JP2001253005A - 色調が改善された透明蒸着系フィルム - Google Patents

色調が改善された透明蒸着系フィルム

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JP2001253005A
JP2001253005A JP2000066313A JP2000066313A JP2001253005A JP 2001253005 A JP2001253005 A JP 2001253005A JP 2000066313 A JP2000066313 A JP 2000066313A JP 2000066313 A JP2000066313 A JP 2000066313A JP 2001253005 A JP2001253005 A JP 2001253005A
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transparent vapor
polypropylene
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aluminum oxide
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JP2000066313A
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English (en)
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Michio Tsuyumoto
美智男 露本
Masakazu Yamamoto
雅一 山本
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Toyo Metallizing Co Ltd
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Toyo Metallizing Co Ltd
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた気体不透過性(バリヤー性)を有し、
かつ色調が改善された透明蒸着系フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 ポリプロピレン系基材フィルムと、該ポ
リプロピレン系基材フィルムの少なくとも一方の表面に
蒸着させた酸化アルミニウム薄膜と、該酸化アルミニウ
ム薄膜上に積層させた有機物層とからなるフィルムであ
って、該フィルムは、(1)1〜25%のヘイズ、
(2)30ml/m/日以下の酸素ガス透過速度(2
0℃)、(3)6g/m/日以下の水蒸気透過速度
(40℃、90%相対湿度)を有することを特徴とする
色調が改善された透明蒸着系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
基材フィルムと、気体不透過層(バリアー層)と、有機
物層とからなる透明蒸着系フィルムに関する。さらに詳
しくはポリプロピレン系基材フィルムと、該ポリプロピ
レン系基材フィルムの表面に蒸着させた酸化アルミニウ
ム薄膜と、該酸化アルミニウム薄膜上に積層させた有機
物層とからなる色調が改善された透明蒸着系フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系フィルムは優れた透明
性、光沢性などの光学特性、引張特性、ヤング率に代表
される機械特性、並びに実質上の無毒性及び無臭性など
を含めて、多くの望ましい特性を備えている。そのため
ポリプロピレン系フィルムは、食品、医薬品、農薬、化
粧品などの包装材料として広く用いられている。また近
年、ポリプロピレン系フィルムに酸素ガスや水蒸気に対
する気体不透過層(バリヤー性)やヒートシール性を付
与するために、塩化ビニリデン系共重合体、ビニルアル
コール系重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合
体、アクリル系共重合体等をコーティングしたり、酸化
アルミニウムや酸化ケイ素などの薄膜を蒸着させたフィ
ルムが提案されている。
【0003】ポリプロピレン系フィルムの表面に金属酸
化物の薄膜を蒸着させてバリヤー性を向上させる場合、
通常金属を完全酸化させることはない。しかし、酸化状
態によってはポリプロピレン系フィルムが黄色や黒色に
着色し実用上問題があった。
【0004】また、酸化ケイ素や酸化アルミニウムなど
の薄膜の上に、さらに異種素材からなる層を形成するこ
とも提案されている。たとえば、特開平10−7166
3には、プラスチックフィルム上に透明蒸着層を形成
し、次いで有機高分子と無機微粉末からなる塗工層を設
け、さらに該表面に印刷加工を施し、この印刷加工面に
シーラントフィルムを積層してなるガスバリヤー性積層
構成体が開示されており、このものは、印刷工程でのガ
スバリヤー性の低下を防止すると共に、印刷インキの密
着力を強固にするとしている。また、特開平10−72
659には、プラスチックフィルムからなる基材上に酸
化アルミニウム蒸着層を形成し、その上にポリビニルア
ルコール層、シランカップリング剤層を順次形成させて
なる透明蒸着バリヤーフィルムが開示されており、この
ものは、耐湿熱性に優れ、酸素及び水蒸気に対するバリ
ヤー性を有するとしている。これらの技術は、いずれも
バリヤー性を安定化させるものの、ポリプロピレン系フ
ィルムの色調を改善するものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、優れた気体不透過性(以下、バリヤー性という。)
を有し、かつ色調が改善された透明蒸着系フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、ポリプロピレン系基材フィルムに、金
属酸化物の薄膜と有機物層を順次積層してなる透明蒸着
系フィルムにおいて、ポリプロピレン系基材フィルム及
び有機物層の物性と、透明蒸着系フィルムの光学物性と
の関係を鋭意検討した結果、透明蒸着系フィルムのヘイ
ズを1〜25%とすることにより、高いバリヤー性を維
持したまま、透明蒸着系フィルムの色調を改善できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリプロピレン系基
材フィルムと、該ポリプロピレン系基材フィルムの少な
くとも一方の表面に蒸着させた酸化アルミニウム薄膜
と、該酸化アルミニウム薄膜上に積層させた有機物層と
からなるフィルムであって、該フィルムは、下記(1)
〜(3)を満足することを特徴とする透明蒸着系フィル
ムを提供するものである。 (1)1〜25%のヘイズ (2)30ml/m/日以下の酸素ガス透過速度(2
0℃) (3)6g/m/日以下の水蒸気透過速度(40℃、
90%相対湿度)
【0008】また、本発明は、該ポリプロピレン系基材
フィルムと該酸化アルミニウム薄膜との密着強度、及び
該酸化アルミニウム薄膜と該有機物層との密着強度は、
いずれも120gf/15mm幅以上であることを特徴
とする上記透明蒸着系フィルム、該ポリプロピレン系基
材フィルムのヘイズは、0.3〜20%であることを特
徴とする上記透明蒸着系フィルム、及び該有機物層のヘ
イズは、0.3〜20%であることを特徴とする上記透
明蒸着系フィルムを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の透明蒸着系フィル
ムの構成要素、構成及び製造方法を詳細に説明する。 1.透明蒸着系フィルムの構成要素 (ポリプロピレン系基材フィルム)本発明で用いるポリ
プロピレン系基材フィルムは、光学特性、機械特性及び
包装適性に優れるポリプロピレンを主成分とする樹脂フ
ィルム、好ましくは結晶性ポリプロピレンを主成分とす
る樹脂フィルムである。ポリプロピレンを主成分とする
樹脂(以下、ポリプロピレン系樹脂という。)の融点
は、150℃以上、好ましくは160℃以上であり、M
FR(メルトフローレート)は0.5〜20g/10
分、好ましくは1〜15g/10分、より好ましくは2
〜10g/10分である。また、ポリプロピレン系樹脂
のアイソタクチック指数は、ポリプロピレン系基材フィ
ルムの特性を阻害しない範囲であれば、特に限定するも
のではなく、通常90%以上である。さらに、ポリプロ
ピレン系樹脂は、ポリプロピレン系基材フィルムの剛性
感が失わなわれない範囲で、ポリプロピレンと、エチレ
ン、1−ブテン,3−メチルペンテン、4−メチルペン
テン等との共重合体であってもよい。
【0010】また、ポリプロピレン系基材フィルムは、
単層フィルムであっても複層フイルムであっても良い
が、好ましくはポリプロピレン系樹脂フィルム(コア
層)に、金属酸化物の薄膜との密着性が良い樹脂フィル
ム(スキン層)を積層させた複層フィルムである。この
ような複層フィルムは、共押出成形法によって形成する
ことができる。スキン層としては、特開平10−670
79に開示されているように、ポリプロピレン系共重合
体を使用することができる。
【0011】ポリプロピレン系共重合体としては、ポリ
プロピレンと、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−
メチルペンテンなどの炭素数2〜6程度のアルケンとの
共重合体を例示することができる。好ましくは、プロピ
レン単量体84〜99.9重量%、好ましくは92〜9
9.7重量%、さらに好ましくは94〜99重量%と、
エチレン及びブテンから選択された少なくとも1種の単
量体、好ましくはエチレン0.1〜16%、好ましくは
0.3〜8重量%、さらに好ましくは1〜6重量%とか
らなる共重合体である。エチレン及びブテンから選択さ
れた少なくとも1種の単量体の含有量が少ない場合に
は、ポリプロピレン系共重合体と蒸着層との密着強度が
向上しない。逆に、多い場合には、フィルム表面が粘着
したり、融点が低くなるために耐熱性が劣るなどの理由
で、本発明の透明蒸着系フィルムの製造が困難となる。
【0012】また、ポリプロピレン系基材フィルムは、
ヘイズ0.3〜20%であることが重要である。ヘイズ
が0.3〜20%であることにより、透明蒸着系フィル
ムのヘイズを1%〜25%とすることができ、その結果
透明蒸着系フィルムの色調を改善することができる。ヘ
イズは、ポリプロピレン系基材フィルムに、ポリスチレ
ンやPBTなどの異種ポリマーを添加したり、アンチブ
ロッキング剤などの微粉末を添加することにより調整す
ることができる。また、複層ポリプロピレン系基材フィ
ルムのコア層として、ブロック型のポリプロピレン共重
合体を使用することにより調整することもできる。
【0013】微粉末としては、たとえば(イ)シリカ、
アルミナ、合成ゼオライト、カオリン、タルク、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、石英粉、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム等の無機系微粉末、
(ロ)ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリア
ミドイミド等の熱可塑性樹脂、(ハ)架橋アクリル樹
脂、架橋メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹
脂、アミノ樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂等
を挙げることができる。微粉末の平均粒子径は、蒸着特
性、耐ブロッキング性、すべり性、透明性を損なわない
範囲で選択でき、通常0.05〜10μm、好ましくは
0.1〜5μmである。
【0014】ポリプロピレン系基材フィルムは、ブリー
ドによる弊害、たとえば透明性、摩擦性、密着性等の機
能を阻害しない範囲で、種々の添加剤、例えば紫外線吸
収剤、帯電防止剤、結晶核成長剤、スチレン系樹脂、テ
ルペン系樹脂、石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、
クマロニンデン樹脂等のクマロン樹脂、フェノール樹
脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂等の炭化水
素系重合体、可塑剤、充填剤、アンチブロッキング剤、
酸化防止剤等を含むことができる。
【0015】(酸化アルミニウム薄膜)本発明で用いる
酸化アルミニウム薄膜は、真空蒸着方法などによりアル
ミニウム金属をポリプロピレン系基材フィルムの表面に
蒸着させて得られるものである。酸化アルミニウム薄膜
は、Al、Al、Al水和物、Al(O
H)などの混合物からなる。アルミニウムと酸素の原
子比は、Al:O=2:2〜3、好ましくはAl:O=
2:2.3〜2.9、さらに好ましくはAl:O=2:
2.5〜2.8程度のものである。アルミニウムと酸素
の原子比が、Al:O=2:2未満の場合は透明性が実
用レベルではなくなり、Al:O=2:3を超える場合
は脆くなる。アルミニウムと酸素の原子比は、アルミニ
ウム金属を蒸着させる際に、酸素ガスの導入量を調整す
ることにより調整することができる。酸化アルミニウム
は、酸化ケイ素に比べて、より薄い薄膜を形成できるの
で、透明蒸着系フィルムの可撓性を向上できるという利
点を有している。
【0016】酸化アルミニウム薄膜の厚さは、例えば5
0〜5000Å、好ましくは100〜1000Å、さら
に好ましくは100〜500Å程度である。薄膜の厚さ
が、50Å未満の場合は、製膜が不充分であり、500
0Åを超える場合は、膜の緻密さに欠け、バリヤー性が
劣ると共に膜が容易に脱落し易くなる。
【0017】(有機物層)本発明で用いる有機物層は、
特に限定しない高分子物質からなるが、ヘイズ0.3%
〜20%を有することが重要である。このような有機物
層は、透明蒸着系フィルムのヘイズを1〜25%に低減
させることができ、その結果透明蒸着系フィルムの色調
を改善し、またバリヤー性能を向上または安定化させる
効果を有する。
【0018】有機物層のヘイズが、0.3%未満の場合
は透明蒸着系フィルムの色調が悪くなり、また20%を
超える場合には透明蒸着系フィルムの透明感がなくなる
ことから実用性に乏しいものとなる。有機物層のヘイズ
は、上述した微粉末を添加したり、上述のポリマーを混
合することにより、調製することができる。
【0019】高分子物質としては、例えば塩化ビニリデ
ン系ポリマー、エチレン−ビニルアルコール系ポリマ
ー、ビニルアルコール系ポリマー、アミド系ポリマー、
アクリロニトリル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウ
レタン系ポリマー、エステル系ポリマー、エポキシ系ポ
リマーなどを挙げることができる。これらのポリマーは
単独であってもよいが、数種類の組合せであってもよ
い。
【0020】また、高分子物質は、チタン系、ポリエチ
レン系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等の
アンカーコート剤、好ましくはウレタン系、ポリエステ
ル系のアンカーコート剤であってもよい。さらに、必要
に応じて無機物が添加されていてもよい。さらに、熱融
着性を有していても良く、その場合は、そのまま熱シー
ルして製袋できるので包装適性に優れたものである。
【0021】2.透明蒸着系フィルムの構成 本発明の透明蒸着系フィルムは、上記した通りのポリプ
ロピレン系基材フィルムと、酸化アルミニウム薄膜と、
有機物層とからなり、該ポリプロピレン系基材フィルム
の少なくとも一方の表面に該酸化アルミニウム薄膜を蒸
着させ、該酸化アルミニウム薄膜上に該有機物層を積層
させてなるものである。
【0022】また、本発明の透明蒸着系フィルムは、
(1)1〜25%のヘイズ、(2)30ml/m/日
以下の酸素ガス透過速度(20℃)、(3)6g/m
/日以下の水蒸気透過速度(40℃、90%相対湿度)
を有するものである。
【0023】ヘイズが1〜25%の範囲内にある場合に
は、適度な散乱透過光が得られ、透明蒸着系フィルムの
色調を改善することができる。ヘイズが1%未満の場合
には、透明蒸着系フィルムの色調が黒色側となり、実用
性に乏しくなる。この現象は、特に透明蒸着系フィルム
が重なったロール状態の場合では、下層側のフィルムと
の相乗効果で、著しく悪くなる傾向にある。一方ヘイズ
が25%を超える場合には、透明蒸着系フィルムの透明
性が悪くなり、内容物の視認性が低下するので、実用性
に乏しくなる。また、酸素ガス透過速度が30ml/m
/日を超えたり、水蒸気透過速度6g/m/日を超
えると、内容物の保存性に欠けるので、実用的でなくな
る。
【0024】さらに、本発明の透明蒸着系フィルムは、
ポリプロピレン/酸化アルミニウムの密着強度、及び、
酸化アルミニウム薄膜層/有機物層の密着強度が、共に
120gf/15mm幅以上であることが好ましく、よ
り好ましくは200gf/15mm幅以上である。密着
強度が、いずれも120gf未満の場合には実用時にデ
ラミネーションしたり、袋の強度が低下するなどの不具
合が生じる。
【0025】3.透明蒸着系フィルムの製造方法 本発明の透明蒸着系フィルムは、上記したポリプロピレ
ン系基材フィルムの少なくとも一方の表面に、酸化アル
ミニウムを蒸着して酸化アルミニウム薄膜を形成させ、
次いで該酸化アルミニウム薄膜上に有機物層を積層させ
ることによって製造することができる。
【0026】ポリプロピレン系基材フィルムは、特に限
定するものではなく、ポリプロピレン系樹脂を公知の方
法により成形してフィルムを製造することができる。ポ
リプロピレン系基材フィルムが、コア層とスキン層とか
らなる複層フィルムの場合は、コア層を形成するポリプ
ロピレン系樹脂とスキン層を形成するポリプロピレン系
共重合体とを、Tダイやリングダイから溶融押出するこ
とにより、ダイ内の流路で両者を合流させて複合化し、
これを延伸してフィルム化した後、冷却することにより
複層ポリプロピレン系基材フィルムを製造することがで
きる。この場合、スキン層は、コア層の片面または両面
に形成することもできる。
【0027】ポリプロピレン系樹脂のフィルムへの延伸
は、慣用の延伸方法、たとえばロール延伸方法、テンタ
ー延伸方法、チューブ延伸方法やこれらを組合せた延伸
方法等を採用して行なうことができる。また、フィルム
への延伸は、ダイから溶融押出された樹脂を冷却した
後、行なうこともできる。
【0028】複合ポリプロピレン系基材フィルムは、所
望によりさらに表面処理することができる。表面処理す
ることにより、密着性を改善することができる。表面処
理は、慣用の処理方法、たとえばコロナ放電処理方法、
火炎処理方法、プラズマ処理方法、オゾンや紫外線照射
処理方法、電子線照射処理方法等を採用して行なうこと
ができる。また、表面処理は、通常延伸処理後に行う
が、フィルムへの延伸処理に先立って行うこともでき
る。
【0029】次いで、得られた複合ポリプロピレン系基
材フィルムの少なくとも一方の表面に、酸化アルミニウ
ム薄膜を蒸着させる。酸化アルミニウム薄膜は、慣用の
方法、例えば物理的方法(真空蒸着法、反応蒸着法、ス
パッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、反応性イオンプレーディング法など)、
または化学的方法(CVD法、プラズマCVD法、レー
ザーCVD法など)により形成することができる。通
常、物理的方法により形成することができる。
【0030】複合ポリプロピレン系基材フィルムと酸化
アルミニウム薄膜との密着性をさらに向上するため、酸
化アルミニウム薄膜を蒸着するのに先立って、ポリプロ
ピレン系基材フィルムの表面に、予めチタン系、ポリエ
チレン系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等
のアンカーコート剤を塗布することができる。好ましい
アンカー剤は、ウレタン系、ポリエステル系のアンカー
コート剤である。アンカーコート剤の厚さは、例えば
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2.5μm程
度である。
【0031】次に、得られた酸化アルミニウム薄膜の表
面に、上述した有機物の有機溶媒溶液、水溶液あるいは
エマルジョン液を塗布し、これを乾燥することにより、
有機物層を形成する。
【0032】有機物の有機溶媒溶液、水溶液あるいはエ
マルジョン液は、有機物そのものを加熱溶解したり、有
機溶剤または水に溶解して調製することができる。有機
溶剤としては、有機物の種類に応じて適宜選択すること
ができる。また、塗布は、通常コーティング方法、例え
ばエアーナイフコート方法、ロールコート方法、グラビ
アコート方法、ブレードコーター方法、ディップコート
方法、スプレーコート方法等の慣用のコーティング方法
を採用して行なうことができる。さらに、酸化アルミニ
ウム層と有機物層との密着強度を上げるために、上述し
たアンカーコート剤を使用することも可能である。
【0033】また、透明蒸着系フィルムの色調は、適度
なヘイズを有するCPP系フィルムやL−LDP系フィ
ルム、EVAフィルムなどのシーラントフィルムを、本
発明の透明蒸着系フィルムにラミネートすることによ
り、さらに改善することもできる。
【0034】この様にして得られた本発明の透明蒸着系
フィルムは、組成及び構造が簡単であるにもかかわら
ず、優れたバリヤー性能と色調を保持している。そのた
め、包装材料などの広い用途で好適に使用できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の透明蒸着系フィルムを実施例
により、さらに詳細に説明する。しかし、本発明の透明
蒸着系フィルムはこれらに限定されるものではない。な
お、透明蒸着系フィルムの各層の厚さ及び物性(ヘイ
ズ、酸素ガス透過性、水蒸気透過性、色調、密着強度)
は、以下の方法により評価した。
【0036】[透明蒸着系フィルムの各層の厚さ]透過
型電子顕微鏡(日本電子製、JEM−1200EXI
I)を用い、透明蒸着系フィルムの断面写真を撮り、写
真上で各層の厚さを実測した後、これを写真倍率で割り
戻して求めた。 [ヘイズ]光線透過度測定装置(日本電色工業製、CO
H−300A)を用い、JISK7105に準拠して測
定した光線透過率から算出して求めた。 [酸素ガス透過速度]酸素ガス透過速度測定装置(モダ
ンコントロール社製、OXTRAN TWIN)を用
い、JIS K7126に規定するB法に準拠して温度
20℃及び相対湿度80%の条件で30分間測定するこ
とにより、酸素透過速度(ml/m/日)を求めた。 [水蒸気透過速度]水蒸気透過速度測定装置(モダンコ
ントロール社製、PERMATRAN W200)を用
い、JIS K7129に規定するB法に準拠して温度
40℃及び相対湿度90%の条件で測定することによ
り、水蒸気透過速度(g/m/日)を求めた。 [色調]0.3m幅のフィルムを、直径3インチの紙管
上に約500m巻き取り、得られたロールの表面と端面
の色調を目視で評価した。 [密着強度]透明蒸着系フィルムの蒸着面上に、ウレタ
ン二液型接着剤を固形分として2μmの厚さで被覆し、
80℃で60秒間乾燥した後、厚さ12μmのポリエス
テルフィルムをラミネートし、さらに40℃で72時間
エージングした。密着強度は、得られた透明蒸着系フィ
ルムについて、テンシロン装置(ORIENTEC製、
RTM100)を用い、JIS K6854に準拠した
90゜剥離試験方法により測定した。その際の剥離面
は、ポリプロピレン系基材フィルム/酸化アルミニウム
薄膜、酸化アルミニウム薄膜/有機物層のうち、弱い方
の界面であった。
【0037】(実施例1)コア層としての平均粒径2μ
mのシリカ微粒子100ppmを配合したポリプロピレ
ン系ホモポリマー(メルトフロレート2g/10分)
と、スキン層としてのポリプロピレン系共重合体(プロ
ピレン/エチレン=98/2(重量比))とを、通常の
Tダイを用いる共押出成形法により2軸延伸成形して複
層ポリプロピレン系基材フィルム(厚さ20μm、ヘイ
ズ0.6%)を作製した。次いで、得られたポリプロピ
レン系基材フィルムの表面に、真空蒸着装置を用いて酸
素ガスを導入しながらアルミニウム金属を蒸着させ、厚
さ150Åの酸化アルミニウムの薄膜を形成した。得ら
れた酸化アルミニウム薄膜のアルミニウム対酸素の原子
比は、Al:O=2:2.8であった。さらに、酸化ア
ルミニウム薄膜の表面に、別に調製したポリエステル樹
脂溶液を塗布した後、室温で空気乾燥して有機物層(厚
さ1μm、ヘイズ1.0%)を形成することにより透明
蒸着系フィルムを作製した。次いで、得られた透明蒸着
系フィルムについて、上記した方法により各種物性を測
定し、その結果を表1に示した。
【0038】ポリエステル樹脂溶液は、ステンレス製容
器(容量1リットル)中に有機溶剤(88重量部)を入
れ、これに平均粒径2μmのポリメチルメタアクリレー
ト粒子(日本触媒製、MA1002)2000ppmを
添加したポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン20S)
10重量部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレ
タン工業製、K−2)2重量部とを入れ、撹拌混合して
ポリエステル樹脂溶液を調製した。ポリエステル樹脂溶
液の配合割合は、上記の透明蒸着系フィルムのヘイズが
1%程度となるように設定した。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例2)実施例1において、ポリエス
テル樹脂の替わりに、ポリ塩化ビニリデン(旭化成製)を
用いて調製したポリ塩化ビニリデン溶液を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして透明蒸着系フィルムを作製
した。ポリ塩化ビニリデン溶液の配合割合は、有機物層
のヘイズが約1.5%と成るように調整した。次いで、
得られた透明蒸着系フィルムについて、実施例1と同様
にして各種の物性を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】(実施例3)実施例1において、ポリエス
テル樹脂溶液の替わりに、ポリビニルアルコール溶液を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして透明蒸着系フ
ィルムを作製した。ポリビニルアルコール溶液は、ポリ
ビニルアルコール(クラレ製、PVA217)5重量部
を純水94.5重量部に溶解し、さらにグリオキサール
(日本合成化学工業製)0.5重量部を混合撹拌して調
製した。ポリビニルアルコール溶液の配合割合は、有機
物層のヘイズが約2%と成るように調整した。次いで、
得られた透明蒸着系フィルムについて、実施例1と同様
にして各種物性を測定し、その結果を表1に示した。
【0042】(実施例4)実施例1において、コア層と
してのポリプロピレン系ホモポリマーにシリカ微粒子を
1200ppm添加したこと、及びポリエステル樹脂溶
液を調製する際にポリメチルメタアクリレート粒子を添
加しなかったことを除いて、実施例1と同様にして透明
蒸着系フィルムを作製した。ポリエステル樹脂溶液の配
合割合は、有機物層のヘイズが約0.2%と成るように
調整した。次いで、得られた透明蒸着系フィルムについ
て、実施例1と同様にして各種物性を測定し、その結果
を表1に示した。
【0043】(比較例1)実施例1において、ポリエス
テル樹脂溶液を調製する際に、ポリメチルメタアクリレ
ート粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様
にして透明蒸着系フィルムを作製した。得られた透明蒸
着系フィルムについて、実施例1と同様にして各種物性
を測定し、その結果を表2に示した。紙管に巻き取った
ロールフィルムの色調は黒土色であり実用に耐えないも
のであった。
【0044】
【表2】
【0045】(比較例2)実施例1において、ポリプロ
ピレン系基材フィルムのスキン層としてポリプロピレン
系コポリマーを用いる替わりに、ポリプロピレン系ホモ
ポリマーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして透
明蒸着系フィルムを作製した。得られた透明蒸着系フィ
ルムについて、実施例1と同様にして各種物性を測定
し、その結果を表2に示した。
【0046】(比較例3)実施例3において、ポリビニ
ルアルコール溶液を調製する際に、グリオキサールを混
合しなかったこと以外は、実施例3と同様にして透明蒸
着系フィルムを作製した。得られた透明蒸着系フィルム
について、実施例1と同様にして各種物性を測定し、そ
の結果を表2に示した。
【0047】表1から明らかなように、実施例1〜4の
透明蒸着系フィルムは、いずれも色調、酸素ガス透過速
度、水蒸気透過速、密着強度が優れるものであった。こ
れに対して、表2の比較例1〜3の透明蒸着系フィルム
は、色調または密着強度のいずれかが劣り、実用に耐え
ないものであった。
【0048】
【発明の効果】本発明の透明蒸着系フィルムは、前記の
ごとき優れたバリヤー性と改善された色調とを有すると
いう効果を奏する。その結果、本発明の透明蒸着系フィ
ルムは、食品分野、医薬品分野、精密電子部品分野等の
各種包装用材料として好適に用いることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 BA04 BA15 BA40 BB02 BB05 BB22 CA01 CA28 CA29 4F006 AA12 AB74 BA05 CA07 DA01 4F100 AA19B AA19D AK01C AK01E AK04C AK04E AK07A AK16C AK16E AK21C AK21E BA03 BA05 BA06 BA10A BA10C BA10E BA13 EH66B EH66D GB15 GB23 GB41 GB66 JD03 JD04 JK06 JM02B JM02D JN01 YY00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系基材フィルムと、該ポ
    リプロピレン系基材フィルムの少なくとも一方の表面に
    蒸着させた酸化アルミニウム薄膜と、該酸化アルミニウ
    ム薄膜上に積層させた有機物層とからなるフィルムであ
    って、該フィルムは、下記(1)〜(3)を満足するこ
    とを特徴とする透明蒸着系フィルム。 (1)1〜25%のヘイズ (2)30ml/m/日以下の酸素ガス透過速度(2
    0℃) (3)6g/m/日以下の水蒸気透過速度(40℃、
    90%相対湿度)
  2. 【請求項2】 該ポリプロピレン系基材フィルムと該酸
    化アルミニウム薄膜との密着強度、及び該酸化アルミニ
    ウム薄膜と該有機物層との密着強度は、いずれも120
    gf/15mm幅以上であることを特徴とする請求項1
    記載の透明蒸着系フィルム。
  3. 【請求項3】 該ポリプロピレン系基材フィルムのヘイ
    ズは、0.3〜20%であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の透明蒸着系フィルム。
  4. 【請求項4】 該有機物層のヘイズは、0.3〜20%
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の透明蒸着系フィルム。
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