JP2009218489A - フォトニック結晶発光素子及び発光装置 - Google Patents

フォトニック結晶発光素子及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元フォトニック結晶発光素子において、外部光学素子との光結合効率を高くし、かつ活性部(共振器)に効率良くキャリアを注入する。
【解決手段】3次元フォトニック結晶発光素子10は、フォトニック結晶20内に形成され、活性媒質を含む点欠陥共振器60と、該共振器にキャリアを注入するための第1の電極30及び第2の電極80と、フォトニック結晶内において第1の電極に接続され、キャリアを第1の電極から共振器に導くとともに、該共振器で発生した光を透光性を有する第1の電極に導く伝導路40とを有する。該伝導路は、断面積が共振器側から第1の電極側に向かって増加するテーパ型伝導路である。
【選択図】図1

Description

本発明は、3次元フォトニック結晶内に配置された活性媒質にキャリアを注入することにより発光する発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)等の発光素子に関する。
従来の一般的な半導体発光素子は、電極、キャリア伝導路及び活性層により構成されている。正孔キャリアはp型電極から注入され、p型キャリア伝導路を介して活性層に導かれる。また、電子キャリアはn型電極から注入され、n型伝導路を介して活性層に導かれる。注入された両キャリアは活性層で結合し、活性層のエネルギーギャップに対応したエネルギーを有する自然放出光を発する。特に、劈開面等によって活性層を含むように共振器を形成すると、共振器による光増幅により誘導放出光が発生し、レーザ光が生成される。
しかしながら、電極から注入されたキャリアは全て発光に寄与するわけではない。表面再結合などの非発光再結合で消費されたり、所望の波長以外の光を発光する再結合で消費されたりし、これらは効率を低下させる損失となる。
特に、特定波長以外の光を発光する再結合による損失を低減する方法として、フォトニック結晶により自然放出を制御し、高効率な発光を得る方法が提案されている(非特許文献1)。フォトニック結晶とは、光の波長以下の長さの周期で誘電率分布を形成した構造である。非特許文献1による方法は、フォトニック結晶が有するフォトニックバンドギャップという性質を用い、活性層近傍に存在可能な光の波長域を制限することにより、所望の波長以外の自然放出光を抑制するものである。このように、自然放出を制御し、高効率な発光を得るためには、誘電率分布を3次元的に形成した3次元フォトニック結晶が望ましい。
3次元フォトニック結晶として、いくつかの構造が提案されている(特許文献1,2参照)。また、3次元フォトニック結晶レーザの構成が、従来提案されている(特許文献3参照)。特許文献3にて開示された3次元フォトニック結晶レーザでは、3次元フォトニック結晶中に活性部を形成し、フォトニック結晶外部に設けた金属電極からコンタクト層を介してフォトニック結晶中にキャリアを注入する。注入されたキャリアは、フォトニック結晶中を伝導し、線状欠陥によって形成されたキャリア伝導路を介して活性部に導かれる。キャリア伝導路は光導波路も兼ねており、活性部においてキャリア結合により発生した光は該光導波路を介してフォトニック結晶外に取り出される。
その他、3次元フォトニック結晶発光素子として、特許文献4,5にて開示されたものもある。
米国特許第5335240号公報 特開2005−292787号公報 特開2001−257425号公報 米国特許第5406573号公報 米国特許第5998298号公報 Physical Review Letters,Vol.58,pp.2059,1987年
特許文献1にて開示された構造では、電極から注入されたキャリアが、それぞれ柱状構造体を井桁形状に配置した層を複数積層して構成された3次元フォトニック結晶中を伝導する。このように、井桁構造内をキャリアが伝導する場合、従来の半導体発光素子に比べてキャリアが伝導する経路の断面積が小さく、かつ長さが長いため、キャリアに対する伝導経路の直列抵抗が大きい。直列抵抗が大きいと、伝導中にキャリアが熱等に変化して損失が生じ、キャリアの注入効率が低くなってしまう。
また、発光素子外部への光取り出し部が、フォトニック結晶を構成する柱状体の1本に相当する部分であるため、モード径が発光波長の長さよりも小さく、光ファイバー等の外部光学素子との光結合効率が非常に小さい。
本発明は、外部光学素子との光結合効率が高く、かつ活性部(共振器)に効率良くキャリアを注入することが可能な3次元フォトニック結晶発光素子を提供する。
本発明の一側面としての3次元フォトニック結晶発光素子は、フォトニック結晶内に形成され、活性媒質を含む点欠陥共振器と、該共振器にキャリアを注入するための第1の電極及び第2の電極と、フォトニック結晶内において第1の電極に接続され、キャリアを第1の電極から共振器に導くとともに、該共振器で発生した光を透光性を有する第1の電極に導く伝導路とを有する。そして、該伝導路は、断面積が共振器側から第1の電極側に向かって増加するテーパ型伝導路であることを特徴とする。
なお、上記3次元フォトニック結晶発光素子と、第1及び第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを有する発光装置も本発明の他の側面を構成する。
本発明によれば、外部光学素子との光結合効率が高く、かつ共振器に効率良くキャリアを注入することが可能な高効率の発光素子を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1である3次元フォトニック結晶発光素子(以下、単に発光素子という)の断面構造を示している。
発光素子10は、3次元フォトニック結晶20と、p型電極(第1の電極)30と、テーパ型キャリア伝導路(テーパ型伝導路)40と、p型領域50と、活性部60と、n型キャリア伝導領域70と、n型電極(第2の電極)80と、絶縁部90とを有する。
活性部60は、3次元フォトニック結晶20中に、活性媒質を含む点欠陥として形成された点欠陥共振器である。
活性部60に正孔キャリア(p型キャリア)を注入するためのp型電極30は、透光性を有する。以下の説明において、p型電極をp型透明電極という。
このp型透明電極30と、活性部60に電子キャリアを注入するためのn型電極80との間には、電圧印加手段としての電気回路110によって電圧が印加される。発光素子10と電気回路110により、発光装置が構成される。このことは、図示はしないが、後述する他の実施例でも同じである。
なお、本実施例では、p型透明電極30を第1の電極として説明するが、n型電極80を第1の電極としてもよい。また、本実施例では、p型透明電極30のみが透光性を有する場合について説明するが、n型電極80も透光性を有していてもよい。
テーパ型キャリア伝導路40は、3次元フォトニック結晶内において、p型電極30に接続された(接している)テーパ構造(テーパ形状)の線欠陥として形成されている。テーパ型キャリア伝導路40は、キャリアをp型透明電極30から活性部60に導くとともに、該活性部60で発生した光をp型透明電極30に導く光導波路としても機能する。
テーパ型キャリア伝導路40は、p型電極側の断面積が活性部側(共振器側)の断面積よりも大きい(断面積が活性部側からp型電極側(第1の電極側)に向かって増加する)テーパ構造を有する。
3次元フォトニック結晶20は、光の波長以下の周期で3次元方向に誘電率分布を形成した構造であり、例えば、特許文献1,2において開示された構造を有する。
具体的には、3次元フォトニック結晶20は、それぞれ第1の方向に延びる複数の第1の構造体が互いに間隔をあけて、第1の方向に直交する第2の方向に周期的に配置された第1層及び第3層を有する。また、それぞれ第2の方向に延びる複数の第2の構造体が互いに間隔をあけて第1の方向に周期的に配置された第2層及び第4層を有する。そして、これらの2次元周期構造を有する複数の層である第1層から第4層がこの順に積層されて構成されている。
第1層に含まれる第1の構造体と第3層に含まれる第1の構造体とが第2の方向において半周期ずれて配置され、かつ第2層に含まれる第2の構造体と第4層に含まれる第2の構造体とが第1の方向において半周期ずれて配置されている。
第1層から第4層は、各層に平行な面内において第3の構造体が離散的に配置された少なくとも1つの層を含む付加層を間に挟んでもよい。第3の構造体は、第1の構造体と第2の構造体とが立体的に交差する位置(交点に相当する位置)に配置される。
この3次元フォトニック結晶のうち、第1及び第2の構造体(さらには第3の構造体)は第1の媒質により形成され、これらの構造体以外の部分は、第1の媒質よりも屈折率が低い第2の媒質(空気等)で形成される。
第1の媒質としては、InP,GaAs,GaN,TiO2等の半導体が用いられる。p型領域及びn型領域は、第1の媒質にドーピングを行うことにより形成される。p型ドーパントとしてはZnやMg等が用いられ、n型ドーパントとしてはSiやS等が用いられる。第1の媒質としてTiO2を用いる場合には、強還元によってp型領域を形成する。高抵抗化には、酸化や窒化等の方法が用いられる。
テーパ型キャリア伝導路40は、第1から第4層の積層方向に延びるように形成されており、該積層方向において、上述したように断面積が変化する。
また、活性媒質は、発振させる波長に応じた媒質が選択される。例えば、InGaAsPや、AlGaAs,AlGaInP,AlGaN,InGaN,ZnSe,ZnS系の多重量子井戸構造又は多重量子ドット構造や、有機材料等から選択することができる。
p型透明電極30から注入された正孔キャリアは、テーパ型キャリア伝導路40及びp型領域50を介して活性部60に導かれる。また、n型電極80から注入された電子キャリアは、n型キャリア伝導領域70を介して活性部60に導かれ、反転分布を形成する。
絶縁部90は電流狭窄構造を形成し、活性部60に効率良くキャリアを注入させる。
活性部60内で、正孔キャリアと電子キャリアが結合することで、活性媒質のエネルギーギャップに対応したエネルギーを有する自然放出光が発生する。この光が共振器としての活性部60内で共振することによって誘導放出が生じ、増幅されたレーザ光が活性部60から発生する。
活性部60で発生したレーザ光は、テーパ型キャリア伝導路40に光結合し、該テーパ型キャリア伝導路40を伝播する。レーザ光は、p型透明電極30を透過して発光素子10の外部に射出する。
従来のフォトニック結晶の欠陥を含まない基本構造で形成されたキャリア伝導路は、伝導経路の断面積が小さく、かつ距離が長い。伝導路における直列抵抗値は、その長さに比例し、断面積に反比例する。このため、従来の構造では、キャリア伝導に対する直列抵抗値が非常に高く、伝導路におけるキャリアの消費が大きく、キャリアの注入効率が低い。
これに対し、本実施例のようにテーパ型キャリア伝導路40を用いた場合は、伝導経路の長さを短くし、かつ断面積も大きくすることができる。したがって、キャリア伝導に対する直列抵抗値を小さくすることができ、キャリアの注入効率を高めることができる。
さらに、テーパ型キャリア伝導路40は、テーパ型の光導波路としても機能するので、発光素子からの射出光のモード径を広げることができる。これにより、光ファイバー等の外部光学素子との光結合効率を高めることができる。
ここで、本実施例において、直列抵抗値とキャリア注入効率が向上するという具体例について説明する。例えば、テーパ型キャリア伝導路40のテーパ構造によって発光素子からの射出光のモード径をシングルモードファイバと同じ6μm程度に広げるとすると、従来の構造に対し、伝導経路の断面積が約10倍となり、長さが約1/3となる。これにより、伝導経路による直列抵抗値が約1/30となる。
また、テーパ型キャリア伝導路40は、断面積が大きい終端側でp型透明電極30と接続されるため、従来の構造に対し、電極との接触面積が約3倍大きい。したがって、伝導経路での直列抵抗値が小さいことと相まって、従来の約90倍のキャリア注入効率を実現することができる。
以上示したように、本実施例では、n型透明電極30及びテーパ型キャリア伝導路40を介して活性部60にキャリアを注入し、かつ活性部60で生成された光を光導波路として機能するテーパ型キャリア伝導路40を介して発光素子10の外部に取り出す。これにより、注入電流に対する光出力の効率が高く、かつ外部光学素子との光結合効率が良い発光素子を得ることができる。
なお、本実施例では、テーパ型キャリア伝導路40をp型領域50に設けた場合について説明したが、同様のテーパ型キャリア伝導路をn型領域に形成してもよい。ただし、特に、キャリア移動度が低く、キャリア伝導に対する抵抗値が高いp型領域50においてキャリア伝導路として用いることがより望ましい。
また、本実施例では、活性部60での共振により誘導放出を生じさせてレーザ発振を行わせる場合について説明したが、本発明の発光素子は必ずしもレーザ素子である必要はなく、波長の広がりが小さい共振器型LEDに適用してよい。
図2には、本発明の実施例2である発光素子の断面構造を示している。
本実施例の発光素子11において、51は、テーパ型キャリア伝導路40が形成されたp型領域50のうち、テーパ型キャリア伝導路40と活性部60との間の部分(テーパ型キャリア伝導路40と活性部60とを結合するための部分)を示している。本実施例は、p型領域50のうち該部分51以外の部分91を、テーパ型キャリア伝導路40を形成する媒質よりもキャリア伝導に対する抵抗値が高い媒質により形成している点が実施例1と異なる。
なお、本実施例において、実施例1の発光素子10と同じ作用を有する部分には、実施例1と同じ符号を付して、その説明は省略する。
このようにp型領域50のうち部分91を高抵抗化することにより、電流狭窄構造を形成して正孔キャリアを活性部60により効率良く注入することができる。特に、テーパ型キャリア伝導路40はn型透明電極30との接触面積が大きく、かつ正孔キャリアの伝導に伴う該キャリアの拡がりを抑制することができる。このため、活性部60の近傍に正孔キャリアを集中させることができる。これにより、活性部60以外の領域でのキャリアの損失を抑制でき、注入電流に対する光出力を高めることができる。
なお、テーパ型キャリア伝導路をn型キャリア伝導領域70に相当するn型領域に形成した場合には、n型領域のうちキャリア伝導路と活性部60との間の部分以外の部分をキャリア伝導路を形成する媒質よりも上記抵抗値が高い媒質により形成してもよい。
また、実施例1,2では、テーパ型キャリア伝導路40を、フォトニック結晶を構成する複数層の積層方向に延びるように形成した場合について説明したが、図3に示す発光素子12のように、各層に平行な方向に延びるように形成してもよい。この場合、p型透明電極30及びn型電極80も、各層に平行な方向におけるフォトニック結晶20の両側に形成される。
図4には、本発明の実施例3である発光素子の断面構造を示している。実施例1の発光素子10では、活性部60とテーパ型キャリア伝導路40との間で直接、光結合させる場合について説明した。これに対し、本実施例の発光素子13では、線欠陥導波路52を介して光結合させる。
なお、本実施例において、実施例1の発光素子10と同じ作用を有する部分には、実施例1と同じ符号を付して、その説明は省略する。
線欠陥導波路52は、3次元フォトニック結晶20内に線状欠陥として形成され、光導波路及びキャリア伝導路として機能する。線状欠陥の形状及び位置を適切に設定することにより、単一の導波モードで光を伝播させ、かつ単峰性に近い導波モードパターンを有す光を伝播させる光導波路として線欠陥導波路52を機能させることができる。これにより、線欠陥導波路52は、活性部60を構成する点欠陥共振器の共振モードを、単峰性に近い導波モードに結合させて、光のモードパターンを変換する。
その後、線欠陥導波路52は、テーパ型キャリア伝導路(テーパ型光導波路)40に光を結合させ、該光の伝播に伴って徐々にモード径を拡大させる。これにより、単峰性の射出光パターンを得ることができる。
このように、線欠陥導波路52によって光のモードパターンを制御することができるため、点欠陥共振器である活性部60とテーパ型導波路であるテーパ型キャリア伝導路40とを直接、光結合させる場合に比べて、容易に単峰性の射出光パターンが得られる。これにより、点欠陥光共振器の共振モード及びテーパ型導波路の導波モードの自由度が増し、各構造の設計自由度が増加するため、より強い光閉じ込め効果や効率の良い光取り出しが可能となる。
図5に示す発光素子14のように、実施例2の発光素子11と同様に、テーパ型キャリア伝導路40及び線欠陥導波路52が形成されたp型領域50のうち、該導波路52、及び導波路52と活性部60との間の部分53以外の部分92を高抵抗化してもよい。これにより、電流狭窄構造を形成して、正孔キャリアを活性部60により効率良く注入することができる。
図6には、本発明の実施例4である発光素子の断面構造を示している。本実施例の発光素子15は、p型透明電極30を含む反射防止構造(反射防止膜)100を有する。
なお、本実施例において、実施例1の発光素子10と同じ作用を有する部分には、実施例1と同じ符号を付して、その説明は省略する。
反射防止構造100は、第1の屈折率を有する媒質で形成された第1の薄膜と、該第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する媒質で形成された第2の薄膜とが交互又は特定のパターンで積層されて構成されている。p型透明電極30は、該第1及び第2の薄膜のうち一部を構成する。
このような反射防止構造100を用いることにより、発光素子15と外界との境界面での反射を抑制し、高効率な光取り出しを実現できる。
なお、反射防止構造100は、p型透明電極30の光学厚さを発光波長の1/4として形成した単層反射防止膜として形成してもよい。
次に、上記各実施例で説明した発光素子のテーパ型キャリア伝導路の作製方法について説明する。
まず、図7Aに示すように、特許文献1や特許文献2にて開示された、欠陥構造を含まないフォトニック結晶の基本構造110を、特許文献4や特許文献5にて開示された公知の方法で作製する。
基本構造110は、フォトニック結晶を構成する媒質120と、後述する後工程により除去する犠牲媒質130とで形成されている。犠牲媒質130は、積層工程や後述する加工工程における機械的ダメージの影響を抑制する。
次に、図7Bに示すように、FIB,GCIBなどのエネルギービームや超短パルスレーザによる多光子吸収過程を利用したアブレーション等により、テーパ型キャリア伝導路に相当する領域を除去して空孔140を形成する。
次に、図7Cに示すように、MOCVD,MBE,スパッタ等により、空孔140を埋めることにより、テーパ型キャリア伝導路150を一括で形成する。
その後、犠牲媒質130をウェットエッチング等で除去することにより、テーパ型キャリア伝導路150をフォトニック結晶内に形成することができる。
テーパ構造を一括で形成することにより、図8に示すように、テーパ構造断面を含んだ2次元パターン160を形成して積層することによってテーパ構造170を形成する場合に比べて、積層界面での接触不良を回避することができ、抵抗を減らすことができる。これにより、キャリア伝導路の直列抵抗の上昇を抑制でき、より高効率なキャリア注入が可能となる。
ただし、本発明は、テーパ型キャリア伝導路を、図8に示すように、断面積が段階的に変化するように形成する場合も含む。
また、フォトニック結晶内に図4及び図5に示した線欠陥導波路を含む場合も、テーパ型キャリア伝導路及び線欠陥導波路を一括で形成することにより、積層界面での接触不良を回避することができるため、より高効率なキャリア注入が可能となる。
さらに、各実施例にて説明した発光素子では、2次元周期構造を含む層を積層することにより形成した3次元フォトニック結晶において、積層方向にキャリア伝導路及び光導波路として機能するテーパ構造を設け、積層方向に光を取り出す構造としている。これにより、各層を構成する材料(媒質)として一様なp型半導体やn型半導体を用いることができる。このため、各層を形成する際に、選択成長や部分的なイオン注入等の複雑なプロセスが必要なく、一括で成膜したり周期構造を形成したりすることができ、フォトニック結晶の作製を容易にすることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明の実施例1である3次元フォトニック結晶発光素子の断面図。 本発明の実施例2である3次元フォトニック結晶発光素子の断面図。 実施例2の3次元フォトニック結晶発光素子の変形例を示す断面図。 本発明の実施例3である3次元フォトニック結晶発光素子の断面図。 実施例3の3次元フォトニック結晶発光素子の変形例を示す断面図。 本発明の実施例4である3次元フォトニック結晶発光素子の断面図。 本発明の実施例5として説明する3次元フォトニック結晶発光素子の製作方法を説明する図。 上記製作方法を説明する図。 上記製作方法を説明する図。 2次元パターンを積層することによってテーパ構造を形成する場合を示す図。
符号の説明
10〜15 3次元フォトニック結晶発光素子
20 3次元フォトニック結晶
30 p型透明電極
40 テーパ型キャリア伝導路
50 p型領域
60 活性部(共振器)
70 n型キャリア伝導領域
80 n型電極
90 絶縁部

Claims (7)

  1. 3次元フォトニック結晶を用いた発光素子であって、
    前記フォトニック結晶内に形成され、活性媒質を含む点欠陥共振器と、
    該共振器にキャリアを注入するための第1の電極及び第2の電極と、
    前記フォトニック結晶内において前記第1の電極に接続され、キャリアを前記第1の電極から前記共振器に導くとともに、該共振器で発生した光を透光性を有する前記第1の電極に導く伝導路とを有し、
    前記伝導路は、断面積が前記共振器側から前記第1の電極側に向かって増加するテーパ型伝導路であることを特徴とする3次元フォトニック結晶発光素子。
  2. 前記フォトニック結晶内に形成された線欠陥導波路を有し、
    前記線欠陥導波路及び前記テーパ型伝導路が、前記共振器で発生した光を前記第1の電極に導くことを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶発光素子。
  3. 前記第1の電極はp型電極であり、
    該第1の電極からp型キャリアが前記テーパ型伝導路を介して前記共振器に注入されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元フォトニック結晶発光素子。
  4. 前記フォトニック結晶のうち前記テーパ型伝導路が形成されたp型領域又はn型領域において、前記テーパ型伝導路と前記共振器との間の部分以外の部分は、該テーパ型伝導路を構成する媒質よりもキャリア伝導に対する抵抗値が高い媒質により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の3次元フォトニック結晶発光素子。
  5. 前記3次元フォトニック結晶は、2次元周期構造を含む複数の層が積層されて構成されており、
    前記テーパ型伝導路は、前記複数の層の積層方向に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の3次元フォトニック結晶発光素子。
  6. 前記第1の電極を含む反射防止構造を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の3次元フォトニック結晶発光素子。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の3次元フォトニック結晶発光素子と、
    前記第1及び第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを有することを特徴とする発光装置。
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