JP4531544B2 - ドリッパー - Google Patents

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本発明は、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物を漉す時に使用する使い捨てタイプのドリッパーに関する。
従来から、レギュラーコーヒー、紅茶、緑茶等を愛飲する際に、缶や瓶あるいは包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物を漉すために、漉し器の準備や洗浄等の手間が不要であって、使い勝手がよいといった理由から、使い捨てタイプのドリッパーが市販されている。
この種のドリッパーは、いずれも折り畳み可能な紙製の器板の内部に漏斗状フィルターを取り付けた構成からなるものであって、折り畳まれた紙製の器板を起立させると共に、折り畳まれた紙製の器板に設けられた突片あるいは切込や切欠部を利用してカップ壁面にドリッパーを載置固定して、缶や瓶あるいは包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物を漏斗状フィルター内に充填し、熱湯を漏斗状フィルター内に注湯することにより、カップ内にレギュラーコーヒーや紅茶、緑茶等を得ることができるようになっている。この種の使い捨てタイプのドリッパーは、漉し器の準備や洗浄等の手間が不要であり、また、使い勝手が良いなどの理由から独身者や単身赴任者などの使用者に好んで用いられている。
そこで、本発明者等は、先に、簡単に起立させてカップに安定した状態で載置固定して濾過することができるドリッパーを提案した(たとえば、特許文献1参照)。このドリッパーは、特許文献1の第8図に示されているようにカップ壁面上に載置固定し、レギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物が収容された漏斗状フィルター内に熱湯を注湯することにより、カップ内にレギュラーコーヒーを得るものであるが、熱湯を漏斗状フィルター内に注湯する際、あるいは、注湯中において、熱湯の注ぎ方によってはドリッパーが両折曲部を結ぶ方向に直交する方向に転倒する虞が危惧されるために、この危惧の解決を図ることにした。
特開2004−130104号公報
そこで本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ドリッパーに注湯する際に、転倒する危惧がなく、安心して注湯することができて所望の飲料を得ることができるドリッパーを提供することである。
本発明者等は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、両側端に折曲部を有する略矩形状の筒状紙体と、濾過機能を有する袋体とからなり、前記筒状紙体は前記両折曲部に折込部と、一方の開口縁の略中央部に対向する一対の中央係合突片および両側端部に側端係合突片とを備え、前記袋体は開口縁の略中央部に対向する一対の突出片を備え、前記筒状紙体に前記袋体を挿入して前記袋体の前記突出片を前記筒状紙体の他方の開口縁の略中央部で外側に折り曲げて前記筒状紙体の外面で貼着したドリッパーにおいて、前記一対の中央係合突片に前記一方の開口縁側に凸状となる略コの字状切目が設けられると共に、前記略コの字状切目の両端部が前記一対の中央係合突片のそれぞれの両側に位置する2つの切欠部の上端縁を結ぶ線に対して同じ位置か、ないしは、前記他方の開口縁側に位置するように設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のドリッパーにおいて、前記略コの字状切目の対向する位置にある切目に連接して前記両側端側に切抜き部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1、2のいずれかに記載のドリッパーにおいて、前記略コの字状切目にその両端部を繋ぐ折罫が設けられていることを特徴とするものである。
本発明のドリッパーは、中央係合突片に略コの字状切目を設けたことにより、中央係合突片を略コの字状切目で囲まれた領域とこれ以外の領域とに分割することができるために、略コの字状切目にカップ壁面を挟み込むことができ、これにより注湯時に転倒する虞の殆どないドリッパーとすることができる。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
図1は本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す透視平面図、図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図、図3は本発明にかかるドリッパーに用いる袋体の一実施例を示す図、図4は本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す透視平面図、図5は図4の図2に対応する展開図、図6は本発明にかかるドリッパーのさらに他の実施例を示す透視平面図、図7は図4に示すドリッパーの使用方法を説明する図であり、図中の1,1’,1”はドリッパー、2,200は筒状紙体、2’,200’は筒状紙体のブランク板、3は袋体、20,20’は切抜き部、21,21’は折込部、22,22’は突出フラップ、23,23’,230,230’は中央係合突片、24は側端係合突片、25は略コの字状切目、26,27,263,273,250は折罫、28は切欠部、29,29’は略矩形状切抜き部、30は突出片、32は熱接着部、33は折部、210は前面板、220は背面主板、220’は背面補助板、261,271は略コの字状切線、262,272は略半円状の切欠部、264,274は円形状の切欠部、265,275は切線、αは筒状紙体の重ね部、βは折曲部、A,Bは領域をそれぞれ示す。
以下に説明する実施形態においては、特許請求の範囲に記載した筒状紙体の開口縁の一方と他方を便宜上、入れ替えて説明している。
図1は本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す透視平面図であって、ドリッパー1は両側端に折曲部βを有し、重ね部α(図1上、網点で示した箇所)で接着した両側端の前記折曲部βの略中央部に折込部21,21’と、一方の開口縁の略中央部に対向する一対の突出フラップ22,22’(図示せず)と、他方の開口縁の略中央部に対向する一対の中央係合突片23,23’(図示せず)および両側端部に側端係合突片24とを備えた略矩形状の筒状紙体2に、濾過機能を有する底辺側(図1上の上側)が開口した略逆台形状の袋体3を挿入し、前記袋体3の開口縁の略中央部に設けた一対の突出片30を前記筒状紙体2の前記突出フラップ22,22’(図示せず)に当接させて外側に折り曲げて前記筒状紙体2の外面に貼着したものであって、前記筒状紙体2の前記一対の中央係合突片23,23’(図示せず)には前記他方の開口縁側に凸状となる略コの字状切目25が設けられ、この略コの字状切目25により前記中央係合突片23,23’(図示せず)を前記略コの字状切目24で囲まれた領域Aと該領域Aの外側を構成する領域Bとに区分している。また、前記筒状紙体2の対向する面に、ドリップした際のカップ内に流下する抽出液の液面を確認することができるように切抜き部20,20’(図示せず)が設けられている。
次に、本発明のドリッパー1を構成する筒状紙体2と濾過機能を有する袋体3について説明する。最初に筒状紙体2について説明する。図2は図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図であって、筒状紙体2は背面補助板220’、前面板210、背面主板220が折罫26,27を介して順次連接し、前記前面板210の中央部および前記背面主板220の略中央部に略逆台形状の切抜き部20’,20が形成されている。そして、前記折罫26,27と直交する上端縁(図2上、上側端縁)の前記前面板210の中央部および前記背面主板220の略中央部に突出したアール状の両肩部を有する突出フラップ22’,22が形成され、前記折罫26,27と直交する下端縁の前記前面板210の中央部および前記背面主板220の略中央部に突出した中央係合突片23’,23と前記折罫26,27と直交する下端縁(図2上、下側端縁)に前記折罫26、27の延長線に対してそれぞれ線対称に突出した側縁係合突片24が形成され(この中央係合突片23’,23と側端係合突片24により必然的に切欠部28が形成され)、さらに前記中央係合突片23’,23に下端縁(図2上、下側端縁)側に凸状となる略コの字状切目25が形成され、さらに前記折罫26,27のそれぞれの略中央部に前記折罫26,27に対して線対称となる略コの字状切線261,271が形成され、前記切線261,271に連接して上端縁側に前記折罫26、27に対して線対称となるように略半円状の切欠部262,272が形成され、かつ、前記切線261,271のそれぞれの両端部から下端縁側に延びて前記折罫26,27にそれぞれ交わる前記折罫26,27に対して線対称な折罫263,263および273,273が形成されると共に前記折罫26と前記折罫263,263の交点(図示せず)および前記折罫27と前記折罫273,273の交点(図示せず)をそれぞれ中心とする円形状の切欠部264,274が形成され、さらに前記折罫263,263および前記折罫273,273に前記切欠部264,274から一定距離延びる切線265,275が形成されたブランク板2’から構成され、該ブランク板2’を最初に前記前面板210上に前記背面主板220を前記折罫27で山折りして折り重ね、次に前記背面主板220上に前記背面補助板220’を前記折罫26で山折りして折り重ねると共に前記背面主板220と前記背面補助板220’との重ね部α(図1参照)を接着剤等により接着することにより筒状紙体2を得ることができる。前記ブランク板2’は周知の打抜機で容易に製造することができる。
また、図2から明らかなように、図1に示した折込部21は前記折込部21は前記切線261と前記略半円状の切欠部262と前記切線265を一部に有する前記折罫263、263と前記円形状の切欠部264および前記切線261と前記円形状の切欠部264との間の前記折罫26で形成されるように構成されると共に前記折込部21’は前記切線271と前記略半円状の切欠部272と前記切線275を一部に有する前記折罫273、273と前記円形状の切欠部274および前記切線271と前記円形状の切欠部274との間の前記折罫27で形成されるように構成されている。前記筒状紙体2を形成する材料としては、たとえば、200〜340g/m2の耐水カード紙、アイボリー紙などの厚紙が適当である。
次に、袋体3について説明する。
本発明に用いる袋体3としては、濾過機能を有する素材であれば特に限定するものではなく、袋体とする際の加工性を考慮すると素材そのもの自体が熱接着性を有するもの、あるいは、最内層が熱接着性を有するものが好ましい。たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系ないしエステル系等の透水性を有する不織布、あるいは、最内層にポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系ないしエステル系等の熱可塑性樹脂を含有している層を有する2ないし3層構成からなる濾紙等を例示することができる。
前記袋体3の製造方法としては、熱接着性を有するロール状の長尺シート、たとえば、最内層に変性ポリプロピレンを含有している3層構成からなる濾紙を長手方向と平行に2つ折りして折部33を形成するなり、あるいは、前記折部33をW折り(ガセット折り)するなりして重ね合わせ、所定箇所を熱接着して熱接着部32となる箇所を形成し、その後に断裁、および/ないし、打抜きすることにより製造することができる。図3は本発明にかかるドリッパーに用いる袋体の一実施例を示す図であって、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のX−X線断面図である。この袋体3は折部33がW折り(ガセット折り)に形成されたものであって、折部33が2つ折りに形成されたもの(図示せず)と比べて、レギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物の収容量を多くすることができると共に袋体3内に熱湯等を注ぐと袋体3の底部が完全に開くために効率よく抽出液を得ることができる。
前記筒状紙体2への前記袋体3の組付けは、前記筒状紙体2に前記袋体3を挿入して前記袋体3の開口縁の略中央部に設けた一対の突出片30を前記筒状紙体2の一方の開口縁の略中央部に設けた対向する一対の突出フラップ22、22’に当接させて外側に折り曲げて前記筒状紙体2の外面に貼着することにより図1に示すドリッパー1とすることができる。
なお、前記袋体3の突出片30を前記筒状紙体2に貼着する個所は、図1においての前記筒状紙体2の一方の開口縁側(図1上の上縁側)の略中央部とすることが望ましく、これは使用時に前記筒状紙体2を筒状に起立させた際に、前記筒状紙体2の上縁側で前記袋体3の前記突出片30が貼着されていることで、前記袋体3の両側面が持ち上がり、前記袋体3の大きく確実な開口が保証され、注湯や抽出に適するためである。なお、前記筒状紙体2と前記袋体3の前記突出片30との貼着は、ホットメルト型、溶剤型、水性型、反応型、感圧型等の接着剤から適宜選択して用いることができる。また、前記ブランク板2’の前記背面主板220と前記背面補助板220’との重ね部α(図1参照)を接着する接着剤についても同様に上記した接着剤から適宜選択して用いることができる。
図4は本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す透視平面図、図5は図4の図2に対応する展開図であって、ドリッパー1’は図1に示したドリッパー1の前記筒状紙体2に設けた前記中央係合突片23,23’が幅広に構成された中央係合突片230,230’からなり、前記中央係合突片230,230’に他方の開口縁側に凸状となる略コの字状切目25を設けると共に、前記略コの字状切目25の対向する位置にある符号25’で示す切目に連接して両側端側に略矩形状切抜き部29,29’を設けた筒状紙体200およびこのブランク板200’からなり、これ以外はドリッパー1と同じである。このように構成することにより、後述するようにカップ壁面に一層確実に載置固定することができ、注湯時にドリッパーの転倒をより確実に防止することができる。なお、図5は図2と同じ構成であるために細部の符号は省略して要部のみ符号を記載して示した。
図6は本発明にかかるドリッパーのさらに他の実施例を示す透視平面図であって、ドリッパー1”は図1に示したドリッパー1の前記筒状紙体2の前記中央係合突片23、23’に設けた前記略コの字状切目25のそれぞれにその両端部を繋ぐ折罫250を設けたものであって、これ以外はドリッパー1と同じである。
なお、ドリッパー1、1’、1”において、前記切抜き部20、20’はドリップした際のカップ内に流下する抽出液の液面を確認することができるように設けたものであるが、必要不可欠なものではないし、また、前記切線265,275は前記折込部21,21’を折込み易くする手段として設けるものであり、必要不可欠なものではない。
次に、今まで説明してきた本発明のドリッパー1、1’、1”において、前記切抜き部20、20’はドリッパー1’を用いて使用方法を説明する。まず、前記筒状紙体200の折曲部βに設けた折込部21、21’を前記筒状紙体200の内側に手指で折込んで前記筒状紙体200を筒状に開口し、次に前記筒状紙体200の中央係合突片230、230’の領域Aと領域Bとを領域Bが外側となるように開いて後に、この領域Aと領域Bとの間にカップ壁面を挿入してカップ壁面上にドリッパー1’を図に示すように載置固定する。次に、袋体3内に開口部から適量のレギュラーコーヒー粉、紅茶や緑茶の葉等の被抽出成分を有する内容物(図示せず)をスプーン等で投入し、その後に袋体3の開口部から適当量の熱湯等を注ぐことにより、カップ内に所望の抽出液を流下させ、この抽出液を喫飲するものである。
なお、ドリッパー1”の使用方法はドリッパー1’と同じであるが、図示はしないがドリッパー1”の使用方法としては前記筒状紙体2の中央係合突片23,23’の領域Aと領域Bとを領域Aが外側となるように開いて領域Aを折罫250で外側に折り、領域Bがカップ内に位置するようにカップ壁面上にドリッパー1”を載置固定するように構成されているものである。このようにすることによってもドリッパー1”を注湯時において転倒することを防止することができるものである。
本発明にかかるドリッパーの一実施例を示す透視平面図である。 図1に示すドリッパーに用いる筒状紙体の展開図である。 本発明にかかるドリッパーに用いる袋体の一実施例を示す図である。 本発明にかかるドリッパーの他の実施例を示す透視平面図である。 図4の図2に対応する展開図である。 本発明にかかるドリッパーのさらに他の実施例を示す透視平面図である。 図4に示すドリッパーの使用方法を説明する図である。
符号の説明
1,1’,1” ドリッパー
2,200 筒状紙体
2’,200’ 筒状紙体のブランク板
3 袋体
20,20’ 切抜き部
21,21’ 折込部
22,22’ 突出フラップ
23,23’,230,230’ 中央係合突片
24 側端係合突片
25 略コの字状切目
26,27,250,263,273 折罫
28 切欠部
29,29’ 略矩形状切抜き部
30 突出片
32 熱接着部
33 折部
210 前面板
220 背面主板
220’ 背面補助板
261,271 略コの字状切線
262,272 略半円状の切欠部
264,274 円形状の切欠部
265,275 切線
α 筒状紙体の重ね部
β 折曲部
A,B 領域

Claims (3)

  1. 両側端に折曲部を有する略矩形状の筒状紙体と、濾過機能を有する袋体とからなり、前記筒状紙体は前記両折曲部に折込部と、一方の開口縁の略中央部に対向する一対の中央係合突片および両側端部に側端係合突片とを備え、前記袋体は開口縁の略中央部に対向する一対の突出片を備え、前記筒状紙体に前記袋体を挿入して前記袋体の前記突出片を前記筒状紙体の他方の開口縁の略中央部で外側に折り曲げて前記筒状紙体の外面で貼着したドリッパーにおいて、前記一対の中央係合突片に前記一方の開口縁側に凸状となる略コの字状切目が設けられると共に、前記略コの字状切目の両端部が前記一対の中央係合突片のそれぞれの両側に位置する2つの切欠部の上端縁を結ぶ線に対して同じ位置か、ないしは、前記他方の開口縁側に位置するように設けられていることを特徴とするドリッパー。
  2. 前記略コの字状切目の対向する位置にある切目に連接して前記両側端側に切抜き部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のドリッパー。
  3. 前記略コの字状切目にその両端部を繋ぐ折罫が設けられていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のドリッパー。
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