JP2001260629A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP2001260629A
JP2001260629A JP2000084750A JP2000084750A JP2001260629A JP 2001260629 A JP2001260629 A JP 2001260629A JP 2000084750 A JP2000084750 A JP 2000084750A JP 2000084750 A JP2000084750 A JP 2000084750A JP 2001260629 A JP2001260629 A JP 2001260629A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
sensor
value
occupant
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000084750A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Toshifumi Kamiya
敏文 神谷
Hiroshi Oga
啓 大賀
Yuichi Kajino
祐一 梶野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000084750A priority Critical patent/JP2001260629A/ja
Priority to DE10111223A priority patent/DE10111223A1/de
Priority to US09/803,428 priority patent/US6488213B2/en
Publication of JP2001260629A publication Critical patent/JP2001260629A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員の操作を反映して制御特性を補正する車
両用空調装置において、空調制御の安定性を確保しなが
ら、乗員の操作による学習効果の向上を図る。 【解決手段】 環境条件の情報を検出するセンサ39〜
43と、乗員により操作され、車室内の空調状態を設定
する操作手段34〜38と、センサ39〜43の検出値
を所定の演算処理してセンサ出力値を演算する演算手段
とを有し、センサ出力値に基づいて車室内の空調状態を
自動制御するとともに、この自動制御のための制御特性
を、操作手段34〜38の操作に基づいて補正する車両
用空調装置において、操作手段34〜38の操作があっ
た場合における操作情報としてセンサ39〜43の検出
値を用い、このセンサ検出値により制御特性の補正を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内の空調状態
を自動制御する、いわゆるオートエアコン機能を持つ車
両用空調装置において、特に、風量、吹出温度等の空調
制御特性を乗員の操作に応じて補正する学習制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の学習制御を行う車両用空
調装置として特開平6−143970号公報に記載され
たものがある。この従来装置は、風量切替、設定温度切
替等の乗員の操作を学習して空調制御特性を補正するも
のにおいて、外気温や日射量等の環境条件情報を制御特
性補正の操作情報として記憶しておき、外気温や日射量
に対する乗員の温熱感特性を制御特性の補正に反映する
ようにしている。
【0003】そして、日射量については、日射量が所定
量以上の変化をしたときのみ空調制御特性を補正するこ
とにより、制御装置のメモリー容量を減らすようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空調制御特
性の補正に用いる日射量は、通常の空調制御に用いられ
る日射量をそのまま用いているが、通常の空調制御にお
いては次の理由から日射センサの検出値(生値)に対し
て時定数処理を施した演算値を用いている。すなわち、
晴れた日に市街地のビルの谷間を走行すると、車両への
日射が頻繁に断続されるので、日射センサの検出値が大
きく上下動し、車室内の空調状態の自動制御が不安定と
なる。そこで、このような制御の不安定を防ぐために、
日射センサの検出値(生値)に対して時定数処理を施し
ている。
【0005】ここで、時定数処理は、日射センサの検出
値(生値)が変化したときに出力値を時間に対して指数
関数的に変化させるように演算する処理であって、時定
数は日射センサの検出値(生値)の変化に対して出力値
の変化が63.2%の割合に到達するまでの時間(秒)
で表わされる。
【0006】図9はこのような時定数処理の具体例を示
すもので、時刻t0〜t1の間はビルの日陰走行により
車両への日射量が小さく、時刻t1以後はビルの日陰か
らの脱出により車両への日射量が急増した場合である。
図中、破線は日射センサの検出値(生値)であり、これ
に対し、実線は時定数処理(時定数:30秒)を施した
センサ出力値の特性である。
【0007】このように時定数処理をした出力値は実際
の日射量変化に対して異なる値を示すので、学習制御上
次のような問題を生じる。例えば、図7の時刻t2にて
車両への日射量が急増して、乗員が暑いと感じて風量ス
イッチを大風量側に手動操作した場合に、乗員は日射セ
ンサの検出値(生値)TSaで代表される日射量急増を
感じているにもかかわらず、空調制御装置では時定数処
理をした出力値TSbにより日射量変化を判定するの
で、実際の日射量変化(乗員の感じる環境条件変化)に
即した学習制御を行うことができない。その結果、乗員
のフィーリングに十分適合した学習効果を発揮できない
という問題があった。
【0008】以上は空調環境条件として日射量を例にと
って従来技術の問題点を説明したが、外気温、内気温等
においても、時定数処理のような信号なまし処理をして
おれば同様の問題が生じる。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、乗員の操作を反映して空調制御特性を補正する車両
用空調装置において、空調制御の安定性を確保しなが
ら、乗員の操作による学習効果の向上を図ることを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、車室内の空調状態に関
係する環境条件の情報を検出するセンサ(39〜43)
と、乗員により操作され、車室内の空調状態を設定する
操作手段(34〜38)と、センサ(39〜43)の検
出値を所定の演算処理してセンサ出力値を演算する演算
手段(S130)とを有し、センサ出力値に基づいて車
室内の空調状態を自動制御するとともに、この自動制御
のための制御特性を、操作手段(34〜38)の操作に
基づいて補正する車両用空調装置において、操作手段
(34〜38)の操作があった場合における操作情報と
して、少なくともセンサ出力値よりもセンサ(39〜4
3)の検出値に近い値を用い、この検出値に近い値によ
り制御特性の補正を行うことを特徴とする。
【0011】これによると、所定の演算処理した後のセ
ンサ出力値よりもセンサ検出値(生値)に近い値を用い
て制御特性の補正を行うから、乗員が実際に感じている
日射等の環境条件の下で乗員操作の学習を行って制御特
性を的確に補正することができる。そのため、誤学習に
よって乗員が何回も操作し直すという不具合を回避で
き、少ない操作回数で乗員個々の好み(温熱感)に即し
た制御特性を得ることができる。従って、学習制御の狙
いである乗員操作回数の低減を達成できる。
【0012】しかも、空調の通常制御では、センサ検出
値を所定の演算処理してセンサ出力値を演算し、このセ
ンサ出力値に基づいて車室内の空調状態を自動制御する
から、センサ出力値の演算方法を適宜選択することによ
り空調自動制御の安定化を図ることができる。
【0013】請求項2に記載の発明のように、制御特性
の補正をセンサ(39〜43)の検出値自身により行う
ことにより、乗員が実際に感じている環境条件に最も近
似した条件で乗員操作の学習を行って制御特性を補正す
ることができる。
【0014】請求項3に記載の発明のように、センサ出
力値を演算する演算処理は、センサ(39〜43)の検
出値の変化度合いを緩慢にするなまし処理である。これ
により、車両走行条件の変動によりセンサ検出値が大き
く上下動するときでも、このセンサ検出値の変動の影響
をなまし処理により回避して、車室内の空調状態の自動
制御を安定化できる。
【0015】請求項4に記載の発明のように、請求項3
において、なまし処理は時定数処理であって、センサ出
力値を第1の時定数に基づいて演算し、操作手段(34
〜38)の操作があった場合における操作情報として、
第1の時定数より小さい第2の時定数に基づいて演算し
た別のセンサ出力値を用い、この別のセンサ出力値によ
り制御特性の補正を行うようにしてもよい。
【0016】請求項5に記載の発明のように、制御特性
は送風量制御特性であり、センサとして少なくとも日射
量を検出する日射センサ(41)を有しておれば、乗員
が実際に感じている日射条件の下で学習を行って風量制
御特性を的確に補正することができる。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明の
第1実施形態の全体システム構成を示すもので、車両用
空調装置の室内ユニットを構成する空調ユニット10の
空気流れ最上流側には外気導入口11aと内気導入口1
1bを有する内外気切替箱11が配置され、この内外気
切替箱11内に内外気切替ドア12が回動自在に設置さ
れている。
【0019】この内外気切替ドア12は外気導入口11
aと内気導入口12bとの分岐点に配置され、アクチュ
エータ12aにより駆動されて、空調ユニット10に導
入する空気を内気と外気に切り替えたり、あるいは内気
と外気の混合割合を調整する。
【0020】送風機13は内外気切替箱11内に空気を
吸い込んで空調ユニット10の下流側に送風するもので
あり、ブロワモータ14と、その回転軸に連結された遠
心式送風ファン15を有している。送風ファン15の下
流にはエバポレータ16とヒータコア17が設けられて
いる。
【0021】エバポレータ16は冷却用熱交換器であっ
て、図示しない車両エンジンにより駆動されるコンプレ
ッサ等と結合されて冷凍サイクルを構成し、その内部の
低圧冷媒が空気から吸熱して蒸発することにより空気を
冷却する。また、ヒータコア17は加熱用熱交換器であ
って、図示しない車両エンジンの冷却水(温水)が内部
を循環し、このエンジン冷却水を熱源として空気を加熱
する。
【0022】ヒータコア17の上流側には、吹出空気温
度調整手段としてのエアミックスドア18が回動自在に
設けられ、エアミックスドア18の開度はアクチュエー
タ18aにより駆動されて調節される。これによって、
ヒータコア17を通過する空気とヒータコア17をバイ
パスする空気の割合とが調整され、車室内に吹き出す空
気の温度が調整される。
【0023】空調ユニット10の最下流には、デフロス
タ(DEF)吹出口19を開閉するデフロスタドア2
0、フェイス(FACE)吹出口21を開閉するフェイ
スドア22、およびフット(FOOT)吹出口23を開
閉するフットドア24が設けられている。
【0024】これら各ドア20、22、24は吹出モー
ド切替手段を構成するもので、アクチュエータ25によ
り駆動されて各吹出口19、21、23を開閉すること
によって各種の吹出モード(フェイスモード、バイレベ
ルモード、フットモード、フットデフモード、デフロス
タモード等)が設定される。そして、各吹出モードに応
じて開口した吹出口から、温度調整された空気が車室内
へ吹き出される。
【0025】空調制御装置30は制御手段としてのマイ
クロコンピュータ31を有し、送風量はマイクロコンピ
ュータ31からの出力信号に基づいて駆動回路32を介
してブロワモータ14の印加電圧(ブロワ電圧)を調整
してモータ回転数を調整することにより制御される。な
お、その他のアクチュエータ12a、18a、25も、
マイクロコンピュータ31からの出力信号に基づいて駆
動回路32にて制御される。
【0026】マイクロコンピュータ31は図示しない中
央演算処理装置(CPU)、ROM、RAM、スタンバ
イRAM、I/Oポート、A/D変換部等を持ち、それ
自体は周知のものである。
【0027】スタンバイRAMは、車両エンジンの運転
を断続するイグニションスイッチ(以下、IGと記す)
オフの場合においても乗員の好みを学習した値を記憶
(バックアップ)するためのRAMであり、IGがオフ
であっても車載バッテリーからIGを介さずに直接電源
が供給される。また、マイクロコンピュータ31とバッ
テリーとの電気接続が遮断された状況でも短時間ならば
マイクロコンピュータ31に電源を供給する図示しない
バックアップ用の電源が設けられている。
【0028】マイクロコンピュータ31には、車室内計
器盤に設置された空調操作部33から操作信号が入力さ
れる。この空調操作部33には、空調装置の自動制御状
態を設定するAUTOスイッチ34、内外気モードを手
動で切替設定するための内外気切替スイッチ35、吹出
モードを手動で切替設定するための吹出モード切替スイ
ッチ36、ファン23の送風量を手動で切替設定するた
めの送風量切替スイッチ37、乗員の好みの温度を設定
するための温度設定スイッチ38等が設けられている。
【0029】また、マイクロコンピュータ31には、車
室内の空調状態に影響を及ぼす環境条件を検出する各種
センサからの信号が入力される。具体的には、車室内の
空気温度(内気温度)TRを検出する内気温センサ3
9、車室外の空気温度(外気温度)TAMを検出する外
気温センサ40、車室内に入射する日射量TSを検出す
る日射センサ41、蒸発器温度(具体的には蒸発器吹出
空気温度)TEを検出する蒸発器温度センサ42、ヒー
タコア17を循環するエンジン水温TWを検出する水温
センサ43等からの各信号が、それぞれのレベル変換回
路44を介してマイクロコンピュータ31に入力され、
これらはマイクロコンピュータ31においてA/D変換
されて読み込まれる。また、温度設定スイッチ38から
の信号もレベル変換回路44でレベル変換されてマイク
ロコンピュータ31に入力される。
【0030】なお、送風量切替スイッチ37は、具体的
には、風量アップスイッチ37aと風量ダウンスイッチ
37bからなり、風量アップスイッチ37aは1回押さ
れるごとにブロワ電圧(駆動用モータ14への印加電
圧)を1レベル(0.25ボルト)上げる信号を出力
し、風量ダウンスイッチ37bは1回押されるごとにブ
ロワ電圧を1レベル(0.25ボルト)下げる信号を出
力する。
【0031】図2はマイクロコンピュータ31により実
行される本発明の全体のフローチャートであり、IGオ
ンとともに図2の制御をスタートする。まず、ステップ
S100にて各種変換、フラグ等の初期値を設定する。
次のステップS110では空調操作部33の各種スィッ
チ34〜38の操作信号を読み込む。次のステップS1
20では各種センサ39〜43からのセンサ検出信号
(環境条件信号)を読み込む。
【0032】次のステップS130では、各種制御に用
いる日射センサ41の検出値(生値)に対する時定数処
理を下記数式1に基づいて行う。
【0033】
【数1】TSnew=(1/α)×TS+{(α−1)
/α}×TSold ここで、TSnew:時定数処理をした日射量 TS:ステップS120で読み込んだ今回の日射センサ
検出値(生値) TSold:前回の時定数処理をした日射量 α:時定数/制御周期 次のステップS140では、ステップS110、S12
0で読み込んだ設定温度TSETおよび環境条件信号等
に基づいて車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAO
を下記数式2により算出する。ここで、TAOは環境条
件(熱負荷条件)の変化にかかわらず車室内を設定温度
TSETに維持するために必要な吹出空気温度である。
【0034】
【数2】TAO=KSET×TSET−KR×TR−K
AM×TAM−KS×TS+C 但し、KSET、KR、KAM、KSは係数、Cは定数
であり、TSET、TR、TAM、TSはそれぞれ上記
した設定温度、内気温度、外気温度、日射量である。そ
のうち、日射量TSはステップS130で時定数処理の
演算をした日射量TSnewを用いる。
【0035】次に、ステップS150に進み、送風量を
決めるブロワ電圧を上記TAOに基づいて決定する。こ
こで、乗員が望む風量には個人差があるので、予め一律
に適切な送風量を決めることは難しい。そこで、本第1
実施形態では、各車両の乗員個々の好みの送風量を乗員
の手動操作時に学習して、その学習結果に基づいて送風
量制御特性を補正していくことにより、乗員の好みを的
確に反映した送風量制御特性となるようにしている。こ
れについては後で詳述する。
【0036】次に、ステップS160に進み、TAOに
対するエアミックスドア18の開度SWを下記数式3に
基づいて算出する。
【0037】
【数3】SW=(TAO−TE)/(TW−TE)×1
00(%) 次に、ステップS170に進み、内外気切替ドア12に
よる内外気吸込モードを図3の制御特性(マップ)によ
りTAOに基づいて決定する。次に、ステップS180
にて吹出モードドア20、22、24による吹出モード
を図4の制御特性(マップ)によりTAOに基づいて決
定する。
【0038】次に、ステップS190に進み、上記各ス
テップS150〜S180で決定された各種制御信号を
駆動回路32を介してブロワモータ24、および各アク
チュエータ12a、18a、25に加えて、ブロワモー
タ24の回転数および各アクチュエータ12a、18
a、25の作動を制御する。
【0039】次のステップS200では、制御周期であ
るt秒経過したか判定し、t秒経過後にステップS11
0に戻り、上記処理を繰り返す。
【0040】図5は図2のステップS150によるブロ
ワ電圧決定の具体的処理を例示するもので、まず、ステ
ップS201では、ステップS110で読み込んだスイ
ッチ操作信号に基づいて乗員が送風量を手動で設定(変
更)したかどうかを判定する。ここで、乗員による送風
量設定の手動操作があれば、ステップS202に進み、
学習制御により風量制御特性(ブロワ電圧制御特性)の
補正を行う。
【0041】ところで、風量制御特性は図6に例示する
ようにTAOの高低に基づいて所定の相関関係でブロワ
電圧を変化させ、送風量を変化させるものであり、TA
Oの高温側(暖房開始時)および低温側(冷房開始時)
の双方で送風量を大きくし、TAOの中間温度域(暖房
・冷房の定常運転域)で送風量を小さくする特性となっ
ている。
【0042】ステップS202では日射量としてセンサ
時定数処理をしていない生値すなわちセンサ検出値TS
を学習制御のための操作情報として用いる。このステッ
プS202では、実際には日射量検出値TSとともに外
気温TAMおよび内気温TRのセンサ検出信号を操作情
報として記憶し、風量制御特性を補正する。
【0043】これによると、日射量としてセンサ検出値
(生値)TSを用いて風量制御特性の補正を行うから、
乗員が実際に感じている日射条件の下で学習を行って風
量制御特性を的確に補正することができる。そのため、
乗員個々の好み(温熱感)に即した風量制御特性を容易
に得ることができる。
【0044】ここで、ステップS202による風量制御
特性の補正を図6により具体的に説明すると、図6
(a)の特性Aは空調装置出荷時(車両搭載時)のオリ
ジナルの風量制御特性であり、これは予め実験等により
最も一般的な乗員の好み(温熱感)に適合するように設
定してマイクロコンピュータ31のROMに記憶されて
いる。従って、送風量設定の乗員操作の学習を一度もし
ていないときはこの図6(a)の風量制御特性により送
風量(ブロワ電圧)が決定される。
【0045】そして、乗員により1回目の送風量設定の
操作が行われたときについて述べると、図6(a)のオ
リジナルの風量制御特性Aにおいて、風量がaレベル
(最高風量Hi)であるとき、乗員の操作により風量が
操作点1のレベルまで引き下げられると、この乗員操作
を学習して、この操作点1を通るようにオリジナル特性
Aの傾斜部分を図6(a)の左側(TAOの低温側)に
平行移動させる。図6(a)の実線Bはこの1回目の乗
員操作を学習した後の風量制御特性を示す。
【0046】次に、図6(b)は2回目の乗員操作によ
る学習を示すもので、1回目の学習後の風量制御特性B
において、風量がbレベル(最小風量Loに近い小風
量)であるとき、乗員の操作により風量が操作点2のレ
ベルまで引き上げられると、今度は操作点1および操作
点2の両方を通るように、風量制御特性の傾斜部分の傾
きθを変更する。この例では、風量制御特性の傾斜部分
の傾きθを小さくする方向に変更する。図6(b)の実
線Cはこの2回目の乗員操作を学習した後の風量制御特
性を示す。
【0047】次に、図6(c)は3回目の乗員操作によ
る学習を示すもので、2回目の学習後の風量制御特性C
において、風量がcレベル(操作点2の風量と最小風量
Loとの間の風量)であるとき、乗員の操作により風量
が操作点3の最小風量Loレベルまで引き下げられる
と、今度は2回目の学習後の風量制御特性Cにおける傾
斜部分の傾きθを、操作点1、操作点2および操作点3
を直線近似する傾き(具体的には各操作点を最小2乗近
似する傾き)に変更する。
【0048】従って、3回目の乗員操作を学習した後の
風量制御特性は図6(c)の実線Dに示すようになる。
4回以上の乗員操作に対しても、風量制御特性Cにおけ
る傾斜部分の傾きθを、4回以上の各操作点を直線近似
する傾き(最小2乗近似する傾き)に変更すればよい。
【0049】以上のようにして乗員操作を学習して風量
制御特性を補正した後にステップS203に進み、今回
の学習後の風量制御特性によりTAOに基づいてブロワ
電圧を決定し、送風量を決定する。
【0050】また、ステップS201で、乗員による送
風量設定の手動操作なしと判定されたときはステップS
204に進み、今までに学習済みの風量制御特性により
TAOに基づいてブロワ電圧を決定し、送風量を決定す
る。なお、空調装置の車両搭載後に、乗員による送風量
設定の手動操作が一度も行われていないときはステップ
S204にて図6のオリジナルの風量制御特性Aに基づ
いて送風量を決定する。そして、乗員操作の学習による
風量制御特性の補正が行われるごとに、ステップS20
4の風量制御特性は学習済みのものに切り替わってい
く。
【0051】本第1実施形態によると、日射量としてセ
ンサ検出値(生値)TSを用いて風量制御特性の補正を
行うから、乗員が実際に感じている日射条件の下で学習
を行って風量制御特性を的確に補正することができる。
そのため、誤学習によって乗員が何回も操作し直すとい
う不具合を回避でき、少ない操作回数で乗員個々の好み
(温熱感)に即した風量制御特性を得ることができる。
従って、学習制御の狙いである乗員操作回数の低減を達
成できる。
【0052】しかも、空調の通常制御では数式1による
TAOの算出に際して、日射量TSはセンサ検出値(生
値)TSでなくステップS130で時定数処理をした日
射量TSnewを用いているから、晴れた日に市街地の
ビルの谷間を走行する場合のごとく、車両への日射が頻
繁に断続されて日射センサ41の検出値が大きく上下動
するときでも、この日射センサ検出値の変動の影響を時
定数処理により回避して、車室内の空調状態の自動制御
を安定化できる。
【0053】(第2実施形態)第1実施形態では、乗員
操作に伴う学習制御時の日射量の取り扱いについて述べ
たが、日射量以外の環境条件に対しても本発明による学
習制御の考え方を適用できる。
【0054】例えば、TAOの算出に用いられる内気温
TRを検出する内気温センサ39および外気温TAMを
検出する外気温センサ40の検出値に対して空調の通常
制御の安定化のために時定数処理を行う場合がある。
【0055】そこで、このように外気温センサ40およ
び内気温センサ39の検出値に対して時定数処理を行う
場合においても、乗員操作を反映して風量制御特性の学
習を行う際には、内気温TR、外気温TAMとして時定
数処理をしたセンサ出力値を使用せずに、センサ検出値
(生値)、あるいはそれに近い値を用いることにより、
乗員が実際に感じている内気温条件、あるいは実際の外
気温条件の下で学習を行って風量制御特性を的確に補正
することができる。
【0056】(第3実施形態)第1実施形態では、乗員
操作に伴う学習制御時の日射量として日射センサ41の
検出値(生値)を用いているが、第3実施形態では図2
のステップS130による時定数処理を通常制御用と学
習制御用とに分割し、通常制御用の時定数処理では前述
の数式1により時定数処理をした日射量TSnewを
算出する。ここで、前述の数式1においてαを決める時
定数を第1の時定数τ1とする。
【0057】また、学習制御用の時定数処理は日射セン
サ41の検出値(生値)に対して下記数式4により時定
数処理を行う。
【0058】
【数4】TSnew=(1/γ)×TS+{(γ−
1)/γ}×TSold ここで、TSnew:時定数処理をした学習制御用の
日射量 TS:ステップS120で読み込んだ今回の日射センサ
検出値(生値) TSold:前回の時定数処理をした日射量 γ:第2の時定数τ2/制御周期 そして、第1の時定数τ1と第2の時定数τ2は、τ1
>τ2の関係に設定してあり、従って、α>γの関係と
なる。
【0059】このように通常制御用の時定数処理におけ
る第1の時定数τ1より学習制御用の時定数処理におけ
る第2の時定数τ2を小さくすることにより、乗員操作
に伴う学習制御時の日射量として日射センサ41の検出
値(生値)に近い値を用いることができ、第1実施形態
と同様に的確な学習制御を行うことができる。
【0060】(第4実施形態)第1実施形態では、車室
内の空調状態を自動制御するための制御特性のうち、特
に送風量制御特性を乗員操作の学習により補正する場合
について説明したが、これに限らず、例えば、図3に示
す内外気吸込モードの制御特性を乗員操作の学習により
補正する場合、あるいは図4に示す吹出モードの制御特
性を乗員操作の学習により補正する場合等にも本発明を
適用できる。
【0061】(第5実施形態)第1実施形態ではTAO
を算出し、このTAOのみに基づいて送風量を決定して
いる。つまり、TAOという制御信号の1入力により送
風量制御特性を設定しているが、第5実施形態では内気
温、外気温および日射量をそれぞれ別入力として送風量
を決定する。つまり、第5実施形態は環境条件情報の3
入力により送風量制御特性を設定する場合において、そ
の送風量制御特性を乗員操作の学習により補正する。
【0062】図7は第5実施形態による送風量制御特性
を例示するもので、日射量=500W/m2に固定した
場合において外気温および内気温により送風量が変化す
る状態を3次元マップで表示している。図7のEは学習
前の送風量制御特性を示し、斜線部Fは乗員操作を学習
した後の送風量制御特性を示す。
【0063】また、図8は図7を2次元のマップで表示
するもので、内気温、外気温および日射量を入力として
送風量を決定する場合に、例えば、外気温および日射量
が決まれば、後は内気温の値で送風量が決まることを示
している。
【0064】第5実施形態のように内気温、外気温およ
び日射量をそれぞれ別入力として送風量を決定する場合
にも、乗員操作に基づく学習を、各センサの検出値(生
値)あるいはそれに近い値を用いて行うことにより、乗
員の好みに即した的確な学習効果を発揮できる。
【0065】(第6実施形態)第1実施形態では、乗員
の操作があると図5のステップ201において無条件で
学習を行うようにしているが、乗員の操作による学習時
に日射センサ41の検出値(生値)に近い操作情報が複
数存在するときは、この複数の操作情報の平均をとり、
その平均値を代表情報として学習に用いるようにしても
よい。
【0066】(第7実施形態)第1実施形態では、セン
サ検出値の変化度合いを緩慢にする「なまし処理」とし
て時定数処理を用いているが、時定数処理に限らず、セ
ンサ検出値が変化したときに出力値を時間に対して所定
の関数で緩慢に変化させる適宜の徐変制御(例えば、出
力値が直線的、ステップ的等に変化する)をなまし処理
に用いてもよいことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体システム図であ
る。
【図2】第1実施形態の空調自動制御の全体を示すフロ
ーチャートである。
【図3】第1実施形態の内外気吸込モードの特性図であ
る。
【図4】第1実施形態の吹出モードの特性図である。
【図5】第1実施形態の要部の制御を示すフローチャー
トである。
【図6】第1実施形態による送風量制御特性の補正方法
の説明図である。
【図7】第5実施形態による送風量制御特性を例示する
3次元マップの説明図である。
【図8】第5実施形態による送風量制御特性を例示する
2次元マップの説明図である。
【図9】従来技術の問題点の説明図である。
【符号の説明】
34〜38…操作スイッチ、39〜43…センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大賀 啓 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梶野 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3L011 AW00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内の空調状態に関係する環境条件の
    情報を検出するセンサ(39〜43)と、 乗員により操作され、車室内の空調状態を設定する操作
    手段(34〜38)と、 前記センサ(39〜43)の検出値を所定の演算処理し
    てセンサ出力値を演算する演算手段(S130)とを有
    し、 前記センサ出力値に基づいて車室内の空調状態を自動制
    御するとともに、この自動制御のための制御特性を、前
    記操作手段(34〜38)の操作に基づいて補正する車
    両用空調装置において、 前記操作手段(34〜38)の操作があった場合におけ
    る操作情報として、少なくとも前記センサ出力値よりも
    前記センサ(39〜43)の検出値に近い値を用い、こ
    の検出値に近い値により前記制御特性の補正を行うこと
    を特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記制御特性の補正を前記センサ(39
    〜43)の検出値自身により行うことを特徴とする請求
    項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記センサ出力値を演算する演算処理
    は、前記センサ(39〜43)の検出値の変化度合いを
    緩慢にするなまし処理であることを特徴とする請求項1
    に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記なまし処理は時定数処理であって、
    前記センサ出力値を第1の時定数に基づいて演算し、 前記操作手段(34〜38)の操作があった場合におけ
    る操作情報として、前記第1の時定数より小さい第2の
    時定数に基づいて演算した別のセンサ出力値を用い、こ
    の別のセンサ出力値により前記制御特性の補正を行うこ
    とを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記制御特性は送風量制御特性であり、
    前記センサとして少なくとも日射量を検出する日射セン
    サ(41)を有していることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
JP2000084750A 2000-03-09 2000-03-22 車両用空調装置 Pending JP2001260629A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000084750A JP2001260629A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 車両用空調装置
DE10111223A DE10111223A1 (de) 2000-03-09 2001-03-08 Fahrzeugklimaanlage mit einem die manuelle Steuerungsbetätigung der Gebläsespannung lernenden Regelungssystem
US09/803,428 US6488213B2 (en) 2000-03-09 2001-03-09 Vehicle air conditioner with control system learning manual control operation of blower voltage

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000084750A JP2001260629A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260629A true JP2001260629A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18601190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000084750A Pending JP2001260629A (ja) 2000-03-09 2000-03-22 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260629A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073258A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Denso Corp 車両用空調装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073258A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Denso Corp 車両用空調装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3316988B2 (ja) 車両用空気調和装置
JP3931634B2 (ja) 車両用空調装置
JPH0732854A (ja) 空調装置
US7210523B2 (en) Vehicle air conditioner
US6705098B2 (en) Vehicle air conditioner with automatic air-conditioning control
JP3180306B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002036847A (ja) 車両用空調装置
JP4505941B2 (ja) 車両用空調装置
JP6488737B2 (ja) 車両用空調装置
JP4066508B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002029239A (ja) 車両用空調装置
JP2001260629A (ja) 車両用空調装置
JP2016144964A (ja) 車両用空調装置
JP3163767B2 (ja) 車両用空調装置
JP3823800B2 (ja) 車両用空調装置
JP4613942B2 (ja) 車両用空調装置
JPH05147421A (ja) 車両用空調装置
JPH08238920A (ja) 車両用空気調和装置
JP3760368B2 (ja) 車両用空調装置
JP2003080927A (ja) 車両用空調装置およびそのプログラム
JP6703817B2 (ja) 車両用空調装置
JP6568812B2 (ja) 車両用空調装置
JP4360196B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004230997A (ja) 車両用空調制御装置、車両用空調制御装置の制御用プログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2002283830A (ja) 車両用空調制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090331

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090804