JP2001259363A - 排ガス処理方法及びその装置 - Google Patents
排ガス処理方法及びその装置Info
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Abstract
こと。 【解決手段】 反応カラム11内において、排ガスを、金
属担持させたゼオライト触媒10に接触させて前記ガス中
に含まれた煤塵と窒素酸化物とを前記10に吸着させ、さ
らに、この排ガス温度の下で燃焼させることにより、前
記排ガス中に含まれる煤塵と窒素酸化物とを同時かつ効
率的に除去することが可能になる。ゼオライト触媒10に
おいては、Y型ゼオライトにCu若しくはNiを担持さ
せたものが有効である。
Description
(NOx)等を含んだ排ガスの処理方法及びその装置に
関するものである。
出される排気ガスには、大気汚染の原因となる煤煙等含
まれるばかりでなく、有害物質の窒素酸化物(NOx)
が含まれている。大気汚染を防止するためにも、この煤
煙を除去することは急務な課題である。
主成分である煤塵を処理する幾つかの集塵方法がある。
集塵方法には、下記の重力集塵、遠心力集塵、洗浄集
塵、濾過集塵及び電気集塵等がある(大気関係の基礎知
識(環境庁大気保全局担当官編著)。
し、粒子速度を低下させ粒子の慣性力を失わせて、粒子
自身の重力で自然沈降させる方法である。粒子は沈降室
によって粒子速度を小さくすればするほど小粒子まで分
離することが可能になる。しかし、粒子速度を小さくす
るためには沈降室を大きくする必要があり、敷地面積は
大きくなり設備の大型化を強いられる。
力の場をつくり、ガス中のダスト粒子を気流から分離補
集する方法である。重力の数十倍、ないし数百倍の沈降
速度を粒子に与えることができるため、優れた集塵性能
を備えている。重力式に比べ高性能であり、また、他の
集塵手段比べても比較的低コストであるが、摩耗性のダ
ストに対しては良質の材料を用いる必要がある。
または接触させ、粒子を洗浄水中に補足する方法で、一
般にスクラバーと呼ばれる。かかる手段は、多量の使用
するため、汚水処理設備が必要である。サイクロンスク
ラバー、洗浄塔及び噴霧塔は親水性ダストや各種ミスト
に対してはかなり高性能を示すが、乾燥したダストに対
しては、能力は低くなる。
により煤塵を濾過集塵する方法である。濾布には、各種
の化学繊維や天然繊維が用いられ、高温の場合はガラス
繊維等の対熱濾布を用いる。1ミクロン以下のダストに
対しても高性能を発揮するなど集塵率が高く、広く利用
されている。しかし、水分の多い場合、粘着性の粒子に
は不向きである。
ガス中に電荷を与え帯電粒子に電気的に補集する方法で
ある。高性能であるが、設備費が高い。
は、設置数が最も多いのが遠心集塵、総処理能力が最も
大きいのは電気集塵である。
集塵方法は、物理的に煤煙に含まれる煤塵(すす)を集
塵するため、集塵した煤塵は回収除去して別途処理必要
があり、窒素酸化物も同様に別途除去しなければならな
い。そのため、装置は集塵部と集塵・窒素酸化物除去部
の設備が強いられ大型化し、結局、設備費、管理費が高
価なものとなる。
ので、煤煙除去と脱硝とを同時かつ効率的に行うことが
可能であり、また将来的にも小型化が可能で、生産面、
維持管理面からも経済的な排ガス処理方法及びその装置
を新たに提供することを課題とする。
決するための手段として、第1発明は、被処理ガスを、
金属担持させたY型ゼオライト(SiO2/Al2O3=
5.6)と接触させて前記ガス中から煤塵と窒素酸化物と
を前記ゼオライトに吸着除去し、さらにこの吸着させた
煤塵を燃焼除去させることを特徴としている。ここで、
前記ゼオライトへの金属の担持は、イオン交換法により
行なう。
ガス中に含まれる煤塵と窒素酸化物とを同時除去するこ
とが可能になる。しかも、吸着させた煤塵の燃焼は、前
記被処理ガスの温度の下で行なうことができることか
ら、エネルギー効率の観点から有効な手段となる。
るゼオライトとして、β型(SiO 2/Al2O3=22)
及びZSM−5型(SiO2/Al2O3=40)などがあ
る。これらのゼオライトに金属(例えば、Pt、Co、
Pd、Mn、Ga等)を担持させて、これに被処理ガス
を接触させ、それぞれの適性温度の下で燃焼させても、
煤塵と窒素酸化物とを同時処理することが可能である。
iであることを特徴としている。前記2者の金属の他に
Co及びMnを担持させてもよい。
カラムと、前記反応カラム内に充填され、かつ前記ガス
中から煤塵と窒素酸化物とを吸着除去し、さらにこの吸
着させた煤塵を前記ガス温度の下で燃焼除去させるゼオ
ライト触媒とからなることを特徴としている。
若しくはNiを担持させたY型ゼオライト、またはこの
ゼオライトの担持体であることを特徴としている。
をできるだけ広くした構造、例えば、ゼオライト粉をハ
ニカム状、ペレット状等に成形させること、または金属
製若しくはセラミック製のフィルター、ビーズ状、ボー
ル状またはハニカム状を成したボール状担体の全面にゼ
オライトを担持させることにより構成される。ゼオライ
ト触媒の充填量は、単位触媒表面当りの被処理ガス(窒
素酸化物含有煤煙)負荷量によって定められる。
形成された場合、二つ以上に等分割させると煤塵除去効
率及び維持管理の面から有効となる(図6(a))。特
に、分割されたハニカム部材の被処理ガス通気路の長さ
が短い程有効である(図5)。
率が被処理ガス入口近傍において最も高いからである。
また、分割された一つのハニカム部材の煤塵除去・脱硝
効率が著しく低下した場合、容易に新しい部材と交換が
可能であること、さらに、煤塵・窒素酸化物負荷量に合
せて適量に触媒の量を調整することが可能であることに
よる。
ち、脱硝用触媒に用いているゼオライトにおいて、煤煙
の主成分である煤塵の燃焼除去用触媒としての有効性を
確認し、さらにこの脱硝触媒用いた除塵、脱硝機能を備
えた排ガス処理方法の検討を行なった。
種であり、粘土鉱物であるが、合成可能なものも多々あ
る。また、天然には存在しない結晶構造をもつものも合
成されている。A型、B型、β型、ZSM−5型及び後
述のY型などがよく知られている。その特性としては、
細孔を有し、分子ふるい作用、陽イオン交換機能をも
ち、吸着剤、触媒として利用されている。
は、以下の通りである。
ニカム状に形成させたものに対し、28kW級ディーゼル
発電機の排気ガスを通気させて、発電機の初期始動時の
煤塵(すす)を吸着させ、排気ガス温度の下で、この吸
着した煤塵の燃焼除去効果を観測した。
本試験に係るハニカム状ゼオライト触媒の外観図(a)
と前記ゼオライト触媒単体の外観図(b)である。ハニ
カム状ゼオライト触媒は、二つ以上のハニカム状ゼオラ
イト触媒単体から成り、図1に示されたように、反応カ
ラム11に充填される。反応カラム11は発電機(28kW)
の排気経路に備え付けられ、さらにこの11の一及び二次
側には差圧計とNOx計が設置される。
たように、65mm×65mm×130mmの直方体を成し、
このB−B断面における単位通気口一辺の長さは1.9m
mであり、その壁厚は0.5mmとなっている(1インチ平
方当り100セル、以下100cpiと略す)。また、ハニカム
状ゼオライト触媒単体の重さは、約250gである。図2
(a)に示されたように、ゼオライト触媒は4段から成
り、その1段は前記ゼオライト触媒単体4個で構成され
る。
トをハニカム状ゼオライト触媒の主原料とし、これに金
属イオンを担持させたものを用いた。尚、前記ゼオライ
トへの金属の担持は、イオン交換法により行なった。
ンを担持させたゼオライトを表1及び2に示す。
動し、そのまま無負荷で10分間運転して煤塵をハニカム
状ゼオライト触媒10に吸着させる。
で2時間発電機12を動作させ、煤塵を排気ガス温度で燃
焼させる。
をバイパス側して発電機12を停止させる。
11入口と出口で排ガス温度、動圧、静圧、NOx濃度を
測定する。試験終了後、使用したゼオライト触媒10を縦
割りにし、煤塵と燃焼状態について観察する。 3.測定機器 L型ピトー管 NOx-O2分析計(島津DTG−50) 4.試験結果 1)ゼオライト1(Mn-Y) 図3は、始動20分後のゼオライト触媒(Mn-Y)単体
への煤塵吸着状況を示している。図3に示されたよう
に、ハニカム部材(一段目、二段目、三段目)におい
て、よく煤塵が吸着されている部分は、被処理ガス入口
側から約1/3〜1/2の長さの部分であった。
1中のC−C断面)に吸着された煤塵の焼失状況を示し
ている。これは、負荷80%、排気ガス温度400℃で2時
間運転後のハニカム触媒表面上(C−C断面)の煤塵焼
失状況である。図4において、Mn-Yは左から2番目
である。尚、運転中の排ガス流量は約110m3/hであ
り、このときのハニカム状ゼオライト触媒(100cpi、13
0mm×130mm×390mm)の圧力損失は190mmH2O
(1.862kPa)であった。また、反応カラム入口のN
Ox濃度は987ppm、出口の944ppmであり脱硝率4.3%の
脱硝が観測された。
ト3(Co-Y)及びゼオライト4(Ni-Y) ゼオライト2〜4についても、前記Mn-Yと同様の要
領で測定した。ゼオライト2〜4において、始動20分後
における煤塵の吸着状況及び運転中の圧力損失、硝化脱
硝率はゼオライト1と比べ差異はなかった。
転後におけるハニカム触媒表面(C−C断面)上の煤塵
の燃失状況は、ゼオライト2〜4における差異が顕著に
表れた。特に、ゼオライト2(Cu-Y)における燃焼
活性が高く、その他にゼオライト4(Ni-Y)が比較
的良好であった。
験結果から、Mn、Cu、Co及びNiどの金属をイオ
ン担持させた触媒には、吸着した煤塵を排気ガス温度
(400℃)のもとで燃焼させる効果があることが確認で
きた。煤塵の燃失効率を考慮すると、Cu-Yが最も有
効で、その次にNi-Yが有効である。Mn-YとCo-
Yにおいても、始動20分後と比べると吸着された煤塵は
燃失傾向にあることから(図4)、滞留時間(燃焼時
間)の調整や外部からの燃焼熱の供給により前記煤塵の
除去は可能となる。
ライト触媒の各段でよく煤塵が吸着されている部分は、
被処理ガス供給側近傍(被処理ガス供給側から約1/3
〜1/2の長さの部分)であったことから、被処理ガス
の通気路の長さを短くすること、例えば図5のように、
ハニカム状ゼオライト触媒の長さを短く(45〜60mm)
して段数を増やすことによりさらに効率良くに煤塵を除
去することができるものと考えられる。
イト(Y型)を煤塵の燃焼触媒とし、これに金属を担持
させたものを被処理ガスと接触すれば、被処理ガス温度
の下で煤塵除去と脱硝とを同時に行うことができる。特
に、Cu及びNiを担持させたゼオライトは有効であ
る。
形態を図面に基づいて説明する。
トを用い、これと被処理ガスとを、被処理ガス温度のも
とで接触させて燃焼させることにより前記排ガス中に含
まれる煤塵と窒素酸化物とを同時に行なう。
(b)に示されたように、被処理ガスが供給される反応
カラム11にゼオライト触媒10が充填されることで構成さ
れ、発電機の排気経路に設置される。反応カラム11への
ゼオライト触媒10の充填量は、単位触媒表面当りの被処
理ガス(窒素酸化物含有煤煙)負荷量によって定められ
る。
のゼオライト触媒単体10aからなる。そして、ゼオライ
ト触媒単体10aは、前記試験と同様に、煤煙との接触表
面をできるだけ広くした構造、すなわちゼオライト粉を
ハニカム状に成形させることにより構成される。
体10aの通気路の長さが短いほど煤塵の吸着効率が良い
ことから、前記単体10aは立方体に近い構造を成してい
ることが望ましい(例えば、図5のように通気面一辺の
長さ65mmである場合、単体の長さLは45〜65mm)。
除去・脱硝効率が著しく低下した場合に新しい単体10a
と容易に交換が可能であること、また煤塵・窒素酸化物
負荷量に合せて任意適量に触媒の量を調整することが可
能であることから、維持管理の面からも有効となる。
カム構造の他に、ペレット状に成形させること、また
は、金属製若しくはセラミック製のフィルター、ビーズ
状、ボール状若しくはハニカム構造のボール状担体にゼ
オライトを担持させることにより構成してもよい。
したY型ゼオライトに金属(Mn、Cu、Co若しくは
Ni)を担持させたものが用いられる。前記ゼオライト
触媒は、供給される被処理ガス自体の温度で煤塵を焼失
させることができるので外部から熱を加える必要がな
い。
させたゼオライトとの接触効率が高まり、被処理ガス温
度の下で、同ガス中に含まれる煤塵を効率的に燃焼除去
させることができる。さらに、本発明に係るゼオライト
は、脱硝機能を有していることから、単一反応系の下
で、脱硝と煤塵除去とを同時に行うことができる。これ
により、反応系における被処理ガス(煤煙)の処理時間
は短縮化され、装置の単純小型化が可能となる。このこ
とから、本発明に係る排ガス処理装置は、既存の煤煙処
理装置の付帯設備として容易に設置可能となり、既存排
ガス処理設備の機能維持や機能低下対策の一助ともな
る。
の作用について説明する。
応カラム11内に移行し、ゼオライト触媒10と接触する。
カラム11内に供給された被処理ガスは、排出口17に向か
ってゼオライト触媒10の通気口(ボール状またはハニカ
ム構造ボール状のゼオライト触媒10が充填されている場
合は、その空隙)を通過する。このとき、ゼオライト触
媒10はフィルターの役目し、前記ガス中の煤塵及びNO
xを触媒10表面に吸着させる。吸着された煤塵は、供給
された被処理ガスの温度の下で焼失される。煤塵除去及
び脱硝処理されたガスは、排出口17から系外に排気さ
れ、必要とあらばさらに高度処理に供される。
排ガス処理方法及びその装置によれば、被処理ガスを、
金属担持させたY型ゼオライトに接触させ、さらにこの
被処理ガス温度の下で燃焼させれば、当該ガス中に含ま
れる煤塵を効率的に除去することができる。
硝機能を有していることから、単一反応系のもとで、脱
硝と煤塵除去とを同時に行うことができる。特に、Cu
またはNiを担持させたY型ゼオライトは、煤塵の除去
効率をさらに向上させることができる。
間は短縮化され、装置の単純化及び小型化が可能とな
り、これにより、装置としての取扱も容易となることか
ら、生産面及び維持管理面からも経済的に有効な手段と
なる。
方法及びその装置は、既存の煤煙処理装置の付帯設備と
して容易に設置することも可能となり、既存排ガス処理
設備の機能維持や機能低下対策の一助にもなる。
媒の外観図、(b)は前記ゼオライト触媒単体の外観
図。
(b)、C−C断面)への煤塵吸着状況。
吸着された煤塵の燃失状況。
図、(b)は本発明に係る排ガス処理装置。
Claims (4)
- 【請求項1】 被処理ガスを、金属担持させたY型ゼオ
ライト(SiO2/Al2O3=5.6)と接触させて前記ガ
ス中から煤塵と窒素酸化物とを前記ゼオライトに吸着除
去し、さらにこの吸着させた煤塵を燃焼除去させること
を特徴とする排ガス処理方法。 - 【請求項2】 前記担持させた金属は、Cu若しくはN
iであることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物含
有排ガス処理方法。 - 【請求項3】 被処理ガスが供給される反応カラムと、
前記反応カラム内に充填され、かつ前記ガス中から煤塵
と窒素酸化物とを吸着除去し、さらにこの吸着させた煤
塵を前記ガス温度の下で燃焼除去させるゼオライト触媒
とからなることを特徴とする排ガス処理装置。 - 【請求項4】 前記ゼオライト触媒は、Cu若しくはN
iを担持させたY型ゼオライト、またはこのゼオライト
の担持体であることを特徴とする請求項3記載の排ガス
処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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