JP2001260213A - 中空二重壁構造体およびそのブロー成形金型 - Google Patents
中空二重壁構造体およびそのブロー成形金型Info
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Abstract
外観性にもすぐれた中空二重壁構造体と、その製造に用
いるブロー成形金型を提供する。 【解決手段】 インナーリブ15を形成するためのスラ
イドコア21が抜ける側の他方の壁13の表面に、イン
ナーリブ15に対応して現れる線状溶着痕23上および
その周辺にシボ面27を形成する。
Description
ロー成形して得られる中空二重壁構造体であって、その
一方の壁と他方の壁とを中空部内で一体的につなぐ単壁
構造のリブであるインナーリブを有する中空二重壁構造
体およびそのブロー成形金型に関するものである。
ョン、扉、あるいは自動車用部品であるヘッドレスト、
アームレスト、リヤーパーセルシェルフ、カーゴフロア
ボックスのリッドなどを構成するプラスチック製パネル
などのプラスチック製二重構造体は、熱可塑性プラスチ
ックをブロー成形したものが用いられている。そして、
一方の樹脂壁と他方の樹脂壁との間に補強のためのイン
ナーリブを形成することも行われている(特開平6−1
34842号公報参照)。
842号公報に記載されているように、補強のためのイ
ンナーリブを有するプラスチック製二重壁構造体のブロ
ー成形においては、一対の分割金型間に熱可塑性プラス
チックのパリソンを配置して型締めし、他方の金型に設
けたスライドコアを進出させることにより二重壁構造体
の他方の壁の一部を一方の壁に接するまで突出させて両
壁を溶着させてからスライドコアをキャビティ面まで後
退させ、次いでパリソン内に導入される圧力流体による
ブロー圧により突出させた樹脂壁を互いに溶着一体化し
て一方の壁と他方の壁との間に単壁構造の樹脂壁である
インナーリブを形成している。
構造体にあっては、一方の壁に対してインナーリブとな
る他方の壁の一部が溶着されるので、一方の壁の表面に
はインナーリブに対応する部位に溶着痕であるヒケを生
じることは避けがたいので、前記特開平6−13484
2号公報に開示する技術においても、ヒケが現れにくい
構造を提案しており、それにより所期の目的を達成して
いる。
っては、図9に示すように、表裏両面とも、すなわち、
その一方の壁aの表面だけでなく、他方の壁bの表面も
外観性が良好であることを要するものも多いが、前記の
ようにスライドコアを用いてインナーリブcを形成する
と、スライドコアが抜ける側の面、すなわち他方の壁b
の表面にも線状溶着痕dが現れることは避けがたいの
で、その線状溶着痕dにより外観性が損なわれないよう
にすることが求められる。
るためのスライドコアが抜ける側の他方の壁の表面に、
インナーリブに対応して現れる線状溶着痕に沿ってその
周辺に微小凹凸面であるシボ面を形成することにより、
他方の壁の表面にインナーリブを形成することにより溶
着痕が生じても、少なくともその周辺に形成されたシボ
によって外観性が損なわれることがなく、一方の壁の表
面だけでなく他方の壁の表面の外観性にもすぐれた中空
二重壁構造体と、その製造に用いるブロー成形金型を提
供することを目的とするものである。
め、本発明は、請求項1ないし9記載の手段を提案す
る。すなわち、請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂を
ブロー成形して得られる中空二重壁構造体であって、一
方の壁と他方の壁からなる二重壁構造の他方の壁の一部
を一方の壁に接するまで突出させ、かつその突出部分を
互いに溶着一体化して中空部内に隠れた単壁構造のリブ
であるインナーリブを形成し、他方の壁の表面には、上
記インナーリブに対応して現れる線状溶着痕上およびそ
の周辺に微小凹凸面であるシボ面を形成したことを特徴
とする中空二重壁構造体である。
空二重壁構造体において、インナーリブに対応して線状
溶着痕が現れる他方の壁の表面には、線状溶着痕上を含
む略全体にわたってシボ面を形成したことを特徴とする
中空二重壁構造体である。
空二重壁構造体において、他方の壁のインナーリブに対
応するシボ面の周囲にシボ無し部を形成したことを特徴
とする中空二重壁構造体である。
空二重壁構造体において、シボ無し部の幅は、0.6〜
1.0mmであることを特徴とする中空二重壁構造体で
ある。
または4記載の中空二重壁構造体において、インナーリ
ブに対応する部位を凹溝状に形成したことを特徴とする
中空二重壁構造体である。
いし5のいずれかに記載の中空二重壁構造体をブロー成
形するためのブロー成形金型であって、中空二重壁構造
体の一方の半体を成形するキャビティを有する一方の金
型と、その他方の半体を成形するキャビティを有する他
方の金型の一対の分割金型からなり、他方の金型には中
空二重壁構造体の他方の半体となる樹脂壁の一部を一方
の半体となる樹脂壁に接するまで突出させて両樹脂壁を
溶着させる進退自在のスライドコアを備えており、上記
スライドコアの先端面をシボ形成面としたことを特徴と
するブロー成形用金型である。
ロー成形金型において、他方の金型のキャビティをその
略全面にわたってシボ形成としたことを特徴とするブロ
ー成形金型である。
記載のブロー成形金型において、スライドコアの先端面
の両側端縁部位、他方の金型のスライドコアの先端両側
端縁との境界部位またはその両者にわたる部位を所要幅
のシボ無し部形成面としたことを特徴とするブロー成形
金型である。
ー成形金型において、シボ無し部形成面の幅は、0.3
〜0.5mmであることを特徴とするブロー成形金型で
ある。
造体であるパネル状のもので側面壁および背面壁を構成
した洗面台の全体斜視図、図2は同上シンク体を外して
示す分解斜視図、図3は図1および図2に示す洗面台の
側面壁を成すパネル状の中空二重壁構造体の一部を示す
断面図、図4は図3に示す中空二重壁構造体のブロー成
形態様を示す断面図、図5(a),(b)は図4に示す
ブロー成形において用いる一対の分割金型のうちスライ
ドコアを備えた他方の金型の一部を示す斜視図であっ
て、(a)はスライドコアを進出させた状態、(b)は
後退させた状態を示す。図6は図5に示す他方の金型で
あって他の実施の形態を示す一部の斜視図、図7は図6
に示す金型を用いてブロー成形した中空二重壁構造体を
示す一部の斜視図である。図8は本発明の他の実施の形
態を示す中空二重壁構造体の一部を示す斜視図である。
はそのキャビネット本体であって、キャビネット本体2
の上面には、洗面用のシンク3を備えたシンク体4が組
み付けられている。5は給水蛇口、6は排水口である。
キャビネット本体2の前面には、左右に開閉自在の扉7
が備えられている。8は手掛部である。キャビネット本
体2は、洗面シンク3の形状に応じて前面側中央に膨出
する弯曲状に形成されており、左右の扉7は、キャビネ
ット本体2の上記形状に合うように開閉側が曲面状に形
成されている。
び背面壁10は、図2に示すように、本発明に係るパネ
ル状の中空二重壁構造体11によって構成されている。
すなわち、このパネル状の中空二重壁構造体11は、中
空二重壁構造の一方の壁12と他方の壁13とが中空部
14をおいて対向しており、一方の壁12と他方の壁1
3との間には、中空部14内で一体的につなぐ単壁構造
のインナーリブ15が形成されている。
1は、図4に示すように、熱可塑性プラスチックをブロ
ー成形したものである。図4に示すように、ブロー成形
金型16は一対の分割金型の一方の金型17および他方
の金型18からなり、一方の金型17には中空二重壁構
造体11の一方の壁12を成形するキャビティ19を、
他方の金型18には中空二重壁構造体11の他方の壁1
3を成形するキャビティ20を有している。他方の金型
18には、中空二重壁構造体11の他方の壁13から一
方の壁12に向けてインナーリブ15を突出形成するた
めのスライドコア21がキャビティ20に対して進退自
在に設けられている。
は、図4に示すように、ブロー成形金型16を開いてそ
の間にパリソン22を配置して型締めをし、次いでスラ
イドコア21を進出させて他方の壁13の一部を一方の
壁12に接するまで突出させた後、スライドコア21を
後退させてその突出部分をブロー圧により互いに溶着一
体化して中空部14内に隠れた単壁構造のインナーリブ
15を形成する。図4はスライドコア21を突出させた
後、後退させた状態を示している。
空二重壁構造体11には、そのスライドコア21が抜け
る側の面、すなわち他方の壁13の表面には線状の溶着
痕23が現れるが、その線状溶着痕23により外観性が
損なわれないように、線状溶着痕13に沿ってその周辺
に微小凹凸面であるシボ面が形成される(図7参照)。
形金型16においては、スライドコア21の先端面がシ
ボ形成面24を成しているとともに、図6に示すよう
に、その先端面の両側端縁からそれぞれ0.3〜0.5
mm幅のシボ無し部形成面25を成しており、他方の金
型18のキャビティ20もシボ形成面24を成してい
る。図6に示す実施の形態においては、スライドコア2
1の先端面の両側端縁部位にシボ無し部形成面25を、
さらに他方の金型18の上記スライドコア21の先端両
側端縁との境界部位にもシボ無し部形成面26をそれぞ
れ設けている。
成形金型16を用いてブロー成形された中空二重壁構造
体11には、図7に示すように、他方の壁13の表面の
インナーリブ15に対応する部位にシボ面27が形成さ
れ、かつ上記シボ面27の両側にはシボ無し部28が形
成されるとともに、他方の壁13の表面にもシボ面29
が形成される。
に示すものの他例であって、他方の壁13の表面のイン
ナーリブ15に対応する部位を浅い凹溝30に形成して
その底面をシボ面27とし、凹溝30の立ち上げ面とそ
れに連なって広がる面との境界線の部分をシボ無し部2
8としたものである。
11を構成する熱可塑性プラスチックは、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、さらにはポリカーボ
ネート、変性ポリフェニレンエーテルなどのエンジニア
リングプラスチックスなどのブロー成形可能な樹脂であ
る。
方の壁13の表面にインナーリブ15に対応して現れる
線状溶着痕23に沿ってその周辺にシボ面27が形成さ
れているので、他方の壁13の表面に線状溶着痕23が
生じていても、少なくともその周辺に形成されたシボに
よって外観性が損なわれることがなく、表裏両面とも外
見性にすぐれたものとなる。
あっては、インナーリブ15に対応する部位のシボ面2
7とそれより外方に広がる面との間がシボ無し部28で
区分された形状を成しているので、形態が多様化して外
観の装飾性がすぐれている。また、スライドコア21と
他方の金型18のキャビティ20との境界部分にシボ無
し部形成面25,26に対応してシボ無し部28が形成
されることにより、スライドコア21の後退にともなっ
て樹脂の移動が生じても、スライドコア21と他方の金
型18のキャビティ20との境界部分が平坦に成形され
るので、その境界部分もシボ面とする場合のような微小
凹凸の形態に乱れが生ぜず、外観性にすぐれたものを容
易に得ることができる。
るためのスライドコアが抜ける側の他方の壁の表面に、
インナーリブに対応して現れる線状溶着痕に沿ってその
周辺に微小凹凸面であるシボ面を形成することにより、
他方の壁の表面にインナーリブを形成することにより線
状溶着痕が生じても、少なくともその周辺に形成された
シボによって外観性が損なわれることがなく、一方の壁
の表面だけでなく他方の壁の表面の外観性にもすぐれた
中空二重壁構造体と、その製造に用いるブロー成形金型
を提供することができる。
のもので側面壁および背面壁を構成した洗面台の全体斜
視図である。
分解斜視図である。
ネル状の中空二重壁構造体を示す一部の断面図である。
を示す断面図である。
割金型のうちスライドコアを備えた他方の金型の一部を
示す斜視図であって、(a)はスライドコアを進出させ
た状態、(b)は後退させた状態を示す。
を示す一部の斜視図である。
中空二重壁構造体を示す一部の斜視図である。
体の一部を示す斜視図である。
説明するための一部破断した斜視図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂をブロー成形して得られる
中空二重壁構造体であって、一方の壁と他方の壁からな
る二重壁構造の他方の壁の一部を一方の壁に接するまで
突出させ、かつその突出部分を互いに溶着一体化して中
空部内に隠れた単壁構造のリブであるインナーリブを形
成し、他方の壁の表面には、上記インナーリブに対応し
て現れる線状溶着痕上およびその周辺に微小凹凸面であ
るシボ面を形成したことを特徴とする中空二重壁構造
体。 - 【請求項2】 請求項1記載の中空二重壁構造体におい
て、インナーリブに対応して線状溶着痕が現れる他方の
壁の表面には、線状溶着痕上を含む略全体にわたってシ
ボ面を形成したことを特徴とする中空二重壁構造体。 - 【請求項3】 請求項2記載の中空二重壁構造体におい
て、他方の壁のインナーリブに対応するシボ面の周囲に
シボ無し部を形成したことを特徴とする中空二重壁構造
体。 - 【請求項4】 請求項3記載の中空二重壁構造体におい
て、シボ無し部の幅は、0.6〜1.0mmであること
を特徴とする中空二重壁構造体。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の中空二
重壁構造体において、インナーリブに対応する部位を凹
溝状に形成したことを特徴とする中空二重壁構造体。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の中
空二重壁構造体をブロー成形するためのブロー成形金型
であって、中空二重壁構造体の一方の半体を成形するキ
ャビティを有する一方の金型と、その他方の半体を成形
するキャビティを有する他方の金型の一対の分割金型か
らなり、他方の金型には中空二重壁構造体の他方の半体
となる樹脂壁の一部を一方の半体となる樹脂壁に接する
まで突出させて両樹脂壁を溶着させる進退自在のスライ
ドコアを備えており、上記スライドコアの先端面をシボ
形成面としたことを特徴とするブロー成形用金型。 - 【請求項7】 請求項6記載のブロー成形金型におい
て、他方の金型のキャビティをその略全面にわたってシ
ボ形成としたことを特徴とするブロー成形金型。 - 【請求項8】 請求項6または7記載のブロー成形金型
において、スライドコアの先端面の両側端縁部位、他方
の金型のスライドコアの先端両側端縁との境界部位また
はその両者にわたる部位を所要幅のシボ無し部形成面と
したことを特徴とするブロー成形金型。 - 【請求項9】 請求項8記載のブロー成形金型におい
て、シボ無し部形成面の幅は、0.3〜0.5mmであ
ることを特徴とするブロー成形金型。
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JP2000074660A JP4520574B2 (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | 中空二重壁構造体およびそのブロー成形金型 |
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Cited By (2)
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- 2000-03-16 JP JP2000074660A patent/JP4520574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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