JP4361876B2 - 2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの合成方法 - Google Patents

2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4361876B2
JP4361876B2 JP2004561721A JP2004561721A JP4361876B2 JP 4361876 B2 JP4361876 B2 JP 4361876B2 JP 2004561721 A JP2004561721 A JP 2004561721A JP 2004561721 A JP2004561721 A JP 2004561721A JP 4361876 B2 JP4361876 B2 JP 4361876B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
alkali
earth metal
alkaline earth
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004561721A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006511573A (ja
Inventor
アシュトシュ・ヴァサント・ベデカル
ラマチャンドライアー・ガッド
プッシュピト・クマル・ゴシュ
Original Assignee
カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ filed Critical カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
Priority claimed from US10/335,124 external-priority patent/US6838582B2/en
Publication of JP2006511573A publication Critical patent/JP2006511573A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4361876B2 publication Critical patent/JP4361876B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/51Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
    • C07C45/511Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups
    • C07C45/512Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups the singly bound functional group being a free hydroxyl group

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法に関する。
2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンは、合成有機化学で幅広く応用されている。これは、直鎖ポリ(フェニレンオキサイド)の合成(W. Ried et al. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 8, 379, 1969)、イミダゾールとN−メチルインドールの直接モノ臭素化(V. Calo et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans. -l, 2567, 1972);高収率で4−ブロモアニリンを生成する芳香族アミンの位置選択的モノ臭素化において(V. Calo et al. J. Chem. Soc. C, 3652, 1971);フェノールの位置選択的臭素化によるフェノールのパラ臭素化(V. Calo et al. Chem. Ind. (Milan), 53, 467, 1971);チオフェンの臭素化のため(C. Slemon米国特許5,371, 240; CA 1995, 122, 132966);α,β−不飽和ブロモケトンの合成のため(V. Calo at el. Tetrahedron 29, 1625, 1973);環拡大反応のため(M. Lanz et al. Helv. Chim. Acta 80, 804, 1997);ミルセンの臭素化を経由した臭素化藻成分の合成のため(T. Yoshihara et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 51, 653, 1978);直接臭素化閉環のため(T. Kato et al. Bioorg. Chem. 4, 188, 1975);炭素環式分子の合成のため(I. Ichinose et al. Chem. Lett. 61, 1979);臭素化ポリエンと臭素化ジヒドロイオニリデンアセテートの合成(特開78, 112,852; CA 1979, 90, 87701);1分子内に2個の置換原子を有するテトラヒドロフランの立体制御合成において(P. C. Ting et al. J. Am. Chem. Soc. 106, 2668, 1984);ジスルフィドの酸化的合成のため(T. L. Ho et al. Synthesis 872, 1974);シス,シス−エアロチオニンの合成の鍵となる工程であるフェノールオキシムの分子内環化において(A. R. Forrestewr et al. Justus Liebigs Ann. Chem. 66, 1978);6−ブロモカンフェンと9−ブロモロンギフォレンの合成において(T. Onishi et al. 特開JP 60,181,037; CA 1986, 104, 110003);アルコールをアジ化物に転化するための試薬組合わせ物として(A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 3955, 1997)、シリルエーテルをアルキル臭素化物に転化するための試薬組合わせ物(A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 7223, 1997)およびテトラヒドロピラニルエーテルをアルキル臭素化物に転化するための試薬組合わせ物(A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 1955, 1997);いくつかの全合成において(B. M. Trost et al. J. Am. Chem. Soc. 105, 5075, 1983; T. Kato et al. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1077, 1984; F. E. Ziegler et al. J. Am. Chem. Soc. 112, 2749, 1990; K. Tatsuta et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 70, 427, 1997; K. Tatsuta et al. Pure Appl. Chem., 68, 1341, 1996; N. D. Pearson et al. Tetrahedron Lett., 35, 3771, 1994; G. Mehta et al. J. Chem. Soc., Chem. Commum. 1319, 1986; D. Yang et al. J. Am. Chem. Soc. 120, 5943, 1998; I. C. Gonzalez et al. J. Am. Chem. Soc. 122, 9099, 2000);β−ラクタム抗生物質のアリル臭素化のため(特開JP 59 88,489; CA 1984, 101, 170973)およびジオキセン(dioxenes)の光酸素化反応のための増感剤として(L. Lopez et al. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1266, 1984およびPhotochem. 32, 95, 1986)使われている
M. Tsubotaらは、2,4,6−トリブロモフェノールの臭素化を液体臭素を用いて行ったことに言及している(Bull. Chem. Soc. Jpn. 45, 1252, 1972)。この方法では、50mmol(8g)の臭素を、1:1(v/v)メタノール−酢酸中で2℃から3℃で37.2mmol(12.3g)の2,4,6−トリブロモフェノールに添加した。融点136℃の未結晶生成物の収率は、90%(15g、36.5mmol)であった。
この製法の欠点は、有害な液体臭素の取り扱いおよび反応を必要とすることである。この方法は、反応完了後、酢酸を炭酸ナトリウムで中和する中和工程を必要とする。安全な排出物とするため、廃棄物からメタノールと酢酸ナトリウムを回収することや、方法をより経済的に実現性のあるものとするため、付加工程が必要とされ、その結果、この方法はコストのかかるものとなる。さらに、反応が特別な冷却装置を必要とする低温で行われることは、生成物の価格に影響する。さらに、この方法は、原料としてあらかじめ臭素化されたフェノールであるトリブロモフェノールから始まる。さらに、この方法は、酢酸とともに中和するための炭酸ナトリウムを必要とする副生成物としての臭化水素酸を遊離させる。反応で消費された臭素総量は、50%以下であった。さらに、収率はたったの90%である。
V. Caloら(J. Chem. Soc. C. 3652 1971)とG. J. Foxら(Org. Synth. Coll. Vol. VI 181, 1988)は、液体臭素を用いる2,4,6−トリブロモフェノールの臭素化方法を言及した。この方法では、室温で酢酸ナトリウムと酢酸の混合物中で、臭素と2,4,6−トリブロモフェノールが等モル比で反応した。反応混合物を粉砕した氷中に注ぎ、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの黄色沈殿物を得た。粗生成物を温めたクロロホルムに溶解し、冷却して結晶化させ、125℃から130℃の範囲の融点を有する生成物を61%から67%の収率で得た。
この製法の欠点は、有害な液体臭素を取り扱うのをまだ有しており、特別な設備を必要とすることである。さらに、50%の液体臭素が、臭化水素酸の形態で廃棄物になる。生成物のコストを高くする、安全な排出物とするための中和および分離などの付加工程を必要とする酢酸ナトリウム、酢酸および臭化水素酸を含む点で、この廃棄物は有害である。
米国特許5,371,240 特開78,112,852 特開JP 60,181,037 特開JP 59 88,489 W. Ried et al. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 8, 379, 1969 V. Calo et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans. -l, 2567, 1972 V. Calo et al. J. Chem. Soc. C, 3652, 1971 V. Calo et al. Chem. Ind. (Milan), 53, 467, 1971 C. Slemon CA 1995, 122, 132966 V. Calo at el. Tetrahedron 29, 1625, 1973 M. Lanz et al. Helv. Chim. Acta 80, 804, 1997 T. Yoshihara et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 51, 653, 1978 T. Kato et al. Bioorg. Chem. 4, 188, 1975 I. Ichinose et al. Chem. Lett. 61, 1979 CA 1979, 90, 87701 P. C. Ting et al. J. Am. Chem. Soc. 106, 2668, 1984 T. L. Ho et al. Synthesis 872, 1974 A. R. Forrestewr et al. Justus Liebigs Ann. Chem. 66, 1978 T. Onishi et al. CA 1986, 104, 110003 A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 3955, 1997 A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 7223, 1997 A. Tanaka et al. Tetrahedron Lett. 38, 1955, 1997 B. M. Trost et al. J. Am. Chem. Soc. 105, 5075, 1983. T. Kato et al. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1077, 1984 F. E. Ziegler et al. J. Am. Chem. Soc. 112, 2749, 1990 K. Tatsuta et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 70, 427, 1997 K. Tatsuta et al. Pure Appl. Chem., 68, 1341, 1996 N. D. Pearson et al. Tetrahedron Lett., 35, 3771, 1994 G. Mehta et al. J. Chem. Soc., Chem. Commum. 1319, 1986 D. Yang et al. J. Am. Chem. Soc. 120, 5943, 1998 I. C. Gonzalez et al. J. Am. Chem. Soc. 122, 9099, 2000 CA 1984, 101, 170973 L. Lopez et al. J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1266, 1984 L. Lopez et al. Photochem. 32, 95, 1986 M. Tsubota et al. Bull. Chem. Soc. Jpn. 45, 1252, 1972 V. Calo et al. J. Chem. Soc. C. 3652 1971 G. J. Fox et al. Org. Synth. Coll. Vol. VI 181, 1988
本発明の主目的は、上記欠点を回避した、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成の改良方法を提供することである。
本発明の別の目的は、フェノールの直接臭素化により、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることである。
また、本発明のさらに別の目的は、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の組合せを臭素化剤として使用することである。
本発明のさらに別の目的は、無機酸または中程度に強酸である有機酸を反応物の一種として使用することである。
本発明のさらに別の目的は、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを常温で合成することである。
本発明のさらに別の目的は、反応で臭素原子を最大限利用することである。
本発明のさらに別の目的は、一般廃棄物中の汚染物質を最小限とすることである。
したがって、本発明は、フェノールと、脱イオン水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物を含有する臭素化剤とを、酸の存在下で反応させ、沈殿物を分離、洗浄、乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることによる2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法を提供する。
本発明の一実施形態では、有機酸はシュウ酸およびクエン酸を含む群から選択される。
本発明の一実施形態では、酸は塩酸を含有する。
本発明の一実施形態では、使用されるフェノールは実験室等級のフェノールである
本発明の一実施形態では、この方法は、2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと、30(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物とを、5(w/w)当量の脱イオン水中の3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸を2時間を超える時間でゆっくりと添加することにより反応させ、この反応を継続させ、沈殿物を濾過、洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む。
本発明の一実施形態では、この方法は、15(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の溶液を、20(w/w)当量の脱イオン水中の2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸の混合物に、2時間を超える時間でゆっくりと添加し;2時間攪拌を継続し、沈殿物を濾過、洗浄、乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む。
本発明の一実施形態では、この方法は、5(w/w)当量の水に溶解させた87mmolから436mmolの中程度に強酸である有機酸を、30(w/w)当量の水中のフェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物に即座に添加し;この混合物を27℃から35℃で攪拌して8時間から10時間反応させ、沈殿物を濾過、脱イオン水で洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む。
本発明の一実施形態では、この臭素化剤は、54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物毎に27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩を組合わせた組合わせを含む。
本発明の一実施形態では、フェノールの臭素化は、10mlから50mlの水中の36%塩酸および60mlから300mlの水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩を含有する臭素化剤を添加することによって開始される。
本発明の一実施形態では、臭素化反応は27℃から35℃の範囲の温度で行われる。
本発明の一実施形態では、フェノールの臭素化は、60mlから300mlの水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物を、10mlから50mlの水中のフェノールと36%塩酸の混合物に添加することによって開始される。
本発明の一実施形態では、臭素化反応は、10mlから30mlの水に溶解させたシュウ酸およびクエン酸を、60mlから300mlの水中のフェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物に即座に添加することによって開始される。
本発明によれば、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノン、TBCOは、下記式で記載された全反応を経由して得られる。
Figure 0004361876
丸底フラスコ(0.1Lまたは1.0L)中で、容易に、外部から溶液をゆっくりと添加することおよび容器内の内容物を機械装置で攪拌することで、反応を行った。フェノールの既知量と、実験室等級のアルカリ/アルカリ土類金属臭化物および臭素酸塩の計算量を、水に溶解した。フラスコの温度は、27℃から35℃の範囲で維持した。36%塩酸水溶液の計算量を、攪拌下で2時間を超える時間で添加した。攪拌をさらに2時間続けた。内容物を濾過し、粗生成物を充分な量の水で洗浄し、真空下で乾燥して、計量し、融点を決定した。
関連する製法では、36%塩酸の必要量を水に溶解させたフェノールに加え、臭化物および臭素酸塩の塩の必要量を含んだ水溶液を徐々に添加することにより、臭素化反応を開始した。
また別の関連する製法では、最少量の水に入れた臭化物および臭素酸塩の塩と有機酸の必要量をフェノールに加え、目的とする反応を一定の攪拌下時間をかけて行った。容器の温度を27℃から35℃の間で観測した。塩酸の使用は反応時間を最小にするため望ましい。反応生成物を、元素分析、H−NMR、IRおよび融点で特性づけた。
本発明では、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物および臭素酸塩の混合物と無機酸または有機酸を用いるフェノールの臭素化による2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法を記載している。
本発明の方法は、i)フェノールと、脱イオン水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物との、36%塩酸を2時間を超える時間でゆっくり添加することによる反応;(ii)あるいは、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の水溶液を、フェノールと36%塩酸の混合物に2時間を超える時間でゆっくり添加し、さらに2時間あるいは任意に攪拌すること;(iii)中程度に強酸である有機酸を、フェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の水溶液に即座に添加し、常温で8時間から10時間攪拌することを含む。生じた生成物を濾過分離し、脱イオン水で洗浄し、真空下で乾燥して、融点123℃から127℃の2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの粗生成物を収率91%から94%で得た。
本発明に含まれる進歩性は、
i)反応活性臭素種を発生するのに、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物、アルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩が用いられ、このため、液体臭素を必要としないこと、
ii)この合成の出発物質は、2,4,6−トリブロモフェノールと比べ、たやすく安価に入手できるフェノールであること、
iii)反応が、有機溶媒を回収するための一以上の単位操作を必要とする有機溶媒の使用を必要とせず、純水媒体中で行われることである。
以下の実施例は、例示として与えられるもので、本発明の範囲を制限解釈するものではない。
[実施例1]
100mlの二口丸底フラスコ中で、60mlの脱イオン水中の2.00g(21mmol)のフェノール、5.97g(58mmol)の臭化ナトリウムおよび4.38g(29mmol)の臭素酸ナトリウムのよく攪拌した溶液に、8.7mL(3.14g;86mmol)の36%塩酸を、2時間を超える時間でゆっくりと添加した。内容物をさらに2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、脱イオン水で2回洗浄し、真空下で6時間乾燥した。2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの粗生成物の全収率は、8.11g(93%)であった。単離した試料で測定した特性データは、融点125℃:IR(KBr)ν634、663、702、900、1310、1454、1582、1680、3051cm−1H−NMR(CDCl,200MHz)δ7.78(s,2H)および元素分析での観測値17.16(%C)0.24(%H);CBrOについての計算値17.56(%C)0.49(%H)であった。
[実施例2]
500mlの二口丸底フラスコ中で、275mlの脱イオン水中の10.00g(106mmol)のフェノール、29.60g(287mmol)の臭化ナトリウムおよび21.70g(144mmol)の臭素酸ナトリウムのよく攪拌した溶液に、50mL水に加えた43.7mL(15.70g;431mmol)の36%塩酸の混合物を、2時間を超える時間でゆっくりと添加した。内容物をさらに2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、脱イオン水で2回洗浄し、真空下で6時間乾燥した。2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの粗生成物の全収率は、40.1g(92%)であった。単離した試料で測定した特性データは、融点125℃:IR(KBr)ν634、663、702、900、1310、1454、1582、1680、3051cm−1H−NMR(CDCl,200MHz)δ7.78(s,2H)および元素分析での観測値17.16(%C)0.24(%H);CBrOについての計算値17.56(%C)0.49(%H)であった。
[実施例3]
優れた攪拌設備を有する500mlの二口フラスコ中で、100mlの脱イオン水中の5.00g(53mmol)のフェノールと22.0mL(7.93g;220mmol)の36%塩酸の溶液に、50mL水に加えた15.00g(145mmol)の臭化ナトリウムと10.93g(72mmol)の臭素酸ナトリウムの混合物を、2時間を超える時間でゆっくりと添加した。さらに攪拌(2時間)した後、沈殿物を濾過分離し、脱イオン水で洗浄し、真空下で乾燥し、融点125℃;IR(KBr)ν634、663、702、900、1310、1454、1582、1680、3051cm−1H−NMR(CDCl,200MHz)δ7.78(s,2H)および元素分析での観測値17.16(%C)0.24(%H);CBrOについての計算値17.56(%C)0.49(%H)の2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの粗生成物を、収率19.8g(91%)で得た。
[実施例4]
250mlの丸底フラスコ中で、100mlの脱イオン水中の5.00g(53mmol)のフェノール、15.00g(145mmol)の臭化ナトリウムおよび10.93g(72mmol)の臭素酸ナトリウムのよく攪拌した溶液に、50mL水に加えた27.72g(220mmol)のシュウ酸二水和物の溶液を、10分を超える時間でゆっくりと添加した。内容物をさらに8時間攪拌した。沈殿物を濾過し、脱イオン水で2回洗浄し、真空下で6時間乾燥した。2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの粗生成物の全収率は、20.5g(94%)で、融点123℃:IR(KBr)ν634、663、702、900、1310、1454、1582、1680、3051cm−1H−NMR(CDCl,200MHz)δ7.78(s,2H)および元素分析での観測値17.16(%C)0.24(%H);CBrOについての計算値17.56(%C)0.49(%H)であった。
この方法の主要な利点は、
1.フェノールの臭素化に液体臭素を直接使用しない。
2.トリブロモフェノールの反応から出発する必要がない。
3.臭素化剤と他の反応活性剤は環境に優しく、有毒、空気汚染物質ではない。
4.臭素化剤は、特別な設備と安全装置を必要としない。
5.臭化水素酸のような有害な副生成物を生成しない。
6.臭素抽出工程で冷却工程により苦りから中間体として得られるアルカリ溶液は、臭素化剤として使用することができる。
7.無機酸または有機酸は、有害でなく、量を最少とすることができる。
8.臭素化反応は、固体形状のほぼ純粋な生成物を直接与え、その結果、操業計画と純化の必要を最小限にする。
9.この方法は、安価で環境に優しい溶媒である水を用いる。

Claims (15)

  1. フェノールと、脱イオン水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物を含有する臭素化剤とを、酸の存在下で反応させ、沈殿物を分離、洗浄、乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法。
  2. 有機酸が、シュウ酸およびクエン酸を含む群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸が、塩酸を含有する請求項1に記載の方法。
  4. 使用される前記フェノールが、実験室等級のフェノールである請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法が、2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと、30(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物とを、5(w/w)当量の脱イオン水中の3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸を2時間を超える時間でゆっくりと添加することにより反応させ、前記反応を継続させ、沈殿物を濾過、洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法が、15(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の溶液を、2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと20(w/w)当量の脱イオン水中の3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸の混合物に2時間を超える時間でゆっくりと添加し;
    2時間攪拌を継続し、沈殿物を濾過、洗浄、乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む請求項1に記載の方法。
  7. 前記方法が、5(w/w)当量の水に溶解させた87mmolから436mmolのシュウ酸またはクエン酸を、30(w/w)当量の水中のフェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物に短時間で添加し;
    前記混合物を27℃から35℃で攪拌して8時間から10時間反応させ、沈殿物を濾過、脱イオン水で洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記臭素化剤が、54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物毎に27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩を組合わせた組合わせを含む請求項1に記載の方法。
  9. フェノールの臭素化が、10mlから50mlの水中の36%塩酸および60mlから300mlの水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩を含有する臭素化剤を添加することによって開始される請求項1に記載の方法。
  10. 前記臭素化反応が、27℃から35℃の範囲の温度で行われる請求項1に記載の方法。
  11. フェノールの臭素化が、60mlから300mlの水に溶解させたアルカリ/アルカリ土類金属臭化物とアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物を、10mlから50mlの水中のフェノールと36%塩酸の混合物に添加することによって開始される請求項1に記載の方法。
  12. 前記臭素化反応が、10mlから30mlの水に溶解させたシュウ酸またはクエン酸を、60mlから300mlの水中のフェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物に短時間で添加することによって開始される請求項1に記載の方法。
  13. 2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと、30(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物とを、5(w/w)当量の脱イオン水中の3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸を2時間を超える時間でゆっくりと添加することにより反応させ、前記反応を継続させ、沈殿物を濾過、洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法。
  14. 15(w/w)当量の脱イオン水に溶解させた54mmolから301mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭化物と27mmolから150mmolのアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の溶液を、20(w/w)当量の脱イオン水中の2gから10g(21mmolから106mmol)のフェノールと3.5gから16.0g(96mmolから438mmol)の36%塩酸の混合物に2時間を超える時間でゆっくりと添加し;
    2時間攪拌を継続し、沈殿物を濾過、洗浄、乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法。
  15. 5(w/w)当量の水に溶解させた87mmolから436mmolのシュウ酸またはクエン酸を、30(w/w)当量の水中のフェノール、アルカリ/アルカリ土類金属臭化物およびアルカリ/アルカリ土類金属臭素酸塩の混合物に短時間で添加し;
    前記混合物を27℃から35℃で攪拌して8時間から10時間反応させ、沈殿物を濾過、脱イオン水で洗浄、真空下で乾燥して、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンを得ることを含む2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンのワンポット合成方法。
JP2004561721A 2002-12-23 2002-12-23 2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの合成方法 Expired - Fee Related JP4361876B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/IB2002/005610 WO2004056736A1 (en) 2002-12-23 2002-12-23 Process for preparing 2,4,4,6-tetrabromo-2,5-cyclohexadienone
US10/335,124 US6838582B2 (en) 2002-12-23 2002-12-31 Process for preparing 2,4,4,6-tetrabromo-2,5-cycloyhexadienone

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006511573A JP2006511573A (ja) 2006-04-06
JP4361876B2 true JP4361876B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=33420972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004561721A Expired - Fee Related JP4361876B2 (ja) 2002-12-23 2002-12-23 2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの合成方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1575891B1 (ja)
JP (1) JP4361876B2 (ja)
CN (1) CN1291963C (ja)
AT (1) ATE354558T1 (ja)
AU (1) AU2002348765B2 (ja)
WO (1) WO2004056736A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115350180B (zh) * 2022-03-23 2023-09-05 上海交通大学医学院附属仁济医院 海洋来源的四溴螺环己二烯基异恶唑类化合物在制备治疗血液肿瘤药物中的应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6365786B1 (en) * 2001-01-22 2002-04-02 Council Of Scientific And Industrial Research Eco-friendly method of preparation of high purity tetrabromobisphenol-A

Also Published As

Publication number Publication date
EP1575891A1 (en) 2005-09-21
CN1291963C (zh) 2006-12-27
JP2006511573A (ja) 2006-04-06
AU2002348765B2 (en) 2007-02-08
ATE354558T1 (de) 2007-03-15
AU2002348765A1 (en) 2004-07-14
WO2004056736A1 (en) 2004-07-08
CN1717382A (zh) 2006-01-04
EP1575891B1 (en) 2007-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007511558A (ja) ビタミンb6の製造
Sato et al. Jasmonoid synthesis from cis-4-heptenoic acid.
JP4361876B2 (ja) 2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノンの合成方法
JP6728151B2 (ja) 1−(3,5−ジクロロフェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン及びその誘導体の製造方法
JPS6185350A (ja) 2,4‐ジクロロ‐5‐フルオロ安息香酸の製法
EP1308432B1 (en) Process for the preparation of 5- (4-chlorophenyl)-methyl|-2,2-dimethylcyclopentanone
JP2021161106A (ja) 5−ブロモ−4−アルコキシ−2−アルキル安息香酸の製造方法
JP4138337B2 (ja) ミカエル−アダクトの製法、および新規アダクト
US6838582B2 (en) Process for preparing 2,4,4,6-tetrabromo-2,5-cycloyhexadienone
RU2291854C2 (ru) Способ получения 2,4,4,6-тетрабром-2,5-циклогексадиенона
JPS6220995B2 (ja)
CN115304477B (zh) 一种芳香族羧酸酯的制备方法
CN109776298B (zh) 一种肉桂醛类化合物的合成方法
JP3903213B2 (ja) 4−ビフェニリル酢酸の製造方法
CA2204201A1 (en) Process for preparing 4,5-dichloro-2-methylbenzoic acid
RU2258060C2 (ru) Способ получения 5-[(4-хлорфенил)метил]-2,2-диметилциклопентанона
SU179767A1 (ru) Способ получения 4,5-г,2'-
JP2002212149A (ja) フッ化テトラアルキルアンモニウムの製造方法、およびそれを用いたβ−ヒドロキシケトンの製造方法
DE60218359T2 (de) Verfahren zur herstellung von 2,4,4,6-tetrabrom-2,5-cyclohexadienon
JPH035439A (ja) 光学活性なアシルビフェニル誘導体の製造法
WO2005014519A1 (en) Process for the preparation of geminal difluoroalkanes
JP2000026359A (ja) 芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法
JP2009143885A (ja) アセトフェノン誘導体の製造法
Huang et al. Insertion of Dichlorocarbene into C B Bond of Borinates under Liquid‐Liquid Phase Transfer Catalysis Conditions: A Convenient Preparation of Unsymmetrical Ketones
JPH07126260A (ja) 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090714

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees