JP2001254284A - インク受容繊維布 - Google Patents
インク受容繊維布Info
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Abstract
持つ風合いや外観を損なうことがなく、かつ折り曲げ等
によってインク受容層が簡単に剥落する虞がない上、鮮
明でかつ高画質の印刷が可能なインク受容繊維布を提供
する。 【解決手段】 構成繊維の少なくとも一部に難燃糸を用
いた難燃繊維布に、インク受容組成物の液を含浸させる
ことで、その少なくとも表面にインク受容層を形成し
た。
Description
ト記録に好適に使用されるインク受容繊維布に関するも
のである。
の記録媒体の表面に吹き付けることで、当該表面に、上
記水性インクによる微小等ットを形成して印刷を行う、
いわゆるインクジェット記録方式を利用したプリンタ、
プロッタ等の記録装置が、カラー化が容易でかつ低騒音
である等の理由で、一般用、業務用を問わず広く普及し
つつあり、それに適した記録紙やOHPシート等の記録
媒体の研究開発も盛んに行われている。
には通常、下記のような特性が求められる。 (a) 水性インクの吸収容量が大きいこと。 (b) 水性インクの吸収時間が短いこと。 (c) ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼやけない
こと。 (d) ドット形状が真円に近く、その輪郭が凹凸状でない
こと。
は、例えば紙等のシート状の基材の表面に、上記の各特
性を考慮した種々の成分を含有するインク受容層を形成
したものが一般的である。例えば特開平7−17129
号公報には、基材上に、ポリビニルアルコール、ポリア
ルキレンオキサイドおよび親水性アクリル樹脂を含有す
るインク受容層を設けた記録媒体が開示されている。
ポリビニルピロリドンと、塩基性の(メタ)アクリル酸
エステル共重合体とを含有するインク受容層を備えた記
録媒体が開示されている。さらに特開平7−25702
3号公報には、水溶性ビニル系ポリマー、(メタ)アク
リル系ポリマーおよび水溶性セルロースを含有するイン
ク受容層を備えた記録媒体が開示されている。
基材の表面に、上記の各成分を含有するインク受容組成
物の水溶液を塗布して乾燥させる、いわゆるコート法に
よって形成される。
や不織布等の繊維布を用いて、その特有の風合いを活か
しつつ、特にインクジェット記録方法にて、カラーの図
形や文字等を印刷することが要望されている。そこで繊
維布を基材として、その表面に、従来同様にコート法に
よって、前記インク受容層を層状に積層、形成してイン
ク受容性を付与することが検討されているが、このよう
にして得られるインク受容繊維布は、表面に積層された
インク受容層が繊維布より剛直な樹脂の層であるため、
全体が剛直なものになって繊維布特有の柔らかな風合い
が損なわれるという問題がある。
目が潰されて、その外観が繊維布として不自然なものに
なるという問題もある。さらに上記インク受容層は、繊
維布との接着強度が十分でなく、かつ比較的もろいため
に、折り曲げを繰り返すと繊維布から簡単にはく落して
しまうという問題もある。また近時、インクジェット記
録方法による印刷の簡便性を利用して、例えば見本市会
場内等のブースの仕切りや、会場内に吊り下げる垂れ幕
といった大きなサイズのものへの応用が、インク受容繊
維布の重要な用途の一つとして注目されているが、前述
した従来の構成では、こうした会場内での構造物等に要
求される、消防法で定める難燃性の基準を満足できない
という問題もある。
む液を塗布して難燃化処理することも検討されるが、こ
の場合にはインク受容層上にさらに難燃剤の層が積層さ
れることになるため、繊維布特有の柔らかな風合いや、
繊維布らしい外観がより一層、損なわれるという問題を
生じる。また難燃剤の層がインクを滲ませる等して、イ
ンク受容層への良好な印刷を阻害する結果、鮮明でかつ
高画質の印刷ができなくなる虞もある。
かも柔軟で繊維布の持つ風合いや外観を損なうことがな
く、かつ折り曲げ等によってインク受容層が簡単に剥落
する虞がない上、鮮明でかつ高画質の印刷が可能な、新
規なインク受容繊維布を提供することにある。
の、本発明のインク受容繊維布は、構成繊維の少なくと
も一部に難燃糸を用いた難燃繊維布に、インク受容組成
物の液を含浸させることで、その少なくとも表面にイン
ク受容層を形成したことを特徴とするものである。かか
る本発明のインク受容繊維布は、上記のようにそれ自体
に難燃性を付与した難燃繊維布を基材として用いている
ため難燃性に優れている。
の液を含浸させてインク受容層を形成しているため、イ
ンク受容層をコート法によって形成したものや、あるい
はその上にさらに、難燃剤を含む液を塗布して難燃化処
理を施したもの等に比べて柔軟で、繊維布の持つ風合い
や、繊維布らしい外観を損なうことがない上、折り曲げ
等によってインク受容層が簡単に剥落する虞もない。し
かもインク受容層への良好な印刷を阻害する難燃剤の層
がないため、インク受容層への、鮮明でかつ高画質の印
刷が可能である。
明のインク受容繊維布は、前記のように構成繊維の少な
くとも一部に難燃糸を用いた難燃繊維布に、インク受容
組成物の液を含浸させることで、その少なくとも表面に
インク受容層を形成したものである。このうち難燃繊維
布としては、構成繊維の全部または一部に難燃糸を用い
た種々のものが使用可能であるが、特に再生繊維、半合
成繊維、合成繊維等の化学繊維に、その紡糸時に難燃剤
を含有させた難燃糸と、通常の綿糸とを交織した繊維布
が好適に使用される。
る上、綿糸が、含浸されたインク受容組成物の液を良好
に吸収するため、形成されたインク受容層が、難燃繊維
布に対する密着性や印刷の特性に優れたものとなる。難
燃糸と綿糸との交織の比率は特に限定されないが、交織
された難燃繊維布中に占める難燃糸の割合(重量%)で
表して、およそ30〜70重量%程度であるのが好まし
く、40〜60重量%程度であるのがさらに好ましい。
受容繊維布の難燃性が低下し、逆に上記の範囲を超えた
場合には、インク受容層の、難燃繊維布に対する密着性
や印刷の特性が低下する虞がある。上記難燃糸の元にな
る化学繊維としては、綿糸と良好に交織させることを考
慮すると、ヤング率、弾性率等の特性が綿糸に近いもの
を使用するのが好ましい。そのような化学繊維として
は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)繊維
等のポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の
アクリル繊維等が挙げられる。
は、例えばホスホノカルボン酸アミド誘導体、有機リン
窒素化合物、有機リンハロゲン化合物、リン・ハロゲン
化合物、リンおよびスルフォアミド系化合物複合体、環
状ハロゲン系複合体、アルキルリン酸エステル誘導体、
アミノ樹脂リン酸塩、含ハロゲンスルフォアミド系化合
物、グアニルスルフォアミド系化合物、含ハロゲン窒素
系化合物、含硫黄窒素化合物、有機リン酸系窒素ハロゲ
ン化合物、および有機含ハロゲンリン酸エステル等が挙
げられ、この中から、化学繊維に対する分散性、溶解
性、相溶性等に優れた1種または2種以上が、選択的に
使用される。
されないが例えば鐘淵化学工業(株)製の商品名プロテッ
クス等が挙げられる。このプロテックスはアクリル繊維
を基本とし、そこへ紡糸時に、難燃剤を含有させたもの
である。難燃糸と綿糸とを交織するには、例えば難燃糸
を経糸、綿糸を緯糸として、あるいは逆に難燃糸を緯
糸、綿糸を経糸として使用して、常法にて平織、綾織等
の種々の組織に織成すればよい。
に、例えば難燃糸と綿糸とを混紡して得た混紡糸を用い
て織成したもの等を使用することもできる。なお難燃繊
維布としては、例えば、構成繊維の全部に難燃糸を用い
た、鐘淵化学工業(株)製の商品名カネカロン等も使用可
能である。難燃繊維布の厚みはとくに限定されないが、
プリンタを通すことを考慮すると50μm〜3mm程
度、とくに50〜500μm程度であるのが好ましい。
を構成するインク受容組成物としては、前記した従来の
インク受容層の組成を有するものを使用しても良いが、
特にカチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリ
ル系樹脂、吸水性多孔質体、および可塑剤を含有するイ
ンク受容組成物が好適に使用される。一般に、インクジ
ェット記録方式等の各種印刷に使用される水性インクに
は、着色剤としてアニオン系のものが使用されている。
したがって、カチオン性アクリル系樹脂を含有するイン
ク受容組成物からインク受容層を形成すると、印刷され
たインク中のアニオン系着色剤が、インク受容層におい
てカチオン性アクリル系樹脂と結合して固定化されるた
めに印刷の耐水性が向上し、水洗い等しても印刷がにじ
むのを防止することができる。
アクリル系樹脂との反応は、両者が接触すると同時にほ
ぼ瞬時に行われるため、着色剤は、印刷とほとんど同時
に定着される。このため、インク中の着色剤がドットの
周囲に広がることが防止される結果、ドットの光学濃度
が低くなったり、ドット周辺がぼやけたりしない上、隣
り合うドットの、色の違う着色剤が混ざり合ったりもし
ないために、鮮明でかつ高画質の印刷が得られる。
低く、単独では耐久性が不十分になるおそれがあるの
で、造膜性を有するアクリル系樹脂を併用する。造膜性
を有するアクリル系樹脂は、同じアクリル系樹脂である
カチオン性アクリル系樹脂との相溶性に優れる上、その
名のとおり造膜性にも優れるため、上記の併用により、
インク受容層の耐久性が向上する。さらに吸水性多孔質
体は、インクの、特に着色剤以外の成分を、インク受容
層で素早く吸収して、インクの広がりを防止する機能を
有する。
性を有するアクリル系樹脂および吸水性多孔質体だけで
はインク受容層の剛直性が改善されず、繊維布のもつ風
合いを損なわせる虞がある。またインク受容層の、繊維
布に対する接着強度も改善されない虞がある。そこでイ
ンク受容層に、上記の各成分に加えて可塑剤を含有させ
ると、得られるインク受容繊維布は、剛直とならずに自
然の風合いを残した柔軟性を有するものとなる。
ては、カチオン性基を有するモノマーを用いたアクリル
系の単独重合体または共重合体、あるいは上記モノマー
と、カチオン性基を有しない他のモノマーとの共重合体
等が挙げられる。カチオン性基を有するモノマーとして
は、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル
アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、
メチルエチルアミノメチルアクリレート、メチルエチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノスチレ
ン、メチルエチルアミノスチレン等の、側鎖に1〜3級
アミノ基を有するモノマーや、さらにその4級アンモニ
ウム塩等が挙げられる。
としては、例えばC1〜C6アルキルアクリレート、C1
〜C6アルキルメタクリレート、スチレン等から適宜選
択することができる。また、インク受容層のインク吸収
性を高めるために、ヒドロキシル基を有するモノマーを
使用してもよい。上記カチオン性アクリル系樹脂の具体
例としては、例えば水性エマルションの状態で供給され
る、ダイセル化学工業(株)製の商品名セビアン3754
(カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルシ
ョン、固形分濃度30重量%)等が挙げられる。
前述したようにカチオン性アクリル系樹脂との相溶性に
優れるとともに、インク受容層の造膜性と耐久性(より
詳しくはインク受容層の機械的な強度や安定性、耐水性
等)とを向上しうるものが好ましい。かかる造膜性を有
するアクリル系樹脂としては、例えばポリアクリルアミ
ド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレー
ト、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アクリロニ
トリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−塩化
ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アク
リロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロニト
リル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル
−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
エステルのモノマーないしオリゴマーを、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と反応させること
によって得られる熱硬化性アクリル樹脂も、造膜性を有
するアクリル系樹脂として好適に使用することができ
る。ただし、インク受容層の安定性および柔軟性を確保
することを考慮すると、上記造膜性を有するアクリル系
樹脂としては、自己架橋型のアクリル系樹脂が最も好適
に使用される。自己架橋型のアクリル系樹脂とは、その
ポリマー中またはその末端に自己架橋性の反応基を有す
るものであって、その具体例としては、例えば水性エマ
ルションの状態で供給される、日本NSC(株)製の商品
名ヨドゾールA−4100(固形分濃度60重量%)等
が挙げられる。上記ヨドゾールA−4100は、ブタジ
エンと、アクリル酸と、アクリル酸−β−ヒドロキシエ
チルと、スチレンとを構成成分として含むアクリル系共
重合樹脂エマルションであって、アクリル酸の−COO
Hと、アクリル酸−β−ヒドロキシエチルの−OHとが
自己架橋性の反応基として機能して自己架橋を生じるも
のである。
するアクリル系樹脂Fとの割合はこれに限定されない
が、重量比でおよそC/F=8/2〜2/8程度、とく
にC/F=7/3〜4/6程度であるのが好ましい。こ
の割合は、両アクリル系樹脂として上記のように水性エ
マルジョンの状態で供給されるものを使用する場合は、
水を除いた固形分同士の割合である。吸水性多孔質体と
しては、例えばシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、
珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、
クレイ、ハイドロサルファイト、炭酸カルシウム、酸化
チタン、酸化亜鉛等の無機系充てん剤が挙げられる。
受容層の総量に対しておよそ40〜80重量%程度、と
くに50〜70重量%程度であるのが好ましい。可塑剤
としては、前記のようにインク受容層に十分な柔軟性を
付与し、かつ当該インク受容層の、難燃繊維布に対する
接着強度を向上する機能を有するとともに、均一なイン
ク受容層を形成するために、上記カチオン性アクリル系
樹脂や造膜性を有するアクリル系樹脂との相溶性に優れ
るものが、何れも好適に使用される。
は、これに限定されないが例えば、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フタル酸等の二塩基性酸と、グリ
コール、一価アルコール等とのポリマーであるポリエス
テル系の可塑剤、例えばアジピン酸−プロピレングリコ
ール系ポリマー、アジピン酸−1,3−ブチレングリコ
ール系ポリマー等が挙げられる。その重量平均分子量
は、800〜10,000程度が適当である。
は、例えば三洋化成(株)製の商品名EB−200等が挙
げられる。可塑剤の配合量は、カチオン性アクリル系樹
脂と造膜性を有するアクリル系樹脂との総量100重量
部に対しておよそ10〜70重量部程度、とくに30〜
60重量部程度であるのが好ましい。インク受容層に
は、必要に応じて、上記の各成分にさらに、インク受容
層用として公知の種々の添加剤を含有させてもよい。
ン、ポリスチレン、ポリアクリレート等の有機系充てん
剤、各種界面活性剤、着色剤固定剤(耐水化剤)、消泡
剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤、紫外線吸収剤、分散剤、
粘度調整剤、pH調整剤等が挙げられる。インク受容層
は、前述したように難燃繊維布に、上記の各成分を含有
するインク受容組成物の液を含浸させて形成される。
用される溶剤としては、安全性や環境に及ぼす影響等を
考慮すると水性溶剤が好適である。水性溶剤としては例
えば水の他、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤が使用可
能であるが、とくに取り扱いの容易さから水単独、また
は水とメタノール、エタノール、ブタノール等の低級ア
ルコールとの混合溶剤を使用するのが好ましい。水性溶
剤の配合量は、インク受容組成物の液を難燃繊維布に含
浸させるために採用される方法等に応じて、詳しくはそ
の方法に適した液の粘度や液の乾燥条件等に応じて適
宜、調整すればよい。
の含浸量は、繊維布100重量部に対する液中の固形分
量で表して5〜50重量部程度、とくに10〜30重量
部程度であるのが好ましい。含浸量が上記の範囲未満で
はインク受容層が連続した膜とならないために、鮮明で
かつ高画質で、しかも耐水性に優れた印刷が得られない
おそれがある。一方、含浸量が上記の範囲を超えた場合
には、液の乾燥に時間がかかりすぎてインク受容層が変
色したり、作業効率が低下したりするおそれがある。
製造する方法について、その一例を示す図1を参照して
説明する。図にみるようにこの例の製造方法では、まず
難燃繊維布10を、図中矢印で示すようにその原反のロ
ールR1から連続的に繰り出しながら、まずインク受容
組成物の液2に連続的に浸漬(dipping)して、当該液
2を含浸させる。次に、液2から引き上げた難燃繊維布
10を、一対のロール3を備えたロール絞り機で絞っ
て、液2の含浸量が前記の好適な範囲となるように調整
したのち、乾燥機4を通して液を乾燥させることでイン
ク受容層を形成して本発明のインク受容繊維布1を得、
それを製品のロールR2に捲きとって一連の作業が終了
する。
受容繊維布を連続的に、効率よく生産することができ
る。なお乾燥は、たとえば熱風乾燥の他、熱ドラムなど
を用いて強制乾燥してもよく、場合によっては自然乾燥
させてもよい。またインク受容繊維布の表面の平滑度や
風合いなどを高めるために、必要に応じて、マシンカレ
ンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフト
カレンダーなどの装置を用いて、製造後のインク受容繊
維布をカレンダー処理ないしスーパーカレンダー処理し
てもよい。
後、上記スーパーカレンダー処理にかけると、繊維布の
表面摩擦係数を改善して、表面の平滑度や風合いなどを
より一層、高めることができる。柔軟剤としては、陰イ
オン系、陽イオン系、非イオン系あるいは両性系のもの
が適宜選択されるが、特に陽イオン系柔軟剤が好ましく
使用される。陽イオン系柔軟剤としてはアルキルアミ
ン、第4級アンモニウム塩、アルカノールアミン脂肪酸
エステル、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドまたは
アルキルイミダゾリン等が挙げられ、とりわけ第4級ア
ンモニウム塩が好ましい。
ルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩、アルキルジヒドロキシエチルメチルア
ンモニウム塩、ベンザルコニウム塩またはイミダゾリウ
ム塩などが挙げられ、その具体例としてはアルキルトリ
メチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルア
ンモニウムメトフルフェート、アルキルメチルベンジル
アンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライ
ド、ベンザルコニウムクロライド、アミノエチルエタノ
ールアミンなどが例示される。
1〜10重量%の濃度で分散して調整した処理液に、図
1と同様の装置を用いてインク受容繊維布を連続的に浸
漬(dipping)したのち、脱液、乾燥することによって
行われる。脱液には、例えば遠心脱水、圧搾などの、繊
維布を損傷させない方法が好適である。上記本発明のイ
ンク受容繊維布に印刷を行うには、たとえば熱転写、P
PC、ペンプロッタ、インクジェット等の種々の方式の
記録装置が利用できる。そのいずれにおいても、とくに
着色剤としてアニオン系着色剤を使用することにより、
前述したようにインク定着層およびインク受容層中に含
まれるカチオン性アクリル系樹脂の作用によって、鮮明
でかつ高画質で、しかも耐水性にも優れた印刷が可能と
なる。
クジェット記録装置などを用いて水性インクによって印
刷を行うのが最適である。上記水性インクは、水性溶剤
中に、アニオン系着色剤を配合することで製造される。
水性溶剤としては、前記と同様に水の他、水と水溶性有
機溶剤との混合溶剤が使用可能であり、とくに取り扱い
の容易さから水単独、または水とメタノール、エタノー
ル、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤が好
適に使用される。
アニオン系着色剤としては、ニグロシン、C.I.ソル
ベントブラック3、C.I.ソルベントブラック5、
C.I.ソルベントブラック7、C.I.ソルベントブ
ラック22、C.I.ソルベントブラック23などの染
料があげられる。また、前述したフルカラー印刷用の各
色のインクに用いられるアニオン系着色剤としては、た
とえばC.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベ
ントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.
I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー
55、C.I.ソルベントブルー73などのシアン染
料;C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベント
レッド8、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソ
ルベントレッド25、C.I.ソルベントレッド49、
C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソルベントレ
ッド82、C.I.ソルベントレッド83、C.I.ソ
ルベントレッド84、C.I.ソルベントレッド10
9、C.I.ソルベントレッド121などのマゼンダ染
料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベン
トイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.
I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエ
ロー19、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.
ソルベントイエロー80などのイエロー染料などがあげ
られる。
〜30重量%程度、とくに3〜12重量%程度が好まし
い。上記の水性インクを用いて印刷を行うインクジェッ
ト記録装置としては、ノズルから、水性インクの微小液
滴を、印刷データに応じて断続的に吐出させて、インク
受容層の表面に印刷を行う、いわゆるオン・ディマンド
型のものと、ノズルから連続的に放出される水性インク
の微小液滴に、印刷データに応じて選択的に電荷または
磁場をかけて、所定の液滴のみをインク受容層の表面に
飛ばして印刷を行うコンティニュアス型ものとがある
が、本発明ではこのいずれを使用してもよい。
記録装置には、(1) プリンタヘッドのノズル内に設けた
ヒータでインクを加熱して微小な気泡を発生させること
によって、ノズルの先端から一定量のインクを吐出させ
る、いわゆるバブルジェット方式のものや、(2) 上記ノ
ズルの一部を温度変化によって変形する部材で構成し
て、当該部材をヒータで加熱して変形させることによっ
て、同様にノズルの先端から一定量のインクを吐出させ
る、いわゆるサーマルインクジェット方式のもの、ある
いは(3) ピエゾ素子の変形を利用して、ノズルの先端か
ら一定量のインクを吐出させる、いわゆるマッハジェッ
ト方式のものなどがあるが、本発明ではこのいずれを使
用しても構わない。
説明する。 実施例1 難燃繊維布〔鐘淵化学工業(株)製の商品名カネカロン〕
を、下記組成のインク受容組成物の液に連続的に浸漬
し、ついで一対のロール(マングル)を備えたロール絞
り機を用いて、その含浸量が、綿織布100重量部に対
して固形分量で表して20重量部になるように連続的に
絞ったのち、熱風乾燥機にて140℃で乾燥させること
でインク受容層を形成して、インク受容繊維布を製造し
た。
燃繊維布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。 〈インク受容組成物の液〉 (成 分) (重量部) ・自己架橋型のアクリル系共重合樹脂エマルジョン 10.0 [日本NSC(株)製の商品名ヨドゾールA−4100、固形分60%] ・カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 10.0 [ダイセル化学工業(株)製のセビアン3754、固形分30%] ・合成シリカ 10.0 [富士シリシア(株)製のサイリシア350] ・消泡剤 0.2 [旭電化(株)製のアデカノール748A] ・ポリエステル系可塑剤 3.0 [三洋化成(株)製のEB−200] ・メタノール 6.4 ・純水 95.0 実施例2 難燃繊維布として、難燃糸〔鐘淵化学工業(株)製の商品
名プロテックス〕と綿糸との50:50の交織布を使用
したこと以外は実施例1と同様にしてインク受容繊維布
を製造した。
燃繊維布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。 比較例1 前記実施例1で使用した難燃繊維布を、インク受容層を
形成せずに、比較例1のインク受容繊維布とした。 比較例2 前記実施例2で使用した難燃繊維布を、インク受容層を
形成せずに、比較例2のインク受容繊維布とした。
1と同様にしてインク受容繊維布を製造した。このもの
は柔軟性を有し、含浸前の元の難燃繊維布とほぼ同様な
自然の風合いを有していた。 (評価試験) [I] 印刷試験 実施例1、2および比較例1〜3で得られた各インク受
容繊維布の表面に、バブルジェット方式のインクジェッ
トプリンタ[キャノン(株)製のBJC420J]を用い
て、印刷の解像度を360dpiに設定して、水性イン
クによる印刷を行った。
(スペシャルブラック7984、バイエル社製)を超純
水に溶解して、染料濃度が3重量%になるように調整し
たものである。そして各インク受容繊維布上に記録され
た印刷について、下記の評価を行った。 (1) 印刷品位評価 印刷を目視にて確認して、下記の基準で印刷品位を評価
した。
めて良好。 ○:印刷に、わずかに不鮮明な部分があったが印刷品位
良好。 ×:印刷が不鮮明であった。印刷品位不良。 (2) 柔軟性評価 印刷から10秒経過したインク受容繊維布について、黒
色の紙の上で180°の折り曲げを10回繰り返したの
ち、インク受容繊維布から紙の上に落下したインク受容
層の組成物の粉末があるかないか、インク受容繊維布上
の印刷に影響(印刷の欠けなど)があるかないかを調べ
た。そして下記の基準で柔軟性を評価した。
も影響はなかった。柔軟性きわめて良好。 ○:粉末の落下が確認されたが印刷には影響なく、柔軟
性良好。 ×:粉末の落下が確認され、しかも印刷にも影響があっ
た。柔軟性不良。 [II] 難燃性試験 日本工業規格JIS L−1091「繊維製品の燃焼性
試験方法」所載のA−1法(45°ミクロバーナー法)
により、各インク受容布の難燃性を試験した。そして下
記の基準で難燃性を評価した。
焦げるが、炎を遠ざけるとすぐに消える。難燃性良好。 ×:炎に触れている間、燃えるか焦げるかする上に、炎
を遠ざけてもすぐに消えない。難燃性不良。 これらの試験結果を表1に示す。
布はインクが速やかに定着し、印刷品位に優れた印刷を
得ることができる上、繊維布の本来の風合いが残り、か
つ柔軟性を有するとともに、インク受容組成物の、綿織
布との接着性にも優れており、しかも高い難燃性をも有
していることが判った。とくに難燃糸と綿糸とを交織し
た難燃繊維布を使用した実施例2のインク受容繊維布
は、柔軟性に優れていた。
例を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】構成繊維の少なくとも一部に難燃糸を用い
た難燃繊維布に、インク受容組成物の液を含浸させるこ
とで、その少なくとも表面にインク受容層を形成したこ
とを特徴とするインク受容繊維布。 - 【請求項2】難燃繊維布が、難燃糸と綿糸との交織布で
ある請求項1記載のインク受容繊維布。
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