JP2001247313A - 黄色顔料 - Google Patents

黄色顔料

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JP2001247313A JP2000042483A JP2000042483A JP2001247313A JP 2001247313 A JP2001247313 A JP 2001247313A JP 2000042483 A JP2000042483 A JP 2000042483A JP 2000042483 A JP2000042483 A JP 2000042483A JP 2001247313 A JP2001247313 A JP 2001247313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】500 〜620nm の波長領域におけるスペクトルの
窪みを大きくする変曲点波長を有する複合酸化物及びそ
れからなる黄色顔料を提供すること。 【解決手段】組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物;
前記組成式(I)で表される複合酸化物からなる黄色顔
料;セリウム化合物、チタン化合物及び必要によりカル
シウム化合物を混合し、得られた混合物を非酸化性雰囲
気中で300 〜1500℃で焼成する組成式(I)で表される
複合酸化物の製造方法;並びにL*,a*,b*表色系で表し
た色相a*値が-20 〜0 であり、b*値が40〜70である前記
製造方法によって得られた複合酸化物からなる黄色顔
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合酸化物、それ
からなる黄色顔料及びその製造方法に関する。更に詳し
くは、顔料組成物、化粧料等に好適に使用しうる複合酸
化物、それからなる黄色顔料及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機顔料は、色彩が鮮明であり、その種
類が豊富であることから、種々の分光反射特性を有する
ものが存在するが、一般に耐水性、耐溶剤性、耐候性、
耐熱性等の安定性に劣るものが多い。
【0003】一方、無機顔料は、安定性に優れるもの
の、その種類が乏しいため、種々の分光反射特性を有す
るものが得られていない。特に、黄色顔料においては、
安定性及び安全性の面からα-FeOOHや酸化鉄−酸化チタ
ン焼結物といった鉄系の顔料が使用されている。しか
し、鉄系の無機顔料の分光反射特性のうち変曲点波長
は、その形状及び粒子径にはほとんど依存せず、物質固
有の値をとる。また、鉄系の無機顔料は、L*,a*,b*表
色系で表した色相におけるa*値が10程度であり、黄褐色
〜赤褐色を呈するので、鮮やかさに欠ける。従って、こ
のような特性をもつ鉄系の黄色顔料を化粧料等に配合し
たとしても、分光反射特性が非常に限られた化粧料しか
得られないという欠点がある。
【0004】一般に、健康的な素肌は、分光反射スペク
トルにおいて500 〜 620nmの波長領域でスペクトルに窪
みを有するが、素肌がくすむにつれて500 〜 620nmの波
長領域でスペクトルの窪みが小さくなることが知られて
いる。
【0005】しかしながら、従来のファンデーション等
の化粧料は、500 〜620nm の波長領域におけるスペクト
ルの窪みが極めて小さいため、これを素肌に塗布すると
本来素肌が有している波長 500〜620nm のスペクトルの
窪みを小さくしてしまい、分光反射スペクトルがくすん
だ肌と同様の状態となるため、自然で健康的な化粧肌を
再現することが困難である。これは、化粧料に用いられ
ている黄色顔料が黄色酸化鉄又は酸化鉄−酸化チタン焼
結物であり、その変曲点波長が545nm 付近にあることに
起因するものと考えられている。
【0006】そこで、500 〜620nm の波長領域における
スペクトルの窪みを大きくする変曲点波長を有する黄色
顔料の開発が望まれている。
【0007】このような光学特性を有する黄色顔料とし
ては、黄鉛(Cr-Pb-O) やチタンイエロー(Ti-Ni-Sb-O)な
どが存在するが、いずれも有害元素を含み、安全性に問
題があるものであった。この問題を解決する目的で国際
公開第98/55401号パンフレット(1998)には、 Mx Cey Ti
z O t なる組成物が提案されている。しかし、これから
得られる顔料は、その粒子径が大きいため着色力が低
く、また10重量%水分散溶液のpHが10以上と非常に高
く、人肌などへの応用が非常に困難であるという欠点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、500
〜620nm の波長領域におけるスペクトルの窪みを大きく
する変曲点波長を有する複合酸化物及びそれからなる黄
色顔料を提供することにある。
【0009】本発明のもう1つの目的は、分光反射特性
が制御され、化粧料等として好適に使用しうる複合酸化
物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 (1) 組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物、
(2) 前記複合酸化物からなる黄色顔料、並びに
(3) セリウム化合物、チタン化合物及び必要により
カルシウム化合物を混合し、得られた混合物を非酸化性
雰囲気中で300 〜1500℃で焼成する前記組成式(I)で
表される複合酸化物の製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】自然で健康的な化粧肌を再現する
ためには、化粧料の波長領域500 〜620nm におけるスペ
クトルの窪みを大きくする顔料を使用することが望まれ
ているが、この波長領域におけるスペクトルの窪みを大
きくするためには、分光光度計で測定したときの顔料の
分光反射スペクトルの反射率が急激に変化する領域の変
曲点波長(分光反射スペクトルの一次微分導関数の最大
値を示す波長)(以下、単に「変曲点波長」という)が
450 〜520nm であることが好ましく、470 〜500nm が最
適である。
【0012】前記変曲点波長を有する複合酸化物を得る
ためには、複合酸化物を構成しているTiとCeのモル比
(Ti/Ce)の値(組成式(I)中のx)が0.2 〜0.75であ
り、CaとCeのモル比(Ca/Ce) の値(組成式(I)中の
y)が0 〜0.5 であり、O とCeのモル比(O/Ce)の値(組
成式(I)中のz)が1≦z ≦2+2x+yを満足する数であ
る。
【0013】さらに、酸素原子(O) の数zは、化学量論
的には酸素欠陥状態を示す範囲内にあるので、この複合
酸化物のX線回折パターンにおいては、格子間隔d(単
位はÅである。以下同様)が3.02±0.05及び3.06±0.05
であるときに主たる回折ピークが存在していることが好
ましい。ここで、酸素欠陥は、複合酸化物の主成分であ
るCeO2を標準物質とし、高分解能X線吸収測定から得ら
れるXANES (X線吸収端近傍構造)において観測される
サテライトピーク(Ceに配位している酸素(O)からCeの4
f軌道に電子が流入する際に検出されるピーク)より、
酸素の配位数を求め、標準物質であるCeO2の配位数とか
ら算出される。この酸素欠陥率は、2〜20%が好まし
く、より好ましくは5〜20%である。
【0014】また、Ti/Ce(モル比) の値が0.25〜0.65で
あり、Ca/Ce(モル比)の値が0.01〜0.3 であることが好
ましく、 Ti/Ce(モル比)の値が0.25〜0.55であり、Ca
/Ce(モル比)の値が0.01〜0.15であることがより好まし
い。
【0015】X線回折パターンにおける「主たる回折ピ
ーク」とは、試料とNIST(米国国立標準技術研究所)の
X線回折用内部標準試料であるZnO とを1:1 の重量比で
混合した混合物の回折パターンにおいて、JCPDS 36-145
1 に記載のZnO の最強回折ピークである格子間隔dが2.
476 であるときの回折ピークの回折強度を100 としたと
きに、格子間隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であると
きの回折ピークの回折強度が20〜110 であるか、又は格
子間隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であるときの回折
ピークの回折強度と、格子間隔dが3.12±0.03であると
きの回折ピークの回折強度との強度比(d=3.02/d=
3.12及びd=3.06/d=3.12) がそれぞれ0.15以上であ
る回折ピークをいう。
【0016】複合酸化物の原料として、セリウム化合
物、チタン化合物及びカルシウム化合物が使用される。
【0017】原料の純度は、不純物が含まれることによ
って組成式(I)で表される複合酸化物以外の生成物が
生成し、色相が低下しないようにするために、90%以上
が好ましく、95%以上がより好ましい。また、これらの
化合物の体積平均粒径は、混合時に粉末同士が容易に分
散するようにするために、0.01〜10μmが好ましく、0.
1 〜5μmがより好ましい。
【0018】セリウム化合物としては、CeO2、Ce2O3
Ce(OH)4 等の粉末が挙げられる。チタン化合物として
は、TiO2、TiO 、低次酸化チタン、Ti(OH)4 等の粉末が
挙げられる。カルシウム化合物としては、CaCO3 、Ca(O
H)2 、CaO 等の粉末が挙げられる。
【0019】これらの原料は、例えば、セリアゾル、チ
タニアゾル等の均質混合体として、あるいはこれらの乾
燥物として使用することができる。
【0020】なお、これら以外にも、例えば、塩化セリ
ウム、硝酸セリウム、硝酸アンモニウムセリウム等の水
溶性のセリウム塩と、塩化チタン、硫酸チタニル等の水
溶性のチタン塩と、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等
の水溶性のカルシウム塩との水溶液を水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の
アルカリで中和して得られる水酸化物をセリウム化合
物、チタン化合物及びカルシウム化合物の原料として使
用することができる。なお、中和する際に不純物の沈殿
が生成するのを防止するために、これらの水溶性の化合
物の純度は、それぞれ90%以上であることが好ましく、
95%以上がより好ましい。
【0021】更に、沈殿物を生成させる際には、有機酸
を用いることができる。かかる有機酸としては、蓚酸、
クエン酸等が挙げられるが、生成した沈殿物を焼成して
組成式(I)で表される複合酸化物を生じるのであれ
ば、これらに特に限定されない。
【0022】複合酸化物を得るに際し、まず、セリウム
化合物、チタン化合物及びカルシウム化合物を混合す
る。かかる混合は、湿式法で行なうことが好ましい。湿
式法で混合した場合、乾式法で混合した場合と対比し
て、短時間でセリウム化合物、チタン化合物及びカルシ
ウム化合物を均一に混合することができ、偏析の低減が
図られ、得られる複合酸化物からのCe成分、Ti成分及び
Ca成分の溶出量を大幅に低減させることができる。
【0023】湿式法で混合する場合、焼成工程での粒子
の焼結を防ぐために、炭素を含む化合物を添加すること
ができる。炭素を含む化合物としては、フェノール樹脂
等の合成樹脂や、でんぷん、寒天等の天然高分子化合物
等が挙げられる。炭素を含む化合物の量は、焼成反応を
促進させ、焼結を効果的に抑制する観点から、セリウム
化合物、チタン化合物及びカルシウム化合物の合計量10
0 重量部に対して0〜5重量部であることが好ましい。
【0024】セリウム化合物、チタン化合物及びカルシ
ウム化合物を湿式法で混合する際には、溶媒を使用する
ことができる。溶媒としては、セリウム化合物、チタン
化合物及びカルシウム化合物に対して不溶性を呈するも
のであればよい。その例としては、イオン交換水、エタ
ノール等のこれらの化合物に対して不溶性を呈する有機
溶媒が挙げられる。
【0025】セリウム化合物、チタン化合物及びカルシ
ウム化合物を湿式法で混合する際に使用し得る装置とし
ては、ボールミル、振動ミル、遊星ボールミル、アトラ
イター等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。
【0026】次に、湿式法による場合、生成したスラリ
ーを乾燥させて溶媒を除去した後、得られた混合物を非
酸化性雰囲気中で焼成するが、非酸化性雰囲気中で焼成
した後に大気中で焼成を行なうことが好ましい。
【0027】なお、スラリーを乾燥させる際の乾燥方法
には特に限定がなく、一般にセラミックス、無機化合物
等の製造の際に使用されている乾燥方法を採用すること
ができる。
【0028】前記混合物を非酸化性雰囲気中で焼成する
際の焼成温度は、目的とする複合酸化物を得る観点及び
焼結の発生を防止する観点から、300 〜1500℃、好まし
くは800 〜1400℃、より好ましくは1100〜1300℃であ
る。なお、1500℃を超える温度で焼成した場合には、焼
結現象が認められ、粉砕によって微粒化したとしても分
散性の低い粉末しか得られない。
【0029】非酸化性雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガ
ス、ヘリウムガス、炭酸ガス、あるいはこれらの混合ガ
スや真空のいずれであってもよい。なお、必要により、
かかる非酸化性雰囲気は、加圧されていてもよい。
【0030】また、前記混合物を焼成する際には、その
昇温過程、温度保持過程及び降温過程の各過程でガスの
種類や組成を変えて焼成を行なうことができる。例え
ば、昇温過程では雰囲気を真空とし、温度保持過程及び
降温過程でその雰囲気に非酸化性ガスを導入することが
できる。
【0031】焼成の際における前記混合物の反応過程に
おいて、その雰囲気を真空とした場合には、酸素原子の
拡散律速となり、反応が進行しにくいが、粒子の成長が
進行しがたいため、一次粒子が非常に微細となる。その
際に、その雰囲気中に非酸化性のガスを導入すると、粒
子の成長をほとんど伴わずに反応だけを促進させること
ができるので、一次粒子を微細とし、着色力を向上させ
ることができるとともに、粉砕時のエネルギーを低減さ
せることができるという利点がある。
【0032】非酸化性雰囲気中で焼成する際の昇温速度
は、焼結を回避し、混合物の反応を促進させる観点か
ら、200 〜2000℃/hであることが好ましい。なかで
も、昇温速度は、400 〜1500℃/hであることが、一次
粒子が非常に微細となり、しかも焼結が発生しがたくな
り、分散性に優れた粉末が得られるので、特に好まし
い。
【0033】焼成時間(焼成温度の保持時間、以下同
様)は、焼成温度等によって異なるので一概には決定す
ることができないが、通常、0.1 〜100 時間程度であ
り、好ましくは1〜10時間程度である。
【0034】前記混合物の焼成後には、室温(約25
℃)にまで冷却する。
【0035】非酸化性雰囲気中での焼成後には、更に大
気中で焼成することが前記混合物の酸化を促進させる観
点から好ましい。その際の焼成温度は、酸化反応を促進
させる観点及び酸化チタン及び酸化セリウムが生成する
のを抑制する観点から、200〜800 ℃が好ましく、400
〜600 ℃がより好ましい。
【0036】大気中で焼成する際の昇温速度は、一次粒
子の融着を防止し、分散性を向上させる観点から、10
0〜1000℃/hであることが好ましく、300〜8
00℃/hであることがより好ましい。
【0037】大気中で焼成する際の焼成時間は、焼成温
度等によって異なるので一概には決定することができな
いが、通常、0.1〜100時間程度であり、好ましく
は1〜10時間程度である。
【0038】前記混合物の焼成後には、室温(約25
℃)にまで冷却する。
【0039】次に、得られた焼成物を必要により粉砕す
ることにより、複合酸化物が得られる。なお、焼成物を
粉砕する際にその一次粒子を破壊した場合、該一次粒子
内部に欠陥が生じ、結晶性が低下し、その結果、複合酸
化物自体の色相が変化し、L*、a*、b*表色系で表した色
相a*、b*値が低下するようになる。さらに、体積平均粒
子径が0.3 μm未満になると光散乱が大きくなり、顔料
が白味を帯びるため、着色顔料として好ましくないよう
になる。従って、粉砕によって得られる複合酸化物の体
積平均粒子径は、0.3 μm以上であることが好ましい。
また、分散性を向上させる観点及び使用感を向上させる
観点から、粉砕によって得られる複合酸化物の体積平均
粒子径は、50μm以下であることが好ましい。従って、
複合酸化物の体積平均粒子径は、着色性、分散性及び使
用感を向上させる観点から、0.01〜50μm 、好ましくは
0.05〜5 μm 、より好ましくは0.3 〜4 μm であること
が望ましい。なお、体積平均粒子径は、レーザー散乱式
粒度分布測定装置〔(株)堀場製作所製、品番:LA−
700型〕によって測定する。
【0040】このように一次粒子を破壊することなく、
焼成物を粉砕し、所望の体積平均粒子径を有する複合酸
化物を得るためには、粉砕機内で焼成物が滞留する時間
を調節することができる粉砕機、例えば、乾式法にあっ
てはジェットミル等、また湿式法にあってはダイノーミ
ル等を用いることが好ましい。これらの粉砕機を用いた
場合、微粒化に伴う色相の変化をほとんど生じさせずに
着色力を向上させることができる。特に、湿式法で粉砕
を行なった場合には、粉砕後のスラリー中に表面処理剤
等を投入することができ、粉体に撥水性等の付加機能を
同時に付与することができるという利点がある。
【0041】次に、得られた複合酸化物の粒子を分級
し、その粒度を調整した場合には、着色力をより一層向
上させることができる。
【0042】具体的には、粒径が0.3 μm未満の粒子の
頻度を30%以下とし、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm
未満である粒子の頻度を40%以上とし、粒径が2μm以
上の粒子の頻度を30%以下となるように分級した場合に
は、着色力をより一層向上させることができる。より好
ましくは、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が25%以下
であり、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の
頻度が50%以上であり、粒径が2μm以上の粒子の頻度
が25%以下であることである。なお、粒子の頻度は、レ
ーザー散乱式粒度分布測定装置等で測定することができ
る。
【0043】複合酸化物の粒子を分級する方法として
は、例えば、一般にセラミックス、無機化合物等の製造
の際に用いられている分級方法を採用することができ
る。
【0044】かくして所望の粒径に分級された複合酸化
物は、分光反射特性が制御され、分散性に優れ、しかも
Ce、Ti及びCaの溶出がほとんどなく、結晶性を有するこ
とから、耐候性及び耐退色性に優れた黄色顔料として、
種々の顔料組成物、化粧料等に適量で配合して使用しう
るものである。
【0045】また、本発明の複合酸化物の10重量%水分
散液のpHは、3.5 〜5.5 の範囲の弱酸性領域であるた
め、例えば、化粧料として肌に塗布した場合、皮膚への
刺激性も低く、また塗料等の顔料組成物として使用する
場合にも、組成物としての性能を損なうことがないもの
である。
【0046】また、得られた複合酸化物は、L*,a*,b*
表色系で表した色相a*値が-20 〜0であり、b*値が40〜7
0であるので、従来の酸化鉄系黄色顔料よりも赤味が少
なく、鮮やかな色相を呈する。
【0047】本発明の複合酸化物を化粧料や塗料等に使
用される黄色顔料として用いる場合には、有機着色顔
料、無機着色顔料、無機体質顔料等の他の顔料と混合
し、顔料組成物として使用することができる。他の顔料
としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、マイカ、シリカ等の粉末が挙げられる。
【0048】
【実施例】実施例1 Ti/Ce(モル比)が0.5 、Ca/Ce(モル比)が0.025 とな
るように、CeO280.462g 、TiO218.672g 及びCa(OH)2 0.
866 g の割合で各成分を混合して合計量を100gとした原
料粉末を得た。この原料粉末を500mL 容のZrO2製のボー
ルミルポットに入れ、 5mmφのZrO2製のボール1000g 及
び溶媒としてエタノール150gを用いて24時間混合した。
その後、スラリーとボールとを分離し、スラリー中のエ
タノールを留去してCeO2-TiO2-Ca(OH)2 の均一混合物を
得た。これを電気炉にて、N2雰囲気中にて1200℃で5時
間焼成した後、さらに大気雰囲気中で600 ℃で1時間焼
成し、複合酸化物を得た。
【0049】得られた複合酸化物は、以下の元素分析法
に従って元素分析を行なった結果、組成式(I)におい
て、xが0.5 、y が0.025 であることが確認された。
【0050】〔元素分析法〕試料粉体(複合酸化物)0.
1g及び硫酸(試薬特級)2mL をフッ素樹脂製ビーカー中
に入れ、200 〜300 ℃に加熱する。室温まで冷却しなが
ら過酸化水素水(試薬特級)及び硝酸(試薬特級)を試
料粉体が目視で溶解することが確認されるまで、適量添
加する。試料粉体が完全に溶解した後、イオン交換水で
希釈し、ICP発光分光分析装置〔(株)島津製作所製、
品番:ICPS1000III 型〕を用いて定量分析を行なう。
【0051】次に、得られた複合酸化物の10%水分散液
のpHを以下の方法にしたがって測定したところ、4.5 で
あった。
【0052】〔複合酸化物の10%水分散液のpHの測定方
法(以下の実施例及び比較例において同じ)〕複合酸化
物3.0gに煮沸冷却した25℃の水30mLを添加し、2分間よ
く攪拌した後、30分間静置した後の上澄液のpHを25℃で
pHメーターを用いて測定した。
【0053】次に、得られた複合酸化物の物性として、
光学特性(分光反射特性)、X線回折及び体積平均粒子
径を以下の方法に従って測定した。その結果を以下に示
す。
【0054】〔光学特性(分光反射特性)〕試料粉体
(複合酸化物)1.0gを粉体測定用セルに充填し、標準白
色板にて補正を行なった分光光度計((株)日立製作所
製、品番:U-4000型)で、380 〜780nm の可視波長領域
での分光反射スペクトルを測定し、波長に対する分光反
射スペクトルを関数とし、これを一次微分したとき、最
大値を示す波長を変曲点波長として求める。
【0055】また、この分光光度計の色相分析プログラ
ムを用いてL*、a*及びb*を算出する。
【0056】〔体積平均粒子径〕レーザー散乱式粒度分
布計((株)堀場製作所製、品番:LA-700型)によって
測定する。
【0057】〔X線回折〕粉末X線回折装置(理学電機
(株)製、商品名:ガイガーフレックスRAD-RC、CuKα
1 線)により測定する〔対陰極:Cu、フィルター: モノ
クロメータ、管電圧: 40kV、管電流:80mA 、走査速度:1
0 °/min〕。
【0058】(測定結果) (1)光学特性(分光反射特性) 変曲点波長:475nm a*:-13.2 b*:53.8 (2)X線回折 格子間隔d=3.02及びd=3.06に主たる回折ピーク
が存在 ZnOの主ピークの回折強度100 に対する格子間隔d
=3.06及びd=3.02のピークの回折強度は、それぞれ4
5.5及び55.6 回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d3.12
は、それぞれ6.47及び5.73 (3)体積平均粒子径:0.46 μm
【0059】実施例2 実施例1において、原料粉末100gに対してエタノール可
溶性の残炭率50%のフェノール樹脂を炭素換算で1g 添
加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、複合酸化
物を得た。
【0060】得られた複合酸化物は、元素分析の結果、
組成式(I)において、xが0.5 、y が0.025 であるこ
とが確認された。
【0061】得られた複合酸化物の変曲点波長は475nm
に存在し、複合酸化物のa*値は-13.1 、b*値は52.8であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.02及びd=
3.06に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.06及びd=3 .0
2 の回折ピークの回折強度は、それぞれ47.6及び56.4で
あった。回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d
3.12は、それぞれ7.27及び6.72であった。また、体積平
均粒子径は0.45μm であり、複合酸化物の10%水分散液
のpHは4.5 であった。
【0062】実施例3 実施例1において、1200℃、5 時間の焼成時の雰囲気を
Arにした以外は、実施例1と同様の操作を行い、複合酸
化物を得た。
【0063】得られた複合酸化物は、元素分析の結果、
組成式(I)において、xが0.5 、y が0.025 であるこ
とが確認された。
【0064】得られた複合酸化物の変曲点波長は480nm
に存在し、複合酸化物のa*値は-13.2 、b*値は57.5であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.06及びd=
3.03に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.06及びd=3.03
の回折ピークの回折強度はそれぞれ66.1及び70.1であっ
た。回折ピークの回折強度の比d3.06/d3.12及びd3.
03/d3.12は、それぞれ15.09 及び14.21 であった。ま
た、体積平均粒子径は1.42μm であり、複合酸化物の10
%水分散液のpHは4.5 であった。
【0065】実施例4 実施例1において、 Ti/Ceのモル比を0.25とし、Ca/Ce
のモル比を0.05とした以外は、実施例1と同様の操作を
行い、複合酸化物を得た。
【0066】得られた複合酸化物は、元素分析の結果、
組成式(I)において、xが0.25、y が0.05であること
が確認された。
【0067】得られた複合酸化物の変曲点波長は472nm
に存在し、複合酸化物のa*値は-10.6 、b*値は46.6であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.06及びd=
3.02に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.02及びd=3.06
のピークの回折強度はそれぞれ23.2及び23.6であった。
回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d3.12は、
それぞれ0.33及び0.32であった。また、体積平均粒子径
は0.48μm であり、複合酸化物の10%水分散液のpHは4.
8 であった。
【0068】実施例5 Ti/Ce モル比の値が0.5 となり、Ca/Ce モル比の値が0.
025 となるようにするために、原料粉末であるCeO2(純
度99%、体積平均粒子径0.5 μm)402.33g、TiO2 (純
度99%、体積平均粒子径0.3 μm)93.34g及びCa(OH)2
(純度98%、体積平均粒子径3μm)4.33 gを秤量し、
合計量を500 gとした。これを容量3000cm3 のジルコニ
ア製の振動ボールミルポットに入れた後、さらに該振動
ボールミルポットに直径5mm のジルコニア製のボール36
00gと溶媒としてエタノール1500gを入れ、14時間混合
した。
【0069】次に、得られたスラリーとボールとを分離
し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、
粉末状のCeO2-TiO2-Ca(OH)2 の均質混合物を得た。
【0070】得られた均質混合物を電気炉を用いてN2
囲気中で1200℃まで昇温した後、1時間保持して焼成し
た。このときの昇温速度を1時間あたり1200℃とした。
その後、さらに大気中で600 ℃で1時間焼成した。この
ときの昇温速度を1時間あたり500 ℃とし、室温(約2
5℃)まで冷却した。
【0071】得られた焼成物60g、直径0.3mm のジルコ
ニア製ビーズ1000g及びエタノール180 gを、容量1000
cm3 のビーズミルポットに入れ、1500rpm で5分間粉砕
した後、ボールと粉体スラリーとを分離し、遠心分離に
より分級を行ない、粉体スラリーを乾燥させて複合酸化
物を得た。
【0072】得られた複合酸化物は、組成式(I)にお
いて、xが0.5 であり、yが0.025であることが確認さ
れた。
【0073】また、得られた複合酸化物の光学特性は、
変曲点波長が476nm に存在し、顔料のa*値は-13.1 、b*
値は56.0であった。
【0074】また、体積平均粒子径をレーザー散乱式粒
度分布計〔(株)堀場製作所製、商品名:LA-700型〕に
よって測定したところ、0.65μmであった。このとき、
粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度は18.0%、粒径が0.3
μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度は68.2%、粒径
が2μm以上の粒子の頻度は13.8%であった。
【0075】実施例6 非酸化性雰囲気下における焼成について、1200℃までの
昇温過程中は真空雰囲気とし、保持過程以降にN2ガスを
導入して焼成を行なった以外は、実施例5と同様の操作
を行なった。
【0076】得られた複合酸化物は、元素分析を行なっ
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.025 であることが確認された。
【0077】また、得られた複合酸化物の光学特性は、
変曲点波長が474nm に存在し、複合酸化物のa*値-13.7
は、b*値は55.8であった。また、体積平均粒子径は0.48
μmであり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度は18.9
%、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度
は66.3%、粒径が2μm以上の粒子の頻度は14.8%であ
った。
【0078】実施例7 Ti/Ceモル比の値が0.5 となり、またCa/Ce モル比の値
が0.025 となるように、CeO2粉末 802.22 g、TiO2粉末
186.12 g及びCaCO3 粉末(純度98%、体積平均粒子径
3μm)11.66gを秤量し、合計量1000gとした。これを
容量3000cm3 のジルコニア製の振動ボールミルポットに
入れた後、さらに該振動ボールミルポットに直径5mmの
ジルコニア製ボール3600gと、溶媒としてイオン交換水
1500gと、界面活性剤〔花王(株)、商品名:ポイズ53
2A〕25gとを入れ、14時間混合を行なった。
【0079】次に、スラリーとボールとを分離し、乾燥
させて塊状のCeO2-TiO2-CaCO3 の均質混合物を得た。得
られた均質混合物を解砕した。
【0080】得られた均質混合物の粉末を電気炉を用い
てN2雰囲気中で1100℃で5時間焼成した。このときの昇
温速度は1時間あたり400 ℃とした。次に、室温(約2
5℃)にまで降温した後、さらに大気中で600 ℃で1時
間焼成した。このときの昇温速度は1時間あたり500 ℃
とした。焼成終了後、室温(約25℃)まで冷却した。
【0081】得られた複合酸化物は、元素分析を行なっ
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.025 であることが確認された。
【0082】得られた複合酸化物の光学特性は、変曲点
波長が472nm に存在し、複合酸化物のa*値は-11.5 、b*
値は52.3であった。また、体積平均粒子径は0.63μmで
あり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が20.8%であ
り、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満である粒子の
頻度が68.4%であり、粒径が2μm以上である粒子の頻
度が10.8%であった。
【0083】実施例8 Ti/Ceモル比の値が0.5 となり、またCa/Ce モル比の値
が0.075 となるように、原料であるCeO2ゾル(CeO2 換算
で15%含有)458.97 g、TiO2ゾル(TiO2 換算で6%含
有)266.27 g及びCaCO3 3.00gを秤量した。これを容量
2000cm3 のガラス製のビーカーに入れた後、ホモミキサ
ーを用いて3500rpm の回転数で10分間混合を行なった。
【0084】次に、ボール入り流動層乾燥装置〔(株)
大川原製作所製、商品名:SFD-ミニ型〕を用いてスラリ
ーを乾燥し、粉末状のCeO2-TiO2-CaCO3 の均質混合物を
得た。
【0085】得られた均質混合物を電気炉を用いて1200
℃で1時間焼成した。1200℃までの昇温過程中は真空雰
囲気とし、保持過程以降はN2雰囲気とした。このときの
昇温速度は、1時間あたり1200℃とした。さらに、大気
中で600 ℃で1時間焼成した。このときの昇温速度を1
時間あたり500 ℃とした。
【0086】得られた焼成物をジェットミル〔(株)セ
イシン企業製、商品名:Co-Jet System αMark III型〕
を用いて粉砕した。粉砕後の粉末をエタノール溶液に分
散させて遠心分離することにより分級し、その後スラリ
ーを乾燥させて複合酸化物を得た。
【0087】得られた複合酸化物は、元素分析を行なっ
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.075 であることが確認された。
【0088】得られた複合酸化物の光学特性は、変曲点
波長が485nm に存在し、複合酸化物のa*値は-9.3、b*値
は57.9であった。また、体積平均粒子径は、0.58μmで
あり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が15.7%、粒径
が0.3 μm以上2μm未満の粒子の頻度が66.8%、粒径
2μm以上の粒子の頻度が17.5%であった。
【0089】比較例1 安全性に優れ、最も汎用されている黄色酸化鉄の変曲点
波長は545nm であり、顔料のa*値は5.6 、b*の値は51.2
であった。また、体積平均粒子径は0.3 μm であり、複
合酸化物の10%水分散液のpHは5.5 であった。
【0090】比較例2 酸化鉄−酸化チタン焼結物の変曲点波長は545nm であ
り、顔料のa*値は13.5、b*の値は43.1であった。体積平
均粒子径は0.32μm であり、複合酸化物の10%水分散液
のpHは7.5 であった。
【0091】比較例3 国際公開第98/55401号パンフレット(1998)に記載のM x
Cey Tiz O t (式中、x=0.17、y=0.5 、z=0.33、t=1.74
5)なる組成物からなる顔料の変曲点波長は481nm であ
り、顔料のa*値は-6.9、b*の値は39.7であった。また、
体積平均粒子径は5.87μm であり、複合酸化物の10%水
分散液のpHは10.2であった。
【0092】比較例4 非酸化性雰囲気の代わりに大気中で焼成を行なった以外
は、実施例5と同様の操作を行なった。
【0093】得られた複合酸化物の光学特性は、変曲点
波長が661nm に存在し、複合酸化物のa*値は1.12、b*値
は9.76であった。また、体積平均粒子径は0.53μmであ
り、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が32.1%であり、
粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度が2
5.2%であり、粒径が2μm以上の粒子の頻度が42.7%
であった。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合酸化
物及びそれからなる黄色顔料は、500〜620nm の波長領
域におけるスペクトルの窪みを大きくする変曲点波長を
有するので、例えば、顔料組成物、化粧料等に好適に使
用しうるものである。
【0095】また、本発明の製造方法によれば、分光反
射特性が制御され、化粧料等として好適に使用しうる黄
色顔料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青崎 泰輔 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 阪口 美喜夫 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4C083 AB211 AB212 AB241 AB242 BB23 CC01 EE01 EE07 EE10 4G047 CA07 CB04 CB05 CC01 CD04 CD07 4J037 AA08 AA10 AA22 CA05 CA08 CA18 CA20 DD03 DD05 EE26 EE28 EE29 EE43 EE44 FF07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
    1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物。
  2. 【請求項2】 組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
    1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物か
    らなる黄色顔料。
  3. 【請求項3】 複合酸化物の分光反射スペクトルにおい
    て、変曲点波長が450 〜520nm の範囲内にある請求項2
    記載の黄色顔料。
  4. 【請求項4】 複合酸化物のX線回折において、格子間
    隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であるときに主たる回
    折ピークを有する請求項2又は3記載の黄色顔料。
  5. 【請求項5】 複合酸化物が体積平均粒子径0.01〜50μ
    m を有するものである請求項2〜4いずれか記載の黄色
    顔料。
  6. 【請求項6】 複合酸化物の10重量%水分散液のpHが
    3.5 〜5.5 の範囲内にある請求項2〜4いずれか記載の
    黄色顔料。
  7. 【請求項7】 セリウム化合物、チタン化合物及び必要
    によりカルシウム化合物を混合し、得られた混合物を非
    酸化性雰囲気中で300 〜1500℃で焼成する組成式
    (I): CeTix Cay O z (I) (式中、x は0.2 〜0.75の数、y は0〜0.5 の数、z は
    1≦z ≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 非酸化性雰囲気中で焼成する際の昇温速
    度が200 〜2000℃/hである請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 非酸化性雰囲気中で焼成した後、更に大
    気中で焼成する請求項7又は8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 大気中で焼成する際の焼成温度が200
    〜800 ℃である請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10いずれか記載の製造方
    法で得られた複合酸化物を粉砕し、得られた粉末を、粒
    径が0.3 μm未満の粒子の頻度が30%以下となり、粒径
    が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度が40%以
    上となり、粒径が2μm以上の粒子の頻度が30%以下と
    なるように分級する複合酸化物の製造方法。
  12. 【請求項12】 L*,a*,b*表色系で表した色相a*値が
    -20 〜0 であり、b*値が40〜70である請求項11記載の
    製造方法によって得られた複合酸化物からなる黄色顔
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008222962A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Inax Corp 無機顔料、その製造方法、インクジェット用インク、加飾セラミック体及びその製造方法
JP2010515792A (ja) * 2007-01-12 2010-05-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア スズ元素と、希土類元素とを含む着色剤
JP2017156185A (ja) * 2016-03-01 2017-09-07 国立大学法人 香川大学 溶存化学物質濃度測定方法
WO2023053720A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 チタン工業株式会社 カルシウムチタン複合酸化物からなる化粧料組成物配合用粉体

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