JP2719723B2 - アリール酢酸モノエステル類およびその製造法 - Google Patents

アリール酢酸モノエステル類およびその製造法

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JP2719723B2 JP1314028A JP31402889A JP2719723B2 JP 2719723 B2 JP2719723 B2 JP 2719723B2 JP 1314028 A JP1314028 A JP 1314028A JP 31402889 A JP31402889 A JP 31402889A JP 2719723 B2 JP2719723 B2 JP 2719723B2
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は天然物由来の様々な化合物の不斉合成に有用
であり、さらに詳しくは、光学活性なプロスタグランジ
ン類の合成に有用なアリール酢酸モノエステル類および
その製造法に関する。
従来の技術 光学活性なこの種の化合物を合成する方法としては、
ディールス・アルダー反応、酵素によるジエステル部分
の加水分解法などがよく知られている。然し乍ら、これ
らの反応では光学純度の低い化合物が形成されたり、あ
るいは光学純度が高くても副生する立体異性体等の不純
物を容易には除去できないのが一般的であった。また、
前述の酵素による加水分解法では、酵素の反応物の受容
性や酵素反応の条件設定に難しさがある。従って、光学
的に純粋な化合物を容易に、しかも大量・安価に得るこ
とはなかなか困難であった。
発明が解決する課題 酵素を使用しないで、不斉合成によって光学純度の高
い化合物を得ることは天然有機化合物の合成のみなら
ず、広い意味での医薬品を始めとする種々の化合物の合
成にとって重要な意味をもつ。
本発明は、各種の光学活性な化合物、特に医薬を不斉
合成する際に重要な中間体を高い光学純度で提供するこ
とを意図している。本発明はさらに本反応を立体選択的
に反応を進行させ、かつ反応過程で生じる僅かな副生成
物を極めて容易に除去して、該中間体を光学的に純粋な
化合物として単離する方法をも提供している。尚、本発
明は以上の反応を安価な試薬で、かつ簡便に行ない得る
ことをも意図している。
課題を解決する手段 本発明者らは以上の点に鑑み、鋭意検討を重ねた結
果、σ対称性を有するプロキラル酸無水物に(R)−ま
たは(S)−アリール酢酸誘導体を反応させれば所望の
立体配置を有するアリール酢酸モノエステル類を選択的
に得られる事を見出し、本発明を完成した。詳細は後述
するが、本反応においては生じた副生成物を再結晶で除
去できる。本発明が提供する不斉合成法は、種々のσ対
称を有するプロラキル酸無水物を応用可能であり、その
結果生じるアリール酢酸モノエステル類は、種々のプロ
スタグランジン、マクロライド、ポリエーテル化合物、
マクロラクタム、アミノ糖、ヌクレオチド、テルペン、
アルカロイド、コンパクチンその他の天然物由来の有用
化合物の合成中間体として極めて重要である。
本発明はこのような重要な中間体である式: 式中、R1は(1)水素または(2)低級アルキルカル
ボニル、低級アルキルオキシカルボニル、エチレングリ
コールアセタール、ジメチルアセタールまたはジエチル
アセタールで置換されていてもよいC1〜C2アルキルもし
くはフェニルを示すかあるいは(3)一緒になってC2
C6アルキレン、C2もしくはC4〜C6アルケニレン、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−
エン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アサビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ンまたは7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
を形成してもよく、R2は水素またはメチルを示し、R3
(1)水素、(2)低級アルキルカルボニル、低級アル
キルオキシカルボニル、エチレングリコールアセター
ル、ジメチルアセタールまたはジエチルアセタールで置
換されていてもよいアルキルまたは(3)アルキル、ア
ルコキシ、ハロゲンまたはニトロで置換されていてもよ
いアラルキルを示し、Xは単結合またはCH2、C=O、
N−R4、O、S、CHNR4、CHCH3、CHArまたはCHOR5(た
だし、Xが単結合またはCH2、C=O、N−R4、Oもし
くはSのとき、R1およびR2は同時に水素またはメチルで
ある場合およびXが単結合のとき、R1が一緒になってC2
〜C4アルキレン、C2アルケニレン、ビシクロ[2.2.1]
ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−
オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オキサビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタン、7−アサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5
−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタンまたは7
−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エンである場合
を除く)を示し、R4は水素、ホルミル、アセチル、ベン
ゾイル、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニル、2−(p−ビフェニル)イソプロポキシカル
ボニル、アリル、ベンジル、トリフェニルメチルまたは
テトラヒドロピラニルを示し、R5は水素、メチル、tert
−ブチル、アリル、ベンジル、テトラヒドロピラニル、
tert−ブチルジメチルシリルオキシ、tert−ブチルジフ
ェニルシリルオキシ、アセチル、ベンゾイル、メチルス
ルホニル、p−トリルスルホニルまたはフェニルスルホ
ニルを示し、Arはアルコキシまたはハロゲンで置換され
ていてもよいアリールを示すで表わされる光学活性アリ
ール酢酸モノエステルを提供し、さらにこれを得る方法
として、式: (式中、R1は(1)水素または(2)低級アルキルカル
ボニル、低級アルキルオキシカルボニル、エチレングリ
コールアセタール、ジメチルアセタールまたはジエチル
アセタールで置換されていてもよいC1〜C2アルキルもし
くはフェニルを示すかあるいは(3)一緒になってC2
C6アルキレン、C2もしくはC4〜C6アルケニレン、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−
エン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アサビシクロ[2.2.1]
ヘプタ−5−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ンまたは7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
を形成してもよく、R2は水素またはメチルを示し、およ
びXは単結合またはCH2、C=O、N−R4、O、S、CHN
R4、CHCH3、CHArまたはCHOR5(ただし、Xが単結合また
はCH2、C=O、N−R4、OもしくはSのとき、R1およ
びR2は同時に水素またはメチルである場合を除く))で
表わされるσ対称性を有する酸無水物に式: (式中、M1は水素または金属原子、R3は(1)水素、
(2)低級アルキルカルボニル、低級アルキルオキシカ
ルボニル、エチレングリコールアセタール、ジメチルア
セタールまたはジエチルアセタールで置換されていても
よいアルキルまたは(3)アルキル、アルコキシ、ハロ
ゲンまたはニトロで置換されていてもよいアラルキルを
示し、およびArはアルコキシまたはハロゲンで置換され
ていてもよいアリールを示す)で表わされる(R)−ま
たは(S)−アリール酢酸誘導体を反応させ、所望によ
りさらに脱保護反応に付すことを特徴とする式: (式中、R1、R2、R3、ArおよびXは前記と同意義を有す
る)で表わされるアリール酢酸モノエステル不斉合成法
を提供する。
前記化合物(II)は、アリール酢酸部分のカルボキシ
ル基が保護されている場合には、容易には結晶化せず他
の副生物とは区別しにくいが、脱保護して対応する遊離
のカルボン酸とすれば、容易に結晶化して立体化学的に
純粋な化合物として極めて容易に単離できる。
以下に、反応工程図を示し、本発明をさらに詳しく説
明する。
[A法] (R)−アリール酢酸誘導体を用いる方法 (式中、R1、R2、R3、Ar、M1およびXは前記と同意義を
有する) σ対称性を有するプロキラルな環状無水物に、(R)
−アリール酢酸誘導体を溶媒中で約−100〜約50℃、よ
り好ましくは約−100〜約0℃にて数十分〜数時間反応
させれば化合物(II−De)が得られる。用い得る溶媒と
しては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエ
タン、n−ヘキサン、DMSO、トルエン、ヘキサメチルホ
スホロアミド(HMPA)などが挙げられる。
この時、用いるアリール酢酸誘導体が遊離のカルボン
酸であれば、直接、目的化合物(II−D)が得られる。
一方、該誘導体のカルボン酸が保護されたエステルの場
合には、所望により脱保護して目的化合物(II−D)が
得られる。本明細書中においては、脱保護前の目的化合
物を特に化合物(II−De)と表現することがある。
多くの場合、化合物(II−De)は結晶化しないが、常
法に従って脱保護して目的化合物(II−D)とすれば、
容易に結晶化して単離され、この時に不純物、特に、反
応中に僅かに生ずる次式: (式中、R1、R2、R3、ArおよびXと前記と同意義を有す
る)で表わされる化合物(II′−De)が極めて容易に除
去される。即ち、化合物(II′−De)も容易に脱保護さ
れてジカルボン酸(II′−D)となるが、これは母液に
残るので、該副生成物を100%除去でき、純粋な目的化
合物(II−D)を極めて容易に得ることができる。今ま
で数多くの不斉合成法が提案されているが、副成するジ
アステレオマーをこれほど簡単に除去できる方法は今だ
知られていない。
脱保護反応としては、中性〜酸性条件下で行なう反応
が推奨される。即ち、アリール酢酸誘導体のエステル結
合を保持したまま、脱保護する必要があるが、アルカリ
性条件下では該エステル結合が切れてしまうので適さな
い。通常はパラジウム−炭素による中性条件下での脱保
護反応を行な4う。しかし、他に還元されやすい官能基
を有するような場合や、R1が一緒になって、C2もしくは
C4〜C6アルケニレンまたは2重結合を有するビシクロ環
を形成しているような場合には、水素化されて1重結合
になることがある。もし、該官能基や2重結合等を保持
したまま、脱保護したければ、トリフルオロ酢酸、塩化
アルミニウム、塩酸または亜鉛/酢酸などの試薬を用い
て酸性条件下で脱保護を行なえば良い。これらは置換基
R3の種類によっても適宜、好ましい条件を選択すれば良
い。
[B法] (S)−アリール酢酸誘導体を用いる方法 (式中、R1、R2、R3、Ar、M1およびXは前記と同意義を
有する。) (S)−アリール酢酸誘導体を用いる以外は、前記A
法と全く同様にして、光学的に純粋な目的化合物(II−
L)が得られる。
本明細書中において、置換されていてもよいC1〜C2
ルキルまたはフェニルとは、低級アルキルカルボニル、
低級アルキルオキシカルボニルもしくは保護されたホル
ミルで置換されてもよいC1〜C2アルキルまたはフェニル
を意味する。ここで、低級アルキルとはC1〜C3アルキル
を意味し、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピ
ルが例示される。保護されたホルミルとしては、エチレ
ングリコールアセタール、ジメチルアセタール、ジエチ
ルアセタールなどが例示される。
C2〜C6アルキレンとは、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンチレンまたはヘキシレンを意味し、酸無水物
分子にσ対称性が保持される限り、そのアルキレン上に
置換基はあっても良い。
C2もしくはC4〜C6アルケニレンとは、ビニレン、2−
ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1,4−ペンタジエニ
レン、3−ヘキセニレン、2,4−ヘキサジエニレンまた
は1,5−ヘキサジエニレンを意味し、酸無水物分子にσ
対称性が保持される限り、そのアルキレン上に置換基は
あっても良い。
ビシクロ環としては、ノルボルナン型(ビシクロ[2.
2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−エン
など)や7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−
オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−エン、7−ア
ザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アザビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
等が例示される。
Xで定義されるカルボニル基(C=O)はケタールで
保護されていてもよい。
アミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、ベンゾ
イルなどのアシル、ベンジルオキシカルボニル、tert−
ブトキシカルボニル、2−(p−ビフェニル)イソプロ
ポキシカルボキシなどのウレタン型誘導体形成基、アリ
ル、ベンジル、トリフェニルメチル、テトラヒドロピラ
ニルなどを挙げることができる。
ヒドロキシ保護基としては、メチル、tert−ブチル、
アリル、ベンジル、テトラヒドロピラニル、tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシ、tert−ブチルジフェニルシリ
ルオイシなどのエーテル形成保護基、アセチル、ベンゾ
イルなどのエステル形成保護基、メチルスルホニル、p
−トリルスルホニル、フェニルスルホニルなどのスルホ
ン酸エステル形成保護基などを挙げることができる。ア
ミノ保護基、ヒドロキシ保護基は、それぞれこれらに限
定されるものではなく、一般的な保護基、例えば、J.F.
W.マッコミー編“Protective Groups in OrganicChemis
try"Plenum Press,1973年、43ページ〜143ページに記載
されている保護基から選ぶことができる。
「置換されてもよいアリール」という用語において、
アリールとはフェニルまたはα−もしくはβ−ナフチル
を意味する。置換基としてはエステル類を除けば、特に
限定されるべきではないが、例えばメトキシやエトキシ
などのアルコキシやブロム、クロルまたはフルオロなど
のハロゲンなどが例示される。
金属原子とは、リチウム、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウムなどの
アルカリ土類金属原子、および亜鉛を意味する。
置換されてもよいアラルキルとは、メチル、エチル、
プロピルなどのアルキル;メトキシ、エトキシ、プロポ
キシなどのアルコキシ;ブロム、クロル、フルオロなど
のハロゲン;またはニトロなどで置換されていてもよい
ベンジル、ベンズヒドリルまたはナフチルメチルなどを
意味する。
本発明で用いる(R)−または(S)−アリール酢酸
誘導体は以上の定義から明らかであるが、中でもD−も
しくはL−マンデル酸またはその誘導体が好ましく用い
られ、入手も容易である。その誘導体としては、例え
ば、D−またはL−マンデル酸のメチル、ベンジル、ベ
ンズヒドリル、パラニトロベンジル、パラメトキシベン
ジル、パラメチルベンジルまたはパラブロムベンジルな
どとのエステルが好ましく用いられる。以下に示す諸実
施例や参考例中において用いたD−マンデル酸、その誘
導体またはそれらの残基をD−Mandeと略記し、L−マ
ンデル酸、その誘導体またはそれらの残基をL−Mande
と略記することがある。
以下に実施例および参考例を示し、本発明をさらに詳
しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するもので
はない。
尚、諸実施例および参考例で用いる略号について以下
に説明する。
Me:メチル CH2Ph:ベンジル Et:エチル CHPh2:ベンズヒドリル Bu:ブチル Ph :フェニル THF:テトラヒドロフラン DMF:ジメチルホルムアミド PMB:4−メトキシベンジル 実施例1 (第1工程) (1S,2R,3S,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−(ベンジルD−マンデレー
ト)エステル(II2−De1)の製造 窒素雰囲気下、D−マンデル酸ベンジルエステル(5.
33g、22.0mmol)をTHF(50ml)に溶かした後、−78℃に
冷却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液13.13ml、21.0mmo
l)を滴下し、15分間撹拌する。反応液にビシクロ[2,
2,1]ヘプタ−5−エン−2−エンド,3−エンド−ジカ
ルボン酸無水物I−1(3.32g、20.0mmol)のTHF溶液
(20ml)を加える。−78℃で1時間撹拌後、2N塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出する。水、食塩水で洗浄後濃縮す
ると、化合物II2−Te1および副生成物II2′−Te1が得ら
れる(合計収量:9.33g)。化合物II2−Te1はシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル)に
付して精製する。
IR(液膜):3600−2400,1748,1710,1498,1456,1342,1
257,1208,1165,1084,1072,912,732,696 1H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.33(ABq,Apart,J=
8.9Hz;1H),1.48(ABq,Bpart,J=8.9Hz,1H),3.16(br.
s,1H),3.21(br.s,1H),3.30(dABq,Apart,J=3.2,10.
2Hz,1H),3.47(dABq,Bpart,J=3.4Hz,10.2Hz,1H),5.1
3(s,2H),5.97(s,1H),6.11(dABq,Apart,J=2.9Hz,
5.9Hz,1H),6.28(dABq,Bpart,J=2.8,5.9Hz,1H),7.13
〜7.52(m,10H) (第2工程) (1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸 2−(D−マンデル酸)エステル(II1
−D)の製造 10%パラジウム炭素(0.4g)に先で得た粗生成物II2
−Te1(4.06g、10.0mmol)のメタノール溶液(30ml)を
加え、常圧、水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌後、触
媒を濾過して除き、濃縮する。反応混合物に酢酸エチ
ル、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、水層を分取
する。有機層をもう一度水で抽出し、最初の水層を合わ
せて酢酸エチルで洗浄する。2N塩酸を加え、酢酸エチル
で抽出後、飽和食塩水で洗浄し、濃縮すると粗生成物II
1−Dが得られる(3.14g、酸無水物からの収率:99%、I
I1−D:II1′−D=86:14(HPLCによる))。
酢酸エチルより再結晶することにより目的化合物(II
1−D)を単離する(2.05g、収率:64%)。融点:164〜1
66℃。
元素分析(C17H18O6として) 計算値(%):C,64.13:H,5.71 実測値(%):C,63,83;H,5.73 1HMR(CDCl3,TMS)δ ppm:1.46(br.s,4H),1.57〜
1.75(m,1H),1.84〜2.08(m,1H),2.40〜2.62(m,2
H),3.02(dABq,Apart,J=3.6,11.6Hz,1H),3.29(dBA
q,Bpart,J=4.4,11.6Hz,1H),5.86(s,1H),7.33〜7.65
(m,5H) ▲[α]25 D▼=−117.1±0.8゜(MeOH,C=1.934%) 母液を濃縮後、塩化メチレンより再結晶することによ
り副生成物としての(II1′−D)を得る。融点157〜15
8℃。
元素分析(C17H18O6として) 計算値(%):C,64.13:H,5.71 実測値(%):C,64,02;H,5.57。
1H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.30〜1.66(m,4H),
1.69〜1.87(m,1H),1.96〜2.13(m,1H),2.60(br.s,2
H),3.04(dABq,Apart,J=2.8,12.1Hz,1H),3.13(dBA
q,Bpart,J=3.8,12.1Hz,1H),5.84(s,1H),7.33〜7.58
(m,5H)。
▲[α]25 D▼=−81.8±0.6゜(MeOH,C=2,005
%)。
実施例2 (1S,2R,3S,4R)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−(D−マンデル酸)エステ
ル(II2−D)の製造 実施例1の第1工程と同じ方法で得た粗生成化合物II
2−De2(43g)の塩化メチレン溶液(60ml)を0℃に冷
却し、アニソール(18ml)およびトリフルオロ酢酸(50
ml)を加え、1時間撹拌する。反応液を濃縮した後、酢
酸エチルと5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加える。水
層を分取し、酢酸エチルで洗浄し、2N塩酸を加えて酸性
にする。酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、次いで
乾燥して濃縮すると粗生成物II2−Dが得られる(生成
比、II2−D:II2′−D=74:26(HPLCによる))。これ
を酢酸エチルより再結晶して純粋な目的化合物(II2−
D)を得る(13.37g、収率47%)。融点:169〜171℃。
元素分析(C17H16O6として) 計算値(%):C,64.55:H,5.10 実測値(%):C,64,46;H,5.12。
IR(CHCl3):3500−2400,1734,1438,1375,1342,1256,
1168,1146,1072。
1H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.36(ABq,Apart,J=
7.2Hz;1H),1.51(ABq,Bpart,J=7.2Hz,1H),3.15(br.
s,2H),3.43(dABq,Apart,J=2.9,10.4Hz;1H),3.53(d
ABq,Bpart,J=3.1,10.4Hz,1H),5.86(s,2H),6.14〜6.
33(m,2H),7.32〜7.62(m,5H)。
▲[α]24 D▼=−159.5±1.0゜(MeOH,C=1.993
%)。
実施例3〜6 実施例1または2と同様の方法で表1に示す目的化合
物(II−D)または(II−L)を得た。反応条件も合わ
せて表1に示す。
実施例7 (1R,2S,3R,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボン酸 2−(D−マンデン酸)エステ
ル(II2−L)の製造 実施例1の第1工程と同様に反応させることにより、
表1に示す粗生成化合物(II2−Le3)を得ることができ
る。反応条件を合わせて表1に示す。
上記粗製II2−Le3(30.6mg、70mmol)をアセトニトリ
ル160mlに溶解し、濃塩酸35.9ml(70mmol×6)を加え
て室温にて16時間撹拌、4N NaOH水溶液でpH4とし、これ
にNaHCO3水溶液を氷冷下に加えてアルカリ性とし、酢酸
エチルにて洗う。有機層をさらに水で抽出し、水溶液を
合し、濃塩酸にてpH2としてから酢酸エチルにて抽出す
る。これを水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
濃縮し、結晶性の残渣を得る。この粗生成物を酢酸エチ
ルから再結晶し、化合物(II2−L)11.12g(収率:50.2
%)を得る。融点:168〜170℃。
IR,1HNMR(CDCl3)はII−1−D(al)と同様。
▲[α]33.5 D▼=+160.5±1.0゜(MeOH,C=2.002
%) 実施例8 (1R,2S,3R,4S)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2,3−ジカルボン酸 2−D−マンデル酸エステル
(II3−D)の製造 化合物I−3 10.5g(62mmol)より実施例1、第1工
程および第2工程と同様にして化合物(II3−D)およ
び(II3′−D)の混合物を得る。(II3−D):(II
3′−D)=73:27(HPLC)この混合物より(II3−
D)、7.1g(収率:35.8%)および(II3′−D)1.5g
(収率:7.6%)を各々再結晶法で単離した。
化合物(II3−D) 融点:175〜177℃ 元素分析(C16H16O7として) 計算値(%):C,59.99;H,5.04 実測値(%):C,59.85;H,5.04 1H−NMR(CD3OD,TMS)δ ppm:1.55〜1.88(m,4H),
3.13(ABq,Apart,J=9.6Hz,1H),3.19(ABq,Bpart,J=
9.6Hz,1H),4.83〜4.90(m,2H),5.85(s,1H),7.35〜
7.65(m,5H) IR(Nujol)νmax:3480〜2200,1733,1712,1659,1229,
1220,1185,1011,969,936,766,735,696cm-1. [α]−111.9±1.5゜(MeOH,C=1.013%,23℃) 化合物(II3′−D) 融点:133〜135℃ 元素分析(C16H16O7・0.5H2Oとして) 計算値(%):C,58.35;H,5.21 実測値(%):C,58.33;H,5.48 1H−NMR(CD3OD,TMS)δ ppm:1.55〜1.90(m,4H),
3.12(ABq,Apart,J=9.6Hz,1H),3.22(ABq,Bpart,J=
9.6Hz,1H),4.75〜4.90(m,2H),5.74(s,1H),7.35〜
7.65(m,5H) IR(Nujol)νmax:3680〜2200,1733,1710(sh),123
0,1177,1044,994,925,819,724cm-1. [α]−92.0±1.3゜(MeOH,C=1.014%,23℃) 実施例9 (第1工程) (3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキ
シ]グルタル酸,1−(ベンジル D−マンデレート)エ
ステル(II4−D)の製造 窒素雰囲気下、D−マンデル酸ベンジルエステル(2
2.23g、100mmol)をTHF(480mL)に溶かした後、−78℃
に冷却し、n−BuLi(1.6Mヘキサン溶液66mL、106mmo
l)を滴下し、20分撹拌する。反応液に3−[(tert−
ブチルジメチルシリル)オキシ]グルタル酸無水物(I
−4)(24.44g、100mmol)のTHF溶液(100mL)を加え
る。−78℃で2時間撹拌後、1N塩酸で処理し、酢酸エチ
ルで抽出する。水、食塩水で洗浄後濃縮すると、化合物
II4−De1および副生成物II4′−De1の混合物が得られ
る。((II4−De1):(II4′−De1)=5:1(1H NMRに
よる)) Rf=0.29(クロロホルム:メタノール=10:1) 1H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:0.03(s,3H),0.05
(s,3H),0.82(s,9H),2.61〜2.68(m,4H),4.53〜4.6
3(m,1H),5.10(ABq,Apart,J=12,5Hz,1H),5.17(AB
q,Bpart,J=12,5Hz,1H),5.98(s,1H),7.17〜7.48(m,
10H) (第2工程) (3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキ
シ]グルタル酸 1−(D−マンデル酸)エステル(II
4−D)の製造 第1工程で得た粗生成物II4−De1およびII4′−De1の
混合物の酢酸エチル溶液(500mL)に5%パラジウム炭
素(1.00g)を加え、常圧、水素雰囲気下、室温で1時
間撹拌後、触媒を濾過して除き、濃縮すると、粗生成物
II4−Dが得られる。ジエチルエーテル−ヘキサンから
再結晶することにより目的化合物(II4−D)を単離す
る(22.53g、収率:57%)。融点:141〜142℃。
元素分析(C19H28O7Siとして) 計算値(%):C,57.55;H,7.12 実測値(%):C,57.39;H,7.08 IR(KBr)ν max:3700〜2400,1735,1712,1253,1188,1
167,1080,980,832cm-1. 1H−NMR(CDCl3,TMS)δ ppm:0.04(s,3H),0.05
(s,3H),0.82(s,9H),2.53〜2.84(m,4H),4.53〜4.6
6(m,1H),5.95(s,1H),7.38〜7.49(m,5H) [α]=−70.2±1.1゜(CHCl3,C=1.008%,23.5
℃) Rf=0.82(酢酸エチル:酢酸:水=30:1:1) 参考例1(アリール酢酸誘導体の製造方法) D−マンデル酸ベンジルエステルの製造 D−マンデル酸(85.1g、559mmol)、ベンジルアルコ
ール(65ml、628mmol)およびp−トルエンスルホン酸
(1.01g、5.35mmol)をベンゼン(700ml)中6.5時間還
流後、水洗し、濃縮する。エーテルから再結晶し、標題
化合物を123.5g得る。収率91%、融点103.5〜105℃。
元素分析(C15H14O3として) 計算値(%):C,74.36;H,5.82 実測値(%):C,74.53;H,5.90 1H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.44(d,J=5.6Hz,1
H),5.14(ABq,Apart,J=12.3Hz,1H),5.22(d,J=5.6H
z,1H),5.24(ABq,Bpart,J=12.3Hz,1H)7.15〜7.50
(m,10H)。
▲[α]24 D▼=−55.7±1.0゜(CHCl3,C=1.003
%)。
D−マンデル酸−4−メトキシベンジルエステルの製造 D−マンデル酸(15.3g、100mmol)、4−メトキシベ
ンジルアルコール(15.2g、110mmol)およびp−トルエ
ンスルホン酸(0.197g、1.01mmol)をベンゼン(300m
l)中7時間還流後、反応液を4回水洗し、濃縮する。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、トルエン/酢酸エチルで精製し、エーテル/
石油エーテルから再結晶すると標題化合物を6.58g得
る。収率:24%、融点70.5〜73.5℃。
元素分析(C16H16O4として) 計算値(%):C,70.58;H,5.92 実測値(%):C,70.55;H,6.00。
1H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.80(s,3H),5.05(AB
q,Bpart,J=11.8Hz,1H),5.19(s,1H),5.19(ABq,Bpar
t,J=11.8Hz,1H),6.84(d,J=8.7Hz,2H),7.17(d,J=
8.7Hz,2H),7.30〜7.45(m,5H)。
▲[α]24 D▼=−36.0±0.8゜(CHCl3,C=1.017
%)。
D−マンデル酸−4−ニトロベンジルエステルの製造 DMF(300ml)にD−マンデル酸(15.2g、100mmol)、
4−ニトロベンジルブロマイド(21.6g、100mmol)およ
びトリエチルアミン(14.0ml、100mmol)を加え、室温
で8時間撹拌する。反後液に水を加え、酢酸エチルで抽
出し、希塩酸、水で洗浄後、エーテル/石油エーテルか
ら再結晶すると標題化合物を19.6g得る。収率68%、融
点143〜145℃。
元素分析(C16H13O5として) 計算値(%):C,62.72;H,4.56;N,4.88 実測値(%):C,62.76;H,4.61;N,4.99。
1H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.26〜3.52(br.s,1
H),5.25(ABq,Apart,J=13.5Hz,1H),5.28(s,1H),5.
32(ABq,Bpart,J=13.5Hz,1H),7.27(d,J=8.4Hz,2
H),7.34〜7.48(br.s,5H),8.14(d,J=8.4Hz,2H) ▲[α]24 D▼=−40.0±0.8゜(CHCl3,C=0.995%) D−マンデル酸ベンズヒドリルエステルの製造 D−マンデル酸(25.0g、164mmol)を酢酸エチル(20
0ml)に溶かし、室温で撹拌しながらジフェニルジアゾ
メタン(38.9g、164mmol)を加える。TLCで反応が完結
したことを確認して濃縮する。エーテル/石油エーテル
から再結晶することにより標題化合物を47.7g得る。収
率91%、融点91〜91.5℃。
元素分析(C21H18O3として) 計算値(%):C,79.22;H,5.71 実測値(%):C,79.44;H,5.67。
1H−NMR(CDCl3−TMS)δppm:3.47(d,J=5.3Hz,1
H),5.28(d,J=5.3Hz,1H),6.87(s,1H),6.87〜7.46
(m,15H)。
▲[α]24 D▼=−57.4±1.0゜(CHCl3,C=1.023
%)。
L−マンデル酸ベンズヒドリルエステルの製造 前記のD−マンデル酸ベンズヒドリルエステルの製造
と同様に反応を行ない、L−マンデル酸(30.4g、200mm
ol)、酢酸エチル(200ml)およびジフェニルジアゾメ
タン(38,9g、200mmol)を用いて標題化合物を54.7g(1
72mmol)得る。収率86%、融点91.5〜92.0℃。
▲[α]24 D▼=+55.7±0.9゜(CHCl3,C=1.013
%)。
本発明で得られたアリール酢酸モノエステル類(II−
D)または(II−L)は、以下に示す簡単な反応で、任
意に所望の立体配置を有する純粋なジカルボン酸モノエ
ステル(III)を得ることができる。
(式中、Rはアルキルを示す) 反応 (1)中性〜酸性条件下(ジアゾメタン或いはメタノー
ル中触媒量のp−トルエンスルホン酸等のメチル化剤な
ど)でジアルキルエステル化した後、加水素分解してア
リール酢酸誘導体部分を除去する。
(2)適当なアリール(メタノール等)中、そのアルコ
ールの金属塩(NaOMe等)の存在下で加熱する。
以下に化合物(II1−D)または(II1−L)を用いた
反応工程図を示す。
参考例2 原料に(II1−D)を用い、(2)の方法で化合物(I
II1−t)を得た。収率94%、融点59〜60℃。
元素分析(C10H14O4として) 計算値(%):C,60.58;H,7.13 実測値(%):C,60.66;H,7.08 1H−NMR(CDCl3−TMS)δ ppm:1.20〜1.74(m,6H),
2.59(br.s,1H),2.69(br,s,1H),2.79(d,J=5.4Hz,1
H),3.27(dd,J=3.8,5.4Hz,1H),3.69(s,3H) ▲[α]25 D▼=+38.4±0.4゜(MeOH,C=2.002%) 原料に(II1−L)を用い、(2)の方法で化合物(I
II1−t2)を得た。収率78%、融点59〜60℃。
▲[α]25 D▼=−38.3±0.4゜(MeOH,C=2.013
%)。
参考例3 トロンボキサン受容体拮抗剤として有用な(+)−
(1R,2S,3S,4S)−(5Z)−7−[3−[(フェニルス
ルホニル)アミノ]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イ
ル]ヘプテン酸(以下、(+)−S−145という)を以
下の方法に従って、化合物(III1−t1)から容易に導く
ことができる。
(式中、Etはエチル、Zはベンジルオキシカルボニル、
PCCはピリジニウムクロロクロメートを示す。) かくして得られた化合物(A)は文献記載(J.Med.Ch
em.31(9),1847−1854(1988))の化合物であり、該
文献記載の方法で(+)−S−145を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−256650(JP,A) 特開 平2−180862(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: [式中、R1は(1)水素または(2)低級アルキルカル
    ボニル、低級アルキルオキシカルボニル、エチレングリ
    コールアセタール、ジメチルアセタールまたはジエチル
    アセタールで置換されていてもよいC1〜C2アルキルもし
    くはフェニルを示すかあるいは(3)一緒になってC2
    C6アルキレン、C2もしくはC4〜C6アルケニレン、ビシク
    ロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−
    エン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビ
    シクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アサビシクロ[2.2.1]
    ヘプタ−5−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ
    ンまたは7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
    を形成してもよく、R2は水素またはメチルを示し、R3
    (1)水素、(2)低級アルキルカルボニル、低級アル
    キルオキシカルボニル、エチレングリコールアセター
    ル、ジメチルアセタールまたはジエチルアセタールで置
    換されていてもよいアルキルまたは(3)アルキル、ア
    ルコキシ、ハロゲンまたはニトロで置換されていてもよ
    いアラルキルを示し、Xは単結合またはCH2、C=O、
    N−R4、O、S、OHNR4、CHCH3、CHArまたはCHOR5(た
    だし、Xが単結合またはCH2、C=O、N−R4、Oもし
    くはSのとき、R1およびR2は同時に水素またはメチルで
    ある場合およびXが単結合のとき、R1が一緒になってC2
    〜C4アルキレン、C2アルケニレン、ビシクロ[2.2.1]
    ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−
    オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オキサビシク
    ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビシクロ[2.
    2.1]ヘプタン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5
    −エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタンまたは7
    −チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エンである場合
    を除く)を示し、R4は水素、ホルミル、アセチル、ベン
    ゾイル、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカ
    ルボニル、2−(p−ビフェニル)イソプロポキシカル
    ボニル、アリル、ベンジル、トリフェニルメチルまたは
    テトラヒドロピラニルを示し、R5は水素、メチル、tert
    −ブチル、アリル、ベンジル、テトラヒドロピラニル、
    tert−ブチルジメチルシリルオキシ、tert−ブチルジフ
    ェニルシリルオキシ、アセチル、ベンゾイル、メチルス
    ルホニル、p−トリルスルホニルまたはフェニルスルホ
    ニルを示し、Arはアルコキシまたはハロゲンで置換され
    ていてもよいアリールを示す]で表わされる光学活性ア
    リール酢酸モノエステル。
  2. 【請求項2】式: (式中、R1は(1)水素または(2)低級アルキルカル
    ボニル、低級アルキルオキシカルボニル、エチレングリ
    コールアセタール、ジメチルアセタールまたはジエチル
    アセタールで置換されていてもよいC1〜C2アルキルもし
    くはフェニルを示すかあるいは(3)一緒になってC2
    C6アルキレン、C2もしくはC4〜C6アルケニレン、ビシク
    ロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−
    エン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−オ
    キサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、7−アザビ
    シクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アザビシクロ[2.2.1]
    ヘプタ−5−エン、7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ
    ンまたは7−チアビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン
    を形成してもよく、R2は水素またはメチルを示し、およ
    びXは単結合またはCH2、C=O、N−R4、O、S、CHN
    R4、CHCH3、CHArまたはCHOR5(ただし、Xが単結合また
    はCH2、C=O、N−R4、OもしくはSのとき、R1およ
    びR2は同時に水素またはメチルである場合を除く))で
    表わされるσ対称性を有する酸無水物に式: (式中、M1は水素または金属原子、R3は(1)水素、
    (2)低級アルキルカルボニル、低級アルキルオキシカ
    ルボニル、エチレングリコールアセタール、ジメチルア
    セタールまたはジエチルアセタールで置換されていても
    よいアルキルまたは(3)アルキル、アルコキシ、ハロ
    ゲンまたはニトロで置換されていてもよいアラルキルを
    示し、およびArはアルコキシまたはハロゲンで置換され
    ていてもよいアリールを示す)で表わされる(R)−ま
    たは(S)−アリール酢酸誘導体を反応させることを特
    徴とする式: (式中、R1、R2、R3、ArおよびXは前記と同意義を有す
    る)で表わされるアリール酢酸モノエステル不斉合成
    法。
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