JPH09227434A - 6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法 - Google Patents
6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法Info
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- JPH09227434A JPH09227434A JP8060084A JP6008496A JPH09227434A JP H09227434 A JPH09227434 A JP H09227434A JP 8060084 A JP8060084 A JP 8060084A JP 6008496 A JP6008496 A JP 6008496A JP H09227434 A JPH09227434 A JP H09227434A
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- bromo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−ナフトールの臭素化、脱臭素化反応によ
り6−ブロモ−2−ナフトールを経済的、工業的に製造
する。 【解決手段】 2−ナフトールをアルコール溶媒下臭素
で臭素化反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトー
ルとなし、1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離す
ることなく亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加して脱
臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに変換
し、反応液を液液分離して6−ブロモ−2−ナフトール
を回収する。
り6−ブロモ−2−ナフトールを経済的、工業的に製造
する。 【解決手段】 2−ナフトールをアルコール溶媒下臭素
で臭素化反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトー
ルとなし、1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離す
ることなく亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加して脱
臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに変換
し、反応液を液液分離して6−ブロモ−2−ナフトール
を回収する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2−ナフトール
を臭素化して1,6−ブロモ−2−ナフトールとなし、
これを脱臭素化して6−ブロモ−2−ナフトールを製造
する方法に関するもので、詳しくは臭素化および脱臭素
化を同一反応系で実施し、6−ブロモ−2−ナフトール
を製造する方法に関する。
を臭素化して1,6−ブロモ−2−ナフトールとなし、
これを脱臭素化して6−ブロモ−2−ナフトールを製造
する方法に関するもので、詳しくは臭素化および脱臭素
化を同一反応系で実施し、6−ブロモ−2−ナフトール
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】6−ブロモ−2−ナフトールは、鎮痛剤
として一般に広く使用されている「ナプロキセン(Na
proxen)」または「ナブメトン(Nabumet
one)」の製造中間体である2−メトキシ−6−ブロ
モナフタレンの原料として知られている。
として一般に広く使用されている「ナプロキセン(Na
proxen)」または「ナブメトン(Nabumet
one)」の製造中間体である2−メトキシ−6−ブロ
モナフタレンの原料として知られている。
【0003】6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法と
しては、2−ナフトールを酢酸溶媒下で臭素により臭素
化して1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、この
反応液に錫を添加して脱臭素化反応を行い6−ブロモ−
2−ナフトールを製造する方法(Organic Sy
nthesis, Collective Volum
e 3(1955),P132〜133)、1,6−ジ
ブロモ−2−ナフトールを、遊離の形またはアルカリ塩
の形で亜硫酸アルカリと共に加熱し、6−ブロモ−2−
ナフトールを製造する方法(ドイツ特許No.5706
76号公報)が知られている。
しては、2−ナフトールを酢酸溶媒下で臭素により臭素
化して1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、この
反応液に錫を添加して脱臭素化反応を行い6−ブロモ−
2−ナフトールを製造する方法(Organic Sy
nthesis, Collective Volum
e 3(1955),P132〜133)、1,6−ジ
ブロモ−2−ナフトールを、遊離の形またはアルカリ塩
の形で亜硫酸アルカリと共に加熱し、6−ブロモ−2−
ナフトールを製造する方法(ドイツ特許No.5706
76号公報)が知られている。
【0004】また、6−ブロモ−2−メトキシナフタレ
ンの製造方法としては、2−メトキシナフタレンを酢酸
溶媒下で臭素により臭素化して1,6−ジブロモ−2−
メトキシナフタレンとなし、この反応液に鉄を添加して
脱臭素化反応を行い6−ブロモ−2−メトキシナフタレ
ンを製造する方法(特開昭61−100539号公報)
が提案されている。
ンの製造方法としては、2−メトキシナフタレンを酢酸
溶媒下で臭素により臭素化して1,6−ジブロモ−2−
メトキシナフタレンとなし、この反応液に鉄を添加して
脱臭素化反応を行い6−ブロモ−2−メトキシナフタレ
ンを製造する方法(特開昭61−100539号公報)
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記Organic
Synthesis, Collectiveに開示の
方法は、臭素化反応後、生成物を分離することなくこの
反応液に錫を添加して同一反応容器内で脱臭素化反応を
行うものであり、この点では効率的である。しかし、こ
の方法は、錫が容易に入手できる金属ではなく、また臭
化錫を多量副生するため特殊な廃棄物処理が必要とな
る。また、脱臭素化反応液から目的とする6−ブロモ−
2−ナフトールの分離は、「晶析−濾過−抽出−洗浄」
の工程が必要となり、極めて煩雑な製造フローとなるた
め工業的ではない。
Synthesis, Collectiveに開示の
方法は、臭素化反応後、生成物を分離することなくこの
反応液に錫を添加して同一反応容器内で脱臭素化反応を
行うものであり、この点では効率的である。しかし、こ
の方法は、錫が容易に入手できる金属ではなく、また臭
化錫を多量副生するため特殊な廃棄物処理が必要とな
る。また、脱臭素化反応液から目的とする6−ブロモ−
2−ナフトールの分離は、「晶析−濾過−抽出−洗浄」
の工程が必要となり、極めて煩雑な製造フローとなるた
め工業的ではない。
【0006】また、ドイツ特許No.570676号公
報に開示の方法は、予め臭素化反応による1,6−ジブ
ロモ−2−ナフトールの製造が必要であり、臭素化反応
を上記従来法のように酢酸溶媒等で実施する方法では、
脱臭素化反応時に亜硫酸アルカリが酢酸と反応して亜硫
酸ガスが発生するため、同一反応系で臭素化、脱臭素化
を実施するには問題がある。したがって、この方法は、
臭素化反応後、生成物の分離操作が不可欠であり、工業
的な製造方法とは言い難い。
報に開示の方法は、予め臭素化反応による1,6−ジブ
ロモ−2−ナフトールの製造が必要であり、臭素化反応
を上記従来法のように酢酸溶媒等で実施する方法では、
脱臭素化反応時に亜硫酸アルカリが酢酸と反応して亜硫
酸ガスが発生するため、同一反応系で臭素化、脱臭素化
を実施するには問題がある。したがって、この方法は、
臭素化反応後、生成物の分離操作が不可欠であり、工業
的な製造方法とは言い難い。
【0007】さらに、特開昭61−100539号公報
に開示の方法は、臭素化反応後、生成物を分離すること
なくこの反応液に鉄を添加して同一反応容器内で脱臭素
化反応を行うものであり、この点では効率的である。し
かし、この方法は、2−ナフトールの臭素化物に適用す
ると、鉄の強力な還元作用によって目的物である6−ブ
ロモ−2−ナフトールの一部も脱臭素化されてしまう。
また、臭化鉄を多量副生するため特殊な廃棄物処理が必
要となる。さらに、脱臭素化反応液から目的とする6−
ブロモ−2−ナフトールの分離は、「晶析−濾過−抽出
−洗浄」の工程が必要となり、極めて煩雑な製造フロー
となるため工業的ではない。
に開示の方法は、臭素化反応後、生成物を分離すること
なくこの反応液に鉄を添加して同一反応容器内で脱臭素
化反応を行うものであり、この点では効率的である。し
かし、この方法は、2−ナフトールの臭素化物に適用す
ると、鉄の強力な還元作用によって目的物である6−ブ
ロモ−2−ナフトールの一部も脱臭素化されてしまう。
また、臭化鉄を多量副生するため特殊な廃棄物処理が必
要となる。さらに、脱臭素化反応液から目的とする6−
ブロモ−2−ナフトールの分離は、「晶析−濾過−抽出
−洗浄」の工程が必要となり、極めて煩雑な製造フロー
となるため工業的ではない。
【0008】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、2−ナフトールの臭素化、脱臭素化反応を同一
反応容器、すなわち臭素化反応後、反応生成物を分離す
ることなく亜硫酸アルカリで脱臭素化することによっ
て、経済的、工業的に6−ブロモ−2−ナフトールを製
造できる6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法を提供
することにある。
解消し、2−ナフトールの臭素化、脱臭素化反応を同一
反応容器、すなわち臭素化反応後、反応生成物を分離す
ることなく亜硫酸アルカリで脱臭素化することによっ
て、経済的、工業的に6−ブロモ−2−ナフトールを製
造できる6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点を解決するため、2−ナフトールを臭素化
反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとな
し、脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトール
を製造する際、脱臭素化反応を亜硫酸アルカリで実施せ
しめ、かつ臭素化反応、脱臭素化反応を同一容器で行
い、臭素化反応せしめたのち反応生成物の分離工程を経
ることなく、脱臭素化を行う経済的な方法を検討した。
その結果、亜硫酸アルカリで脱臭素化反応を実施する方
法においては、2−ナフトールの臭素化反応溶媒として
従来のように酢酸を使用すると、亜硫酸ガスが発生して
脱臭素化反応が進行しない。しかし、2−ナフトールの
臭素化反応溶媒としてアルコールを使用すると、臭素化
反応に悪影響を与えることなく、亜硫酸アルカリで脱臭
素化反応を実施できることを究明し、この発明に到達し
た。
技術の問題点を解決するため、2−ナフトールを臭素化
反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとな
し、脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトール
を製造する際、脱臭素化反応を亜硫酸アルカリで実施せ
しめ、かつ臭素化反応、脱臭素化反応を同一容器で行
い、臭素化反応せしめたのち反応生成物の分離工程を経
ることなく、脱臭素化を行う経済的な方法を検討した。
その結果、亜硫酸アルカリで脱臭素化反応を実施する方
法においては、2−ナフトールの臭素化反応溶媒として
従来のように酢酸を使用すると、亜硫酸ガスが発生して
脱臭素化反応が進行しない。しかし、2−ナフトールの
臭素化反応溶媒としてアルコールを使用すると、臭素化
反応に悪影響を与えることなく、亜硫酸アルカリで脱臭
素化反応を実施できることを究明し、この発明に到達し
た。
【0010】この発明は、2−ナフトールを臭素化反応
せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、つ
いで脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトール
を製造するに際し、2−ナフトールをアルコール溶媒下
臭素で臭素化反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフ
トールとなし、1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分
離することなく亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加し
て脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに
変換し、反応液を液液分離して6−ブロモ−2−ナフト
ールを回収するのである。このように、2−ナフトール
の臭素化反応をアルコール溶媒下に行うことによって、
1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離することなく
亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加して脱臭素化反応
せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに変換しても、亜
硫酸ガスが発生することなく脱臭素化反応が進行し、反
応液を液液分離することによって6−ブロモ−2−ナフ
トールを回収することができる。
せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、つ
いで脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトール
を製造するに際し、2−ナフトールをアルコール溶媒下
臭素で臭素化反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフ
トールとなし、1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分
離することなく亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加し
て脱臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに
変換し、反応液を液液分離して6−ブロモ−2−ナフト
ールを回収するのである。このように、2−ナフトール
の臭素化反応をアルコール溶媒下に行うことによって、
1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離することなく
亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加して脱臭素化反応
せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに変換しても、亜
硫酸ガスが発生することなく脱臭素化反応が進行し、反
応液を液液分離することによって6−ブロモ−2−ナフ
トールを回収することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明は、2−ナフトールをア
ルコールで溶解したのち、臭素を滴下して臭素化反応せ
しめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、生成
した1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離すること
なく亜硫酸アルカリ水溶液を1,6−ジブロモ−2−ナ
フトール反応液に添加し、加熱撹拌下で脱臭素化反応せ
しめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールを6−ブロモ
−2−ナフトールに変換し、脱臭素化反応後撹拌を停止
して静置すれば、6−ブロモ−2−ナフトールと副生す
るNaBr、NaHSO4を含有する水−アルコール層
が分離するので、6−ブロモ−2−ナフトールを液液分
離によって回収するのである。
ルコールで溶解したのち、臭素を滴下して臭素化反応せ
しめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールとなし、生成
した1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離すること
なく亜硫酸アルカリ水溶液を1,6−ジブロモ−2−ナ
フトール反応液に添加し、加熱撹拌下で脱臭素化反応せ
しめて1,6−ジブロモ−2−ナフトールを6−ブロモ
−2−ナフトールに変換し、脱臭素化反応後撹拌を停止
して静置すれば、6−ブロモ−2−ナフトールと副生す
るNaBr、NaHSO4を含有する水−アルコール層
が分離するので、6−ブロモ−2−ナフトールを液液分
離によって回収するのである。
【0012】この発明において臭素化反応時に使用する
アルコール溶媒としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコ
ールが望ましく、その中でも特にメチルアルコールおよ
びエチルアルコールが好ましい。アルコール溶媒の使用
量は、反応温度において2−ナフトールを溶解する量で
あればよく、好ましくは2−ナフトールの濃度が10〜
50重量%(以下wt%という)となる量である。
アルコール溶媒としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコ
ールが望ましく、その中でも特にメチルアルコールおよ
びエチルアルコールが好ましい。アルコール溶媒の使用
量は、反応温度において2−ナフトールを溶解する量で
あればよく、好ましくは2−ナフトールの濃度が10〜
50重量%(以下wt%という)となる量である。
【0013】臭素化反応における臭素は、原液もしくは
溶媒で希釈して反応系に添加すればよく、添加量は通常
2−ナフトール1モルあたり2モルで十分である。臭素
化反応における反応温度および反応時間は、特に限定さ
れないが、室温付近で1.5時間の反応で十分である。
なお、反応で副生する臭化水素は、過酸化水素などの過
酸化物を共存させることにより臭素に変換でき、再び臭
素化反応に使用できる。したがって、この時に過酸化水
素などの過酸化物を2−ナフトールと等モル共存させれ
ば、臭素添加量は2−ナフトール1モルあたり1モルで
十分である。臭素化反応完了後は、副生する臭化水素を
中和する。臭化水素の中和は、一般的な方法でよく、通
常水酸化ナトリウム水溶液を臭化水素と等モル量添加す
る。
溶媒で希釈して反応系に添加すればよく、添加量は通常
2−ナフトール1モルあたり2モルで十分である。臭素
化反応における反応温度および反応時間は、特に限定さ
れないが、室温付近で1.5時間の反応で十分である。
なお、反応で副生する臭化水素は、過酸化水素などの過
酸化物を共存させることにより臭素に変換でき、再び臭
素化反応に使用できる。したがって、この時に過酸化水
素などの過酸化物を2−ナフトールと等モル共存させれ
ば、臭素添加量は2−ナフトール1モルあたり1モルで
十分である。臭素化反応完了後は、副生する臭化水素を
中和する。臭化水素の中和は、一般的な方法でよく、通
常水酸化ナトリウム水溶液を臭化水素と等モル量添加す
る。
【0014】脱臭素化反応は、臭素化反応液に亜硫酸ア
ルカリ水溶液を添加することによって進行する。亜硫酸
アルカリとしては、特に亜硫酸ナトリウムあるいは亜硫
酸カリウムが好ましく、通常2−ナフトール1モルあた
り2モル量を添加する。脱臭素化反応は、加熱撹拌下で
数時間行われ、通常還流下、4時間である。脱臭素化反
応後撹拌を停止して静置すれば、6−ブロモ−2−ナフ
トールと副生するNaBr、NaHSO4を含有する水
−アルコール層が分離するので、6−ブロモ−2−ナフ
トールを液液分離によって回収することができる。
ルカリ水溶液を添加することによって進行する。亜硫酸
アルカリとしては、特に亜硫酸ナトリウムあるいは亜硫
酸カリウムが好ましく、通常2−ナフトール1モルあた
り2モル量を添加する。脱臭素化反応は、加熱撹拌下で
数時間行われ、通常還流下、4時間である。脱臭素化反
応後撹拌を停止して静置すれば、6−ブロモ−2−ナフ
トールと副生するNaBr、NaHSO4を含有する水
−アルコール層が分離するので、6−ブロモ−2−ナフ
トールを液液分離によって回収することができる。
【0015】分離した6−ブロモ−2−ナフトールは、
そのままで常法によるメチルエーテル化反応によって6
−ブロモ−2−メトキシナフタレンの製造が可能であ
り、さらに、メチルエーテル化反応後、例えば、脂肪族
アルコール類もしくは脂肪族炭化水素類のような適当な
溶媒を用いて再結晶させれば、高純度6−ブロモ−2−
メトキシナフタレンを製造することができる。
そのままで常法によるメチルエーテル化反応によって6
−ブロモ−2−メトキシナフタレンの製造が可能であ
り、さらに、メチルエーテル化反応後、例えば、脂肪族
アルコール類もしくは脂肪族炭化水素類のような適当な
溶媒を用いて再結晶させれば、高純度6−ブロモ−2−
メトキシナフタレンを製造することができる。
【0016】
【実施例】以下にこの発明の詳細を実施例により説明す
るが、この発明は、これらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
るが、この発明は、これらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0017】実施例1 撹拌機および還流冷却器を有するガラス製反応容器に、
2−ナフトール5.00g(0.035モル)、メチル
アルコール15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトールを
溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35℃
に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分で
滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。臭素化反応液
の一部を液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナフ
トール転化率は94.2モル%、2−ナフトール基準の
1,6−ジブロモ−2−ナフトール収率は92.9モル
%であった。つぎに臭素化反応液は、副生した臭化水素
を濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液27.7g
(0.07モル)で中和したのち、濃度20%の亜硫酸
ナトリウム水溶液43.7g(0.07モル)を添加
し、ガラス製反応容器内を80℃に昇温し、80℃で4
時間撹拌しながら脱臭素化反応せしめた。脱臭素化反応
終了後、50℃まで冷却して静置し、副生するNaB
r、NaHSO4を含有する水−アルコール層と液液分
離して粗製6−ブロモ−2−ナフトール13.5gを回
収した。回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトールは、
液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナフトール転
化率は、94.2モル%、2−ナフトール基準の6−ブ
ロモ−2−ナフトール単離収率は、71.4モル%であ
った。
2−ナフトール5.00g(0.035モル)、メチル
アルコール15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトールを
溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35℃
に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分で
滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。臭素化反応液
の一部を液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナフ
トール転化率は94.2モル%、2−ナフトール基準の
1,6−ジブロモ−2−ナフトール収率は92.9モル
%であった。つぎに臭素化反応液は、副生した臭化水素
を濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液27.7g
(0.07モル)で中和したのち、濃度20%の亜硫酸
ナトリウム水溶液43.7g(0.07モル)を添加
し、ガラス製反応容器内を80℃に昇温し、80℃で4
時間撹拌しながら脱臭素化反応せしめた。脱臭素化反応
終了後、50℃まで冷却して静置し、副生するNaB
r、NaHSO4を含有する水−アルコール層と液液分
離して粗製6−ブロモ−2−ナフトール13.5gを回
収した。回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトールは、
液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナフトール転
化率は、94.2モル%、2−ナフトール基準の6−ブ
ロモ−2−ナフトール単離収率は、71.4モル%であ
った。
【0018】実施例2 臭素を滴下前に濃度30%の過酸化水素水4.0g(H
2O2として0.035モル)を仕込み、その後臭素8.
3g(0.052モル)を滴下した以外は、実施例1と
同一操作で粗製6−ブロモ−2−ナフトール10.4g
を回収した。回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトール
は、液体クロマトグラフで分析した。その結果、2−ナ
フトール転化率は、96.8モル%、2−ナフトール基
準の6−ブロモ−2−ナフトール単離収率は、72.7
モル%であった。
2O2として0.035モル)を仕込み、その後臭素8.
3g(0.052モル)を滴下した以外は、実施例1と
同一操作で粗製6−ブロモ−2−ナフトール10.4g
を回収した。回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトール
は、液体クロマトグラフで分析した。その結果、2−ナ
フトール転化率は、96.8モル%、2−ナフトール基
準の6−ブロモ−2−ナフトール単離収率は、72.7
モル%であった。
【0019】比較例1 実施例1と同じ撹拌機および還流冷却器を有するガラス
製反応容器に、2−ナフトール5.00g(0.035
モル)、酢酸15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトール
を溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35
℃に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分
で滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。つぎに臭素
化反応液は、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液で中
和したのち、濃度20%の亜硫酸ナトリウム水溶液4
3.7g(Na2SO3として0.07モル)の一部を添
加したところ、亜硫酸ガスが発生し、以降の反応は不可
能であった。
製反応容器に、2−ナフトール5.00g(0.035
モル)、酢酸15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトール
を溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35
℃に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分
で滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。つぎに臭素
化反応液は、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液で中
和したのち、濃度20%の亜硫酸ナトリウム水溶液4
3.7g(Na2SO3として0.07モル)の一部を添
加したところ、亜硫酸ガスが発生し、以降の反応は不可
能であった。
【0020】比較例2 実施例1と同じ撹拌機および還流冷却器を有するガラス
製反応容器に、2−ナフトール5.00g(0.035
モル)、酢酸15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトール
を溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35
℃に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分
で滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。臭素化反応
液の一部を液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナ
フトール転化率は100モル%、2−ナフトール基準の
1,6−ジブロモ−2−ナフトール収率は93.4モル
%であった。つぎに臭素化反応液に鉄粉5.8g(0.
10モル)を30℃に保持すべく冷却しながら1.5時
間かけて添加し、その後30℃で3時間撹拌しながら脱
臭素化反応せしめた。脱臭素化反応終了後反応液は、水
50gで希釈して晶析させたのち、ケーキと副生物を濾
過分離し、ケーキは、さらに塩化メチレン150gで抽
出し、抽出液を水50gで水洗したのち、濃度5%の水
酸化ナトリウム10gで洗浄し、抽出剤を除去して粗製
6−ブロモ−2−ナフトール5.2gを分離回収した。
回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトールは、液体クロ
マトグラフで分析した。その結果、2−ナフトール基準
の6−ブロモ−2−ナフトール単離収率は、58.0モ
ル%であった。また、臭素化反応で100%転化したは
ずの2−ナフトールが収率14.5モル%であった。こ
れは、6−ブロモ−2−ナフトールがさらに脱臭素化さ
れたための結果である。
製反応容器に、2−ナフトール5.00g(0.035
モル)、酢酸15gを仕込んで撹拌し、2−ナフトール
を溶解せしめた。ついで、ガラス製反応容器内は、35
℃に保持して臭素11.2g(0.07モル)を30分
で滴下し、1.5時間臭素化反応せしめた。臭素化反応
液の一部を液体クロマトグラフで分析した結果、2−ナ
フトール転化率は100モル%、2−ナフトール基準の
1,6−ジブロモ−2−ナフトール収率は93.4モル
%であった。つぎに臭素化反応液に鉄粉5.8g(0.
10モル)を30℃に保持すべく冷却しながら1.5時
間かけて添加し、その後30℃で3時間撹拌しながら脱
臭素化反応せしめた。脱臭素化反応終了後反応液は、水
50gで希釈して晶析させたのち、ケーキと副生物を濾
過分離し、ケーキは、さらに塩化メチレン150gで抽
出し、抽出液を水50gで水洗したのち、濃度5%の水
酸化ナトリウム10gで洗浄し、抽出剤を除去して粗製
6−ブロモ−2−ナフトール5.2gを分離回収した。
回収した粗製6−ブロモ−2−ナフトールは、液体クロ
マトグラフで分析した。その結果、2−ナフトール基準
の6−ブロモ−2−ナフトール単離収率は、58.0モ
ル%であった。また、臭素化反応で100%転化したは
ずの2−ナフトールが収率14.5モル%であった。こ
れは、6−ブロモ−2−ナフトールがさらに脱臭素化さ
れたための結果である。
【0021】
【発明の効果】この発明の6−ブロモ−2−ナフトール
の製造方法は、2−ナフトールの臭素化反応ならびに脱
臭素化反応を、同一反応系内で実施することができ、ま
た、煩雑な分離操作を必要とすることなく、6−ブロモ
−2−ナフトールを分離回収できる。さらに、臭素化反
応において過酸化物を共存させることによって、副生す
る臭化水素を臭素に変換でき、再度臭素化反応に使用で
きるため、工業的価値は極めて大きい。
の製造方法は、2−ナフトールの臭素化反応ならびに脱
臭素化反応を、同一反応系内で実施することができ、ま
た、煩雑な分離操作を必要とすることなく、6−ブロモ
−2−ナフトールを分離回収できる。さらに、臭素化反
応において過酸化物を共存させることによって、副生す
る臭化水素を臭素に変換でき、再度臭素化反応に使用で
きるため、工業的価値は極めて大きい。
Claims (3)
- 【請求項1】 2−ナフトールをアルコール溶媒下臭素
で臭素化反応せしめて1,6−ジブロモ−2−ナフトー
ルとなし、1,6−ジブロモ−2−ナフトールを分離す
ることなく亜硫酸アルカリ水溶液を反応系に添加して脱
臭素化反応せしめて6−ブロモ−2−ナフトールに変換
し、反応液を液液分離して6−ブロモ−2−ナフトール
を回収することを特徴とする6−ブロモ−2−ナフトー
ルの製造方法。 - 【請求項2】 アルコールとして炭素数1〜4の脂肪族
アルコールを使用することを特徴とする請求項1記載の
6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法。 - 【請求項3】 亜硫酸アルカリとして亜硫酸ナトリウム
または亜硫酸カリウムを使用することを特徴とする請求
項1および2記載の6−ブロモ−2−ナフトールの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8060084A JPH09227434A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8060084A JPH09227434A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227434A true JPH09227434A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13131874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8060084A Pending JPH09227434A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 6−ブロモ−2−ナフトールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09227434A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032586A1 (fr) * | 2006-09-12 | 2008-03-20 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Procédé de production d'un composé aromatique substitué par halogène, composé aromatique substitué par halogène, composé aromatique non halogéné, et élément organique électroluminescent |
-
1996
- 1996-02-21 JP JP8060084A patent/JPH09227434A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032586A1 (fr) * | 2006-09-12 | 2008-03-20 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Procédé de production d'un composé aromatique substitué par halogène, composé aromatique substitué par halogène, composé aromatique non halogéné, et élément organique électroluminescent |
JP2008069087A (ja) * | 2006-09-12 | 2008-03-27 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ハロゲン置換芳香族化合物製造方法、ハロゲン置換芳香族化合物、ハロゲン非含有芳香族化合物、有機el発光素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |