JP2001247557A - 5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造方法

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JP2001247557A
JP2001247557A JP2000342017A JP2000342017A JP2001247557A JP 2001247557 A JP2001247557 A JP 2001247557A JP 2000342017 A JP2000342017 A JP 2000342017A JP 2000342017 A JP2000342017 A JP 2000342017A JP 2001247557 A JP2001247557 A JP 2001247557A
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carboxylic acid
acid ester
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JP2000342017A
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English (en)
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Atsuro Terajima
孜郎 寺島
Katsuji Ujita
克爾 宇治田
Tomoya Kuwayama
知也 桑山
Takashi Sugioka
尚 杉岡
Kazuya Shimizu
和哉 清水
Koichi Kanehira
浩一 金平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルを安価
に、工業的に有利に、効率的に大量に供給しうる製造方
法を提供する。 【解決手段】 下記スキームで示される5−オキシ−7
−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3
−カルボン酸エステル(X)の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5−オキシ−7−
オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−
カルボン酸エステルの製造方法に関する。本発明で得ら
れる5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
プト−3−エン−3−カルボン酸エステル、例えば、エ
チル (1β,5α,6β)−5−(1−エチルプロポ
キシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3
−エン−3−カルボキシレートは、下記式で示されるG
S4104
【0002】
【化50】
【0003】の合成中間体として有用であり、GS41
04はインフルエンザウイルスの表面に存在するノイラ
ミニダーゼを阻害して、ウイルスの増殖を妨げる作用を
有する新しいインフルエンザ治療薬および予防薬(以
下、抗インフルエンザ薬と総称する)として開発が進め
られている化合物である[ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(J.Org.Chem.)第63
巻、4545頁(1998年);オーガニック・プロセ
ス・リサーチ・アンド・ディベロップメント(Orga
nic Process Research & De
velopment)第3巻、266頁(1999年)
参照]。
【0004】
【従来の技術】5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステル、
例えば、エチル (1β,5α,6β)−5−(1−エ
チルプロポキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]
ヘプト−3−エン−3−カルボキシレートの従来の合成
法としては、シキミ酸を出発原料とした合成法[ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Or
g.Chem.)第63巻、4545頁(1998
年);オーガニック・プロセス・リサーチ・アンド・デ
ィベロップメント(Organic Process
Research &Development)第3
巻、266頁(1999年);国際公開WO99/14
185号公報;国際公開WO98/07685号公報参
照]、およびキナ酸を出発原料とした合成法[オーガニ
ック・プロセス・リサーチ・アンド・ディベロップメン
ト(Organic Process Researc
h & Development)第3巻、266頁
(1999年)参照]などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エチル (1β,5
α,6β)−5−(1−エチルプロポキシ)−7−オキ
サビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カル
ボキシレートの従来の合成法で出発原料として用いられ
るシキミ酸またはキナ酸は、生産量が少なく高価であ
る。周知のとおり、インフルエンザは世界的に大流行す
るため、抗インフルエンザ薬には安価でかつ大量に供給
可能であることが要求される。したがって上記製造方法
は、抗インフルエンザ薬として開発中のGS4104の
中間体の製造法としては工業的な観点からは必ずしも有
利とは言えず、安価にかつ大量に製造可能な合成法が求
められている。
【0006】しかして、本発明の目的は、抗インフルエ
ンザ薬として開発が進められているGS4104の合成
中間体として有用な、エチル (1β,5α,6β)−
5−(1−エチルプロポキシ)−7−オキサビシクロ
[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボキシレー
トのような、5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルを
安価に、工業的に有利に、効率的に大量に供給しうる製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)一般式(I)
【0008】
【化51】
【0009】(式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示
される2−ハロゲノ−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−5,3−カルボラクトン(以下、ハロラ
クトン(I)と略称する)に塩基を作用させ、次いで置
換基を有していてもよいハロゲン化アルキル、置換基を
有していてもよいハロゲン化シクロアルキル、置換基を
有していてもよいハロゲン化アルケニル、置換基を有し
ていてもよいハロゲン化アリールまたは置換基を有して
いてもよいハロゲン化アラルキルと反応させて、一般式
(III)
【0010】
【化52】
【0011】(式中、R1は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアリール基または置換基を有していて
もよいアラルキル基を表す。)で示される2,3−エポ
キシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5
−カルボン酸エステル(以下、エポキシエステル(II
I)と略称する)を得、得られたエポキシエステル(I
II)に塩基を作用させて、一般式(IV)
【0012】
【化53】
【0013】(式中、R1は前記定義のとおりであ
る。)で示される5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ
[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸エス
テル(以下、オキサビシクロヘプト−2−エン(IV)
と略称する)を得、得られたオキサビシクロヘプト−2
−エン(IV)の水酸基を保護して、一般式(V)
【0014】
【化54】
【0015】(式中、R1は前記定義のとおりであり、
2は水酸基の保護基を表す。)で示される5−オキシ
−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン
−3−カルボン酸エステル(以下、オキサビシクロヘプ
ト−2−エン(V)と略称する)を得、得られたオキサ
ビシクロヘプト−2−エン(V)と一般式(VI)
【0016】
【化55】
【0017】(式中、R3は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアリール基または置換基を有していて
もよいアラルキル基を表す。)で示されるアルコール
(以下、アルコール(VI)と略称する)を、ルイス酸
の存在下で反応させて、一般式(VII)
【0018】
【化56】
【0019】(式中、R1、R2およびR3は前記定義の
とおりである。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−
ジオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステ
ル(以下、シクロヘキセンエステル(VII)と略称す
る)を得、得られたシクロヘキセンエステル(VII)
に塩基の存在下でスルホニル化剤を作用させて、一般式
(VIII)
【0020】
【化57】
【0021】(式中、R1、R2およびR3は前記定義の
とおりであり、Aは有機スルホニル基を表す。)で示さ
れる3,5−ジオキシ−4−スルホニルオキシ−1−シ
クロヘキセン−1−カルボン酸エステル(以下、シクロ
ヘキセンエステル(VIII)と略称する)を得、得ら
れたシクロヘキセンエステル(VIII)のR2を脱離
させて、一般式(IX)
【0022】
【化58】
【0023】(式中、A、R1およびR3は前記定義のと
おりである。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ
−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カ
ルボン酸エステル(以下、ヒドロキシエステル(IX)
と略称する)を得、得られたヒドロキシエステル(I
X)に塩基を作用させることを特徴とする、一般式
(X)
【0024】
【化59】
【0025】(式中、R1およびR3は前記定義のとおり
である。)で示される5−オキシ−7−オキサビシクロ
[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エス
テル(以下、5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステル
(X)と略称する)の製造方法、(2)ハロラクトン
(I)に塩基を作用させて、一般式(II)
【0026】
【化60】
【0027】で示される2,3−エポキシ−7−オキサ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸(以
下、エポキシカルボン酸(II)と略称する)を得、得
られたエポキシカルボン酸(II)にエステル化剤を作
用させてエポキシエステル(III)を得、得られたエ
ポキシエステル(III)に塩基を作用させてオキサビ
シクロヘプト−2−エン(IV)を得、得られたオキサ
ビシクロヘプト−2−エン(IV)の水酸基を保護して
オキサビシクロヘプト−2−エン(V)を得、得られた
オキサビシクロヘプト−2−エン(V)とアルコール
(VI)をルイス酸の存在下で反応させてシクロヘキセ
ンエステル(VII)を得、得られたシクロヘキセンエ
ステル(VII)に塩基の存在下でスルホニル化剤を作
用させてシクロヘキセンエステル(VIII)を得、得
られたシクロヘキセンエステル(VIII)のR2を脱
離させてヒドロキシエステル(IX)を得、得られたヒ
ドロキシエステル(IX)に塩基を作用させることを特
徴とする、5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステル(X)
の製造方法、(3)ハロラクトン(I)に塩基を作用さ
せることを特徴とする、エポキシカルボン酸(II)の
製造方法、(4)一般式(II−1)
【0028】
【化61】
【0029】または一般式(II−2)
【0030】
【化62】
【0031】で示される2,3−エポキシ−7−オキサ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸にエ
ステル化剤を作用させることを特徴とする、一般式(I
II−1)
【0032】
【化63】
【0033】(式中、R1は前記定義のとおりであ
る。)または一般式(III−2)
【0034】
【化64】
【0035】(式中、R1は前記定義のとおりであ
る。)で示される2,3−エポキシ−7−オキサビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸エステルの
製造方法、(5)ハロラクトン(I)に塩基を作用さ
せ、次いで置換基を有していてもよいハロゲン化アルキ
ル、置換基を有していてもよいハロゲン化シクロアルキ
ル、置換基を有していてもよいハロゲン化アルケニル、
置換基を有していてもよいハロゲン化アリールまたは置
換基を有していてもよいハロゲン化アラルキルと反応さ
せることを特徴とする、エポキシエステル(III)の
製造方法、(6)エポキシエステル(III)に塩基を
作用させることを特徴とする、オキサビシクロヘプト−
2−エン(IV)の製造方法、(7)オキサビシクロヘ
プト−2−エン(IV)の水酸基を保護してオキサビシ
クロヘプト−2−エン(V)を得、得られたオキサビシ
クロヘプト−2−エン(V)とアルコール(VI)をル
イス酸の存在下で反応させることを特徴とする、シクロ
ヘキセンエステル(VII)の製造方法、(8)オキサ
ビシクロヘプト−2−エン(V)とアルコール(VI)
をルイス酸の存在下で反応させることを特徴とする、シ
クロヘキセンエステル(VII)の製造方法、(9)シ
クロヘキセンエステル(VII)に塩基の存在下でスル
ホニル化剤を作用させてシクロヘキセンエステル(VI
II)を得、得られたシクロヘキセンエステル(VII
I)のR2を脱離させてヒドロキシエステル(IX)を
得、得らたヒドロキシエステル(IX)に塩基を作用さ
せることを特徴とする、5−オキシ−7−オキサビシク
ロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エ
ステル(X)の製造方法、(10)シクロヘキセンエス
テル(VIII)のR2 を脱離させてヒドロキシエステ
ル(IX)を得、得られたヒドロキシエステル(IX)
に塩基を作用させることを特徴とする、5−オキシ−7
−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3
−カルボン酸エステル(X)の製造方法、(11)ヒド
ロキシエステル(IX)に塩基を作用させることを特徴
とする、5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステル(X)
の製造方法、(12)一般式(XI−1)
【0036】
【化65】
【0037】(式中、R4は水素原子、置換基を有して
いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシク
ロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル
基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
していてもよいアラルキル基またはカルボン酸塩を形成
できる金属を表す。)または一般式(XI−2)
【0038】
【化66】
【0039】(式中、R4は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエンド−2,3−エポキシ−7−オキ
サビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5−カル
ボン酸誘導体、および(13)一般式(XII−1)
【0040】
【化67】
【0041】(式中、R1およびR3は前記定義のとおり
であり、R5およびR6は独立して水素原子、置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
ル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を
有していてもよいアラルキル基、水酸基の保護基または
有機スルホニル基を表す。)または一般式(XII−
2)
【0042】
【化68】
【0043】(式中、R1、R3、R5およびR6は前記定
義のとおりである。)で示される3,4,5−トリオキ
シ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸誘導体、を提
供することにより達成される。
【0044】
【発明の実施の形態】上記一般式中のR1、R3、R4
5およびR6、並びに後記一般式(XIII)中のR7
が表すアルキル基としては、直鎖または分枝鎖のアルキ
ル基であって、好ましくは炭素数1〜10、より好まし
くは炭素数1〜6であり、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基な
どが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有して
いてもよく、かかる置換基としては、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの好ま
しくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6の
アルコキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子など
のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基などが挙げられ
る。
【0045】上記一般式中のR1、R3、R4、R5および
6、並びに後記一般式(XIII)中のR7が表すシク
ロアルキル基としては、好ましくは炭素数3〜8のシク
ロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
1、R3、R4、R5、R6およびR7が表すアリール基と
しては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基であ
り、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。R1
3、R4、R5、R6およびR7が表すアラルキル基とし
ては、アルキル部分として好ましくは炭素数1〜6のア
ルキル基を有し、アリール部分として前記定義の1〜3
個のアリール基を有するアラルキル基であり、例えばベ
ンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル
基、フェネチル基などが挙げられる。これらのシクロア
ルキル基、アリール基およびアラルキル基はそれぞれ置
換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基など
の好ましくは炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの好ましく
は炭素数1〜6のアルコキシル基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基
などが挙げられる。R1、R3、R4、R5、R6およびR7
が表すアルケニル基としては、直鎖または分枝鎖のアル
ケニル基であって、好ましくは炭素数2〜10、より好
ましくは炭素数2〜6であり、例えばアリル基、イソプ
ロペニル基、2−メチルアリル基などが挙げられる。こ
れらのアルケニル基は置換基を有していてもよく、かか
る置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基などの好ましくは炭素数1〜6
のアルコキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子な
どのハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基などが挙げられ
る。
【0046】上記一般式中のR2、R5およびR6が表す
水酸基の保護基としては、水酸基を保護する目的のため
に通常用いられる保護基であれば特に制限はなく、例え
ばホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリク
ロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシア
セチル基、トリフェニルメトキシアセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、ベンゾイル基などのアシル基;ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピル
ジメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基、tert−ブチルジフェニルシリル基などの三置換
シリル基;ベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジ
ル基、p−メトキシベンジル基、3,5−ジメトキシベ
ンジル基、p−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル
基、o−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、o
−ブロモベンジル基、p−ブロモベンジル基、2,4−
ジクロロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−クロ
ロ−p−アシロキシベンジル基、9−アントリルメチル
基、ジフェニルメチル基、フェニル(o−ニトロフェニ
ル)メチル基、ジ(2−ピリジル)メチル基、4−ピリ
ジルメチル基、トリフェニルメチル基などのアラルキル
基などが挙げられる。
【0047】上記一般式中のR4が表すカルボン酸塩を
形成できる金属としては、カルボン酸と塩を形成する金
属であれば特に制限はなく、例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カル
シウムなどのアルカリ土類金属;鉄、ニッケル、パラジ
ウム、銅などの遷移金属などが挙げられる。
【0048】上記一般式中のA、R5およびR6が表す有
機スルホニル基は、有機基が結合したスルホニル基であ
れば特に制限はなく、置換基を有していてもよいアルキ
ルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールス
ルホニル基、置換基を有していてもよいアラルキルスル
ホニル基などが挙げられる。アルキルスルホニル基のア
ルキル部分は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基で
ある。アリールスルホニル基のアリール部分としてはフ
ェニル基が挙げられる。アラルキルスルホニル基のアリ
ール部分としてはフェニル基が挙げられ、アルキル部分
は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。アル
キルスルホニル基は、置換基を有していてもよく、かか
る置換基としては、アルコキシル基(好ましくは炭素数
1〜6のアルコキシル基)、ハロゲン原子、シアノ基、
ニトロ基などが挙げられる。アリールスルホニル基およ
びアラルキルスルホニル基は、それらの芳香族環上に置
換基を有していてもよく、かかる置換基としては、アル
キル基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)、アル
コキシル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシル
基)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基などが挙げら
れる。A、R5およびR6が表す有機スルホニル基として
は、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、
ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、p−メ
トキシベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリメチル
ベンゼンスルホニル基、ベンジルスルホニル基、p−メ
チルベンジルスルホニル基、トリフルオロメタンスルホ
ニル基などが挙げられる。
【0049】上記一般式中のXが表すハロゲン原子とし
ては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、フッ素原子が
挙げられる。
【0050】本発明の5−オキシ−7−オキサビシクロ
[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エス
テル(X)の製造方法は、下記のスキームで示される。
【0051】
【化69】
【0052】(式中、R1、R2、R3およびAは前記定
義のとおりである。) 以下、各工程について説明する。
【0053】(a):ハロラクトン(I)に塩基を作用
させてエポキシカルボン酸(II)を得る工程
【0054】塩基としては、例えば水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の
水酸化物が挙げられる。これらの中でも水酸化カリウム
が好ましい。塩基の使用量はハロラクトン(I)1モル
に対して2〜100モルの範囲が好ましく、2〜20モ
ルの範囲がより好ましい。
【0055】反応は、溶媒の存在下で行うのが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない
限り特に制限はなく、例えば水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール
などのアルコール;アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ンなどの非プロトン性極性溶媒;アルコールと非プロト
ン性極性溶媒または水と非プロトン性極性溶媒の混合液
などが挙げられる。溶媒の使用量については、特に制限
はないが、通常ハロラクトン(I)に対して1〜100
重量倍の範囲が好ましく、1〜50重量倍の範囲がより
好ましい。
【0056】反応温度は、−20〜150℃の範囲が好
ましく、10〜100℃の範囲がより好ましい。反応時
間は、ハロラクトン(I)、塩基および溶媒の種類や使
用量によって変動しうるが、通常1〜12時間の範囲で
ある。
【0057】反応は、例えば塩基を溶媒に溶解して所定
温度とし、この溶液にハロラクトン(I)を添加して攪
拌することで行う。
【0058】このようにして得られたエポキシカルボン
酸(II)は、有機化合物の単離・精製において通常行
われる方法により単離・精製することができる。例えば
反応混合物を塩酸、硫酸などの水溶液にあけ、ジクロロ
メタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテルなどのエーテル、酢酸メチル、
酢酸エチルなどのエステルなどで抽出し、抽出液を濃縮
して得られる濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーなどにより精製する。
【0059】(b):エポキシカルボン酸(II)にエ
ステル化剤を作用させてエポキシエステル(III)を
得る工程
【0060】エステル化剤としては、エポキシエステル
(III)中の−CO21を形成できるエステル化剤で
あり、例えばオルトぎ酸メチル、オルトぎ酸エチル、オ
ルトぎ酸プロピル、オルトぎ酸ブチルなどのオルトぎ酸
アルキル;オルトぎ酸シクロプロピル、オルトぎ酸シク
ロヘキシルなどのオルトぎ酸シクロアルキル;オルトぎ
酸アリルなどのオルトぎ酸アルケニル;オルトぎ酸フェ
ニルなどのオルトぎ酸アリール;オルトぎ酸ベンジルな
どのオルトぎ酸アラルキル;オルト酢酸メチル、オルト
酢酸エチル、オルト酢酸プロピル、オルト酢酸ブチルな
どのオルト酢酸アルキル;オルト酢酸シクロプロピル、
オルト酢酸シクロヘキシルなどのオルト酢酸シクロアル
キル;オルト酢酸アリルなどのオルト酢酸アルケニル;
オルト酢酸フェニルなどのオルト酢酸アリール;オルト
酢酸ベンジルなどのオルト酢酸アラルキル、などが挙げ
られる。これらは、上記のR1の各基について説明した
ような置換基を有していてもよい。エステル化剤の使用
量は、エポキシカルボン酸(II)1モルに対して1〜
20モルの範囲が好ましく、1〜10モルの範囲がより
好ましい。
【0061】反応は、溶媒の存在下または非存在下に行
うことができる。使用する溶媒としては、反応に悪影響
を及ぼさない限り特に制限はなく、例えばオクタン、デ
カンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジイソプロピ
ルエーテル、ジオキサンなどのエーテルなどが挙げられ
る。溶媒を用いる場合、その使用量に特に制限はない
が、通常エポキシカルボン酸(II)に対して1〜10
重量倍の範囲が好ましく、1〜3重量倍の範囲がより好
ましい。
【0062】反応温度は、80〜180℃の範囲が好ま
しく、120〜160℃の範囲がより好ましい。反応時
間は、エポキシカルボン酸(II)、エステル化剤およ
び溶媒の種類や使用量によって変動しうるが、通常1〜
6時間の範囲である。
【0063】反応は、例えばエポキシカルボン酸(I
I)とエステル化剤および必要に応じて溶媒を混合し
て、所定温度で攪拌することで行う。
【0064】このようにして得られたエポキシエステル
(III)は、有機化合物の単離・精製において通常行
われる方法により単離・精製することができる。例えば
反応混合物を水にあけ、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
などの脂肪族炭化水素、ジクロロメタンなどのハロゲン
化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ルなどのエーテルなどで抽出し、抽出液を濃縮して得ら
れる濃縮物を蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーなどにより精製する。
【0065】(c):ハロラクトン(I)に塩基を作用
させ、次いでアルキル化剤として置換基を有していても
よいハロゲン化アルキル、置換基を有していてもよいハ
ロゲン化シクロアルキル、置換基を有していてもよいハ
ロゲン化アルケニル、置換基を有していてもよいハロゲ
ン化アリールまたは置換基を有していてもよいハロゲン
化アラルキルと反応させてエポキシエステル(III)
を得る工程
【0066】本工程は、ハロラクトン(I)に塩基を作
用させて、エポキシカルボン酸(II)を系内で生成さ
せ、この生成したエポキシカルボン酸(II)を単離せ
ずに次段階の反応を行って、エポキシエステル(II
I)をワンポットで得る工程である。
【0067】塩基としては、例えば水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の
水酸化物が挙げられる。これらの中でも水酸化カリウム
が好ましい。塩基の使用量はハロラクトン(I)1モル
に対して2〜100モルの範囲が好ましく、2〜20モ
ルの範囲がより好ましい。
【0068】アルキル化剤としては、エポキシエステル
(III)中の−CO21を形成できるアルキル化剤で
あり、例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチ
ル、ヨウ化オクチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブ
チル、臭化オクチル、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブ
チル、塩化オクチルなどのハロゲン化アルキル;ヨウ化
シクロプロピル、ヨウ化シクロペンチル、ヨウ化シクロ
ヘキシル、臭化シクロプロピル、臭化シクロペンチル、
臭化シクロヘキシル、塩化シクロプロピル、塩化シクロ
ペンチル、塩化シクロヘキシルなどのハロゲン化シクロ
アルキル;ヨウ化アリル、臭化アリル、塩化アリルなど
のハロゲン化アルケニル;ヨウ化フェニル、臭化フェニ
ル、塩化フェニルなどのハロゲン化アリール;ヨウ化ベ
ンジル、臭化ベンジル、塩化ベンジルなどのハロゲン化
アラルキルなどが挙げられる。これらは、上記のR1
各基について説明したような置換基を有していてもよ
い。上述のハロゲン化アルキル、ハロゲン化シクロアル
キル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリールまた
はハロゲン化アラルキルの使用量は、ハロラクトン
(I)1モルに対して1〜20モルの範囲が好ましく、
1〜10モルの範囲がより好ましい。
【0069】反応は、溶媒の存在下で行うのが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない
限り特に制限はなく、例えば水;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール
などのアルコール;アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ンなどの非プロトン性極性溶媒;アルコールと非プロト
ン性極性溶媒または水と非プロトン性極性溶媒の混合液
などが挙げられる。溶媒の使用量については、特に制限
はないが、通常ハロラクトン(I)に対して1〜100
重量倍の範囲が好ましく、1〜50重量倍の範囲がより
好ましい。
【0070】反応温度は、−20〜150℃の範囲が好
ましく、10〜80℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、ハロラクトン(I)、塩基、上述のハロゲン化アル
キル、ハロゲン化シクロアルキル、ハロゲン化アルケニ
ル、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化アラルキル、
および溶媒の種類や使用量によって変動しうるが、通常
1〜12時間の範囲である。
【0071】反応は、例えば塩基を溶媒に溶解して所定
温度とし、この溶液にハロラクトン(I)を添加してエ
ポキシカルボン酸(II)を系内で生成させ、次いで上
述のハロゲン化アルキル、ハロゲン化シクロアルキル、
ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリールまたはハロ
ゲン化アラルキルを添加して攪拌することで行う。
【0072】このようにして得られたエポキシエステル
(III)は、有機化合物の単離・精製において通常行
われる方法により単離・精製することができる。例えば
反応混合物を水にあけ、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
などの脂肪族炭化水素、ジクロロメタンなどのハロゲン
化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ルなどのエーテル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエス
テルなどで抽出し、抽出液を濃縮して得られる濃縮物を
蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより
精製する。
【0073】(d):エポキシエステル(III)に塩
基を作用させてオキサビシクロヘプト−2−エン(I
V)を得る工程
【0074】塩基としては、例えばナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリ
ウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カ
リウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属のアル
コキシド;tert−ブチルリチウム、リチウムビス
(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメ
チルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、リチウムヘキサメチルジシラザンのような
アルカリ金属有機塩基などが挙げられる。これらの中で
もリチウムビス(トリメチルシリル)アミドやリチウム
ヘキサメチルジシラザンが特に好ましい。塩基の使用量
はエポキシエステル(III)1モルに対して1〜20
モルの範囲が好ましく、1〜5モルの範囲がより好まし
い。
【0075】反応は、溶媒の存在下で行うことが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテルなどが挙げられる。溶媒の使用
量に特に制限はないが、通常エポキシエステル(II
I)に対して1〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜
30重量倍の範囲がより好ましい。
【0076】反応温度は、−100〜25℃の範囲が好
ましく、−70〜0℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、エポキシエステル(III)、塩基および溶媒の種
類や使用量によって変動しうるが、通常0.5〜10時
間の範囲である。
【0077】反応は、例えば塩基を溶媒に溶解して所定
温度とし、この溶液にエポキシエステル(III)を添
加して攪拌することで行う。
【0078】このようにして得られたオキサビシクロヘ
プト−2−エン(IV)は、有機化合物の単離・精製に
おいて通常行われる方法により単離・精製することがで
きる。例えば反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂
肪族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジクロ
ロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出
し、抽出液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0079】(e):オキサビシクロヘプト−2−エン
(IV)の水酸基を保護してオキサビシクロヘプト−2
−エン(V)を得る工程
【0080】水酸基の保護基としては、水酸基の保護に
際して通常用いられる保護基を使用することができる。
これらの保護基の中でも、次工程(f)でのシクロヘキ
センエステル(VII)を製造する反応条件および後述
する工程(g)でのシクロヘキセンエステル(VII
I)を製造する反応条件で安定であり、かつ後述する工
程(h)で本保護基を脱離させる際に、ヒドロキシエス
テル(IX)の他の部分を損なうことなく速やかに脱離
できるものが特に好ましい。このような水酸基の保護基
としては、例えばホルミル基、アセチル基、トリフルオ
ロアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイ
ル基などのアシル基が挙げられ、これらの中でもアセチ
ル基が特に好ましい。これらの水酸基の保護基は公知の
方法(T.W.Green,“Protective
Groups in Organic Synthes
is,”John−Wiley & Sons,New
York,1981,pp10−72)によって導入
することができる。
【0081】反応は、溶媒の存在下で行うことが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテルなどが挙げられる。溶媒の使用
量に特に制限はないが、通常オキサビシクロヘプト−2
−エン(IV)に対して1〜100重量倍の範囲が好ま
しく、1〜10重量倍の範囲がより好ましい。
【0082】例えばアセチル基の導入は、オキサビシク
ロヘプト−2−エン(IV)1モルに対して無水酢酸を
1〜10モルの範囲、好ましくは1〜3モルの範囲の量
で用い、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン、ルチ
ジン、4−ジメチルアミノピリジンなどのアミン;水素
化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属の水
素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ
金属の炭酸塩などの塩基を、オキサビシクロヘプト−2
−エン(IV)1モルに対して1〜10モルの範囲、好
ましくは1〜3モルの範囲の量で共存させて反応させる
ことで行う。なお、この場合、オキサビシクロヘプト−
2−エン(IV)の代わりにエポキシエステル(II
I)を原料として用いて、前記した(d)の工程と本工
程の反応を一段階で行うことも可能である。
【0083】このようにして得られたオキサビシクロヘ
プト−2−エン(V)は、有機化合物の単離・精製にお
いて通常行われる方法により単離・精製することができ
る。例えば反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪
族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロ
メタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、
抽出液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0084】(f):オキサビシクロヘプト−2−エン
(V)とアルコール(VI)をルイス酸の存在下で反応
させてシクロヘキセンエステル(VII)を得る工程
【0085】アルコール(VI)としては、シクロヘキ
センエステル(VII)中の−OR 3を形成できるアル
コールであり、例えばメタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、1−オクタノール、イソプロパノール、2
−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノールな
どの一級または二級アルキルアルコール;シクロペンタ
ノール、シクロヘキサノールなどの二級アルコールなど
のシクロアルキルアルコール;アリルアルコールなどの
アルケニルアルコール;フェノール、ナフトールなどの
アリールアルコール;ベンジルアルコールなどのアラル
キルアルコールが挙げられる。これらは、上記のR3
各基について説明したような置換基を有していてもよ
い。これらの中でも、アルコール(VI)として3−ペ
ンタノールを用いるのが、GS4104の合成中間体で
ある、エチル (1β,5α,6β)−5−(1−エチ
ルプロポキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
プト−3−エン−3−カルボキシレートを合成する観点
から特に好ましい。アルコール(VI)の使用量は、オ
キサビシクロヘプト−2−エン(V)1モルに対して1
〜200モルの範囲が好ましく、1〜100モルの範囲
がより好ましい。
【0086】ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素
−エーテラート、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、ヨウ化
亜鉛、四塩化チタンなどが挙げられる。ルイス酸の使用
量は、オキサビシクロヘプト−2−エン(V)1モルに
対して0.1〜30モルの範囲が好ましく、1〜10モ
ルの範囲がより好ましい。
【0087】反応は、溶媒の存在下または非存在下に行
うことができる。使用する溶媒としては、反応に悪影響
を与えない限り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプ
タン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。溶媒を
使用する場合、その使用量に特に制限はないが、通常オ
キサビシクロヘプト−2−エン(V)に対して1〜10
0重量倍の範囲が好ましく、1〜10重量倍の範囲がよ
り好ましい。
【0088】反応温度は、0〜100℃の範囲が好まし
く、10〜80℃の範囲がより好ましい。反応時間は、
オキサビシクロヘプト−2−エン(V)、アルコール
(VI)、ルイス酸および溶媒の種類や使用量によって
変動しうるが、通常0.5〜10時間の範囲である。
【0089】反応は、例えばオキサビシクロヘプト−2
−エン(V)、アルコール(VI)、ルイス酸および必
要に応じて溶媒を混合し、所定温度で攪拌することで行
う。
【0090】このようにして得られたシクロヘキセンエ
ステル(VII)は、有機化合物の単離・精製において
通常行われる方法により単離・精製することができる。
例えば反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭
化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、抽出
液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどにより精製する。
【0091】(g):シクロヘキセンエステル(VI
I)に塩基の存在下でスルホニル化剤を作用させシクロ
ヘキセンエステル(VIII)を得る工程
【0092】塩基としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリオクチルアミン、ピリジン、コリジン、ルチ
ジンなどの3級アミン;水素化ナトリウム、水素化カリ
ウムなどのアルカリ金属の水素化物;炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げら
れる。これらの中でもトリエチルアミン、ピリジン、ル
チジンが好ましい。塩基の使用量は、シクロヘキセンエ
ステル(VII)1モルに対して1〜10モルの範囲が
好ましく、1〜5モルの範囲がより好ましい。
【0093】スルホニル化剤としては、例えばメタンス
ルホニルクロリド、メタンスルホニルフルオリド、エタ
ンスルホニルクロリド、エタンスルホニルブロミド、ト
リフルオロメタンスルホニルクロリドなどの置換基を有
していてもよいアルキルスルホニルハライド;ベンゼン
スルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド、ベ
ンゼンスルホニルフルオリド、トルエンスルホニルクロ
リド、トルエンスルホニルブロミド、トルエンスルホニ
ルフルオリド、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリ
ド、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロリ
ドなどの置換基を有していてもよいアリールスルホニル
ハライド;ベンジルスルホニルクロリド、p−メチルベ
ンジルスルホニルクロリドなどの置換基を有していても
よいアラルキルスルホニルハライドなどの有機スルホニ
ルハライドや、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロ
メタンスルホン酸無水物などの置換基を有していてもよ
いアルキルスルホン酸無水物;p−トルエンスルホン酸
無水物などの置換基を有していてもよいアリールスルホ
ン酸無水物;ベンジルスルホン酸無水物などの置換基を
有していてもよいアラルキルスルホン酸無水物などの有
機スルホン酸無水物などが挙げられる。スルホニル化剤
の使用量は、シクロヘキセンエステル(VII)1モル
に対して1〜10モルの範囲が好ましく、1〜5モルの
範囲がより好ましい。
【0094】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサンなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲ
ン化炭化水素などが挙げられる。溶媒の使用量に特に制
限はないが、通常シクロヘキセンエステル(VII)に
対して1〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜10重
量倍の範囲がより好ましい。
【0095】反応温度は、−20〜50℃の範囲が好ま
しく、10〜30℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、シクロヘキセンエステル(VII)、塩基、スルホ
ニル化剤および溶媒の種類や使用量によって変動しうる
が、通常0.5〜10時間の範囲である。
【0096】反応は、例えばシクロヘキセンエステル
(VII)および塩基を溶媒に溶解して所定温度とし、
この溶液にスルホニル化剤を添加して攪拌することで行
う。
【0097】このようにして得られたシクロヘキセンエ
ステル(VIII)は、有機化合物の単離・精製におい
て通常行われる方法により単離・精製することができ
る。例えば反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪
族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロ
メタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、
抽出液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0098】(h):シクロヘキセンエステル(VII
I)のR2を脱離させてヒドロキシエステル(IX)を
得る工程
【0099】シクロヘキセンエステル(VIII)のR
2で示される水酸基の保護基の脱離は、公知の方法
(T.W.Green,“Protective Gr
oupsin Organic Synthesi
s,”John−Wiley &Sons,New Y
ork,1981,pp10−72)によって行うこと
ができる。
【0100】反応は、溶媒の存在下で行うことが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、tert−ブタ
ノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテルなどが挙げられる。溶媒の使用量に特に制限
はないが、通常シクロヘキセンエステル(VIII)に
対して1〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜10重
量倍の範囲がより好ましい。
【0101】このようにして得られたヒドロキシエステ
ル(IX)は、有機化合物の単離・精製において通常行
われる方法により単離・精製することができる。例えば
反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの脂肪族炭化水
素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出し、抽出液を
濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーなどにより精製する。
【0102】なお、R2で示される水酸基の保護基がア
セチル基のようなアシル基の場合、その脱離はメタノー
ル、エタノールなどのアルコールを溶媒とし、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩を塩
基として用いて行うことができ、かかる場合には次の工
程(i)で述べるヒドロキシエステル(IX)に塩基を
作用させる反応を同時に行い、一段階の反応で5−オキ
シ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エ
ン−3−カルボン酸エステル(X)を得ることができ
る。
【0103】(i)ヒドロキシエステル(IX)に塩基
を作用させて5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.
1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステル
(X)を得る工程
【0104】塩基としては、例えばトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリオクチルアミン、ピリジン、コリジン、ルチ
ジンなどの3級アミン;水素化ナトリウム、水素化カリ
ウムなどのアルカリ金属の水素化物;炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げら
れる。塩基の使用量はヒドロキシエステル(IX)1モ
ルに対して1〜10モルの範囲が好ましく、1〜5モル
の範囲がより好ましい。
【0105】反応は、溶媒の存在下で行うことが好まし
い。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない限
り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタ
ンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、tert−ブタ
ノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテルなどが挙げられる。溶媒の使用量に特に制限
はないが、通常ヒドロキシエステル(IX)に対して1
〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜10重量倍の範
囲がより好ましい。
【0106】反応温度は、−20〜50℃の範囲が好ま
しく、10〜30℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、ヒドロキシエステル(IX)、塩基および溶媒の種
類や使用量によって変動しうるが、通常0.5〜10時
間の範囲である。
【0107】反応は、例えばヒドロキシエステル(I
X)を溶媒に溶解して所定温度とし、塩基を添加して攪
拌することで行う。
【0108】このようにして得られた5−オキシ−7−
オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−
カルボン酸エステル(X)は、有機化合物の単離・精製
において通常行われる方法により単離・精製することが
できる。例えば反応混合物を水にあけ、ヘキサンなどの
脂肪族炭化水素;トルエンなどの芳香族炭化水素;ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテルなどで抽出
し、抽出液を濃縮して得られる濃縮物を蒸留、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーなどにより精製する。
【0109】なお、本発明の出発物質であるハロラクト
ン(I)は、後記参考例1〜4に示すように、フランと
一般式(XIII)
【0110】
【化70】
【0111】(式中、R7は置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアリール基または置換基を有していて
もよいアラルキル基を表す。)で示されるアクリル酸エ
ステルを、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの
ルイス酸の存在下でディールスアルダー反応を行い[テ
トラヘドロン レターズ(Tetrahedron L
etters),23巻,5299頁(1982年)参
照]、得られた化合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどの強塩基を作用させてカルボン酸に変換し、次
いで炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの塩基
の存在下にヨウ素、臭素などのハロゲンを反応させるこ
とにより製造することができる[ジャーナル・ケミカル
・ソサイエティー・ケミカル・コミニケーション(J.
Chem.Soc.Chem.Commun.)、40
6頁(1992年)参照]。
【0112】本発明の方法で得られる5−オキシ−7−
オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−
カルボン酸エステル(X)、例えば、エチル (1β,
5α,6β)−5−(1−エチルプロポキシ)−7−オ
キサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カ
ルボキシレートから、ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー(J.Org.Chem.)第63巻、
第4545頁(1998年)に記載の方法に従ってGS
4104を合成することができる。
【0113】本発明の方法において、一般式(XI−
1)
【0114】
【化71】
【0115】(式中、R4は水素原子、置換基を有して
いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシク
ロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル
基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有
していてもよいアラルキル基またはカルボン酸塩を形成
できる金属を表す。)または一般式(XI−2)
【0116】
【化72】
【0117】(式中、R4は前記定義のとおりであ
る。)で示されるエンド−2,3−エポキシ−7−オキ
サビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5−カル
ボン酸誘導体は、重要な中間体である。ここで、一般式
(XI−1)、一般式(XI−2)の化合物は、R4
水素原子の時、それぞれ上述の一般式(II−1)、一
般式(II−2)の化合物となり、R4がR1の時、それ
ぞれ上述の一般式(III−1)、一般式(III−
2)の化合物となる。
【0118】また、本発明の方法において、一般式(X
II−1)
【0119】
【化73】
【0120】(式中、R1およびR3は独立して置換基を
有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
いシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケ
ニル基、置換基を有していてもよいアリール基または置
換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R5およ
びR6は独立して水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよ
いアラルキル基、水酸基の保護基または有機スルホニル
基を表す。)または一般式(XII−2)
【0121】
【化74】
【0122】(式中、R1、R3、R5およびR6は前記定
義のとおりである。)で示される3,4,5−トリオキ
シ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸誘導体も、重
要な中間体である。ここで、一般式(XII−1)、一
般式(XII−2)の化合物は、R5がR2でかつR6
水素原子の時、それぞれ、一般式(XII−1)、(X
II−2)と同じ立体配置を有するシクロヘキセンエス
テル(VII)に相当し、R5がR2でかつR6がAの
時、それぞれ、一般式(XII−1)、(XII−2)
と同じ立体配置を有するシクロヘキセンエステル(VI
II)に相当し、R5が水素原子でかつR6がAの時、そ
れぞれ、一般式(XII−1)、(XII−2)と同じ
立体配置を有するヒドロキシエステル(IX)に相当す
る。
【0123】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0124】参考例1:メチル 7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−エンド−5−カルボ
キシレートの合成 フラン10ml(142mmol)にアクリル酸メチル
9.0ml(100mmol)を加え、−10℃に冷却
した。この溶液に、四塩化チタンをジクロロメタンに溶
解させた溶液40ml(1mol/l、40mmol)
を−10℃で45分間かけて滴下し、−10℃で2時間
攪拌した。反応液を、冷却した飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液中にゆっくり注ぎ、30分間攪拌した。析出した
不純物をろ別し、有機層、水層を分離し、水層を更にジ
クロロメタン50mlで2回抽出した。有機層を合わせ
て無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:10)により精製し、メチル 7−
オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−エン
ド−5−カルボキシレート5.95g(38.6mmo
l,収率38.6%)、メチル 7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−エキソ−5−カルボ
キシレート2.55g(16.6mmol,収率16.
6%)を得た。なお、エンド体とエキソ体の生成比は
7:3であった。
【0125】1H−NMR(250MHz): エンド体:δ=6.46−6.43(1H,m),6.
25−6.22(1H,m),5.18−5.16(1
H,m),5.03−5.01(1H,m),3.65
(3H,s),3.18−3.05(1H,m),2.
18−2.02(1H,m),1.68−1.52(1
H,m) エキソ体:δ=6.42−6.32(2H,m),5.
19(1H,s),5.08(1H,d,J=4.5H
z),3.73(3H,s),2.50−2.40(1
H,m),2.25−2.15(1H,m),1.63
−1.55(1H,m)
【0126】参考例2:7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン−エンド−5−カルボン酸の合成 参考例1の方法で得られたメチル 7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−エンド−5−カルボ
キシレート50.5g(328mmol)を5℃に冷却
し、水酸化ナトリウム20.3g(507mmol)を
蒸留水182mlに溶解した水溶液を15分間かけて滴
下した。滴下後、反応液を30分間かけて室温まで昇温
し、室温で2時間攪拌した。反応液に6規定塩酸140
mlを加えてpH<1とし、クロロホルム100mlで
4回抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)によ
り精製し、目的物40.2g(287mmol,収率8
7.5%)を得た。
【0127】1H−NMR(250MHz):δ=7.
12−7.03(1H,m),6.31−6.18(2
H,m),4.45−4.32(1H,m),4.23
(2H,q,J=7.2Hz),3.00−2.85
(1H,m),2.71−2.54(1H,m),1.
58(1H,s),1.31(3H,t,J=7.2H
z)
【0128】参考例3:エキソ−2−ヨード−7−オキ
サビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5,3−
カルボラクトンの合成 参考例2で得られた7−オキサビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン−エンド−5−カルボン酸1.40g
(10.0mmol)、ヨウ素5.1g(20mmo
l)およびヨウ化ナトリウム15g(0.1mol)を
5%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlに溶解し、室温
で12時間攪拌した。反応液に10%チオ硫酸ナトリウ
ム水溶液を赤色が消失するまで加えた。反応液をジクロ
ロメタンで抽出し飽和食塩水20mlで洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を再
結晶(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)により精製
し、目的物2.47g(9.26mmol,収率92.
6%)を得た。
【0129】IR(neat):3020,1795,
1448,1348,1321,1215,1184,
1024cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=5.39(1H,
t,J=4.5Hz),5.13(1H,d,J=4.
5Hz),4.82(1H,d,J=4.5Hz),
3.94(1H,s),2.80−2.75(1H,
m),2.22−2.16(2H,m) EIMS m/z:266(M+),139[(M−
I)+],127,111,83 HRMS calcd for C773I(M+):
265.9440 Found m/z=265.9445
【0130】参考例4:エキソ−2−ブロモ−7−オキ
サビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5,3−
カルボラクトンの合成 参考例2で得られた7−オキサビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン−エンド−5−カルボン酸5.00g
(35.7mmol)を水32gに溶解し、炭酸水素ナ
トリウム3.00g(35.7mmol)を発泡に注意
しながら少しずつ加えた。発泡がなくなってから、臭素
5.70g(35.7mmol)を5分かけて滴下し、
室温で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、
飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100mlで洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残
渣を再結晶(酢酸エチル)により精製し、目的物7.0
0g(32.0mmol,収率89.6%)を得た。
【0131】1H−NMR(270MHz):δ=5.
43(1H,t,J=5.0Hz),4.97(1H,
d,J=5.0Hz),4.78(1H,d,J=5.
0Hz),3.94(1H,s),2.81−2.75
(1H,m),2.08−2.37(2H,m)
【0132】実施例1:エンド−2,3−エポキシ−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5
−カルボン酸の合成 水酸化カリウム0.63g(11.22mmol)をメ
タノール2.5mlとN,N−ジメチルホルムアミド1
7.5mlの混合液に溶解させ、この溶液に参考例3で
得られたエキソ−2−ヨード−7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−エンド−5,3−カルボラク
トン0.5g(1.87mmol)を加え室温で2.5
時間攪拌した。反応液に3%塩酸水溶液15mlを加え
て中和し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩
水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)により精製し、目的
物0.292g(1.86mmol,収率99.7%)
を得た。
【0133】IR(neat):3020,2974,
2627,1707,1421,1304,1248,
1215cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=9.40−8.1
0(1H,bs),4.72−4.69(1H,m),
4.55−4.52(1H,m),4.15−4.13
(1H,m),4.06−4.03(1H,m),3.
02−2.94(1H,m),2.13−1.92(1
H,m) EIMS m/z:156(M+),139,127,
110,99 HRMS calcd for C784(M+):1
56.0423、Found m/z=156.042
【0134】実施例2:エンド−2,3−エポキシ−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5
−カルボン酸の合成 水酸化カリウム1.55g(23.9mmol)を水
3.5gに溶解させ、この溶液に参考例4で得られたエ
キソ−2−ブロモ−7−オキサビシクロ[2.2.1]
ヘプタン−エンド−5,3−カルボラクトン2.5g
(11.4mmol)を加え80℃で3時間攪拌した。
反応液に0.5M硫酸水溶液14mlを加えて酸性と
し、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:1)により精製し、目的物1.64
g(10.5mmol,収率92.1%)を得た。
【0135】IR(neat):3020,2974,
2627,1707,1421,1304,1248,
1215cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=9.40−8.1
0(1H,bs),4.72−4.69(1H,m),
4.55−4.52(1H,m),4.15−4.13
(1H,m),4.06−4.03(1H,m),3.
02−2.94(1H,m),2.13−1.92(1
H,m) EIMS m/z:156(M+),139,127,
110,99 HRMS calcd for C784(M+):1
56.0423、Found m/z=156.042
【0136】実施例3:エチル エンド−2,3−エポ
キシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エ
ンド−5−カルボキシレートの合成 実施例1で得られたエンド−2,3−エポキシ−7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エンド−5−カ
ルボン酸0.146g(0.932mmol)にオルト
酢酸トリエチル0.76g(4.66mmol)を加
え、140℃で3時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:
ヘキサン=1:5)により精製し、目的物0.171g
(0.927mmol,収率99.4%)を得た。
【0137】IR(neat):2982,1732,
1450,1369,1334,1298,1219,
1041cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=4.70−4.6
8(1H,m),4.52−4.50(1H,m),
4.20(2H,q,J=7.2Hz),4.12−
4.09(1H,m),4.03−4.00(1H,
m),2.95−2.82(1H,m),2.11−
1.96(1H,m),1.29(3H,t,J=7.
2Hz) EIMS m/z:184(M+),166,155,
139,127,110,99 HRMS calcd for C9124(M+):
184.0736、Found m/z=184.07
36
【0138】実施例4:エチル エンド−2,3−エポ
キシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−エ
ンド−5−カルボキシレートの合成 水酸化カリウム0.37g(5.61mmol)をメタ
ノール2.5mlとN,N−ジメチルホルムアミド1
7.5mlの混合液に溶解させた後、参考例3で得られ
たエキソ−2−ヨード−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−エンド−5,3−カルボラクトン0.5
g(1.87mmol)を加え室温で3時間攪拌した。
メタノールを留去し、反応液にヨウ化エチル0.96g
(6.17mmol)を加え室温で6時間攪拌した。反
応液に1N塩酸水溶液50mlを加え、酢酸エチル(2
0mlで8回)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5)により精製し、目的物0.33
g(1.79mmol,収率95.9%)を得た。
【0139】IR(neat):2982,1732,
1450,1369,1334,1298,1219,
1041cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=4.70−4.6
8(1H,m),4.52−4.50(1H,m),
4.20(2H,q,J=7.2Hz),4.12−
4.09(1H,m),4.03−4.00(1H,
m),2.95−2.82(1H,m),2.11−
1.96(1H,m),1.29(3H,t,J=7.
2Hz) EIMS m/z:184(M+),166,155,
139,127,110,99 HRMS calcd for C9124(M+):
184.0736、Found m/z=184.07
36
【0140】実施例5:エチル (1α,5α,6α)
−5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]
ヘプト−2−エン−3−カルボキシレートの合成 リチウムヘキサメチルジシラザンのテトラヒドロフラン
溶液0.32ml(1.0mol/l、0.32mmo
l)にテトラヒドロフラン1mlを加え、−78℃に冷
却した。この溶液に、実施例3で得られたエチル エン
ド−2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−エンド−5−カルボキシレート53mg
(0.287mmol)をテトラヒドロフラン1mlに
溶解したものを滴下し、滴下終了後−10℃で1時間攪
拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液5mlを
加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水
5mlで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により精製し、
目的物51.7mg(0.28mmol,収率97.5
%)を得た。
【0141】IR(neat):3445,2984,
2935,1712,1645,1417,1386,
1367,1263,1207cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=7.16−7.1
3(1H,m),4.57−4.55(1H,m),
4.21(2H,q,J=7.2Hz),3.59−
3.58(1H,m),3.50−3.47(1H,
m),2.86−2.79(1H,m),2.37−
2.22(1H,m),1.30(3H,t,J=7.
2Hz) EIMS m/z:166[(M−H2O)+],15
5,138,121,110,97 HRMS calcd for C9103[(M−H
2O)+]:166.0630、Found m/z=1
66.0645
【0142】実施例6:エチル (1α,5α,6α)
−5−アセトキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]
ヘプト−2−エン−3−カルボキシレートの合成 実施例5で得られたエチル (1α,5α,6α)−5
−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプ
ト−2−エン−3−カルボキシレート15mg(0.0
81mmol)をジクロロメタン0.5mlに溶解し、
無水酢酸12.4mg(0.122mmol)、トリエ
チルアミン12.4mg(0.122mmol)および
4−ジメチルアミノピリジン1mg(0.008mmo
l)を加え、室温で30分間攪拌した。反応終了後、溶
媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)により精製し、
目的物15.6mg(0.069mmol,収率85.
1%)を得た。
【0143】IR(neat):2984,1738,
1714,1649,1425,1369,1261,
1205,1097,1028cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=7.18−7.1
2(1H,m),5.67−5.60(1H,m),
4.21(2H,q,J=7.2Hz),3.63−
3.60(1H,m),3.52−3.49(1H,
m),2.76−2.85(1H,m),2.41−
2.29(1H,m),2.04(3H,s),1.3
1(3H,t,J=7.2Hz)
【0144】実施例7:エチル (1α,5α,6α)
−5−アセトキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]
ヘプト−2−エン−3−カルボキシレートの合成 1.0mol/lリチウムヘキサメチルジシラザンのテ
トラヒドロフラン溶液11ml(11mmol)を−3
0℃に冷却した。ここに、実施例3で得られたエチル
エンド−2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ[2.
2.1]ヘプタン−エンド−5−カルボキシレート1.
84g(10mmol)をテトラヒドロフラン5mlに
溶解させたものを滴下し、滴下終了後−30℃で1時間
攪拌した。反応液に無水酢酸1.328g(13mmo
l)を加え、室温まで昇温し3時間攪拌した。室温で反
応液に飽和塩化アンモニウム水溶液30mlを加え、酢
酸エチル50mlで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
5)により精製し、目的物1.808mg(0.80m
mol,収率80.0%)を得た。
【0145】IR(neat):2984,1738,
1714,1649,1425,1369,1261,
1205,1097,1028cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=7.18−7.1
2(1H,m),5.67−5.60(1H,m),
4.21(2H,q,J=7.2Hz),3.63−
3.60(1H,m),3.52−3.49(1H,
m),2.76−2.85(1H,m),2.41−
2.29(1H,m),2.04(3H,s),1.3
1(3H,t,J=7.2Hz)
【0146】実施例8:エチル (3α,4β,5α)
−3−(1−エチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−5
−アセトキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボキシレ
ートの合成 実施例7で得られたエチル (1α,5α,6α)−5
−アセトキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプ
ト−2−エン−3−カルボキシレート91mg(0.4
0mmol)を3−ペンタノール1.35mlに溶解
し、室温で三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体63m
g(0.44mmol)を加え室温で1.5時間攪拌
後、飽和炭酸水素ナトリウム5mlを加えた。反応液を
ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:4)により精製し、目的物102m
g(0.325mmol,収率81.2%)を得た。
【0147】IR(neat):3508,2966,
2937,2878,1718,1657,1464,
1369,1236,1082,1037cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=6.77−6.7
5(1H,m),5.07−4.96(1H,m),
4.21(2H,q,J=7.2Hz),4.13−
4.05(1H,m),3.83−3.75(1H,
m),3.52−3.45(1H,m),3.01−
2.90(1H,m),2.35−2.21(1H,
m),2.12(3H,s),1.61−1.55(4
H,m),1.31(3H,t,J=7.2Hz),
0.97−0.91(6H,m) EIMS m/z:314(M+),272,254,
227,212,185,139,111,96 HRMS calcd for C16266(M+):
314.1729、Found m/z=314.17
27
【0148】実施例9:エチル (3α,4β,5α)
−3−(1−エチルプロポキシ)−4−メタンスルホニ
ルオキシ−5−アセトキシ−1−シクロヘキセン−1−
カルボキシレートの合成 実施例8で得られたエチル (3α,4β,5α)−3
−(1−エチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−5−ア
セトキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボキシレート
11mg(0.034mmol)をジクロロメタン0.
1mlに溶解し、トリエチルアミン5mg(0.051
mmol)を加え室温で5分間攪拌した。この反応液を
0℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド6mg(0.
051mmol)を加え室温で1時間攪拌した。反応液
をジクロロメタン20mlで希釈し、飽和炭酸水素ナト
リウム20mlおよび飽和食塩水10mlで洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5)により精製し、目的物13mg
(0.033mmol,収率97.3%)を得た。
【0149】IR(neat):2968,2941,
2879,1751,1718,1657,1464,
1358,1238,1178,1060cm-1 1 H−NMR(250MHz):δ=6.77−6.7
5(1H,m),5.21−5.11(1H,m),
4.81−4.72(1H,m),4.34−4.28
(1H,m),4.21(2H,q,J=7.2H
z),3.48−3.38(1H,m),3.08(3
H,s),2.98−2.90(1H,m),2.50
−2.38(1H,m),1.61−1.55(4H,
m),1.31(3H,t,J=7.2Hz),0.9
6−0.88(6H,m) EIMS m/z:392(M+),363[(M−C
2CH3+],305[(M−OC510+],26
3,245,217,199,184,173 HRMS calcd for C17288
(M+):392.1505、Found m/z=3
92.1508
【0150】実施例10:エチル (1β,5α,6
β)−5−(1−エチルプロポキシ)−7−オキサビシ
クロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボキシ
レートの合成 実施例9で得られたエチル (3α,4β,5α)−3
−(1−エチルプロポキシ)−4−メタンスルホニルオ
キシ−5−アセトキシ−1−シクロヘキセン−1−カル
ボキシレート34mg(0.086mmol)をエタノ
ール3mlに溶解し、室温で炭酸カリウム60mg
(0.043mmol)を加え室温で3時間攪拌後、飽
和塩化アンモニウム水溶液5mlを加え、ジクロロメタ
ンで抽出した。有機層を飽和食塩水5mlで洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:5)により精製し、目的物21.7
mg(0.085mmol,収率98.5%)を得た。
【0151】IR(neat):1712,1290,
1253,1217,1091,1070,1051c
-1 1 H−NMR(250MHz):δ=6.72−6.7
2(1H,m),4.39−4.37(1H,m),
4.21(2H,q,J=7.2Hz),3.51−
3.45(3H,m),3.09−3.00(1H,
m),2.45−2.36(1H,m),1.62−
1.54(4H,m),1.31(3H,t,J=7.
2Hz),1.01−0.93(6H,m) EIMS m/z:236[(M−H2O)+],22
5,209,191,167,151,138,12
1,110 HRMS calcd for C14203[(M−
2O)+]:236.1413、Found m/z=
236.1422
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、抗インフルエンザ薬と
して開発が進められているGS4104の合成中間体と
して有用な、エチル (1β,5α,6β)−5−(1
−エチルプロポキシ)−7−オキサビシクロ[4.1.
0]ヘプト−3−エン−3−カルボキシレートのよう
な、5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
プト−3−エン−3−カルボン酸エステルを安価に、工
業的に有利に、効率的に大量に製造することができる。
本発明の方法におけるハロラクトン(I)は、安価な原
料から合成することができる。したがって本発明の方法
によれば、高価な原料を用いることなく、安価な原料か
ら5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプ
ト−3−エン−3−カルボン酸エステルを製造すること
ができる。本発明の方法は、5−オキシ−7−オキサビ
シクロ[4.1.0]ヘプト−3−エン−3−カルボン
酸エステルを工業的に大量に製造するために適してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 493/18 C07D 493/18 // C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 桑山 知也 岡山県倉敷市酒津2045−1 株式会社クラ レ内 (72)発明者 杉岡 尚 岡山県倉敷市酒津2045−1 株式会社クラ レ内 (72)発明者 清水 和哉 岡山県倉敷市酒津2045−1 株式会社クラ レ内 (72)発明者 金平 浩一 岡山県倉敷市酒津2045−1 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4C048 AA04 BB01 BC05 BC20 CC01 UU03 XX02 4C071 AA03 BB02 CC12 DD08 EE02 FF14 HH28 KK02 KK08 LL07 4H006 AA01 AA02 AB29 AB84 AC41 AC61 BA67 BJ20 BP20 BT14 BT22

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハ
    ロゲノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
    5,3−カルボラクトンに塩基を作用させ、次いで置換
    基を有していてもよいハロゲン化アルキル、置換基を有
    していてもよいハロゲン化シクロアルキル、置換基を有
    していてもよいハロゲン化アルケニル、置換基を有して
    いてもよいハロゲン化アリールまたは置換基を有してい
    てもよいハロゲン化アラルキルと反応させて、一般式
    (III) 【化2】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示される2,3−エポキシ−7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸
    エステルを得、得られた2,3−エポキシ−7−オキサ
    ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸エス
    テルに塩基を作用させて、一般式(IV) 【化3】 (式中、R1は前記定義のとおりである。)で示される
    5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
    プト−2−エン−3−カルボン酸エステルを得、得られ
    た5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]
    ヘプト−2−エン−3−カルボン酸エステルの水酸基を
    保護して、一般式(V) 【化4】 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R2は水酸基の
    保護基を表す。)で示される5−オキシ−7−オキサビ
    シクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン
    酸エステルを得、得られた5−オキシ−7−オキサビシ
    クロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸
    エステルと一般式(VI) 【化5】 (式中、R3は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示されるアルコールを、ルイス酸の
    存在下で反応させて、一般式(VII) 【化6】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−
    1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステルを得、得
    られた4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−1−シクロ
    ヘキセン−1−カルボン酸エステルに塩基の存在下でス
    ルホニル化剤を作用させて、一般式(VIII) 【化7】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    り、Aは有機スルホニル基を表す。)で示される3,5
    −ジオキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセ
    ン−1−カルボン酸エステルを得、得られた3,5−ジ
    オキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−
    1−カルボン酸エステルのR2を脱離させて、一般式
    (IX) 【化8】 (式中、A、R1およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ−4−ス
    ルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸
    エステルを得、得られた5−ヒドロキシ−3−オキシ−
    4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カル
    ボン酸エステルに塩基を作用させることを特徴とする、
    一般式(X) 【化9】 (式中、R1およびR3は前記定義のとおりである。)で
    示される5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
    0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化10】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハ
    ロゲノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
    5,3−カルボラクトンに塩基を作用させて、一般式
    (II) 【化11】 で示される2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ
    [2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸を得、得られ
    た2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ[2.2.
    1]ヘプタン−5−カルボン酸にエステル化剤を作用さ
    せて、一般式(III) 【化12】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示される2,3−エポキシ−7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸
    エステルを得、得られた2,3−エポキシ−7−オキサ
    ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸エス
    テルに塩基を作用させて、一般式(IV) 【化13】 (式中、R1は前記定義のとおりである。)で示される
    5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
    プト−2−エン−3−カルボン酸エステルを得、得られ
    た5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]
    ヘプト−2−エン−3−カルボン酸エステルの水酸基を
    保護して、一般式(V) 【化14】 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R2は水酸基の
    保護基を表す。)で示される5−オキシ−7−オキサビ
    シクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン
    酸エステルを得、得られた5−オキシ−7−オキサビシ
    クロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸
    エステルと一般式(VI) 【化15】 (式中、R3は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示されるアルコールを、ルイス酸の
    存在下で反応させて、一般式(VII) 【化16】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−
    1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステルを得、得
    られた4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−1−シクロ
    ヘキセン−1−カルボン酸エステルに塩基の存在下でス
    ルホニル化剤を作用させて、一般式(VIII) 【化17】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    り、Aは有機スルホニル基を表す。)で示される3,5
    −ジオキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセ
    ン−1−カルボン酸エステルを得、得られた3,5−ジ
    オキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−
    1−カルボン酸エステルのR2を脱離させて、一般式
    (IX) 【化18】 (式中、A、R1およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ−4−ス
    ルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸
    エステルを得、得られた5−ヒドロキシ−3−オキシ−
    4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カル
    ボン酸エステルに塩基を作用させることを特徴とする、
    一般式(X) 【化19】 (式中、R1およびR3は前記定義のとおりである。)で
    示される5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
    0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化20】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハ
    ロゲノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
    5,3−カルボラクトンに塩基を作用させることを特徴
    とする、一般式(II) 【化21】 で示される2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ
    [2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II−1) 【化22】 または一般式(II−2) 【化23】 で示される2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ
    [2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸にエステル化
    剤を作用させることを特徴とする、一般式(III−
    1) 【化24】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)または一般式(III−2) 【化25】 (式中、R1は前記定義のとおりである。)で示される
    2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ[2.2.1]
    ヘプタン−5−カルボン酸エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化26】 (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で示される2−ハ
    ロゲノ−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
    5,3−カルボラクトンに塩基を作用させ、次いで置換
    基を有していてもよいハロゲン化アルキル、置換基を有
    していてもよいハロゲン化シクロアルキル、置換基を有
    していてもよいハロゲン化アルケニル、置換基を有して
    いてもよいハロゲン化アリールまたは置換基を有してい
    てもよいハロゲン化アラルキルと反応させることを特徴
    とする、一般式(III) 【化27】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示される2,3−エポキシ−7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸
    エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(III) 【化28】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示される2,3−エポキシ−7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸
    エステルに塩基を作用させることを特徴とする、一般式
    (IV) 【化29】 (式中、R1は前記定義のとおりである。)で示される
    5−ヒドロキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
    プト−2−エン−3−カルボン酸エステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(IV) 【化30】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示される5−ヒドロキシ−7−オキ
    サビシクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カル
    ボン酸エステルの水酸基を保護して、一般式(V) 【化31】 (式中、R1は前記定義のとおりであり、R2は水酸基の
    保護基を表す。)で示される5−オキシ−7−オキサビ
    シクロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン
    酸エステルを得、得られた5−オキシ−7−オキサビシ
    クロ[4.1.0]ヘプト−2−エン−3−カルボン酸
    エステルと一般式(VI) 【化32】 (式中、R3は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示されるアルコールを、ルイス酸の
    存在下で反応させることを特徴とする、一般式(VI
    I) 【化33】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−
    1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 一般式(V) 【化34】 (式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表し、R 2は水酸基の保護基を表す。)で示さ
    れる5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘ
    プト−2−エン−3−カルボン酸エステルと一般式(V
    I) 【化35】 (式中、R3は置換基を有していてもよいアルキル基、
    置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
    有していてもよいアルケニル基、置換基を有していても
    よいアリール基または置換基を有していてもよいアラル
    キル基を表す。)で示されるアルコールを、ルイス酸の
    存在下で反応させることを特徴とする、一般式(VI
    I) 【化36】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−ジオキシ−
    1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 一般式(VII) 【化37】 (式中、R1およびR3は独立して置換基を有していても
    よいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
    キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
    基を有していてもよいアリール基または置換基を有して
    いてもよいアラルキル基を表し、R2は水酸基の保護基
    を表す。)で示される4−ヒドロキシ−3,5−ジオキ
    シ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸エステルに、
    塩基の存在下でスルホニル化剤を作用させて、一般式
    (VIII) 【化38】 (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりであ
    り、Aは有機スルホニル基を表す。)で示される3,5
    −ジオキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセ
    ン−1−カルボン酸エステルを得、得られた3,5−ジ
    オキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−
    1−カルボン酸エステルのR2 を脱離させて、一般式
    (IX) 【化39】 (式中、A、R1およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ−4−ス
    ルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸
    エステルを得、得られた5−ヒドロキシ−3−オキシ−
    4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カル
    ボン酸エステルに塩基を作用させることを特徴とする、
    一般式(X) 【化40】 (式中、R1およびR3は前記定義のとおりである。)で
    示される5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
    0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 一般式(VIII) 【化41】 (式中、R1およびR3は独立して置換基を有していても
    よいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
    キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
    基を有していてもよいアリール基または置換基を有して
    いてもよいアラルキル基を表し、R2は水酸基の保護基
    を表し、Aは有機スルホニル基を表す。)で示される
    3,5−ジオキシ−4−スルホニルオキシ−1−シクロ
    ヘキセン−1−カルボン酸エステルのR2を脱離させ
    て、一般式(IX) 【化42】 (式中、A、R1およびR3は前記定義のとおりであ
    る。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ−4−ス
    ルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸
    エステルを得、得られた5−ヒドロキシ−3−オキシ−
    4−スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カル
    ボン酸エステルに塩基を作用させることを特徴とする、
    一般式(X) 【化43】 (式中、R1およびR3は前記定義のとおりである。)で
    示される5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
    0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 一般式(IX) 【化44】 (式中、R1およびR3は独立して置換基を有していても
    よいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
    キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
    基を有していてもよいアリール基または置換基を有して
    いてもよいアラルキル基を表し、Aは有機スルホニル基
    を表す。)で示される5−ヒドロキシ−3−オキシ−4
    −スルホニルオキシ−1−シクロヘキセン−1−カルボ
    ン酸エステルに塩基を作用させることを特徴とする、一
    般式(X) 【化45】 (式中、R1およびR3は前記定義のとおりである。)で
    示される5−オキシ−7−オキサビシクロ[4.1.
    0]ヘプト−3−エン−3−カルボン酸エステルの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 一般式(XI−1) 【化46】 (式中、R4は水素原子、置換基を有していてもよいア
    ルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル
    基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
    有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよ
    いアラルキル基またはカルボン酸塩を形成できる金属を
    表す。)または一般式(XI−2) 【化47】 (式中、R4は前記定義のとおりである。)で示される
    エンド−2,3−エポキシ−7−オキサビシクロ[2.
    2.1]ヘプタン−エンド−5−カルボン酸誘導体。
  13. 【請求項13】 一般式(XII−1) 【化48】 (式中、R1およびR3は独立して置換基を有していても
    よいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアル
    キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
    基を有していてもよいアリール基または置換基を有して
    いてもよいアラルキル基を表し、R5およびR6は独立し
    て水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置
    換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有
    していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよ
    いアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル
    基、水酸基の保護基または有機スルホニル基を表す。)
    または一般式(XII−2) 【化49】 (式中、R1、R3、R5およびR6は前記定義のとおりで
    ある。)で示される3,4,5−トリオキシ−1−シク
    ロヘキセン−1−カルボン酸誘導体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003532704A (ja) * 2000-05-12 2003-11-05 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング スルホニルベンゾイルグアニジニウム塩を製造するための方法
JP2010126468A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Toyota Central R&D Labs Inc スルホンアミド化合物の製造方法
JP2012087077A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Toyohashi Univ Of Technology 光学活性シクロヘキセン誘導体の製造方法、光学活性シクロヘキセン誘導体、並びにそれを用いた光学活性シクロヘキサジエン誘導体の製造方法及び光学活性シクロヘキサジエン誘導体

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