JP2001257425A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法

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JP2001257425A
JP2001257425A JP2000069121A JP2000069121A JP2001257425A JP 2001257425 A JP2001257425 A JP 2001257425A JP 2000069121 A JP2000069121 A JP 2000069121A JP 2000069121 A JP2000069121 A JP 2000069121A JP 2001257425 A JP2001257425 A JP 2001257425A
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Masahiro Kito
雅弘 鬼頭
Masato Ishino
正人 石野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低閾値電流特性を備えた半導体レーザ素子及
びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 3次元フォトニック結晶構造の前駆体510
と光閉じ込め部を含むストライプ509Aが形成された基板
とを貼り合わせることによって、3次元フォトニック結
晶構造体の中央部に光閉じ込め部が形成された構造体が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
及びその製造方法に関し、特に、光通信光源及び光ディ
スク光源に適した半導体レーザ素子及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な半導体レーザ素子は、基
本的には、p型電極、n型電極、p型光導波路、n型光
導波路、活性層とから構成されている。かかる構成にお
いて、活性層周辺に設けられたp型電極、n型電極、p
型光導波路及びn型光導波路は、活性層とは構成材料が
異なるため、活性層で発生した光は閉じ込められ、活性
層で誘導放出を発生させてレーザ光が生成される。ま
た、僻かい面を共振器とするいわゆるファブリペロー共
振器として知られるように、一定の波長の光が増幅され
る構成となっている場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た一般的な構成の半導体レーザ素子を光通信光源及び光
ディスク光源等に適用する場合には、よりいっそうの低
電流かつ高出力の特性を有することが望まれ、従って、
よりいっそうの改良が望まれている。そこで、本発明
は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低閾値電
流特性を備えた半導体レーザ素子及びその製造方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】はじめに、近年、誘電率
の3次元的周期構造を人工的に創生して、あたかも結晶
中の電子の振る舞いと同様に、電磁波の振る舞いを制御
する材料構造が注目されている。このような人工的に造
られた構造体は、3次元フォトニック結晶と呼ばれ、こ
の構造に起因する光波長に相当する電磁波バンドはフォ
トニックバンドと称される。
【0005】フォトニックバンド構造が注目される理由
は、従来不可能であった光子の完全な空間的制御が可能
なため、閾値が極めて小さく(理論的には閾値が存在し
なくなる。)、出力や波長が温度変化に対して変動の小
さいレーザ光が得られる点にある。また、全空間に対し
て光の放射を制御できるので、電気−光エネルギー交換
効率に極めて優れる、言い換えると、低消費電力のレー
ザが実現可能となる点にある。そして、特に、3次元周
期構造からなる3次元フォトニックバンド構造では上記
効果が最大限に発揮される。
【0006】3次元フォトニック結晶構造体の一例(特
開平10−335758号公報に開示されたもの)を、図11に
示す。この図に示す3次元フォトニック結晶構造体は、
2次元的にほぼ周期的に凹凸を持つ2種類以上の膜状物
質を周期的に順次、積層した構造体である。例えば、2
種類の材料A1101(Si)と材料B1102(SiO2)とから構成
される。このような3次元構造によって材料A1101及び
材料B1102の光の屈折率差のために一定の波長の光の伝
播を遮断させて結晶構造体内に閉じ込めることが可能と
なる。
【0007】しかし、上記した3次元フォトニック結晶
構造体の構造からして、その内部に活性層を形成するこ
とにより半導体レーザ素子を実現することは事実上不可
能である。そこで、発明者らは、一定の方向に沿って光
の屈折率が周期的に変化する屈折率変化層が複数積層さ
れてなる3次元フォトニック結晶構造体を用い、3次元
フォトニック結晶構造体の内部に給電によりレーザ光を
発生する活性部を形成することによって、3次元フォト
ニック結晶構造体の優れた光閉じ込め効果を利用した半
導体レーザ素子を実現するに到った。
【0008】即ち、上記課題を解決するために、本発明
は、第一の方向に沿って周期的に光の屈折率の大きさが
変化する第一の屈折率変化層と、前記第一の方向と異な
る方向の第二の方向に沿って周期的に光の屈折率の大き
さが変化する第二の屈折率変化層とが交互に積層され
て、光閉じ込め効果を有する3次元フォトニック結晶構
造体が構成されるとともに、当該3次元フォトニック結
晶構造体の中央部で、所定の大きさの屈折率を有する部
分に、給電によりレーザ光を発生する活性部が挿設され
ていることを特徴とする。
【0009】これにより、3次元フォトニック結晶構造
体の光閉じ込め作用を利用できるので、活性部で発生し
た光の閉じ込め効果に優れ、低閾値電流特性の半導体レ
ーザ素子が実現される。しかも、3次元フォトニック結
晶構造体に上記のような単純な積層体を用いるのではな
く、第一の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する
第一の屈折率変化層と、前記第一の方向と異なる方向の
第二の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する第二
の屈折率変化層とが交互に積層されてなるものを用いる
ので、積層するプロセスにおいて活性部を形成すること
が可能となるため、3次元フォトニック結晶構造体を適
用した半導体レーザ素子を実現することができる。
【0010】ここで、前記第一の屈折率変化層は、第一
の方向に沿って複数の光学的屈折柱状体が空間をおいて
所定ピッチで平行に配されてなり、又、第二の屈折率変
化層は、複数の光学的屈折柱状体が第二の方向に沿って
空間をおいて所定ピッチで平行に配されてなり、更に、
前記第一の屈折率変化層及び第二の屈折率変化層の何れ
かにおいて一の光学的屈折柱状体が配置される位置に、
当該柱状体に替えて、活性部を含むレーザ発光柱状体が
配されているものとすることができる。
【0011】ここで、前記活性部は前記レーザ発光柱状
体の長手方向に沿った中央部に形成されており、当該レ
ーザ発光柱状体において活性部端縁からレーザ発光柱状
体の両端部にいたる部分はキャリア伝導路を兼用するp
型光導波路及びn型光導波路が形成されているものとす
ることができる。ここで、前記3次元フォトニック結晶
構造体は、前記柱状体のp型光導波路、n型光導波路と
位置が整合する状態で、p型キャリア伝導路、n型キャ
リア伝導路が形成され、前記p型キャリア伝導路に位置
を整合させてp型コンタクト層及びp型電極が、前記n
型キャリア伝導路に位置を整合させてn型コンタクト層
及びn型電極が形成されているものとすることができ
る。
【0012】また、上記課題を解決するために、本発明
は、複数の光学的屈折柱状体と給電によりレーザ光を発
生させる活性部を含むレーザ発光柱状体とを規則的に配
置する工程を含むことを特徴とする。これによれば、3
次元フォトニック結晶構造体を構成する各要素を積層す
るプロセスにおいて活性部を形成することが可能となる
ため、3次元フォトニック結晶構造体を適用した半導体
レーザ素子を実現することができる。この結果、3次元
フォトニック結晶構造体の光閉じ込め作用を利用できる
ので、活性部で発生した光の閉じ込め効果に優れ、低閾
値電流特性の半導体レーザ素子が実現される。
【0013】ここで、前記複数の光学的屈折柱状体とレ
ーザ発光柱状体とを配置する前記工程は、前記光学的屈
折柱状体複数を並列状に配置することにより、一の方向
に周期的に光の屈折率が変化する屈折率変化層を作製す
る第一のサブ工程と、給電によりレーザ光を発生する活
性部を含むレーザ発光柱状体と複数の光学的屈折柱状体
を並列状に配置することにより、光学的屈折柱状体の間
に前記レーザ発光柱状体が位置する状態で配置しレーザ
発光層を作製する第二のサブ工程と、前記屈折率変化層
とレーザ発光層とを積層する第三のサブ工程と、を含む
ものとすることができる。
【0014】このように3次元フォトニック結晶構造体
に図11に示したような単純な積層体を用いるのではな
く、第一の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する
第一の屈折率変化層と、前記第一の方向と異なる方向の
第二の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する第二
の屈折率変化層とが交互に積層されてなるものを用いる
ので、3次元フォトニック結晶構造体を構成する各要素
を積層するプロセスにおいて活性部を形成することが可
能となることに加えて、より容易に3次元フォトニック
結晶構造体を適用した半導体レーザ素子を実現すること
ができる。
【0015】ここで、前記第一のサブ工程は、複数の光
学的屈折柱状体を平行に等ピッチで配置することにより
光学的屈折柱状体とその間の柱状空気層とで屈折率が周
期的に変化する屈折率変化層を作製し、第二のサブ工程
は、複数の光学的屈折柱状体を平行に前記屈折率変化層
と同じピッチで配列し、中央部分には光学的屈折柱状体
に替えてレーザ発光柱状体が位置する状態のレーザ発光
層を作製するものとことができる。
【0016】ここで、前記第二のサブ工程は、所定の基
板表面にエッチングストップ層を形成する第一のステッ
プと、当該エッチングストップ層表面に活性部に近い形
状の活性部領域を形成する第二のステップと、前記エッ
チングストップ層表面にp型光導波路及びn型光導波路
の形状に近い形状となるように活性部領域に隣接させて
p型光導波路領域及びn型光導波路領域を形成する第三
のステップと、活性部領域、p型光導波路領域及びn型
光導波路領域の周囲に前記光学的屈折柱状体を構成する
物質を膜状に配置する第四のステップと、前記屈折率変
化層と同じ配置周期となるように前記活性部領域、p型
光導波路領域、n型光導波路領域及び光学的屈折柱状体
の構成物質の膜をパターニングすることによってレーザ
発光層を作製する第五のステップと、を含み、又、前記
第三のサブ工程は、屈折率変化層とレーザ発光層を積層
したのち前記基板及びエッチングストップ層を除去する
ステップを含むものとすることができる。
【0017】ここで、前記第二のステップは、前記エッ
チングストップ層表面に活性部を構成する物質を成膜す
る第一のサブステップと、当該膜をパターニングするこ
とによって活性部領域を形成する第二のサブステップ
と、を含むものとすることができる。ここで、前記第二
のステップは、前記エッチングストップ層表面に絶縁物
質を成膜する第一のサブステップと、前記絶縁物質の膜
に凹部を形成する第二のサブステップと、前記凹部に活
性部領域を有機金属気相成長法によって形成する第三の
サブステップと、当該活性部領域を形成した後前記絶縁
物質の膜を除去する第四のサブステップと、を含むもの
とすることができる。
【0018】ここで、前記活性部は、量子井戸型であっ
て、前記第二のサブ工程は、所定の基板表面にエッチン
グストップ層を形成する第一のステップと、当該エッチ
ングストップ層表面に、活性部、p型光導波路及びn型
光導波路を含めた大きさ近くの、活性部を構成する物質
の帯状体を形成する第二のステップと、当該帯状体の端
部から中央付近を残して不純物を導入して導入した部分
をp型光導波路領域及びn型光導波路領域とすることに
より不純物を導入しない部分を活性部領域とする第三の
ステップと、活性部領域、p型光導波路領域及びn型光
導波路領域の周囲に前記光学的屈折柱状体を構成する物
質を成膜する第四のステップと、前記屈折率変化層と同
じ配置周期となるように前記活性部領域、p型光導波
路、n型光導波路及び光学的屈折柱状体の構成物質の膜
をパターニングすることによってレーザ発光層を作製す
る第五のステップと、を含み、又、前記第三のサブ工程
は、屈折率変化層とレーザ発光層を積層したのち前記基
板及びエッチングストップ層を除去するステップを含む
ものとすることができる。
【0019】ここで、前記第二のステップは、活性部を
構成する物質を前記エッチングストップ層表面に成膜す
る第一のサブステップと、当該膜をパターニングするこ
とによって、前記帯状体を形成する第二のサブステップ
と、を含むものとすることができる。ここで、前記第二
のステップは、前記エッチングストップ層表面に絶縁物
質を成膜する第一のサブステップと、前記絶縁物質の膜
にストライプ状の溝を形成する第二のサブステップと、
前記溝に活性部領域を有機金属気相成長法によって形成
する第三のサブステップと、当該活性部領域を形成した
後前記絶縁物質の膜を除去する第四のサブステップと、
を含むものとすることができる。
【0020】ここで、前記屈折率変化層及びレーザ発光
層を積層して3次元フォトニック結晶構造を作製した
後、p型光導波路及びn型光導波路と位置を整合させる
ように、p型キャリア伝導路及びn型キャリア伝導路を
形成する第二の工程を含むものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>以下に本発明の半
導体レーザ素子を適用した実施の形態1にかかる半導体
レーザ素子について図面を参照にしながら説明する。図
1(a)は、本実施の形態にかかる半導体レーザ素子1
の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA
−A’線を含む垂直断面図である。
【0022】半導体レーザ素子1は、3次元フォトニッ
ク結晶構造の光閉じ込め効果を利用したものであって、
高抵抗InP基板101と、その表面に形成されたアンドープ
InGaAsエッチングストップ層102、更にその表面に形成
された3次元フォトニック結晶構造体103、更にその表
面に形成されたInGaAsコンタクト層(厚さ0.2μm)104
(p型部分、n型部分、絶縁部分とからなる。)と、当
該層104の表面に形成されたP型電極105と、n型電極106
とから構成されている。
【0023】3次元フォトニック結晶構造体103は、ス
トライプ状InP103Aが平行に一定のピッチで配列される
ことで光の屈折率が一定の方向に周期的に変化するよう
構成された屈折率変化層103Bが複数層に渡って積層され
た上部構造体103Cと、同様に屈折率変化層103Bが複数層
に渡って積層された下部構造体103Dと、上部構造体103C
と下部構造体103Dに挟まれて位置するレーザ発光層103E
とから構成されている。
【0024】レーザ発光層103Eは、屈折率変化層103Bに
おいて中央部分のストライプ状InPが活性層を含むスト
ライプ状の光閉じ込め部303に置き換わった構造体であ
る。次に、屈折率変化層103B及びレーザ発光層103Eの位
置関係について詳細に説明する。図2は、3次元フォト
ニック結晶構造体103の上部から見た図である。
【0025】図2(a)に示すように、基板201(ここ
でいう基板とは、高抵抗InP基板101上にアンドープInGa
Asエッチングストップ層102が積層されたもの)側から1
層目屈折率変化層のストライプ状InP202と2層目の屈折
率変化層のストライプ状InP203はその延伸方向が互いに
直交関係にある。また、図2(b)に示すように、3層
目の屈折率変化層のストライプ状InP204と1層目の屈折
率変化層のストライプInP202はその延伸方向が互いに平
行関係にあり、かつ、その周期の位相が180度ずれた関
係にある。更に、図2(c)に示すように、4層目の屈
折率変化層のストライプ状InP205と3層目の屈折率変化
層のストライプ状InP204とはその延伸方向が互いに直交
関係にあり、かつ、2層目の屈折率変化層のストライプ
状InP203とはその延伸方向が互いに平行関係にあり、そ
の周期の位相が180度ずれている関係にある。5層目
以上の屈折率変化層のストライプ状InPについても1層目
から4層目の関係を繰り返した構成となっている。これ
により、互いに光の屈折率の異なる空気層とInP層とが
3次元的に規則正しく配列した面心立方構造となり、3
次元のフォトニック結晶構造体が実現される。(S. Nod
a et al., Jpn. J. Appl.Phys., 35,L909(199
6)))。なお、空気層(或いはInP層)が配列する周期
によって、閉じ込められる光の波長が決定される。
【0026】図3は、上記3次元フォトニック結晶構造
体を上部から透視した図である。図3に示すように 、
レーザ発光層103Eにおいて光閉じ込め部303は、3つの
領域から構成され、延伸方向の中央部分に位置する活性
層304と、それと接触して左右に形成されたp型光導波
路305と、n型光導波路306とからなる。活性層304の両
側に形成されたp型光導波路305及びn型光導波路306か
ら供給された電流により活性層304で発生した光(本実
施の形態では、波長1.3μmの赤外)はフォトニック結
晶内に伝播されないため、活性層304中に局在すること
となり、活性層304において誘導放出を引き起こさせ光
が増幅されることになる。このため、低閾値電流特性を
有する半導体レーザが実現される。
【0027】p型光導波路305及びn型光導波路306は材
料が周囲の材料であるInPと異なるため、光の屈折率が
大きく変化するのでこれらの部分には光が存在すること
は可能となり、活性層で発生したレーザ光をp型光導波
路305及びn型光導波路306を伝播させて外部へ取り出す
ことが可能となる。このようにp型光導波路305及びn
型光導波路306はキャリアの伝導路と光導波路とを兼用
する。
【0028】上記3次元フォトニック結晶構造体103は
3つの領域からなり、第一の領域は活性層304を含む高
抵抗領域107(活性層以外の部分は絶縁領域)であり、
第二の領域はp型光導波路305を含むp型伝導領域108
(ホールを輸送する領域)であり、第三の領域はn型光
導波路306(電子を輸送する領域)を含むn型伝導領域1
09である(図1(b)参照)。
【0029】p型伝導領域108へはp型InGaAsコンタク
ト層110を介して、p型電極から正孔が供給される。ま
た、n型伝導領域109にはn型InGaAsコンタクト層111を
介して、n型電極106から電子が供給される。このよう
な構成とすることによって、直接、p型光導波路305及
びn型光導波路306に電流を流す場合と比較して、スト
ライプ状InP同士が接触する箇所に比例して電流が流れ
る面積を広くすることが可能となり、抵抗を小さくする
ことができる。
【0030】次に上記半導体レーザ素子の製造方法につ
いて図面を参照にしながら説明する。上記半導体レーザ
素子は、まず、はじめに、光閉じ込め部が中央部分に挿
設された3次元フォトニック結晶構造体を作製し、その
後、この3次元フォトニック結晶構造体上にInGaAsコン
タクト層104、p型電極105、及びn型電極106を作製す
ることによって製造される。
【0031】図4は、3次元フォトニック結晶構造体の
作製方法を示す一部工程図である。図4(a)に示すよ
うに、(001)面に配向した高抵抗InP基板401上に所
定の膜厚(例えば、0.15μm)にアンドープInGaAsエッ
チングストップ層402を有機金属気相成長法により堆積
させる。次に、所定の膜厚(例えば、0.19μm)にアン
ドープInP層403を同様に有機金属気相成長法により堆積
させる。
【0032】次に、図4(b)に示すように、アンドー
プInP層403を選択的にエッチングし、(110)方向に
ストライプ状となるように所定の周期(周期とは、隣接
するストライプどうしのギャップを意味し、例えば、0.
7μm)で所定の幅(0.18μm)のストライプ状InP層40
4を形成する。このようにして形成されたのが、前記屈
折率変化層103Bとなる。このストライプ状InPの配置さ
れる周期及び寸法によって3次元フォトニック結晶構造
体における閉じ込める光の波長が規定されることになる
ため、上記周期等のかっこ内の具体例は、レーザ光の発
振波長を1.3μm帯とした場合のものである。
【0033】次に、図4(b)まで作製した2つの構造
体A及びBをストライプ状InP層404A及び404Bが互いに
直交(90度)の関係となるように接触させ、接触させた
状態で加熱することにより、ストライプ状InP層404A及
び404Bどうしを原子レベルで密着させ、2つの屈折率変
化層を接合させて図4(c)に示すようにする。次に、
図4(d)に示すように、上記構造体A及びBのInP基
板の何れか(ここでは構造体B)をエッチングにより除
去した後、アンドープInGaAsエッチングストップ層402
をエッチングして除去する。
【0034】次に、図4(d)まで作製した2つの構造
体C及びDをストライプ状InP層404C及び404Dが互いに
直交(90度)の関係となるように、各々を接触させる。
この時、一層隔てて位置することになるストライプ状In
P層405C及び405Dとは平行関係にあり、かつ、ストライ
プの周期の位相が180度ずれるようにする。これを加
熱することにより、ストライプ状InP層どうしを原子レ
ベルで密着させ、図4(e)に示すような構造物が得ら
れる。このようにして、3つの屈折率変化層が接合され
る。
【0035】更に、図4(f)に示すように上記構造体
C及びDの何れかのInP基板及びアンドープInGaAsエッ
チングストップ層をエッチングにより除去する。以上の
ようにして3次元フォトニック結晶構造体の前駆体てあ
る上部構造体・下部構造体を作製する。続いて、図5及
び図6を用いて活性層、p型光導波路、及びn型導波路
かなる光閉じ込め部303を含んだレーザ発光層の作製方
法について説明する。
【0036】図5は、これを作製する工程を示す工程図
であり、図6は、活性層を作製したのちに3次元フォト
ニック結晶構造を完成させる工程を示す図4に示す工程
以降の工程図である。図5(a)に示すように、(00
1)面配向の高抵抗InP基板501上に所定の膜厚(例え
ば、0.15μm)にアンドープInGaAsエッチングストップ
層502、次いで、所定の膜厚(0.15μm)に所定の組成
波長(ここでは、1.3μm)のInGaAsP層503を有機金属
気相成長法により順次堆積させる。
【0037】次に、図5(b)に示すように、(11
0)方向に所定の幅(例えば、0.1μm)、 方向に所定の幅(例えば、0.3μm)のInGaAsP領域503A
を残してInGaAsP層503の他の部分をInGaAsエッチングス
トップ層502の表面までエッチングする。このInGaAsP領
域503Aが後に活性層304となる。次に、図5(c)に示
すように、InGaAsエッチングストップ層502上に所定の
膜厚(例えば、0.15μm)のアンドープInP層504を有機
金属気相成長法により堆積させ、InGaAsP領域503Aを埋
め込む。
【0038】次に、アンドープInP層504上にSiO2層50
5を堆積させ、このSiO2層505の一部をエッチングによ
り除去し、SiO2層505をマスクとして、アンドープInP
層504の一部をエッチングにより除去する。この結果図
5(d)に示すように、SiO 2層505及びアンドープInP
層504部分に溝506が形成された構造体が得られる。溝50
6の寸法は、(110)方向に例えば500μm、 方向に0.4μm程度とすることができる。また、InGaA
sP領域503Aの(110)方向側の側面が露出するように
溝506の形成を行う必要がある。これは後に形成するp
型光導波路と活性層とを接触させる必要があるからであ
る。
【0039】次に、図5(e)に示すように、アンドー
プInP層504の除去部分の前記溝506に所定の組成波長
(ここでは、1.05μm)のInGaAsPを有機金属気相成
長法により堆積させ、InGaAsP層507を形成する。これが
p型光導波路305となる。次に、図5(f)に示すよう
に、SiO2層505をエッチングにより除去する。次に、
図5(g)に示すように上記した図5(d)から図
(f)に示した工程と同様にして、InGaAsP領域503Aを
挟んでInGaAsP層507とは(110)方向に反対側に所定
の組成波長(ここでは、InGaAsP層507の組成波長と同じ
もの。)のInGaAsPを有機金属気相成長法により堆積さ
せ、InGaAsP層508を形成する。これがn型光導波路306
となる。
【0040】次に、図5(h)に示すように、アンドー
プInP層504、InGaAsP領域503A、InGaAsP層507、及びInG
aAsP層508を、InGaAsP領域503A、InGaAsP層507、及びIn
GaAsP層508が一本のストライプに含まれるように選択的
にエッチングすることによって、(110)方向に延び
る上記した3次元フォトニック結晶構造体の前駆体のス
トライプ状InPの配列周期と同じ所定の周期・所定の幅
のストライプ509を形成する。ここに、InGaAsP領域503
A、InGaAsP層507、及びInGaAsP層508が含まれた一本の
ストライプ509Aが光閉じ込め部303となる。
【0041】このようにしてレーザ発光層が形成され
る。次に、図5(i)に示すように、先に作製した図4
(e)に示す3次元フォトニック結晶構造体の前駆体51
0を、図5(h)に示す構造とストライプが互いに直交
(90度)の関係となるように、ストライプどうしを接触
させ、これを加熱することにより密着させる。この時、
ストライプ509は、一層隔てて位置するストライプ511と
が平行関係にあり、かつ、ストライプの周期の位相が1
80度ずれるように位置合わせして両者を密着させる。
【0042】次に、図6(a)に示すように、ストライ
プ509を形成した側のInP基板501、アンドープInGaAsエ
ッチングストップ層502をエッチングにより除去する。
次に、先に作製した図4(e)に示すフォトニック結晶
構造体の前駆体510と、図6(a)に示す構造体と一層
隔てて位置するストライプが平行関係にあり、、かつ、
ストライプの周期の位相が180度ずれるように位置合
わせしてストライプどうしを互いに接触させ、これを加
熱することによって図6(b)に示すようにする。
【0043】このようにして、2つの3次元フォトニッ
ク結晶構造の前駆体である上部構造体・下部構造体に光
閉じ込め部を含むストライプ509が形成されたレーザ発
光層がいわゆるサンドイッチ状に挟まれ、内部に光閉じ
込め部303が挿設された3次元フォトニック結晶構造体
が得られる。次に、図6(c)に示すように、片側のIn
P基板514(図4の401と同様)をエッチングにより除去
し、アンドープInGaAsエッチングストップ層515(図4
の402と同様)を露出させる。
【0044】次に、アンドープInGaAsエッチングストッ
プ層515表面にSiO2層516を堆積させ、図7(a)に示
すように一部をエッチングにより除去する。この時、S
iO2層516の下部には、InGaAsP領域503A及びInGaAsP層5
08が完全に含まれるように、アンドープInGaAs層エッチ
ングストップ515が露出した部分517の下部には、InGaAs
P層507の少なくとも一部が含まれるようにするエッチン
グを行う。これは、以下の工程において不純物を位置選
択的に注入するためである。
【0045】次に、図7(b)に示すようにアンドープ
InGaAsエッチングストップ層の露出部分から不純物イオ
ン(ここでは、Zn)を注入する。不純物イオンを注入
したのち、熱処理を行って不純物イオンを活性化させて
アンドープInGaAsエッチングストップ層515の一部(図
1の要素番号110の部分に相当、次の処理では、図1
の要素番号111の部分に相当)及び3次元フォトニッ
ク結晶構造中のInGaAs層からびInGaAsP層507にいたるま
でのストライプ状InP部分に不純物イオンを導入して、
その部分の伝導型をp型にする。
【0046】次に、図7(a)、(b)に示したのと同
様の工程によって、図7(c)のようにアンドープInGa
Asエッチングストップ層及び3次元フォトニック結晶構
造体中のn型光導波路にいたるまでの部分で、アンドー
プInGaAsエッチングストップ層が露出した部分518の
下部に位置する部分に、不純物イオン(ここではSi)
を導入して、その部分の伝導型をn型にする。
【0047】そして、最後に、図7(d)に示すように
InGaAs層515のp型部分の表面にp型電極519を、n型の
InGaAs層515のn型部分にn型電極520を形成することに
より半導体レーザ素子が完成される。 <実施の形態2>次に実施の形態2にかかる半導体レーザ
素子について説明する。当該半導体レーザ素子の構成
は、実施の形態1にかかるものと同様であるが、製造方
法が異なっている。以下に相違点について説明する。
【0048】図4及び図6から図8を参照にしながら半
導体レーザ素子の製造方法について説明する。図8は光
閉じ込め部を含むレーザ発光層の作製方法を示す工程図
である。(001)面に配向した高抵抗InP基板801上に
所定の膜厚(0.15μm)のアンドープInGaAsエッチング
ストップ層802を有機金属気相成長法により堆積させ
る。続いて、SiO2層803をアンドープInGaAsエッチン
グストップ層802上に堆積させ、絶縁物質であるSiO2
層803の一部をアンドープInGaAsエッチングストップ層8
02表面部分までエッチングにより除去して凹部804を形
成する。これにより図8(a)に示すような構造体が得
られる。
【0049】ここで、凹部804の寸法は、(110)方
向に0.15μm、 方向に0.35μmとすることができる。次に、図8
(b)に示すように、凹部804部分に所定の組成波長
(ここでは1.3μm)のInGaAsP領域805を位置選択的
に有機金属気相成長法により形成する。なお、有機金属
気相成長法によってInGaAsPを成膜する場合、SiO2
の表面には結晶の成長は起こらず、凹部から露出したア
ンドープInGaAsエッチングストップ層802表面に選択的
に結晶を成長させることができる。絶縁物質としては、
SiO2以外にもSiNなどを用いるもともできる。
【0050】次に、図8(c)に示すように、残りのS
iO2層803をエッチングにより除去した後、アンドープI
nP層806を堆積させて、InGaAsP領域805を埋め込ませ
る。次に、図8(d)に示すようにアンドープInP層806
上にSiO2層807を堆積させた後、SiO2層807の一部を
エッチングに除去して溝807Aを形成する。そして、Si
2層807をマスクとして、アンドープInP層806の一部を
エッチングにより除去して溝807Aと同じパターンの溝80
6Aを形成する。なお、溝806Aの形成はInGaAsP領域805の
側面が露出した状態になるように行う。
【0051】次に、図8(e)に示すように、溝806A部
分に所定の組成波長(ここでは、1.05μm)のInGa
AsP層808を有機金属気相成長法により堆積させる。次
に、図8(f)に示すように、SiO2層807を除去す
る。次に、図8(g)に示すように上記した図8(d)
から(f)に示す工程と同様にして、InGaAsP領域805挟
むようにInGaAsP層808と(110)方向において反対側
にこれと同じ組成波長のInGaAsP層809を形成する。
【0052】次に、図8(h)に示すように、アンドー
プInP層806、InGaAsP領域805、InGaAsP層808及びInGaAs
P層809を、InGaAsP領域805、InGaAsP層808及びInGaAsP層
809が一本のストライプに含まれるように選択的にエッ
チングすることによって、(110)方向に延びる上記
した3次元フォトニック結晶構造体の前駆体のストライ
プ状InPの配列周期と同じ所定の周期・所定の幅のスト
ライプ810を形成する。ここに、InGaAsP片805A、InGaAs
P層808、及びInGaAsP層809が含まれた一本のストライプ
が光閉じ込め部となる。
【0053】このようにしてレーザ発光層が作製され
る。次に、図8(i)に示すように、先に作製した図4
(e)に示す3次元フォトニック結晶構造体の前駆体81
1を、図8(h)に示す構造とストライプが互いに直交
(90度)の関係となるように、ストライプどうしを接触
させ、これを加熱することにより密着させる。この時、
ストライプ810は、一層隔てて位置するストライプ812と
が平行関係にあり、かつ、ストライプの周期の位相が1
80度ずれるように位置合わせして両者を密着させる。
【0054】次に、図6及び図7に示した工程と同じ工
程を経ることにより本実施の形態にかかる半導体レーザ
素子が完成する。以上述べた製法によれば、実施の形態
1における製造方法のように活性層を形成するためのエ
ッチング工程を必要としないため、活性層に欠陥が生じ
難く、信頼性の高い半導体レーザ素子が実現可能とな
る。
【0055】<実施の形態3>次に実施の形態3にかかる
半導体レーザ素子について説明する。当該半導体レーザ
素子の構成は、基本的には実施の形態1にかかるものと
同様であるが、活性層が多重量子井戸構造となっている
点が異なっている。以下に相違点について説明する。
【0056】活性層304は、複数対(例えば5対)の井
戸層及び障壁層とからなる。井戸層には組成波長1.4
μmのInGaAsPを、障壁層には組成波長1.05μmのI
nGaAsPを用いることができる。そして、井戸層の膜厚は
0.006μm、障壁層の膜厚は0.01μmに設定する
ことができる。次に本実施の形態にかかる半導体レーザ
素子の製造方法に付いて説明する。
【0057】図9は、光閉じ込め部を含むレーザ発光層
の形成方法を示す工程図である。図9(a)に示すよう
に、(001)面に配向した高抵抗InP基板901上に所定
の膜厚のアンドープInGaAsエッチングストップ層902、
井戸層及び障壁層からなる多重量子井戸層903を順次、
有機金属気相成長方法により堆積させる。次に、多重量
子井戸層903をエッチングにより一部を除去して(11
0)方向に延びる多重量子井戸ストライプ903Aを形成す
る。この多重量子井戸ストライプ903Aは、例えば、(1
10)方向に500μm、 方向に0.3μmのものとすることができる。
【0058】次に、図9(c)に示すように多重量子井
戸ストライプ903Aの一端部側からストライプが延伸され
た方向に沿った所定量の一部分を覆うようにアンドープ
InGaAsエッチングストップ層902の表面にSiO2層904を
堆積させる。次に、図9(d)に示すように、SiO2
904が堆積されていない多重量子井戸ストライプ903Aの
部分903B及びアンドープInGaAsエッチングストップ層9
02の部分902Aの表面905から不純物イオン(ここではZ
n)を注入し、熱処理を施すことによって、その部分の
伝導型をp型とする。不純物イオンが注入された多重量
子井戸ストライプ部分903B及びアンドープInGaAsエッ
チングストップ層902の部分は、量子井戸構造が無秩序
化されることで、バンドギャップエネルギーがレーザ発
振エネルギーよりも大きくなり、光導波路として作用す
る。
【0059】次に、図9(e)に示すようにSiO2層90
4を除去する。次に、図9(f)に示すように上記した
図9(c)から(e)に示した工程と同様にして、多重
量子井戸ストライプ903Aの先ほどとはストライプの延伸
方向において反対側の端部側から先ほど被覆しなかった
部分のうちの一部分を覆うようにアンドープInGaAsエッ
チングストップ層の表面にSiO2層を堆積させ、SiO2
層から露出した表面から不純物イオン(ここではSi)
を注入・熱処理を施して、その部分の伝導型をn型とす
る。Siを注入した活性層の領域は、量子井戸構造が無
秩序化されることで、バンドギャップエネルギーがレー
ザ発振エネルギーよりも大きくなり、光導波路として作
用するこの結果、多重量子井戸ストライプ903Aは、p型
光導波路906、多重量子井戸領域907、及びn型光導波路
908、複数の領域がストライプの延伸方向に沿って配列
したものとなる。
【0060】次に、図9(g)に示すように、アンドー
プInP層909をInGaAsエッチングストップ層902(アンド
ープInGaAsエッチングストップ層がトープされた部分も
含むもの)表面に堆積し、p型光導波路906、多重量子
井戸領域907、及びn型光導波路908を埋め込む。次に、
図9(h)に示すように、アンドープInP層909、p型光
導波路906、多重量子井戸領域907、及びn型光導波路90
8を、p型光導波路906、多重量子井戸領域907、及びn
型光導波路908が一本のストライプに含まれるように選
択的にエッチングすることによって、(110)方向に
延びる上記した3次元フォトニック結晶構造体の前駆体
のストライプ状InPの配列周期と同じ所定の周期・所定
の幅のストライプ910を形成する。ここに、p型光導波
路906、多重量子井戸領域907、及びn型光導波路908が
含まれた一本のストライプが光閉じ込め部となる。
【0061】このようにしてレーザ発光層が形成され
る。次に、図9(i)に示すように、先に作製した図4
(e)に示す3次元フォトニック結晶構造体の前駆体91
1を、図9(h)に示す構造とストライプが互いに直交
(90度)の関係となるように、ストライプどうしを接触
させ、これを加熱することにより密着させる。この時、
ストライプ910は、一層隔てて位置するストライプ912と
が平行関係にあり、かつ、ストライプの周期の位相が1
80度ずれるように位置合わせして両者を密着させる。
【0062】次に、図6及び図7に示した工程と同じ工
程を経ることにより本実施の形態にかかる半導体レーザ
素子が完成する。以上の製法によれば、光導波路を形成
するために結晶を再成長させる工程を省くことが可能と
なる。即ち、予め光導波路となる部分に、多重量子井戸
ストライプを形成し無秩序化する手法をとっているた
め、光導波路を形成するために、別途、成膜する必要が
ない。
【0063】<実施の形態4>次に実施の形態4にかかる
半導体レーザ素子について説明する。当該半導体レーザ
素子の構成は、実施の形態4にかかるものと同様である
が、光閉じ込め部の形成方法が異なっている。以下に相
違点について説明する。図10は、光閉じ込め部を含む
レーザ発光層の形成方法を示す工程図である。
【0064】図10(a)に示すように、(001)面
に配向した高抵抗InP基板1001上に所定の膜厚(例えば
0.15μm)のアンドープInGaAsエッチングストップ
層1002、絶縁物質であるSiO2層1003を順次、有機金
属気相成長方法により堆積させる。その後、SiO2層1
003をアンドープInGaAsエッチングストップ層1002の表
面が露出する部分までエッチングにより一部を除去して
ストライプ状の溝1004を形成する。この溝1004は、例え
ば、(110)方向に500μm、 方向に0.4μmに設定することができる。
【0065】次に、図10(b)に示すように、多重量
子井戸ストライプ1005を前記溝1004部分に選択的に有機
金属気相成長法により堆積させる。多重量子井戸ストラ
イプ1005は、複数対(例えば、5対)の井戸層及び障壁
層とからなる。井戸層には組成波長1.4μmのInGaAs
Pを、障壁層には組成波長1.05μmのInGaAsPを用い
ることができる。そして、井戸層の膜厚は0.006μ
m、障壁層の膜厚は0.01μmに設定することができ
る。
【0066】次に、図10(c)に示すように多重量子
井戸ストライプ1005の一端部側からストライプが延伸さ
れた方向に沿った所定量の一部分を覆うようにアンドー
プInGaAsエッチングストップ層1002の表面にSiO2層10
06を堆積させる。次に、図10(d)に示すように、S
iO2層1006が堆積されていない多重量子井戸ストライプ
1005の部分1005A及びアンドープInGaAsエッチングスト
ップ層1002の部分1002Aの表面1007から不純物イオン
(ここではZn)を注入し、熱処理を施すことによっ
て、その部分の伝導型をp型とする。不純物イオンが注
入された多重量子井戸ストライプ部分903B及びアンドー
プInGaAsエッチングストップ層902の部分は、量子井戸
構造が無秩序化されることで、バンドギャップエネルギ
ーがレーザ発振エネルギーよりも大きくなり、光導波路
として作用する。
【0067】次に、図10(e)に示すように、SiO
2層1006を除去する。次に、図10(d)に示すように
上記した図10(c)から(e)に示した工程と同様に
して、多重量子井戸ストライプ1005の先ほどとはストラ
イプの延伸方向において反対側の端部側から先ほど被覆
しなかった部分のうちの一部分を覆うようにアンドープ
InGaAsエッチングストップ層の表面にSiO2層を堆積さ
せ、SiO2層から露出した表面から不純物イオン(ここ
ではSi)を注入・熱処理を施して、その部分の伝導型
をn型とする。Siを注入した活性層の領域は、量子井
戸構造が無秩序化されることで、バンドギャップエネル
ギーがレーザ発振エネルギーよりも大きくなり、光導波
路として作用する。
【0068】この結果、多重量子井戸ストライプ1005
は、p型光導波路1008、多重量子井戸領域1009、及びn
型光導波路1010、複数の領域がストライプの延伸方向に
沿って配列したものとなる。次に、図10(g)に示す
ように、アンドープInP層1011をInGaAsエッチングスト
ップ層1002表面に堆積し、p型光導波路1008、多重量子
井戸領域1009、及びn型光導波路1010を埋め込む。
【0069】次に、図10(h)に示すように、アンド
ープInP層1011、p型光導波路1008、多重量子井戸領域1
009、及びn型光導波路1010を、p型光導波路1008、多
重量子井戸領域1009、及びn型光導波路1010が一本のス
トライプに含まれるように選択的にエッチングすること
によって、(110)方向に延びる上記した3次元フォ
トニック結晶構造体の前駆体のストライプ状InPの配列
周期と同じ所定の周期・所定の幅のストライプ1011を形
成する。ここに、p型光導波路1008、多重量子井戸領域
1009、及びn型光導波路1010が含まれた一本のストライ
プが光閉じ込め部となる。
【0070】このようにしてレーザ発光層が形成され
る。次に、図10(i)に示すように、先に作製した図
4(e)に示す3次元フォトニック結晶構造体の前駆体
1012を、図10(h)に示す構造とストライプが互いに
直交(90度)の関係となるように、ストライプどうしを
接触させ、これを加熱することにより密着させる。この
時、ストライプ1011は、一層隔てて位置するストライプ
1012とが平行関係にあり、かつ、ストライプの周期の位
相が180度ずれるように位置合わせして両者を密着さ
せる。
【0071】次に、図6及び図7に示した工程と同じ工
程を経ることにより本実施の形態にかかる半導体レーザ
素子が完成する。以上の製法によれば、実施の形態2及
び3における効果双方を奏する。即ち、活性層を形成す
るためのエッチング工程及び光導波路を形成するために
結晶を再成長させる工程を省くことが可能となる。
【0072】以上本発明の実施の形態について具体的に
説明してきたが、本発明は上記内容に限定されないのは
言うまでもなく、以下のような変形例も考えられる。ま
ず、上記実施の形態では、p型光導波路305及びn型光
導波路306の形成には、InGaAsPを用いた場合について説
明したが、バンドギャップエネルギーが活性部(多重量
子井戸型の場合には、井戸層)のバンドギャップエネル
ギー以上になるものであれば何れの材料で形成しても構
わない。
【0073】次に、上記実施の形態では、活性部の組成
波長つまり、半導体レーザ素子の発振波長は、1.3μ
m帯であったが、1.55μm帯及びそれ以外としても
構わない。また、結晶の配向面とストライプ状InPの延
伸方向とは上記のようにそれぞれ(001)方向及び
(110)方向としなくてもよいが、このように規定す
ることが望ましい。
【0074】次に、上記実施の形態では、p型光導波路
305及びn型光導波路306は、光導波路及びキャリア伝導
路を兼用したものであったが、光導波路及びキャリア伝
導路とを別個に設けることもできる。次に、上記実施の
形態では、発振波長は単一であったが、複数の発振波長
を持たせることもできる。例えば、3次元フォトニック
結晶構造体のストライプ状InPの配列周期を所定区分ご
とに増減させたものとし、その各区分内に上記した方法
によって組成波長の異なる活性層を備えた光閉じ込め部
を挿設させることにより実現できる。
【0075】次に、上記実施の形態では、3次元フォト
ニック結晶構造体は、ストライプ状InPと空気層とで光
の屈折率が周期的に異なるものに形成されていたが、光
の屈折率が異なる物質をストライプ状に加工してこれら
を周期的に配列させることによっても形成することがで
きる。
【0076】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の半導
体レーザ素子は、第一の方向に沿って周期的に光の屈折
率の大きさが変化する第一の屈折率変化層と、前記第一
の方向と異なる方向の第二の方向に沿って周期的に光の
屈折率の大きさが変化する第二の屈折率変化層とが交互
に積層されて、光閉じ込め効果を有する3次元フォトニ
ック結晶構造体が構成されるとともに、当該3次元フォ
トニック結晶構造体の中央部で、所定の屈折率を有する
部分に、給電によりレーザ光を発生する活性部が挿設さ
れていることを特徴とする。
【0077】これにより、3次元フォトニック結晶構造
体の光閉じ込め作用を利用できるので、活性部で発生し
た光の閉じ込め効果に優れ、低閾値電流特性の半導体レ
ーザ素子が実現される。しかも、3次元フォトニック結
晶構造体に上記のような単純な積層体を用いるのではな
く、第一の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する
第一の屈折率変化層と、前記第一の方向と異なる方向の
第二の方向に沿って周期的に光の屈折率が変化する第二
の屈折率変化層とが交互に積層されてなるものを用いる
ので、積層するプロセスにおいて活性部を形成すること
が可能となるため、3次元フォトニック結晶構造体を適
用した半導体レーザ素子を実現することができる。
【0078】また、本発明の半導体レーザ素子の製造方
法は、複数の光学的屈折柱状体と給電によりレーザ光を
発生させる活性部を含むレーザ発光柱状体とを規則的に
配置する工程を含むことを特徴とする。これによれば、
3次元フォトニック結晶構造体を構成する各要素を積層
するプロセスにおいて活性部を形成することが可能とな
るため、3次元フォトニック結晶構造体を適用した半導
体レーザ素子を実現することができる。この結果、3次
元フォトニック結晶構造体の光閉じ込め作用を利用でき
るので、活性部で発生した光の閉じ込め効果に優れ、低
閾値電流特性の半導体レーザ素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる半導体レーザ素
子の構成を示す図である。(a)は、斜視図であり、
(b)は、A−A’線を含む垂直断面図である。
【図2】3次元フォトニック結晶構造体の構造を説明す
るための図である。(a)、(b)、(c)ともにスト
ライプ状InPの位置関係を示す図である。
【図3】前記半導体レーザ素子の透視図であり、光閉じ
込め部の構成を示す図である。
【図4】3次元フォトニック結晶構造体の作製方法の工
程の一部を示す図であり、(a)〜(f)の順に進行す
る。
【図5】光閉じ込め部を含むレーザ発光層の作製方法の
工程を示す図であり、(a)〜(i)の順に進行する。
【図6】図4及び図5に示した工程を経て作製された構
造物を接合させて3次元フォトニック結晶構造体を完成
させる工程示す図であり、(a)〜(c)の順に進行す
る。
【図7】半導体レーザ素子を完成させる最終段階の工程
を示す図であり、(a)〜(d)の順に進行する。
【図8】実施の形態2にかかる半導体レーザ素子の光閉
じ込め部を含むレーザ発光層の作製方法を示す図であ
り、(a)〜(i)の順に進行する。
【図9】実施の形態3にかかる半導体レーザ素子の光閉
じ込め部を含むレーザ発光層の作製方法を示す図であ
り、(a)〜(i)の順に進行する。
【図10】実施の形態4にかかる半導体レーザ素子の光
閉じ込め部を含むレーザ発光層の作製方法を示す図であ
り、(a)〜(i)の順に進行する。
【図11】従来例にかかる3次元フォトニック結晶構造
体に構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ素子 101 高抵抗InP基板 102 アンドープInGaAsエッチングストップ層 103 3次元フォトニック結晶構造体 103A ストライプ状InP 103B 屈折率変化層 103C 上部構造体 103D 下部構造体 103E レーザ発光層 104 InGaAsコンタクト層 105 p型電極 106 n型電極 107 活性層を含む高抵抗領域 108 p型光導波路を含むp型伝導領域 109 n型光導波路を含むn型伝導領域 110 p型InGaAsコンタクト層 111 n型InGaAsコンタクト層 201 基板 202 1層目のストライプ状InP 203 2層目のストライプ状InP 204 3層目のストライプ状InP 205 4層目のストライプ状InP 301 基板 302 5層目のストライプ状InP 303 光閉じ込め部 304 活性層 305 p型光導波路 306 n型光導波路 401 (001)面配向の高抵抗InP基板 401B 構造体Bの高抵抗InP基板 401D 構造体Dの高抵抗InP基板 402 アンドープInGaAsエッチングストップ層 402B 構造体BのアンドープInGaAsエッチングストップ
層 402D 構造体DのアンドープInGaAsエッチングストップ
層 403 アンドープInP層 404 ストライプ状InP層 404A 構造体Aのストライプ状InP層 404B 構造体Bのストライプ状InP層 404C 構造体Cの基板に近いストライプ状InP層 404D 構造体Dの基板に近いストライプ状InP層 501 (001)面配向の高抵抗InP基板 502 アンドープInGaAsエッチングストップ層 503 InGaAsP層 503A InGaAsP領域 504 アンドープInP層 505 SiO2層 506 溝 507 InGaAsP層 508 InGaAsP層 509 ストライプ 509A InGaAsP領域503A、InGaAsP層507、及びInGaAsP層5
08が含まれたストライプ 510 3次元フォトニック結晶構造体の前駆体 511 フォトニック結晶構造前駆体の基板から3番目の
ストライプ 512 3次元フォトニック結晶構造体の前駆体 513 フォトニック結晶構造前駆体の基板から3番目の
ストライプ 514 高抵抗InP基板 515 アンドープInGaAsエッチングストップ層 516 SiO2層 517 アンドープInGaAs層エッチングストップ515が露出
した部分 518 アンドープInGaAsエッチングストップ層が露出し
た部分 519 p型電極 520 n型電極 801 (001)面配向の高抵抗InP基板 802 アンドープInGaAsエッチングストップ層 803 SiO2層 804 凹部 805 InGaAsP領域 806 アンドープInP層 806A 溝 807 SiO2層 807A 溝 808 InGaAsP層 809 InGaAsP層 810 ストライプ 811 3次元フォトニック結晶構造前駆体 812 3次元フォトニック結晶構造前駆体の基板から3
番目のストライプ 901 (001)面配向の高抵抗InP基板 902 アンドープInGaAsエッチングストップ層 902A SiO2層904が堆積されていないアンドープInGaA
sエッチングストップ層902の部分 903 多重量子井戸層 903A 多重量子井戸ストライプ 903B SiO2層904が堆積されていない多重量子井戸スト
ライプ903Aの部分 904 SiO2層 905 902B及び903Bの表面 906 p型光導波路 907 多重量子井戸領域 908 n型光導波路 909 アンドープInP層 910 ストライプ 911 3次元フォトニック結晶構造前駆体 912 3次元フォトニック結晶構造前駆体の基板から3
番目のストライプ 1001 (001)面配向の高抵抗InP基板 1002 アンドープInGaAsエッチングストップ層 1002A SiO2層1006が堆積されていないアンドープInGa
Asエッチングストップ層1002の部分 1003 SiO2層 1004 溝 1005 多重量子井戸ストライプ 1006 SiO2層 1005A SiO2層1006が堆積されていない多重量子井戸ス
トライプ1005の部分 1007 1002A及び1005Aの表面 1008 p型光導波路 1009 多重量子井戸領域 1010 n型光導波路 1011 ストライプ 1012 3次元フォトニック結晶構造前駆体 1013 3次元フォトニック結晶構造前駆体の基板から3
番目のストライプ 1101 材料A 1102 材料B

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の方向に沿って周期的に光の屈折率
    の大きさが変化する第一の屈折率変化層と、前記第一の
    方向と異なる方向の第二の方向に沿って周期的に光の屈
    折率の大きさが変化する第二の屈折率変化層とが交互に
    積層されて、光閉じ込め効果を有する3次元フォトニッ
    ク結晶構造体が構成されるとともに、 当該3次元フォトニック結晶構造体の中央部で、所定の
    大きさの屈折率を有する部分に、給電によりレーザ光を
    発生する活性部が挿設されていることを特徴とする半導
    体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記第一の屈折率変化層は、第一の方向
    に沿って複数の光学的屈折柱状体が空間をおいて所定ピ
    ッチで平行に配されてなり、 又、 第二の屈折率変化層は、複数の光学的屈折柱状体が第二
    の方向に沿って空間をおいて所定ピッチで平行に配され
    てなり、 更に、 前記第一の屈折率変化層及び第二の屈折率変化層の何れ
    かにおいて、一の光学的屈折柱状体が配置される位置
    に、当該柱状体に替えて活性部を含むレーザ発光柱状体
    が配されていることを特徴とする請求項1に記載の半導
    体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記活性部は、前記レーザ発光柱状体の
    長手方向に沿った中央部に形成されており、当該レーザ
    発光柱状体において活性部端縁からレーザ発光柱状体の
    両端部にいたる部分はキャリア伝導路を兼用するp型光
    導波路及びn型光導波路が形成されていることを特徴と
    する請求項2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記3次元フォトニック結晶構造体は、
    前記柱状体のp型光導波路、n型光導波路と位置が整合
    する状態で、p型キャリア伝導路、n型キャリア伝導路
    が形成され、 前記p型キャリア伝導路に位置を整合させてp型コンタ
    クト層及びp型電極が、前記n型キャリア伝導路に位置
    を整合させてn型コンタクト層及びn型電極が形成され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ
    素子。
  5. 【請求項5】 請求項1の記載の半導体レーザ素子の製
    造方法であって、 複数の光学的屈折柱状体と給電によりレーザ光を発生さ
    せる活性部を含むレーザ発光柱状体とを規則的に配置す
    る工程を含むことを特徴とする半導体レーザ素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の光学的屈折柱状体とレーザ発
    光柱状体とを配置する前記工程は、前記光学的屈折柱状
    体複数を並列状に配置することにより、一の方向に周期
    的に光の屈折率が変化する屈折率変化層を作製する第一
    のサブ工程と、 給電によりレーザ光を発生する活性部を含むレーザ発光
    柱状体と前記光学的屈折柱状体複数を並列状に配置する
    ことにより、光学的屈折柱状体の間に前記レーザ発光柱
    状体が位置する状態で配置しレーザ発光層を作製する第
    二のサブ工程と、 前記屈折率変化層とレーザ発光層とを積層する第三のサ
    ブ工程と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の半
    導体レーザ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第一のサブ工程は、複数の光学的屈
    折柱状体を平行に等ピッチで配置することにより光学的
    屈折柱状体とその間の柱状空気層とで屈折率が周期的に
    変化する屈折率変化層を作製し、 第二のサブ工程は、複数の光学的屈折柱状体を平行に屈
    折率変化層と同じピッチで配列し、中央部分に光学的屈
    折柱状体に変えてレーザ発光柱状体が位置する状態のレ
    ーザ発光層を作製することを特徴とする請求項6に記載
    の半導体レーザ素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第二のサブ工程は、所定の基板表面
    にエッチングストップ層を形成する第一のステップと、
    当該エッチングストップ層表面に活性部に近い形状の活
    性部領域を形成する第二のステップと、前記エッチング
    ストップ層表面にp型光導波路及びn型光導波路の形状
    に近い形状となるように活性部領域に隣接させてp型光
    導波路領域及びn型光導波路領域を形成する第三のステ
    ップと、活性部領域、p型光導波路領域及びn型光導波
    路領域の周囲に前記光学的屈折柱状体を構成する物質を
    膜状に配置する第四のステップと、前記屈折率変化層と
    同じ配置周期となるように前記活性部領域、p型光導波
    路領域、n型光導波路領域及び光学的屈折柱状体の構成
    物質の膜をパターニングすることによってレーザ発光層
    を作製する第五のステップと、を含み、 又、 前記第三のサブ工程は、屈折率変化層とレーザ発光層を
    積層したのち前記基板及びエッチングストップ層を除去
    するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の
    半導体レーザ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第二のステップは、前記エッチング
    ストップ層表面に活性部を構成する物質を成膜する第一
    のサブステップと、当該膜をパターニングすることによ
    って活性部領域を形成する第二のサブステップと、を含
    む、 ことを特徴とする請求項8に記載の半導体レーザ素子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第二のステップは、前記エッチン
    グストップ層表面に絶縁物質を成膜する第一のサブステ
    ップと、前記絶縁物質の膜に凹部を形成する第二のサブ
    ステップと、前記凹部に有機金属気相成長法によって活
    性部領域を形成する第三のサブステップと、当該活性部
    領域を形成した後前記絶縁物質の膜を除去する第四のサ
    ブステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載
    の半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記活性部は、量子井戸型であって、 前記第二のサブ工程は、所定の基板表面にエッチングス
    トップ層を形成する第一のステップと、当該エッチング
    ストップ層表面に、活性部、p型光導波路及びn型光導
    波路を含めた大きさ近くの、活性部を構成する物質の帯
    状体を形成する第二のステップと、当該帯状体の端部か
    ら中央付近を残して不純物を導入して導入した部分をp
    型光導波路領域及びn型光導波路領域とすることにより
    不純物を導入しない部分を活性部領域とする第三のステ
    ップと、活性部領域、p型光導波路領域及びn型光導波
    路領域の周囲に前記光学的屈折柱状体を構成する物質を
    成膜する第四のステップと、前記屈折率変化層と同じ配
    置周期となるように前記活性部領域、p型光導波路、n
    型光導波路及び光学的屈折柱状体の構成物質の膜をパタ
    ーニングすることによってレーザ発光層を作製する第五
    のステップと、を含み、 又、 前記第三のサブ工程は、屈折率変化層とレーザ発光層を
    積層したのち前記基板及びエッチングストップ層を除去
    するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の
    半導体レーザ素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第二のステップは、活性部を構成
    する物質を前記エッチングストップ層表面に成膜する第
    一のサブステップと、当該膜をパターニングすることに
    よって、前記帯状体を形成する第二のサブステップと、
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体レー
    ザ素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第二のステップは、前記エッチン
    グストップ層表面に絶縁物質を成膜する第一のサブステ
    ップと、前記絶縁物質の膜にストライプ状の溝を形成す
    る第二のサブステップと、前記溝に有機金属気相成長法
    によって活性部領域を形成する第三のサブステップと、
    当該活性部領域を形成した後前記絶縁物質の膜を除去す
    る第四のサブステップと、を含むことを特徴とする請求
    項11に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記屈折率変化層及びレーザ発光層を
    積層して3次元フォトニック結晶構造を作製した後、p
    型光導波路及びn型光導波路と位置を整合させるよう
    に、p型キャリア伝導路及びn型キャリア伝導路を形成
    する第二の工程を含むことを特徴とする請求項8から1
    3の何れかに記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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