JP2001261962A - 導電性シリコーンゴム発泡組成物 - Google Patents

導電性シリコーンゴム発泡組成物

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JP2001261962A
JP2001261962A JP2000080575A JP2000080575A JP2001261962A JP 2001261962 A JP2001261962 A JP 2001261962A JP 2000080575 A JP2000080575 A JP 2000080575A JP 2000080575 A JP2000080575 A JP 2000080575A JP 2001261962 A JP2001261962 A JP 2001261962A
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silicone rubber
group
iii
hydrocarbon group
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JP2000080575A
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Sadao Hirabayashi
佐太央 平林
Osamu Hayashida
修 林田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱気加硫や高周波架橋によって速やかに架橋、
発泡して表面タックがなく、高い発泡倍率と均一なセル
目をもつ良好な導電性を持つシリコーン発泡体が得られ
る導電性シリコーンゴム発泡組成物を提供する。 【解決手段】(A)下記平均組成式(I): R1 aSiO4-a/2 (I) (R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基、
aは1.95〜2.04の正数である。)で表されるオルガノポリ
シロキサン、(B)導電性カーボンブラック、(C)下記式(I
I)で表される化合物及び式(III)で表される化合物から
なる群から選ばれる有機過酸化物: R2-OO-CO-O-R3 (II) R2-OO-CO-R3 (III) (ここで、R2は炭素原子数1〜7の一価炭化水素基であ
り、R3は炭素原子数4〜20の一価炭化水素基であ
る。)、及び(D)発泡剤を含有してなる導電性シリコー
ンゴム発泡組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋剤として過酸
化物を用いる熱気加硫(架橋)、特に常圧熱気加硫(HA
V、ホットエアー加硫糟)、UHF(極超短波電磁波)な
どの熱空気架橋が可能な導電性シリコーンゴム発泡組成
物及び該組成物を発泡、硬化させてなる導電性シリコー
ンゴム発泡体に関し、さらに詳しくはセル均一性が良好
で、発泡倍率が高い導電性シリコーンゴム発泡組成物及
びその硬化物である導電性シリコーンゴム発泡体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気絶縁性を示すゴム状物質に導
電性材料を配合した導電性ゴムは種々知られており、例
えば導電性材料としてカーボンブラック等を配合し、電
気抵抗を10-3〜106Ω・mの範囲に低減した導電性ゴ
ムが広い分野で利用されている。
【0003】一方、電気絶縁性ゴム状物質の一つである
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れ、電
気絶縁性ゴムとして多く利用されているが、他のゴム状
物質と同様にカーボンブラック等の導電性材料を添加す
ることで、導電性シリコーンゴムとしても実用化され、
更に発泡剤を加えて発泡硬化させた導電性シリコーンゴ
ム発泡体も知られている。
【0004】しかしながら、導電性材料としてアセチレ
ンブラック等のカーボンブラックを使用した導電性シリ
コーンゴム発泡組成物を押出成型等によってシール材、
ガスケット材、ロール材等の長尺物に連続的に成型、加
硫する場合、用いる加硫系や成型条件等に非常に制約が
あった。
【0005】即ち、例えば有機過酸化物加硫を行う場
合、通常のカーボンブラックを含有しないシリコーンゴ
ム組成物の常圧熱気加硫(HAV)に使用されるベンゾイ
ルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオ
キサイドなどのアシル系パーオキサイドをカーボンブラ
ックを含む系に使用すると、カーボンブラックの影響で
加硫が十分に進まず、満足な成型物を得ることができな
い。また、ジクミルパーオキサイドやジtert-ブチルパ
ーオキサイド等のアルキル系パーオキサイドをカーボン
ブラックを含む系に使用すると、コンプレッション成型
は可能であるが、押出し常圧熱気加硫では、空気中の酸
素の影響を受けて表面の加硫が十分に進行しないためや
はり満足な製品が得られないという問題があった。
【0006】かかる問題を克服するため、カーボンブラ
ックを含むシリコーンゴム発泡組成物を押出し常圧熱気
加硫する場合には、従来、付加加硫による方法が一般的
に採用されてきた。この方法はアルケニル基を含有する
オルガノポリシロキサンとこのアルケニル基と付加反応
を起すけい素結合水素原子を有するオルガノハイドロジ
ェンシロキサンに白金系の付加反応触媒を添加して硬化
させるものである。
【0007】しかし、この付加反応方式は、発泡組成物
のシェルフライフ(保存時間)に制限があり、可使時間
が短いので作業性が悪い上に、アミン、イオウ、スズ等
の触媒毒により硬化しなくなるという欠点がある。ま
た、良好な発泡体を得るには、発泡剤の分解による起泡
性ガスを系内に閉じ込めるために付加加硫により一定程
度加硫を予め進行(スコーチ)させる必要がある。この
付加反応を制御するための最適な制御剤を探索しなけれ
ばならず、また、適当な制御剤を見出し使用したとして
も良好な発泡体を得るための最適可使時間は非常に狭い
時間帯に限られる。したがって、付加反応方式により導
電性シリコーンゴム発泡体を常圧熱気加硫で連続的に製
造するには多くの問題点がある。このため、発泡体を成
型する工程において実用に耐え得るように可使時間が長
く、しかも速やかに加硫できる導電性シリコーンゴム発
泡組成物の開発が望まれていた。
【0008】従来技術として特開昭63-130663号及び特
開平2-416974には、熱気加硫可能な有機過酸化物硬化性
発泡組成物及びそれを発泡硬化させた発泡体が記載され
ているが、これらの有機過酸化物を使用すると柔らかい
発泡体が得難く、また発泡剤を増量することにより発泡
倍率を上げることを試みると発泡時に発泡体が割れてし
まうことがあるという欠点があった。
【0009】また特開昭62-124148や特開平10-46030に
は、有機過酸化物としてパーオキシカーボネート類を用
いたシリコーンゴム組成物が記載されているが、導電性
組成物及び導電性発泡体については何の記載もない。ま
た、特公昭43-9390にはt−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネートが導電性シリコーンゴムの架橋剤
として用いられることが記載されているが、このパーオ
キサイドを用いて導電性シリコーン組成物を発泡性組成
物として調製し発泡体を得ようとしても良好な発泡体成
型物が得られないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、熱気加硫(HAV)や高周波(UHF)架橋によって速
やかに架橋、発泡して表面タックがなく、高い発泡倍率
と均一なセル目をもつ良好な導電性を持つ導電性シリコ
ーン発泡体が得られる導電性シリコーンゴム発泡組成物
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
する為に鋭意検討を重ねた結果、特定のオルガノポリシ
ロキサン、導電性カーボンブラック、及び発泡剤を含む
導電性シリコーンゴム発泡組成物に特定の有機過酸化物
を配合して得られる導電性シリコーンゴム発泡組成物が
これを達成できることを見出した。
【0012】即ち、本発明によれば、 (A)下記平均組成式(I)で表されるオルガノポリシロキサ
ン R1 aSiO4-a/2 (I) (R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基、
aは1.95〜2.04の正数である。)、 (B)導電性カーボンブラック (C)下記式(II)で表される有機過酸化物及び式(III)で表
される有機過酸化物からなる群から選ばれる有機過酸化
物、 R2-OO-CO-O-R3 (II) R2-OO-CO-R3 (III) (式(II)及び式(III)中、R2は炭素原子数1〜7の一価
炭化水素基であり、R3は炭素原子数4〜20の一価炭化水
素基である。) (D)発泡剤 を含有してなることを特徴とする導電性シリコーンゴム
発泡組成物、並びに該組成物を発泡、硬化させて得られ
る導電性発泡体が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明について更に詳しく説
明する。 [(A)オルガノポリシロキサン] (A)成分は下記平均組成式(I): R1 aSiO4-a/2 (I) (式中、R1及びaは前記の通り)で表されるオルガノポリ
シロキサンである。
【0014】平均組成式(I)において、R1は、同一又は
異種の、好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは
炭素原子数1〜8の、非置換又は置換の1価炭化水素基で
あり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、ドデシル基などのアルキル基、シク
ロヘキシル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリ
ル基、ブテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基、
フェニル基、トリル基などのアリール基、β−フェニル
プロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原
子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、
シアノ基などで置換した基、例えばクロロメチル基、ト
リフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙げら
れ、メチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプ
ロピル基が好ましく、メチル基が50モル%以上、特に80
モル%であることが好ましい。また、aは1.95〜2.04の
正数である。
【0015】このオルガノポリシロキサンは分子鎖末端
はトリオルガノシリル基又はジオルガノヒドロキシシリ
ル基で封鎖されたものであるが、トリメチルシリル基、
ジメチルビニル基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリ
ビニルシリル基などで封鎖されたものが好ましい。
【0016】このオルガノポリシロキサンは分子中に少
なくとも2個のアルケニル基を有することが好ましく、R
1のうち0.001〜5モル%、特に0.01〜0.5モル%がアルケ
ニル基であることが好ましい。アルケニル基としては、
例えばビニル基、アリル基などが挙げられ、特にビニル
基が好ましい。
【0017】このオルガノポリシロキサンは、通常、所
望の分子構造に合わせて選択されたオルガノハロシラン
1種又は2種以上を共加水分解縮合することによって、
あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体あるい
は4量体など)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環
重合することによって得ることができる。
【0018】(A)成分として用いられるオルガノポリシ
ロキサンは基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサ
ンであるが、一部分岐していてもよい。また、分子構造
の異なる2種又はそれ以上の混合物であってもよい。ま
た、このオルガノポリシロキサンの粘度は25℃において
100cSt以上であることが好ましく、より好ましくは100,
000〜10,000,000cStである。重合度では100以上、特に
3,000以上が好ましく、その上限は好ましくは100,000で
あり、さらに好ましくは20,000である。
【0019】[(B)導電性カーボンブラック](B)成
分の導電性カーボンブラックとしては、通常導電性ゴム
組成物に常用されているものを使用することができ、例
えばアセチレンブラック、コンダクティブファーネスブ
ラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラ
ック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブ
ラッウ(XCF)、コンダクテイブチャンネルブラック
(CC)、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブ
ラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。
具体的には、アセチレンブラックとしてはデンカアセチ
レンブラック(商品名、電気化学社製)、シャウニガンア
セチレンブラック(商品名、シャウニガンケミカル社製)
等が挙げられ、コンダクティブファーネスブラックとし
てはコンチネックスCF(商品名、コンチネンタルカー
ボン社製)、バルカンC(商品名、キャボット社製)等が
挙げられ、スーパーコンダクティブファーネスブラック
としてはコンチネックスSCF(商品名、コンチネンタ
ルカーボン社製)、パルカンSC(商品名、キャボット社
製)等が挙げられ、エクストラコンダクティブファーネ
スブラックとしては旭HS-500、旭#70(商品名、旭カー
ボン社製)、パルカンXC-72(商品名、キャボット社製)等
が挙げられ、コンダクティブチャンネルブラックとして
はコウラックスL(商品名、デグッサ社製)等が例示さ
れ、またファーネスブラックの一種であるケッチェンブ
ラックEC及びケッチェンブラックEC-600JD(商品名、ケ
ッチェンブラックインターナショナル社製)や、上記カ
ーボンを1000℃以上の高温で熱処理したファーネスブラ
ック、チャンネルブラックを挙げることができる。な
お、これらのうちでは、アセチレンブラックが不純物含
有率が低い上、発達した2次ストラクチャー構造を有す
ることから導電性に優れているので本発明において特に
好適に用いられる。また、その卓越した比表面積から低
充填量でも優れた導電性を示すケッチェンブラックECや
ケッチェンブラックEC-600JD等のケッチェンブラックも
好ましく使用できる。
【0020】導電性カーボンブラックの添加量は、
(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部当り1〜1
00重量部、特に1〜50重量部とすることが好ましい。添
加量が少なすぎると所望の導電性や補強性を得ることが
できない場合があり、多すぎると組成物ヘの配合が困難
になることがあり、また組成物の加工性が低下したり、
硬化後のゴム特性が低下することがある。
【0021】[(C)有機過酸化物]本発明の(C)成分の
有機過酸化物としては下記式(II)、(III))で表される化
合物を使用する。 R2-OO-CO-O-R3 (II) R2-OO-CO-R3 (III) (式(II)及び式(III)中、R2は炭素原子数1〜7の一価
炭化水素基であり、R3は炭素原子数4〜20の一価炭化水
素基である。) 式中、R2で表される炭素原子数1〜7の1価炭化水素基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル、t−ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル
基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基等
が挙げられ、中でもアルキル基、特に炭素数1〜4のア
ルキル基が好ましい。
【0022】R3は炭素原子数4〜20の1価炭化水素
基であり、例えばブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルプロピル基、2−エチルヘキシ
ル基、クミル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール
基等があげられる。これらの中でも特に炭素原子数6〜
15のものが好ましい。
【0023】該(C)成分の有機過酸化物の特に好まし
い例としては、下記の式(IV)及び(V): R2-OO-CO-O-CH2-CH(C2H5)-(CH2)3-CH3 (IV) R2-OO-CO-(CH2)10-CH3 (V) (式(IV)及び式(V)中、R2は式(II)及び(III)に関して定
義の通りである。)で表される化合物が挙げられる。
【0024】(C)成分の有機過酸化物の量は(A)成分の
オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜10重量
部が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部である。こ
の有機過酸化物の量が少なすぎると架橋が不十分とな
り、一方多すぎても硬化速度のそれ以上の向上は期待出
来ず、未反応物や分解残査の除去に長時間が必要とな
る。
【0025】(C)成分の有機過酸化物は一種単独で使
用しても2種以上併用してもよい。またさらに組成物の
架橋性を向上させたり、発泡、硬化により得られる発泡
体の発泡倍率をより高め、良好な圧縮永久歪みを得るな
どの目的でジアルキル系有機過酸化物を併用してもよ
い。ジアルキル系有機過酸化物としては、例えばジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(t−ブチ
ルパーオキシヘキサン)、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート等が挙げられる。ジアルキル系有機過酸化
物は(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対
して0.1〜10重量部配合することが好ましく、特に0.2〜
5重量部配合することが好ましい。
【0026】[(D)発泡剤]発泡剤(D)としては有
機発泡剤が好ましく、具体的には、N,N'−ジメチル
−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合
物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼ
ン、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-
アゾビズ-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1'-アゾビ
ス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、バリウムアゾジ
カルボキシレート等の有機アゾ化合物;ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'
-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェ
ニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド、4,4'-
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトル
エンスルホニルヒドラジン等のスルホニルヒドラジド化
合物;カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニ
ルアジド、p−トルエンスルホルニルアジド等のアジド
化合物などが挙げられる。このうち特に有機アゾ化合物
が好ましく、中でもアゾビスイソブチロニトリルが好ま
しい。
【0027】(D)成分の発泡剤の配合量は、(A)成分1
00重量部に対して0.01〜50重量部が好ましく、より好ま
しくは0.5〜10重量部である。(D)成分の配合量が少な
すぎると発泡が不十分であり、多すぎるとセルが大きな
りすぎ不均一となり易く、スキン層が形成されなくな
る。
【0028】また、(D)成分の発泡剤としてプラスチ
ック微小中空体を使用することができる。かかるプラス
チック微小中空体は熱により膨張することを特徴として
いる。この微小中空体の外殻となるプラスチックとして
は、本発明の組成物の架橋を阻害しないものであれば特
に限定されず、組成物の硬化温度に合わせて軟化温度が
適当な範囲内にあるものを選択すればよい。このような
プラスチックとしては、例えばエチレン、スチレン、酢
酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、ブタジエン、クロロプレン等の重合体及びこれら
の共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルなど
が挙げられる。
【0029】プラスチック微小中空体内部には、膨張率
を大きくするために、揮発性の溶剤、ガス等の揮発性物
質を内包させることのが好ましい。このような揮発性物
質としては、ブタン、イソブタン等の炭化水素が例示さ
れる。
【0030】プラスチック微小中空体は、粒度が通常1
〜50μmの範囲にあるものが使用され、その形状は通常
球状であるが、特にこれらに限定されない。
【0031】必要に応じて、発泡剤(D)とともに発泡助
剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤(D)の分解温
度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。
このような発泡助剤としては、例えばサリチル酸、フタ
ル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素及びそ
の誘導体などが挙げられる。
【0032】これらの発泡助剤の量は、(A)成分のオル
ガノポリシロキサン100重量部に対して、0.01〜10重量
部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。こ
の量は発泡体に要求される物性値に応じて適宜最適量を
決定することが望ましい。
【0033】[その他の成分]本発明の組成物には、他
の成分を必要に応じて配合することができる。そのよう
な任意的な成分として充填剤が挙げられる。充填剤の代
表的なものとしてシリカ微粉末が挙げられる。シリカ微
粉末は、得られる発泡体の機械的強度の向上に有用であ
り、この目的のためには比表面積が10m2/g以上である
ことが好ましく、より好ましくは50〜400m2/gである。
シリカ微粉末としては種々のものを使用することがで
き、例えば煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿
式シリカ)が挙げられ、煙霧質シリカ(乾式シリカ)が好
ましい。また、これらのシリカ微粉末は表面をオルガノ
ポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラ
ン、アルコキシシラン等で疎水化処理したものでもよ
い。これらのシリカ微粉末は一種単独で使用してもよい
し2種以上併用してもよい。このシリカ微粉末の添加量
は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対
し通常5〜90重量部の範囲でよく、好ましくは10〜50重
量部である。少なすぎると十分な補強効果が得られず、
多すぎると組成物の加工性が低下することがある。
【0034】その他の任意的な成分として、例えば粉砕
石英、珪藻土等の非補強性シリカ、クレイ、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の充填剤;着色剤;酸
化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱向上剤;白
金、ハロゲン化合物等の難燃性向上剤;受酸剤;熱伝導
向上剤等の添加剤;離型剤;アルコキシシラン、シラノ
ール(例えばジフェニルシランジオール等の両末端シラ
ノール基停止低分子シロキサン)等の分散剤;接着性や
成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクシ
ョナルシランなどを添加してもよい。
【0035】[組成物の調製・発泡体の製造]本発明の
組成物は、上記した成分を2本ロールミル、バンバリー
ミキサー、ドゥーミキサー(ニーダー)などのゴム混練り
機を用いて均一に混合することにより得ることができ
る。
【0036】このようにして調製された導電性シリコー
ンゴム発泡組成物は、加熱し発泡、硬化させることによ
り、容易に導電性シリコーンゴム発泡体を得ることがで
きる。その硬化方法は発泡剤(D)の分解及び組成物の
加硫に十分な熱をかけられる方法であればよく、またそ
の成形方法も押出成形による連続加硫、プレス、インジ
ェクションによる型発泡成型など、特に制限されるもの
ではない。なかでも、本発明には常圧熱気架橋が好適に
採用される。この場合、加熱温度は100〜500℃、特に12
0〜300℃、時間は数秒〜1時間、特に10秒〜30分である
ことが好ましい。また、必要に応じ、100〜200℃で1〜1
0時間程度2次加硫してもよい。
【0037】こうして成形された導電性シリコーンゴム
発泡体は表面タックがなく、高い発泡倍率を有する。こ
うして得られる本発明の導電性シリコーンゴム発泡体
は、事務機用ロール(トナー搬送ロール、帯電ロール、
転写ロール、紙送りロール、定着ロール、加圧ロール
等)の材料、帯電防止材料(静電部材)、電磁波シールド
材、ウェザーストリップ、家庭用ゴム製品として使用す
ることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の説明において「部」は重量部
を意味し、粘度は25℃での測定値である。
【0039】〔実施例1〜4、比較例1〜6〕各実施
例、比較例において、ジメチルシロキサン単位99.7モル
%及びメチルビニルシロキサン単位0.275モル%とから
なり、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基0.025モ
ル%で封鎖された粘度が1×107cSt(重合度約8000)の
オルガノポリシロキサン100部、アセチレンブラックで
あるデンカブラック(商品名、電気化学(株)製)40部及
び補強性シリカであるトクシールUSA(商品名、(株)ト
クヤマ製)5部、分散剤として平均重合度3〜10の両末端
シラノール基停止ジメチルポリシロキサン重合体1部、
酸化セリウム1部を加圧ニーダーを用いて混練してベー
スコンパウンドを調製した。このベースコンパウンド10
0部に対し、表1に示す有機過酸化物と、発泡剤として
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加えて発泡組成物
を調製した。次に、これらの組成物を直径40mmの押出し
機により直経10mmの棒状物を連続的に押し出し、温度が
250℃で長さが約3mの常圧熱気加硫装置に入れ、滞留時
間約5分で常圧熱気加硫を行なった。得られた導電性シ
リコーンゴム発泡体について表面タック感、発泡倍率、
硬さ(アスカーC)を測定した。結果を表1に併記する。
【0040】
【表1】
【0041】注: *1 有機過酸化物A〜D 有機化酸化物A: t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシ
ルモノカーボネート(式(II)の過酸化物の一種) 有機化酸化物B: t-ブチルパーオキシラウレート(式(II
I)の過酸化物の一種) 有機化酸化物C: t-ブチルパーオキシ−イソプロピルモ
ノカーボネート(特公昭43-9390号で使用された過酸化
物) 有機化酸化物D: 1,6−ビス(t-ブチルパーオキシカルボ
キシ)ヘキサン 有機化酸化物E: 2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド 発泡剤a: AIBN 発泡剤b: 1,1'−アゾビス−(1−アセトキシ−1−
フェニルエタン) *2 表面硬化性の評価基準 ○:タック感がなくさらさらしている △:表面がべたついている ×:未架橋、又は表面がゴム弾性をもたない状態 *3 未硬化のため物性の測定はできない状態であっ
た。
【0042】
【発明の効果】上述の結果からも明らかなように、本発
明の導電性シリコーンゴム組成物は、熱気加硫により架
橋反応が速やかに進行し、高発泡倍率で、セル目、表面
硬化性とも良好な導電性シリコーンゴム発泡体が得られ
ることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA90 AA95 AC02 AD08 AG08 BA14 BA15 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BB02 CA22 CA23 CA25 DA59 4J002 AC032 AC092 BB032 BC032 BD042 BD102 BF022 BG102 BL012 CF062 CL012 CL032 CP031 CP081 CP091 CP131 DA036 EK007 EK037 EK057 EQ018 EQ028 EQ038 ES008 EV218 FA080 FA102 FB090 FD010 FD116 FD147 FD200 FD322 FD328

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記平均組成式(I): R1 aSiO4-a/2 (I) (ここで、R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化
    水素基、aは1.95〜2.04の正数である。)で表されるオル
    ガノポリシロキサン、(B)導電性カーボンブラック、(C)
    下記式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化
    合物からなる群から選ばれる有機過酸化物: R2-OO-CO-O-R3 (II) R2-OO-CO-R3 (III) (ここで、式(II)及び式(III)中、R2は炭素原子数1〜
    7の一価炭化水素基であり、R3は炭素原子数4〜20の一
    価炭化水素基である。)、及び(D)発泡剤を含有してな
    ることを特徴とする導電性シリコーンゴム発泡組成物。
  2. 【請求項2】前記(C)成分の有機過酸化物が、下記の式
    (IV)及び(V): R2-OO-CO-O-CH2-CH(C2H5)-(CH2)3-CH3 (IV) R2-OO-CO-(CH2)10-CH3 (V) (ここで、式(IV)及び式(V)中、R2は式(II)及び(III)に
    関して定義の通りである。)で示される化合物から選ば
    れるものである、請求項1に記載の発泡組成物。
  3. 【請求項3】さらにジアルキル系有機過酸化物を含有す
    る請求項1又は2に記載の発泡組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜4のいずれかに記載の導電性シ
    リコーンゴム発泡組成物を発泡、硬化して得られる導電
    性シリコーンゴム発泡体。
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