JP3842513B2 - 可動式連結パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転可能に連結した間仕切り等の可動式連結パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
連結するパネル同士を回転可能に連結する構成は、両パネル端部に固定した雌雄軸同士を互いに軸止させ合うようにするか、蝶番を両プレート間に渡すか、或いはまた、プレート両端に軸受け孔乃至回転軸を形成した一枚板状のダブルヒンジを、両パネル間に枢支させて介在させるようにした構成等が採用されている。また、帯状又は紐状のジョイントを隣接パネルの表面と裏面に順次交互に巻き回してパネルを連設した構成(実公昭53−50257号)、パネル面に3本平行の細溝を組としたヒンジ溝を形成した隣接パネルに、強靱な索条を上下の索条を逆向き8の字状にして細溝に巻き回してパネルを連設した構成(特許第2920348号)が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
両パネルの雌雄軸を軸止させ合う構成とする場合は、雌雄軸を突設し、その分だけパネル間に間隙が生じるか、雌雄軸をパネルの前後方向に突出させるか、或いは雌雄軸部分が納まり合うようにパネル端部を対称的に凹凸形成する等の特別のパネル加工が必要であった。
蝶番を渡す場合は、蝶番がそのままパネル面に露出し外観を損なわせので、パネルに表面と裏面の区別を生じさせていた。また、ビス止めしにくい材質のパネルでは蝶番を使いにくい問題もあった。
また、ダブルヒンジを介在させる場合は、板面をパネル端部内に納めることができる外観的利点はあるが、枢軸の回転運動の外に、全く不要な運動、すなわちパネルはそのままでもヒンジプレートに設けた2軸間を半径として、ヒンジプレート自体が回転移動してしまいやすく、そのためパネル同士が上記半径分だけ互いにずれ合ってしまい、パネルが一直線状に並びにくく、或いは折り畳みにくい欠点があった。
また、帯状乃至索条をパネルに巻き回す構成は、パネル全巾の2倍以上の長さの帯状乃至索条が必要であり、長尺分だけ緩みなどの伸縮による狂いが生じやすく、緩みが生じた場合はパネルが回転と共に移動してしまうおそれがあり、索条の張設作業の難しさもあった。
【0004】
本発明は、上記それぞれの問題点に着眼してなしたものであり、従来とは異なる新規な構成を採用することにより、パネルがずれ合うことなく滑らかで正確に回転運動できるようにし、同時に外観も良好に維持し、さらにはパネル間に隙間を生じさせない可動式連結パネルを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、パネル本体の端面にヒンジ用縦縁を係合した構成を有するパネルを連設し、対向したヒンジ用縦縁に、一方の縦縁の一面側から他方の縦縁の他面側に交差状に掛け渡して両端部を固定した可撓帯と、上記とは逆交差状に掛け渡し固定した可撓帯とを一対としてなる一対乃至複数対の可撓帯を張設し、両ヒンジ用縦縁を回転可能に連結して可動式連結パネルを構成したことを特徴とする。上記パネル本体の端面には、連結レールを固着し、この連結レールの所要部位にヒンジ用縦縁を係合するようにすることもできる。このヒンジ用縦縁は、その基端部に連結レールの係止部に係合可能な嵌着部を設け、先端側の周面を回転面として形成するのが好ましい。連結レールの他の部位には端部納め用縦縁を係合することができ、端部納め用縦縁は、その基端部に連結レールの係止部に係合可能な係合部を設け、先端側の周面を化粧面として形成するのが好ましい。
【0006】
上記連結レールとヒンジ用縦縁とはスライド係合構造によって係合し、連結レールと端部納め用縦縁とは圧嵌係合構造によって係合させるように構成することができる。
また、上記可撓帯の端部は係止端部となし、ヒンジ用縦縁の基端部乃至基端部付近に、係止端部が抜け外れないように係止できる固定部を縦縁内方に向けて形成し、係止端部を該固定部に係止して可撓帯を張設するように構成することができる。
また、端部納め用縦縁の先端面は断面円弧状面を基本とした曲面としてなり、対向する端部納め用縦縁は、その間に若干の間隙をもって配置されるように形成すると共に、両縦縁の曲面間に、前後部を巾広に中間部を巾狭に形成した介装部材を接合させて連結パネル構成とすることができる。対向する端部納め用縦縁同士を接触させて配置する場合は、例えば、縦縁を弾性部材により形成して若干圧接状態に配置し、或いは曲面に凹凸を形成し、この凹凸が食い違い状に接触するように配置することができる。
【0007】
【作用】
上記構成の連結パネルは、対向する縦縁をヒンジ用縦縁と端部納め用縦縁とで構成でき、この縦縁をパネルに着脱自在に固着することができ、ヒンジ用縦縁間に交差状に可撓帯を確実に掛け渡すことができ、少なくとも一対の可撓帯の引っ張り合いにより、縦縁の曲面同士のずれ合いを生じさせず、正確な回転運動を担保する。
連結レールとヒンジ用縦縁との係合構造を異ならせれば、縦縁の取り付け作業が効率的となる。可撓帯の端部をヒンジ用縦縁に係止して固定可能とすることにより可撓帯の張設が簡便となる。縦縁を異ならせることにより、対向する端部納め用縦縁間の隙間を塞ぐことができる。介装部材を前後部巾広、中間部巾狭とすれば縦縁間に抜け外れるおそれなく介装することができる。
対向する縦縁間に渡ってダブルヒンジを配設すれば、上記可撓帯の作用と相俟って枢軸の安定性、回転の円滑性を一層高め得る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を一実施例として示した図面によって説明する。
図1は本発明に係るパネル端部を示す斜視略図、図2は連結パネル端部の上面略図、図3は連結パネルの作動状態の説明図であり、図4,5は可撓帯係合部の変形例を示す図面、図6〜8は縦縁の係合構造の説明図、図9〜11は端部納め用縦縁部分の連結構造を説明する上面略図、図12〜14はさらに異なる連結構造の説明図である。
【0009】
パネル1は、その材質、構造を任意とし、パネル本体2の側端面に縦縁、すなわちヒンジ用縦縁3,端部納め用縦縁4を直接好ましくは図示のように連結レール5を介して、着脱自在に係合して固定できるようにしてなっている。
ヒンジ用縦縁3は、隣接パネル1,1を回転自在に連結するための可撓帯6を巻き回してヒンジ部となるものであり、パネル1の所要部位、例えば端面の上下端部に固定するようにしてある。
図1,2に示す如く、ヒンジ用縦縁3は、押出成形可能な断面形態を有し、パネル本体端面との接合面となる基端面3a、パネル前後面と略同面となる前後面3b,3c、基端面と対向する断面円弧状曲面の先端面3dを有し、基端面3a内にパネル本体端面への嵌着部3eを設けると共に、前後面寄り部位に可撓帯の係止端部4aを差し込み係止可能な受溝状の固定部3fを形成し、中心部に軸受け用の溝部3gを設け、固定部3fには必要に応じて係止用突起3hを設けてある。
【0010】
可撓帯6は、ヒンジ機能を果たすものであって、ポリプロピレン樹脂その他の軟質プラスチック、布、ゴム等、適宜材料からなる非伸縮性ベルトであり、両端部を折り返してそれぞれに係止部6bを有した係止端部6aを形成し、所定長さを有したものとしてある。この所定長さは、パネル1,1を連結し、ヒンジ用縦縁3,3が略々接触状態で対向配置した状態において、可撓帯6の一方の係止端部6aを一方の縦縁3の前面側固定部3fに係止し、その前面3bから先端面3d部分に沿い、かつ、他方の縦縁3の先端面3d部分からその後面3cに沿うようにたすき掛け状に回り、他方の係止端部6aを他方の縦縁3の後面側固定部3fに係止し得る長さとしてある。
【0011】
ヒンジ機能は、上記たすき掛け状の可撓帯6と、上記とは逆のたすき掛け状、すなわち一方の縦縁3の後面側固定部3fから他方の縦縁3の前面側固定部3fに至って対称的に配設された可撓帯6とを、少なくとも一対として成り立つものである。パネル1,1の連結は、少なくともパネル上下部にそれぞれ少なくとも一対の可撓帯6,6を配設して行うが、パネルの重量、大きさ等を勘案して複数対とすればよい。デザイン的に設定することもできる。上記可撓帯6の巾は面接合可能に適当な巾を有していればよく任意である。
【0012】
上記可撓帯6は、その係止端部6aを縦縁の固定部3fに外側から圧嵌させることもできるが、係止端部6aを押出成形方向に沿うように縦縁3の端面から固定部3fに挿入し、そのまま所定位置までスライドして装着することができる。この場合、装着した係止端部6aを別部材の楔乃至ピン等を差し込んで固定し或いは接着剤を注入して固着することができる。
また、縦縁3は、その前後面3b,3cをパネル本体2の前後面と同面となるように形成してあるのが好ましいが、可撓帯6を巻き回した状態において可撓帯6の表面が縦縁3の表面と略々同面となるように、縦縁3の可撓帯6巻き付け部位(ヒンジ部位)を、可撓帯の略肉厚分だけ凹ませた凹面として形成することもできる。
【0013】
なお、図1に示してあるように対向する縦縁3,3の上下端にそれぞれ跨がるように、一枚プレートの両端部から回転軸7a,7aを直立させてなるダブルヒンジ7を配設し、上記回転軸7aをヒンジ用縦縁3の溝部3gに軸止させ、或いは図6に示してあるように、ヒンジ用縦縁3と端部納め用縦縁4との間に差し込んで両縦縁に跨がるようにダブルヒンジ9を軸止させる如き構成を採用することができる。
【0014】
上記構成のヒンジを有した可動式連結パネル1,1は、図3(B)の如く、少なくとも一対の可撓帯6,6によって、ずれることなく一直線状に連結される。可撓帯6,6は対向するヒンジ用縦縁3の厚み分を前後に亘って均等に抱持してパネルを支持し、係止端部6aを先端直近のヒンジ用縦縁3に係合させ得るので、ヒンジ機能を安定的に発揮し、パネルにずれや歪みを与えない。同図(A),(C)の如く、パネル1,1を前後いずれの方向に回転させても、一対の同長の可撓帯6,6によって両縦縁3,3は対称的に回転し合い、回転軸にずれを生じさせず、縦縁3,3間の間隔も一定に保たせるので、可動するパネルにずれを与えない。しかも、滑らかな回転が可能であり、どの角度においても定置可能である。
【0015】
図4(A)〜(D)は、いずれも可撓帯6の係止端部6aの変形例を示したものである。(A)は、可撓帯6の端部を四重に折返し縫着して係止部6bを設けて係止端部6aとしてある。(B)は端部を二重に折返し縫着して係止部6bを設けて係止端部6aとしてある。(C)はプラスチックやゴム等の場合、端部を厚肉に成形して係止部6bを設けて係止端部6aを成形したものである。(D)は断面コの字状の噛み付き固着可能な金具を可撓帯6の端部に固着して係止部6bとすることにより、係止端部6aを形成したものである。
【0016】
図5(A)〜(D)は、ヒンジ用縦縁3の固定部3fと可撓帯6の係止端部6aとの固定構造の変形例を示したものである。(A)は、固定部3fを基端面3aの前後端部に開口を設けて縦縁内方に向かった受溝状に形成すると共に、係止用突起3hを設けてあり、この溝内に差し込んだ可撓帯6は、係止部6bが突起3hに引っ掛かって抜け外れない構成としてある。可撓帯6は縦縁3の基端面の外角部から露出し、可撓帯6の端部及び縦縁3の基端の受溝部分の端面を露出させることなく隠すので、外観を良好に保ち得る。(B)は、固定部3fを前後面3b乃至3cの後端部に形成し、受溝部分を先端面3d方向に形成することによって、可撓帯6の係止端部6aが鉤状に引っ掛かり、抜け外れない構成としてある。(C)は、固定部3fを基端面3aと前後面3b乃至3cとの角部付近に、内部拡開状の受溝形として形成し、係止部6bを膨頭状に形成した係止端部6aを、上記溝部分に引っ掛けて、可撓帯6を固定させる構成としてある。また、(D)は、(C)同様の内部拡開状の受溝形の固定部3fを前後面3b乃至3cの基端近くに形成したものであり、いずれにしても、可撓帯6が抜け外れない任意構成として形成することが可能である。いずれにしても、縦縁3の固定部3fに上記係止端部6aを差し込んだ状態において、固定部3fに係止され、抜け外れないようになれば、任意構成とすることができる。
【0017】
ヒンジ用縦縁3,端部納め用縦縁4のパネル本体2への固着は、図6に示す如く、連結レール5を介装させる構成としてある。連結レール5は、図7等に示す如く、アルミニウム、プラスチック等任意材質として成形し、パネル本体2の端面に接合する基面5aの両端に折曲した縁片5bを設け、外側面に一対のアンダーカット状の係止部5c,5c(図示の断面T字状係止部、その他の膨頭状係止部)を長手方向に沿って突設し、この一対係止部の対向する内側は、対向状に溝部を形成して、ヒンジ用縦縁3の凸状の嵌着部3eをスライド係合可能となしたスライド係止部5dとなし、一対係止部の対向する外側は、外向き対向状に溝部を形成すると共に、端部納め用縦縁4の凸状の圧嵌係合部4aを端面外方から圧嵌しやすいように外側を平坦乃至円弧状等の適宜傾斜面で切欠した圧嵌係止部5eとなしてある。この連結レール5はパネル本体2の端部に接合し、ビス、接着剤等により固着すればよい。
【0018】
連結レール5に対するヒンジ用縦縁3の固着は、図8(A),(B)にも示す如く、ヒンジ用縦縁の嵌着部3e,3eを連結レール5の係止部5cの対向スライド係止部5d,5dにスライド係合させ、所定部位例えばパネル1の上下部にそれぞれ配設すればよい。
なお、図6に示す如く、ヒンジ用縦縁3の先端面に予め形成してあるビス挿入用小孔を利用して、固着をビス止め補強するのは任意である。
【0019】
連結レール5に対する端部納め用縦縁4の固着は、ヒンジ用縦縁3の場合に比して大きな応力がかからないことから、簡便な係合構造とするのが好ましい。このことから、端部納め用縦縁4は、プラスチック、ゴム、アルミニウム等任意材質で所望形態の縁材として成形可能であり、図8(C),(D)に示す例では、連結レール5の圧嵌係止部5eに係合する凸部を有した係合部を縁材の基部に対向形成し、この係合部は、外側から圧嵌係止部5eに向かう押圧力を受けて若干弾性変形し前後方向に拡開すると同時に元位置に復元するように、凸部の係合しあう先端部分を傾斜面乃至曲面とした圧嵌係合部4aとしてなり、両圧嵌係合部4a,4aに連続した化粧面としての外周面4bを上記ヒンジ用縦縁3と同様に先端側に張り出し状に形成してある。
上記圧嵌係止部5e乃至圧嵌係合部4aの当接し合う部分は、少なくともいずれか一方、好ましくは両方の面部分を上記弾性変形が誘導されやすい傾斜面乃至曲面として形成するのがよい。
【0020】
上記端部納め用縦縁4は、連結レール5の圧嵌係止部5eと圧嵌係合部4aとが押圧力を受けて互いに圧嵌し得る構成となっているので、上下部にヒンジ用縦縁3を配設した状態において、その中間部等への係合に特に便利である。図6の例によれば、パネル1のヒンジ形成部分にヒンジ用縦縁3をスライド係合させ、その余の部分に端部納め用縦縁4を外方から押圧して係合させることができ、その他の部材も適宜装着可能となるので、パネルの端部処理が合理化され得る。図示では、ヒンジ用縦縁3の上端にキャップ7Aを被着するようにしてある。キャップ中央部の凹部はパネルのスライドロック用のスライド溝部である。ヒンジ用縦縁3と端部納め用縦縁4との間には、両縁材の上下端部を嵌合する立壁8aを有した継ぎ手8を介装することができ、或いは、両縦縁3,4の端部を個々に支持する継ぎ手8A,8Aの間に、2つの軸受け孔9aを有したダブルヒンジ9を介在させた状態で装着することができ、これらは回転軸と同軸で支持することができる。
【0021】
また、対向した端部納め用縦縁4,4間に若干の隙間が生じる構成の場合は、図9に一例を示す如く、両者間に介装部材10を介在させて隙間を塞いだ連結パネルとすることができる。
介装部材10は、アルミニウム、プラスチック等の適宜硬質素材、或いは発泡プラスチック、ゴム等の適宜弾性素材により成形し、端部納め用縦縁4の円形縁の円形中心から45°〜100°の角度α内の円弧部分の曲面に接合し得る前後巾Lを有し、この前後部において両円形縁の曲面に接触し得る厚み巾Wを有し、中間部において両円形縁の間隙と略同じか小さい厚み巾Vを有した任意形状のものとしてある。上記前後巾Lは、上記45°分よりも小さいと、図10の如くパネル回転中に外れるおそれが生じやすくなり、また100°分よりも大きいと、図10(B)の如く連結パネル1,1を重ね合わせ状態に回転させた場合、介装部材の前後部分を吸収するための凹部4cのえぐり形状を大きく取らなければならなくなり、成形作業上、外観上、強度上等から好ましくはない。
【0022】
図11は上記介装部材10の変形例を示してある。いずれも上記前後巾L、前後部の厚み巾W、中間部の厚み巾Vを有している。(A)〜(C)は前後面を湾曲凸面とすると共に、中間部は等厚板状面としてある。(D),(E)は前後面を湾曲凹面とすると共に、(D)の中間部は端部納め用縦縁4の円形縁の曲面と略合致する面とし、(E)の中間部は板状面としてある。(F)は断面I形状で前後面を平坦面としてある。その他の形状を採用することも可能である。
【0023】
図12,13は、上記と異なる構成の端部納め用縦縁4Aを示してある。すなわち、パネル本体2への取り付け構造は上記と同様或いはその他の適宜構成とし、少なくとも断面円弧状曲面部分を含む先端部4Aaをスポンジ、ゴム等の弾性部材で成形し、この先端部4Aaは、パネル1の前後巾間の先端部分にパネルの回転軸1aを設定し、この回転軸を中心とし前後面間の距離を半径とする仮想円Sよりも先端外方に若干張り出した断面略半円状の曲面を有して形成してある。上記端部納め用縦縁4Aを対向させてパネル1,1を連結すれば、図12に示す如く、先端の曲面同士が軽く圧接され、若干偏平状に接合して連結し、隙間を全く生じさせない。パネル1を回転させれば、偏平状の圧接面は回転に伴って曲面上を移動し、順次曲面部分に若干の圧接変形を生じさせるが、弾性素材により変形応力を吸収できるので、回転の円滑性が損なわれることがない。
【0024】
図14は、さらに異なる端部納め用縦縁4Bを示してある。パネル本体2との取り付け構造は上記同様であるが、縁材の先端部を円形状凹凸面として形成してあり、該凹凸面は、パネルの回転軸1aと同心円となる半円弧形状の曲面に沿う面を凹部4Baとし、一定間隔をおいて凸部4Bbを、その頂部が凹部と同心円を構成するように一定高さで複数列形成してある。
凸部4Bbの形状は、断面半円形、その他任意の形状でよいが、隣接凸部間の凹部4Baの円周方向の巾よりも狭い巾となし、回転軸1aを通るパネル面と平行な軸線を対称軸Yとした場合、対称軸Yの前側と後側の凸部4Bbが部分的にも重なり合わない非対称位置にあるように形成してある。
パネル1,1は、上記円形状凹凸面を対向させ、凹部4Baと凸部4Bbとがかみ合うようにして連結すればよく、回転に伴って常に凹凸がかみ合い、パネル間に隙間を生じさせないと共に、円滑な回転を損なわせることがない。
【0025】
【発明の効果】
このようにして、本発明によれば、連結レールを介して縦縁を係合させることにより、縦縁を簡単にしかも確実に固着でき、ヒンジを突設させることもなく、可撓帯を連結レールに係合させたヒンジ用縦縁に沿わせて巻き回すだけでヒンジとなすことができ、ヒンジ用縦縁以外の端部には端部納め用縦縁等の適宜縁材を係合して連結パネルを化粧仕上げすることができ、前後面のいずれの方向から見ても良好な外観のパネルを得ることができる。対となった可撓帯はヒンジ用縦縁のみを均等的に保持して連結パネルの回転軸を安定的に維持し、パネル設置状態及びパネル可動状態において、パネルがずれ合うことがなく、互いの回転軸がずれず、滑らかな回転運動を可能とし常に回転自在とし、かつ同時にパネルを略々隙間なく連結させることができる。
縦縁をスライド係合と圧嵌係合とにより固着できるようにすれば、縦縁その他の部材の所望の組み合わせが可能となり、可動式連結パネルの施工性、機能性、意匠性を共に高めることができる。
可撓帯をヒンジ用縦縁に係止する構成とすれば、可撓帯の安定した張設を簡便に保証できるようになる。
縦縁先端面の断面円弧状面を基本とした曲面を有した連結パネルの対向する曲面間に介装部材を介在させれば、パネルの回転の安定性を維持しつつ、透けて見える隙間を生じさせない連結パネルが提供し得る。
ダブルヒンジを介在させることにより、上記効果を全うしつつ回転の安定性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパネルのヒンジ部分を分解状態で示した斜視略図である。
【図2】図1のパネルの連結状態を示した部分上面略図である。
【図3】図2の連結パネルの可動状態を略示した上面図であり、(A)はパネルの後面側への回転状態を、(B)はパネルの一直線状態を、(C)はパネルの前面側への回転状態を示している。
【図4】可撓帯の係止端部の異なる構成例を示した部分斜視略図であり、(A)〜(D)はいずれもその変形例を示している。
【図5】可撓帯の係止端部と縦縁の固定部の係合構造の異なる構成例を示した部分断面略図であり、(A)〜(D)はいずれもその変形例を示している。
【図6】パネルの縦縁部分を分解状態で示した斜視略図である。
【図7】図6の連結レールを拡大して示した上面略図である。
【図8】連結レールと縦縁の係合構造を示す上面略図であり、(A)はヒンジ用縦縁の分離状態を、(B)はその係合状態を示しており、(D)は端部納め用縦縁の分離状態を、(D)はその係合状態を示している。
【図9】 連結パネルの端部納め用縦縁と介装部材の上面略図であり、(A)は介装部材を介して縦縁を連結した状態、(B)は一方の縦縁と介装部材の接続部分を示している。
【図10】図9の連結パネルの回転状態を示す上面略図であり、(A)は直角位置を、(B)は重ね合わせ位置を示している。
【図11】図9の介装部材の変形例を示す断面略図であり、(A)〜(F)はいずれも変形例である。
【図12】連結パネルの端部納め用縦縁のさらに異なる実施例を示す上面略図である。
【図13】 図12の連結パネルの一方のパネル端部のみを示す上面略図である。
【図14】連結パネルの端部納め用縦縁のさらに異なる実施例を示す上面略図である。
【符号の説明】
1 パネル、1a 回転軸、2 パネル本体、3 ヒンジ用縦縁、3a 基端面、3b 前面、3c 後面、3d 先端面、3e 嵌着部3f 固定部、3g 溝部、4 端部納め用縦縁、4a 圧嵌係合部4b 外周面、4A,4B 端部納め用縦縁、5 連結レール、5a 基面、5b 縁片、5c 係止部5d スライド係止部5e 圧嵌係止部、6 可撓帯、6a 係止端部、6b 係止部、7 ダブルヒンジ、7A キャップ、8 継ぎ手、9 ダブルヒンジ、10 介装部材

Claims (5)

  1. パネル本体の端面にヒンジ用縦縁を係合した構成を有するパネルを連設し、対向したヒンジ用縦縁に、一方の縦縁の一面側から他方の縦縁の他面側に交差状に掛け渡して両端部を固定した可撓帯と、上記とは逆交差状に掛け渡し固定した可撓帯とを一対としてなる一対乃至複数対の可撓帯を張設し、両ヒンジ用縦縁を回転可能に連結してなる可動式連結パネルであって、前記パネル本体の端面に連結レールを固着し、この連結レールの所要部位にヒンジ用縦縁を係合し、ヒンジ用縦縁は、その基端部に連結レールの係止部に係合可能な嵌着部を設け、先端側の周面を回転面として形成し、連結レールの他の部位に端部納め用縦縁を係合し、端部納め用縦縁は、その基端部に連結レールの係止部に係合可能な係合部を設け、先端側の周面を化粧面として形成した構成を有する可動式連結パネル。
  2. 連結レールとヒンジ用縦縁とをスライド係合構造によって係合し、連結レールと端部納め用縦縁とを圧嵌係合構造によって係合させてなる構成を有する請求項1に記載の可動式連結パネル。
  3. 可撓帯の端部を係止端部とし、ヒンジ用縦縁の基端部乃至基端部付近に上記係止端部が抜け外れないように係止する固定部を形成し、上記係止端部を固定部に係止して可撓帯を張設してなる構成を有する請求項1又は2に記載の可動式連結パネル。
  4. 端部納め用縦縁の先端面は断面円弧状面を基本とした曲面としてなり、上記縦縁間に若干の間隙をもって両縦縁を配置すると共に、両縦縁の曲面間に、前後部を巾広に中間部を巾狭に形成した介装部材を接合させてなる構成を有する請求項1〜3のいずれかに記載の可動式連結パネル。
  5. ヒンジ用縦縁と端部納め用縦縁との間若しくは縦縁端部に、プレート両端部に回転軸乃至軸受け孔を設けたダブルヒンジを配設し、対向する縦縁内に設けた各軸受け部乃至回転軸を通して枢軸を形成してなる構成を有する請求項1〜4のいずれかに記載の可動式連結パネル。
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