれぞれ少なくとも一
対の可撓帯４，４を配設して行うが、パネルの重量、大
きさ等を勘案して複数対とすればよい。デザイン的に設
定することもできる。上記可撓帯４の巾は任意である。

【００１１】上記可撓帯４は、その係止端部４ａを縦縁
の固定部３ｆに外側から圧嵌させることもできるが、係
止端部４ａを押出成形方向に沿うように縦縁３の端面か
ら固定部３ｆに挿入し、そのまま所定位置までずらせて
装着することができる。この場合、装着した係止端部４
ａを別部材の楔乃至ピン等を差し込んで固定し或いは接
着剤を注入して固着することができる。また、縦縁３
は、その前後面３ｂ，３ｃをパネル本体２の前後面と同
面となるように形成してあるのが好ましいが、可撓帯４
を巻き回した状態において可撓帯４の表面がパネル本体
２の前後面と略々同面となるように、可撓帯４巻き付け
部分の縦縁３部分、例えば縦縁３の上下の所定巾部分、
或いは中間の所定巾部分を可撓帯肉厚分だけ凹んだ凹面
として形成してあってもよい。また、可撓帯４の係止端
部の構成は上記以外に任意に形成することができ、縦縁
３との固定構造も上記以外に任意構成とすることができ
るものである。

【００１２】而して、縦縁３の中間上下部位２ヵ所以上
に水平方向の切欠部６を設け、この切欠部６に角度規制
部材５を装着して可動式パネルを構成してある。角度規
制部材５は、縦縁３の外形と略同大きさを有した板面５
ａの前後側と先端側に適度な高さの係止壁５ｂを上下方
向に立設してあり、係止壁５ｂの先端側部分を上面から
見て多角形（図では八角形の反割り形）とし、この多角
形は縦縁の先端面３ｄの円弧形状曲面に外接した多角形
壁５ｃとなるように形成してある。

【００１３】上記角度規制部材５を設置した可動式パネ
ル１，１は、図２（Ａ）の如く、一対の可撓帯４，４に
よって、ずれることなく一直線状に連結し、角度規制部
材５，５の係止壁５ｂ，５ｂ同士が接面して、一定の連
結状態を維持する。一対の同長の可撓帯４，４はパネル
を厚み前後に亘って均等に負担して支持するので、ヒン
ジ機能を安定的に発揮し、パネルに歪みを与えることが
なく、同時に、可撓帯４，４によって両縦縁３，３は対
称的に回転し合い、回転軸にずれを生じさせず、縦縁
３，３間の間隔も一定に保たせ、可動するパネルにずれ
を与えない。

【００１４】パネル１は回転自在であるが、角度規制部
材の多角形壁５ｃの平坦面部分が接面した状態から多角
形角部を乗り越えるまでの回転部分において、付加され
る緊張力は可撓帯４，４に吸収可能であり、回転力に加
わる負荷は、多角形を八角形以上の多角形として形成し
てあれば、極く軽い押圧力を加える程度で済み、角部を
乗り越えて次の平坦面部分に接面する回転はより容易と
なるから、容易かつ円滑な回転にほとんど影響を与える
ことがない。しかも、図２（Ｂ），（Ｃ）の如く、多角
形壁５ｃの各平坦面部分で接面した状態において、パネ
ルは静止安定性を得ることができるので、パネルを回転
させつつ、同時に多角形の各面の角度に対応した所定角
度ごとにパネルを静止させておくことができる。また、
図３の如く、一方のパネル（図で左側のパネル）が固定
されていて、他方のパネルのみが回転する場合であって
も、図示のように回転及び静止はきわめて滑らかであ
る。

【００１５】図４は、上記と異なる実施の一例を示して
あり、角度規制部材５を別部材として装着せず、縦縁３
Ａの先端面を断面多角形の多角形壁３Ｂとして形成し、
この縦縁３Ａを用いて可動式パネルを構成したものであ
る。このようにすれば、連結したパネル１，１の縦縁３
Ａ，３Ａ間に隙間を生じさせることがない。

【００１６】なお、図示しないが、縦縁３，３Ａは、金
属、プラスチック、木材等の硬質材として形成するのが
好ましいが、少なくとも縦縁の先端面部分はプラスチッ
クシートや発泡プラスチック、ゴム等の適度な弾性面と
して形成することができる。また、パネル乃至縦縁の先
端面自体を多角形面に形成してパネルを連結する構成に
おいては、ヒンジ構造を上記以外の枢軸、蝶番、ダブル
ヒンジ等を利用したものとすることも可能である。

【００１７】

【発明の効果】このようにして、本発明によれば、角度
規制部材或いは縦縁等のパネル端部の先端面に形成され
た多角形面を接触させてパネルを連結することにより、
パネルは回転容易であると同時に、多角形の角度ごとに
安定した静止状態を得ることが可能となる。角度規制部
材を用いることにより、任意のパネル乃至縦縁を用いる
ことができ、縦縁等のパネル端部自体を多角形面に形成
すれば、隙間を生じさせないパネル連結が可能となる。
多角形面は正多角形面とすることにより、回転容易性と
安定性を最も効果的に生じさせ得る。可撓帯を用いて連
結パネルを構成した場合は、対となった可撓帯が前後方
向へのパネルのずれを互いに規制し合うので、パネル端
部の回転軸は常に一点に維持され、パネルにずれが生じ
させることなく、円滑な回転を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る可動式パネルのヒンジ部を半分解
状態で示した斜視略図である。

【図２】パネルの連結可動状態を示す部分断面略図で、
（Ａ）は直線状配置、（Ｂ）は直交状態配置、（Ｃ）は
重なり状態配置を示している。

【図３】パネルの可動状態を一方のパネルの回転状態で
示した部分断面略図である。

【図４】パネルの別の一実施例を示した部分斜視略図で
ある。

【符号の説明】

１ パネル ２ パネル本体 ３ 縦縁 ３ａ 基端面 ３ｂ 前面 ３ｃ 後面 ３ｄ 先端面 ３ｅ 嵌着面 ３ｆ 固定面 ３ｇ 溝部 ３Ａ 縦縁 ３Ｂ 多角形壁 ４ 可撓帯 ４ａ 係止端部 ４ｂ 係止部 ５ 角度規制部材 ５ａ 板面 ５ｂ 係止壁 ５ｃ 多角形壁

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 膨出先端面を断面多角形面とした角度規
   制部材をパネル端部に装着して、少なくともパネル先端
   面に上記多角形面を露出させてなるパネルを、上記多角
   形面同士を接合させて連設すると共に、少なくとも一方
   のパネルを上記角度規制部材が接触しつつ回転可能に設
   置した構成を有する可動式パネル。
2. 【請求項２】 連結側端面を断面多角形面に形成してな
   るパネルを、上記多角形面同士を接合させて連設すると
   共に、少なくとも一方のパネルを上記多角形が接触しつ
   つ回転可能に設置した構成を有する可動式パネル。
3. 【請求項３】 一端部を一方のパネルの一面側に固定
   し、他端部を他方のパネルの反対面側に固定する可撓帯
   と、上記とは逆面側に固定する可撓帯とにより、パネル
   を回転可能に連結した構成を有する請求項１又は２に記
   載の可動式パネル。
4. 【請求項４】 多角形面を正多角形の半割り形面とし、
   回転軸をこの多角形の中心に位置させた構成を有する請
   求項１〜３のいずれかに記載の可動式パネル。
5. 【請求項５】 膨出先端面を断面多角形面とし、パネル
   端部に装着した状態において上記多角形面がパネル端部
   に露出し得る構成を有する可動式パネル用角度規制部
   材。