JPH0223206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は挽きコーヒー、紅茶、緑茶等を漉す時
に使用される漉し器に係り、特にワンタツチで起
立して使用出来ると共に大小いずれのカツプにも
安定した状態で載置固定出来、更に一回の使用毎
に使い捨てすることが出来る漉し器に関するもの
である。

＜従来の技術＞ 従来、挽きコーヒー、紅茶等は瓶、缶等に収納
されており、これを愛飲するに当つては特殊な漉
し器を必要としたが、高価であり、一回使用する
毎にこれを洗浄して清掃しかつ乾燥させなければ
ならず、手間取ると共に作業が面倒である欠点が
あつた。

従つて、従来のこの欠点を改善する為に最近に
なつて使い捨て可能な例えば実公昭52−2703号公
報、同57−10270号公報、実開昭50−65789号公
報、同58−160538号公報、同60−164327号公報に
示す如く、紙製筒状容器の内部に漏斗状フイルタ
ーを取り付けて構成した漉し器用容器が開発され
ている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 然るに前述の従来の漉し器用容器は簡単に安定
した状態で巾広く開却したり、そのままの形状を
維持することが困難であり、かつサイズの異なる
カツプの上縁に夫々適合させると共に容器をカツ
プ上に安定させた状態で起立することが困難であ
る等の問題があつた。

本考案は従来のこれ等の欠点に鑑み開発された
全く新規な技術に関するものである。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は前述の従来の問題点を根本的に改善し
た技術であつて、その要旨は前板４、後板５、妻
板３より形成される上下両方が共に開放された三
角筒状ケースの内面に漏斗状フイルターを取り付
けた漉し器であつて、前記妻板３の上下全長に亘
つて縦折曲線ａを設けると共にこの妻板３内に下
向コ状切込ｂとこの下向コ状切込ｂの両下端を結
ぶ横折線ｃとによつて起立支持片ｄを折り曲げ自
在に穿設し、かつ三角筒状ケースの狭巾先端の前
板４と後板５との下縁に夫々複数個の凸起７を波
形状に突設し、更に三角筒状ケースの広巾後部の
前板４と後板５と妻板３との夫々の下縁にカツプ
の壁面に当接し得る凸起７を突設して構成したも
のである。

＜作用＞ 本考案に於いては上述の如く、ケースの全体が
前板４、後板５、妻板３によつて三角筒状に形成
され、かつ妻板３に縦折曲線ａが設けられている
ので、ケース全体を簡単に偏平状に折り畳むこと
が出来る。

また妻板３の内部には下向コ状切込ｂと横折線
ｃとによつて起立支持片ｄを設けたので、この起
立支持片ｄを外方に折り曲げることによつてその
周りの妻板３の壁面を緊張せしめて、今迄偏平状
に折り畳まれていた三角筒状ケースを安定して開
却起立せしめることが出来る。

更にケースの狭巾先端の前板４と後板５との下
縁には夫々複数個の凸起７を波形状に突設したの
で、カツプの寸法に応じてこれ等の凸起７でカツ
プの上縁の内外壁面を挾持することが出来る。

また、ケースの広巾後部の前板４と後板５と妻
板３とには前記先端の凸起７に対応して夫々凸起
７を突設したので、これ等の凸起７でカツプの数
個所の壁面を挾持することが出来、これによつて
カツプ上に容器を安定して起立せしめることが出
来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係る漉し器の一実施例を具体
的に説明すると、第１図乃至第５図に於いて、１
は本考案に係る漉し器のブランク板であつて、厚
紙の表面にプラスチツク、アルミニウム箔等が積
層されて構成され、貼着片２、妻板３、前板４、
後板５を折曲線を介して順に連設することによつ
て構成されている。妻板３の中央部には縦折曲線
ａが設けられて全体を二つ折りし得る如く構成さ
れ、かつその上部には下向コ状切込ｂと、この切
込ｂの両下縁を結ぶ横折線ｃとによつてその内部
に起立支持片ｄが穿設されている。

また特に第１図Ａで明らかな如く、三角筒状ケ
ースの狭巾先端の前板４と後板５との夫々の下縁
には複数個の凸起７が波形状に突設され、更に三
角筒状ケースの広巾後部の前板４、後板５及び妻
板３との夫々の下縁はカツプ１０の壁面に当接し
得る凸起７が夫々突設されている。

本願の漉し器の組立構成に当たつては別に用意
した漏斗状フイルター８をブランク板１の内面に
当接し、そのフイルター８の上縁を糊６を利用し
てブランク板１に貼着し、次にブランク板１を順
に折り曲げて上下両方が開放された三角筒状ケー
スを形成する。従つて本考案に於いては妻板３に
縦折曲線ａを設けたので、これにより偏平状に折
り畳むことも、かつワンタツチで全体を起立して
三角箱状に形成することも出来る。図中９は挽き
コーヒーが分包されたコーヒーパツクである。

本考案に係る漉し器の使用に当たつては第１図
及び第６図に示す如く、全体を三角箱状にワンタ
ツチで起立し、かつこの起立によつて同時にフイ
ルター８を開却し、一方妻板３に設けられた起立
支持片ｄを折り曲げて水平に保持することによつ
て妻板３が自然に折り曲げることを防止し、この
状態で漉し器の凸起７を利用しながらカツプ１０
の上に漉し器を安定した状態で載置固定し、次に
コーヒーパツク９より挽きコーヒーを漉し器内に
充填し、この状態で湯を漉し器に注ぐことによつ
て、カツプ１０内にレギユラーコーヒーを得るこ
とが出来る。

本願の漉し器は第５図に示す如く、コーヒーパ
ツク９と一緒にセツトしてパツクすることが出来
る。

＜考案の効果＞ 本考案に係る漉し器は上述の如き構造と作用と
を有するので、ワンタツチで起立構成してフイル
ターを開却すると共に妻板に設けた起立支持片に
よつてその開却状態を安定せしめ、かつケースの
下縁に設けた複数個の凸起によつて大小いずれの
カツプの上にも極めて安定した状態で載置固定す
ることが出来、更に漉し器は厚紙等で構成される
ので安価に大量生産することが出来、従つて使い
捨てにすることが出来、又従来の漉し器併用の包
装容器の如く、挽きコーヒーを充填しかつ密封包
装する手間が不要であり、作業性が極めて良く、
安価に大量生産することが出来る等の極めて多大
な効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは本願の漉し器及びコーヒーパツ
クの斜視図、第２図乃至第５図は組立状態を示す
説明図、第６図は使用説明図である。 １はブランク板、３は妻板、４，５は前後板、
７は凸起、８はフイルター、９はコーヒーパツ
ク、１０はカツプ、ｄは支持片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前板４、後板５、妻板３より形成される上下両
   方が共に開放された三角筒状ケースの内面に漏斗
   状フイルター８を取り付けた漉し器であつて、前
   記妻板３の上下全長に亘つて縦折曲線ａを設ける
   と共にこの妻板３内に下向コ状切込ｂとこの下向
   コ状切込ｂの両下端を結ぶ横折線ｃとによつて起
   立支持片ｄを折り曲げ自在に穿設し、かつ三角筒
   状ケースの狭巾先端の前板４と後板５との下縁に
   夫々複数個の凸起７を波形状に突設し、更に三角
   筒状ケースの広巾後部の前板４と後板５と妻板３
   との夫々の下縁にカツプの壁面に当接し得る凸起
   ７を突設して構成したことを特徴とした漉し器。