JP2001258743A - ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディスポーザブルタイプのコーヒー、紅茶等嗜
好性飲料の抽出用バッグを使用して嗜好性飲料をドリッ
プ方式で抽出する場合、バッグの口を確実に大きく開か
せることができ、それによって抽出効果を高めると共
に、カップ上に安定して保持できるバッグに取り付けた
ホルダーの開発を目的とした。 【解決方法】ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグは濾過
性を有するシートからなる嗜好性飲料抽出用バッグ及
び、抽出用バッグを嗜好性飲料容器上に保持するための
ホルダーからなり、使用時にはホルダーの左右両端を内
側へ押しつけると紙製ホルダーの右端の折り返し部分は
内側へ開き、ホルダーに設けられた６本の折り目または
切込線外側へ折れ曲がる。ホルダー把手以外の部分は５
角形に開き、ホルダーの開口状態保持片を折り返すと開
口状態がそのまま保持される。これに伴ってホルダーの
一部が切断されて５角形の外側に張り出し、嗜好性飲料
容器の上縁を保持する構造を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はホルダー付嗜好性飲
料抽出用バッグに関するもので更に詳しく述べると、コ
ーヒーまたは紅茶等の嗜好性飲料をドリップ方式で抽出
する場合、内部に抽出用バッグを取り付けたホルダーを
５角形に開いて、嗜好性飲料用カップ等の上に安定した
状態に保持できる特徴を有するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近コーヒーをペーパーフィルターによ
るドリップ方式でいれて飲む習慣の普及につれて、抽出
時フィルターをカップ上で安定に保持するためのポルダ
ーも使用される様になった。この目的で開発されたホル
ダーも既に幾つか開示されている。

【０００３】例えば、実公平 5-13324号公報には短冊状
の厚紙を環状に接着し、重なり合う様に折り畳み、その
中側に抽出用バッグを取り付け、その両側の縁の中程に
切り込みを設けそれを内部に押し込んで、表裏の厚紙を
押し開きバッグの口を開く方法が開示されている。

【０００４】また、実公昭 60-7622号公報には、矩形の
厚紙の中央に穴を開けて抽出用バッグを取り付け、カッ
プの上で矩形の厚紙を半円状に曲げて両側の縁をカップ
に引っ掛けて使用するものである。

【０００５】更に、実公昭 57-10270 号公報に同一の大
きさの矩形状の厚紙を２重に重ね、両側の縁を折り曲げ
て断面が矩形の筒をつくり、その部分にバッグを取り付
け、その折り曲げた部分に折り返し片を設けて抽出時バ
ッグの開口状態を保持させるものである。

【０００６】これらの方式には、いずれもバッグの開口
される度合いにバラツキが出やすいことと共に、抽出し
ている間開口状態が一定に保持されない問題点があっ
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】これらの問題点にかん
がみ本発明はディスポーザブルタイプのコーヒー、紅茶
等嗜好性飲料の抽出用バッグを使用して、嗜好性飲料を
ドリップ方式で抽出する場合バッグの口を確実に大きく
開かせることができ、それによって抽出効果を高めると
共に、カップ上に安定して保持できるホルダーにバッグ
に取り付けて提供しようとするものである。特にコーヒ
ーの水出し効果に優れた抽出用バッグの開発を目的とす
るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者等はコーヒー、
紅茶等のディスポーザブルタイプの抽出用バッグをドリ
ップ方式で使用する場合、バッグの口を確実に且つ充分
に開かせることが可能なホルダーの材質と構造について
研究した。その結果やや厚めの細長い紙を折り重ねその
先端を貼り合わせて把手とし、長方形の縁に突起を設け
て開口時その部分を折り返して、開口状態を保持すると
共に、コーヒーカップ等抽出用容器の上縁を内側及び外
側から保持する突起状の切片を設け、厚紙に部分的に接
続した切込線等を設けた簡易な構造によって、ホルダー
の縁を常に一定な５角形に、またこれに伴ってバッグを
４角ないし５角形に開かせることが可能な構造を開発し
た。この様な構造によって従来のこのタイプのホルダー
よりは、簡単な構造で嗜好性飲料のカップ等の上縁に載
せた時著しく安定な状態に保持できるホルダー付嗜好性
飲料抽出用バッグを開発した。更に抽出用バッグとの接
続方法及びその材質等について検討した結果本発明に到
達した。

【０００９】すなわち、ホルダー付嗜好性飲料抽出用バ
ッグ１は濾過性を有するシートからなる嗜好性飲料抽出
用バッグ２及び、抽出用バッグを嗜好性飲料容器上に保
持するためのホルダー３からなり、抽出用バッグ２はホ
ルダー３に取り付けられている。

【００１０】ホルダー３は中心線４に対して対称に突起
及び抉りを有する長方形のシートを、中心線４で折り返
して重ね、その先端の把手５、５′の部分を貼り合わせ
た形状または、成形後の形状がこれと実質的に同一な形
状を有している。ここで、「成形後の形状がこれと実質
的に同一」とは、本発明のホルダー３は必ずしもこの様
な形状の原料シートから成形された場合のみに限定する
ものではない。成形後「中心線４に対して対称に突起及
び抉りを有する長方形のシートを、中心線４で折り返し
て重ね、その先端の把手５、５′の部分の貼り合わせ」
が完了した形状と、ホルダー３の使用時ホルダーを５角
形に開きこれに伴ってバッグを開口せしめ、コーヒーカ
ップ等嗜好性飲料容器の上縁に載せた場合、同一な形状
と作用効果を示すホルダーであればどの様な形状の原料
シートから成形されたものでも、本発明に含まれる趣旨
である。

【００１１】ホルダー３の上端６、６′の右端13には折
り返し部分が接続した開口状態保持片７、７′が設けら
れている。また、下端８、８′には嗜好性飲料容器22の
内側保持片９、９′及び10、10′、容器22の外側保持片
11、11′及び12、12′が突起状に設けられ、右端13には
抉りまたは切込線14、14′が設けられている。ここで、
右端13は長方形シートを折り返して成形した場合の中心
線４に該当し、表裏が接続されているが、容器22の外側
保持片12、12′の右端は分離されている。

【００１２】上端６に垂直に折り目または/ 及び部分的
切込線15、15′、16、16′、17、17′が設けられてい
る。ここで、折り目または/ 及び部分的切込線16、16′
の下部は一部点状の接続部分を残した切断線18、18′と
なって、容器22の外側保持片11、11′と内側保持片10、
10′との境界の下端23、23′に達している。抽出用バッ
グ２は濾過性を有するシートからなり、バッグ上部の外
側19、19′は紙製ホルダー３の上部の内側20、20′に取
り付けられている。

【００１３】ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグの使用
時は、把手把手５、５′と右端13とを左右から内側へ押
しつけると、紙製ホルダー３の右端13の折り返し部分は
内側へ開き、折り目または/ 及び部分的切込線15、1
5′、16、16′及び17、17′は外側へ折れ曲がる。ホル
ダー３の把手５、５′以外の部分は５角形に開き、ホル
ダーの開口状態保持片７、７′を折り返し線21、21′で
外側へ折り返すと、開口状態保持片７、７′が接続して
いるため、右端13で折り畳まれていた蝶番いが内側へ開
くことによって、ホルダー３の５角形に開いた形状がそ
のまま保持される。これに伴って切断線18、18′上の点
状の接続部分が切断されて、容器の外側保持片11、11′
及び12、12′がホルダー３の５角形の外側に張り出した
形状に保持される。

【００１４】抽出用バッグ２の上部は、ホルダー３の上
部内側20、20′と対向する部分19、19′がホルダー３に
取り付けられているのみで、抽出用バッグ２の上端のそ
の他の部分はホルダーに取り付けられていない。抽出用
バッグをがホルダーに取り付ける方法は特に限定しない
が、例えば超音波照射による熱融着或いは接着剤による
接着等が可能であるが、加工性の点から超音波照射によ
る熱融着法が好ましい。ホルダーの開口に伴って抽出用
バッグ２の上部も４角形ないし５角形に開口する。ホル
ダー付バッグを嗜好性飲料の容器22に載せると、ホルダ
ー３の容器の内側保持片９、９′及び10、10′、容器の
外側保持片11、11′及び12、12′の８個の突起によって
容器の上縁が内外両側から挟まれるため、ホルダー３が
安定した状態に保持される。

【００１５】ホルダー３の開口部よりバッグ２の内部に
嗜好性飲料素材23を注入し、或いは予めバッグの内部に
封入されていた嗜好性飲料素材に、ホルダー３の開口部
よりバッグにお湯または冷水を注入すると、嗜好性飲料
が抽出されバッグで濾過され容器内に滴下する様に構成
されている。

【００１６】前述のホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ
において、ホルダー３が紙製であり、右端13の抉りまた
は切込線14、14′の部分が抉り14、14′となっている。
更に抽出用バッグ２の外面が非熱融着性であり、内面が
熱融着性を有する紙または不織布24からなっているホル
ダー付嗜好性飲料抽出用バッグが好ましい。この様な構
造のホルダーを成形するためにはやや厚い紙が屈曲性及
び形状保持性の点で好ましく、また抽出用バッグにこの
様な材質を組み合わせることによって、抽出時の液切れ
が良好となる効果がある。

【００１７】この様な構成のバッグをホルダー３に取り
付ける場合、抽出用バッグ２の外面は非熱融着性のた
め、バッグ上部外側19、19′の部分を直接ホルダー３の
上部内側20、20′に熱融着させることはできない。この
ため、同じ構成の紙または不織布の短冊片25、25′の熱
融着性がある面の一部をバッグ上部の内側 26 、26′に
超音波熱融着させる。更に、熱融着させた短冊片の同じ
面のその他の部分を、紙製ホルダー３の上部内側20、2
0′に超音波で熱融着させることにより、バッグをこの
短冊片を介して紙製ホルダー３に取り付けることができ
る。或いはバッグ２の上縁を折り返して熱融着性を有す
る内面をホルダー３に熱融着して、バッグ２を紙製ホル
ダー３に取り付けることもできる。

【００１８】前記の抽出用バッグ２において、外面が非
熱融着性を有し、内面が熱融着性を有する不織布24とし
て、熱融着性不織布の内面側にポリプロピレン・メルト
ブロー繊維の不織布を積層した不織布より好ましい。メ
ルトブロー繊維は繊度 0.2デニール以下の超極細繊維か
らなっているため、コーヒー等のフィルターとして使用
すると、まろやかな味や香りを高める特有な効果がある
からである。この様な構成のバッグも前記と同様にこの
不織布の短冊片を介してバッグ２をホルダー３に取り付
けることができる。

【００１９】ここで、「把手５、５′」の様に同じ番号
に′を着けたものは、支持具を展開した形状ではそれぞ
れ右左対称の位置にある同一の構造部分を示し、中心線
４で折り返して重ね、その先端の把手５、５′の部分を
貼り合わせた形状においては、表裏の同一の構造部分を
示している。また、「折り目または/ 及び部分的切込線
15、15′」の「折り目」とはシートを特定の線で折り畳
める様にするため予め、例えば線状に溝をつけた部分を
指している。以下、本発明について詳しく説明する。

【００２０】ホルダー３の成形用材料は特に限定せず屈
曲性及び形状保持性を有するシートであれば広範囲の材
質が使用可能であり、例えば厚紙、・フラスチックシー
ト等が使用可能である。厚紙は成形性及び経済性の点で
本発明のホルダーに好ましく、また使用後廃棄物処理に
おける環境保持の観点からも望ましい。紙製ホルダーに
使用れれる紙の種類は或る程度の腰がある紙であれば特
に限定せず、広範囲な種類の紙が使用可能であり、例え
ば板紙、白ボール紙または上質紙等が使用可能である。

【００２１】本発明の抽出用バッグには濾過性を有する
材質であれば広く使用可能であるが、熱可塑性ポリマー
繊維を含む紙または不織布の片面にシリコン樹脂または
フッ素樹脂をコートした紙または不織布が好ましい。こ
のシートにおいてフッ素樹脂をコートした面は撥水性と
共に撥油性も有するため、コーヒー液等を抽出する場合
フィルターの液切が良好で目詰まりがなく繰り返し使用
が可能となる他、コーヒーに含まれその味や香りを高め
る作用がある油脂成分の透過性に優れているため、より
好ましい。フッ素樹脂の代わりにシリコン樹脂を使用す
ることも可能である。

【００２２】熱可塑性ポリマー繊維はバッグの成形及
び、バッグと紙製ホルダーを超音波シール法等によって
熱融着させるためにも好ましい。また、熱可塑性ポリマ
ー繊維としてはポリプロピレン繊維またはポリエステル
繊維がフィルターに適し、更にポリプロピレン・メルト
ブロー繊維がコーヒーの香り及び味を向上させるために
より好ましい。メルトブロー繊維の様に繊度 0.2デニー
ル以下の超極細繊維を含む不織布は、例えば、コーヒー
の苦すぎる原因となり易い抽出残渣の除去性にも優れて
いる。

【００２３】抽出用バッグの形状は特に限定しないが、
バッグの下部が方形であっても垂直方向の断面がＶ字形
になっていれば液切れが良好となるため好ましい。下端
の形状が逆円錐状になっていると更に液切れが良好とな
るためより好ましい。本発明のホルダー付抽出用バッグ
を嗜好性飲料容器、例えば、コーヒーカップの上に開い
て取り付けた後、嗜好性飲料素材23を上から注入し冷水
またはお湯をバッグ内に注入してコーヒー等を抽出して
もよい。或いは嗜好性飲料抽出用素材が予めバッグ内に
封入されていている抽出用バッグを使用して冷水または
お湯を注入して飲料を調製してもよい。

【００２４】本発明のホルダー付嗜好性飲料バッグに適
用できる嗜好性飲料は特に限定しない。コーヒー、紅
茶、煎茶、ウーロン茶、緑茶、麦茶、昆布茶等広範囲な
飲料が含まれている。これらの中、本発明のホルダー付
抽出用バッグは構造的にドリップ方式に適するためコー
ヒーの抽出用に好ましく、特に水出しコーヒーの調製用
に好ましい。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げ図面を参照し
ながら本発明を更に具体的に説明する。

【００２６】

【実施例】（実施例１）図１に本発明のホルダー付嗜好
性飲料抽出用バッグの一態様の使用前の折り畳んだ状態
の正面図を示す。図２(a) 及び(b) は図１に示した態様
の抽出用バッグの使用状態における正面図及び平面図を
示す。図３は図１に示した態様の抽出用バッグをコーヒ
ーカップに載せて使用している状態の斜視図を示す。

【００２７】ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ１は濾
過性を有するシートからなる嗜好性飲料抽出用バッグ２
及び、抽出用バッグを嗜好性飲料容器上に保持するため
の紙製ホルダー３からなり、抽出用バッグ２は紙製ホル
ダー３に取り付けられている。

【００２８】紙製ホルダー３の材料には通常予め印刷し
た白ボール紙を打ち抜いたいわゆるブランクスが使用さ
れる。ブランクスは中心線４に対して対称に突起及び抉
りを有する長方形で、これを中心線４で折り返して重ね
合わせ、その先端の把手５、５′の部分を貼り合わせ
る。中心線４に対して左右対称のシートを中心線で折り
返して重ね合わせたため、表裏２枚のシートは正面図で
は重なって同形となっている。ブランクスの中心線４は
折り畳んだ状態を示す図１において、ホルダーの右端13
となる。

【００２９】紙製ホルダー３の上端６、６′の右端13に
は折り返し部分が接続している開口状態保持片７、７′
が突起状に設けられ、紙製ホルダーの下端８、８′には
嗜好性飲料容器22の縁、例えばコーヒーカップの縁をカ
ップの内側から保持するための内側保持片９、９′及び
10、10′、容器22の縁をカップの外側から保持するため
の外側保持片11、11′及び12、12′が突起状に設けられ
ている。ここで、右端13では長方形の紙製シートの表裏
が接続されているが、容器22の外側保持片12、12′の右
端は分離されている。また、右端13には抉り14、14′が
設けられている。この部分は抉りの代わりに切込線を設
けたのみでもよく、機能的にはほぼ同等である

【００３０】図１において紙製ホルダー３の上端６に垂
直に、折り目及び部分的切込線15、15′、16、16′、1
7、17′が設けられ、折り目及び部分的切込線16、16′
の下部は一部点状の接続部分を残した切断線18、18′と
なって、容器22の外側保持片11、11′と内側保持片10、
10′との境界の下端23、23′に達している。図１におい
て切込線は実線で折り目は破線で示した。これらの折り
目及び部分的切込線は紙製ホルダーに外力がかかると、
折り目及び切込線の部分が容易に外力の方向に曲がる様
につくられている。

【００３１】折り目及び部分的切込線16、16′の下部は
一部点状の接続部分を残した切断線18、18′となって、
容器22の外側保持片11、11′と内側保持片10、10′との
境界の下端23、23′に達している。切断線18、18′には
一部点状の接続部分が残されているのみであるから、外
力がかかると切断線の部分は容易に紙製ホルダー３の本
体から分離する様につくられている。切断線18、18′の
形状は特に限定しないが、図２(a) に示す様な弧状の形
状が容器22の外側保持片11、11′の機能的に好ましい。

【００３２】抽出用バッグ２は濾過性が高いポリプロピ
レン繊維の不織布でつくられた、断面がＶ字状のバッグ
である。バッグは前記の不織布を矩形に裁断した２枚の
シートを重ね合わせ左右及び底辺の縁を超音波ヒートシ
ール27、27′して形成されている。また、バッグの上側
の縁となる部分の外側19、19′が、紙製ホルダー３の上
部の内側20、20′に熱融着されている。

【００３３】ホルダー付バッグを使用する時は、把手
５、５′と右端13とを左右から内側へ押しつけると紙製
ホルダー３の右端13の折り返し部分は内側へ開き、折り
目及び部分的切込線15、15′、16、16′及び17、17′は
外側へ折れ曲がる。ホルダー３の把手５、５′以外の部
分は５角形に開き、ホルダーの開口状態保持片７、７′
を折り返し線21、21′で外側へ折り返すと、開口状態保
持片７、７′が接続しているため、ホルダーの右端13で
折り畳まれていた蝶番いが開かれて、ホルダー３は５角
形に開かれた形状に保持される。それに伴って切断線1
8、18′上の点状の接続部分が切断されて、容器の外側
保持片11、11′及び12、12′がホルダー３の５角形の外
側に張り出した形状に保持される。

【００３４】抽出用バッグ２の上部はホルダー３の上部
内側20、20′と対向する部分19、19′がホルダー３に接
着されているのみで、抽出用バッグ２の上縁のその他の
部分はホルダーに接着されていない。このためホルダー
の開口に伴って抽出用バッグ２の上部も４角形ないし５
角形に開口する。ホルダー付バッグを嗜好性飲料の容器
22に載せると、ホルダー３の容器の内側保持片９、９′
及び10、10′、容器の外側保持片11、11′及び12、12′
の８個の突起によって容器の上縁は内外両側から挟まれ
た状態となるため、ホルダー３は極めて安定した状態に
保持される。

【００３５】更に把手５、５′の下端に容器の縁を保持
するための抉り或いは、把手５、５′の下端に突起９、
９′と共に容器の縁を両側から挟む位置に新たな一対の
突起を設ければ、ホルダーをより安定な状態に保持する
ことができる。或いは、ホルダーの上端６、６′に各１
ケ半円状の抉り部分を正面図において互い違いの位置に
設ければ、使用時この部分に爪をかけることによりホル
ダーの開口を一層容易にすることができる。

【００３６】ホルダー３の開口部よりバッグ２の内部に
嗜好性飲料素材23を注入し、或いは予めバッグの内部に
封入されていた嗜好性飲料素材に、ホルダー３の開口部
よりお湯または冷水を注入すると嗜好性飲料が抽出さ
れ、バッグで濾過されて容器内に滴下する。本発明のホ
ルダー付嗜好性飲料抽出用バッグは板紙等を使用した簡
易な構造にも拘わらず、カップ等嗜好性飲料容器に載せ
た場合極めて安定した状態に保持できる点で優れてお
り、常に品質が高く均一な嗜好性飲料の抽出ができる特
徴がある。使用後はバッグの把手５、５′を摘んで捨て
ると手を汚すおそれがない。

【００３７】（実施例２）実施例１のホルダー付嗜好性
飲料抽出用バッグにおいて、抽出用バッグ２の原料不織
布として薄いポリエステル繊維不織布と、繊度 0.15 デ
ニールのポリプロピレン・メルトブロー繊維不織布の積
層シートで、更にポリエステル繊維不織布の表面がフッ
素樹脂コートされている複合シートを使用した。この複
合シートのポリエステル繊維不織布側28、28′は非熱融
着性であるが、ポリプロピレン・メルトブロー繊維不織
布側29、29′は熱融着性を有するため、超音波ヒートシ
ール等による高速成形加工が可能である。ここで、フッ
素樹脂コートの代わりにシリコン樹脂コートを使用する
こともできる。

【００３８】バッグは前記の不織布を矩形に裁断した２
枚のシートの、熱融着性を有するポリプロピレン・メル
トブロー繊維不織布面を内側に向き合わせて重ね、左右
及び底辺の縁を超音波ヒートシールしてバッグを成形す
る。次に、バッグの上側の縁の内側に、同じ構成の不織
布シートの短冊片25、25′の熱融着性がある面の一部を
超音波熱融着させる。更に、熱融着させた短冊片の同じ
面のその他の部分を紙製ホルダー３の上部内側20、20′
に超音波熱融着させることにより、バッグを紙製ホルダ
ー３に取り付ける。

【００３９】図１(a) において、前記の複合シートから
なる抽出用バッグ２を、短冊片25、25′を介して紙製ホ
ルダー３に取り付けた時の抽出用バッグの構造を示すた
め、図１(a) A-A 線における断面図を図４に示す。図に
示す様な接合構造によって短冊片25、25′を介して抽出
用バッグを紙製ホルダー３に熱融着すれば、片面がフッ
素樹脂コート或いはシリコン樹脂コートされた複合シー
トでも容易に超音波シールにより高速加工が可能とな
る。

【００４０】ホルダー３の開口部よりバッグ２の内部に
嗜好性飲料素材23を注入し、或いは予めバッグの内部に
封入されていた嗜好性飲料素材に、ホルダー３の開口部
よりバッグにお湯または冷水を注入すると、嗜好性飲料
が抽出されバッグで濾過されて容器内に滴下する。本態
様のホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグは板紙等を使用
した簡易な構造にも拘わらず、カップ等嗜好性飲料容器
に載せた場合抽出用バッグを極めて安定した状態に保持
でき、常に均一なコーヒー等が得られる特徴がある。更
に、バッグの外側がフッ素樹脂でコートされているた
め、撥水性及び撥油性を有するため水切れがよく目詰ま
りがないため、繰り返し使用できる。また、抽出して得
られたコーヒー等の味や香りも優れている。

【００４１】

【発明の効果】本発明のホルダー付嗜好性飲料抽出用バ
ッグは板紙等を使用した簡易な構造にも拘わらず、ホル
ダーの口を大きく且つ安定した５角形に開口させること
が可能である。また、カップ等嗜好性飲料容器に載せた
場合抽出用バッグを極めて安定した状態に保持できる点
で優れ、常に均質な嗜好性飲料の抽出ができる特徴があ
る。更に、抽出用バッグとして外側が非熱融着性のシー
ト使用した場合にも、本発明の接合構造によって短冊片
を介してバッグを紙製ホルダー３に熱融着すれば、容易
に超音波シールによる高速加工が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグの
一態様の使用前の折り畳んだ状態の正面図を示す。

【図２】図(a) 及び(b) はそれぞれ図１に示した態様の
抽出用バッグの使用状態における正面図及び平面図を示
す。

【図３】図１に示した態様の抽出用バッグをコーヒーカ
ップに載せて使用する状態の斜視図を示す。

【図４】実施例２の抽出用バッグとホルダーとの結合部
分の断面構造をを示すため、図２(a) の A-A′線に相当
する面の断面図を示す。

【符号の説明】

１ ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ ２ 嗜好性飲料抽出用バッグ ３ 紙製ホルダー ４ 中心線 ５、５′把手 ６、６′ホルダーの上端 ７、７′ホルダーの開口状態保持片 ８、８′ホルダーの下端 ９、９′、10、10′容器22の内側保持片 11、11′、12、12′容器22の外側保持片 13 ホルダー右端 14、14′抉りまたは切れ込み 15、15′、16、16′、17、17′折り目または/ 及び部分
的切込線 18、18′一部点状の接続部分を残した切断線 23、23′外側保持片11、11′と内側保持片10、10′との
境界の下端 19、19′バッグ上部の外側 20、20′ホルダー３の上部の内側 21、21′折返し線 22 嗜好性飲料容器 23 嗜好性飲料素材 24 不織布 25、25′不織布24からなる短冊片 26、26′バッグ上部の内側 27 バッグのシール部分 28、28′非熱融着性シート 29、29′熱融着性シート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ１は濾
   過性を有するシートからなる嗜好性飲料抽出用バッグ２
   及び、抽出用バッグを嗜好性飲料容器上に保持するため
   のホルダー３からなり、抽出用バッグ２がホルダー３に
   取り付けられているホルダー付バッグにおいて、ホルダ
   ー３は中心線４に対して対称に突起及び抉りを有する長
   方形のシートを、中心線４で折り返して重ね、その先端
   の把手５、５′の部分を貼り合わせた形状または、成形
   された形状がこれと実質的に同一な形状を有し、上端
   ６、６′には折り返し部分が接続したホルダーの開口状
   態保持片７、７′が、下端８、８′には嗜好性飲料容器
   22の内側保持片９、９′及び10、10′、容器22の外側保
   持片11、11′及び12、12′が突起状に設けられ、右端13
   には抉りまたは切込線14、14′が設けられ、上端６に垂
   直に折り目または/ 及び部分的切込線15、15′、16、1
   6′、17、17′が設けられ、折り目または/ 及び部分的
   切込線16、16′の下部は一部点状の接続部分を残した切
   込線18、18′となって、容器22の外側保持片11、11′と
   内側保持片10、10′との境界の下端23、23′に達し、抽
   出用バッグ２は濾過性を有するシートからなり、バッグ
   上部の外側19、19′は紙製ホルダー３の上部の内側20、
   20′に取り付けられ、ホルダー付バッグの使用時は、把
   手把手５、５′と右端13とを左右から内側へ押しつける
   と、紙製ホルダー３の右端13の折り返し部分は内側へ開
   き、折り目または/ 及び部分的切込線切込線15、15′、
   16、16′及び17、17′は内側へ折れ曲がり、ホルダー３
   の把手５、５′以外の部分は５角形に開き、ホルダーの
   開口状態保持片７、７′を折り返し線21、21′で外側へ
   折り返すことによって、ホルダー３の５角形に開いた形
   状が保持され、また、切断線18、18′が分離して容器の
   外側保持片11、11′及び12、12′がホルダー３の５角形
   の外側に張り出した形状に保持される、これに伴って抽
   出用バッグ２の上部も４角形ないし５角形に開口し、ホ
   ルダー付バッグを嗜好性飲料容器22に載せるとホルダー
   ３の容器の内側保持片９、９′及び10、10′、容器の外
   側保持片11、11′及び12、12′の８個の突起によって嗜
   好性飲料容器の上縁は内外両側から安定に保持され、バ
   ッグの開口部よりその内部の嗜好性飲料素材23に冷水ま
   たはお湯を注入することによって、容器内に嗜好性飲料
   が抽出される様に構成せしめてなるホルダー付嗜好性飲
   料抽出用バッグ。
2. 【請求項２】ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ１は濾
   過性を有するシートからなる嗜好性飲料抽出用バッグ２
   及び、抽出用バッグを嗜好性飲料容器上に保持するため
   の紙製ホルダー３からなり、抽出用バッグ２が紙製ホル
   ダー３に取り付けられているホルダー付バッグにおい
   て、紙製ホルダー３は中心線４に対して対称に突起及び
   抉りを有する長方形の紙製シートを、中心線４で折り返
   して重ね、その先端の把手５、５′の部分を貼り合わせ
   た形状を有し、上端６、６′には折り返し部分が接続し
   た紙製ホルダーの開口状態保持片７、７′が、下端８、
   ８′には嗜好性飲料容器22の内側保持片９、９′及び1
   0、10′、容器22の外側保持片11、11′及び12、12′が
   突起状に設けられ、右端13には抉り14、14′が設けら
   れ、上端６に垂直に折り目または/ 及び部分的切込線1
   5、15′、16、16′、17、17′が設けられ、折り目また
   は/ 及び部分的切込線16、16′の下部は一部点状の接続
   部分を残した弧状の切断線18、18′となって、容器22の
   外側保持片11、11′と内側保持片10、10′との境界の下
   端23、23′に達し、抽出用バッグ２は外面が非熱融着性
   を有し、内面が熱融着性を有する紙または不織布24から
   なり、紙または不織布24からなる短冊片25、25′の熱融
   着性を有する面をバッグ上部の内側13、13′及び、紙製
   ホルダー３の上部内側20、20′に熱融着することによ
   り、短冊片25、25′を介してバッグ２を紙製ホルダー３
   に取り付けて保持し、ホルダー付嗜好性飲料抽出用バッ
   グの使用時は、把手把手５、５′と右端13とを左右から
   内側へ押しつけると、紙製ホルダー３の右端13の折り返
   し部分は内側へ開き、折り目または/ 及び部分的切込線
   15、15′、16、16′及び17、17′は外側へ折れ曲がり、
   ホルダー３の把手５、５′以外の部分は５角形に開き、
   ホルダーの開口状態保持片７、７′を折り返し線21、2
   1′で外側へ折り返すことによって、ホルダー３の５角
   形に開いた形状が保持され、また、弧状の切断線18、1
   8′が分離して容器の外側保持片11、11′及び12、12′
   がホルダー３の５角形の外側に張り出した形状に保持さ
   れる、これに伴って抽出用バッグ２の上部も４角形ない
   し５角形に開口し、ホルダー付バッグを嗜好性飲料容器
   22に載せるとホルダー３の容器の内側保持片９、９′及
   び10、10′、容器の外側保持片11、11′及び12、12′の
   ８個の突起によって嗜好性飲料容器の上縁は内外両側か
   ら安定に保持され、バッグの開口部よりその内部の嗜好
   性飲料素材23に冷水またはお湯を注入することによっ
   て、容器内に嗜好性飲料が抽出される様に構成せしめて
   なるホルダー付嗜好性飲料抽出用バッグ。
3. 【請求項３】外面が非熱融着性を有し、内面が熱融着性
   を有する紙または不織布24からなる抽出用バッグ２が、
   非熱融着性の紙または不織布の内面側にポリプロピレン
   ・メルトブロー繊維の不織布を積層して形成せしめたシ
   ートからなるバッグである、請求項２記載のホルダー付
   嗜好性飲料抽出用バッグ。