JP2001247561A - スクラレオライドの製造方法 - Google Patents

スクラレオライドの製造方法

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JP2001247561A JP2000062551A JP2000062551A JP2001247561A JP 2001247561 A JP2001247561 A JP 2001247561A JP 2000062551 A JP2000062551 A JP 2000062551A JP 2000062551 A JP2000062551 A JP 2000062551A JP 2001247561 A JP2001247561 A JP 2001247561A
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謙一郎 足立
Hiroyuki Matsuda
洋幸 松田
Toshimitsu Hagiwara
利光 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明の目的は、スクラレオールを出発原
料にし、スクラレオールの側鎖部分を酸化開裂すること
でスクラレオライドへ変換する方法において、中間体と
して生成するヒドロキシケトンおよび/またはエノール
エーテルを単離処理することなく連続的に反応を行うこ
とにより、煩雑な操作を必要とせず、高収率で、実用性
に優れた工業的なスクラレオライドの製造方法を提供す
ることにある。 【解決手段】式(1); 【化16】 で表されるスクラレオールを、有機溶媒中、ルテニウム
触媒、相間移動触媒およびアルカリ存在下、過硫酸塩で
酸化し、式(2); 【化17】 で表されるヒドロキシケトンおよび/または式(3); 【化18】 で表されるそのエノールエーテルを生成させ、これを次
亜塩素酸塩で酸化することを特徴とする式(4); 【化19】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、スクラレオールの
酸化反応による、それ自身香料として或いは香料の中間
体として使用されるスクラレオライドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スクラレオライド(化学名:3a,6,6,
9a−テトラメチルデカヒドロナフト[2,1−b]フラ
ン2(1H)−オン)は、煙草の喫味改良剤として快適
な木様の香を与えるものとして重要であり(米国特許第
2,905,576号)、また、アンバー系調合香料の
素材として優れた役割を果たす化合物として知られてい
るl−アンブロックス(化学名:3a,6,6,9a−テト
ラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フラン)の
合成中間体としても知られている。
【0003】従来から、天然のスクラレオライドと立体
的および化学的に同一である化合物を合成する方法とし
ては、クラリーセージの抽出物に含まれているスクラレ
オールを出発原料にし、側鎖部分を酸化開裂することに
よりスクラレオライドへ変換する方法が一般的に知られ
ているが、近年に至り、更に幾つかの製造方法が提案さ
れ公知となっている。
【0004】例えば、米国特許第3,050,532号
には、スクラレオールをアルカリ性条件下過マンガン酸
カリウムで酸化した後、酢酸酸性条件下で再び過マンガ
ン酸カリウムを用いて酸化する二段階でスクラレオライ
ドの等価体であるアセトキシカルボン酸を主生成物とす
るスクラレオライド混合物を得る方法が記載開示されて
いる。しかし、この方法によれば、過マンガン酸カリウ
ムを化学量論的に必要とすること、環境保護上問題とな
る過マンガン酸カリウム廃液を多量に排出すること、お
よび二段階目の反応時間が20時間程度かかることな
ど、工業的な生産において問題が多い。
【0005】また、米国特許第5,247,100号に
は、前述した方法の問題点を改良すべく、一段階目をア
ルカリ性条件下触媒量のルテニウム触媒と次亜塩素酸ソ
ーダ系で酸化した後、塩酸処理によりエノールエーテル
を主生成物とする酸化中間体混合物を得、次いで、二段
階目を有機過酸或いはその塩を用いる酸性条件下で酸化
することで、二段階目の反応時間を3時間に短縮し、ス
クラレオライドを得る方法が報告されている。しかしな
がら、この改良方法においてもpHの異なる2種類の酸
化条件を組み合わせた二段階反応であり、一段階後の酸
化剤の処理、酸性化処理、抽出操作、または溶媒の留去
などの後処理も含めた操作の煩雑さおよびそれに伴う処
理時間の累積は、反応時間短縮の優位性を効果的に反映
できないことになる。
【0006】上述したような二段階からなる操作の煩雑
さを回避することを目的として、スクラレオールからル
テニウム触媒/次亜塩素酸ソーダ系により一段階の酸化
条件でスクラレオライドまで変換する方法が知られてい
る(特表平7―505405号公報)。しかしながら、
この方法では、固体粉末のスクラレオールを有機溶媒の
不存在下、水溶媒中ノニオン系の乳化剤を用いて水性分
散液の形態で存在させるもので、5時間程度の短時間で
反応を行う条件としては、更に超音波の適用やホモジナ
イザーの使用などにより、特に微細な分散液の形成を促
進する必要があり、操作上も煩雑であった。
【0007】また、その他の一段階酸化反応としては、
ルテニウム触媒/過ヨウ素酸ソーダ系により収率88%
でスクラレオライドまで変換する方法が知られているが
(Tetrahedron Let. Vol.34, 629(1993))、過ヨウ素酸
ソーダは高価で危険性を伴うため実用的ではない。ま
た、四酸化オスミウム/過ヨウ素酸ソーダ系によりスク
ラレオライド等価体を含む混合物まで変換する方法が知
られているが(スペイン特許第2,044,780
号)、過ヨウ素酸ソーダに加え毒性の高い四酸化オスミ
ウムを使用していることからも多くの問題を含んでい
た。
【0008】従って、スクラレオールを出発原料にし、
側鎖部分を酸化開裂することでスクラレオライドへ変換
する合成手法において、反応時間だけでなく反応処理時
間を含めた製造時間の短縮および現実的な試薬や装置を
含めた操作性の改善、簡素化が強く望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スク
ラレオールを出発原料にし、スクラレオールの側鎖部分
を酸化開裂することでスクラレオライドへ変換する方法
において、中間体として生成するヒドロキシケトンおよ
びエノールエーテルを単離処理することなく連続的に反
応を行うことにより、煩雑な操作を必要とせず、高収率
で、実用性に優れた工業的なスクラレオライドの製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の要望
に応えるべく鋭意検討を重ねた結果、スクラレオールを
出発原料として使用し、スクラレオールの側鎖部分をル
テニウム触媒により酸化開裂しヒドロキシケトンおよび
エノールエーテルを生成する第一段階と、それらからス
クラレオライドを生成する第二段階からなるスクラレオ
ライドの製造方法において、第一段階の酸化を過硫酸塩
の存在下に行うことにより、中間体のヒドロキシケトン
およびエノールエーテルを高収率で生成することがで
き、更に、第二段階の酸化において、第一段階で生成し
たヒドロキシケトンおよびエノールエーテルを単離せず
に第一段階終了後の反応系中に次亜塩素酸塩を添加し連
続的に酸化反応を行うことにより、従来の中間体を単離
した後に再び酸化反応を行うスクラレオライドの製造方
法に比べて、著しく収率が向上することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、スクラレオールを、有機
溶媒中、ルテニウム触媒、相間移動触媒、アルカリおよ
び過硫酸塩の存在下に酸化反応を行うことによりヒドロ
キシケトンおよびエノールエーテルを生成する第一段階
と、これらを単離することなく第一段階終了後の反応系
中に次亜塩素酸塩を添加して連続的に第二段階の酸化反
応を行うことによりスクラレオライドを製造する方法を
提供するものである。したがって、本発明は(1)式
(1):
【化8】 で表されるスクラレオールを、有機溶媒中、ルテニウム
触媒、相間移動触媒およびアルカリの存在下、過硫酸塩
で酸化することを特徴とする式(2):
【化9】 で表されるヒドロキシケトンおよび/または式(3):
【化10】 で表されるそのエノールエーテルの製造方法、(2)式
(1):
【化11】 で表されるスクラレオールを、有機溶媒中、ルテニウム
触媒、相間移動触媒およびアルカリの存在下、過硫酸塩
で酸化し、式(2):
【化12】 で表されるヒドロキシケトンおよび/または式(3):
【化13】 で表されるそのエノールエーテルを生成させ、これを次
亜塩素酸塩で酸化することを特徴とする式(4):
【化14】 で表されるスクラレオライドの製造方法、(3)有機溶
媒としてクロロベンゼンまたはn−ヘプタンとクロロベ
ンゼンの混合溶媒を使用することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の製造方法、(4)アルカリ
として水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウム
を使用することを特徴とする前記(1)〜(3)のいず
れかに記載の製造方法、(5)スクラレオールに対して
3〜30倍モル量の過硫酸塩を使用することを特徴とす
る前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法、お
よび(6)過硫酸塩が過硫酸ナトリウムであることを特
徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方
法、に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に関わるスクラレオライド
の製造方法は、下図に示した反応工程に従い行われる
が、以下に本発明の好ましい実施の態様について詳細に
述べる。
【化15】
【0013】本発明によれば、スクラレオール(1)
を、有機溶媒中にて触媒量のルテニウム触媒、触媒量の
相間移動触媒およびアルカリの存在下、酸化剤として過
硫酸塩を使用して酸化反応を行うことにより、高収率で
ヒドロキシケトン(2)および/またはエノールエーテ
ル(3)を生成させることができる。第一段階の反応終
了後、生成したヒドロキシケトン(2)および/または
エノールエーテル(3)を単離することなく連続的に次
亜塩素酸塩を添加して数時間攪拌することにより、単一
反応容器中においてスクラレオライド(4)を高収率で
製造することができる。
【0014】また、第一段階における酸化反応終了時に
反応を終了させることにより、生成したヒドロキシケト
ン(2)および/またはエノールエーテル(3)を高収
率で製造することもできる。
【0015】本反応において使用されるルテニウム触媒
としては、塩化ルテニウム、二酸化ルテニウムまたは四
酸化ルテニウム等が挙げられるが、塩化ルテニウムが好
ましい。触媒量としては、スクラレオールに対して約
0.1〜30モル%程度、好ましくは約0.5〜10モ
ル%程度である。
【0016】相間移動触媒としては、例えばテトラアル
キルアンモニウム塩等が挙げられる。その種類は特に限
定されないが、硫酸水素テトラブチルアンモニウム塩、
塩化トリオクチルメチルアンモニウム塩または臭化テト
ラブチルアンモニウム塩等各種四級アンモニウム塩が好
ましい。触媒量としては、スクラレオールに対して約
0.1〜30モル%程度、好ましくは約0.5〜10モ
ル%程度である。
【0017】アルカリとしては、アルカリ金属あるいは
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩またはそれらの混
合物の水溶液が挙げられるが、水酸化ナトリウムおよび
/または炭酸ナトリウム等が好ましい。アルカリ水溶液
の使用量としては、使用する過硫酸塩に対して約50〜
1000モル%程度、好ましくは約100〜500モル
%程度である。
【0018】有機溶媒は、単一の溶媒でも混合溶媒でも
よい。混合有機溶媒としては、原料のスクラレオールを
良好に溶かし二相系における沸点が必要とする反応温度
以上であれば良い。有機溶媒としては、塩化メチレン、
クロロベンゼン或いはテトラクロロエチレン等のハロゲ
ン化溶媒、トルエン或いはヘプタン等の炭化水素溶媒、
またはそれらの混合溶媒が使用でき、クロロベンゼンま
たはクロロベンゼンとヘプタンの混合溶媒が特に好まし
い。また、これらの有機溶媒は通常非親水性であるが、
本発明の反応系には、上記有機溶媒以外に、例えば水な
どの他の溶媒が存在していてもよい。相間移動触媒を用
いるので、反応系は好ましくは有機溶媒層と水層からな
り、反応は通常有機溶媒層中で行われる。溶媒量として
は、スクラレオールに対して約1〜30倍容量程度、好
ましくは約3〜10倍容量程度である。
【0019】過硫酸塩としては、過硫酸ナトリウム、過
硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウム等が挙げられる
が、過硫酸ナトリウムが好ましい。過硫酸ナトリウムの
使用量としては、スクラレオールに対して約3〜30倍
モル程度、好ましくは約5〜15倍モル程度である。
【0020】次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えば次亜塩素酸
ナトリウムまたは次亜塩素酸カリウム等が挙げられる
が、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。次亜塩素酸塩水
溶液の濃度としては、約5容量%〜20容量%程度、好
ましくは約10容量〜15容量%程度である。次亜塩素
酸水溶液の使用量としては、スクラレオールに対して有
効塩素濃度として約1〜20倍モル程度、好ましくは約
3〜10倍モル程度である。
【0021】反応温度としては、室温〜約80℃程度の
広範囲において可能であるが、反応の収率および反応時
間の関係から特に約40〜60℃程度が好ましい。
ここで、室温とは、約10℃〜35℃程度の温度をい
う。
【0022】反応時間としては、諸条件により異なる
が、第一段階だけの場合で1〜6時間程度、連続的に第
二段階まで行う場合で3〜10時間程度必要とするが、
転化率および操作性等から好ましくは4〜8時間程度で
ある。
【0023】本発明における反応の際に、スクラレオラ
イド(4)の他にヒドロキシカルボン酸塩(7)が反応
系中に生成するが、これらは常法に従い、例えば塩酸な
どの存在下にトルエン溶媒で水抜きなどを行い環化反応
を行うことで容易にスクラレオライド(4)に変換する
ことができる。該反応の反応温度としては、約80〜1
50℃程度が好ましい。また、該反応の反応時間として
は、約1〜3時間程度必要とする。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。なお、%は特に断りのない限り、容量%を表
す。
【0025】〔実施例1〕 スクラレオールからヒドロキシケトンおよび/またはエ
ノールエーテルの合成 200ml 4つ口フラスコにスクラレオール(2.0g,
6.48mmol)、塩化ルテニウム(40mg,1.93mm
ol)、テトラブチル硫酸水素アンモニウム(20mg,
0.06mmol)、50重量%水酸化ナトリウム水溶液
(12.0g,149mmol)、ヘプタン(2ml)/クロ
ロベンゼン(8ml)混合溶媒、およびヘキサデカン(内
標:0.293g,1.30mmol)を量り込み、20℃
以下を保ちながら過硫酸ナトリウム水溶液(15.4
g,64.8mmol:水33ml)を6分かけて滴下した。
同温で30分間攪拌した後、50℃に加熱し5時間反応
をおこなった。ガスクロマトグラム上で、原料ピークが
消失したところで反応終了とした。反応終了時はヒドロ
キシケトンが主生成物であるが、下記酸性処理により等
価体のエノールエーテルに変換し収率測定を行った。氷
浴で反応液を冷却し、40℃以下に保ちつつ10%塩酸
を10分かけて滴下し、pH1〜2として30分間攪拌
後、トルエン10mlと水道水20mlを加えて静置・分液
した。水相を廃棄し、有機相を水道水20mlで洗浄し、
ガスクロマログラムにて内標収率を決定した(内標収率
93.6%:スクラレオールから)。
【0026】〔実施例2〕以上の標準操作を基に、溶媒
およびアルカリに関する各種反応条件について検討を行
ったので、その結果を以下の表に示す。
【表1】 表1より、クロロベンゼンまたはn-ヘプタンとクロロ
ベンゼンの混合溶媒を使用した場合には、反応時間が短
く、内標収率においても90%以上の高い数値を示し
た。
【0027】
【表2】 表2より、水酸化ナトリウムを使用した場合には、反応
時間が短く、内標収率において90%以上の高い数値を
示した。
【0028】〔実施例3〕 スクラレオールからスクラレオライドの合成 200ml4つ口フラスコにスクラレオール(2.0g,
6.48mmol)、塩化ルテニウム(40mg,1.93mm
ol)、テトラブチル硫酸水素アンモニウム(20mg,
0.06mmol)、50重量%水酸化ナトリウム水溶液
(12.0g,149mmol)、ヘプタン(2ml)とクロ
ロベンゼン(8ml)混合溶媒、およびヘキサデカン(内
標:0.293g,1.30mmol)を量り込み、20℃
以下を保ちながら過硫酸ナトリウム水溶液(15.4
g,64.8mmol:水33ml)を6分かけて滴下した。
同温で30分間攪拌した後、50℃に加熱し5時間反応
をおこなった。ガスクロマトグラム上で原料ピークが消
失したところで、同温を保ちつつ次亜塩素酸ナトリウム
水溶液(28g:有効塩素濃度10.8%)を10分か
けて滴下した。2時間後、ガスクロマトグラムにて中間
体の消失を確認し、反応終了とした。氷浴で反応液を冷
却し、30℃以下を保ちつつ20%亜硫酸ナトリウム水
溶液(2ml)を滴下し、30分間攪拌した。次いで10
%塩酸5mlを5分かけて滴下し、pH6として15分間
攪拌後、トルエン10mlと水道水20mlを加えて静置・
分液した。界面のモヤを含む有機相を10%塩酸2mlで
洗浄し、有機相について2時間水抜き還流をおこなって
スクラレオライドの内標収率をガスクロマトグラムにて
決定した(内標収率78.4%:スクラレオールか
ら)。
【0029】〔比較例〕 エノールエーテルからスクラレオライドの合成 以下に、実施例2の第一段階の酸化反応終了後に単離し
て得られたエノールエーテルを使用して、本発明のスク
ラレオライドの製造方法との比較を行った。200ml4
つ口フラスコに塩化ルテニウム(40mg,1.93mmo
l)、テトラブチル硫酸水素アンモニウム(17mg,1
重量%)、50重量%水酸化ナトリウム水溶液(2.6
g,32.5mmol)、ヘプタン/クロロベンゼン(1/
4)混溶媒4.3ml、およびヘキサデカン(内標:0.
293g,1.30mmol)を量り込み、20℃以下を保
ちながら次亜塩素酸ナトリウム水溶液(28g:有効塩
素濃度10.8%)を10分かけて滴下し、15分間攪
拌して酸化剤を調製した。同温度でヘプタン/クロロベ
ンゼン(1/4)混合溶媒4.3mlに溶解したエノール
エーテル(1.70g,6.48mmol)を10分間かけ
て滴下し、50℃に加熱して3時間反応を行った。初め
の1時間前後は、多少反応による発熱があるために必要
に応じて冷却を行った。ガスクロマトグラム上で原料ピ
ーク消失を確認し、反応終了とした。その後、実施例2
と同様な処理を行い、スクラレオライドの内標収率をガ
スクロマトグラムにて決定した(内標収率66.0%:
エノールエーテル体から)。
【0030】上記比較例で示した通り、中間体であるヒ
ドロキシケトンおよびエノールエーテルを単離して行う
二段階による酸化反応ではスクレオライドの収率は66
%であったのに対して、本発明である実施例2の第一段
階と第二段階を連続的に行う酸化反応ではスクレオライ
ドの収率は78.4%であり、10%以上の大幅な収率
の改善が認められた。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法においては、従来の製
造方法のように第一段階酸化後の反応停止および後処理
等で中間体のヒドロキシケトン或いはエノールエーテル
を単離する必要が無く、また、操作的にも通常の加熱攪
拌だけで、特に微細な分散液の形成のために超音波或い
はホモジナイザーなどを使用する煩雑な操作も不要であ
る。従って、従来法に比べて各反応工程間の後処理が不
要となり、反応時間ばかりでなく反応処理時間も含めた
製造に要する時間を大幅に短縮することを可能とした。
また、単一の反応容器で連続的に反応を行うことから、
実用性に優れた簡便な操作により、高収率でスクラレオ
ライドを製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 萩原 利光 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C037 TA02 4C062 HH55 4G069 AA06 BA21A BA21B BB08B BB10B BB11B BC70B CB07 CB71 CB72 4H006 AA02 AB14 AC13 AC44 BA23 BA37 BA65 BB11 BB12 BE03 BE10 BE12 4H039 CA62 CC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1): 【化1】 で表されるスクラレオールを、有機溶媒中、ルテニウム
    触媒、相間移動触媒およびアルカリの存在下、過硫酸塩
    で酸化することを特徴とする式(2): 【化2】 で表されるヒドロキシケトンおよび/または式(3): 【化3】 で表されるエノールエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(1): 【化4】 で表されるスクラレオールを、有機溶媒中、ルテニウム
    触媒、相間移動触媒およびアルカリの存在下、過硫酸塩
    で酸化し、式(2): 【化5】 で表されるヒドロキシケトンおよび/または式(3): 【化6】 で表されるエノールエーテルを生成させ、これを次亜塩
    素酸塩で酸化することを特徴とする式(4): 【化7】 で表されるスクラレオライドの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒としてクロロベンゼンまたはn
    −ヘプタンとクロロベンゼンの混合溶媒を使用すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリとして水酸化ナトリウムおよび
    /または炭酸ナトリウムを使用することを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 スクラレオールに対して3〜30倍モル
    量の過硫酸塩を使用することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 過硫酸塩が過硫酸ナトリウムであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法。
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CN100355742C (zh) * 2005-02-24 2007-12-19 陕西师范大学 香紫苏内酯的合成方法
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CN102766123A (zh) * 2011-05-04 2012-11-07 焦作市馨之源科技有限公司 一种由香紫苏醇合成香紫苏内酯的生产工艺
JP2014527051A (ja) * 2011-08-05 2014-10-09 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ C−9位に酸素が官能化されたラブダン誘導体

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