JP2001255641A - 熱現像装置 - Google Patents

熱現像装置

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JP2001255641A
JP2001255641A JP2000068284A JP2000068284A JP2001255641A JP 2001255641 A JP2001255641 A JP 2001255641A JP 2000068284 A JP2000068284 A JP 2000068284A JP 2000068284 A JP2000068284 A JP 2000068284A JP 2001255641 A JP2001255641 A JP 2001255641A
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heat
photosensitive
film
sheet
developing
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Makoto Sumi
誠 角
Akira Taguchi
あきら 田口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性熱現像シートを加熱部材に密着させて
加熱した後に分離し排出方向に搬送する際に、感光性熱
現像シートからの感光層配合剤等の物質が搬送ローラや
ガイド等に付着してしまうことを防止しかつ熱現像後の
感光性熱現像シート表面にゆがみが発生することを防止
できる熱現像装置を提供する。 【解決手段】 この熱現像装置は、支持体と感光層を含
むフィルムFを実質的に密着させた状態で加熱部材14
が回転しながらフィルムFを熱現像するために加熱し、
フィルムFを加熱部材から分離して搬送する。加熱部材
から分離した後のフィルムFを搬送するためにフィルム
Fに密着するローラ対404を備え、少なくともローラ
対のフィルムFの感光層側を断熱弾性ローラから構成
し、フィルムFの温度が支持体のガラス転移温度または
その近傍である領域にローラ対を配置した。この断熱弾
性ローラは熱伝導率0.3W/(m・K)[300K
時]以下であり、空隙率50〜80%かつ硬度30〜7
0度(JISA)の断熱材料から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報に基づい
て露光した感光性熱現像シートを加熱し熱現像する熱現
像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のハロゲン化銀感光性熱現像フィル
ムを熱現像する熱現像装置では、所定の熱現像温度に温
度制御されたドラム状の加熱部材(ヒートドラム)とこ
れに対向する非加熱部材(対向ローラ)との間に露光さ
れた感光性熱現像フィルムを挟持し保持した状態で加熱
部材を回転しながら加熱し、その後、感光性熱現像フィ
ルムが加熱部材から分離され、排出方向へと搬送され
る。このような工程を経て感光性熱現像フィルムが熱現
像される。かかる熱現像装置では、所望の濃度を得るた
めに感光性熱現像フィルムに一定の時間、一定の熱エネ
ルギーを与える必要がある。次に、所望の濃度を得た後
は現像進行を停止させるために、感光性熱現像フィルム
の温度を低下させるための冷却部を備える必要がある。
冷却部では感光性熱現像フィルムをカール、しわ、濃度
ムラから防止するために除冷しながら搬送させなければ
ならない。
【0003】加熱部材から分離して次工程に搬送される
感光性熱現像フィルムは、現像進行可能な高温であり、
この間は搬送されながら熱現像が進行する。このよう
に、冷却部では感光性熱現像フィルムが高温のまま搬送
されるため、搬送ローラ対に挟まれて圧着されながら搬
送される途中で、感光性熱現像フィルムの感光層が冷却
されると、フィルムに接触しながら搬送しているローラ
に乳剤等の感光層配合剤が付着してしまう。特に、感光
性熱現像フィルムはカットされて所定のサイズにされて
いるために、その搬送方向の両側端面からの感光層配合
剤がローラに付着し易いのである。一旦、感光層配合剤
がローラに付着すると、その付着物をもとに付着物が増
えてしまい、現像された感光性熱現像フィルムにその付
着物に起因する汚れが付いてしまい、画質不良や搬送不
良を生じかねないという問題があった。
【0004】また、感光性熱現像フィルムが高温のまま
搬送ローラ対に挟まれて圧着されながら搬送されると、
熱現像されたフィルム表面にゆがみが発生し易くなると
いう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来技術の問題点に鑑み、感光性熱現像シートを加熱
部材に密着させて加熱した後に分離し排出方向に搬送す
る際に、感光性熱現像シートからの感光層配合剤等の物
質が搬送ローラに付着してしまうことを防止できるとと
もに熱現像後の感光性熱現像シート表面にゆがみが発生
することを防止できる熱現像装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による熱現像装置は、支持体とこの支持体の
上に設けられた感光層とを含む感光性熱現像シートをそ
の表面上に実質的に密着させた状態で加熱部材が回転し
ながら前記感光性熱現像シートを熱現像するために加熱
し、前記感光性熱現像シートを前記加熱部材から分離し
て搬送するように構成した熱現像装置において、前記加
熱部材から分離した後の前記感光性熱現像シートを搬送
するために前記感光性熱現像シートに密着するローラ対
を備え、少なくとも前記ローラ対の前記感光層側を断熱
弾性ローラから構成し、前記感光性熱現像シートの温度
が前記支持体のガラス転移温度またはその近傍である領
域に前記ローラ対を配置したことを特徴とする。
【0007】この熱現像装置によれば、加熱部材から分
離された感光性熱現像シートに密着するローラ対の感光
層側を断熱弾性ローラとしたので、感光性熱現像シート
において感光層が急激に冷却されることを防止できる。
このため、感光性熱現像シートがローラ対に挟まれて密
着しながら搬送されても、感光層に含まれる感光層配合
剤等がローラ対に付いてしまい硬化しその結果付着物が
形成されることを防止できる。また、感光性熱現像シー
トの温度が支持体のガラス転移温度またはその近傍であ
る領域に、少なくとも一方が断熱弾性ローラのローラ対
を配置したので、感光性熱現像シートが搬送時にローラ
対に挟み込まれてもその弾性作用により支持体が変形し
難くなり、熱現像後の感光性熱現像シート表面にゆがみ
が発生し難くなる。
【0008】また、前記断熱弾性ローラは、少なくとも
前記感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部
分が熱伝導率0.3W/(m・K)[300K時]以下
の断熱材料から構成されることが好ましい。これによ
り、感光性熱現像シートにおける感光層の急激な冷却が
更に効果的に防止でき、感光層配合剤等の付着を一層効
果的に防止できる。なお、表面部分とは、メッキ被膜や
蒸着被膜や酸化膜などを除く、最も表面側の構造材から
なる部分である。
【0009】また、前記断熱弾性ローラは、少なくとも
前記感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部
分が空隙率50〜80%の断熱材料から構成されること
が好ましい。これにより、感光層の感光層配合剤等と断
熱弾性ローラとの接触面積を小さくすることができ、分
子間引力による感光層配合剤等の剥がれを防止でき、感
光層配合剤等の付着を一層効果的に防止できる。
【0010】また、前記断熱弾性ローラは、少なくとも
前記感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部
分が硬度30〜70度(JISA)の断熱材料から構成
されることが好ましい。これにより、感光性熱現像シー
トがローラ対に均一に密着して搬送され、感光性熱現像
シートの表面において不均一な温度分布ができることを
防止できる結果、ゆがみなく熱現像された感光性熱現像
シートを得ることができる。
【0011】上述のような断熱材料として例えばシリコ
ンゴム、ポリウレタンゴム、不織布、フェルト、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)がある。中で
も、これらの材料等を用いた繊維質からなる不織布また
は発泡性スポンジが好ましく、弾性効果も充分に得るこ
とができる。
【0012】また、前記感光性熱現像シートの感光層の
上に保護層が設けられ、前記断熱弾性ローラは前記保護
層に接するように構成することが好ましい。
【0013】また、前記感光性熱現像シートは、所定サ
イズにカットされた感光性熱現像フィルムとすることが
できる。カットされた端面から感光層に含まれる感光層
配合剤等が滲み出てきても、本熱現像装置により断熱部
材に付着物を形成することはなく、感光性熱現像フィル
ムにおいて画質不良や搬送不良は起きない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明の実施の形態にかかる熱現像装置
の正面図であり、図2は、かかる熱現像装置の左側面図
である。熱現像装置100は、シート状の感光性熱現像
材料であるフィルムF(感光性熱現像シート)を1枚ず
つ給送する給送部110と、給送されたフィルムFを露
光する露光部120と、露光されたフィルムFを現像す
る現像部130とを有している。図1,2を参照して、
熱現像装置100について説明する。
【0015】図2において、給送部110は上下2段に
設けられ、ケースCに収納されたフィルムF(図3,4
参照)を、ケースCごと格納する。不図示の取り出し装
置により、フィルムFをケースCから取り出し、図中矢
印(1)に示す方向(水平方向)に引き出す。更に、ケ
ースCから引き出されたフィルムFを、ローラ対からな
る搬送装置141により、図中矢印(2)に示す方向
(下方)に搬送する。
【0016】熱現像装置100の下方に搬送されてきた
フィルムFを、更に熱現像装置100の下部にある搬送
方向変換部145へと搬送し、搬送方向変換部145で
搬送方向を変換し(図2の矢印(3)及び図1の矢印
(4))、露光準備段階に移行する。更にフィルムF
を、熱現像装置100の左側面から、図1の矢印(5)
に示す方向(上方)に、ローラ対からなる搬送装置14
2が搬送し、その際露光部120から、赤外域780〜
860nm範囲内のレーザ光L、例えば810nmのレ
ーザ光で走査露光する。
【0017】フィルムFはレーザ光Lを受けることによ
り、後述する態様で潜像を形成する。その後、フィルム
Fを図1の矢印(6)に示す方向(上方)に搬送し、供
給ローラ対143に到達した時点で、そのままドラム1
4に供給する。すなわち、ランダムなタイミングで供給
する。また、到達した時点で一旦停止させるようにして
も良い。この場合、供給ローラ対143は、一定の回転
速度で回転する現像部130のドラム14に、フィルム
Fを供給するタイミングを決定する機能を有し、かかる
ドラム14周上の次の被供給位置に回転したとき、供給
ローラ対143が回転を開始することにより、フィルム
Fを、ドラム14の外周上に供給するようにしても良
い。その具体的な構成については後述する。
【0018】更に、ドラム14は、フィルムFをドラム
14の外周上に保持しながら、図1の矢印(7)に示す
方向に回転する。かかる状態で、フィルムFをドラム1
4が加熱して熱現像して、後述する態様で潜像から可視
画像を形成する。その後、図1のドラム右方まで回転し
たときに、ドラム14からフィルムFを離脱させ、図1
の矢印(8)に示す方向に搬送し冷却した後、複数の搬
送ローラ対144により、図1の矢印(9)に示す方向
に搬送し、熱現像装置100の上部から取り出せるよう
に排出トレイ160に排出する。
【0019】図3は、露光部120の構成を示す概略図
である。露光部120は、画像信号Sに基づき強度変調
されたレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向し
て、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレ
ーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向に相対移
動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィ
ルムFに潜像を形成するものである。
【0020】より具体的な構成を以下に述べる。図3に
おいて、画像信号出力装置121から出力されたデジタ
ル信号である画像信号Sは、D/A変換器122におい
てアナログ信号に変換され、変調回路123に入力され
る。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づき、
レーザ光源部110のドライバ124を制御して、レー
ザ光源部110から変調されたレーザ光Lを照射させる
ようになっている。
【0021】レーザ光源部110から照射されたレーザ
光Lは、シリンドリカルレンズ115により上下方向に
のみ収束されて、図中矢印A方向に回転する回転多面鏡
113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射する
ようになっている。回転多面鏡113は、レーザ光Lを
主走査方向に反射偏向し、偏向されたレーザ光Lは、2
枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを
含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方
向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬
送ローラ対等からなる搬送装置142により、矢印Y方
向に搬送されている(副走査される)フィルムFの被走
査面上を、矢印X方向に繰り返し主走査する。すなわ
ち、レーザ光Lを、フィルムF上の被走査面全面にわた
って走査する。
【0022】fθレンズ114のシリンドリカルレンズ
は、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面上に、
副走査方向にのみ収束させるものとなっており、また前
記fθレンズ114から前記被走査面までの距離は、f
θレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。こ
のように、本露光部120においては、シリンドリカル
レンズを含むfθレンズ114及びミラー116を配設
しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で、一旦副
走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転
多面鏡113に面倒れや軸ブレが生じても、フィルムF
の被走査面上において、レーザ光Lの走査位置が副走査
方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成する
ことができるようになっている。回転多面鏡113は、
たとえばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に
比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以
上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像
が形成されることとなる。尚、潜像が形成される具体的
な化学的反応の内容については、図7を参照して後述す
る。
【0023】図4乃至6は、フィルムFを加熱する現像
部130の構成を示す図であり、より具体的には、図4
は、現像部140の斜視図であり、図5は、現像部及び
現像部の下流側の搬送部近傍を示す側面図であり、図6
は、図4の構成を正面から見た図である。
【0024】現像部130は、フィルムFを外周にほぼ
密着して保持しつつ加熱可能な加熱部材としてのドラム
14を有している。ドラム14は、フィルムFを所定の
最低熱現像温度以上に、所定の熱現像時間維持すること
によって、フィルムFに、形成された潜像を可視画像と
して形成する機能を有する。ここで、最低熱現像温度と
は、フィルムFに形成された潜像が熱現像され始める最
低温度のことであり、本実施の形態のフィルムにおいて
は100℃以上である。一方、熱現像時間とは、フィル
ムFの潜像を所望の現像特性に現像するために、最低熱
現像温度以上に維持するべき時間をいう。尚、フィルム
Fは、40℃以下では実質的に熱現像されないものであ
ることが好ましい。加熱により、潜像が可視化される具
体的な化学的反応の内容については、図8を参照して後
述する。
【0025】現像部130は、本実施の形態において
は、露光部120と共に熱現像装置100に組み込まれ
ているが、露光部120とは独立した装置であっても良
い。かかる場合、露光部120から現像部130へとフ
ィルムFを搬送する搬送部があることが好ましい。
【0026】ドラム14の外方には、案内部材かつ対向
部材として小径のローラ16が20本設けられており、
ドラム14に対して平行に対向しかつ、ドラム14の周
方向に等間隔に配置されている。ドラム14の両端に
は、フレーム18に支持されている案内ブラケット21
が片側に3個ずつ備えられている。尚、案内ブラケット
21を組み合わせることにより、ドラム14の両端にお
いて、対向するC字形状が形成されるようになってい
る。
【0027】各案内ブラケット21は、半径方向に延び
た長孔42を9つ形成している。この長孔42から、ロ
ーラ16の両端部に設けられたシャフト40が突出す
る。シャフト40には、それぞれコイルばね28の一端
が取り付けられており、コイルばね28の他端は、案内
ブラケット21の内方縁近傍に取り付けられている。従
って、各ローラ16は、コイルばね28の付勢力に基づ
く所定の力で、ドラム14の外周に付勢される。フィル
ムFは、ドラム14の外周とローラ16との間に侵入し
たときに、かかる所定の力でドラム14の外周面に対し
て押圧され、それによりフィルムFを全面的に均一に加
熱する。
【0028】ドラム14に同軸に連結されたシャフト2
2は、フレーム18の端部部材20から外方に延在して
おり、シャフトベアリング24により、端部部材20に
対して回転自在に支承されている。シャフト22の下方
に配置され、端部部材20に取り付けられたマイクロス
テップモータ(図示省略)の回転軸23には、ギヤ(図
示省略)が形成されている。一方、シャフト22にもギ
ヤが形成されている。両ギヤを連結するタイミングベル
ト(ギヤが刻まれているベルト)25を介して、マイク
ロステップモータの動力がシャフト22に伝達され、そ
れによりドラム14が回転する。尚、回転軸23からシ
ャフト22への動力の伝達は、タイミングベルトではな
くチェーンやギヤ列を介して行っても良い。
【0029】図5に示すように、本実施の形態におい
て、ローラ16は、ドラム14の周囲方向に凡そ170
度の角度範囲にわたって設けられている。図6に示すよ
うに、2本の補強部材30がフレーム18の両端部部材
20を連結し、両端部部材20を付加的に支持する。
【0030】ドラム14の内周には、板状のヒータ32
が全周にわたって取り付けられており、図6に示す制御
用電子装置34の制御下で、ドラム14の外周を加熱す
るようになっている。ヒータ32への電力の供給は、電
子装置34に連結されたスリップ・リング・アセンブリ
35を介して行われる。
【0031】本実施の形態においては、熱現像装置10
0の構成をコンパクトにするために、ドラム14を回転
自在な円筒形状としているが、フィルムFを加熱する手
段として別な構成を用いても良い。たとえば、ヒータを
備えたベルトコンベヤにフィルムFを載置し、かかるベ
ルトコンベヤによりフィルムFを搬送しつつ加熱するこ
とが考えられる。
【0032】ドラム14は、図6のように金属製の支持
部材であるアルミ製の支持チューブ36と、この支持チ
ューブ36の外側に取り付けられた柔軟な柔軟層38
(弾性層)を備えている。柔軟層は、支持チューブ36
に間接的に取り付けられていても良い。
【0033】一方、支持チューブ36の肉厚のムラは、
たとえば4%以内に収めることが好ましい。更に、柔軟
層38は、加熱すべきフィルムFに対する密着度を高め
るため、十分に滑らかな面を有するようになっており、
その表面粗さRaは、5μm(特に2μm)よりも小さ
いことが望ましい。
【0034】しかしながら、シリコンゴムをべースとす
るような特定の材料についての表面粗さRaは、フィル
ムFがドラム14に粘着することを防止するために、
0.3μm以上とした方が良い。尚、表面粗さRaが
0.3μm以上であれば、ガス、特に揮発性材料が、柔
軟層38とフィルムFとの間から排出され易くなる。
【0035】柔軟層38を用いているために、耐摩耗性
を犠牲にすることなく、ローラ16によりフィルムFが
ドラム14に対し、より確実に密着するようになってい
る。柔軟層38は、デュロメータで測定されるショアA
硬さで70以下(特に60以下)であることが好まし
い。本実施の形態では、デュロメータで測定されるショ
アA硬さで55以下の硬度である。
【0036】特定の材料においては、熱伝導率を高める
ための添加物と、シリコンゴムとを含有しており、かか
る材料は、柔軟層38を形成するために、特に有益であ
ることが見い出されている。かかる材料に含まれるシリ
コンゴムの熱伝導率は比較的小さいものの、当該シリコ
ンゴムにより、フィルムFの押しつけ性能と、フィルム
Fに対する耐久性(耐摩耗性)とが向上することとな
る。
【0037】一方、現像の処理能力を向上させるために
は、熱伝導率を高くすることが必要となるが、上述した
材料中の添加物は、熱伝導率を高く維持することに寄与
するものである。しかしながら、柔軟層38を形成する
材料において、添加物の添加量を増大させると、シリコ
ンゴムによる押しつけ性能及び耐久性が低下するため、
添加物とシリコンゴムの添加量は、ある程度の範囲内で
バランスさせる必要がある。尚、シリコンゴム含有材料
は、フィルムFに対して容易に離脱し、また化学的に不
活性であるという利点を有している。
【0038】柔軟層38の厚さは、0.1mmから2m
mの範囲にあることが好ましく、これよりも薄い柔軟層
38を用いることも可能であるが、薄くなるにつれ、柔
軟層30の機能が低下すると共に、その製造が困難にな
るという問題がある。そこで、柔軟層38の厚さは、
0.4mm以上であることが好ましい。さらに、柔軟層
38の厚さのバラツキは、表面領域上で、20%以下
(特に10%以下)であれば好ましい。本実施の形態で
は、5%以下に抑えられている。
【0039】本実施の形態においては、案内部材として
は、回転自在のローラ16を用いている。しかしなが
ら、小さな可動式ベルト等の他の手段を使用することも
可能である。本実施の形態では、ローラ16として、外
側の直径が1〜2cmであり、肉厚が2mmのアルミ製
の管を用いる。
【0040】尚、上述したように、コイルばね28の付
勢力は、フィルムFがドラム14の外周面により確実に
密着して、十分な熱伝達を受けることができるよう、ロ
ーラ16の押圧力を決定するものであるため、その値の
選定には注意する必要がある。コイルばね28の付勢力
が過小であれば、フィルムFに、熱が不均一に伝導する
ため画像の現像が不完全になる恐れがある。従って、フ
ィルムFの幅1cm当たりのローラ16からの付勢力は
3g以上(特に5g以上)であることが好ましい。ま
た、かかるフィルムFの幅1cm当たりのローラ16か
らの付勢力が14gより過小であると、ローラ16がド
ラム14に対してつれ回りしない恐れが生じてくる。特
に、この付勢力が7g以下だと連れ回りしない。このよ
うな場合、フィルムFがドラム14と共に回転移動し、
かつローラ16がフィルムFに接しているとき、フィル
ムFは、ローラ16により傷つけられる恐れがある。こ
のような場合、これらのローラ16の両端に被回転駆動
部を設け、この被回転駆動部を介して、ギヤ駆動、摩擦
駆動などにより、回転駆動させることが望ましい。
【0041】一方、コイルばね28の付勢力は、ローラ
16がフィルムFに圧痕を生じさせない程度に小さくす
る必要がある。
【0042】従って、フィルムFの幅1cm当たりのロ
ーラ16からの付勢力は、200g以下(特に100g
以下)にあることが好ましい。本実施の形態では、この
力は、フィルムFの幅方向1cm当たり5〜7gの間に
ある。加えて、ローラ16の両端に被回転駆動部を設
け、この被回転駆動部を介して、ギヤ駆動により回転駆
動させて、この範囲内に力を維持することにより、圧痕
の低減と、画像の不均一の低減との調和を確保すること
ができる。
【0043】加えて、各コイルばね28が、円筒形状の
ドラム14の周囲に設けらたローラ16に用いられたと
き、各コイルばね28による付勢力を、各ローラ16に
作用する重力を考慮して決定すると良い。たとえば、ド
ラム14の上側に位置するローラ16を付勢しているコ
イルばね28を、ドラム14の底側でローラ16を付勢
している他のコイルばね28よりも、ローラ16の重量
により応じてより小さい付勢力とすることにより、フィ
ルムFの全体にほぼ同一の面圧を作用させることができ
る。
【0044】各ローラ16により作用せしめられる力に
加えて、隣接するローラ16の間のスペースは、フィル
ムFにおける高品質の画像形成を行うために重要である
といえる。フィルムFがドラム14に供給されたとき、
その温度は、一般的に室温(凡そ20°C)である。従
って、現像部130の処理能力を最大限にするために、
フィルムFは、現像を開始するに必要な最低熱現像温度
まで、室温から、速やかに加熱されねばならない。
【0045】しかしながら、ある種のフィルムFに含ま
れている支持体(基材)、たとえば、ポリエステルフィ
ルムをべースとする板材や、その他の熱可塑性(材料)
をべースとする板材は、加熱時に、熱膨張したり、収縮
したり(縮んだり)する恐れがある。従って、シワ(ヒ
ダ)が形成されないよう寸法変化を均一とするために、
フィルムFは、平らに保持される状態と拘束されない状
態との問で交互に状態変化するときに、均―に加熱され
るようにしなければならない。これを実現するために、
複数のローラ16は、フィルムFがローラ16とドラム
14との間で拘束されていないときに、隣接するローラ
16の間に位置するフィルムFの面積(領域)の変化を
許容することができるように、間隔を置いて設けられて
いる。
【0046】しかしながら、上記したように、フィルム
Fを均一に現像するべく熱を十分にかつ均一に伝導させ
るために、ローラ16は、フィルムFをドラム14に対
して付勢した状態で所定時間保持しなければならない。
結果として、隣接するローラ16の間に位置するスぺー
スは、シワ(ヒダ)が最小限になるように、かつ、フィ
ルムFの加熱が速やかにかつ均一に行われるように選択
されるべきである。
【0047】更に、円筒形状のドラム14の外周上で、
フィルムF自体の剛性により、その前縁がローラ16同
士の間で接線方向に延びるようになるが、これを抑える
べく、ローラ16同士は、十分に近接していなければな
らない。かかる配置は、フィルムFをローラ16とドラ
ム14との間に保持するために重要である。
【0048】図4〜6に示すように、20個のローラ1
6は、ドラム14の回転方向において約171度にわた
って設けられ、各スぺースは、中心から中心に対して約
9度だけ隔てられている。この構成は、ドラム14の直
径が15cm〜30cmであり、ローラ16の直径が1
〜2cmである場合に、べースの厚さが0.1〜0.2
mmのフィルム、例えば支持体の厚さが0.18mmで
あるポリエステルフィルム等の、フィルムFが比較的硬
質であるものや、べースの厚さが0.10mmであるポ
リエステルフィルム等の、フィルムFの硬度がより小さ
いものに対して有効に作用するものとなっている。
【0049】ヒータ32(図6)は、ドラム14の外周
面を加熱するべく、ドラム14の内周に取り付けられて
いる。ドラム14を加熱するためのヒータ32は、例え
ばエッチングされた抵抗性のフォイル・ヒータを用いる
ことができる。
【0050】ヒーター制御用電子装置34は、ドラム1
4と共に回転し、ドラム14に配置された温度検出手段
により感知された温度情報に応じて、ヒータ32に供給
される電力を調整することができるようになっている。
制御用電子装置34はヒータ32を制御することによ
り、特定のフィルムFの現像に適した温度になるよう、
ドラム14の外表面温度調整を行う。本実施の形態にお
いてはドラム14を、60℃〜160℃の温度にまで加
熱することができる。
【0051】ここで、ヒータ32と制御用電子装置34
とにより、ドラム14の幅方向の温度を2.0℃以内
(特に、1.0℃以内)に維持すると好ましい。本実施
の形態では、0.5℃以内に維持される。
【0052】供給ローラ対143から所定のタイミング
で供給される未現像のフィルムFは、現像部130にお
いて、フィルムの供給口201からドラム14に接近
し、ドラム14と、最も上流側のローラ16とによって
形成されるニップ部52に供給される。次いで、フィル
ムFは、ドラム14と共に回転する。このとき、フィル
ムFは、ローラ16によりドラム14に対して付勢さ
れ、回転の間に所定時間、ドラム14の外周に当接せし
められる。
【0053】ドラム14は、現像されるフィルムFと略
同一速度で移動することができるため、フィルムFの表
面に傷(傷み、損傷)がつく恐れは低くなり、それによ
り高品質の画像を確保することができる。ドラム14と
ローラ16との間に搬送された後、現像されたフィルム
Fは、最も下流側に位置し分離直前案内部材としてのロ
ーラ16とドラム14とにより形成されたニップ部50
に案内されて、後述のように、現像部130のドラム1
4から引き出されることとなる。
【0054】現像部130は、例えば実施例に示す赤外
線感光性ハロゲン化銀を含む感光性熱現像感光層配合剤
が0.178mmの支持体としてのPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)にコーティングされたフィルムFを
現像するように構成されている。ドラム14は、たとえ
ば、120℃に維持され、該ドラム14は、フィルムF
を所定時間である約15秒間、その外周面に当接状態で
保持するような回転速度で回転せしめられる。当該所定
時間及び当該温度で、フィルムFは、120℃の温度ま
で上昇せしめられる。フィルムFの支持体であるPET
のガラス転移温度は約80℃である。
【0055】柔軟層38の厚さと熱伝導率は、複数のフ
ィルムFの連続的処理を効率的に行えるように、選択さ
れている。もちろん、これらのパラメータは、現像され
るフィルムFの特性に従って、また、所望される処理能
力に従って、変化させることが可能である。たとえば、
ドラム14の温度及び回転速度は、現像に係る異なった
必要条件を有するフィルムFを現像するために、フィル
ムFがドラム14に接する所定時間と同様に、変化させ
ることができる。
【0056】加えて、ドラム14と同様に、ローラ16
にも柔軟層を設けることができる。また、ローラ16に
柔軟層を設ける代わりに、ドラム14には、より柔軟で
ない外層を設けるようにすることもできる。さらに、ド
ラム14が回転ローラであり、円筒形状のドラム又は支
持された平坦なエンドレス・べルトがローラ16として
機能するように構成することも可能である。
【0057】フィルムFの熱現像感光層を有する側の面
は、ドラム14の外周面(本実施の形態では柔軟層3
8)に接することが好ましい。しかしながら、フィルム
Fのその反対側の面も、また、ドラム14の外周面(本
実施の形態では柔軟層38)に接するようにすることが
できる。
【0058】また、図5に示すように、ドラム14から
分離したフィルムFを搬送方向F’に搬送するために、
ドラム14の最下流の案内部材16の下方に配置された
第1の断熱ガイド401と、この断熱ガイド401の近
傍に配置された第1の断熱ローラ対402と、この断熱
ローラ対402から出たフィルムFを搬送方向F’に案
内する第2の断熱ガイド403と、この断熱ガイド40
3の下流端近傍に配置された第2の断熱ローラ対404
とが設けられている。第2の断熱ローラ対404は、加
熱されたフィルムFの温度がその支持体であるPETの
ガラス転移温度(約80℃)近傍となる領域に配置され
ている。第1及び第2の断熱ローラ対402、404は
回転機構(図示省略)により回転駆動される。
【0059】第1の断熱ローラ対402及び第2の断熱
ローラ対404は、その表面部分が0.3W/(m・
K)以下の熱伝導率の繊維質からなる不織布から構成さ
れている。かかる繊維質からなる不織布は断熱性及び弾
性を有している。各断熱ローラ対402,404の各ロ
ーラは、例えばアルミニウムパイプの上に不織布を約2
mm程度の層にして設け、断熱弾性ローラに構成されて
いる。また、第2の断熱ローラ対404に設ける不織布
は、空隙率(気孔率)50〜80%、硬度30〜70度
(JISA)の断熱材料としている。第1の断熱ガイド
401及び第2の断熱ガイド403は、熱伝導率の低い
ステンレス鋼の上に上述と同様の断熱性材料である不織
布がそのフィルムFと接する面403aに設けられてい
る。なお、硬度は、上述と同様のデュロメータでショア
A硬さとして測定できる。
【0060】また、第1の断熱ローラ402と第2の断
熱ローラ対404との間隔は、熱現像装置100におい
て使用するフィルムFのうち、最も小さいサイズに対応
して決めることが好ましい。これにより、最も小さいサ
イズのフィルムFを確実に搬送方向F’に搬送すること
ができ、フィルムのサイズが変更されてもその熱現像が
可能となる。
【0061】図5を参照してフィルムFの搬送について
説明する。ドラム14で加熱されては約120℃となっ
た状態でフィルムFが、最も下流側に位置するローラ1
6とドラム14との間からドラム14の回転とともにで
てくると、そのフィルム先端が第1の断熱ガイド401
に当接しながら、第1の断熱ローラ対402に導かれ、
第1の断熱ローラ対402により搬送方向F’に搬送さ
れる。そして、フィルムFは、第2の断熱ガイド403
に接触しながら、第2の断熱ローラ対404に導かれ、
第2の断熱ローラ対404に挟み込まれて密着されなが
ら搬送方向F’に更に搬送される。このようにして、熱
現像のされたフィルムFは、第2の断熱ローラ対404
の下流側に配置された図1の複数の搬送ローラ対144
により排出トレイ160に排出され、図1の熱現像装置
100の上部から取り出すことができる。
【0062】以上のようなフィルムFの搬送過程におい
て、フィルムFは、その温度が120℃から徐々に低下
するが約80〜100℃間では未だ熱現像が進行してい
るため、この間に急冷されると、現像されたフィルムに
濃度むらが発生してしまうのであるが、上述のように、
ドラム14に最も近く配置された第1の断熱ローラ対4
02の表面部は、その熱伝導率が0.3W/(m・K)
以下の不織布から構成されているため、フィルムFは急
冷されることはなく、現像されたフィルムFに濃度むら
が発生しない。
【0063】また、第2の断熱ローラ対404におい
て、フィルムFの温度は約80℃程度であるが、第2の
断熱ローラ対404の各ローラの表面部分が熱伝導率が
0.3W/(m・K)以下であるので、フィルムFの感
光層は急冷されることはなく、このため、フィルムFが
第2の断熱ローラ対404に挟み込まれて密着して搬送
されても、感光層に含まれる感光層配合剤等が第2の断
熱ローラ対404に付いて硬化しその結果付着物が形成
されることを防止できる。
【0064】また、フィルムFの温度は第2の断熱ロー
ラ対404において支持体(PET)のガラス転移温度
近傍(約80℃)であるので、フィルムFが搬送時に第
2の断熱ローラ対404に挟み込まれてもその弾性作用
により支持体が変形し難くなり、フィルムFの現像後の
表面にゆがみが発生し難くなる。
【0065】また、第2の断熱ローラ対404の各ロー
ラの表面部分が空隙率50〜80%であるので、感光層
の感光層配合剤等との接触面積を小さくすることがで
き、分子間引力による感光層配合剤等の剥がれを防止で
き、感光層配合剤等の付着を一層効果的に防止できる。
【0066】また、第2の断熱ローラ対404の各ロー
ラの表面部分が硬度30〜70度(JISA)であるの
で、フィルムFが第2の断熱ローラ対404に均一に密
着して搬送され、フィルムFの表面において均一な温度
分布となり、ゆがみなく熱現像されたフィルムFが得ら
れる。この点、ローラ対を硬度の大きな70度を超える
硬質ローラで構成すると、硬質ローラの反り等のためフ
ィルムFと接触しない部分が生じる結果、フィルム表面
の温度が不均一になりゆがみを誘発し易くなるのである
が、かかる問題を防止できる。
【0067】なお、上述のような断熱材料として繊維質
からなる不織布以外に発泡性スポンジ等を用いることも
できる。
【0068】また、フィルムFは、所定サイズにカット
されており、そのカットされた端面(特に搬送方向に平
行な両側端面)から感光層に含まれる感光層配合剤等が
滲み出てきても、上述のように、フィルムFの感光層の
急冷を防止できるから第2の断熱ローラ対404に付着
物ができ難くなり、フィルムFにおける画質不良や搬送
不良を防止できる。
【0069】また、第1の断熱ローラ402と第2の断
熱ローラ対404は、熱現像装置100において使用す
るフィルムFのうち、最も小さいサイズのフィルムFを
搬送方向F’に搬送することができるように配置されて
いるから、フィルムのサイズが大小に変更されてもその
搬送が可能であり、大小いずれのサイズのフィルムを熱
現像することができる。以上のように、本実施の形態に
よる熱現像装置によれば、大サイズから小サイズまでサ
イズの異なったフィルムを使用することができ、多種サ
イズのフィルムを濃度むらが生じることなくかつ搬送不
良及び画質不良がなく処理できるためユーザにとって使
い勝手のよい装置を実現できる。
【0070】図7は、実施例に示すフィルムFの断面図
であり、露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模
式的に示した図である。図8は、加熱時におけるフィル
ムF内の化学的反応を模式的に示した、図7と同様な断
面図である。フィルムFは、PETからなる支持体(基
層)上に、耐熱性バインダを主成分とする感光層が形成
され、更に、その上に耐熱性バインダを主成分とする保
護層が形成されている。感光層には、ハロゲン化銀粒子
と、有機酸銀の一種であるベヘン酸銀(Beh.Ag)
と、還元剤及び調色剤とが配合されている。また、支持
体の裏面にも耐熱性バインダを主成分とする裏面層が設
けられている。
【0071】露光時に、露光部120よりレーザ光Lが
フィルムFに対して照射されると、図7に示すように、
レーザ光Lが照射された領域に、ハロゲン化銀粒子が感
光し、潜像が形成される。一方、フィルムFが加熱され
て最低熱現像温度以上になると、図8に示すように、ベ
ヘン酸銀から銀イオン(Ag+)が放出され、銀イオン
を放出したベヘン酸は調色剤と錯体を形成する。その後
銀イオンが拡散して、感光したハロゲン化銀粒子を核と
して還元剤が作用し、化学的反応により銀画像が形成さ
れると思われる。このようにフィルムFは、感光性ハロ
ゲン化銀粒子と、有機銀塩と、銀イオン還元剤とを含有
し、40℃以下の温度では実質的に熱現像されず、80
℃以上である最低現像温度以上の温度で熱現像される。
【0072】以上のように本発明を実施の形態により説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、
本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能であ
る。例えば現像部130は、本実施の形態においては、
露光部120と共に熱現像装置100に組み込まれてい
るが、露光部120とは別個の構成であっても良い。か
かる場合、露光部120から現像部130へとフィルム
Fを搬送する搬送部が必要となる。また、第2の断熱ロ
ーラ対404の断熱材料は他の材料であってもよいこと
は勿論であるが、熱伝導率、空隙率(気孔率)及び硬度
が上述の範囲のものが好ましい。また、第2の断熱ロー
ラ対404の両ローラを断熱弾性ローラとしたが、少な
くともフィルムFの保護層(図7)に接する側を断熱弾
性ローラとすればよい。
【0073】
【発明の効果】本発明の熱現像装置によれば、感光性熱
現像シートを加熱部材に密着させて加熱した後に分離し
排出方向に搬送する際に、感光性熱現像シートからの感
光層配合剤等の物質が搬送ローラやガイド等に付着して
しまうことを防止できるとともに熱現像後の感光性熱現
像シート表面にゆがみが発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる熱現像装置の正面
図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる熱現像装置の左側
面図である。
【図3】図1の熱現像装置における露光部120の構成
を示す概略図である。
【図4】図1の熱現像装置におけるフィルムFを加熱す
る現像部130の構成を示す図であり、現像部130の
斜視図である。
【図5】図1の熱現像装置における現像部130及びそ
の下流側の搬送部近傍を示す側面図である。
【図6】図4の構成を正面から見た図である。
【図7】フィルムFの断面図であり、露光時におけるフ
ィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。
【図8】加熱時におけるフィルムF内の化学的反応を模
式的に示した、図7と同様な断面図である。
【符号の説明】
14 ドラム(加熱部材) 16 ローラ(案内部材) 32 ドラムヒータ 100 熱現像装置 110 格納部 120 露光部 130 現像部 401 第1の断熱ガイド 402 第1の断熱ローラ対 403 第2の断熱ガイド 404 第2の断熱ローラ対 F フィルム(感光性熱現
像シート) F’ 搬送方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体とこの支持体の上に設けられた感
    光層とを含む感光性熱現像シートをその表面上に実質的
    に密着させた状態で加熱部材が回転しながら前記感光性
    熱現像シートを熱現像するために加熱し、前記感光性熱
    現像シートを前記加熱部材から分離して搬送するように
    構成した熱現像装置において、 前記加熱部材から分離した後の前記感光性熱現像シート
    を搬送するために前記感光性熱現像シートに密着するロ
    ーラ対を備え、 少なくとも前記ローラ対の前記感光層側を断熱弾性ロー
    ラから構成し、 前記感光性熱現像シートの温度が前記支持体のガラス転
    移温度またはその近傍である領域に前記ローラ対を配置
    したことを特徴とする熱現像装置。
  2. 【請求項2】 前記断熱弾性ローラは、少なくとも前記
    感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部分が
    熱伝導率0.3W/(m・K)[300K時]以下の断
    熱材料から構成されたことを特徴とする請求項1に記載
    の熱現像装置。
  3. 【請求項3】 前記断熱弾性ローラは、少なくとも前記
    感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部分が
    空隙率50〜80%の断熱材料から構成されたことを特
    徴とする請求項1または2に記載の熱現像装置。
  4. 【請求項4】 前記断熱弾性ローラは、少なくとも前記
    感光性熱現像シートの前記感光層側に接する表面部分が
    硬度30〜70度(JISA)の断熱材料から構成され
    たことを特徴とする請求項1,2または3に記載の熱現
    像装置。
  5. 【請求項5】 前記断熱材料は繊維質からなる不織布ま
    たは発泡性スポンジであることを特徴とする請求項2,
    3または4に記載の熱現像装置。
  6. 【請求項6】 前記感光性熱現像シートの感光層の上に
    保護層が設けられ、前記断熱弾性ローラは前記保護層に
    接することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の熱現像装置。
  7. 【請求項7】 前記感光性熱現像シートはカットされた
    感光性熱現像フィルムであることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の熱現像装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015146858A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 花王株式会社 ビューラーヒーター

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