JP4219478B2 - インク受容繊維布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、とくにインクジェット記録に好適に使用されるインク受容繊維布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、水性インクを微小液滴化して紙などの記録媒体の表面に吹き付けることで、当該表面に、上記水性インクによる微小なドットを形成して印刷を行う、いわゆるインクジェット記録方式を利用したプリンタ、プロッタなどの記録装置が、カラー化が容易でかつ低騒音であるなどの理由で、一般用、業務用を問わず広く普及しつつあり、それに適した記録紙やOHPシートなどの記録媒体の研究開発も盛んに行われている。
【0003】
インクジェット記録に使用される記録媒体には通常、下記のような特性が求められる。
(a) 水性インクの吸収容量が大きいこと。
(b) 水性インクの吸収時間が短いこと。
(c) ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼやけないこと。
【0004】
(d) ドット形状が真円に近く、その輪郭が凹凸状でないこと。
このような要望を満たす記録媒体としては、たとえば紙などのシート状の基材の表面に、上記の各特性を考慮した種々の成分を含有するインク受容層を形成したものが一般的である。
たとえば特開平7−17129号公報には、基材上に、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイドおよび親水性アクリル樹脂を含有するインク受容層を設けた記録媒体が開示されている。
【0005】
また特開平7−149040号公報には、ポリビニルピロリドンと、塩基性の(メタ)アクリル酸エステル共重合体とを含有するインク受容層を備えた記録媒体が開示されている。
さらに特開平7−257023号公報には、水溶性ビニル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマーおよび水溶性セルロースを含有するインク受容層を備えた記録媒体が開示されている。
【0006】
これらのインク受容層は通常、シート状の基材の表面に、上記の各成分を含有するインク受容組成物の水溶液を塗布して乾燥させる、いわゆるコート法によって形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近時、基材として織布や不織布などの繊維布を用いて、その特有の風合いを活かしつつ、とくにインクジェット記録方法にて、カラーの図形や文字などを繊維布の表面に印刷することが要望されている。
そこで繊維布を基材として、その表面に、従来同様にコート法によって、前記従来のインク受容層を層状に積層、形成して、インク受容性を付与することが検討されているが、このようにして得られるインク受容繊維布は、表面に積層されたインク受容層が樹脂にて構成され、比較的剛直であるために、その全体が剛直なものになって、繊維布特有の柔らかな風合いが損なわれてしまうという問題がある。
【0008】
また上記インク受容層は、繊維布との接着強度が十分でなく、かつ比較的もろいために、折り曲げを繰り返すと、層を構成する組成物が繊維布から簡単にはく落してしまうという問題もある。
さらに、前述した従来のインク受容層はいずれも、インク中のとくに着色剤を、より短時間で確実に定着させることができないために印刷がぼやけてしまって、具体的には、インクがドットの周囲に広がって、ドットの光学濃度が低下したりドットの周囲がぼやけたりするだけでなく、とくにフルカラー印刷などの多色印刷では、色の異なるインク同士が混ざり合ってしまうために、鮮明で高画質な印刷が得られなかったり、あるいは耐水性が十分でないために繊維布を水洗いなどすると印刷がにじんでしまったりするといった問題もある。
【0009】
また近時、インクジェット記録方法による印刷の簡便性を利用して、たとえば見本市会場内などのブースの仕切りや、会場内に吊り下げる垂れ幕といった大きなサイズのものへの応用が、インク受容繊維布の重要な用途の一つとして注目されているが、前述した従来の構成では、とくに消防法で定める、こういった会場内での構造物などに要求される難燃性の基準を満足できないという問題もある。
【0010】
本発明の目的は、柔軟で繊維布の持つ風合いを損なうことなく、かつ折り曲げなどによってインク受容層が簡単にはく落するおそれがない上、印刷時に、インク中のとくに着色剤が速やかに定着されるために、鮮明かつ高画質で、なおかつ耐水性にもすぐれた印刷を得ることができ、しかも難燃性にもすぐれた新規なインク受容繊維布を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明のインク受容繊維布は、
(1) 繊維布と、
(2) この繊維布に、カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有するインク受容組成物の液を、繊維布100重量部に対して液中の固形分量で表して5〜50重量部の割合で含浸させて形成されたインク受容層と
を備えるとともに、難燃剤によって難燃化処理されたことを特徴とするものである。
【0012】
一般に、インクジェット記録方式などの各種印刷に使用される水性インクには、着色剤としてアニオン系のものが使用されている。したがって、カチオン性アクリル系樹脂を含有するインク受容層を有する本発明のインク受容繊維布によれば、印刷されたインク中のアニオン系着色剤が、インク受容層においてカチオン性アクリル系樹脂と結合して固定化されるために印刷の耐水性が向上し、水洗いなどしても印刷がにじむのを防止することができる。
【0013】
また、上記アニオン系着色剤とカチオン性アクリル系樹脂との反応は、両者が接触すると同時にほぼ瞬時に行われるため、着色剤は、印刷とほとんど同時に定着される。このため、インク中の着色剤がドットの周囲に広がることが防止される結果、ドットの光学濃度が低くなったり、ドット周辺がぼやけたりしない上、隣り合うドットの、色の違う着色剤が混ざり合ったりもしないために、鮮明でかつ高画質の印刷が得られる。
【0014】
なおカチオン性アクリル系樹脂は造膜性が低く、単独では耐久性が不十分になるおそれがあるので、本発明においてはインク受容層に、造膜性を有するアクリル系樹脂を併用している。
かかる造膜性を有するアクリル系樹脂は、同じアクリル系樹脂であるカチオン性アクリル系樹脂との相溶性にすぐれる上、その名のとおり造膜性にもすぐれるため、上記の併用により、インク受容層の耐久性が向上する。
【0015】
さらに吸水性多孔質体は、インクの、とくに着色剤以外の成分を、インク受容層で素早く吸収して、インクの広がりを防止する機能を有する。
しかし、カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂および吸水性多孔質体だけではインク受容層の剛直性は改善されず、繊維布のもつ風合いを損なわせる。またインク受容層の、繊維布に対する接着強度も改善されない。
【0016】
そこで本発明では、インク受容層に、上記の各成分に加えて可塑剤を含有させており、得られるインク受容繊維布は、剛直とならずに自然の風合いを残した柔軟性を有するものとなる。
しかも本発明のインク受容繊維布は、前記のように難燃剤によって難燃化処理されているため、たとえば見本市会場内での構造物などに要求される難燃性の基準を満足することもできる。
【0017】
また本発明では上記のインク受容層を、インク受容組成物の液を、繊維布100重量部に対して液中の固形分量で表して5〜50重量部の割合で繊維布に含浸させて、つまり液を、繊維布を構成する繊維内や、あるいは繊維間の細かな隙間まで十分に浸透させて形成する。
このようにすると、得られるインク受容繊維布はより一層、自然の風合いを残した柔軟性を有するものとなる上、インク受容層の、繊維布に対する接着強度も向上する。
【0018】
また難燃剤による難燃化処理は、インク受容層が形成された繊維布に、難燃剤を含む液を含浸させて行うのが好ましい。
このようにすると繊維布内、ならびに当該繊維布の織り目に沿って複雑に入り組んで形成されたインク受容層の隅々までほぼ均一に、難燃剤によって難燃化処理できるため、インク受容繊維布はより一層、良好な難燃性を有するものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。本発明のインク受容繊維布は、前記のように
(1) 繊維布と、
(2) この繊維布に、カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有するインク受容組成物の液を、繊維布100重量部に対して液中の固形分量で表して5〜50重量部の割合で含浸させて形成されたインク受容層と
を備えるとともに、難燃剤によって難燃化処理されたものである。
【0020】
このうち繊維布としては、たとえば木綿、レーヨン、アセテート、アクリル、ナイロン、絹、羊毛、ポリエステルなどの各種繊維から作られる織布または不織布(羊毛フェルトを含む)があげられる。不織布としては、乾式法および湿式法のいずれの方法でつくられたものも使用可能である。
繊維布の厚みはとくに限定されないが、プリンタを通すことを考慮すると50μm〜3mm程度、とくに50〜500μm程度であるのが好ましい。
【0021】
インク受容層を構成するインク受容組成物は、上記のようにカチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有する。
このうちカチオン性アクリル系樹脂としては、カチオン性基を有するモノマーを用いたアクリル系の単独重合体または共重合体があげられる。
【0022】
カチオン性基を有するモノマーとしては、たとえばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メチルエチルアミノメチルアクリレート、メチルエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノスチレン、メチルエチルアミノスチレンなどの、側鎖に1〜3級アミノ基を有するモノマーや、さらにその4級アンモニウム塩などがあげられる。
【0023】
また、カチオン性基を有しない他のモノマーとしては、たとえばC1〜C6アルキルアクリレート、C1〜C6アルキルメタクリレート、スチレンなどから適宜選択することができる。また、インク受容層のインク吸収性を高めるために、ヒドロキシル基を有するモノマーを使用してもよい。
上記カチオン性アクリル系樹脂の具体例としては、たとえば水性エマルションの状態で供給される、ダイセル化学工業(株)製の商品名セビアン3754(カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルション、固形分濃度30重量%)などがあげられる。
【0024】
造膜性を有するアクリル系樹脂としては、前述したようにカチオン性アクリル系樹脂との相溶性にすぐれるとともに、インク受容層の造膜性と耐久性(より詳しくはインク受容層の機械的な強度や安定性、耐水性など)とを向上しうるものが好ましい。
かかる造膜性を有するアクリル系樹脂としては、たとえばポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸ブチル共重合体などがあげられる。
【0025】
また、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのモノマーないしオリゴマーを、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂と反応させることによって得られる熱硬化性アクリル樹脂も、造膜性を有するアクリル系樹脂として好適に使用することができる。
ただし本発明においては、インク受容層の安定性および柔軟性を確保する上で、上記造膜性を有するアクリル系樹脂として、自己架橋型のアクリル系樹脂が最も好適に使用される。自己架橋型のアクリル系樹脂とは、そのポリマー中またはその末端に自己架橋性の反応基を有するものであって、その具体例としては、たとえば水性エマルションの状態で供給される、日本NSC(株)製の商品名ヨドゾールA−4100(自己架橋型のアクリル系共重合樹脂エマルション、固形分濃度60重量%)などがあげられる。
【0026】
カチオン性アクリル系樹脂Cと造膜性を有するアクリル系樹脂Fとの割合はこれに限定されないが、重量比でおよそC/F=8/2〜2/8程度、とくにC/F=7/3〜4/6程度であるのが好ましい。この割合は、両アクリル系樹脂として上記のように水性エマルジョンの状態で供給されるものを使用する場合は、水を除いた固形分同士の割合である。
【0027】
吸水性多孔質体としては、たとえばシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロサルファイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機系充てん剤があげられる。
かかる吸水性多孔質体の配合量は、インク受容層の総量に対しておよそ40〜80重量%程度、とくに50〜70重量%程度であるのが好ましい。
【0028】
可塑剤としては、前記のようにインク受容層に十分な柔軟性を付与し、かつ当該インク受容層の、繊維布に対する接着強度を向上する機能を有するとともに、均一なインク受容層を形成するために、上記カチオン性アクリル系樹脂や造膜性を有するアクリル系樹脂との相溶性にすぐれるものが、いずれも好適に使用される。
【0029】
上記の各特性を満たす好適な可塑剤としては、これに限定されないが、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸などの二塩基性酸と、グリコール、一価アルコールなどとのポリマーであるポリエステル系の可塑剤、たとえばアジピン酸−プロピレングリコール系ポリマー、アジピン酸−1,3−ブチレングリコール系ポリマーなどがあげられる。その重量平均分子量は、800〜10,000程度が適当である。
【0030】
上記ポリエステル系可塑剤の具体例としては、たとえば三洋化成(株)製の商品名EB−200などがあげられる。
可塑剤の配合量は、カチオン性アクリル系樹脂と造膜性を有するアクリル系樹脂との総量100重量部に対しておよそ10〜70重量部程度、とくに30〜60重量部程度であるのが好ましい。
【0031】
インク受容層には、必要に応じて、上記の各成分にさらに、インク受容層用として公知の種々の添加剤を含有させてもよい。
かかる添加剤としては、たとえばポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレートなどの有機系充てん剤、各種界面活性剤、着色剤固定剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤などがあげられる。
【0032】
インク受容層は、前述したように繊維布に、上記の各成分を含有するインク受容組成物の液を含浸させて形成される。
インク受容組成物の液を調製するために使用される溶剤としては、安全性や環境に及ぼす影響などを考慮すると水性溶剤が好適である。水性溶剤としてはたとえば水の他、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤が使用可能であるが、とくに取り扱いの容易さから水単独、または水とメタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤を使用するのが好ましい。
【0033】
水性溶剤の配合量は、インク受容組成物の液を繊維布に含浸させるために採用される方法などに応じて、詳しくはその方法に適した液の粘度や液の乾燥条件などに応じて適宜、調整すればよい。
繊維布に対するインク受容組成物の液の含浸量は、繊維布100重量部に対する液中の固形分量で表して5〜50重量部であり、とくに10〜30重量部程度であるのが好ましい。
【0034】
含浸量が上記の範囲未満ではインク受容層が連続した膜とならないために、鮮明でかつ高画質で、しかも耐水性にすぐれた印刷が得られない。一方、含浸量が上記の範囲を超えた場合には、液の乾燥に時間がかかりすぎてインク受容層が変色したり、作業効率が低下したりする。
インク受容層が形成されたインク受容繊維布を難燃化処理するための難燃剤としては、たとえばハロゲン系、リン系および無機物系の、従来公知の種々の難燃剤がいずれも使用可能である。
【0035】
ただし、難燃剤による難燃化処理を前記のように含浸法にて行う場合は、液を調製するために使用される溶剤として、前記と同様の水性溶剤、とくに水が、安全性や環境に及ぼす影響などの観点から好適に使用されるため、当該水などの水性溶剤に良好に溶解または分散しうる難燃剤を選択して使用するのがよい。
かかる難燃剤としては、たとえばホスホノカルボン酸アミド誘導体、有機リン窒素化合物、有機リンハロゲン化合物、リン・ハロゲン化合物、リンおよびスルフォアミド系化合物複合体、環状ハロゲン系複合体、アルキルリン酸エステル誘導体、アミノ樹脂リン酸塩、含ハロゲンスルフォアミド系化合物、グアニルスルフォアミド系化合物、含ハロゲン窒素系化合物、含硫黄窒素化合物、有機リン酸系窒素ハロゲン化合物、および有機含ハロゲンリン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種が好適に使用される。
【0036】
繊維布に対する、難燃剤を含む液の含浸量は、繊維布100重量部に対する液中の難燃剤量で表して1〜50重量部程度、とくに30〜40重量部程度であるのが好ましい。
含浸量が上記の範囲未満では、インク受容繊維布の難燃性が不十分になるおそれがある。一方、含浸量が上記の範囲を超えた場合には、過剰の難燃剤が、インク受容層の印字品質に影響を及ぼすおそれがある。
【0037】
難燃剤を含む液には、当該難燃剤を定着させるための樹脂や、前述した各種の添加剤などを添加することも考えられるが、これらの成分を含まなくても難燃剤は、上記の含浸処理によって繊維布およびインク受容層に良好に定着される。
したがって、繊維布の柔らかな風合いを維持しつつ、上記の含浸量を確保して十分な難燃性を付与することや、インク受容層の印字品質に影響を及ぼさないことなどを併せ考慮すると、難燃剤を含む液には樹脂などの他の成分をできるだけ添加しないのが好ましい。
【0038】
つぎに、上記本発明のインク受容繊維布を製造する方法について、その一例を示す図1を参照して説明する。
図にみるようにこの例の製造方法では、まず繊維布1を、図中矢印で示すように、その原反のロールR1から連続的に繰り出しながら、まずインク受容組成物の液2に連続的に浸漬して、当該液2を含浸させたのち、一対のロール3を備えたロール絞り機で絞って、液2の含浸量が前記の範囲となるように調整する。
【0039】
つぎに、乾燥機4を通して液を乾燥させてインク受容層を形成したのち、今度は難燃剤を含む液5に連続的に浸漬して、当該液5を含浸させる。
そして、一対のロール6を備えたロール絞り機で絞って、難燃剤を含む液5の含浸量が前記の好適な範囲となるように調整したのち、乾燥機7を通して液を乾燥させて、先にインク受容層を形成した繊維布を難燃化処理してインク受容繊維布1を得、それを製品のロールR2に捲きとって一連の作業が終了する。
【0040】
かかる製造方法によれば、本発明のインク受容繊維布を連続的に、効率よく生産することができる。
なお乾燥は、たとえば熱風乾燥の他、熱ドラムなどを用いて強制乾燥してもよく、場合によっては自然乾燥させてもよい。
また、インク受容繊維布の表面の平滑度や風合いなどを高めるために、必要に応じて、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどの装置を用いて、製造後のインク受容繊維布をカレンダー処理ないしスーパーカレンダー処理してもよい。
【0041】
図の例では繊維布に、インク受容組成物の液と難燃剤を含む液とを、連続的に含浸させて、インク受容層の形成と難燃化処理とを連続的に行っていたが、先にインク受容組成物の液に含浸させてインク受容層を形成した繊維布を一旦、たとえばロール状に捲きとってストックしておき、ついでそれを、難燃剤を含む液に含浸させて難燃化処理を行うようにしてもよい。
【0042】
上記本発明のインク受容繊維布に印刷を行うには、たとえば熱転写、PPC、ペンプロッタ、インクジェット等の種々の方式の記録装置が利用できる。そのいずれにおいても、とくに着色剤としてアニオン系着色剤を使用することにより、前述したようにインク定着層およびインク受容層中に含まれるカチオン性アクリル系樹脂の作用によって、鮮明でかつ高画質で、しかも耐水性にもすぐれた印刷が可能となる。
【0043】
但し、これまで説明してきたように、インクジェット記録装置などを用いて水性インクによって印刷を行うのが最適である。
上記水性インクは、水性溶剤中に、アニオン系着色剤を配合することで製造される。
水性溶剤としては、前記と同様に水の他、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤が使用可能であり、とくに取り扱いの容易さから水単独、または水とメタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールとの混合溶剤が好適に使用される。
【0044】
また、たとえば黒色のインクに用いられるアニオン系着色剤としては、ニグロシン、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック5、C.I.ソルベントブラック7、C.I.ソルベントブラック22、C.I.ソルベントブラック23などの染料があげられる。
また、前述したフルカラー印刷用の各色のインクに用いられるアニオン系着色剤としては、たとえばC.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー73などのシアン染料;C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド24、C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソルベントレッド82、C.I.ソルベントレッド83、C.I.ソルベントレッド84、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド121などのマゼンダ染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー80などのイエロー染料などがあげられる。
【0045】
着色剤の添加量は、インク総量に対して1〜30重量%程度、とくに3〜12重量%程度が好ましい。
上記の水性インクを用いて印刷を行うインクジェット記録装置としては、ノズルから、水性インクの微小液滴を、印刷データに応じて断続的に吐出させて、インク受容層の表面に印刷を行う、いわゆるオン・ディマンド型のものと、ノズルから連続的に放出される水性インクの微小液滴に、印刷データに応じて選択的に電荷または磁場をかけて、所定の液滴のみをインク受容層の表面に飛ばして印刷を行うコンティニュアス型ものとがあるが、本発明ではこのいずれを使用してもよい。
【0046】
またオン・ディマンド型のインクジェット記録装置には、
(1) プリンタヘッドのノズル内に設けたヒータでインクを加熱して微小な気泡を発生させることによって、ノズルの先端から一定量のインクを吐出させる、いわゆるバブルジェット方式のものや、
(2) 上記ノズルの一部を温度変化によって変形する部材で構成して、当該部材をヒータで加熱して変形させることによって、同様にノズルの先端から一定量のインクを吐出させる、いわゆるサーマルインクジェット方式のもの、あるいは
(3) ピエゾ素子の変形を利用して、ノズルの先端から一定量のインクを吐出させる、いわゆるマッハジェット方式のもの
などがあるが、本発明ではこのいずれを使用しても構わない。
【0047】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
綿織布を、下記組成のインク受容組成物の液に連続的に浸漬し、ついで一対のロール(マングル)を備えたロール絞り機を用いて、その含浸量が、綿織布100重量部に対して固形分量で表して20重量部になるように連続的に絞ったのち、熱風乾燥機にて140℃で乾燥させてインク受容層を形成した。
つぎに、上記のインク受容層が形成された綿織布を、下記組成の難燃剤を含む液に連続的に浸漬し、ついで一対のロール(マングル)を備えたロール絞り機を用いて、その含浸量が、綿織布100重量部に対する難燃剤の量で表して30重量部になるように連続的に絞ったのち、熱風乾燥機にて140℃で乾燥させて難燃化処理してインク受容繊維布を製造した。
【0048】
このものは柔軟性を有し、含浸前の元の綿織布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。
〈難燃剤を含む液〉
(成 分) (重量部)
・難燃剤:リン窒素化合物 80.0
[大京化学(株)製のビゴールTSC]
・純水 20.0
比較例1
実施例1でインク受容層が形成された綿織布を、難燃化処理せずに比較例1のインク受容繊維布とした。
【0049】
このものは柔軟性を有し、含浸前の元の綿織布とほぼ同様な自然の風合いを有していた。
比較例2
インク受容組成物の液として、下記組成のものを用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容層を形成し、ついで実施例1と同様にして難燃化処理を施してインク受容繊維布を製造した。
【0050】
このものは剛直であり、綿織布のもつ本来の風合いが失われていた。
(評価試験)
[I] 印刷試験
実施例1および比較例1、2で得られた各インク受容繊維布の表面に、バブルジェット方式のインクジェットプリンタ[キャノン(株)製のBJC420J]を用いて、印刷の解像度を360dpiに設定して、水性インクによる印刷を行った。
【0051】
使用した水性インクは、アニオン性染料(スペシャルブラック7984、バイエル社製)を超純水に溶解して、染料濃度が3重量%になるように調整したものである。
そして各インク受容繊維布上に記録された印刷について、下記の評価を行った。
(1) 印刷品位評価
印刷を目視にて確認して、下記の基準で印刷品位を評価した。
【0052】
◎:鮮明な印刷がえられた。印刷品位きわめて良好。
○:印刷に、わずかに不鮮明な部分があったが印刷品位良好。
×:印刷が不鮮明であった。印刷品位不良。
(2) 耐水性評価
印刷から10秒経過したインク受容繊維布を水中に浸漬した状態で、手で揉んで水洗いした際に、インクが流れるか否かを確認して、下記の基準で耐水性を評価した。
【0053】
◎:インクは全く流れなかった。耐水性きわめて良好。
○:インクが少し流れ、印刷にわずかなにじみが認められたが耐水性良好。
×:インクが流れて印刷が判読できなくなった。耐水性不良。
(3) 柔軟性評価
印刷から10秒経過したインク受容繊維布について、黒色の紙の上で180°の折り曲げを10回繰り返したのち、インク受容繊維布から紙の上に落下したインク受容層、インク定着層の組成物の粉末があるかないか、インク受容繊維布上の印刷に影響(印刷の欠けなど)があるかないかを調べた。そして下記の基準で柔軟性を評価した。
【0054】
◎:粉末の落下は確認されず、かつ印刷にも影響はなかった。柔軟性きわめて良好。
○:粉末の落下が確認されたが印刷には影響なく、柔軟性良好。
×:粉末の落下が確認され、しかも印刷にも影響があった。柔軟性不良。
[II]難燃性試験
日本工業規格JIS L−1091「繊維製品の燃焼性試験方法」所載のA−1法(45°ミクロバーナー法)により、各インク受容布の難燃性を試験した。そして下記の基準で難燃性を評価した。
【0055】
○:炎に触れている間は燃えるか、または焦げるが、炎を遠ざけるとすぐに消える。難燃性良好。
×:炎に触れている間、燃えるか焦げるかする上に、炎を遠ざけてもすぐに消えない。難燃性不良。
これらの試験結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1より、実施例1のインク受容繊維布はインクが速やかに定着し、印刷品位や耐水性に優れた印刷を得ることができる上、綿織布の本来の風合いが残り、かつ柔軟性を有するとともに、インク受容組成物の、綿織布との接着性にも優れており、しかも高い難燃性をも有していることが判った。
また、綿織布に代えて綿不織布を用いて、上記実施例1、比較例1、2と同様の試験を行ったところ、やはり上記と同様の結果が得られた。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、柔軟で繊維布の持つ風合いを損なうことなく、かつ折り曲げなどによってインク受容層が簡単にはく落するおそれがない上、印刷時に、インク中のとくに着色剤が速やかに定着されるために、鮮明かつ高画質で、なおかつ耐水性にもすぐれた印刷を得ることができ、しかも難燃性にもすぐれたインク受容繊維布を提供できるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク受容繊維布を製造する方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インク受容繊維布
2 インク受容組成物の液
5 難燃剤を含む液
10 繊維布
Claims (4)
- (1) 繊維布と、
(2) この繊維布に、カチオン性アクリル系樹脂、造膜性を有するアクリル系樹脂、吸水性多孔質体および可塑剤を含有するインク受容組成物の液を、繊維布100重量部に対して液中の固形分量で表して5〜50重量部の割合で含浸させて形成されたインク受容層と
を備えるとともに、難燃剤によって難燃化処理されたことを特徴とするインク受容繊維布。 - 造膜性を有するアクリル系樹脂が、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、およびアクリロニトリル−アクリル酸ブチル共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のインク受容繊維布。
- 造膜性を有するアクリル系樹脂が、熱硬化性を有するアクリル系樹脂、またはアクリル系樹脂のポリマー中またはその末端に自己架橋性の反応基を有する自己架橋型のアクリル系樹脂である請求項1または2記載のインク受容繊維布。
- インク受容層が形成された繊維布に、難燃剤を含む液を含浸させて難燃化処理されている請求項1記載のインク受容繊維布。
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