JP2001254657A - 燃料噴射装置及びその噴射特性調整方法 - Google Patents

燃料噴射装置及びその噴射特性調整方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く噴射量のばらつきが小さい燃料
噴射装置及びその噴射特性調整方法を提供する 【解決手段】 エアギャップ調整部材31は、ハウジン
グ11にねじ止められ、ねじ込み量によってハウジング
11の軸方向に位置決めされる。アクチュエータ30
は、ハウジング11の軸方向に往復移動可能にエアギャ
ップ調整部材31によって係止され、皿バネ18によっ
て弁口64から離間する方向に付勢されるため、エアギ
ャップ調整部材31がハウジング11の軸方向に位置決
めされることによってエアギャップHが決まる。エアギ
ャップ調整部材31のねじ込み量により噴射量を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射装置及びそ
の噴射特性調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ノズル弁部材に噴孔閉塞方向の燃
料圧力を加える圧力室を設け、この燃料圧力を利用して
ノズル弁部材の作動を制御する燃料噴射装置が知られて
いる。このような燃料噴射装置では、ノズル弁部材が燃
料溜まりに供給される燃料圧力により噴孔開放方向に受
ける力と、制御圧力室の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受
ける力と、スプリングから噴孔閉塞方向に受ける力との
大小関係によりノズル弁部材の作動を制御する。制御圧
力室には、燃料を逃がす弁口が設けられており、この弁
口の開閉により制御圧力室の燃料圧力を制御する。この
ような燃料噴射装置は、例えば特許第2599281号
に開示されるている。以下、図8に基づき、特許第25
99281号に開示されている燃料噴射装置の作動を説
明する。
【0003】制御圧力室211及び燃料溜まり216に
は定圧燃料が供給されている。制御圧力室211の弁口
207は制御弁部材206によって開閉される。制御圧
力室211の燃料圧力によって弁口開放方向に受ける力
及び電磁石213がアーマチュア205を吸引する力の
合力がスプリング203によって弁口閉塞方向に受ける
力を上回ると制御弁部材206はリフトする。弁口20
7が開放されると、弁口207から弁室217及びヨー
ク212に設けられた孔を通じて電磁石213の外周空
間215に燃料が導出され、制御圧力室211の燃料圧
力が低下する。制御圧力室211の燃料圧力が低下する
と、ノズル弁部材200が燃料溜まり216に供給され
る燃料圧力により噴孔開放方向に受ける力及びスプリン
グ218から噴孔閉塞方向に受ける力の合力が制御圧力
室211の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受ける力を上回
り、ノズル弁部材200はリフトする。電磁石213へ
の通電が遮断されると、制御弁部材206が弁口207
を閉塞することによって制御圧力室の燃料圧力が上が
り、制御圧力室211の燃料圧力から噴孔閉塞方向に受
ける力が大きくなることによって、ノズル弁部材200
は噴孔閉塞方向に移動して噴孔を閉塞する。したがっ
て、噴射開始時期は制御弁部材206のリフト開始時期
と相関関係を持ち、噴射量は弁口207の開口期間と相
関関係を持つ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許第
2599281号に開示されている燃料噴射装置の構成
によると、以下に述べる理由により、組み付け後におい
て燃料噴射特性の調整ができないという問題がある。
【0005】制御弁部材206のリフト開始時期は、電
磁石213に駆動パルスを与えてから制御弁部材206
がリフト開始するまでの遅れ期間によって決まり、この
噴射開始遅れ期間は制御弁部材206を弁口閉塞方向に
付勢するスプリング203の付勢荷重によって決まる。
一方、スプリング203の付勢荷重はアジャスティング
スクリュー202のねじ込み量によって決まる。しか
し、燃料噴射装置を組み付けた後にアジャスティングス
クリュー202のねじ込み量を変えることができないた
め、組み付け後においては、電磁石213に駆動パルス
を与えてから制御弁部材206がリフト開始するまでの
遅れ期間を調整することができない。したがって、組み
付け後においては、電磁石213に駆動パルスを与えて
からノズル弁部材200がリフト開始するまでの噴射開
始遅れ期間を調整することができない。
【0006】駆動パルスのパルス幅が一定で燃料噴射装
置に供給される燃料圧力が一定である場合、弁口207
の開口期間は、駆動パルスが立ち上がってから制御弁部
材206がリフト開始するまでの遅れ期間と、駆動パル
スが立ち下がってから制御弁部材206が弁口を閉塞す
るまでの遅れ期間とによって決まる。リフト開始するま
での遅れ期間は、スプリング203の付勢荷重によって
決まるため、上述の理由と同じ理由により、組み付け後
において調整することができない。また、弁口を閉塞す
るまでの遅れ期間は、制御弁部材206のリフト量及び
スプリング203の付勢荷重によって決まり、制御弁部
材206の最大リフト量は電磁石213のステータ20
4とアーマチュア205とのエアギャップによって決ま
る。しかし、スプリング203の付勢荷重は上述の理由
と同じ理由により組み付け後において調整することがで
きない。また、電磁石213及び弁口207はともにガ
イド部材208に固定され、ガイド部材208はノズル
部ボディ209に制御部ボディ214がねじ込まれるこ
とによってノズル部ボディ209と制御部ボディ214
によって挟持される。ステータ204とアーマチュア2
05とのエアギャップは、弁口207からステータ20
4までの距離によって決まるため、組み付け後において
は、制御弁部材206のリフト量を調整することができ
ない。以上より、組み付け後においては、弁口207の
開口期間、延いては燃料噴射装置の噴射量を調整するこ
とができない。
【0007】上述したように組み付け後において燃料噴
射特性の調整ができない場合、燃料噴射特性の検査と燃
料噴射装置の分解、アジャスティングスクリュー202
の調整及びガイド部材208等の部品交換を繰り返して
燃料噴射特性を調整する必要がある。このような場合、
生産性が著しく低下するとともに噴孔絞り等の個体差に
よって生ずる燃料噴射特性のばらつきを調整することが
ほとんど不可能となる。
【0008】また、制御圧力室211の燃料を弁口20
7から軸線に沿って導出しドレーン通路201から排出
することができず、弁口207から電磁石213の外周
空間215を経由してドレーン通路201に導出するた
め、燃料噴射装置が径方向に大きくなるという問題があ
る。
【0009】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ために創作されたものであって、生産性が高く噴射量の
ばらつきが小さい燃料噴射装置を提供することを目的と
する。また、本発明は小型の燃料噴射装置を提供するこ
とを目的とする。さらに、本発明の別の目的は、燃料噴
射装置の噴射開始遅れ期間及び噴射量のばらつきを小さ
くする噴射特性調整方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1又は9
記載の燃料噴射装置によると、エアギャップ調整部材は
ノズル本体の軸方向に往復移動可能に制御手段を係止
し、制御手段は第一付勢手段又は第二付勢手段によって
弁口から離間する方向に付勢される。
【0011】また、エアギャップ調整部材は、ノズル本
体の軸方向に位置決めしてノズル本体に係止される。エ
アギャップ調整部材は、例えばノズル本体にねじ止めら
れることによって係止される場合、ねじ込み量によって
ノズル本体の軸方向に位置決めされ、ノズル本体に嵌装
されることによって係止される場合、圧入深さによって
ノズル本体の軸方向に位置決めされる。また、エアギャ
ップ調整部材は、制御手段の外周に設けられているた
め、噴射作動に必要な部材の組み付け後にノズル本体の
軸方向に位置決めしてノズル本体に係止することができ
る。
【0012】また、制御手段は、ノズル本体の軸方向に
往復移動可能にエアギャップ調整部材によって係止され
るところ、第一付勢手段又は第二付勢手段によって弁口
から離間する方向に付勢されるため、エアギャップ調整
部材がノズル本体の軸方向に位置決めされることによっ
て、ノズル本体の軸方向に位置決めされる。また、圧力
室から燃料を導出する弁口はノズル本体に設けられてい
るため、制御手段がノズル本体の軸方向に位置決めされ
ることによって、制御手段に設けられたステータと制御
弁部材と同方向(一体)に移動するアーマチュアとのエ
アギャップが決まる。
【0013】したがって、本発明の請求項1又は9記載
の燃料噴射装置によると、噴射作動に必要な部材の組み
付け後にエアギャップ調整部材を位置決めしてステータ
とアーマチュアのエアギャップを調整することができる
ため、生産性を高めるとともに噴射量のばらつきを小さ
くすることができる。尚、ステータとアーマチュアのエ
アギャップと噴射量との相関関係については後に詳述す
る。
【0014】本発明の請求項2又は10記載の燃料噴射
装置によると、エアギャップ調整部材は、ノズル本体に
ねじ止められるため、ねじ込み量によって噴射量を調整
することができる。また、ねじ込み量は締め付け方向及
び弛緩方向に調整することができるため、噴射作動に必
要な部材の組み付け後にステータとアーマチュアのエア
ギャップを調整するにあたって、噴射量を計測し、計測
結果をねじ込み量にフィードバックすることができる。
【0015】尚、ノズル本体にねじ止めされるエアギャ
ップ調整部材は、制御手段と一体に設けられる部材であ
ってもよい。エアギャップ調整部材が制御手段と一体に
設けられる部材である場合には、エアギャップ調整部材
を円筒状の雌ねじ又は雄ねじとし、ノズル本体の端部に
雌ねじ又は雄ねじを形成し、エアギャップ調整部材とノ
ズル本体とをねじ合わせることによって、ノズル本体に
対して往復移動可能に制御手段を係止することができ
る。
【0016】また、ノズル本体にねじ止めされるエアギ
ャップ調整部材は、棒状のねじ自体であってもよい。エ
アギャップ調整部材が棒状のねじである場合には、制御
手段に形成されたフランジ等にねじ孔を形成し、そのね
じ孔からノズル本体にねじをねじ込むことによって、ノ
ズル本体に対して往復移動可能に制御手段を係止するこ
とができる。
【0017】本発明の請求項3又は11記載の燃料噴射
装置によると、ノズル本体の制御手段側の端部に雄ねじ
を形成し、エアギャップ調整部材のノズル本体側の端部
に雄ねじとねじ合う雌ねじを形成しているため、径方向
の体格を小さくすることができる。また、制御手段とエ
アギャップ調整部材とは滑り対偶をなすため、制御手段
は、リフト量調整部材の回転にともなってノズル本体に
対して回転することがない。したがって、エアギャップ
調整部材の組み付け及び調整が容易である。
【0018】本発明の請求項4又は12記載の燃料噴射
装置によると、エアギャップ調整部材は、ノズル本体に
嵌装されるため、圧入深さを調整することによって噴射
量を調整することができる。本発明の請求項5又は13
記載の燃料噴射装置によると、第二付勢手段は板バネで
あるため、軸方向の体格を小さくすることができる。
【0019】本発明の請求項6又は9記載の燃料噴射装
置によると、制御弁部材は、圧力室から燃料を導出する
弁口の下流側に形成される弁室から燃料を導出する第一
逃がし通路を有する。また、制御手段は、第一逃がし通
路から燃料を導出する第一付勢手段収納孔を有する。ま
た、開弁圧調整部材は、第一付勢手段収納孔から燃料を
導出する第二逃がし通路を有し、第一付勢手段収納孔の
内壁に係止される。したがって、本発明の請求項6又は
9記載の燃料噴射装置によると、圧力室の燃料を弁口か
ら軸線に沿って導出し燃料噴射装置から排出することが
できるため、径方向の体格を小さくすることができる。
【0020】また、第一付勢手段収納孔に収納される第
一付勢手段は、その反制御弁部材側で開弁圧調整部材に
当接している。開弁圧調整部材は、第一付勢手段収納孔
の軸方向に位置決めして第一付勢手段収納孔の内壁に係
止され第一付勢手段収納孔の外から係止位置を調整可能
に組み付けられる。開弁圧調整部材は、例えば、ねじ止
められることによって第一付勢手段収納孔に係止される
場合、ねじ込み量によって第一付勢手段収納孔の軸方向
に位置決めされ、圧入されることによって第一付勢手段
収納孔に係止される場合、圧入深さによって第一付勢手
段収納孔の軸方向に位置決めされる。尚、第一付勢手段
収納孔の外から開弁圧調整部材の係止位置を調整可能に
組み付けられるとは、第一付勢手段収納孔の反制御弁部
材側を閉塞する部位に噴射作動に必要な構成部品を配置
しない構成であることを意味する。したがって、本発明
の請求項6又は9記載の燃料噴射装置によると、噴射作
動に必要な部材の組み付け後に開弁圧調整部材を位置決
めして第一付勢手段が制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢
する付勢荷重を調整することができるため、噴射開始遅
れ期間及び噴射量を調整するに当たって分解することを
要しない。したがって、生産性を高めるとともに製造公
差による噴射開始遅れ期間及び噴射量のばらつきをも小
さくすることができる。尚、第一付勢手段の付勢荷重と
噴射開始遅れ期間及び噴射量との相関関係については、
後に詳述する。また、本明細書において噴射開始遅れ期
間とは駆動パルスが立ち上がってから燃料が噴孔から噴
射されるまでの期間をいう。
【0021】本発明の請求項7又は14記載の燃料噴射
装置によると、開弁圧調整部材は、付勢手段収納孔にね
じ止められるため、ねじ込み量によって噴射開始遅れ期
間及び噴射量を調整することができる。また、ねじ込み
量は締め付け方向及び弛緩方向に調整することができる
ため、噴射作動に必要な部材の組み付け後に第一付勢手
段の付勢荷重を調整するにあたって、噴射開始遅れ期間
及び噴射量を計測し、計測結果をねじ込み量にフィード
バックすることができる。
【0022】本発明の請求項8又は15記載の燃料噴射
装置によると、開弁圧調整部材は、第一付勢手段収納孔
に圧入されるため、圧入深さを調整することによって噴
射開始遅れ期間及び噴射量を調整することができる。
【0023】本発明の請求項16記載の噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時に燃料溜まり及び圧力室に
供給される燃料の最大圧力の1/2以上の所定圧力で燃
料溜まり及び圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定
駆動パルスを与えつつ、前記ノズル本体の軸方向に前記
アーマチュアと前記ステータとのエアギャップを変更さ
せることにより、噴射量を調整する。燃料溜まりと圧力
室に供給される燃料の圧力が高ければ高いほどノズル弁
部材の所定リフト量における噴射率が大きくなる。一
方、ステータとアーマチュアのエアギャップが大きくな
ると、駆動パルスが立ち下がってから制御弁部材が弁口
を閉塞するまでに要する期間が長くなることから、駆動
パルスが立ち下がってからノズル弁部材が噴孔を閉塞す
るまでの期間が長くなる。したがって、本発明の請求項
16記載の噴射特性調整方法によると、アーマチュアと
前記ステータとのエアギャップの変更量が噴射量の変化
に大きく影響するため、噴射量を精度よく調整すること
ができる。このため、燃料噴射装置の噴射量のばらつき
を小さくすることができる。
【0024】本発明の請求項17または29記載の噴射
特性調整方法によると、エンジン搭載時に燃料溜まり及
び圧力室に供給される燃料の最大圧力の1/2以上の所
定圧力で圧力室に試験液を供給しコイルに所定駆動パル
スを与えつつ、ノズル本体の軸方向にエアギャップ調整
部材を移動させ、噴射量を調整する。
【0025】燃料溜まりと圧力室に供給される燃料の圧
力が高ければ高いほどノズル弁部材の所定リフト量にお
ける噴射率が大きくなる。一方、エアギャップ調整部材
が移動することによってステータとアーマチュアのエア
ギャップが大きくなると、駆動パルスが立ち下がってか
ら制御弁部材が弁口を閉塞するまでに要する期間が長く
なることから、駆動パルスが立ち下がってからノズル弁
部材が噴孔を閉塞するまでの期間が長くなる。したがっ
て、本発明の請求項17又は29記載の噴射特性調整方
法によると、エアギャップ調整部材の移動量が噴射量の
変化に大きく影響するため、噴射量を精度よく調整する
ことができる。このため、燃料噴射装置の噴射量のばら
つきを小さくすることができる。
【0026】本発明の請求項18、23又は30記載の
噴射特性調整方法によると、パルス幅が互いに異なる2
つの駆動パルスをコイルに与えつつ噴射量を調整する。
一般に燃料噴射装置に方形駆動パルスを与えるときのリ
フト量、噴射率及び噴射量の時間変化は図2に示すよう
になる。区間bは、駆動パルスが立ち上がってから制御
弁部材がリフト開始するまでの遅れ、区間dは制御弁部
材がリフトしノズル弁部材がリフト開始するのに十分に
圧力室の燃料圧力が低下するまでの遅れである。区間c
は制御弁部材がフルリフトした状態から弁口閉塞方向に
移動し弁口を閉塞するまでに要する期間である。区間e
は、制御弁部材が弁口を閉塞しノズル弁部材(図2にお
いて「ノズル弁部材」は「ニードル」と記載されてい
る。)が噴孔閉塞方向に移動開始するのに十分に圧力室
の燃料圧力が高くなるまでの遅れである。区間h及びk
においては、噴射率がノズル弁部材のシート絞りに支配
されているため、噴射率がノズル弁部材のリフト量に伴
って増減する。区間i〜jにおいては、噴射率が噴孔流
路面積に支配されているため噴射率が一定となる。すな
わち、区間i〜jにおける噴射率は最大噴射率であって
噴孔流路面積によって決まるものである。したがって駆
動パルスのパルス幅がβより長い範囲において駆動パル
スのパルス幅の増大に伴う噴射量の変化の割合は一定で
あって最大噴射率によって決まる。尚、噴孔流路面積と
は噴孔流路の最小断面積をいう。
【0027】したがって、噴孔流路面積にばらつきがあ
る場合、1つのパルス幅の駆動パルスをコイルに与えつ
つ目標値に対して噴射量を調整した場合、図3の曲線A
又はCに示すように調整後に得られる噴射量特性曲線が
目標とする噴射量特性曲線Dから大きくずれ、実用パル
ス幅全体における噴射量特性が大きくばらつくおそれが
ある。尚、本明細書において噴射量特性とは、駆動パル
スのパルス幅に対する噴射量の増減を示すものであっ
て、駆動パルスの立ち上がり時刻からの経過時間をtと
したとき、時刻0からtまで噴射率を積分して得られる
tの関数によって表されるものとする。
【0028】一方、パルス幅が互いに異なる2つの駆動
パルスを与え、それぞれの駆動パルスにおいて目標値を
設定して調整した場合、2つの駆動パルスのパルス幅を
適切に設定することにより、図3の曲線Bに示すように
実用パルス幅全体において噴射量特性が目標とする噴射
量特性に近似する。したがって、本発明の請求項18、
23又は30記載の噴射特性調整方法によると、実用パ
ルス幅全体において燃料噴射装置の噴射量のばらつきを
小さくすることができる。
【0029】本発明の請求項19、24又は31記載の
噴射特性調整方法によると、2つの駆動パルスのうち少
なくともいずれか一方のパルス幅を最大噴射率が得られ
るまでノズル弁部材をリフトさせるパルス幅より長くし
てパルス幅が互いに異なる2つの駆動パルスを与えて噴
射量を調整する。実用パルスにおいてノズル弁部材がフ
ルリフトしないフライングニードルを採用した場合、パ
ルス幅による噴射量特性の変化の割合は、図3の曲線
A、B、C、Dに示すように、最大噴射率が得られるパ
ルス幅まで増加しそれより長いパルス幅においては一定
である。2つの駆動パルスの両方を最大噴射量が得られ
るパルス幅より短くする場合、最大噴射率が得られるパ
ルス幅より長いパルス幅の範囲における噴射量特性はパ
ルス幅が長くなるほど目標とする噴射量特性から乖離す
る。これに対し、2つの駆動パルスのいずれか一方のパ
ルス幅を最大噴射率が得られるパルス幅より長くする場
合、最大噴射率が得られるパルス幅より長いパルス幅の
範囲における噴射量特性を目標とする噴射量特性に近似
させることができる。
【0030】本発明の請求項19、24又は31記載の
噴射特性調整方法によると、最大噴射率が得られるパル
ス幅より長いパルス幅の駆動パルスを与えて噴射量を調
整するため、実用パルス幅全体において燃料噴射装置の
噴射量のばらつきを小さくすることができる。尚、エン
ジン低速回転時の噴射量特性を重視する場合、2つの駆
動パルスの一方のパルス幅を最大噴射率が得られるパル
ス幅より短くすることが望ましく、エンジン高速回転時
の噴射量特性を重視する場合、2つの駆動パルスの両方
のパルス幅を最大噴射率が得られるパルス幅より長くす
ることが望ましい。
【0031】本発明の請求項20、25又は32記載の
噴射特性調整方法によると、2つの駆動パルスの一方を
与えたときに得られる噴射量と第一目標値との偏差をδ
1、2つの駆動パルスの他方を与えたときに得られる噴
射量と第二目標値との偏差をδ2、並びにk1、k2及
びk3を所定値としたとき、 δ12+δ22≦k1、 若しくは、 δ1×δ2<0、δ1≦k2及びδ2≦k3、 を満たすように噴射量を調整する。
【0032】δ12+δ22≦k1を満たすように噴射量
を調整した場合、一方の駆動パルスのパルス幅から他方
の駆動パルスのパルス幅までのパルス幅をもつ駆動パル
スが与えられる範囲において、調整後の噴射量特性を目
標とする噴射量特性に最も近似させることができる。
尚、δ12+δ22の値が最小値になるときδ1=δ2を
満たす。一方、δ12+δ22≦k1を満たさない場合で
あっても、δ1×δ2<0を満たすように調整すること
によって、一方の駆動パルスのパルス幅から他方の駆動
パルスのパルス幅までのパルス幅をもつ駆動パルスが与
えられる範囲内において目標とする噴射量特性に一致す
る噴射量が必ず得られる。したがって、インジェクタの
噴射量特性が一方の駆動パルスのパルス幅から他方の駆
動パルスのパルス幅までのパルス幅をもつ駆動パルスが
与えられる範囲において目標とする噴射量特性と大きく
乖離することはない。したがって、本発明の請求項2
0、25又は32記載の噴射特性調整方法によると、個
々の燃料噴射装置において得られる噴射量特性曲線を理
想的な噴射量特性曲線に最も近似させることができる。
【0033】本発明の請求項21記載の噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時に前記圧力室に供給される
燃料の最大圧力の1/2以上の所定圧力で前記圧力室に
試験液を供給し前記コイルに所定駆動パルスを与えつ
つ、前記第一付勢手段収納孔内の前記第一付勢手段の付
勢力を変更させて、前記制御弁部材の開弁圧を調整する
ことにより、噴射量を調整する。
【0034】前述したとおり、圧力室に供給される燃料
の圧力が高ければ高いほど、駆動パルスが立ち上がって
からのノズル弁部材のリフト量の推移が噴射量の変化に
大きく影響する。一方、付勢手段の付勢力が大きくなる
と、駆動パルスが立ち上がってから制御弁部材がリフト
開始するまでの期間が長くなることから、駆動パルスが
立ち上がってからノズル弁部材がリフト開始するまでの
期間が長くなり、また、駆動パルスが立ち下がってから
制御弁部材が弁口を閉塞するまでの期間が短くなること
から、駆動パルスが立ち下がってからノズル弁部材が噴
孔を閉塞するまでの期間が短くなる。すなわち、付勢手
段の付勢力が大きくなると噴射期間が短くなり噴射量が
小さくなる。逆に、付勢手段の付勢力が小さくなると、
駆動パルスが立ち上がってからノズル弁部材がリフト開
始するまでの期間が短くなり、また、駆動パルスが立ち
下がってからノズル弁部材が噴孔を閉塞するまでの期間
が長くなる。すなわち、付勢手段の付勢力が小さくなる
と噴射期間が長くなり噴射量が大きくなる。この噴射量
の変化は、ノズル弁部材の所定リフト量における噴射率
が大きいほど、つまり燃料溜まりと圧力室に供給される
燃料の圧力が高いほど大きい。
【0035】したがって、本発明の請求項21記載の噴
射特性調整方法によると、第一付勢手段の付勢力の変化
が噴射量の変化に大きく影響するため、噴射量を精度よ
く調整することができる。このため、燃料噴射装置の噴
射量のばらつきを小さくすることができる。
【0036】本発明の請求項22記載の噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時に圧力室に供給される燃料
の最大圧力の1/2以上の所定圧力で圧力室に試験液を
供給しコイルに所定駆動パルスを与えつつ、第一付勢手
段収納孔の軸方向に開弁圧調整部材を移動させることに
よって、噴射量を調整する。
【0037】前述したとおり、圧力室に供給される燃料
の圧力が高ければ高いほど、駆動パルスが立ち上がって
からのノズル弁部材のリフト量の推移が噴射量の変化に
大きく影響する。一方、開弁圧調整部材が移動すること
によって付勢手段の付勢荷重が大きくなると、駆動パル
スが立ち上がってから制御弁部材がリフト開始するまで
の期間が長くなることから、駆動パルスが立ち上がって
からノズル弁部材がリフト開始するまでの期間が長くな
り、また、駆動パルスが立ち下がってから制御弁部材が
弁口を閉塞するまでの期間が短くなることから、駆動パ
ルスが立ち下がってからノズル弁部材が噴孔を閉塞する
までの期間が短くなる。すなわち、付勢手段の付勢荷重
が大きくなると噴射期間が短くなり噴射量が小さくな
る。逆に、開弁圧調整部材が移動することによって付勢
手段の付勢荷重が小さくなると、駆動パルスが立ち上が
ってからノズル弁部材がリフト開始するまでの期間が短
くなり、また、駆動パルスが立ち下がってからノズル弁
部材が噴孔を閉塞するまでの期間が長くなる。すなわ
ち、付勢手段の付勢荷重が小さくなると噴射期間が長く
なり噴射量が大きくなる。この噴射量の変化は、ノズル
弁部材の所定リフト量における噴射率が大きいほど、つ
まり燃料溜まりと圧力室に供給される燃料の圧力が高い
ほど大きい。
【0038】したがって、本発明の請求項22記載の噴
射特性調整方法によると、開弁圧調整部材の移動量が噴
射量の変化に大きく影響するため、噴射量を精度よく調
整することができる。このため、燃料噴射装置の噴射量
のばらつきを小さくすることができる。
【0039】本発明の請求項26記載の噴射特性調整方
法によると、前記圧力室に試験液を供給し前記コイルに
所定駆動パルスを与えつつ、前記第一付勢手段収納孔内
の前記第一付勢手段の付勢力を変更させて、前記制御弁
部材の開弁圧を調整することにより、噴射開始遅れ期間
を調整する第一段階と、前記圧力室に試験液を供給し前
記コイルに所定駆動パルスを与えつつ、前記第一段階
後、前記ノズル本体の軸方向に前記アーマチュアと前記
ステータとのエアギャップを変更させることにより、噴
射量を調整する第二段階とを含む。前述したとおり、第
一付勢手段の付勢力に伴って噴射開始遅れ期間が変化
し、アーマチュアとステートとのエアギャップの大きさ
にともなって噴射量が変化する。一方、アーマチュアと
ステータとのエアギャップの変化によって噴射開始遅れ
期間は変化しない。このため、第一付勢手段の付勢力を
調整して噴射開始遅れ期間を設定し、アーマチュアとス
テータとのエアギャップの大きさを調整して噴射量を設
定することができる。したがって、本発明の請求項26
記載の噴射特性調整方法によると、燃料噴射装置の噴射
開始遅れ期間及び噴射量のばらつきを小さくすることが
できる。
【0040】本発明の請求項27記載の噴射特性調整方
法によると、第1段階において開弁圧調整部材を移動さ
せ噴射開始遅れ期間を調整した後、第2段階においてエ
アギャップ調整部材を移動させ噴射量を調整する。前述
したとおり、開弁圧調整手段の移動に伴って噴射開始遅
れ期間が変化し、リフト量調整部材の移動にともなって
噴射量が変化する。一方、リフト量調整部材の移動によ
って噴射開始遅れ期間は変化しない。このため、開弁圧
調整部材を位置決めして噴射開始遅れ期間を設定し、リ
フト量調整部材を位置決めして噴射量を設定することが
できる。したがって、本発明の請求項27記載の噴射特
性調整方法によると、燃料噴射装置の噴射開始遅れ期間
及び噴射量のばらつきを小さくすることができる。
【0041】本発明の請求項28記載の噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時に圧力室に供給される燃料
の最大圧力の1/2以下の所定圧力で圧力室に試験液を
供給する。圧力室及び燃料溜まりに供給される燃料の圧
力が低ければ低いほど、第一付勢手段の付勢荷重が噴射
遅れに及ぼす影響が強くなる。したがって、本発明の請
求項28記載の噴射特性調整方法によると、開弁圧調整
部材の移動量が噴射開始遅れ期間の変化に大きく影響す
るため、噴射開始遅れ期間を精度よく調整することがで
きる。このため、燃料噴射装置の噴射開始遅れ期間のば
らつきを小さくすることができる。
【発明の実施の形態】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射装置
としてのインジェクタ1を図5に示す。インジェクタ1
は図示しないエンジンのエンジンヘッドに挿入搭載さ
れ、エンジンの各気筒内に燃料を直接噴射するように構
成されている。燃料噴射ポンプ104から吐出された高
圧燃料は蓄圧管103の蓄圧室で所定圧に蓄圧され、配
管102を通じてインジェクタ1に供給される。燃料噴
射ポンプ104は、エンジンの回転数、負荷、あるいは
吸入燃料圧力、吸入空気量、冷却水の温度にしたがい吐
出圧を調整する。インジェクタ1及び燃料噴射ポンプ1
04はエンジン制御装置(ECU)106によって制御
される。
【0042】図4に示すように、インジェクタ1のハウ
ジング11とノズルボディ12とはリテーニングナット
14で締結されている。ハウジング11にはニードル収
納孔11d、燃料流入通路11a、燃料通路11b及び
リーク通路11cが形成されている。リーク通路11c
はニードル収納孔11dと連通している。燃料流入通路
11aにはコネクタ11fに設けられているバーフィル
タ13を通じて高圧燃料が供給される。ノズルボディ1
2には燃料通路12d、燃料溜まり12c、ニードル収
納孔12e、噴孔12b、弁座12aが形成されてい
る。燃料通路12d、燃料溜まり12c、ニードル収納
孔12e、噴孔12bは相互に連通している。また、燃
料通路12dは燃料通路11bに連通している。
【0043】ノズル弁部材20は、噴孔12b側からニ
ードル20b、ロッド23及び制御ピストン20cによ
り構成されている。ニードル20bはニードル収納孔1
2eの内壁に往復移動自在に支持されている。ニードル
20bのシート部20aが弁座12aに着座する。制御
ピストン20cはニードル収納孔11dの内壁に往復移
動自在に支持されている。ノズル弁部材20は、第1ス
プリング15により弁座12aに付勢されている。
【0044】図1に示すように、圧力室60は、ニード
ル収納孔11dの内壁面、制御ピストン20cの端面及
びプレート65の端面に囲まれている。圧力室60は入
口絞り61及び出口絞り62に連通している。出口絞り
62の流路面積は入口絞り61の流路面積より大きく設
定されている。入口絞り61はノズル弁部材20の制御
ピストン20cに形成され燃料流入通路11aと連通し
ている。燃料流入通路11aから入口絞り61を通じて
圧力室60に高圧燃料が供給される。出口絞り62はプ
レート65に形成されており、低圧側の弁室63に連通
している。出口絞り62の弁室側開口部は弁口64を形
成している。プレート65の外壁とハウジング11の内
壁の間には周方向に隙間が形成され、この隙間はリーク
通路11cと連通している。特許請求の範囲に記載され
たノズル本体は、ノズルボディ12、ハウジング11、
リテーニングナット14及びプレート65によって構成
されている。
【0045】弁室63は、釣鐘状のガイド部材17の内
壁面及びプレート65の端面に囲まれている。ガイド部
材17は大径円筒部17a及び小径円筒部17bから構
成されている。大径円筒部17aのプレート65側端面
に図示しない溝が形成され、この溝はプレート65の外
周隙間を通じてリーク通路11cと弁室63とを連通さ
せている。小径円筒部17bに逃がし通路17cが形成
されている。プレート65及びガイド部材17は円筒状
スクリュー16がハウジング11にねじ込まれることに
よって円筒状スクリュー16及びハウジング11の端面
に挟持されている。円筒状スクリュー16の内壁と小径
円筒部17bの外壁との間には周方向に隙間16aが形
成されている。
【0046】制御弁部材40はガイド部材17の内壁に
往復移動自在に支持されている。制御弁部材40は弁口
64側から球状部材40a、管状部材40b、小径円柱
部40c、大径円柱部40d及び枕状部材40eにより
構成されている。球状部材40aは弁口64を閉塞可能
に形成されている。球状部材40aは管状部材40bに
よって小径円柱部40cに締結されている。大径円柱部
40dはガイド部材17の内壁面に往復移動自在に支持
されている。枕状部材40eは円筒状のアーマチュア3
2の貫通孔32aに圧入固定されている。このため、ア
ーマチュア32と制御弁部材40はハウジング11の軸
方向に一体に往復移動する。枕状部材40eが圧入固定
されている貫通孔32aは正円孔であるのに対し、枕状
部材40eは非円柱状であるため、枕状部材40eの外
周壁面と貫通孔32aの内周壁面との間には周方向に隙
間32bが形成されている。隙間32bは隙間16a、
逃がし通路17cを通じて弁室63に連通し、第一逃し
通路を構成している。
【0047】制御手段としてのアクチュエータ30はハ
ウジング11の端部に形成された円筒部11dの内壁面
に支持され、ワッシャ19を介して第二付勢手段として
の皿バネ18によって弁口64から離間する方向すなわ
ち図1の上方向に付勢されている。アクチュエータ30
は、ケース33、ステータ34、コイル35、コネクタ
50等から構成されている。
【0048】ケース33は釣鐘状の部材であって円筒部
11dの内壁に往復移動自在に支持されている。ケース
33はコイル35が巻回されたボビン36を収納してい
る。コイル35はコネクタ50に設けられたターミナル
51と電気的に接続されている。コイル35が通電され
るとステータ34、ケース33及びアーマチュア32に
よって磁気回路が構成される。ステータ34に付勢手段
収納孔34cが形成されている。付勢手段収納孔34c
は隙間32bと連通している。付勢手段収納孔34cは
第一付勢手段としての第2スプリング38を収納してい
る。付勢手段収納孔34cには反弁口側から開弁圧調整
部材としてのアジャスティングスクリュー37がねじ込
まれている。アジャスティングスクリュー37は円筒状
であって、その内部空間は隙間32bと連通し第二逃し
通路を構成している。付勢手段収納孔34cの反弁口側
は拡径されており、配管102が接続される。また、ア
ジャスティングスクリュー37の反弁口側端部には、イ
ンジェクタ1の外部からアジャスティングスクリュー3
7を回転させることができるように例えば径方向に溝が
形成されている。
【0049】エアギャップ調整部材31は、円筒部11
dに形成された雄ねじ11eにねじ合う雌ねじである。
エアギャップ調整部材31の反ハウジング側内縁部に環
状の突部31bが形成されている。突部31bの端面は
ステータ34に形成されたフランジ34bに当接してい
る。ステータ34はワッシャ19を介して皿バネ18に
よって図1の上方向に付勢され、フランジ34bが突部
31bによって係止されているため、エアギャップ調整
部材31のねじ込み量によって、ハウジング11に軸方
向に位置決めされて係止されている。また、インジェク
タ1の内外及びアクチュエータ30の内外で十分なシー
ル性を確保するための環状シール部材39が複数備えら
れている。
【0050】以上、インジェクタ1の構成を説明した。
以下、インジェクタ1の燃料噴射作動を説明する。図5
に示す燃料噴射ポンプ104から燃料が吐出され、蓄圧
管103に送出される。蓄圧管103の蓄圧室で所定の
一定圧に蓄圧された高圧燃料は配管102を通じてイン
ジェクタ1に供給される。また、ECU106により、
エンジンの運転条件に応じた制御弁駆動電流が生成さ
れ、アクチュエータ30のコイル35に供給される。コ
イル35に駆動電流が供給されるとステータ34に励起
吸引力が発生する。この励起吸引力及び圧力室60の燃
料圧力から受ける力の合力である弁口開放方向の力が第
2スプリング38の付勢力を上回るとステータ34にア
ーマチュア32が吸引される。アーマチュア32がステ
ータ34に吸引されるとアーマチュア32とともに制御
弁部材40は弁口開放方向すなわち図1の上方に移動す
る。球状部材40aが弁口64を開放すると出口絞り6
2が開放され、圧力室60が出口絞り62を通じて低圧
側の弁室63に連通し、圧力室60から弁室63に燃料
が導出される。弁室63に導出された燃料は、逃がし通
路17c、隙間16a、隙間32b、付勢手段収納孔3
4c及びアジャスティングスクリュー37の内部空間を
通じて配管102から燃料タンク105に環流する。
【0051】圧力室60が弁室63に連通すると、圧力
室60は、流入燃料量より流出燃料量が多く、燃料圧力
が低下し始める。この圧力低下速度は、入口絞り61と
出口絞り62との流路面積の差と圧力室60の容積によ
って決まる。圧力室60の燃料圧力が低下し、第1スプ
リング15の付勢荷重及び圧力室60の燃料圧力から受
ける力の合力である噴孔閉塞方向の力が燃料溜まり12
cの燃料圧力から受ける噴孔開放方向の力より小さくな
るとニードル20bは噴孔開放方向すなわち図1の上方
に移動しはじめ弁座12aから離座する。ニードル20
bのシート部20aが弁座12aから離座すると噴孔1
2bが開放され噴孔12bから燃料が噴射される。
【0052】コイル35への駆動電流の供給が遮断され
ると、ステータの励起吸引力が消滅するため第2スプリ
ング38は圧力室60の燃料圧力から受ける力に抗って
制御弁部材40を弁口閉塞方向に移動させる。球状部材
40aによって弁口64が閉塞された後にも圧力室60
に入り口絞り61から燃料が流入し続けるため、圧力室
60の燃料圧力は上昇し始める。圧力室60の燃料圧力
が上昇し、第1スプリング15の付勢荷重及び圧力室6
0の燃料圧力から受ける力の合力である噴孔閉塞方向の
力が燃料溜まり12cの燃料圧力から受ける噴孔開放方
向の力より大きくなるとニードル20bは噴孔閉塞方向
すなわち図1の下方に移動しはじめる。ニードル20b
のシート部20aが弁座12aに着座すると噴孔12b
が閉塞され燃料噴射が終了する。
【0053】以上、インジェクタ1の燃料噴射作動を説
明した。次にコイル35に与えられる駆動パルスと燃料
噴射との相関関係について図2に基づき詳細に説明す
る。図2はインジェクタ1に方形の駆動パルスを与えた
ときの電流波形変化と制御弁部材40及びノズル弁部材
20の作動と噴射率の変化とを示すタイムチャートであ
る。このタイムチャートはインジェクタ1に固有のもの
ではなく所謂蓄圧式インジェクタに共通するものであ
る。
【0054】(1)駆動パルスが立ち上がってから制御
弁部材40が弁口開放方向に移動開始するまでには、制
御弁部材40が第2スプリング38の付勢力及び圧力室
60の燃料圧力の合力に抗って弁口開放方向に移動開始
するために必要な励起吸引力がステータ34に発生する
までの期間bを要する。したがって、第2スプリング3
8の付勢荷重が小さいほどbは短くなり、付勢力が大き
いほどbは長くなる。
【0055】(2)制御弁部材40が弁口64を開放す
ると、圧力室60の燃料圧力は出口絞り62からの燃料
流出量と入り口絞り61からの燃料流入量との差分に応
じて徐々に低下する。ノズル弁部材20が弁座12aか
ら離座し噴孔12bから燃料噴射が開始されるまでに
は、圧力室60の燃料圧力によりノズル弁部材20に及
ぼす力が燃料溜まり12cの燃料圧力による力と第1ス
プリング15による付勢力との合力である噴孔開放方向
の力を下回るまでの期間dを要する。
【0056】(3)駆動パルスが立ち上がってから燃料
噴射が開始されるまでの噴射開始遅れ期間L2 は、期間
bと期間dとの和であるため、第2スプリング38の付
勢荷重によって調整することができる。
【0057】(4)ノズル弁部材20が弁座12aから
離座しリフト量がPになるまでの期間hでは、噴孔流路
面積より弁座12aとシート部21aのシート流路面積
が小さいため、噴射率がシート流路面積によって支配さ
れる。したがって、期間hではリフト量が大きくなるに
したがって噴射率が大きくなる。尚、ノズル弁部材20
のリフト量がPであるとき、噴孔流路面積とシート流路
面積とが等しいものとする。また、シート流路面積と
は、弁座と弁部材のシート面の隙間の最小断面積をいう
ものとする。
【0058】(5)リフト量がPの状態からフルリフト
するまでの期間iでは、シート流路面積より噴孔流路面
積が小さいため、噴射量が噴孔流路開口面積によって支
配される。したがって、期間iでは、リフト量が時間と
ともに大きくなる一方、噴射率は一定である。
【0059】(6)駆動パルスが立ち下がると制御弁部
材40は弁口閉塞方向に移動開始する。制御弁部材40
は、フルリフトした状態から弁口閉塞方向に移動して弁
口閉塞するまでの期間cにエアギャップHと等しい距離
を移動する。したがって、第2スプリングの付勢荷重が
一定である場合、エアギャップHが大きければ制御弁部
材40の移動距離が長くなるため区間cが長くなり、エ
アギャップHが小さければ制御弁部材40の移動距離が
短くなるため区間cが短くなる。また、エアギャップH
が一定である場合、第2スプリング38の付勢荷重が大
きければ制御弁部材40の移動が速くなるため区間cが
短くなり、付勢荷重が小さければ制御弁部材40の移動
が遅くなるため区間cが長くなる。
【0060】(7)制御弁部材40が弁口64を閉塞す
ると、圧力室60の燃料圧力は入り口絞り61からの燃
料流入により徐々に上昇する。ノズル弁部材20がフル
リフトした状態から噴孔閉塞方向に移動開始するまでに
は、圧力室60の燃料圧力によりノズル弁部材20に及
ぼす力が燃料溜まり12cの燃料圧力による力と第1ス
プリング15による付勢力との合力である噴孔開放方向
の力を上回るまでの期間eを要する。
【0061】(8)ノズル弁部材20がフルリフトした
状態から噴孔閉塞方向に移動開始し、リフト量がPにな
るまでの期間jでは、シート流路面積より噴孔流路面積
が小さいため、噴射率が噴孔流路面積によって支配され
る。したがって、期間jでは、リフト量が時間とともに
小さくなる一方、噴射率は一定である。
【0062】(9)リフト量がPの状態からノズル弁部
材20が弁座12aに着座し噴孔12bを閉塞するまで
の期間kでは、噴孔流路面積よりシート流路面積が小さ
いため、噴射率がシート絞りによって支配される。した
がって、期間kではリフト量が小さくなるにしたがって
噴射率が小さくなる。
【0063】(10)駆動パルスが立ち下がってから燃
料噴射が終了するまでの噴射終了遅れ期間L1 は、期間
c、e、j及びkの和である。噴射終了遅れ期間L1
長い場合、噴射量が大きくなる。このため、エアギャッ
プHまたは第2スプリング38の付勢荷重によって噴射
量を調整することができる。
【0064】以上、コイル35に与えられる駆動パルス
と燃料噴射との相関関係について説明した。次にインジ
ェクタ1の噴射特性の調整について説明する。第2スプ
リング38は一端が制御弁部材40に当接し他端がアジ
ャスティングスクリュー37に当接している。このた
め、付勢手段収納孔34cへのねじ込み量を変えると、
アジャスティングスクリュー37が付勢手段収納孔34
cの軸方向に移動し、第2スプリング38の付勢荷重が
変化する。
【0065】付勢手段収納孔34cは閉塞されておら
ず、また、インジェクタ1に噴射作動させるにあたっ
て、アジャスティングスクリュー37の反スプリング側
に何ら部品を組み付ける必要がない。このため、コネク
タ11fに配管を接続しインジェクタ1に燃料を供給
し、ターミナル51からコイル35に駆動パルスを与
え、インジェクタ1が燃料噴射可能な状態において、ア
ジャスティングスクリュー37のねじ込み量を調整する
ことができる。
【0066】ステータ34はワッシャ19を介して皿バ
ネ18によって図1の上方向に付勢され、フランジ34
bが突部31bによって係止されているため、エアギャ
ップ調整部材31のねじ込み量によって、ハウジング1
1の軸方向に位置決めされる。したがって、エアギャッ
プ調整部材31のねじ込み量を変えると、ステータ34
がハウジング11の軸方向に移動し、エアギャップHが
変化する。
【0067】エアギャップ調整部材31はインジェクタ
1の外周部位に設けられているため、コネクタ11fに
配管を接続しインジェクタ1に燃料を供給し、ターミナ
ル51からコイル35に駆動パルスを与え、インジェク
タ1が燃料噴射可能な状態において、エアギャップ調整
部材31のねじ込み量を調整することができる。
【0068】以上のことから、インジェクタ1による
と、噴射作動に必要な部材の組み付け後にアジャスティ
ングスクリュー37をねじ回すことにより第2スプリン
グ38が制御弁部材40を弁口閉塞方向に付勢する付勢
荷重を調整し、噴射開始遅れ期間及び噴射量を調整する
ことができる。さらに、インジェクタ1によると、噴射
作動に必要な部材の組み付け後にエアギャップ調整部材
31をねじ回すことによりエアギャップHを調整し、噴
射量を調整することができる。したがって、インジェク
タ1によると、生産性を高めるとともに噴射開始遅れ期
間及び噴射量のばらつきを小さくすることができる。ま
た、アジャスティングスクリュー37及びエアギャップ
調整部材31のねじ込み量は締め付け方向及び弛緩方向
に調整することができるため、噴射作動に必要な部材の
組み付け後に第2スプリング38の付勢荷重及びエアギ
ャップHを調整するにあたって、噴射開始遅れ期間及び
噴射量を計測し、計測結果をねじ込み量にフィードバッ
クすることができる。また、ステータ34とエアギャッ
プ調整部材31とは滑り対偶をなすため、アクチュエー
タ30は、エアギャップ調整部材31の回転にともなっ
てハウジング11に対して回転することがない。したが
って、リテーニングナットの組み付け及びねじ込み量の
調整が容易である。
【0069】また、インジェクタ1によると、圧力室6
0から弁室63に導出された燃料は、逃がし通路17
c、隙間16a、隙間32b、付勢手段収納孔34c及
びアジャスティングスクリュー37の内部空間を通じて
インジェクタ1から導出される。すなわち、圧力室60
の燃料をコイル35及びボビン36の内側を通じてイン
ジェクタ1の外部に排出することができる。さらに、ハ
ウジング11、アクチュエータ30及びエアギャップ調
整部材31を同軸上に配列しており、ねじ棒等によって
アクチュエータ30をハウジング11に係止していな
い。したがって、本発明の第1実施例のインジェクタ1
によると、径方向の体格を小さくすることができる。ま
た、アクチュエータ30をハウジング11に対して軸方
向に位置決めするにあたって皿バネ18を用いているた
め、軸方向の体格を小さくすることができる。
【0070】尚、調整によって所望の噴射特性が得られ
た場合、ハウジング11に対して軸方向にアクチュエー
タを位置決めして固定するため、エアギャップ調整部材
31とハウジング11の円筒部11dとをかしめること
が望ましい。
【0071】上記第1実施例において、特許請求の範囲
に記載されたエアギャップ調整部材として雌ねじを用い
ているが、ケース33を雄ねじとし円筒部11dを雌ね
じとする構成としてもよい。また、エアギャップ調整部
材として円筒部11dに圧入される部材を用いてもよ
い。また、開弁圧調整部材としてアジャスティングパイ
プを用い、付勢手段収納孔34cに圧入する構成として
もよい。また、第二付勢手段として皿バネを用いている
が、第二付勢手段としてコイルスプリングを用いてもよ
い。入り口絞り61はノズル弁部材20の制御ピストン
20cに形成されているが、制御ピストン20cの内部
を経由せず、燃料流入通路11aから直接圧力室60に
燃料を供給してもよい。
【0072】(第2実施例)本発明の第2実施例として
インジェクタ1の噴射特性調整方法を説明する。第2実
施例による噴射特性調整方法は、パルス幅αの第1パル
ス及びパルス幅γの第2パルスをコイル35に与えつ
つ、アジャスティングスクリュー37のねじ込み量を調
整することによって、インジェクタ1の噴射量を調整す
る方法である。
【0073】無限大の幅を持つ駆動パルスをコイル35
に与えたとき、駆動パルスの立ち上がりから最大噴射率
が得られるまでに要する期間をβとする。エンジン搭載
時にインジェクタ1に供給される最大燃料圧力をPmと
し、調整時にインジェクタ1に供給される液体圧力をP
tとする。
【0074】第1パルスを与えてインジェクタ1を調整
する調整点1における目標噴射量を第1目標値V1d、
調整点1において計測される噴射量をV1t、第2パル
スを与えてインジェクタ1を調整する調整点2における
目標噴射量を第1目標値V2d、調整点2において計測
される噴射量をV2tとする。また、調整点1において
算出される偏差をδ1t、調整点2において算出される
偏差をδ2tとし、調整点1の許容偏差をδ1m、調整
点2の許容偏差をδ2mとする。δ1tとδ2tの積を
PNとする。δ1t及びδ2tの二乗和をXt、Xtの
目標値をXdとする。XdとXtから算出される偏差を
δXt、XdとXtの許容偏差をδXmとする。
【0075】図6に示すように、一定圧で試験液を圧送
可能なポンプ303とインジェクタ1とを試験液供給用
の配管304で接続し、タンク302とインジェクタ1
の燃料流入通路11aとを連通させる。ポンプ303は
制御部305によって制御される。噴孔12bの下流側
に計測部307を設置する。制御部305はターミナル
51を介してインジェクタ1のコイル35と電気的に接
続され、任意のパルス幅をもつ駆動パルスを生成しコイ
ル35に与えることができる。計測部307は噴射開始
時及び噴射量を検出可能なセンサを備えている。計測部
307は制御部305に制御される。アジャスティング
スクリュー37の端部にアジャスティングパイプ308
を係止し、アジャスティングスクリュー37内の通路と
アジャスティングパイプ308内の通路を連通させる。
アジャスティングパイプ308はアジャスティングスク
リュー37をねじ回すことができるものである。支持部
材309でアジャスティングパイプ308を回転自在に
支持する。支持部材309はアジャスティングパイプ3
08内の通路から試験液を配管301に導出可能なもの
である。配管301はタンク302にインジェクタ1か
ら排出される試験液を排出する。アジャスティングロッ
ド310はアジャスティングパイプ308と同軸上に設
けられ、アジャスティングスクリュー37及びアジャス
ティングパイプ308とともに回転する。
【0076】ポンプ303を駆動しPt=Pmを満たす
一定圧Ptでインジェクタ1に試験液を圧送し、制御部
305にα<βを満たす第1パルス及びγ>βを満たす
第2パルスを生成させ、コイル35に第1パルス及び第
2パルスを交互に与え、インジェクタ1に噴孔12bか
ら試験液を噴射させる。インジェクタ1に圧送された試
験液は噴孔12bから噴射されるとともにアジャスティ
ングパイプ308によってインジェクタ1から導出され
る。
【0077】噴孔12bから噴射された試験液の噴射量
V1t及びV2tを計測部307で検出する。制御部3
05は計測部307で検出された噴射量をデータ信号と
して受信し、下式を用いてδ1t、δ2t、Xt及びδ
Xtを算出し、δ1t、δ2t、Xt、δXtの値を表
示部306に表示する。 δ1t=V1d−V1t δ2=V2d−V2t PN=δ1t×δ2t Xt=δ1t2+δ2t2 δXt=Xd−Xt
【0078】オペレータは図7に示す手順によってイン
ジェクタ1の噴射量を調整する。表示部306に表示さ
れるXtの値が目標値Xdに近づくようにアジャスティ
ングロッド310を回転させ、アジャスティングパイプ
308を介してアジャスティングスクリュー37をねじ
回し、Xt=Xdとなればインジェクタ1を合格とし調
整を終了する(STEP10)。勿論、初期値がXt≦
Xdであれば調整は不要である。Xt=Xdとならない
場合、アジャスティングスクリュー37をねじ回すこと
によりδXtがδXm以下の最小値になったときにイン
ジェクタ1を合格とし調整を終了する(STEP2
0)。δXtがδXm以下とならない場合、アジャステ
ィングスクリュー37をねじ回すことによりδ1t<δ
1m、δ2t<δ2m、かつPN<0となったときにイ
ンジェクタ1を合格とし調整を終了する(STEP3
0)。δ1t<δ1m、δ2t<δ2m、かつPN<0
とならない場合、インジェクタ1を不合格として調整を
終了する。
【0079】アジャスティングスクリュー37は、ねじ
回されると付勢手段収納孔34cに対して軸方向に移動
する。アジャスティングスクリュー37が付勢手段収納
孔34cに対して軸方向に移動すると第2スプリング3
8の付勢荷重が変化する。第2スプリング38の付勢荷
重が変化すると、所定のパルス幅に対する噴射期間が変
化する。噴射期間が同じである場合、インジェクタ1に
供給される試験液の圧力が高ければ高いほど噴射量は大
きくなる。このため、インジェクタ1に供給される試験
液の圧力が高ければ高いほど、アジャスティングスクリ
ュー37のねじ込み量の変化に対する噴射量の変化が顕
著に現れる。
【0080】一定圧Ptでインジェクタ1に試験液を圧
送し、所定幅の駆動パルスをコイル35に与えつつ噴射
量を調整する場合、Ptが高圧であるほど、アジャステ
ィングスクリュー37のねじ込み量の変化が噴射量の変
化に顕著に現れる。噴射量の増減に応じてδ1t、δ2
t、Xt、δXtが増減するため、噴射量の変化が顕著
であればδ1t、δ2t、Xt、δXtの変化も顕著に
なる。したがって、Ptが高圧であるほど、アジャステ
ィングスクリュー37のねじ込み量の変化に対してδ1
t、δ2t、Xt、δXtが敏感に増減する。
【0081】本発明の第2実施例による噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時にインジェクタ1に供給さ
れる最大燃料圧力でインジェクタ1に試験液を供給しつ
つアジャスティングスクリュー37のねじ込み量を調整
するため、噴射量を精度よく調整することができる。こ
のため、インジェクタ1の噴射量のばらつきを小さくす
ることができる。
【0082】インジェクタ1は、燃料流入通路11a、
燃料通路11b、燃料溜まり12c、噴孔12b等の製
造公差による最大噴射率のばらつきがある。したがっ
て、第2スプリングの付勢荷重を完全に揃えた場合であ
っても、インジェクタ1の噴射量特性にばらつきが生じ
る。したがって、所定パルス幅をもつ一種類の駆動パル
スに対して計測される噴射量を目標値に合わせた場合、
そのパルス幅の駆動パルスが与えられたときのインジェ
クタの噴射量を揃えることはできても、エンジン搭載時
にインジェクタに与えられるあらゆる幅の駆動パルスに
対して噴射量を揃えたことにはならない。以下、この点
について図3に基づき詳細に説明する。
【0083】図3において曲線Aは調整点1のみにおい
て目標値を設定し、その目標値が計測されるようにアジ
ャスティングスクリュー37のねじ込み量を調整した場
合に得られるインジェクタ1の噴射量特性を示してい
る。図3において曲線Bは第2実施例の噴射特性調整方
法により調整点1及び2において目標値を設定した場合
に得られるインジェクタ1の噴射量特性を示している。
図3において曲線Cは、調整点2のみにおいて目標値を
設定し、その目標値が計測されるようにアジャスティン
グスクリュー37のねじ込み量を調整した場合に得られ
るインジェクタ1の噴射量特性を示している。図3にお
いて曲線Dは、燃料流入通路11a、燃料通路11b、
燃料溜まり12c、噴孔12b等の製造公差が0である
としたときのインジェクタ1の噴射量特性を示してい
る。
【0084】曲線A、B、C、Dはいずれも最大噴射率
が得られるパルス幅βにおいて特異点をもつ。特異点よ
り短いパルス幅において、曲線A、B、C、Dはいずれ
も放物線に近似し、特異点より長いパルス幅において曲
線A、B、C、Dは特異点における放物線の接線に一致
する直線に近似する。特異点より短いパルス幅において
曲線A、B、C、Dが放物線となるのは、そのパルス幅
の範囲においてインジェクタの噴射率はノズル弁部材2
0のシート流路面積によって決まるため、噴射率がノズ
ル弁部材20のリフト量に比例して増加するからであ
る。特異点より短いパルス幅において曲線A、B、C、
Dが直線となるのは、そのパルス幅の範囲においてイン
ジェクタの噴射率は噴孔流路面積によって決まるため、
噴射率が一定だからである。したがって、特異点より長
いパルス幅においては、インジェクタ1の噴射量をどの
ように調整したとしても、調整後の噴射特性を表す曲線
はほぼ平行になる。
【0085】調整点1のみにおいて目標値を設定し、噴
射量がその目標値に一致するようにインジェクタ1を調
整した場合、曲線Aが示すとおり、調整点1よりパルス
幅が長くなるにつれ、インジェクタ1の噴射量特性は曲
線Dによって表される理想的な噴射量特性と大きく乖離
したものとなる。
【0086】調整点2のみにおいて目標値を設定し、噴
射量がその目標値に一致するようにインジェクタ1を調
整した場合、曲線Cが示すとおり、調整点1とパルス幅
が異なる広い範囲にわたって、インジェクタ1の噴射量
特性は曲線Dによって表される理想的な噴射量特性と大
きく乖離したものとなる。
【0087】本発明の第2実施例のように、調整点1及
び2において目標値を設定し、噴射量を調整した場合、
検査対象のインジェクタ1が物理的に完全に同一でない
限り、調整点1及び2の目標値に対する偏差がともに0
になることはない。第2実施例では、調整点1及び2に
おける偏差の二乗和に目標値Xdを設定し、その目標値
Xdとの偏差δXtが最小になるようにアジャスティン
グスクリュー37のねじ込み量を調整する。したがっ
て、調整点1及び調整点2の間のパルス幅において調整
後のインジェクタ1の噴射量特性を製造公差0である理
想的なインジェクタの噴射量特性に最も近似させること
ができる。
【0088】また、偏差δXtが所定の許容偏差以下と
ならず、δ1t<δ1m、δ2t<δ2m、かつPN<
0を満たすようにアジャスティングスクリュー37のね
じ込み量を調整する場合であっても、調整点1及び2に
偏差を加味し、また、調整点1と調整点2との間のパル
ス幅において理想的な噴射量特性に一致する噴射量が得
られるため(PN<0であるため)、インジェクタ1の
噴射量特性が調整点1と調整点2との間のパルス幅にお
いて理想的な噴射量特性と大きくずれることはない。
【0089】したがって、本発明の第2実施例による噴
射特性調整方法によると、調整点1及び2を適切に設定
することによってインジェクタ1の噴射量特性を実用パ
ルス幅全般において理想的な噴射量特性に近似させるこ
とができる。したがって、インジェクタ1の噴射量のば
らつきを実用パルス幅全般において小さくすることがで
きる。
【0090】(第3実施例)本発明の第3実施例として
インジェクタ1の噴射特性調整方法を説明する。第3実
施例による噴射特性調整方法は、上述の第2実施例にお
いてアジャスティングスクリュー37のねじ込み量を調
整するのにかえて、第2実施例と同一の条件を設定しエ
アギャップ調整部材31のねじ込み量を調整するもので
ある。また、第3実施例におけるエアギャップ調整部材
31の調整手順は、上記第2実施例において説明したS
TEP10〜40の手順においてアジャスティングスク
リュー37をねじ回すことをせず、かわりにエアギャッ
プ調整部材31をねじ回して噴射量を調整するものであ
る。
【0091】エアギャップ調整部材31は、ねじ回され
るとハウジング11に対して軸方向に移動する。エアギ
ャップ調整部材31がハウジング11に対して軸方向に
移動すると、それにともなってステータ34がハウジン
グ11に対して軸方向に移動する。ステータ34がハウ
ジング11に対して軸方向に移動するとエアギャップH
が増減し、それにともなって、所定のパルス幅に対する
噴射期間が変化する。噴射期間が同じである場合、イン
ジェクタ1に供給される試験液の圧力が高ければ高いほ
ど噴射量は大きくなる。このため、インジェクタ1に供
給される試験液の圧力が高ければ高いほど、エアギャッ
プ調整部材31のねじ込み量の変化に対する噴射量の変
化が顕著に現れる。
【0092】一定圧Ptでインジェクタ1に試験液を圧
送し、所定幅の駆動パルスをコイル35に与えつつ噴射
量を調整する場合、Ptが高圧であるほど、エアギャッ
プ調整部材31のねじ込み量の変化が噴射量の変化に顕
著に現れる。噴射量の増減に応じてδ1t、δ2t、X
t、δXtが増減するため、噴射量の変化が顕著であれ
ばδ1t、δ2t、Xt、δXtの変化も顕著になる。
したがって、Ptが高圧であるほど、エアギャップ調整
部材31のねじ込み量の変化に対してδ1t、δ2t、
Xt、δXtが敏感に増減する。
【0093】本発明の第3実施例による噴射特性調整方
法によると、エンジン搭載時にインジェクタ1に供給さ
れる最大燃料圧力でインジェクタ1に試験液を供給しつ
つエアギャップ調整部材31のねじ込み量を調整するた
め、噴射量を噴射量を精度よく調整することができる。
このため、燃料噴射装置の噴射量のばらつきを小さくす
ることができる。
【0094】調整点1及び2における偏差の二乗和に目
標値Xdを設定し、その目標値Xdとの偏差δXtが最
小になるようにエアギャップ調整部材31のねじ込み量
を調整するため、調整点1及び調整点2の間のパルス幅
において調整後のインジェクタ1の噴射量特性を製造公
差0である理想的なインジェクタの噴射量特性に最も近
似させることができる。
【0095】また、偏差δXtが所定の許容偏差以下と
ならず、δ1t<δ1m、δ2t<δ2m、かつPN<
0を満たすようにエアギャップ調整部材31のねじ込み
量を調整する場合であっても、調整点1及び2における
偏差を加味し、また、調整点1と調整点2との間のパル
ス幅において理想的な噴射量特性に一致する噴射量が得
られるため(PN<0であるため)、インジェクタ1の
噴射量特性が調整点1と調整点2との間のパルス幅にお
いて理想的な噴射量特性と大きくずれることはない。
【0096】したがって、本発明の第3実施例による噴
射特性調整方法によると、調整点1及び2を適切に設定
することによってインジェクタ1の噴射量特性を実用パ
ルス幅全般において理想的な噴射量特性に近似させるこ
とができる。また、インジェクタ1の噴射量のばらつき
を実用パルス幅全般において小さくすることができる。
【0097】(第4実施例)本発明の第4実施例として
インジェクタ1の噴射特性調整方法を説明する。第4実
施例による噴射特性調整方法は、パルス幅αの第1パル
ス及びパルス幅γの第2パルスをコイル35に与えつ
つ、アジャスティングスクリュー37のねじ込み量を調
整することによってインジェクタ1の噴射開始遅れ期間
を調整した後、エアギャップ調整部材31のねじ込み量
を調整することによって噴射量を調整する方法である。
パルス幅α、γは第1実施例及び第2実施例と同様にα
<β<γを満たすものである。
【0098】(1)噴射遅れ期間の調整 はじめにインジェクタ1の噴射開始遅れ期間を調整す
る。噴射遅れ期間を調整する場合、第1パルス又は第2
パルスのいずれか一方をコイル35に与えれば足り、第
1パルス及び第2パルスの両方をコイル35に与える必
要はない。以下の説明では第1パルスを与えつつインジ
ェクタ1の噴射遅れ期間を調整するものとする。
【0099】ポンプ303を駆動しPt<0.5Pmを
満たす一定圧Ptでインジェクタ1に試験液を圧送し、
制御部305にα<βを満たす第1パルスを生成させ、
コイル35に第1パルスを与え、インジェクタ1に噴孔
12bから試験液を噴射させる。インジェクタ1に圧送
された試験液は噴孔12bから噴射されるとともにアジ
ャスティングパイプ308によってインジェクタ1から
導出される。
【0100】噴孔12bから噴射された試験液の噴射量
V1tを計測部307で検出する。計測部307は噴孔
12bから燃料が噴射開始されるとそれを検知し制御部
305に通知する。制御部305は計測部307から噴
射開始の通知を受けると、駆動パルスの送信時期から通
知受け取り時期までの期間を算出し、この期間を噴射開
始遅れ期間として表示部306に表示する。
【0101】オペレータは表示部306に表示される噴
射開始遅れ期間が目標値に一致するようにアジャスティ
ングロッド310を回転させ、アジャスティングパイプ
308を介してアジャスティングスクリュー37をねじ
回す。アジャスティングスクリュー37をねじ回し、噴
射遅れ期間と目標値との偏差が許容偏差以内に収まれば
噴射遅れ期間の調整を終了する。
【0102】制御弁部材40が弁口64を閉塞している
場合、ポンプ303からインジェクタ1に供給される試
験液の圧力は圧力室60の試験液圧力と等しい。制御弁
部材40は、圧力室60の試験液圧力から受ける力とス
テータ34の励起吸引力との合力である弁口開放方向の
力が第2スプリング38の付勢力を上回ったときにリフ
ト開始する。圧力室60の試験液圧力から受ける力が小
さい場合、弁口開放方向の力に対する第2スプリング3
8の付勢力の割合が大きくなる。したがって、ポンプ3
03からインジェクタ1に供給される燃料の圧力が低い
場合、第2スプリング38の付勢力の変化に対して噴射
開始遅れ期間が敏感に変化する。
【0103】したがって、インジェクタ1に供給する試
験液の圧力を下げるほど、噴射遅れ期間を精度よく調整
することができる。本発明の第4実施例による噴射特性
調整方法によると、Pt<0.5Pmを満たす一定圧P
tでインジェクタ1に試験液を圧送しているため、イン
ジェクタ1の噴射開始遅れ期間を精度よく調整すること
ができる。このため、インジェクタ1の噴射開始遅れ期
間のばらつきを小さくすることができる。
【0104】(噴射量の調整)上述のように噴射開始遅
れ期間を調整した後噴射量を調整する。噴射量の調整手
順は第3実施例に述べたとおりである。すなわち、ポン
プ303を駆動しPt=Pmを満たす一定圧Ptでイン
ジェクタ1に試験液を圧送し、制御部305にα<βを
満たす第1パルス及びγ>βを満たす第2パルスを生成
させ、コイル35に第1パルス及び第2パルスを交互に
与えつつ、エアギャップ調整部材31をねじ回してイン
ジェクタ1の噴射量を調整する。
【0105】ステータ34の励起吸引力は第2スプリン
グ38の付勢力より十分大きく設定されているため、エ
アギャップ調整部材31をねじ回すとエアギャップHが
変化するところ、このエアギャップHの大きさは制御弁
部材40がリフト開始するときの作動に何ら影響を及ぼ
さない。したがって、エアギャップ調整部材31をねじ
回して噴射量を調整したとしても噴射開始遅れ期間は変
化しない。
【0106】本発明の第4実施例による噴射特性調整方
法によると、はじめにアジャスティングスクリュー37
のねじ回し量を調整することによって噴射開始遅れ期間
を調整し、その後、エアギャップ調整部材31のねじ回
し量を調整することによって噴射量を調整しているた
め、インジェクタ1の噴射開始遅れ期間及び噴射量のば
らつきの両方を調整することができる。したがって、イ
ンジェクタ1の噴射開始遅れ期間及び噴射量のばらつき
の両方を小さくすることができる。
【0107】尚、上述の第2、3、4実施例において第
1パルス及び第2パルスはコイル35に交互に与えるも
のとしたが、第1パルス及び第2パルスを与えたときの
噴射量が計測または予測できるのであれば、第1パルス
及び第2パルスを交互にコイル35に与える必要はな
い。また、第1パルス及び第2パルスのパルス幅がα<
β<γを満たさない場合であっても、少なくとも2種類
のパルス幅をもつ駆動パルスを与えることによってイン
ジェクタ1の噴射量のばらつきを小さくすることができ
る。第1パルス及び第2パルスのパルス幅がα<β<γ
を満たす場合には、インジェクタ1の噴射量のばらつき
を実用パルス幅全般において小さくすることができ、α
<γ<βを満たす場合には、エンジンの低速回転域にお
けるインジェクタ1の噴射量のばらつきを小さくするこ
とができ、β<α<γを満たす場合には、エンジンの高
速回転域におけるインジェクタ1の噴射量のばらつきを
小さくすることができる。また、噴射開始遅れ期間及び
噴射量の調整はオペレータによる手動制御としたが、ス
テップモータ等を用いてエアギャップ調整部材31及び
アジャスティングロッド310を回転させ、その回転を
制御部305に制御させる自動制御としてもよい。調整
を自動制御とする場合、制御部307の検出結果をフィ
ードバックしてより正確な調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインジェクタを示す
部分断面図である。
【図2】本発明による燃料噴射装置の作動を説明するた
めのタイムチャートである。
【図3】本発明の第2実施例による噴射特性調整方法を
説明するための噴射量特性図である。
【図4】本発明の第1実施例によるインジェクタを示す
断面図である。
【図5】本発明の第1実施例によるインジェクタのエン
ジン搭載状態を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施例による噴射特性調整方法を
説明するための模式図である。
【図7】本発明の第2実施例による噴射特性調整方法を
説明するためのフローチャートである。
【図8】従来の燃料噴射装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 インジェクタ 11 ハウジング(ノズル本体) 12b 噴孔 12 ノズルボディ(ノズル本体) 14 リテーニングナット(ノズル本体) 18 皿バネ(第二付勢手段) 20 ノズル弁部材 30 アクチュエータ(制御部) 31 エアギャップ調整部材 32b 隙間(逃がし通路) 32 アーマチュア 34 ステータ 34c 付勢手段収納孔(第一付勢手段収納孔) 35 コイル 37 アジャスティングスクリュー(開弁圧調整部
材) 38 第2スプリング(第一付勢手段) 40 制御弁部材 60 圧力室 63 弁室 64 弁口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥谷尾 哲也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 山口 晃章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 村上 元一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AD07 BA59 BA65 BA69 CC01 CC08U CC14 CC52 CC53 CC57 CC61 CE13 CE22 CE34 CE35 DA01

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口を開閉する制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢する第一付勢手段
    と、 前記アーマチュアを弁口開放方向に吸引するステータと
    前記ステータに巻回されるコイルとを有する制御手段
    と、 前記制御手段を前記弁口から離間する方向に付勢する第
    二付勢手段と、 前記制御手段の周囲に設けられ、前記ノズル本体の軸方
    向に位置決めして前記ノズル本体に係止され、前記ノズ
    ル本体の軸方向に往復移動可能に前記制御手段を係止す
    るエアギャップ調整部材と、 を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記エアギャップ調整部材は、前記ノズ
    ル本体にねじ止められることを特徴とする請求項1記載
    の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記ノズル本体の制御手段側の端部に雄
    ねじを形成し、 前記エアギャップ調整部材は、ノズル本体側の端部に前
    記雄ねじとねじ合う雌ねじを形成し、前記制御手段と滑
    り対偶をなすことを特徴とする請求項2記載の燃料噴射
    装置。
  4. 【請求項4】 前記エアギャップ調整部材は、前記ノズ
    ル本体に嵌装されることを特徴とする請求項1記載の燃
    料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記第二付勢手段は、板バネであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料
    噴射装置。
  6. 【請求項6】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口の下流側に形成される弁室と、 前記弁室に往復移動自在に収納され、前記弁室から燃料
    を導出する第一逃がし通路を有し、前記弁口を開閉する
    制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢する第一付勢手段
    と、 前記第一付勢手段を収納し前記第一逃がし通路から燃料
    を導出する第一付勢手段収納孔と前記アーマチュアを弁
    口開放方向に吸引するステータと前記ステータに巻回さ
    れるコイルとを有する制御手段と、 前記第一付勢手段の反制御弁部材側に当接し、前記第一
    付勢手段収納孔から燃料を導出する第二逃がし通路を有
    し、前記第一付勢手段収納孔の軸方向に位置決めして前
    記第一付勢手段収納孔の内壁に係止され前記第一付勢手
    段収納孔の外から係止位置を調整可能に組み付けられる
    開弁圧調整部材と、 を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記開弁圧調整部材は、前記第一付勢手
    段収納孔にねじ止められることを特徴とする請求項6記
    載の燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記開弁圧調整部材は、前記第一付勢手
    段収納孔に圧入されることを特徴とする請求項6記載の
    燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口の下流側に形成される弁室と、 前記弁室に往復移動自在に収納され、前記弁室から燃料
    を導出する第一逃がし通路を有し、前記弁口を開閉する
    制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢する第一付勢手段
    と、 前記第一付勢手段を収納し前記第一逃がし通路から燃料
    を導出する第一付勢手段収納孔と前記アーマチュアを弁
    口開放方向に吸引するステータと前記ステータに巻回さ
    れるコイルとを有する制御手段と、 前記第一付勢手段の反制御弁部材側に当接し前記第一付
    勢手段収納孔から燃料を導出する第二逃がし通路を有
    し、前記第一付勢手段収納孔の軸方向に位置決めして前
    記第一付勢手段収納孔の内壁に係止され前記第一付勢手
    段収納孔の外から係止位置を調整可能に組み付けられる
    開弁圧調整部材と、 前記制御手段を前記弁口から離間する方向に付勢する第
    二付勢手段と、 前記制御手段の周囲に設けられ、前記ノズル本体の軸方
    向に位置決めして前記ノズル本体に係止され、前記ノズ
    ル本体の軸方向に往復移動可能に前記制御手段を係止す
    るエアギャップ調整部材と、 を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記エアギャップ調整部材は、前記ノ
    ズル本体にねじ止められることを特徴とする請求項9記
    載の燃料噴射装置。
  11. 【請求項11】 前記ノズル本体の制御手段側の端部に
    雄ねじを形成し、 前記エアギャップ調整部材は、ノズル本体側の端部に前
    記雄ねじとねじ合う雌ねじを形成し、前記制御手段と滑
    り対偶をなすことを特徴とする請求項10記載の燃料噴
    射装置。
  12. 【請求項12】 前記エアギャップ調整部材は、前記ノ
    ズル本体に嵌装されることを特徴とする請求項9記載の
    燃料噴射装置。
  13. 【請求項13】 前記第二付勢手段は、板バネであるこ
    とを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の
    燃料噴射装置。
  14. 【請求項14】 前記開弁圧調整部材は、前記第一付勢
    手段収納孔にねじ止められることを特徴とする請求項9
    〜13のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  15. 【請求項15】 前記開弁圧調整部材は、前記第一付勢
    手段収納孔に圧入されることを特徴とする請求項9〜1
    3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  16. 【請求項16】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口を開閉する制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記アーマチュアを弁口開放方向に吸引するステータと
    前記ステータに巻回されるコイルとを有する制御手段と
    を備え、前記制御手段により前記制御弁部材を駆動し
    て、前記弁口を開閉させて前記燃料室の圧力を変化させ
    ることで、前記ノズル弁部材を移動させ、燃料を前記噴
    孔から噴射させる燃料噴射装置の噴射特性調整方法であ
    って、 エンジン搭載時に前記燃料溜まり及び圧力室に供給され
    る燃料の最大圧力の1/2以上の所定圧力で前記燃料溜
    まり及び圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動
    パルスを与えつつ、前記ノズル本体の軸方向に前記アー
    マチュアと前記ステータとのエアギャップを変更させる
    ことにより、噴射量を調整することを特徴とする燃料噴
    射装置の噴射特性調整方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    燃料噴射装置の噴射特性調整方法であって、 エンジン搭載時に前記燃料溜まり及び圧力室に供給され
    る燃料の最大圧力の1/2以上の所定圧力で前記燃料溜
    まり及び圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動
    パルスを与えつつ、前記ノズル本体の軸方向に前記エア
    ギャップ調整部材を移動させ、噴射量を調整することを
    特徴とする噴射特性調整方法。
  18. 【請求項18】 パルス幅が互いに異なる2つの駆動パ
    ルスを前記コイルに与えつつ噴射量を調整することを特
    徴とする請求項16又は17記載の噴射特性調整方法。
  19. 【請求項19】 前記2つの駆動パルスのうち少なくと
    もいずれか一方のパルス幅は、最大噴射率が得られるま
    で前記ノズル弁部材をリフトさせるパルス幅より長いこ
    とを特徴とする請求項18記載の噴射特性調整方法。
  20. 【請求項20】 前記2つの駆動パルスの一方を与えた
    ときに得られる噴射量と第一目標値との偏差をδ1、前
    記2つの駆動パルスの他方を与えたときに得られる噴射
    量と第二目標値との偏差をδ2、並びにk1、k2及び
    k3を所定値としたとき、 δ12+δ22≦k1、 若しくは、 δ1×δ2<0、δ1≦k2及びδ2≦k3、 を満たすように噴射量を調整することを特徴とする請求
    項18又は19記載の噴射特性調整方法。
  21. 【請求項21】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口を閉塞する制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢する第一付勢手段
    と、 前記第一付勢手段を収納する第一付勢手段収納孔と前記
    アーマチュアを弁口開放方向に吸引するステータと前記
    ステータに巻回されるコイルとを有する制御手段とを備
    え、前記制御手段により前記制御弁部材を駆動して、前
    記弁口を開閉させて前記燃料室の圧力を変化させること
    で、前記ノズル弁部材を移動させ、燃料を前記噴孔から
    噴射させる燃料噴射装置の噴射特性調整方法であって、 エンジン搭載時に前記圧力室に供給される燃料の最大圧
    力の1/2以上の所定圧力で前記圧力室に試験液を供給
    し前記コイルに所定駆動パルスを与えつつ、前記第一付
    勢手段収納孔内の前記第一付勢手段の付勢力を変更させ
    て、前記制御弁部材の開弁圧を調整することにより、噴
    射量を調整することを特徴とする燃料噴射装置の噴射特
    性調整方法。
  22. 【請求項22】 請求項6〜8のいずれか一項に記載の
    燃料噴射装置の噴射特性調整方法であって、 エンジン搭載時に前記圧力室に供給される燃料の最大圧
    力の1/2以上の所定圧力で前記圧力室に試験液を供給
    し前記コイルに所定駆動パルスを与えつつ、前記第一付
    勢手段収納孔の軸方向に前記開弁圧調整部材を移動さ
    せ、噴射量を調整することを特徴とする噴射特性調整方
    法。
  23. 【請求項23】 パルス幅が互いに異なる2つの駆動パ
    ルスを前記コイルに与えつつ噴射量を調整することを特
    徴とする請求項21又は22記載の噴射特性調整方法。
  24. 【請求項24】 前記2つの駆動パルスのうち少なくと
    もいずれか一方のパルス幅は、最大噴射率が得られるま
    で前記ノズル弁部材をリフトさせるパルス幅より長いこ
    とを特徴とする請求項23記載の噴射特性調整方法。
  25. 【請求項25】 前記2つの駆動パルスの一方を与えた
    ときに得られる噴射量と第一目標値との偏差をδ1、前
    記2つの駆動パルスの他方を与えたときに得られる噴射
    量と第二目標値との偏差をδ2、並びにk1、k2及び
    k3を所定値としたとき、 δ12+δ22≦k1、 若しくは、 δ1×δ2<0、δ1≦k2及びδ2≦k3、 を満たすように噴射量を調整することを特徴とする請求
    項23又は24記載の噴射特性調整方法。
  26. 【請求項26】 噴孔を開閉するノズル弁部材と、 前記ノズル弁部材に噴孔開放方向に燃料圧力を加える燃
    料溜まりと前記ノズル弁部材に噴孔閉塞方向に燃料圧力
    を加える圧力室と前記圧力室から燃料を導出する弁口と
    を有し、前記ノズル弁部材を往復移動自在に支持するノ
    ズル本体と、 前記弁口を開閉する制御弁部材と、 前記制御弁部材と同方向に移動するアーマチュアと、 前記制御弁部材を弁口閉塞方向に付勢する第一付勢手段
    と、 前記第一付勢手段を収納する第一付勢手段収納孔と前記
    アーマチュアを弁口開放方向に吸引するステータと前記
    ステータに巻回されるコイルとを有する制御手段とを備
    え、前記制御手段により前記制御弁部材を駆動して、前
    記弁口を開閉させて前記燃料室の圧力を変化させること
    で、前記ノズル弁部材を移動させ、燃料を前記噴孔から
    噴射させる燃料噴射装置の噴射特性調整方法であって、 前記圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動パル
    スを与えつつ、前記第一付勢手段収納孔内の前記第一付
    勢手段の付勢力を変更させて、前記制御弁部材の開弁圧
    を調整することにより、噴射開始遅れ期間を調整する第
    一段階と、 前記圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動パル
    スを与えつつ、前記第一段階後、前記ノズル本体の軸方
    向に前記アーマチュアと前記ステータとのエアギャップ
    を変更させることにより、噴射量を調整する第二段階
    と、 を含むことを特徴とする燃料噴射装置の噴射特性調整方
    法。
  27. 【請求項27】 請求項9〜15記載のいずれか一項に
    記載の燃料噴射装置の噴射特性調整方法であって、 前記圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動パル
    スを与えつつ、前記第一付勢手段収納孔の軸方向に前記
    開弁圧調整部材を移動させ、噴射開始遅れ期間を調整す
    る第一段階と、 前記圧力室に試験液を供給し前記コイルに所定駆動パル
    スを与えつつ、前記第一段階後、前記ノズル本体の軸方
    向に前記エアギャップ調整部材を移動させ、噴射量を調
    整する第二段階と、 を含むことを特徴とする噴射特性調整方法。
  28. 【請求項28】 前記第一段階において、エンジン搭載
    時に前記圧力室に供給される燃料の最大圧力の1/2以
    下の所定圧力で前記圧力室に試験液を供給することを特
    徴とする請求項26又は27記載の噴射特性調整方法。
  29. 【請求項29】 前記第二段階において、エンジン搭載
    時に前記圧力室に供給される燃料の最大圧力の1/2以
    上の所定圧力で前記圧力室に試験液を供給することを特
    徴とする請求項26、27又は28記載の噴射特性調整
    方法。
  30. 【請求項30】 前記第二段階において、パルス幅が互
    いに異なる2つの駆動パルスを前記コイルに与えつつ、
    前記燃料噴射装置の噴射量を調整することを特徴とする
    請求項26〜29のいずれか一項に記載の噴射特性調整
    方法。
  31. 【請求項31】 前記第二段階において、前記2つの駆
    動パルスのうち少なくともいずれか一方のパルス幅は、
    最大噴射率が得られるまで前記ノズル弁部材をリフトさ
    せるパルス幅より長いことを特徴とする請求項30記載
    の噴射特性調整方法。
  32. 【請求項32】 前記第二段階において、前記2つの駆
    動パルスの一方を与えたときに得られる噴射量と第一目
    標値との偏差をδ1、前記2つの駆動パルスの他方を与
    えたときに得られる噴射量と第二目標値との偏差をδ
    2、並びにk1、k2及びk3を所定値としたとき、 δ12+δ22≦k1、 若しくは、 δ1×δ2<0、δ1≦k2及びδ2≦k3、 を満たすように噴射量を調整することを特徴とする請求
    項30又は31記載の噴射特性調整方法。
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