JP3622660B2 - 燃料噴射装置の調整方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置のアジャスティングパイプの送り量を調整する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すシステムは燃料噴射装置10のアジャスティングパイプ15の送り量を調整するものである。燃料噴射装置10は、弁部材としてのニードル12が弁座11aから離座することにより噴孔13から試験流体を噴射する。試験流体は、引火等を防止するため燃料とほぼ同一の粘性を有する不燃性の流体を用いる。付勢手段としてのスプリング14は、弁座11aに着座する方向、つまり噴孔13を閉塞する方向にニードル12を付勢している。付勢手段としてのスプリング14の付勢力はアジャスティングパイプ15の送り量により調整される。ここで送り量とは、初期位置からアジャスティングパイプ15が送り込まれた位置までの変位を表している。アジャスティングパイプ15は圧入により燃料噴射装置10のハウジング11内に送られ、送り量が確定するとかしめ等によりハウジング11に固定される。電気駆動手段としてのコイル16に電流を供給すると、スプリング14の付勢力に抗しニードル12を図2の上方に吸引する磁気力が発生し、ニードル12が弁座11aから離座する。ニードル12の最大リフト量はストッパ17により決定される。
【0003】
ポンプ20はタンク21から試験流体を吸い上げ燃料噴射装置10に供給する。圧力計22は燃料噴射装置10に供給する流体圧力を測定する。流量計23は、燃料噴射装置10を流れる流体流量を測定する。流量計23は、例えば流量に応じ単位時間当たりに発生するパルス信号のパルス数を流量信号として出力する。流量計23が出力するパルス数が多いほど流量が多い。背圧弁24は、燃料噴射装置10に供給される流体圧力を所定圧に調圧する。背圧弁24に代え減圧弁を用いてもよい。電気送り手段としてのモータ30とともに回転するモータギア31はねじギア32と噛み合っている。ねじギア32は送りねじ33とねじ結合しており、ねじギア32が回転すると、送りねじ33が図2の上方または下方に移動する。送りねじ33が下方に移動すると、アジャスティングパイプ14がハウジング11内に送り込まれる。制御手段としてのパーソナルコンピュータ(以下、「パーソナルコンピュータ」をPCという)40は、流量計23から送出される流量信号を入力して単位時間当たりの流量を演算し、駆動回路41を制御することにより駆動回路41からモータ30およびコイル16に供給する制御電流を制御する。
【0004】
アジャスティングパイプ15の送り量を大きくするとスプリング14の付勢力が増加する。すると、同じ周波数、同じパルス幅、同じ振幅の制御パルス電流をコイル16に供給する場合、燃料噴射装置10の一回の開弁時間は長くなり、閉弁時間は短くなるので、燃料噴射装置10から一回に噴射する噴射量が減少する。したがって、流量計23から送出される流量信号によりPC40で測定する流量も減少する。開弁時間とは、ニードル12が弁座11aを離座してからストッパ17に係止されるまでの時間を表し、閉弁時間とは、ニードル12がストッパ17を離れてから弁座11aに着座するまでの時間を表す。
【0005】
従来のアジャスティングパイプ15の送り量の調整方法を図3に基づいて説明する。コイル16に供給する制御電流の制御値である周波数、パルス幅、振幅等は所定の固定値に設定される。所定の制御値に固定した制御電流に対し、燃料噴射装置毎または要求性能毎に燃料噴射装置に要求される一回当たりの噴射量は異なる。一回当たりの噴射量が確定すれば、所定の制御値に固定された制御電流に対し単位時間当たりの流量が確定する。従来例では、制御値を固定した制御電流を燃料噴射装置10に供給し、目標の流体流量になるまでアジャスティングパイプ15を送ることにより、アジャスティングパイプ15の送り量を調整する。
【0006】
(1)まず、ポンプ20から燃料噴射装置10に供給する流体圧力が所定圧になるように背圧弁24で調圧する。次に、モータ30を回転させることにより、ニードル12が弁座11aに着座する程度の付勢力をスプリング14が発生するように、予め設定された位置までアジャスティングパイプ15を圧入する。
【0007】
(2)PC40は、流量計23の流量信号を入力し、単位時間当たりの流量を演算する。アジャスティングパイプ15の送り量が少なくスプリング14の付勢力が小さいので、PC40が演算した流量は目標流量よりも多い。
【0008】
(3)演算した流量と燃料噴射装置10の目標流量との差と、アジャスティングパイプ15の送り量との関係表から送り量を演算する。関係表は予めPC40内のROM等の記憶装置に格納してある。燃料噴射装置の構成が異なれば関係表も異なる。
【0009】
(4)演算した送り量に基づく制御電流がモータ30に供給されるようにPC40から駆動回路41に制御信号を送出する。モータ30が回転することにより送りねじ33とともにアジャスティングパイプ15がハウジング11内に送り込まれる。
【0010】
(5)アジャスティングパイプ15が送り込まれたことにより燃料噴射装置10の開弁時間は長くなり、閉弁時間は短くなり一回の噴射量が減少するので、流体流量が減少する。流量が減少したことにより流体流れが不安定になるので、流体流れが安定し流量が一定値になるのを待ち、一定値になってから流量計23が出力する流量信号から流量を演算する。演算した流量が目標流量に対し規格内であれば調整を終了する。規格外であれば、(3)、(4)、(5)を繰り返す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の調整方法によると、(3)、(4)、(5)の工程を繰り返す毎に、アジャスティングパイプ15を送りこんだことにより流体流量が減少する。工程(3)で演算した流量と目標流量との差から再び送り量を算出するので、工程(5)において流量が安定し一定値になるまで待たなければならない。したがって、調整時間が長くなる。
【0012】
また、アジャスティングパイプ15を圧入により送り込んでいくので、送り込み過ぎると元に戻せない。送り過ぎを防止するため、関係表から演算されるアジャスティングパイプ15の一回の送り量は、目標流量を満たす送り量よりも小さくなるように設定されている。したがって、調整により得られるアジャスティングパイプの送り量を、目標流量を満たす送り量を中心として高精度に調整することが困難である。その結果、調整により得られる流量は目標流量よりも大きい値の規格範囲内になるので、高精度に流量を調整することが困難である。
【0013】
本発明の目的は、アジャスティングパイプの送り量を調整する時間を短縮し、高精度に送り量を調整する燃料噴射装置の調整方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の燃料噴射装置の調整方法によると、アジャスティングパイプの送り量と電気駆動手段に供給する制御電流の制御値とを変化させながら燃料噴射装置を流れる流体流量を所定の一定流量に保持する。電気駆動手段に供給する制御電流の制御値が目標制御値になると調整を終了し、アジャスティングパイプの送り量と電気駆動手段に供給する制御電流の制御値とを連続して変化させながら調整できるので、例えば流体流量を目標値に向けて増減させていく調整方法に比べ、流体流量を測定する際に流量が安定するまで待つ必要がない。したがって、調整時間を短縮できる。調整時間が短縮されると、一つの調整システムで調整できる燃料噴射装置の個数が増加するので、同じシステム数であれば燃料噴射装置の調整数が増加する。また、燃料噴射装置の調整数が同じでよいのであれば、システム数を減らせるのでコストが低下する。
【0015】
また、流量を目標流量に保持したままアジャスティングパイプの送り量を調整するので、送り量を高精度に調整できる。その結果、目標流量を中心とした規格範囲内で燃料噴射装置の単位時間当たりの流量および一回当たりの噴射量を高精度に調整できる。
【0016】
このような請求項1記載の調整方法は、従来使用してきた調整システムの構成を変えず、例えば調整システムを制御する制御プログラムを変更するだけで容易に実現できる。したがって、従来の調整システムをそのまま使用できるので、新たに調整システムを構築する必要がない。
【0017】
本発明の請求項2または3記載の燃料噴射装置の調整方法によると、電気駆動手段に供給する制御電流の周波数またはパルス幅を変化させながら調整する。周波数およびパルス幅の調整はマイクロプロセッサ等で容易にできる。
【0018】
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置の調整方法によると、アジャスティングパイプ15の送り量による 流量低下分を、周波数の上昇スピードを増方向、減方向両方向に変化させることで補うことができるので、流量を一定値に容易に調整でき、同時にその間も、周波数を目標周波数に向けて増加させ続けることができる。よって、流量が一定値に安定するまで待つということをする必要がない。
【0019】
本発明の請求項5記載の燃料噴射装置の調整方法によると、サンプリング毎に流量Qmを演算し、流量演算値Qmが目標流量値q×Fになるように次式で次回サンプリング周波数fx2が決定される。演算時のサンプリング周波数がfxである。
【0020】
fx2=(q×F)fx/Qm
ここで目標周波数(q×F)は一定値であり、サンプリング時間中も、アジャスティングパイプの送り込みは続くので、流量演算値Qmが次第に小さくなる。
【0021】
よって、 サンプリングのたびにfx2の値は次第に大きくなり、目標周波数Fに近づけていくことができる。そして周波数が目標周波数Fに到達した時点でパイプ送りを止めるので流量および周波数をそれぞれの規格内に入れることで調整を完了できる。
【0022】
本発明の請求項6記載の燃料噴射装置の調整方法によると、1回当たりの噴射量ならびに演算流量値の減少スピードも一定にでき、サンプリング時間を流量演算時間より少なくしても調整が容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図に基づいて説明する。
【0024】
本発明の一実施例による燃料噴射装置の調整システムは従来例で説明した図2の構成と実質的に同一であるから、説明を省略する。
【0025】
本実施例の調整方法は、目標流量が一定になるようにモータ30、およびコイル16に供給する制御電流をPC40により制御する。このとき、コイル16に供給する制御電流のパルス幅および振幅を一定にし周波数だけを変更する。コイル16に供給する制御電流が目標の周波数になるとアジャスティングパイプ15の送りを停止する。アジャスティングパイプ15の送り量の調整方法について図1に基づいて説明する。
【0026】
(1)まず、ポンプ20から燃料噴射装置10に供給する流体圧力が所定圧になるように背圧弁24で調圧する。次に、モータ30を回転させることにより、ニードル12が弁座11aに着座する程度の付勢力をスプリング14が発生するように、予め設定された位置までアジャスティングパイプ15を圧入する。
【0027】
(2)図1に示す前計測ステップでは、モータ30に制御電流を供給せず目標周波数Fよりも低い周波数f00の制御電流をコイル16に供給した状態で、流量計23で出力する流量信号から燃料噴射装置10を流れる流量Q00[mm3/sec]をPC40で演算する。燃料噴射装置10の一回当たりの噴射量q0[mm3/str]はq0=Q00/f00である。目標周波数Fで得ようとしている目標流量は、燃料噴射装置10の一回当たりの目標噴射量をq[mm3/str]とすると、q×F[mm3/sec]である。
【0028】
前計測ステップにおけるアジャスティングパイプ15の送り量、つまりスプリング14の付勢力により設定される燃料噴射装置10の一回当たりの噴射量q0[mm3/str]において目標流量(q×F)[mm3/sec]を得るため、初期周波数f0=q×F/q0を求める。初期周波数f0と目標周波数Fとの間にはf0<Fの関係がある。求めた初期周波数f0の制御電流になるようにPC40から駆動回路41に制御信号を送出する。
【0029】
(3)アジャスティングパイプ14の送り量を変えず制御電流の周波数を初期周波数f0にすると、流量が増加し目標流量(q×F)[mm3/sec]になる。次の高速送り(粗調整)ステップにおいて、モータ30に駆動電流を供給してアジャスティングパイプ15を連続して一定速度で送り込みながら、流量が目標流量(q×F)[mm3/sec]を保持するようにコイル16に供給する制御電流の周波数を初期周波数f0からΔfiずつ増加していく。あらかじめ決められた高速送りステップの目標周波数をfx1とすると、Δfiはf0−fx1を50等分した値とし、Δfiずつの増加を50回繰り返せばfx1に到達する値とし、Δfiずつの増加のスピードを調整することにより、流量が目標流量(q×F)[mm3/sec]を保持するようにしている。制御電流の周波数がfx1=f0+ΣΔfiになると、高速送りステップを終了し低速送り(微調整)ステップに移行する。
【0030】
(4)低速送りステップでは、高速送りステップよりも低速の一定速度でアジャスティングパイプ15を連続して送り込む。そして、サンプリング時間またはサンプリング回数毎に、流量計23から出力される流量信号に基づき流量Qm[mm3/sec]をPC40において演算する。演算した流量Qm[mm3/sec]が目標流量(q×F)[mm3/sec]になるようにする制御について説明する。まず、演算流量Qm演算時の周波数fxから演算時の一回当たりの噴射量qx[mm3/str]を式qx=Qm/fxにより算出する。次に次回のサンプリングでコイル16に供給する制御電流の周波数fx2をq×F/qxにより求める。 要するに、前回の流量演算値Qmとその演算時の周波数fxとにより計算で求められた、その演算時における1回当たりの噴射量qxがその先も続くと仮定して、次回のサンプリングでは、流量が目標流量になるように求めた次回の周波数がfx2である。
【0031】
そして、ニードルの往復移動の周波数をこの周波数fx2に変更しつつ、アジャスティングパイプ15の送り込みを続け、所定のサンプリング時間経過後に再び、流量Qmを演算し、Qm、fx2よりqxを求め上記サイクルを繰り返す。
【0032】
fx2が目標周波数Fに到達したらアジャスティングパイプの送り込みと周波数の変更とを同時にやめ、低速送りステップを終了する。
【0033】
(5)検査(確認)ステップでは、燃料噴射装置10に目標周波数Fの制御電流を供給したときの一回当たりの噴射量が、規格範囲内(q±Δq)であるかを検査する。
【0034】
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記実施例の高速送りステップでは、初期周波数f0をあらかじめ目標周波数Fとの間にf0<Fの関係に設定し、アジャスティングパイプ15を送りながらそれによる流量低下分を補うようにコイル16に供給する周波数を増加させる方向に変更することで、1回当たりの噴射量と周波数の積である流量を一定になるように制御しつつ、目標周波数になったところでアジャスティングパイプ15の送りを停止し、調整工程を終了する。周波数の上昇スピードはパイプ送り量とは異なり、増減させることができるので、流量を一定に保持することができ、かつ、周波数を目標周波数Fに向けて増加させる調整を行うことができる。すなわち、アジャスティングパイプ15の送り量による 流量低下分を、周波数の上昇スピードを変化させることで補い、流量を一定値とする調整をしつつ、同時にその間も、周波数を目標周波数に向けて増加させ続けることができるので、早期に調整が完了する。しかも、流量を目標流量に近づけることのみにより行う調整のように、流量が一定値に安定するまでまつということをする必要がない。アジャスティングパイプ15の送り量とコイル16に供給する制御電流の周波数とを連続して変化させて調整できるので、調整時間が短縮できる。
【0035】
また、低速送りステップでは、サンプリング毎に前回サンプリング時の噴射量計算値qxの値から流量が目標流量値q×Fになるように次式で次回サンプリング周波数fx2が決定される。
【0036】
fx2=(q×F)fx/Qm
ここで目標周波数(q×F)は一定値であり、サンプリング時間中も、アジャスティングパイプの送り込みは続くので、流量演算値Qmが次第に小さくなる。
【0037】
よって、 サンプリングのたびにfx2の値は次第に大きくなり、目標周波数Fに近づけていくことができる。そして周波数が目標周波数Fに到達した時点でパイプ送りを止めるので流量および周波数をそれぞれの規格内に入れることで調整を完了できる。
【0038】
なお、低速送りステップにおけるサンプリング時間は流量演算の遅れ時間より大きい方が流量を正しく目標流量値に維持する上においては、望ましいがそうすると、調整に時間がかかってしまう。
【0039】
実際にはアジャスティングパイプを押し込むスピードが一定であれば、1回あたりの噴射量の減少スピードも一定であり、演算流量値も大きく変動しない。そのため正しい流量値が演算されるまで待たずにサンプリング時にすでに演算済の流量値で代用しても目標流量値から大きくずれることはない。よって本実施例によれば、流量演算の遅れ時間よりサンプリング時間を大きくしなくても精度よく流量を目標流量に維持することが可能である。
【0040】
また、調整時間が短縮されることにより、システム数を少なくしても従来と同数の燃料噴射装置を調整できるので、システム数が減ることによりコストが低下する。同じシステム数であれば、より多くの燃料噴射装置を調整できる。さらに、PC40の制御プログラム以外の調整システムを変更することなく調整時間を短縮できるので、新たに調整システムを構築する必要がない。
【0041】
また、流量を目標流量に保持したままアジャスティングパイプ15の送り量を調整するので、目標流量を中心とした規格範囲内で流量を高精度に調整できる。
【0042】
なお、アジャスティングパイプの送りスピードを一定にしない場合は、サンプリング時間を流量演算の遅れ時間より大きくすればいい。
【0043】
また、周波数ではなく、コイル16に供給する制御電流のパルス幅または振幅を目標制御値とし、制御電流のパルス幅または振幅を変化させながらアジャスティングパイプ15の送り量を調整してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例によるパイプ送り量と制御電流の周波数との関係を示す特性図である。
【図2】本実施例による燃料噴射装置の調整システムを示す模式的構成図である。
【図3】従来例によるパイプ送り量と流量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射装置
12 ニードル(弁部材)
13 噴孔
14 スプリング(付勢手段)
15 アジャスティングパイプ
16 コイル(電気駆動手段)
21 燃料タンク
20 燃料ポンプ
22 圧力計
23 流量計
24 背圧弁
30 モータ(電気送り手段)
40 PC(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置のアジャスティングパイプの送り量を調整する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に示すシステムは燃料噴射装置10のアジャスティングパイプ15の送り量を調整するものである。燃料噴射装置10は、弁部材としてのニードル12が弁座11aから離座することにより噴孔13から試験流体を噴射する。試験流体は、引火等を防止するため燃料とほぼ同一の粘性を有する不燃性の流体を用いる。付勢手段としてのスプリング14は、弁座11aに着座する方向、つまり噴孔13を閉塞する方向にニードル12を付勢している。付勢手段としてのスプリング14の付勢力はアジャスティングパイプ15の送り量により調整される。ここで送り量とは、初期位置からアジャスティングパイプ15が送り込まれた位置までの変位を表している。アジャスティングパイプ15は圧入により燃料噴射装置10のハウジング11内に送られ、送り量が確定するとかしめ等によりハウジング11に固定される。電気駆動手段としてのコイル16に電流を供給すると、スプリング14の付勢力に抗しニードル12を図2の上方に吸引する磁気力が発生し、ニードル12が弁座11aから離座する。ニードル12の最大リフト量はストッパ17により決定される。
【0003】
ポンプ20はタンク21から試験流体を吸い上げ燃料噴射装置10に供給する。圧力計22は燃料噴射装置10に供給する流体圧力を測定する。流量計23は、燃料噴射装置10を流れる流体流量を測定する。流量計23は、例えば流量に応じ単位時間当たりに発生するパルス信号のパルス数を流量信号として出力する。流量計23が出力するパルス数が多いほど流量が多い。背圧弁24は、燃料噴射装置10に供給される流体圧力を所定圧に調圧する。背圧弁24に代え減圧弁を用いてもよい。電気送り手段としてのモータ30とともに回転するモータギア31はねじギア32と噛み合っている。ねじギア32は送りねじ33とねじ結合しており、ねじギア32が回転すると、送りねじ33が図2の上方または下方に移動する。送りねじ33が下方に移動すると、アジャスティングパイプ14がハウジング11内に送り込まれる。制御手段としてのパーソナルコンピュータ(以下、「パーソナルコンピュータ」をPCという)40は、流量計23から送出される流量信号を入力して単位時間当たりの流量を演算し、駆動回路41を制御することにより駆動回路41からモータ30およびコイル16に供給する制御電流を制御する。
【0004】
アジャスティングパイプ15の送り量を大きくするとスプリング14の付勢力が増加する。すると、同じ周波数、同じパルス幅、同じ振幅の制御パルス電流をコイル16に供給する場合、燃料噴射装置10の一回の開弁時間は長くなり、閉弁時間は短くなるので、燃料噴射装置10から一回に噴射する噴射量が減少する。したがって、流量計23から送出される流量信号によりPC40で測定する流量も減少する。開弁時間とは、ニードル12が弁座11aを離座してからストッパ17に係止されるまでの時間を表し、閉弁時間とは、ニードル12がストッパ17を離れてから弁座11aに着座するまでの時間を表す。
【0005】
従来のアジャスティングパイプ15の送り量の調整方法を図3に基づいて説明する。コイル16に供給する制御電流の制御値である周波数、パルス幅、振幅等は所定の固定値に設定される。所定の制御値に固定した制御電流に対し、燃料噴射装置毎または要求性能毎に燃料噴射装置に要求される一回当たりの噴射量は異なる。一回当たりの噴射量が確定すれば、所定の制御値に固定された制御電流に対し単位時間当たりの流量が確定する。従来例では、制御値を固定した制御電流を燃料噴射装置10に供給し、目標の流体流量になるまでアジャスティングパイプ15を送ることにより、アジャスティングパイプ15の送り量を調整する。
【0006】
(1)まず、ポンプ20から燃料噴射装置10に供給する流体圧力が所定圧になるように背圧弁24で調圧する。次に、モータ30を回転させることにより、ニードル12が弁座11aに着座する程度の付勢力をスプリング14が発生するように、予め設定された位置までアジャスティングパイプ15を圧入する。
【0007】
(2)PC40は、流量計23の流量信号を入力し、単位時間当たりの流量を演算する。アジャスティングパイプ15の送り量が少なくスプリング14の付勢力が小さいので、PC40が演算した流量は目標流量よりも多い。
【0008】
(3)演算した流量と燃料噴射装置10の目標流量との差と、アジャスティングパイプ15の送り量との関係表から送り量を演算する。関係表は予めPC40内のROM等の記憶装置に格納してある。燃料噴射装置の構成が異なれば関係表も異なる。
【0009】
(4)演算した送り量に基づく制御電流がモータ30に供給されるようにPC40から駆動回路41に制御信号を送出する。モータ30が回転することにより送りねじ33とともにアジャスティングパイプ15がハウジング11内に送り込まれる。
【0010】
(5)アジャスティングパイプ15が送り込まれたことにより燃料噴射装置10の開弁時間は長くなり、閉弁時間は短くなり一回の噴射量が減少するので、流体流量が減少する。流量が減少したことにより流体流れが不安定になるので、流体流れが安定し流量が一定値になるのを待ち、一定値になってから流量計23が出力する流量信号から流量を演算する。演算した流量が目標流量に対し規格内であれば調整を終了する。規格外であれば、(3)、(4)、(5)を繰り返す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の調整方法によると、(3)、(4)、(5)の工程を繰り返す毎に、アジャスティングパイプ15を送りこんだことにより流体流量が減少する。工程(3)で演算した流量と目標流量との差から再び送り量を算出するので、工程(5)において流量が安定し一定値になるまで待たなければならない。したがって、調整時間が長くなる。
【0012】
また、アジャスティングパイプ15を圧入により送り込んでいくので、送り込み過ぎると元に戻せない。送り過ぎを防止するため、関係表から演算されるアジャスティングパイプ15の一回の送り量は、目標流量を満たす送り量よりも小さくなるように設定されている。したがって、調整により得られるアジャスティングパイプの送り量を、目標流量を満たす送り量を中心として高精度に調整することが困難である。その結果、調整により得られる流量は目標流量よりも大きい値の規格範囲内になるので、高精度に流量を調整することが困難である。
【0013】
本発明の目的は、アジャスティングパイプの送り量を調整する時間を短縮し、高精度に送り量を調整する燃料噴射装置の調整方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の燃料噴射装置の調整方法によると、アジャスティングパイプの送り量と電気駆動手段に供給する制御電流の制御値とを変化させながら燃料噴射装置を流れる流体流量を所定の一定流量に保持する。電気駆動手段に供給する制御電流の制御値が目標制御値になると調整を終了し、アジャスティングパイプの送り量と電気駆動手段に供給する制御電流の制御値とを連続して変化させながら調整できるので、例えば流体流量を目標値に向けて増減させていく調整方法に比べ、流体流量を測定する際に流量が安定するまで待つ必要がない。したがって、調整時間を短縮できる。調整時間が短縮されると、一つの調整システムで調整できる燃料噴射装置の個数が増加するので、同じシステム数であれば燃料噴射装置の調整数が増加する。また、燃料噴射装置の調整数が同じでよいのであれば、システム数を減らせるのでコストが低下する。
【0015】
また、流量を目標流量に保持したままアジャスティングパイプの送り量を調整するので、送り量を高精度に調整できる。その結果、目標流量を中心とした規格範囲内で燃料噴射装置の単位時間当たりの流量および一回当たりの噴射量を高精度に調整できる。
【0016】
このような請求項1記載の調整方法は、従来使用してきた調整システムの構成を変えず、例えば調整システムを制御する制御プログラムを変更するだけで容易に実現できる。したがって、従来の調整システムをそのまま使用できるので、新たに調整システムを構築する必要がない。
【0017】
本発明の請求項2または3記載の燃料噴射装置の調整方法によると、電気駆動手段に供給する制御電流の周波数またはパルス幅を変化させながら調整する。周波数およびパルス幅の調整はマイクロプロセッサ等で容易にできる。
【0018】
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置の調整方法によると、アジャスティングパイプ15の送り量による 流量低下分を、周波数の上昇スピードを増方向、減方向両方向に変化させることで補うことができるので、流量を一定値に容易に調整でき、同時にその間も、周波数を目標周波数に向けて増加させ続けることができる。よって、流量が一定値に安定するまで待つということをする必要がない。
【0019】
本発明の請求項5記載の燃料噴射装置の調整方法によると、サンプリング毎に流量Qmを演算し、流量演算値Qmが目標流量値q×Fになるように次式で次回サンプリング周波数fx2が決定される。演算時のサンプリング周波数がfxである。
【0020】
fx2=(q×F)fx/Qm
ここで目標周波数(q×F)は一定値であり、サンプリング時間中も、アジャスティングパイプの送り込みは続くので、流量演算値Qmが次第に小さくなる。
【0021】
よって、 サンプリングのたびにfx2の値は次第に大きくなり、目標周波数Fに近づけていくことができる。そして周波数が目標周波数Fに到達した時点でパイプ送りを止めるので流量および周波数をそれぞれの規格内に入れることで調整を完了できる。
【0022】
本発明の請求項6記載の燃料噴射装置の調整方法によると、1回当たりの噴射量ならびに演算流量値の減少スピードも一定にでき、サンプリング時間を流量演算時間より少なくしても調整が容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図に基づいて説明する。
【0024】
本発明の一実施例による燃料噴射装置の調整システムは従来例で説明した図2の構成と実質的に同一であるから、説明を省略する。
【0025】
本実施例の調整方法は、目標流量が一定になるようにモータ30、およびコイル16に供給する制御電流をPC40により制御する。このとき、コイル16に供給する制御電流のパルス幅および振幅を一定にし周波数だけを変更する。コイル16に供給する制御電流が目標の周波数になるとアジャスティングパイプ15の送りを停止する。アジャスティングパイプ15の送り量の調整方法について図1に基づいて説明する。
【0026】
(1)まず、ポンプ20から燃料噴射装置10に供給する流体圧力が所定圧になるように背圧弁24で調圧する。次に、モータ30を回転させることにより、ニードル12が弁座11aに着座する程度の付勢力をスプリング14が発生するように、予め設定された位置までアジャスティングパイプ15を圧入する。
【0027】
(2)図1に示す前計測ステップでは、モータ30に制御電流を供給せず目標周波数Fよりも低い周波数f00の制御電流をコイル16に供給した状態で、流量計23で出力する流量信号から燃料噴射装置10を流れる流量Q00[mm3/sec]をPC40で演算する。燃料噴射装置10の一回当たりの噴射量q0[mm3/str]はq0=Q00/f00である。目標周波数Fで得ようとしている目標流量は、燃料噴射装置10の一回当たりの目標噴射量をq[mm3/str]とすると、q×F[mm3/sec]である。
【0028】
前計測ステップにおけるアジャスティングパイプ15の送り量、つまりスプリング14の付勢力により設定される燃料噴射装置10の一回当たりの噴射量q0[mm3/str]において目標流量(q×F)[mm3/sec]を得るため、初期周波数f0=q×F/q0を求める。初期周波数f0と目標周波数Fとの間にはf0<Fの関係がある。求めた初期周波数f0の制御電流になるようにPC40から駆動回路41に制御信号を送出する。
【0029】
(3)アジャスティングパイプ14の送り量を変えず制御電流の周波数を初期周波数f0にすると、流量が増加し目標流量(q×F)[mm3/sec]になる。次の高速送り(粗調整)ステップにおいて、モータ30に駆動電流を供給してアジャスティングパイプ15を連続して一定速度で送り込みながら、流量が目標流量(q×F)[mm3/sec]を保持するようにコイル16に供給する制御電流の周波数を初期周波数f0からΔfiずつ増加していく。あらかじめ決められた高速送りステップの目標周波数をfx1とすると、Δfiはf0−fx1を50等分した値とし、Δfiずつの増加を50回繰り返せばfx1に到達する値とし、Δfiずつの増加のスピードを調整することにより、流量が目標流量(q×F)[mm3/sec]を保持するようにしている。制御電流の周波数がfx1=f0+ΣΔfiになると、高速送りステップを終了し低速送り(微調整)ステップに移行する。
【0030】
(4)低速送りステップでは、高速送りステップよりも低速の一定速度でアジャスティングパイプ15を連続して送り込む。そして、サンプリング時間またはサンプリング回数毎に、流量計23から出力される流量信号に基づき流量Qm[mm3/sec]をPC40において演算する。演算した流量Qm[mm3/sec]が目標流量(q×F)[mm3/sec]になるようにする制御について説明する。まず、演算流量Qm演算時の周波数fxから演算時の一回当たりの噴射量qx[mm3/str]を式qx=Qm/fxにより算出する。次に次回のサンプリングでコイル16に供給する制御電流の周波数fx2をq×F/qxにより求める。 要するに、前回の流量演算値Qmとその演算時の周波数fxとにより計算で求められた、その演算時における1回当たりの噴射量qxがその先も続くと仮定して、次回のサンプリングでは、流量が目標流量になるように求めた次回の周波数がfx2である。
【0031】
そして、ニードルの往復移動の周波数をこの周波数fx2に変更しつつ、アジャスティングパイプ15の送り込みを続け、所定のサンプリング時間経過後に再び、流量Qmを演算し、Qm、fx2よりqxを求め上記サイクルを繰り返す。
【0032】
fx2が目標周波数Fに到達したらアジャスティングパイプの送り込みと周波数の変更とを同時にやめ、低速送りステップを終了する。
【0033】
(5)検査(確認)ステップでは、燃料噴射装置10に目標周波数Fの制御電流を供給したときの一回当たりの噴射量が、規格範囲内(q±Δq)であるかを検査する。
【0034】
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記実施例の高速送りステップでは、初期周波数f0をあらかじめ目標周波数Fとの間にf0<Fの関係に設定し、アジャスティングパイプ15を送りながらそれによる流量低下分を補うようにコイル16に供給する周波数を増加させる方向に変更することで、1回当たりの噴射量と周波数の積である流量を一定になるように制御しつつ、目標周波数になったところでアジャスティングパイプ15の送りを停止し、調整工程を終了する。周波数の上昇スピードはパイプ送り量とは異なり、増減させることができるので、流量を一定に保持することができ、かつ、周波数を目標周波数Fに向けて増加させる調整を行うことができる。すなわち、アジャスティングパイプ15の送り量による 流量低下分を、周波数の上昇スピードを変化させることで補い、流量を一定値とする調整をしつつ、同時にその間も、周波数を目標周波数に向けて増加させ続けることができるので、早期に調整が完了する。しかも、流量を目標流量に近づけることのみにより行う調整のように、流量が一定値に安定するまでまつということをする必要がない。アジャスティングパイプ15の送り量とコイル16に供給する制御電流の周波数とを連続して変化させて調整できるので、調整時間が短縮できる。
【0035】
また、低速送りステップでは、サンプリング毎に前回サンプリング時の噴射量計算値qxの値から流量が目標流量値q×Fになるように次式で次回サンプリング周波数fx2が決定される。
【0036】
fx2=(q×F)fx/Qm
ここで目標周波数(q×F)は一定値であり、サンプリング時間中も、アジャスティングパイプの送り込みは続くので、流量演算値Qmが次第に小さくなる。
【0037】
よって、 サンプリングのたびにfx2の値は次第に大きくなり、目標周波数Fに近づけていくことができる。そして周波数が目標周波数Fに到達した時点でパイプ送りを止めるので流量および周波数をそれぞれの規格内に入れることで調整を完了できる。
【0038】
なお、低速送りステップにおけるサンプリング時間は流量演算の遅れ時間より大きい方が流量を正しく目標流量値に維持する上においては、望ましいがそうすると、調整に時間がかかってしまう。
【0039】
実際にはアジャスティングパイプを押し込むスピードが一定であれば、1回あたりの噴射量の減少スピードも一定であり、演算流量値も大きく変動しない。そのため正しい流量値が演算されるまで待たずにサンプリング時にすでに演算済の流量値で代用しても目標流量値から大きくずれることはない。よって本実施例によれば、流量演算の遅れ時間よりサンプリング時間を大きくしなくても精度よく流量を目標流量に維持することが可能である。
【0040】
また、調整時間が短縮されることにより、システム数を少なくしても従来と同数の燃料噴射装置を調整できるので、システム数が減ることによりコストが低下する。同じシステム数であれば、より多くの燃料噴射装置を調整できる。さらに、PC40の制御プログラム以外の調整システムを変更することなく調整時間を短縮できるので、新たに調整システムを構築する必要がない。
【0041】
また、流量を目標流量に保持したままアジャスティングパイプ15の送り量を調整するので、目標流量を中心とした規格範囲内で流量を高精度に調整できる。
【0042】
なお、アジャスティングパイプの送りスピードを一定にしない場合は、サンプリング時間を流量演算の遅れ時間より大きくすればいい。
【0043】
また、周波数ではなく、コイル16に供給する制御電流のパルス幅または振幅を目標制御値とし、制御電流のパルス幅または振幅を変化させながらアジャスティングパイプ15の送り量を調整してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例によるパイプ送り量と制御電流の周波数との関係を示す特性図である。
【図2】本実施例による燃料噴射装置の調整システムを示す模式的構成図である。
【図3】従来例によるパイプ送り量と流量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射装置
12 ニードル(弁部材)
13 噴孔
14 スプリング(付勢手段)
15 アジャスティングパイプ
16 コイル(電気駆動手段)
21 燃料タンク
20 燃料ポンプ
22 圧力計
23 流量計
24 背圧弁
30 モータ(電気送り手段)
40 PC(制御手段)
Claims (6)
- 噴孔を開閉する弁部材を噴孔閉塞方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗し前記弁部材を吸引する電気駆動手段と、前記付勢手段と当接し前記付勢手段の付勢力を調節するアジャスティングパイプとを備える燃料噴射装置の調整方法であって、
流体を供給する流体供給手段と、
前記燃料噴射装置に供給される流体圧力を測定する圧力計と、
流体圧力を所定圧に調圧する調圧弁と、
前記流体供給手段から供給され前記燃料噴射装置を流れる流体流量を測定する流量計と、
前記アジャスティングパイプの送り量を調整する電気送り手段と、
前記電気駆動手段および前記電気送り手段に供給する制御電流をそれぞれ制御する制御手段とを用い、
前記電気駆動手段および前記電気送り手段に供給する制御電流を前記制御手段が制御することにより、前記アジャスティングパイプの送り量と前記電気駆動手段に供給する制御電流の制御値とを変化させながら前記燃料噴射装置を流れる流体流量を所定の一定流量に保持し、前記電気駆動手段に供給する制御電流が目標制御値になるように前記アジャスティングパイプの送り量を調整することを特徴とする燃料噴射装置の調整方法。 - 前記電気駆動手段に供給する制御電流が目標周波数になるように前記アジャスティングパイプの送り量を調整することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置の調整方法。
- 前記電気駆動手段に供給する制御電流が目標パルス幅になるように前記アジャスティングパイプの送り量を調整することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置の調整方法。
- 噴孔を開閉する弁部材を噴孔閉塞方向に付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗し前記弁部材を吸引する電気駆動手段と、前記付勢手段と当接し前記付勢手段の付勢力を調節するアジャスティングパイプとを備える燃料噴射装置の、1回あたりの噴射量の調整を、
所定時間内に前記弁部材が往復移動する回数である周波数と、
前記1回あたりの噴射量と前記周波数との積である前記燃料噴射装置を流れる流体流量値との調整により行う調整方法であって、
予め目標流量値(q×F)と目標周波数値Fを定め、
前記アジャスティングパイプを前記1回あたりの噴射量が次第に減少するように変位させ続けるとともに、
前記周波数は、前記目標周波数Fより小さい初期周波数f0から次第に目標周波数Fに近づけるように増加させ、
この増加スピードを調整することにより、前記流体流量値を目標流量値
(q×F)になるように制御するとともに、
前記周波数が目標周波数Fに到達した時点で前記アジャスティングパイプの変位と、前記周波数の増加を止めることを特徴とする燃料噴射装置の調整方法。 - 前記周波数は、サンプリング毎に算出されて調整されるとともに、
前回のサンプリング時の流量演算値Qmと、前記前回のサンプリング時の周波数fxと、目標流量値(q×F)とにより,
次回のサンプリング時の周波数fx2は式fx2=(q×F)fx/Qm
で算出されることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射装置の調整方法。 - 前記アジャスティングパイプの変位スピードは一定であることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射装置の調整方法。
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