JP4108855B2 - ドリッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等を漉す時に使用するドリッパーに関するものであり、さらに詳しくは、簡単に起立して使用することができ、かつ、カップに安定した状態で載置固定できると共に使い捨てタイプのドリッパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から缶、瓶、あるいは、包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等を愛飲するに際して、漉し器の準備や洗浄等の手間が不要で、使い勝手もよいといったことから、使い捨てタイプのドリッパーが開発され、たとえば、実公平2−23206号公報、実公平3−31238号公報に開示されているものなどがある。いずれのものも、折り畳み可能な紙製の器板の内部に漏斗状フィルターを取り付けて構成したドリッパーであって、折り畳まれた紙製の器板を起立させると共に、折り畳まれた紙製の器板に設けられた凸起あるいは切込や切欠部を利用してカップ壁面にドリッパーを載置固定し、缶、瓶、あるいは、包装袋に収納されたレギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等を漏斗状フィルター内に充填すると共に、この状態で熱湯を漏斗状フィルター内に注ぐことにより、カップ内にレギュラーコーヒーや紅茶、緑茶等を得ることができるようになっている。
【0003】
しかし、上記開示されたものは、いずれも断面が3角形をした筒状形状であって、実公平3−31238号公報に開示されたものは、断面が3角形の一辺を形成する壁面がない形態であって、半折部上部の突起部にフィルター側に折込む折込部を設けることにより、起立させたドリッパーをすぼむことなくカップ壁面に載置固定可能にしたものであり、この折込部を設けたことにより、起立させたドリッパーが自然にすぼむことを防止でき、熱湯等を注ぐ開口部が確保できる点で一応の効果を得ることができるものであるが、元々開口部が小さいために、熱湯を注ぐ際には注意を払わねばならないことと、熱湯を注ぐにつれて熱湯の重量により開口部がさらに小さくなり、ますます細心の注意を必要とするといった問題がある。
【0004】
また一方、実公平2−23206号公報に開示されたものは、折り畳まれた紙製の器板を起立させることにより、3つの壁面を有する断面が3角形をした筒状形状のドリッパーとするものであり、3つの壁面のうちで1つの壁面に設けられた縦折曲線により折り畳みが可能になっているものである。そのために、折り畳まれた紙製の器板を起立させても、縦折曲線を有する壁面は、該縦折曲線の折り癖のために、すぼむ力が働く。これを防止するために縦折曲線を有する壁面に起立支持片を折り曲げ自在に穿設し、折り畳まれた紙製の器板を起立させてドリッパーとするときに、この起立支持片を縦折曲線を有する壁面の外側に折り曲げることで前記すぼむ力を制御するものであり、実公平3−31238号公報に開示されたものと比較すると、起立させたドリッパーをより安定した状態でカップ壁面に載置固定可能にしたものである。しかし、前記起立支持片はフリーの状態であり、取り扱い方によっては元の状態にもどり、折り畳まれた紙製の器板を起立させて設けた開口部がすぼむ場合があり、これについても熱湯を注ぐ際には注意を払わねばならないといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、折り畳みが可能で使用時に簡単に起立させることができるドリッパーであって、起立させたドリッパーを安定した状態でカップ壁面に載置固定することができると共に、特にカップ壁面に載置固定後は、起立させて設けた開口部がすぼむことがなく、安心して使用することができる使い捨てタイプのドリッパーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明のドリッパーは、前面板、背面板、および両側面板からなり上下方向が開放された断面が矩形をなす筒状体の前記前面板および背面板の内面に一方に開口部を有する袋状のフィルターが上側に前記開口部を有するように固定されて収納され、前記筒状体の前記両側面板のそれぞれの上縁に固定板の一方の端縁がそれぞれ折り曲げ自在に連接すると共に、前記両側面板および前記固定板にはそれぞれを垂直に2等分する位置に上下方向全長に亘って折罫が設けられ、かつ、前記固定板がそれぞれ前記筒状体の前記両側面板の外側面に沿うように折り曲げられるドリッパーであって、前記固定板の他方の端縁にそれぞれ切欠部が設けられ、該切欠部をそれぞれカップ壁面に挿入するように構成したことを特徴とするものである。このように構成することにより、折り畳みが可能で、使用時に簡単に起立させることができると共に、起立させたドリッパーを安定した状態でカップ壁面に載置固定することができ、特にカップ壁面に載置固定後は、起立させて設けた開口部がすぼむことがなく、安心して使用することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、具体的な実施形態を図面等を用いて以下に更に詳しく説明する。
図1は本発明にかかるドリッパーの実施例を示す斜視図、図2は図1の展開図、図3はフィルターの平面図、図4は本発明にかかるドリッパーを作製する時の説明図、図5は本発明にかかるドリッパーの折り畳まれた平面図であり、図中の1はドリッパー、1’はブランク板、2は前面板、3,5は側面板、4は背面板、6は糊付片、7,8は固定板、9は切欠部、10はフィルター、11は折り返し部、12は熱接着部、13,14は固定部、31,32,33,34,35,36は折罫、50は筒状体、60は摘まみ片、Aは投入口をそれぞれ示す。
【0008】
まず、図1は本発明にかかるドリッパーの実施例を示す斜視図であって、ドリッパー1は、前面板2、背面板4、および、両側面板3、5(図示せず)からなる上下方向が開放された断面が矩形の筒状体50の内面に、一方に開口部を有する袋状のフィルター10が上側に前記開口部を有するように開口部側上縁を何等かの固定手段により固定されて収納されることにより、レギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等を充填したり、熱湯を注いだりする投入口Aを形成している。また、前記両側面板3、5(図示せず)のそれぞれの上縁に折罫31、32を介して固定板7、8の一方の端縁がそれぞれ連接すると共に、前記両側面板3、5(図示せず)および前記固定板7、8には、前記上下方向全長に亘って折罫33、34が設けられている。また、前記固定板7、8は前記折罫31、32で前記筒状体50の外面に沿うように折り曲げられて、前記筒状体50に設けられた前記折罫33、34の影響で前記筒状体50の投入口Aがすぼむのを防止している。さらに、前記固定板7、8のそれぞれの他方の端縁に切欠部9が2箇所ずつ設けられると共に、この切欠部9をカップ壁面に挿入することにより、カップ壁面に載置固定するように構成されている。このように、前記固定板7、8に設けた前記切欠部9をカップ壁面に挿入することによりドリッパー1をカップ壁面に載置固定するように構成したので、極めて安定した状態でドリッパー1を載置固定でき、かつ、熱湯を前記投入口Aから注ぎ入れても、絶対に前記投入口Aがすぼむことがなく、安心して熱湯を注ぎ入れることができる。また、前記前面板2と前記背面板4の前記投入口A側上縁の略中央部には折罫35、36を介して略半円形状をした摘まみ片60、60が連接している。
【0009】
図2は図1の展開図であって、ドリッパー1は、糊付片6、前面板2、側面板3、背面板4、側面板5が折罫21、22、23、24を介して順次連接され、かつ、前記側面板3および前記側面板5のそれぞれの上縁には折罫31、32を介して固定板7および固定板8の一方の端縁が連接し、前記固定板7および固定板8の他方の端縁には、それぞれ2箇所に切欠部9が設けられている。さらに、前記側面板3および前記側面板3に前記折罫31を介して連接する前記固定板7と前記側面板5および前記側面板5に前記折罫32を介して連接する前記固定板8には、前記折罫31、および、前記折罫32をそれぞれ垂直に2等分する折罫33、34が図2上の上下方向全巾に亘って設けられると共に、前記前面板2と前記背面板4のそれぞれの上縁の略中央部には折罫35、36を介して略半円形状の摘まみ片60、60が設けられたブランク板1’と図3に示す別に用意された一方に開口部を有する袋状のフィルター10とから構成されている。なお、前記固定板7および前記固定板8にそれぞれ2箇所設けられた切欠部9は、前記折罫33および前記折罫34に対して図2上の左右方向に対称に設けられている。また、前記フィルター10は、矩形状の通水性と熱接着性を有する基材を折り返し、この折り返し部11に隣接する2辺を熱接着すると共に前記折り返し部11の両コーナー部を前記フィルター10が漏斗状となるように逆ハの字状に熱接着した熱接着部12により、一方に開口部を有する袋状としたものである。
【0010】
本発明のドリッパー1を作製するには、まず、図4に示すように、ブランク板1’の背面板4を中心にして該背面板4と側面板3、5に当接するようにフィルター10を設けると共に、前記フィルター10の前記背面板4と当接している側の面を前記背面板4と図4に示した固定部13で熱接着あるいは接着剤等の固定手段を用いて固定し、次に折罫33で図4の左側部を前記フィルター10上に折り重ねると共に、前記フィルター10の前記前面板2と当接している側の面を前記前面板2と図4に示した固定部14で熱接着あるいは接着剤等の固定手段を用いて固定し、次に折罫34で図4の右側部をさらに折り重ねると共に、糊付片6と前記側面板5の内面を熱接着あるいは接着剤等の固定手段を用いて固定することにより、図5に示す折り畳まれた状態のドリッパー1を得ることができる。
【0011】
この図5に示す折り畳まれた状態のドリッパー1は、まず、前記前面板2と前記背面板4に折罫35、36(図示せず)を介して設けられた摘まみ片60、60(図示せず)を摘んで互いに引き離す方向に引っ張ると共に、側面板3、5に設けられた折罫33、34の部分を互いに接近するように押圧を加えて、折罫21、22、23、24を角とし、前面板2、背面板4、両側面板3、5を壁面とする断面矩形の筒状体50となして後に、固定板7、8を折罫31、32で前記筒状体50の外面側に折り返し、前記固定板7、8に設けた切欠部9をカップ壁面に挿入することにより、図1に示すようにカップ上に起立した状態で安定して載置固定することができ、使用可能な状態となる。この状態で、レギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等をフィルター10内に充填すると共に、熱湯を注ぐことによりカップ内に所望の飲料を得ることができる。
【0012】
また、前記切欠部9は本実施例で示した形状に限るものではなく、要するにカップ壁面に挿入可能で、かつ、安定して載置固定できる形状であれば、いかなる形状であっても構わない。また、フィルター10をブランク板1’に固定する固定部13についても本実施例で示した形状、位置に限るものではなく、ブランク板1’にフィルター10を確実に固定することができ、かつ、レギュラーコーヒー粉、紅茶、緑茶等が充填されたフィルター10を有するドリッパー1に熱湯を注いだ際に、ドリップ可能であれば、いかなる形状、位置であってもよい。また、前記摘まみ片60の形状についても図に示した略半円形状に限ることはなく、折り畳まれた状態のドリッパー1を起立させる際に、容易に摘むことができる形状であればいかなる形状であっても構わない。
【0013】
【発明の効果】
本発明のドリッパーは、折り畳みが可能で使用時に簡単に起立させることができ、かつ、起立させたドリッパーを安定した状態でカップ壁面に載置固定することができると共に、特にカップ壁面に載置固定後は、起立させて設けた開口部がすぼむことがなく、安心して使用することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のドリッパーの実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1の展開図である。
【図3】 フィルターの平面図である。
【図4】 本発明のドリッパーを作製する時の説明図である。
【図5】 本発明のドリッパーの折り畳まれた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ドリッパー
1’ ブランク板
2 前面板
3,5 側面板
4 背面板
6 糊付片
7,8 固定板
9 切欠部
10 フィルター
11 折り返し部
12 熱接着部
13,14 固定部
31,32,33,34,35,36 折罫
50 筒状体
60 摘まみ片
A 投入口
Claims (1)
- 前面板、背面板、および両側面板からなり上下方向が開放された断面が矩形をなす筒状体の前記前面板および背面板の内面に一方に開口部を有する袋状のフィルターが上側に前記開口部を有するように固定されて収納され、前記筒状体の前記両側面板のそれぞれの上縁に固定板の一方の端縁がそれぞれ折り曲げ自在に連接すると共に、前記両側面板および前記固定板にはそれぞれを垂直に2等分する位置に上下方向全長に亘って折罫が設けられ、かつ、前記固定板がそれぞれ前記筒状体の前記両側面板の外側面に沿うように折り曲げられるドリッパーであって、前記固定板の他方の端縁にそれぞれ切欠部が設けられ、該切欠部をそれぞれカップ壁面に挿入するように構成したことを特徴とするドリッパー。
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JP00111099A JP4108855B2 (ja) | 1999-01-06 | 1999-01-06 | ドリッパー |
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