JP2001257458A - 半田付け用部材及び半田付け方法 - Google Patents

半田付け用部材及び半田付け方法

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JP2001257458A
JP2001257458A JP2000066192A JP2000066192A JP2001257458A JP 2001257458 A JP2001257458 A JP 2001257458A JP 2000066192 A JP2000066192 A JP 2000066192A JP 2000066192 A JP2000066192 A JP 2000066192A JP 2001257458 A JP2001257458 A JP 2001257458A
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temperature
heat
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Akifumi Kimura
聡文 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で半田付け時において実装基板内
の温度差を小さくすることができる半田付け用部材及び
半田付け方法を提供する。 【解決手段】 半田付け用部材10は、半田の融点以上
の温度で、かつ基板に半田付けされる部品の耐熱保証温
度以下のキュリー点を有する強磁性体を含む材料からな
る第1層12と磁化しない材料から成る第2層14とで
構成される。電子部品20が搭載されたプリント基板2
2は、第2層14がプリント基板22側となるように半
田付け用部材10が被せられ加熱室18に搬送される。
電磁誘導加熱装置26による電磁誘導により第1層12
が発熱し、半田の融点以上までプリント基板22が加熱
され電子部品20が半田付けされる。また、温度がキュ
リー点に達すると第1層12が磁化しなくなり温度上昇
が停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半田付け用部材及び
半田付け方法に係り、特に、リフローソルダリングによ
る半田付けに用いる半田付け用部材及び半田付け方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心の高まりに
より、電子機器等のプリント配線基板の製造において使
用される半田から有害な鉛をなくす活動が活発化してい
る。このような鉛を含まない半田(以下、鉛フリー半田
(SnAgCu半田など)という)が提案されている
が、従来のSnPb共晶半田に比べて融点が上昇するこ
とから、半田付け時に部品に与える熱ダメージが増加し
てしまう、という問題があった。
【0003】例えば、図5に示すように、従来のSnP
b共晶半田の融点と部品耐熱温度との差、すなわち、部
品に熱ダメージを与えることなく半田付けできる温度許
容範囲Δt1は例えば約52°Cであるが、鉛フリー半
田の場合には融点が高いため、温度許容範囲Δt2は約
14°Cと従来のSnPb共晶半田と比べて遥かに小さ
くなる。
【0004】また、図6に示すように、プリント配線基
板上に実装される部品の種類は多岐にわたり、それぞれ
の熱容量も異なる。すなわち、熱容量の大きい部品は温
度が上がりにくく、熱容量の小さい部品は温度が上がり
やすいため、リフローソルダリングのように加熱時間を
一定にして基板全体を一括して半田付けするような場合
には、図6に示すように半田付け時のピーク温度が部品
によって異なる。従って、熱容量が小さく耐熱性が低い
アルミ電界コンデンサの温度を上昇させずに、熱容量が
大きいQFP(Quad Flat Package)
やCBGA(Ceramic Ball Grid A
rray)等の半導体パッケージの端子部の温度を半田
が溶融するのに必要な温度まで上昇させるのが非常に困
難である。
【0005】この問題を解決するため、特開平9−28
3916号公報には、赤外線温度センサにより実装基板
の温度分布を測定し、均一な温度になるように加熱気体
の吹きつけパターンを演算し、該演算結果に従って加熱
制御を行う技術が開示されている。
【0006】また、特開平8−204324号公報に
は、部品形状に応じた凹部形状を有する防熱冶具部品に
搭載してから半田付けを行う技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−283916号公報に記載された技術では、実装基
板毎に加熱気体の吹きつけパターンの演算が必要になる
と共に、加熱装置を移動させるための移動手段等が必要
となるため装置構造及び制御が複雑になる、という問題
があった。
【0008】また、特開平8−204324号公報に記
載された技術では、部品毎に防熱冶具を用意して各々の
部品に取り付ける作業が必要となるため、冶具製造コス
ト及び工数が増大する、という問題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決すべく成された
ものであり、簡単な構成で半田付け時において実装基板
内の温度差を小さくすることができる半田付け用部材及
び半田付け方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明の半田付け用部材は、電子部品
の半田付けに用いる半田の融点以上で、かつ前記電子部
品の耐熱保証温度以下のキュリー点を有する磁性材料が
含まれた第1層と、前記第1層に積層され、かつ磁気を
遮断する第2層と、を含むことを特徴としている。
【0011】第1層は、例えばリフローソルダリング等
により電子部品をプリント基板に半田付けする際に用い
られる半田の融点以上で、かつ電子部品の耐熱保証温度
以上のプリント基板に半田付けされる部品の耐熱保証温
度以下のキュリー点(ここでは飽和磁化が略ゼロになる
温度)を有する磁性材料を含む部材からなる。
【0012】このように、第1層には強磁性材料が含ま
れているため、電磁誘導により発熱する。電磁誘導を発
生させる装置としては、例えばセラミック等の非導電性
の筒体にコイルを巻いたものを用いることができる。こ
のような電磁誘導装置では、コイルに高周波電流を流す
ことにより第1層に高周波磁界を作用させることができ
る。これにより第1層に渦電流が生じ、発熱する。
【0013】また、第2層は、第1層に積層されると共
に、磁気を遮断する部材で構成される。
【0014】このような半田付け用部材を用いて半田付
けする場合には、請求項3にも記載したように、半田付
け用部材の第2層がプリント基板の電子部品側となるよ
うに覆い、半田付け用部材の第1層側から磁界力を供給
し、該磁界力による電磁誘導によりプリント基板を加熱
して半田付けすることができる。
【0015】すなわち、上記のような電磁誘導装置によ
り磁界力を作用させて電磁誘導により第1層を発熱さ
せ、この熱エネルギーによりプリント基板を加熱する。
このように、電磁誘導により半田付け用部材の温度を上
昇させることができるが、前述したように、第1層は半
田の融点以上で、かつプリント基板に半田付けされる電
子部品の耐熱保証温度以下のキュリー点を有する強磁性
材料を含んでいるため、半田付け用部材の温度は半田の
融点以上まで上昇する。このため、プリント基板上の半
田を溶融させることができ、電子部品を半田付けするこ
とができる。
【0016】なお、磁気を遮断する第2層がプリント基
板側に面しているため、電磁誘導によりプリント基板に
搭載される半導体部品、例えばトランジスタやICなど
に悪影響が及ぶことはない。また、半田付け用部材をプ
リント基板に完全に覆う必要はなく、少なくとも半田付
け用部材の第2層がプリント基板の電子部品側に対峙す
るように位置し、電子部品と近接していればよい。
【0017】そして、さらに温度が上昇し、半田付け用
部材がキュリー点に達すると、第1層に含まれる強磁性
体の磁性が失われるため、電磁誘導が発生しない。この
ため、半田付け用部材の温度はキュリー点以上、すなわ
ち電子部品の耐熱保証温度以上になることがない。従っ
て、電子部品の損傷を防止することができる。
【0018】このように、電磁誘導により加熱された冶
具が極めて近接してプリント基板を加熱するため、熱伝
導率が高く、応答性も高い。すなわち、熱容量が大きい
部品でも速やかに温度上昇させることができる。このた
め、半田付け時の基板内の温度差を小さくすることがで
きる。
【0019】また、加熱媒体、すなわち半田付け用部材
とプリント基板との距離を極めて近く又は接触させた状
態で加熱することができるため加熱効率が高く、速やか
に基板内の温度均一化を図ることができる。さらに、複
雑な装置が必要ないため、装置を小型化することができ
る。
【0020】このように、複雑な温度制御をすることな
く、簡単な装置で電子部品の耐熱保証温度を超えること
なく速やかに半田付けすることができる。従って、融点
が高い鉛フリー半田による半田付けも容易となる。
【0021】なお、半田付け用部材は、請求項2にも記
載したように、複数の貫通孔を有するようにしてもよ
い。例えば、半田付け用部材をメッシュ状にすることに
より、電磁誘導により発熱した際の熱エネルギーにより
加熱された周囲の空気を貫通孔により通して自然対流さ
せることができ、これにより加熱効率を高めることがで
きると共に、均一に加熱することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0023】図1には、半田付け用部材10が示されて
いる。半田付け用部材10は、図1に示すように例えば
シート状であり、第1層12と第2層14とが積層され
て構成されている。
【0024】第1層12は、例えばリフローソルダリン
グ等により部品を基板に半田付けする際に用いられる半
田の融点以上の温度で、かつ基板に半田付けされる部品
の耐熱保証温度以下のキュリー点(ここでは飽和磁化が
略ゼロになる温度)を有する強磁性体を含む材料からな
る。
【0025】例えば、部品の半田付けに用いられる半田
ペーストの材料がSn96Ag3.5Cu0.5で、そ
の融点が216〜220°Cであり、部品の耐熱保証温
度が250°Cの場合、強磁性体としては、光磁気材料
などで用いられるキュリー点が250°CのTb25
(Fe87Co13)80を用いることができる。
【0026】このTb25(Fe87Co13)80の
飽和磁化の温度依存性は、図2に示すような特性となっ
ている。すなわち、温度が上昇するにつれて飽和磁化も
上昇し、約150°Cで飽和磁化がピークに達する。そ
して、さらに温度が上昇すると飽和磁化が低下してい
き、約250°Cで磁化が零となる。
【0027】第2層14は、磁化しない材料でかつある
程度耐熱性がある材料から成り、例えばポリイミド、ポ
リアミド、エポキシなどの高分子材料、SiNなどの無
機材料から成る。
【0028】半田付け用部材10は、フィルム状に加工
した第2層14の上に、第1層12に用いられる材料を
無電解メッキ、蒸着、塗布などの方法で形成することに
より作製することができる。
【0029】なお、第1層12は、第2層14との接着
性や耐磨耗性を確保するために、例えば必要に応じてポ
リ塩化ビニル系などの公知の高分子結合体中に強磁性体
を分散させたものを用いてもよい。
【0030】電子部品が実装されたプリント基板をリフ
ローにより半田付けする場合には、この半田付け用部材
をプリント基板に被せて行う。
【0031】次に、リフロー装置について説明する。
【0032】図3には、リフロー装置16が示されてい
る。リフロー装置16は、加熱室18を備え、該加熱室
18内には電子部品20が実装されたプリント基板22
を搬送するための搬送コンベア24が設けられている。
この搬送コンベア24の上方には、プリント基板22を
加熱して半田付けするための電磁誘導加熱装置26が設
けられている。
【0033】電磁誘導加熱装置26は、例えばセラミッ
ク等の非導電性の筒体にコイルを巻いたものを用いるこ
とができる(例えば特開平11−216729号公報参
照)。このような電磁誘導加熱装置26では、コイルに
高周波電流を流すことにより半田付け用部材10の第1
層に高周波磁界を作用させることができる。これにより
第1層に渦電流が生じ、半田付け用部材10が発熱し、
プリント基板22を加熱する。
【0034】次に、前述した半田付け用部材10を用い
たリフロー装置16による半田付けについて説明する。
【0035】まず、プリント基板22に例えば前述した
材料の半田ペーストが所定のパターンに印刷され、印刷
された半田ペースト上に例えば耐熱保証温度が250°
Cの電子部品20が搭載される。このように電子部品2
0が搭載されたプリント基板22は、図3に示すよう
に、第1層12が電磁誘導加熱装置26側、第2層14
がプリント基板22側となるように半田付け用部材10
が被せられ、加熱室18内に搬送される。
【0036】電磁誘導加熱装置26は、図示しないコイ
ルに高周波電流を流す。これにより電磁誘導が発生し、
強磁性体が含まれた半田付け用部材10の第1層12に
高周波磁界が発生する。そして、第1層12に渦電流が
生じ半田付け用部材が発熱し、この熱エネルギーが電子
部品20が搭載されたプリント基板22に伝わる。
【0037】このように、電磁誘導加熱装置26がコイ
ルに高周波電流を流すことで半田付け用部材10が発熱
してプリント基板22が加熱される。そして、半田付け
用部材10が216〜220°C程度まで上昇すると半
田ペーストが溶融する。
【0038】そして、さらに温度が上昇し、半田付け用
部材10がキュリー点、すなわち約250°Cに達する
と、第1層12に含まれる強磁性体の磁性が失われる。
このため、電磁誘導加熱装置26によりコイルに高周波
電流が流されても、電磁誘導が発生せず、半田付け用部
材10の温度は250°C以上には上昇しない。このた
め、半田付け用部材10の温度は一旦低下するが、温度
がキュリー点以下に低下した時点で再び磁化され、再び
加熱される。
【0039】このように、電子部品20の耐熱保証温度
以上に半田付け用部材10の温度が上がることがないた
め、電子部品20の損傷を防止することができる。
【0040】また、電磁誘導により加熱するため、熱伝
導率が高く、応答性も高い。すなわち、熱容量が大きい
部品でも速やかに温度上昇させることができる。このた
め、半田付け時の基板内の温度差を小さくすることがで
きる。
【0041】なお、磁気を遮断する第2層14がプリン
ト基板22側に面しているため、電磁誘導によりプリン
ト基板22に搭載される半導体部品、例えばトランジス
タやICなどに悪影響が及ぶことはない。
【0042】従来のように熱風により加熱する場合加熱
媒体は空気であり、この場合の熱伝導率は0.03W/
m°Cと極めて低い。しかしながら、本発明のように、
加熱媒体を有機高分子樹脂とした場合には空気の場合の
約10倍、無機材料を用いた場合には空気の場合の約1
00倍程度熱伝導率が高い。
【0043】また、加熱媒体、すなわち半田付け用部材
10とプリント基板22との距離を極めて近く又は接触
させた状態で加熱することができるため加熱効率が高
く、速やかに基板内の温度均一化を図ることができる。
さらに、複雑な装置が必要ないため、装置を小型化する
ことができる。
【0044】このように、複雑な温度制御をすることな
く、簡単な装置で電子部品の耐熱保証温度を超えること
なく速やかに半田付けすることができる。従って、融点
が高い鉛フリー半田による半田付けも容易となる。
【0045】なお、本実施の形態では、加熱室が1つの
構成を例に説明したが、これに限らず、加熱室の前に予
備加熱室を設け、さらに、加熱室の後に冷却室を設ける
ようにしてもよい。このとき、予備加熱室は、前述した
ように電磁誘導により予備加熱してもよいし、公知の遠
赤外線や熱風により予備加熱してもよい。
【0046】また、図4に示すように、半田付け用部材
10をメッシュ状、すなわち複数の貫通孔を有するよう
にしてもよい。このように、半田付け用部材をメッシュ
状にすることにより、電磁誘導により発熱した際の熱エ
ネルギーにより加熱された周囲の空気をメッシュの間か
ら通すことができ、これにより加熱効率を高めることが
できると共に、均一に加熱することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子部品の半田付けに用いる半田の融点以上で、かつ前
記電子部品の耐熱保証温度以下のキュリー点を有する強
磁性材料が含まれた第1層と、前記第1層に積層され、
かつ磁気を遮断する第2層と、を含む半田付け用部材に
より半田付けするようにしたので、半田付け時に速やか
に基板内の温度均一化を図ることができると共に、複雑
な装置が必要なく装置を小型化することができる、とい
う効果を有する。
【0048】また、本発明によれば、半田付け用部材に
複数の貫通孔を有するようにしたので、加熱効率を高め
ることができると共に、均一に加熱することができる、
という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は半田付け用部材の平面図、(B)は
半田付け用部材の断面図である。
【図2】 第1層に含まれる強磁性体の温度依存性を示
す線図である。
【図3】 リフロー装置の概略構成図である。
【図4】 (A)は他の例の半田付け用部材の平面図、
(B)は他の例の半田付け用部材の断面図である。
【図5】 半田の融点と部品のピーク温度との関係を示
す図である。
【図6】 各部品のピーク温度を示す図である。
【符号の説明】
10 半田付け用部材 12 第1層 14 第2層 16 リフロー装置 18 加熱室 20 電子部品 22 プリント基板 24 搬送コンベア 26 電磁誘導加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:42 B23K 101:42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品の半田付けに用いる半田の融点
    以上で、かつ前記電子部品の耐熱保証温度以下のキュリ
    ー点を有する磁性材料が含まれた第1層と、 前記第1層に積層され、かつ磁気を遮断する第2層と、 を含む半田付け用部材。
  2. 【請求項2】 複数の貫通孔を有することを特徴とする
    請求項1記載の半田付け用部材。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の半田
    付け用部材を、該半田付け用部材の第2層がプリント基
    板の電子部品側となるように覆い、 前記半田付け用部材の第1層側から磁界力を供給し、 該磁界力による電磁誘導により前記プリント基板を加熱
    して半田付けすることを特徴とする半田付け方法。
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