JP5644695B2 - 面発光レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、面発光レーザ素子に関する。
面発光レーザ素子101は、例えば、図9に示すように、n型半導体基板103、出射側電極105、出射側分布反射ミラー107、クラッド層109、活性層111、クラッド層113、非出射側分布反射ミラー115、非出射側電極117を備える。出射側分布反射ミラー107、クラッド層109、活性層111、クラッド層113、非出射側分布反射ミラー115は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等の結晶成長技術を用いて、真空系の中で成膜する。
出射側電極105は、開口部105aを備える。また、非出射側電極117の外周部は、絶縁層119によって非出射側分布反射ミラー115と隔てられており、非出射側電極117の中央部(コンタクト部117a)のみが、非出射側分布反射ミラー115と接している。
面発光レーザ素子101において大出力化を実現するためには、素子の大口径化等により、素子を大面積化する必要がある。しかし、面発光レーザ素子101の大面積化に伴い、開口部105aを有する出射側電極105からの注入キャリア(電子またはホール)が、活性層(発光部)111の中心部よりも周辺に集中し、中心部との間に注入電流分布が発生してしまう(図10参照)。活性層111への電流注入が不均一であると、局所的な電流集中によって素子が発熱し、キャリアのオーバーフローによって出力低下(図11参照)や、信頼性低下を招く。
そこで、面発光レーザ素子の内部に電流狭窄層を形成し、活性層への電流注入を均一化する技術が提案されている。この電流狭窄層とは、その中央部では、周辺部に比べて電流を通しやすい層である。電流狭窄層は、活性層近傍やDBR(分布反射ミラー)中に形成される。また、電流狭窄層は、周辺部にイオン注入を行い、その領域を半絶縁領域とする方法で形成される(特許文献1参照)。
特開2003−17806号公報
しかしながら、イオン注入の方法等により、活性層近傍やDBR中に電流狭窄層を形成する場合には、面発光レーザ素子を、成膜の途中で真空系の外に出さなければならない。そのため、面発光レーザ素子の製造に要する工程が増加してしまう。また、真空系の外に出すことで、コンタミ等の問題が生じ、面発光レーザ素子の信頼性が低下してしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、上記の課題を解決できる面発光レーザ素子を提供することを目的とする。
本発明の面発光レーザ素子は、半導体基板と、前記半導体基板における一方の面に設けられた第1の電極と、前記半導体基板における反対側の面に設けられた、第1の分布反射ミラー、第1のクラッド層、活性層、第2のクラッド層、第2の分布反射ミラー、及び第2の電極とを備える。前記第1の電極と前記第2の電極のうち、一方は、開口部を有する出射側電極であり、他方は、コンタクト部を有する非出射側電極である。また、本発明の面発光レーザ素子は、膜厚方向での電気抵抗が、中央部よりも、周辺部において大きい抵抗分布層を、前記非出射側電極に隣接する位置に備える。
本発明の面発光レーザ素子は、膜厚方向での電気抵抗が、中央部よりも、周辺部において大きい抵抗分布層により、周辺部での電流の流れを抑制し、活性層への電流注入を均一化することができる。
また、抵抗分布層の位置は、非出射側電極に隣接する位置であるから、抵抗分布層は、例えば、MOCVD法等で形成する層のうち、最後に形成する層とすることができる。そのため、面発光レーザ素子を真空系から取り出して、例えばエッチング等の方法により抵抗分布層を完成した後、面発光レーザ素子を再び真空系内に戻す必要がない。
その結果、抵抗分布層を設けても、成膜の途中で面発光レーザ素子を真空系の外に出す必要が無いので、コンタミ等の問題が生じ難く、面発光レーザ素子の信頼性が向上する。また、酸化膜層やイオン注入を必ずしも用いなくてもよいので、材料の選択自由度が高く、ダメージの問題もない。
前記抵抗分布層は、前記中央部に、前記周辺部よりも膜厚が薄い凹部を備えるこうすることにより、電気抵抗の分布を容易に、且つ精度よく形成することができる。
前記凹部の断面形状は、1段又は複数段のステップ形状であり、前記ステップ形状における1段の深さDは、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
式(1):D=m×(λ/2)、(mは整数であり、λは面発光レーザの発光波長)
こうすることにより、抵抗分布層が分布反射ミラーに接している場合でも、分布反射ミラーの反射率は、場所によらず一定となる。この理由を以下で説明する。
抵抗分布層が凹部を備え、その膜厚が場所により変動すると仮定する。抵抗分布層が分布反射ミラーに接している場合、抵抗分布層の膜厚が変動するのにともない、分布反射ミラーの反射率は、図4に示すように、λ/2を1周期として、周期的に変動する。凹部の断面形状が上記のものであれば、ステップ形状における1段の深さDは、分布反射ミラーの反射率が変動する周期の整数倍であるから、抵抗分布層のいずれの場所においても、分布反射ミラーの反射率は一定となる。すなわち、凹部の断面形状が上記のものであれば、抵抗分布層の膜厚が場所により変動しても、分布反射ミラーの反射率は場所によらず一定となる。
前記抵抗分布層は、第1の層と、前記第1の層とはエッチングレートの差がある第2の層とが交互に積層されたものであることが好ましい。この場合、凹部をエッチングにより形成するとき、第1の層と第2の層とのうち、エッチングレートが小さい層を、エッチングを一定の深さで止めるためのエッチングストップ層として利用することができる。そのことにより、エッチング工程の制御が容易であり、凹部を容易且つ正確に形成することができる。
前記第1の層と前記第2の層とでは、例えば、材料を変えることにより、エッチングレートに差をつけることができる。
前記抵抗分布層は、A層と、前記A層よりも電気抵抗が大きいB層とが交互に積層されたものであり、前記ステップ形状における、膜厚方向と直交する面では、前記A層が表面に表れているこうすることにより凹部では、膜厚方向に沿った面よりも、膜厚方向と直交する面において電流が流れやすい。そのため、凹部の電気抵抗は、凹部における膜厚に応じて決まるので、電気抵抗の制御が容易である。
前記第A層と前記B層とでは、例えば、キャリア濃度を変えることにより、電気抵抗に差をつけることができる。
前記出射側分布反射ミラーとは、前記第1の分布反射ミラーと前記第2の分布反射ミラーとのうち、前記出射側電極に近い方を意味する。
前記非出射側電極に隣接する位置とは、非出射側電極に直接的に接する位置であってもよいし、非出射側電極との間に他の層が介在しつつ、非出射側電極の近傍にある位置であってもよい。また、非出射側電極に直接的に接する位置の場合、抵抗分布層の全体が非出射側電極に接する態様でもよいし、抵抗分布層の一部(例えば中央部)は非出射側電極に接し、前記一部以外は非出射側電極に接しない(間に他の層が存在する)態様でもよい。
本発明の面発光レーザ素子において、半導体基板、第1の分布反射ミラーの導電型は、第1の導電型であり、第2の分布反射ミラーの導電型は、第2の導電型である。ここで、第1の導電型は、p型、n型のうちの一方であり、第1の導電型がp型である場合、第2の導電型はn型であり、第1の導電型がn型である場合、第2の導電型はp型である。
面発光レーザ素子1の全体構成を表す側断面図である。 抵抗分布層16及びその周辺の構成を表す側断面図である。 抵抗分布層16を形成する工程を表す説明図である。 抵抗分布層の厚さとDBRの反射率との関係を表すグラフである。 抵抗分布層16及びその周辺の構成を表す側断面図である。 抵抗分布層16を形成する工程を表す説明図である。 面発光レーザ素子51の全体構成を表す側断面図である。 抵抗分布層54及びその周辺の構成を表す側断面図である。 従来の面発光レーザ素子の構成を表す側断面図である。 従来の面発光レーザ素子における注入電流分布を表す説明図である。 局所的な電流集中により生じる出力低下を表す説明図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
1.面発光レーザ素子1の構成
面発光レーザ素子1の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。図1は、面発光レーザ素子1の全体構成を表す側断面図である。図2は、後述する抵抗分布層16及びその周辺の構成を表す側断面図である。図3は、抵抗分布層16を形成する工程を表す説明図である。
面発光レーザ素子1は、n型半導体基板3、出射側電極(第1の電極)5、出射側DBR(第1の分布反射ミラー、出射側分布反射ミラー)7、クラッド層(第1のクラッド層)9、活性層11、クラッド層(第2のクラッド層)13、非出射側DBR(第2の分布反射ミラー、非出射側分布反射ミラー)15、抵抗分布層16、非出射側電極(第2の電極)17を備える。
出射側DBR7、クラッド層9、活性層11、クラッド層13、非出射側DBR15、及び抵抗分布層16は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等の結晶成長技術を用いて、真空系の中で形成する。
出射側電極5は、その中央に、開口部5aを備える。また、非出射側電極17の外周部は、絶縁層19によって非出射側DBR15と隔てられており、非出射側電極17の中央部(コンタクト部17a)のみが、非出射側DBR15と接している。
n型半導体基板3は、化合物半導体から成り、例えば、n型GaAs基板またはn型InP基板で構成される。出射側DBR7は、屈折率の高い層と低い層とを交互に積層した構成を有し、例えば、n型Alx1Ga(1-x1)Asとn型Alx2Ga(1-x2)Asとを1組(x1<x2)として、21組を積層したものである。出射側DBR7を構成する各層の膜厚は、発振波長λに対し、光学長がλ/4となる膜厚である。
クラッド層9、13は、バンドギャップが出射側DBR7及び非出射側DBR15よりも低く、活性層11より高い層である。クラッド層9、13は、例えば、Al0.3Ga0.7Asで構成することができる。
活性層11は発光部であり、量子井戸で構成される。例えば、厚さ10nmのAl0.3Ga0.7As及びGaAsで構成される。非出射側DBR15は、基本的には、出射側DBR7と同様の構成であるが、積層する組数を25組程度にして、非出射側DBR15における組数よりも多くする。
抵抗分布層16は、非出射側電極17と非出射側DBR15との間(非出射側電極17に隣接する位置)に設けられている。抵抗分布層16の組成は、AlxGa(1-x)Asである。ここで、xは、x1であってもよいし、x2であってもよい。
抵抗分布層16の中央部には、図2に示すように、凹部16aが形成されており、抵抗分布層16の中央部における膜厚は、周辺部よりも薄い。また、抵抗分布層16の中央部における電気抵抗は、周辺部における電気抵抗よりも小さい。
凹部16aは、非出射側電極17の側に開口しており、非出射側電極17は、その凹部16aの形状に沿って形成されている。凹部16aの断面形状は、2段階のステップ形状である。すなわち、凹部16aは、最も深く掘られた面16bと、それよりも1段浅くなった面16cとを有する。面16bと面16cとの膜厚方向(図2での上下方向)における距離はDである。また、面16cと、抵抗分布層16の凹部16a以外の面16dとの距離もDである。この距離D(凹部16aのステップ形状における1段あたりの深さ)は、下記式(1)で表される。
式(1):D=m×(λ/2)、(mは整数であり、λは面発光レーザ素子1の発光波長)
次に、抵抗分布層16の形成方法を図3に基づいて説明する。まず、図3(1)に示すように、均一な厚みの抵抗分布層16(凹部16aは未形成)を、非出射側DBR15の上に形成する。
次に、図3(2)に示すように、抵抗分布層16の上に、リソグラフィによりパターニングされたマスク21を形成する。次に、図3(3)に示すように、マスク21で保護されていない部分をエッチングし、凹部22を形成する。なお、エッチングの方法は、ドライエッチングでもよいし、ウエットエッチングでもよい。その後、マスク21は除去する。
次に、図3(4)に示すように、凹部22よりも外側に、リソグラフィによりパターニングされたマスク24を形成する。次に、図3(5)に示すように、マスク24で保護されていない部分をエッチングする。すると、マスク24で保護されていない部分のうち、凹部22はさらに深くエッチングされ、凹部22以外の部分は、それよりも浅くエッチングされる。その後、マスク24を除去すると、2段階のステップ形状を有する凹部16aが完成する。
2.面発光レーザ素子1が奏する効果
(1)抵抗分布層16は、その中央部に凹部16aを備えるので、抵抗分布層16の膜厚は中央部において薄く、周辺部において厚い。そのことにより、抵抗分布層16の電気抵抗は中央部において小さく、周辺部において大きい。よって、抵抗分布層16は、周辺部での電流の流れを抑制し、活性層への電流注入を均一化する電流狭窄層として機能する。
(2)抵抗分布層16の位置は、非出射側電極17と非出射側DBR15との間(非出射側電極17に隣接する位置)であるから、抵抗分布層16は、MOCVD法で形成する層のうち、最後に形成する層である。そのため、抵抗分布層16を形成し、真空系から取り出して上記のようなエッチング工程により凹部16aを形成した後、面発光レーザ素子1を再び真空系内に戻す必要がない。
その結果、抵抗分布層16を形成しても、MOCVD法による成膜の途中で面発光レーザ素子1を真空系の外に出す必要が無いので、コンタミ等の問題が生じ難く、面発光レーザ素子1の信頼性が向上する。また、酸化膜層やイオン注入を用いないので、材料の選択自由度が高く、ダメージの問題もない。
(3)抵抗分布層16は、凹部16aを備え、その膜厚が場所により変動する。抵抗分布層16は非出射側DBR15上に形成されているので、抵抗分布層16の膜厚が変動するのにともない、非出射側DBR15の反射率は、図4に示すように、λ/2を1周期として、周期的に変動する。
本実施形態では、凹部16aの断面形状がステップ形状であり、1段当たりの段差は、m×(λ/2)、すなわち、非出射側DBR15の反射率が変動する周期λ/2の整数倍であるから、抵抗分布層16のいずれ部分においても、非出射側DBR15の反射率は一定となる。よって、抵抗分布層16の膜厚が場所によって変動しても、非出射側DBR15の反射率は、場所によらず一定となる。
<第2の実施形態>
1.面発光レーザ素子1の構成
面発光レーザ素子1の全体構成は、前記第1の実施形態と同様である。すなわち、本実施形態の面発光レーザ素子1も、図1に示すように、n型半導体基板3、出射側電極(第1の電極)5、出射側DBR(第1の分布反射ミラー、出射側分布反射ミラー)7、クラッド層(第1のクラッド層)9、活性層11、クラッド層(第2のクラッド層)13、非出射側DBR(第2の分布反射ミラー、非出射側分布反射ミラー)15、抵抗分布層16、非出射側電極(第2の電極)17、絶縁層19を備える。
ただし、本実施形態では、抵抗分布層16の構成が、前記第1の実施形態とは異なる。以下では、抵抗分布層16の構成及び形成方法を、図5及び図6に基づいて説明する。なお、図5は、抵抗分布層16及びその周辺の構成を表す側断面図である。また、図6は、抵抗分布層16を形成する工程を表す説明図である。
抵抗分布層16は、図5に示すように、非出射側電極17と非出射側DBR15との間(非出射側電極17に隣接する位置)に設けられている。抵抗分布層16は、第1の層(A層)25と、第2の層(B層)27とを交互に積層したものである。第1の層25と第2の層27とでは、材料及びキャリア濃度が異なる。例えば、第1の層25はInGaPであり、キャリア濃度は1×1019cm-3と高く、第2の層27はAlGaAsであり、キャリア濃度が2×1018cm-3と低い。第1の層25と第2の層27とでは、エッチングレートに差がある。さらに詳しくは、第1のエッチング条件においては、第1の層25よりも、第2の層27の方が、エッチングレートが大きく、第2のエッチング条件においては、第2の層27よりも、第1の層25の方が、エッチングレートが大きい。また、第1の層25は、第2の層27に比べて、電気抵抗が小さい。
なお、第1のエッチング条件と第2のエッチング条件とは、周知のエッチング技術から設定することができる。
抵抗分布層16の中央部には、図5に示すように、凹部16aが形成されており、抵抗分布層16の中央部における膜厚は、周辺部よりも薄い。また、抵抗分布層16の中央部における電気抵抗は、周辺部における電気抵抗よりも小さい。
凹部16aは、非出射側電極17の側に開口しており、非出射側電極17は、その凹部16aの形状に沿って形成されている。凹部16aの断面形状は、2段階のステップ形状である。すなわち、凹部16aは、最も深く掘られた面16bと、それよりも1段浅くなった面16cとを有する。面16bと面16cとの膜厚方向(図5での上下方向)における距離はDである。また、面16cと、抵抗分布層16の凹部16a以外の面16dとの距離もDである。この距離D(凹部16aのステップ形状における1段あたりの深さ)は、下記式(1)で表される。
式(1):D=m×(λ/2)、(mは整数であり、λは面発光レーザ素子1の発光波長)
凹部16aにおいて、膜厚方向と直交する面(図5における水平面)には、面16bと面16cとがある。この面16bと面16cにおいては、いずれも、第1の層25が表面に表れている。よって、面16bと面16cにおいては、第1の層25が非出射側電極17に接している。
次に、抵抗分布層16の形成方法を図6に基づいて説明する。まず、図6(1)に示すように、第1の層25と第2の層27とを交互に積層して、均一な厚みの抵抗分布層16(凹部16aは未形成)を、非出射側DBR15の上に(ただし絶縁層19が形成される部分では絶縁層19の上に)形成する。抵抗分布層16における一番上の層は、第2の層27である。
次に、図6(2)に示すように、抵抗分布層16の上に、リソグラフィによりパターニングされたマスク21を形成する。次に、図6(3)に示すように、マスク21で保護されていない部分を、第1のエッチング条件によりエッチングし、凹部22を形成する。このとき、エッチングは、一番上に位置する第2の層27を掘り、隣接する第1の層25まで進む。上述したように、第1のエッチング条件においては、第1の層25は、第2の層27に比べてエッチングレートが小さいので、エッチングストップ層として機能する。
次に、図6(4)に示すように、凹部22において、第2のエッチング条件において、エッチングをさらに進め、次の第2の層27まで達する。上述したように、第2のエッチング条件においては、第2の層27は、第1の層25に比べてエッチングレートが小さいので、エッチングストップ層として機能する。
その後、図6(5)に示すように、マスク21を除去する。次に、図6(6)に示すように、凹部22よりも外側に、リソグラフィによりパターニングされたマスク24を形成する。次に、図6(7)に示すように、マスク24で保護されていない部分を、第1のエッチング条件により、エッチングする。すると、マスク24で保護されていない部分のうち、凹部22はさらに深くエッチングされ、凹部22以外の部分は、それよりも浅くエッチングされる。エッチングは、それぞれ、第1の層25に達するまで進行する。上述したように、第1のエッチング条件においては、第1の層25は、第2の層27に比べてエッチングレートが小さいので、エッチングストップ層として機能する。その後、マスク24を除去すると、2段階のステップ形状を有する凹部16aが完成する。凹部16aの面16bと面16cとでは、いずれも、第1の層25が表面に表れている。
2.面発光レーザ素子1が奏する効果
(1)抵抗分布層16は、その中央部に凹部16aを備えるので、抵抗分布層16の膜厚は中央部において薄く、周辺部において厚い。そのことにより、抵抗分布層16の電気抵抗は中央部において小さく、周辺部において大きい。よって、抵抗分布層16は、周辺部での電流の流れを抑制し、活性層への電流注入を均一化する電流狭窄層として機能する。
(2)抵抗分布層16の位置は、非出射側電極17と非出射側DBR15との間(非出射側電極17に隣接する位置)であるから、抵抗分布層16は、MOCVD法で形成する層のうち、最後に形成する層である。そのため、抵抗分布層16を形成し、真空系から取り出して上記のようなエッチング工程により凹部16aを形成した後、面発光レーザ素子1を再び真空系内に戻す必要がない。
その結果、抵抗分布層16を形成しても、MOCVD法による成膜の途中で面発光レーザ素子1を真空系の外に出す必要が無いので、コンタミ等の問題が生じ難く、面発光レーザ素子1の信頼性が向上する。また、酸化膜層やイオン注入を用いないので、材料の選択自由度が高く、ダメージの問題もない。
(3)抵抗分布層16は、凹部16aを備え、その膜厚が場所により変動する。抵抗分布層16は非出射側DBR15上に形成されているので、抵抗分布層16の膜厚が変動するのにともない、非出射側DBR15の反射率は、図4に示すように、λ/2を1周期として、周期的に変動する。
本実施形態では、凹部16aの断面形状がステップ形状であり、1段当たりの段差は、m×(λ/2)、すなわち、非出射側DBR15の反射率が変動する周期λ/2の整数倍であるから、抵抗分布層16のいずれ部分においても、非出射側DBR15の反射率は一定となる。よって、抵抗分布層16の膜厚が場所によって変動しても、非出射側DBR15の反射率は、場所によらず一定となる。
(4)本実施形態では、抵抗分布層16は、第1の層25と、第1の層25とはエッチングレートが異なる第2の層27とを交互に積層したものである。そのため、凹部16aをエッチングにより形成するとき、第1の層25と第2の層27のうち、エッチングレートが小さい層を、エッチングを一定の深さで止めるためのエッチングストップ層として利用することができる。そのことにより、エッチング工程の制御が容易であり、凹部16aを容易且つ正確に形成することができる。
(5)凹部16aのうち、膜厚方向と直交する面である面16bと面16cでは、電気抵抗が小さい第1の層25が表面に表れている。よって、凹部16aでは、膜厚方向に沿った面よりも、面16bと面16cにおいて電流が流れやすい。そのため、凹部16aの電気抵抗は、凹部16aにおける膜厚に応じて決まるので、電気抵抗の制御が容易である。
<第3の実施形態>
1.面発光レーザ素子51の構成
面発光レーザ素子51の構成を、図7、及び図8に基づいて説明する。図7は、面発光レーザ素子51の全体構成を表す側断面図である。図8は、後述する抵抗分布層54及びその周辺の構成を表す側断面図である。
面発光レーザ素子51は、n型半導体基板53、抵抗分布層54、非出射側電極(第1の電極)55、非出射側DBR(第1の分布反射ミラー、非出射側分布反射ミラー)57、クラッド層(第1のクラッド層)59、活性層61、クラッド層(第2のクラッド層)63、出射側DBR(第2の分布反射ミラー、出射側分布反射ミラー)65、出射側電極(第2の電極)67を備える。
抵抗分布層54、非出射側DBR57、クラッド層59、活性層61、クラッド層63、及び出射側DBR65は、MOCVD法等の結晶成長技術を用いて、真空系の中で形成する。
非出射側電極55の外周部は、絶縁層69によってn型半導体基板53と隔てられており、非出射側電極55の中央部(コンタクト部55a)のみが、抵抗分布層54と接している。また、出射側電極67は、その中央部に、開口部67aを備える。
n型半導体基板53は、化合物半導体から成り、例えば、n型GaAs基板またはn型InP基板で構成される。出射側DBR65は、屈折率の高い層と低い層とを交互に積層した構成を有し、例えば、n型Alx1Ga(1-x1)Asとn型Alx2Ga(1-x2)Asとを1組(x1<x2)として、21組を積層したものである。出射側DBR65を構成する各層の膜厚は、発振波長λに対し、光学長がλ/4となる膜厚である。
クラッド層59、63は、バンドギャップが出射側DBR65及び非出射側DBR57よりも低く、活性層61より高い層である。クラッド層59、63は、例えば、Al0.3Ga0.7Asで構成することができる。
活性層61は発光部であり,量子井戸で構成される。例えば、厚さ10nmのAl0.3Ga0.7As及びGaAsで構成される。非出射側DBR57は、基本的には、出射側DBR65と同様の構成であるが、積層する組数を25組程度にして、非出射側DBR57における組数よりも多くする。
抵抗分布層54は、非出射側電極55とn型半導体基板53との間(非出射側電極55に隣接する位置)に設けられている。抵抗分布層54の組成は、AlxGa(1-x)Asである。ここで、xは、x1であってもよいし、x2であってもよい。
抵抗分布層54の中央部には、図8に示すように、凹部54aが形成されており、抵抗分布層54の中央部における膜厚は、周辺部よりも薄い。また、抵抗分布層54の中央部における電気抵抗は、周辺部における電気抵抗よりも小さい。
凹部54aは、非出射側電極55の側に開口しており、非出射側電極55は、その凹部54aの形状に沿って形成されている。凹部54aの断面形状は、2段階のステップ形状である。すなわち、凹部54aは、最も深く掘られた面54bと、それよりも1段浅くなった面54cとを有する。面54bと面54cとの膜厚方向(図8での上下方向)における距離はDである。また、面54cと、抵抗分布層54の凹部54a以外の面54dとの距離もDである。この距離D(凹部54aのステップ形状における1段あたりの深さ)は、下記式(1)で表される。
式(1):D=m×(λ/2)、(mは整数であり、λは面発光レーザ素子1の発光波長)
抵抗分布層54は、前記第1の実施形態における抵抗分布層16と同様の方法で形成することができる。
2.面発光レーザ素子51が奏する効果
(1)抵抗分布層54は、その中央部に凹部54aを備えるので、抵抗分布層54の膜厚は中央部において薄く、周辺部において厚い。そのことにより、抵抗分布層54の電気抵抗は中央部において小さく、周辺部において大きい。よって、抵抗分布層54は、周辺部での電流の流れを抑制し、活性層への電流注入を均一化する電流狭窄層として機能する。
(2)抵抗分布層54の位置は、非出射側電極55とn型半導体基板53との間(非出射側電極55に隣接する位置)であるから、抵抗分布層54は、MOCVD法で形成する層のうち、最後に形成する層とすることができる。そのため、抵抗分布層54を形成し、真空系から取り出してエッチングにより凹部54aを形成した後、面発光レーザ素子51を再び真空系内に戻す必要がない。
その結果、抵抗分布層54を形成しても、MOCVD法による成膜の途中で面発光レーザ素子51を真空系の外に出す必要が無いので、コンタミ等の問題が生じ難く、面発光レーザ素子51の信頼性が向上する。また、酸化膜層やイオン注入を用いないので、材料の選択自由度が高く、ダメージの問題もない。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記第1〜第3の実施形態において、凹部16a、54aは2段階のステップ形状であったが、1段階のステップ形状であってもよいし、2以外の複数段階(例えば、3段階、4段階、5段階・・・)のステップ形状であってもよい。
また、前記第1及び第2の実施形態において、凹部16aのうち、最も深くエッチングされた部分では、非出射側電極17が非出射側DBR15に接していても(すなわち抵抗分布層16の膜厚が0であっても)よい。また、前記第3の実施形態において、凹部54aのうち、最も深くエッチングされた部分では、非出射側電極55がn型半導体基板53に接していても(すなわち抵抗分布層54の膜厚が0であっても)よい。
また、前記各実施形態において、n型とp型とを入れ替えてもよい。
1、51・・・面発光レーザ素子、3、53・・・n型半導体基板、
5、67・・・出射側電極、5a、67a・・・開口部、
7、65・・・出射側DBR、9、13、59、63・・・クラッド層、
11、61・・・活性層、15、57・・・非出射側DBR、
16、54・・・抵抗分布層、16a、54a・・・凹部、
17、55・・・非出射側電極、17a、55a・・・コンタクト部、
19、69・・・絶縁層、21、24・・・マスク、22・・・凹部、
25・・・第1の層、27・・・第2の層、
101・・・面発光レーザ素子、103・・・n型半導体基板、
105・・・出射側電極、105a・・・開口部、
107・・・出射側分布反射ミラー、109、113・・・クラッド層、
111・・・活性層、115・・・非出射側分布反射ミラー、
117・・・非出射側電極、117a・・・コンタクト部、119・・・絶縁層

Claims (3)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板における一方の面に設けられた第1の電極と、
    前記半導体基板における反対側の面に設けられた、第1の分布反射ミラー、第1のクラッド層、活性層、第2のクラッド層、第2の分布反射ミラー、及び第2の電極と、
    を備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極のうち、一方は、開口部を有する出射側電極であり、他方は、コンタクト部を有する非出射側電極であり、
    膜厚方向での電気抵抗が、中央部よりも、周辺部において大きい抵抗分布層を、前記非出射側電極に隣接する位置に備え
    前記抵抗分布層は、前記中央部に、前記周辺部よりも膜厚が薄い凹部を備え、
    前記凹部の断面形状は、1段又は複数段のステップ形状であり、
    前記抵抗分布層は、A層と、前記A層よりも電気抵抗が大きいB層とが交互に積層されたものであり、
    前記ステップ形状における、膜厚方向と直交する面では、前記A層が表面に表れていることを特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 前記A層と、前記B層とは、エッチングレートに差があることを特徴とする請求項記載の面発光レーザ素子。
  3. 前記ステップ形状における1段の深さDは、下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ素子。
    式(1):D=m×(λ/2)、(mは整数であり、λは面発光レーザの発光波長)
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