JPH11323745A - インク受容繊維布およびその製造方法 - Google Patents

インク受容繊維布およびその製造方法

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JPH11323745A
JPH11323745A JP10133741A JP13374198A JPH11323745A JP H11323745 A JPH11323745 A JP H11323745A JP 10133741 A JP10133741 A JP 10133741A JP 13374198 A JP13374198 A JP 13374198A JP H11323745 A JPH11323745 A JP H11323745A
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acrylic resin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟で繊維布のもつ風合いを損なうことな
く、かつ折り曲げ等によってインク受容組成物が剥落す
るのを防止できるとともに、印刷時にインクが速やかに
定着して、耐水性に優れた印刷を得ることができるイン
ク受容繊維布と、その効率的な製造方法とを提供する。 【解決手段】 インク受容繊維布は、基材としての繊維
布に、カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアク
リル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有するイ
ンク受容組成物を含浸させた。製造方法は、上記インク
受容組成物の液1に繊維布2を浸漬して、所定量のイン
ク受容組成物を含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の記録方式に
おける記録媒体として用いられるインク受容繊維布およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写、PPC、ペンプロッタ、
インクジェット等の記録媒体として、それぞれの印刷方
式に適したインク受容体が種々市販されている。最近で
は、特にインクジェット方式による印刷が急速に普及し
ていることから、インクジェット方式に適したインク受
容体の研究開発が行われている。
【0003】インクジェット記録等に使用されるインク
受容体としては、通常、以下のような特性が必要条件と
して求められる。
【0004】(a) インクの吸収容量が大きいこと (b) インクの吸収時間が早いこと (c) ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼやけない
こと (d) ドット形状が真円に近く、その輪郭が凹凸状でない
こと このような要望を満たすために、特開平7−17129
号公報には、基材上に、ポリビニルアルコール、ポリア
ルキレンオキサイドおよび親水性アクリル樹脂を含有す
るインク受容組成物の層を設けた記録媒体が開示されて
いる。
【0005】また特開平7−149040号公報には、
ポリビニルピロリドンと、塩基性の(メタ)アクリル酸
エステル共重合体とを含有するインク受容組成物の層を
設けた記録用紙が開示されている。
【0006】さらに特開平7−257023号公報に
は、水溶性ビニル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリ
マーおよび水溶性セルロースを含有するインク受容組成
物の層を設けたインクジェット用記録シートが開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近時、基材として織布
や不織布等の繊維布を用いて、繊維布特有の風合いを活
かして、カラーの図形や文字等をインクジェット等の印
刷法にて繊維布の表面に印刷することが要望されてい
る。
【0008】ところが、このような繊維布を基材とし、
これに、前記のような従来のインク受容組成物を、通常
のコート法を用いて層状にコーティングして得られるイ
ンク受容繊維布は、繊維布特有の柔らかい風合いが損な
われてしまい、剛直なものになるという問題があった。
【0009】また、上記のようにコーティングして形成
される従来のインク受容組成物の層は、繊維布との接着
強度が充分でなく比較的もろいため、折り曲げを繰り返
したりすると、繊維布から容易に剥落するという問題も
あった。
【0010】さらに、従来のインク受容組成物では、イ
ンクに含まれる着色剤を短時間に定着させることができ
ないため、カラー印刷等の多色印刷では印刷時に色の異
なるインク同士がインク受容繊維布の表面で混ざり合っ
てしまい、鮮明なカラー画像を得ることができなかっ
た。また、従来のインク受容組成物は、耐水性も充分で
はなかったために、水がかかると印刷が容易に滲んでし
まうといった問題もあった。
【0011】本発明の目的は、柔軟で繊維布のもつ風合
いを損なうことなく、かつ折り曲げ等によってインク受
容組成物が剥落するのを防止できるとともに、印刷時に
インクが速やかに定着して、耐水性に優れた印刷を得る
ことができるインク受容繊維布と、その効率的な製造方
法とを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のインク受容繊維布は、基材としての繊維布
と、この繊維布に含浸されたインク受容組成物とからな
り、該インク受容組成物がカチオン性アクリル系樹脂、
造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および
可塑剤を含有することを特徴とする。
【0013】また、本発明のインク受容繊維布の製造方
法は、基材としての繊維布を、カチオン性アクリル系樹
脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体お
よび可塑剤を含有したインク受容組成物の液に浸漬し
て、所定量のインク受容組成物を繊維布に含浸させるこ
とを特徴とする。
【0014】一般に、インクジェット方式等の各種印刷
に使用されるインクには、アニオン系着色剤が使用され
ている。従って、インク受容組成物に前記カチオン性ア
クリル系樹脂を含有させることにより、アニオン系着色
剤がカチオン性アクリル系樹脂に結合するため、インク
の耐水性が向上し、たとえ水がかかっても、容易に着色
剤が滲んで周囲に広がるのを防止することができる。
【0015】また、アニオン系着色剤はカチオン性アク
リル系樹脂と容易かつ速やかに結合するため、着色剤が
印刷と殆ど同時にインク受容組成物に定着される。その
ため、インクのインク受容組成物への吸収に伴って着色
剤がドットの周囲に広がるのも防止され、その結果ドッ
トの光学濃度が高く、かつドット周辺がぼやけず、しか
もドット形状が真円に近くその輪郭が凹凸状になってい
ない印刷が得られる。
【0016】前記カチオン性アクリル系樹脂は、それ自
体では耐久性や接着性に劣るおそれがあるため、造膜性
を有するアクリル系樹脂がカチオン性アクリル系樹脂と
ともに使用される。この場合、カチオン性アクリル系樹
脂と造膜性を有するアクリル系樹脂とは同じアクリル系
樹脂であるので、相溶性に優れており、従って得られる
インク受容繊維布の品質も安定するという利点がある。
【0017】さらに、前記吸水性多孔質体は、インクを
素早く吸収し、インクの広がりを防止する機能を有す
る。 しかし、これらのカチオン性アクリル系樹脂、造
膜性を有するアクリル系樹脂および吸水性多孔質体だけ
では、インク受容繊維布の剛直性および接着性は改善さ
れず、繊維布のもつ風合いを損なわせる。そこで本発明
では、インク受容組成物に、上記各成分に加えて可塑剤
を含有させるとともに、かかるインク受容組成物を、基
材としての繊維布上にコートするのでなく、当該繊維布
に含浸させている。
【0018】これにより、得られるインク受容繊維布は
剛直とならず、自然の風合いを残した柔軟性を有し、し
かも基材としての繊維布と、インク受容組成物との接着
強度も向上するため、インク受容繊維布を折り曲げたり
しても、インク受容組成物が基材から剥離するのを防止
することができる。
【0019】インク受容組成物を繊維布に含浸させる方
法としては種々、考えられるが、前記のように繊維布を
インク受容組成物の液に浸漬する、いわゆるディッピン
グ法を採用した本発明の製造方法によれば、かかるイン
ク受容繊維布を連続かつ効率的に製造することができ
る。
【0020】本発明のインク受容繊維布は、アニオン系
着色剤を含むインクをインクジェット記録ヘッドのオリ
フィスからインク受容層の表面に吐出させて記録を行う
インクジェット方式の記録方法に特に好適に使用され
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明におけるインク受容組成物
は、少なくともカチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有
するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含
有する。
【0022】カチオン性アクリル系樹脂としては、例え
ばカチオン性基を有するモノマーを用いたアクリル系の
単独重合体または該モノマーとカチオン性を有しないモ
ノマーとの共重合体が挙げられる。カチオン性基を有す
るモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエ
チルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、メチルエチルアミノメチルアクリレー
ト、メチルエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノスチレン、メチルエチルアミノスチレン、さら
にそれらの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0023】カチオン性基を有しないモノマーとして
は、例えばC1〜C6アルキルアクリレート、C1〜C6
ルキルメタクリレート、スチレンなどから適宜選択する
ことができる。またインク吸収性を高めるために、ヒド
ロキシル基を有するモノマーを使用してもよい。
【0024】また、カチオン性基を有する他のモノマー
として、通常のアクリル系またはメタクリル系モノマー
と共重合可能で、側鎖に1〜3級アミノ基あるいは4級
アンモニウム塩基を有するモノマーも使用可能である。
【0025】本発明において使用される造膜性を有する
アクリル系樹脂としては、耐久性や接着性、さらに耐水
性を高めるものが好ましく、例えばポリアクリルアミ
ド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレー
ト、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アクリロニ
トリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−塩化
ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アク
リロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロニト
リル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル
−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。また、造
膜性を有する他のアクリル系樹脂として、アクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーないしオ
リゴマーを、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂と反応させることにより得られる熱硬化性アクリ
ル樹脂も好適に使用することができる。
【0026】特に本発明においては、柔軟性を確保する
うえで、造膜性を有するアクリル系樹脂として、自己架
橋型のアクリル系樹脂が好適に使用される。自己架橋型
のアクリル系樹脂とは、そのポリマー中またはその末端
に自己架橋性の反応基を有するものであって、例えばカ
ネボウNSC社製のヨドゾールA−4100等が挙げら
れる。
【0027】カチオン性アクリル系樹脂と造膜性を有す
るアクリル系樹脂との割合は、重量比で8:2〜2:
8、好ましくは7:3〜4:6程度であるのがよい。
【0028】前記吸水性多孔質体としては、例えばシリ
カ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロサ
ルファイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等
の無機系充填剤があげられる。
【0029】かかる吸水性多孔質体はインク受容層の総
量に対して約40〜80重量%、好ましくは約50〜7
0重量%の割合で添加することができる。
【0030】また、インク受容繊維布に柔軟性を付与す
るために、可塑剤が加えられる。かかる可塑剤として
は、上記カチオン性アクリル系樹脂や造膜性を有するア
クリル系樹脂との相溶性に優れかつインク受容繊維布に
充分な柔軟性を付与しうるものであれば、特に制限され
るものではない。最も好ましい可塑剤としては、例えば
ポリエステル系可塑剤があげられる。
【0031】前記ポリエステル系可塑剤とは、例えばア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等の二
塩基性酸と、グリコールおよび一価アルコール等とのポ
リマーであって、アジピン酸−プロピレングリコール
系、アジピン酸−1,3−ブチレングリコール系などが
ある。かかるポリエステル系可塑剤は、重量平均分子量
が800〜10,000程度のものを使用するのが適当
である。
【0032】可塑剤の配合量は、カチオン性アクリル系
樹脂と造膜性を有するアクリル系樹脂との総量100重
量部に対して、約10〜70重量部、好ましくは約30
〜60重量部であるのがよい。
【0033】さらに、必要に応じて、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリアクリレート等の有機系充填剤、各種
界面活性剤、着色剤固定剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化
防止剤、蛍光漂白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整
剤、pH調整剤、他の可塑剤等を添加してもよい。
【0034】本発明における繊維布としては、例えば木
綿、レーヨン、アセテート、アクリル、ナイロン、絹、
羊毛、ポリエステル等の各種繊維から作られる織布また
は不織布(羊毛フェルトを含む)があげられる。不織布
としては、乾式法および湿式法のいずれの方法でつくら
れたものも使用可能である。
【0035】繊維布の厚さはとくに限定されないが、プ
リンタを通すことを考慮すると50μm〜3mm、好ま
しくは0.5〜1mmであるのがよい。
【0036】次に、本発明のインク受容繊維布の製造方
法を図1を参照して説明する。
【0037】図1に示すように、繊維布2はインク受容
組成物の液1に浸漬され、一対のロールからなるロール
絞り機3で所定量に絞られたのち、乾燥機4内を通して
乾燥されて、インク受容繊維布5を得る。
【0038】前記ロール絞り機3での絞り量、すなわち
繊維布に対するインク受容組成物の含浸量は、繊維布1
00重量部に対して固形分で3〜100重量部、好まし
くは5〜50重量部であるのがよい。含浸量が前記範囲
より少ないときは、定着性および耐水性に優れたインク
受容繊維布が得られないおそれがある。一方、含浸量が
前記範囲を超えるときは、乾燥に時間がかかりすぎて、
インク受容繊維布が変色したり、作業効率が低下したり
するおそれがある。
【0039】インク受容組成物の液1を調製するには、
前記カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリ
ル系樹脂、吸水性多孔質体、可塑剤その他の配合成分の
所定量を溶剤、好ましくは水性溶剤に加えて、均一にな
るように攪拌する。水性溶剤としては、例えば水のほ
か、メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級ア
ルコールなどが使用可能であり、特に取り扱いの容易さ
から水単独または水と低級アルコールとの混合溶剤を使
用するのが好ましい。
【0040】乾燥は、例えば熱風乾燥機のほか熱ドラム
等を用いて強制乾燥してもよく、あるいは自然乾燥を行
ってもよい。
【0041】得られたインク受容繊維布の表面の平滑度
または表面強度を高めるために、必要に応じて、マシン
カレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソ
フトカレンダー等によりカレンダー処理ないしスーパー
カレンダー処理を行ってもよい。
【0042】次に、本発明のインク受容繊維布を用いた
記録方法を説明する。この記録方法は、本発明のインク
受容繊維布の表面に、アニオン系着色剤を含むインクに
て記録を行うものである。
【0043】かかる記録方法には、熱転写、PPC、ペ
ンプロッタ、インクジェット等の種々の印刷手段が適用
可能である。
【0044】とりわけ、本発明のインク受容繊維布は、
前記した(a)〜(d)の必要条件を充足することが求められ
るインクジェット方式の記録方法に使用するのに最適で
ある。すなわち、この記録方法では、前記インク受容繊
維布が有するインク受容層の表面に、アニオン系着色剤
を含むインクをインクジェット記録ヘッドのオリフィス
から吐出させて記録を行う。
【0045】本発明の記録方法で使用可能なインクは、
アニオン系着色剤を前記と同様な水性溶剤に混合して得
られる。
【0046】アニオン系着色剤としては、例えばニグロ
シン、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベ
ントブラック5、C.I.ソルベントブラック7、C.
I.ソルベントブラック22、C.I.ソルベントブラ
ック23等のブラック染料;C.I.ソルベントイエロ
ー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベ
ントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、
C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベント
イエロー21、C.I.ソルベントイエロー80等のイ
エロー染料;C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソ
ルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド24、
C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソルベントレ
ッド49、C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソ
ルベントレッド82、C.I.ソルベントレッド83、
C.I.ソルベントレッド84、C.I.ソルベントレ
ッド109、C.I.ソルベントレッド121等のマゼ
ンダ染料;C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソ
ルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、
C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブ
ルー55、C.I.ソルベントブルー73等のシアン染
料等があげられる。
【0047】着色剤の添加量は、インク総量に対して1
〜30重量%、好ましくは3〜12重量%である。
【0048】本発明のインク受容繊維布は、印刷記録時
のみにノズルからインクを吐出させる形式のオン・ディ
マンド型のインクジェット記録方式、およびノズルから
連続的に放出されるインクの液滴に電荷または磁場をか
けて、印刷媒体の所定位置に飛ばして印刷を行うコンテ
ィニュアス型のインクジェット記録方式のいずれにも好
適に採用することができる。オン・ディマンド型のイン
クジェット記録方式は、ピエゾ素子を用いるいわゆるピ
エゾ方式(圧電素子方式)と、発熱ヘッドを用いたサー
マルジェット方式、およびバブルジェット方式とに分類
されるが、本発明はこのいずれにも適用可能である。バ
ブルジェット方式では、インクをノズル内に満たし、発
熱ヘッドの表面を瞬間的に加熱してノズル内に気泡を形
成させ、その圧力でインクの液滴をノズルから吐出させ
て、記録紙上に記録を行う。
【0049】
【実施例】以下、実施例、比較例に基づいて本発明を詳
細に説明する。
【0050】実施例1 綿織布を、下記組成のインク受容組成物の液に連続的に
浸漬し、ついで一対のロール(マングル)からなるロー
ル絞り機を用いて、その含浸量が、綿織布100重量部
に対して固形分で10重量部になるように連続的に絞っ
た。これを熱風乾燥機にて110℃で乾燥させて、イン
ク受容繊維布を得た。このものは柔軟性を有し、含浸前
のもとの綿織布とほぼ同様な自然の風合いを有してい
た。
【0051】 (組 成) (重量部) ・自己架橋型のアクリル系共重合樹脂エマルジョン 10.0 〔日本NSC(株)製のヨドゾールA−4100、固形分60%〕 ・カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 10.0 〔中央理化工業(株)製のリカボンドGL−F9675、固形分40%〕 ・合成シリカ 10.0 〔富士シリシア(株)製のサイリシア350〕 ・消泡剤 0.2 〔旭電化(株)製のアデカノール748A〕 ・ポリエステル系可塑剤 6.7 〔日本NSC(株)製のカネビノールYC−88〕 ・メタノール 6.4 ・純水 95.0 比較例1 インク受容組成物の液として、下記組成のものを用いた
ほかは実施例1と同様にしてインク受容繊維布を得た。
このものは剛直であり、綿織布のもつ本来の風合いが失
われていた。
【0052】 (組 成) (重量部) ・ポリビニルアルコール 3.0 〔信越化学(株)製のSMR−10H〕 ・カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 10.0 〔中央理化工業(株)製のリカボンドGL−F9675、固形分40%〕 ・合成シリカ 10.0 〔富士シリシア(株)製のサイリシア350〕 ・純水 77.0 比較例2 可塑剤を添加しなかったほかは実施例1と同じインク受
容組成物の液を調製し、かつ浸漬処理に代えてバーコー
タを用いて、コート法により塗布したほかは、実施例1
と同様にしてインク受容繊維布を作製した。このもの
は、実施例1で得たインク受容繊維布と比較して剛直で
あり、綿織布のもつ本来の風合いが失われていた。
【0053】評価試験 [I] 印刷試験I 実施例1および比較例1、2で得られた各インク受容繊
維布の表面に、バブルジェット方式のインクジェットプ
リンタ(キャノン社製のBJC420J)を用いて印刷
を行った。使用したインクは、着色剤であるアニオン性
染料(スペシャルブラック7984、バイエル社製)を
超純水に溶解させて、染料濃度が3重量%になるように
調整したものである。
【0054】そして、印刷後の各インク受容繊維布につ
いて、下記(1)〜(5)の評価を行った。 (1) 定着性 印刷から10秒経過した後の印字を上質紙で擦った際
に、上質紙にインクがにじんで汚れた度合いを目視にて
確認して、下記の基準で定着性を評価した。
【0055】○:まったくにじみがなく、定着性きわめ
て良好。
【0056】△:上質紙の表面にわずかににじみが認め
られたが、定着性良好。
【0057】×:上質紙の表面に大きなにじみが見ら
れ、定着性不良。 (2) 印字品位 印字を目視にて確認して、下記の基準で印字品位を評価
した。
【0058】○:鮮明な印字が得られ、印字品位きわめ
て良好。
【0059】△:印字に、わずかに不鮮明な部分があっ
たが印字品位良好。
【0060】×:印字が不鮮明であり、印字品位不良。 (3) 耐水性 印刷から10秒経過したインク受容繊維布を水中に浸漬
し、インクが流れるか否かを確認して、下記の基準で耐
水性を評価した。
【0061】○:インクは全く流れず、耐水性きわめて
良好。
【0062】△:インクが少し流れ、印字にわずかなに
じみが認められたが耐水性良好。
【0063】×:インクが流れて印字が判読できなくな
り、耐水性不良。 (4) 耐擦過性 印刷から10秒経過したインク受容繊維布の印刷した表
面を、水を含ませた綿棒で20回擦り、その後の状態を
目視にて確認して、下記の基準で耐擦過性を評価した。
【0064】○:インクの散りは認められず、耐擦過性
きわめて良好。
【0065】△:インクが少し散って、印字にわずかな
にじみが認められたが、耐擦過性良好。
【0066】×:インクが散って印字が判読できなくな
り、耐擦過性不良。
【0067】(5)柔軟性 印刷から10秒経過したインク受容繊維布について、黒
色の紙の上で180°の折り曲げを10回繰り返した
後、インク受容繊維布から紙の上に落下したインク受容
組成物の粉末があるかないか、インク受容繊維布上の印
刷に影響(印刷の欠けなど)があるかないかを調べた。
そして下記の基準で柔軟性を評価した。 ○:粉末の落下が確認されず、かつ印刷に影響がないた
め柔軟性きわめて良好。
【0068】△:粉末の落下が確認されたが印刷には影
響なく、柔軟性良好。
【0069】×:粉末の落下が確認され、かつ印刷に影
響があったため柔軟性不良。
【0070】これらの結果を表1に示す。
【0071】
【表1】 表1から、実施例1のインク受容繊維布は、インクが速
やかに定着し、印刷品位、耐水性、耐擦過性に優れた印
刷を得ることができる上、綿織布の本来の風合いが残
り、かつ柔軟性を有するとともに、インク受容組成物
の、綿織布との接着性にも優れていることが判った。 [II]印刷試験II 実施例1および比較例1、2で得られた各インク受容繊
維布の表面に、ピエゾ方式のインクジェットプリンタ
〔セイコーエプソン(株)製のPM−700C〕を用い
て印刷を行った。インクは、セイコーエプソン(株)製
の純正インク〔カラー:PMIC1C、黒:MJIC
7〕を使用した。
【0072】そして、印刷後の各インク受容繊維布につ
いて、前記(1)〜(5)の評価を行った。結果を表2に示
す。
【0073】
【表2】 表2から、方式が違うプリンタを使用して印刷を行った
場合にも、先の場合と同様の結果が得られることが判っ
た。すなわち実施例1のインク受容繊維布は、インクが
速やかに定着し、印刷品位、耐水性、耐擦過性に優れた
印刷を得ることができる上、綿織布の本来の風合いが残
り、かつ柔軟性を有するとともに、インク受容組成物
の、綿織布との接着性にも優れていることが判った。
【0074】また、綿織布に代えて綿不織布を用いて、
上記実施例1、比較例1、2と同様の試験を行ったとこ
ろ、やはり上記と同様の結果が得られた。
【0075】実施例2〜9、比較例3、4 インク受容組成物を構成する各成分の量を、表3〜5に
示す重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、イ
ンク受容繊維布を得た。
【0076】インク受容繊維布における、カチオン性ア
クリル系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型の)アク
リル系樹脂との割合(重量比)は、表3〜5に示す値で
ある。
【0077】上記各実施例、比較例のインク受容繊維布
に、前記と同様にして印刷後、前記の各試験を行って、
その特性を評価した。結果を、前記実施例1の結果とあ
わせて表3〜5に示す。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】 上記各表から、インク受容繊維布における、カチオン性
アクリル系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型の)ア
クリル系樹脂との割合は、重量比で8:2〜2:8、と
くに7:3〜4:6であるのが好ましいことが判明し
た。
【0081】実施例10〜17、比較例5、6 インク受容組成物を構成する各成分の量を、表6〜8に
示す重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、イ
ンク受容繊維布を得た。
【0082】インク受容繊維布における、吸水性多孔質
体としての合成シリカの、インク受容層の総量に対する
含有割合は、表6〜8に示す値である。
【0083】上記各実施例、比較例のインク受容繊維布
に、前記と同様にして印刷後、前記の各試験を行って、
その特性を評価した。結果を、前記実施例1の結果とあ
わせて表6〜8に示す。
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】 上記各表から、インク受容層における、吸水性多孔質体
としての合成シリカの、インク受容層の総量に対する含
有割合は、40〜80重量%、とくに50〜70重量%
であるのが好ましいことが判明した。
【0087】実施例18〜27、比較例7 ロール絞り機を用いた絞りの条件を変化させて、前記実
施例1で使用したのと同じインク受容組成物の含浸量
を、繊維布100重量部に対する固形分量で表して、表
9〜11に示す重量部としたこと以外は実施例1と同様
にして、インク受容繊維布を得た。
【0088】上記各実施例、比較例のインク受容繊維布
に、前記と同様にして印刷後、前記の各試験を行って、
その特性を評価した。結果を表9〜11に示す。
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【表11】 上記各表より、繊維布に対するインク受容組成物の含浸
量は、繊維布100重量部に対して固形分で3〜100
重量部、とくに5〜50重量部が好ましいことが判明し
た。
【0092】実施例28〜37、比較例8 インク受容組成物を構成する各成分の量を、表12〜1
4に示す重量部としたこと以外は実施例1と同様にし
て、インク受容繊維布を得た。
【0093】インク受容繊維布における可塑剤の配合量
は、カチオン性アクリル系樹脂と、造膜性を有する(自
己架橋型の)アクリル系樹脂との総量100重量部に対
して、表12〜14に示す値である。
【0094】上記各実施例、比較例のインク受容繊維布
に、前記と同様にして印刷後、前記の各試験を行って、
その特性を評価した。結果を表12〜14に示す。
【0095】
【表12】
【0096】
【表13】
【0097】
【表14】 上記各表から、インク受容繊維布における可塑剤の配合
量は、カチオン性アクリル系樹脂と、造膜性を有する
(自己架橋型の)アクリル系樹脂との総量100重量部
に対して10〜70重量部、とくに30〜60重量部が
好ましいことが判明した。
【0098】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
柔軟で繊維布のもつ風合いを損なうことなく、かつ折り
曲げ等によってインク受容組成物が剥落するのを防止で
きるとともに、印刷時にインクが速やかに定着して、耐
水性に優れた印刷を得ることができるインク受容繊維布
と、その効率的な製造方法とを提供できるという特有の
作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク受容繊維布の製造工程を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 インク受容組成物の液 2 繊維布 5 インク受容繊維布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06P 1/52 D06P 1/52

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維布と、この繊維布に含浸されたインク
    受容組成物とからなり、該インク受容組成物がカチオン
    性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸
    水性多孔質体および可塑剤を含有することを特徴とする
    インク受容繊維布。
  2. 【請求項2】繊維布に対するインク受容組成物の含浸量
    が、繊維布100重量部に対して固形分で5〜50重量
    部である請求項1記載のインク受容繊維布。
  3. 【請求項3】カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有す
    るアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有
    したインク受容組成物の液に繊維布を浸漬して、所定量
    のインク受容組成物を繊維布に含浸させることを特徴と
    するインク受容繊維布の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001254284A (ja) * 2000-03-10 2001-09-21 General Kk インク受容繊維布
JP2008540867A (ja) * 2005-05-19 2008-11-20 ゲルテックス ソチエタ ア リスポンサビリタ リミタータ 1組の経糸にプリントする方法及び装置

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