JP2001247313A - 黄色顔料 - Google Patents
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Abstract
窪みを大きくする変曲点波長を有する複合酸化物及びそ
れからなる黄色顔料を提供すること。 【解決手段】組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物;
前記組成式(I)で表される複合酸化物からなる黄色顔
料;セリウム化合物、チタン化合物及び必要によりカル
シウム化合物を混合し、得られた混合物を非酸化性雰囲
気中で300 〜1500℃で焼成する組成式(I)で表される
複合酸化物の製造方法;並びにL*,a*,b*表色系で表し
た色相a*値が-20 〜0 であり、b*値が40〜70である前記
製造方法によって得られた複合酸化物からなる黄色顔
料。
Description
からなる黄色顔料及びその製造方法に関する。更に詳し
くは、顔料組成物、化粧料等に好適に使用しうる複合酸
化物、それからなる黄色顔料及びその製造方法に関す
る。
類が豊富であることから、種々の分光反射特性を有する
ものが存在するが、一般に耐水性、耐溶剤性、耐候性、
耐熱性等の安定性に劣るものが多い。
の、その種類が乏しいため、種々の分光反射特性を有す
るものが得られていない。特に、黄色顔料においては、
安定性及び安全性の面からα-FeOOHや酸化鉄−酸化チタ
ン焼結物といった鉄系の顔料が使用されている。しか
し、鉄系の無機顔料の分光反射特性のうち変曲点波長
は、その形状及び粒子径にはほとんど依存せず、物質固
有の値をとる。また、鉄系の無機顔料は、L*,a*,b*表
色系で表した色相におけるa*値が10程度であり、黄褐色
〜赤褐色を呈するので、鮮やかさに欠ける。従って、こ
のような特性をもつ鉄系の黄色顔料を化粧料等に配合し
たとしても、分光反射特性が非常に限られた化粧料しか
得られないという欠点がある。
トルにおいて500 〜 620nmの波長領域でスペクトルに窪
みを有するが、素肌がくすむにつれて500 〜 620nmの波
長領域でスペクトルの窪みが小さくなることが知られて
いる。
の化粧料は、500 〜620nm の波長領域におけるスペクト
ルの窪みが極めて小さいため、これを素肌に塗布すると
本来素肌が有している波長 500〜620nm のスペクトルの
窪みを小さくしてしまい、分光反射スペクトルがくすん
だ肌と同様の状態となるため、自然で健康的な化粧肌を
再現することが困難である。これは、化粧料に用いられ
ている黄色顔料が黄色酸化鉄又は酸化鉄−酸化チタン焼
結物であり、その変曲点波長が545nm 付近にあることに
起因するものと考えられている。
スペクトルの窪みを大きくする変曲点波長を有する黄色
顔料の開発が望まれている。
ては、黄鉛(Cr-Pb-O) やチタンイエロー(Ti-Ni-Sb-O)な
どが存在するが、いずれも有害元素を含み、安全性に問
題があるものであった。この問題を解決する目的で国際
公開第98/55401号パンフレット(1998)には、 Mx Cey Ti
z O t なる組成物が提案されている。しかし、これから
得られる顔料は、その粒子径が大きいため着色力が低
く、また10重量%水分散溶液のpHが10以上と非常に高
く、人肌などへの応用が非常に困難であるという欠点が
ある。
〜620nm の波長領域におけるスペクトルの窪みを大きく
する変曲点波長を有する複合酸化物及びそれからなる黄
色顔料を提供することにある。
が制御され、化粧料等として好適に使用しうる複合酸化
物の製造方法を提供することにある。
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物、
(2) 前記複合酸化物からなる黄色顔料、並びに
(3) セリウム化合物、チタン化合物及び必要により
カルシウム化合物を混合し、得られた混合物を非酸化性
雰囲気中で300 〜1500℃で焼成する前記組成式(I)で
表される複合酸化物の製造方法が提供される。
ためには、化粧料の波長領域500 〜620nm におけるスペ
クトルの窪みを大きくする顔料を使用することが望まれ
ているが、この波長領域におけるスペクトルの窪みを大
きくするためには、分光光度計で測定したときの顔料の
分光反射スペクトルの反射率が急激に変化する領域の変
曲点波長(分光反射スペクトルの一次微分導関数の最大
値を示す波長)(以下、単に「変曲点波長」という)が
450 〜520nm であることが好ましく、470 〜500nm が最
適である。
ためには、複合酸化物を構成しているTiとCeのモル比
(Ti/Ce)の値(組成式(I)中のx)が0.2 〜0.75であ
り、CaとCeのモル比(Ca/Ce) の値(組成式(I)中の
y)が0 〜0.5 であり、O とCeのモル比(O/Ce)の値(組
成式(I)中のz)が1≦z ≦2+2x+yを満足する数であ
る。
的には酸素欠陥状態を示す範囲内にあるので、この複合
酸化物のX線回折パターンにおいては、格子間隔d(単
位はÅである。以下同様)が3.02±0.05及び3.06±0.05
であるときに主たる回折ピークが存在していることが好
ましい。ここで、酸素欠陥は、複合酸化物の主成分であ
るCeO2を標準物質とし、高分解能X線吸収測定から得ら
れるXANES (X線吸収端近傍構造)において観測される
サテライトピーク(Ceに配位している酸素(O)からCeの4
f軌道に電子が流入する際に検出されるピーク)より、
酸素の配位数を求め、標準物質であるCeO2の配位数とか
ら算出される。この酸素欠陥率は、2〜20%が好まし
く、より好ましくは5〜20%である。
あり、Ca/Ce(モル比)の値が0.01〜0.3 であることが好
ましく、 Ti/Ce(モル比)の値が0.25〜0.55であり、Ca
/Ce(モル比)の値が0.01〜0.15であることがより好まし
い。
ーク」とは、試料とNIST(米国国立標準技術研究所)の
X線回折用内部標準試料であるZnO とを1:1 の重量比で
混合した混合物の回折パターンにおいて、JCPDS 36-145
1 に記載のZnO の最強回折ピークである格子間隔dが2.
476 であるときの回折ピークの回折強度を100 としたと
きに、格子間隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であると
きの回折ピークの回折強度が20〜110 であるか、又は格
子間隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であるときの回折
ピークの回折強度と、格子間隔dが3.12±0.03であると
きの回折ピークの回折強度との強度比(d=3.02/d=
3.12及びd=3.06/d=3.12) がそれぞれ0.15以上であ
る回折ピークをいう。
物、チタン化合物及びカルシウム化合物が使用される。
って組成式(I)で表される複合酸化物以外の生成物が
生成し、色相が低下しないようにするために、90%以上
が好ましく、95%以上がより好ましい。また、これらの
化合物の体積平均粒径は、混合時に粉末同士が容易に分
散するようにするために、0.01〜10μmが好ましく、0.
1 〜5μmがより好ましい。
Ce(OH)4 等の粉末が挙げられる。チタン化合物として
は、TiO2、TiO 、低次酸化チタン、Ti(OH)4 等の粉末が
挙げられる。カルシウム化合物としては、CaCO3 、Ca(O
H)2 、CaO 等の粉末が挙げられる。
タニアゾル等の均質混合体として、あるいはこれらの乾
燥物として使用することができる。
ウム、硝酸セリウム、硝酸アンモニウムセリウム等の水
溶性のセリウム塩と、塩化チタン、硫酸チタニル等の水
溶性のチタン塩と、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等
の水溶性のカルシウム塩との水溶液を水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等の
アルカリで中和して得られる水酸化物をセリウム化合
物、チタン化合物及びカルシウム化合物の原料として使
用することができる。なお、中和する際に不純物の沈殿
が生成するのを防止するために、これらの水溶性の化合
物の純度は、それぞれ90%以上であることが好ましく、
95%以上がより好ましい。
を用いることができる。かかる有機酸としては、蓚酸、
クエン酸等が挙げられるが、生成した沈殿物を焼成して
組成式(I)で表される複合酸化物を生じるのであれ
ば、これらに特に限定されない。
化合物、チタン化合物及びカルシウム化合物を混合す
る。かかる混合は、湿式法で行なうことが好ましい。湿
式法で混合した場合、乾式法で混合した場合と対比し
て、短時間でセリウム化合物、チタン化合物及びカルシ
ウム化合物を均一に混合することができ、偏析の低減が
図られ、得られる複合酸化物からのCe成分、Ti成分及び
Ca成分の溶出量を大幅に低減させることができる。
の焼結を防ぐために、炭素を含む化合物を添加すること
ができる。炭素を含む化合物としては、フェノール樹脂
等の合成樹脂や、でんぷん、寒天等の天然高分子化合物
等が挙げられる。炭素を含む化合物の量は、焼成反応を
促進させ、焼結を効果的に抑制する観点から、セリウム
化合物、チタン化合物及びカルシウム化合物の合計量10
0 重量部に対して0〜5重量部であることが好ましい。
ウム化合物を湿式法で混合する際には、溶媒を使用する
ことができる。溶媒としては、セリウム化合物、チタン
化合物及びカルシウム化合物に対して不溶性を呈するも
のであればよい。その例としては、イオン交換水、エタ
ノール等のこれらの化合物に対して不溶性を呈する有機
溶媒が挙げられる。
ウム化合物を湿式法で混合する際に使用し得る装置とし
ては、ボールミル、振動ミル、遊星ボールミル、アトラ
イター等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。
ーを乾燥させて溶媒を除去した後、得られた混合物を非
酸化性雰囲気中で焼成するが、非酸化性雰囲気中で焼成
した後に大気中で焼成を行なうことが好ましい。
には特に限定がなく、一般にセラミックス、無機化合物
等の製造の際に使用されている乾燥方法を採用すること
ができる。
際の焼成温度は、目的とする複合酸化物を得る観点及び
焼結の発生を防止する観点から、300 〜1500℃、好まし
くは800 〜1400℃、より好ましくは1100〜1300℃であ
る。なお、1500℃を超える温度で焼成した場合には、焼
結現象が認められ、粉砕によって微粒化したとしても分
散性の低い粉末しか得られない。
ス、ヘリウムガス、炭酸ガス、あるいはこれらの混合ガ
スや真空のいずれであってもよい。なお、必要により、
かかる非酸化性雰囲気は、加圧されていてもよい。
昇温過程、温度保持過程及び降温過程の各過程でガスの
種類や組成を変えて焼成を行なうことができる。例え
ば、昇温過程では雰囲気を真空とし、温度保持過程及び
降温過程でその雰囲気に非酸化性ガスを導入することが
できる。
おいて、その雰囲気を真空とした場合には、酸素原子の
拡散律速となり、反応が進行しにくいが、粒子の成長が
進行しがたいため、一次粒子が非常に微細となる。その
際に、その雰囲気中に非酸化性のガスを導入すると、粒
子の成長をほとんど伴わずに反応だけを促進させること
ができるので、一次粒子を微細とし、着色力を向上させ
ることができるとともに、粉砕時のエネルギーを低減さ
せることができるという利点がある。
は、焼結を回避し、混合物の反応を促進させる観点か
ら、200 〜2000℃/hであることが好ましい。なかで
も、昇温速度は、400 〜1500℃/hであることが、一次
粒子が非常に微細となり、しかも焼結が発生しがたくな
り、分散性に優れた粉末が得られるので、特に好まし
い。
様)は、焼成温度等によって異なるので一概には決定す
ることができないが、通常、0.1 〜100 時間程度であ
り、好ましくは1〜10時間程度である。
℃)にまで冷却する。
気中で焼成することが前記混合物の酸化を促進させる観
点から好ましい。その際の焼成温度は、酸化反応を促進
させる観点及び酸化チタン及び酸化セリウムが生成する
のを抑制する観点から、200〜800 ℃が好ましく、400
〜600 ℃がより好ましい。
子の融着を防止し、分散性を向上させる観点から、10
0〜1000℃/hであることが好ましく、300〜8
00℃/hであることがより好ましい。
度等によって異なるので一概には決定することができな
いが、通常、0.1〜100時間程度であり、好ましく
は1〜10時間程度である。
℃)にまで冷却する。
ることにより、複合酸化物が得られる。なお、焼成物を
粉砕する際にその一次粒子を破壊した場合、該一次粒子
内部に欠陥が生じ、結晶性が低下し、その結果、複合酸
化物自体の色相が変化し、L*、a*、b*表色系で表した色
相a*、b*値が低下するようになる。さらに、体積平均粒
子径が0.3 μm未満になると光散乱が大きくなり、顔料
が白味を帯びるため、着色顔料として好ましくないよう
になる。従って、粉砕によって得られる複合酸化物の体
積平均粒子径は、0.3 μm以上であることが好ましい。
また、分散性を向上させる観点及び使用感を向上させる
観点から、粉砕によって得られる複合酸化物の体積平均
粒子径は、50μm以下であることが好ましい。従って、
複合酸化物の体積平均粒子径は、着色性、分散性及び使
用感を向上させる観点から、0.01〜50μm 、好ましくは
0.05〜5 μm 、より好ましくは0.3 〜4 μm であること
が望ましい。なお、体積平均粒子径は、レーザー散乱式
粒度分布測定装置〔(株)堀場製作所製、品番:LA−
700型〕によって測定する。
焼成物を粉砕し、所望の体積平均粒子径を有する複合酸
化物を得るためには、粉砕機内で焼成物が滞留する時間
を調節することができる粉砕機、例えば、乾式法にあっ
てはジェットミル等、また湿式法にあってはダイノーミ
ル等を用いることが好ましい。これらの粉砕機を用いた
場合、微粒化に伴う色相の変化をほとんど生じさせずに
着色力を向上させることができる。特に、湿式法で粉砕
を行なった場合には、粉砕後のスラリー中に表面処理剤
等を投入することができ、粉体に撥水性等の付加機能を
同時に付与することができるという利点がある。
し、その粒度を調整した場合には、着色力をより一層向
上させることができる。
頻度を30%以下とし、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm
未満である粒子の頻度を40%以上とし、粒径が2μm以
上の粒子の頻度を30%以下となるように分級した場合に
は、着色力をより一層向上させることができる。より好
ましくは、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が25%以下
であり、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の
頻度が50%以上であり、粒径が2μm以上の粒子の頻度
が25%以下であることである。なお、粒子の頻度は、レ
ーザー散乱式粒度分布測定装置等で測定することができ
る。
は、例えば、一般にセラミックス、無機化合物等の製造
の際に用いられている分級方法を採用することができ
る。
物は、分光反射特性が制御され、分散性に優れ、しかも
Ce、Ti及びCaの溶出がほとんどなく、結晶性を有するこ
とから、耐候性及び耐退色性に優れた黄色顔料として、
種々の顔料組成物、化粧料等に適量で配合して使用しう
るものである。
散液のpHは、3.5 〜5.5 の範囲の弱酸性領域であるた
め、例えば、化粧料として肌に塗布した場合、皮膚への
刺激性も低く、また塗料等の顔料組成物として使用する
場合にも、組成物としての性能を損なうことがないもの
である。
表色系で表した色相a*値が-20 〜0であり、b*値が40〜7
0であるので、従来の酸化鉄系黄色顔料よりも赤味が少
なく、鮮やかな色相を呈する。
用される黄色顔料として用いる場合には、有機着色顔
料、無機着色顔料、無機体質顔料等の他の顔料と混合
し、顔料組成物として使用することができる。他の顔料
としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、マイカ、シリカ等の粉末が挙げられる。
るように、CeO280.462g 、TiO218.672g 及びCa(OH)2 0.
866 g の割合で各成分を混合して合計量を100gとした原
料粉末を得た。この原料粉末を500mL 容のZrO2製のボー
ルミルポットに入れ、 5mmφのZrO2製のボール1000g 及
び溶媒としてエタノール150gを用いて24時間混合した。
その後、スラリーとボールとを分離し、スラリー中のエ
タノールを留去してCeO2-TiO2-Ca(OH)2 の均一混合物を
得た。これを電気炉にて、N2雰囲気中にて1200℃で5時
間焼成した後、さらに大気雰囲気中で600 ℃で1時間焼
成し、複合酸化物を得た。
に従って元素分析を行なった結果、組成式(I)におい
て、xが0.5 、y が0.025 であることが確認された。
1g及び硫酸(試薬特級)2mL をフッ素樹脂製ビーカー中
に入れ、200 〜300 ℃に加熱する。室温まで冷却しなが
ら過酸化水素水(試薬特級)及び硝酸(試薬特級)を試
料粉体が目視で溶解することが確認されるまで、適量添
加する。試料粉体が完全に溶解した後、イオン交換水で
希釈し、ICP発光分光分析装置〔(株)島津製作所製、
品番:ICPS1000III 型〕を用いて定量分析を行なう。
のpHを以下の方法にしたがって測定したところ、4.5 で
あった。
法(以下の実施例及び比較例において同じ)〕複合酸化
物3.0gに煮沸冷却した25℃の水30mLを添加し、2分間よ
く攪拌した後、30分間静置した後の上澄液のpHを25℃で
pHメーターを用いて測定した。
光学特性(分光反射特性)、X線回折及び体積平均粒子
径を以下の方法に従って測定した。その結果を以下に示
す。
(複合酸化物)1.0gを粉体測定用セルに充填し、標準白
色板にて補正を行なった分光光度計((株)日立製作所
製、品番:U-4000型)で、380 〜780nm の可視波長領域
での分光反射スペクトルを測定し、波長に対する分光反
射スペクトルを関数とし、これを一次微分したとき、最
大値を示す波長を変曲点波長として求める。
ムを用いてL*、a*及びb*を算出する。
布計((株)堀場製作所製、品番:LA-700型)によって
測定する。
(株)製、商品名:ガイガーフレックスRAD-RC、CuKα
1 線)により測定する〔対陰極:Cu、フィルター: モノ
クロメータ、管電圧: 40kV、管電流:80mA 、走査速度:1
0 °/min〕。
が存在 ZnOの主ピークの回折強度100 に対する格子間隔d
=3.06及びd=3.02のピークの回折強度は、それぞれ4
5.5及び55.6 回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d3.12
は、それぞれ6.47及び5.73 (3)体積平均粒子径:0.46 μm
溶性の残炭率50%のフェノール樹脂を炭素換算で1g 添
加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、複合酸化
物を得た。
組成式(I)において、xが0.5 、y が0.025 であるこ
とが確認された。
に存在し、複合酸化物のa*値は-13.1 、b*値は52.8であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.02及びd=
3.06に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.06及びd=3 .0
2 の回折ピークの回折強度は、それぞれ47.6及び56.4で
あった。回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d
3.12は、それぞれ7.27及び6.72であった。また、体積平
均粒子径は0.45μm であり、複合酸化物の10%水分散液
のpHは4.5 であった。
Arにした以外は、実施例1と同様の操作を行い、複合酸
化物を得た。
組成式(I)において、xが0.5 、y が0.025 であるこ
とが確認された。
に存在し、複合酸化物のa*値は-13.2 、b*値は57.5であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.06及びd=
3.03に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.06及びd=3.03
の回折ピークの回折強度はそれぞれ66.1及び70.1であっ
た。回折ピークの回折強度の比d3.06/d3.12及びd3.
03/d3.12は、それぞれ15.09 及び14.21 であった。ま
た、体積平均粒子径は1.42μm であり、複合酸化物の10
%水分散液のpHは4.5 であった。
のモル比を0.05とした以外は、実施例1と同様の操作を
行い、複合酸化物を得た。
組成式(I)において、xが0.25、y が0.05であること
が確認された。
に存在し、複合酸化物のa*値は-10.6 、b*値は46.6であ
った。X線回折分析の結果、格子間隔d=3.06及びd=
3.02に主たる回折ピークを有し、さらにZnO の主ピーク
の回折強度100 に対して格子間隔d=3.02及びd=3.06
のピークの回折強度はそれぞれ23.2及び23.6であった。
回折ピークの比d3.06/d3.12及びd3.02/d3.12は、
それぞれ0.33及び0.32であった。また、体積平均粒子径
は0.48μm であり、複合酸化物の10%水分散液のpHは4.
8 であった。
025 となるようにするために、原料粉末であるCeO2(純
度99%、体積平均粒子径0.5 μm)402.33g、TiO2 (純
度99%、体積平均粒子径0.3 μm)93.34g及びCa(OH)2
(純度98%、体積平均粒子径3μm)4.33 gを秤量し、
合計量を500 gとした。これを容量3000cm3 のジルコニ
ア製の振動ボールミルポットに入れた後、さらに該振動
ボールミルポットに直径5mm のジルコニア製のボール36
00gと溶媒としてエタノール1500gを入れ、14時間混合
した。
し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、
粉末状のCeO2-TiO2-Ca(OH)2 の均質混合物を得た。
囲気中で1200℃まで昇温した後、1時間保持して焼成し
た。このときの昇温速度を1時間あたり1200℃とした。
その後、さらに大気中で600 ℃で1時間焼成した。この
ときの昇温速度を1時間あたり500 ℃とし、室温(約2
5℃)まで冷却した。
ニア製ビーズ1000g及びエタノール180 gを、容量1000
cm3 のビーズミルポットに入れ、1500rpm で5分間粉砕
した後、ボールと粉体スラリーとを分離し、遠心分離に
より分級を行ない、粉体スラリーを乾燥させて複合酸化
物を得た。
いて、xが0.5 であり、yが0.025であることが確認さ
れた。
変曲点波長が476nm に存在し、顔料のa*値は-13.1 、b*
値は56.0であった。
度分布計〔(株)堀場製作所製、商品名:LA-700型〕に
よって測定したところ、0.65μmであった。このとき、
粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度は18.0%、粒径が0.3
μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度は68.2%、粒径
が2μm以上の粒子の頻度は13.8%であった。
昇温過程中は真空雰囲気とし、保持過程以降にN2ガスを
導入して焼成を行なった以外は、実施例5と同様の操作
を行なった。
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.025 であることが確認された。
変曲点波長が474nm に存在し、複合酸化物のa*値-13.7
は、b*値は55.8であった。また、体積平均粒子径は0.48
μmであり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度は18.9
%、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度
は66.3%、粒径が2μm以上の粒子の頻度は14.8%であ
った。
が0.025 となるように、CeO2粉末 802.22 g、TiO2粉末
186.12 g及びCaCO3 粉末(純度98%、体積平均粒子径
3μm)11.66gを秤量し、合計量1000gとした。これを
容量3000cm3 のジルコニア製の振動ボールミルポットに
入れた後、さらに該振動ボールミルポットに直径5mmの
ジルコニア製ボール3600gと、溶媒としてイオン交換水
1500gと、界面活性剤〔花王(株)、商品名:ポイズ53
2A〕25gとを入れ、14時間混合を行なった。
させて塊状のCeO2-TiO2-CaCO3 の均質混合物を得た。得
られた均質混合物を解砕した。
てN2雰囲気中で1100℃で5時間焼成した。このときの昇
温速度は1時間あたり400 ℃とした。次に、室温(約2
5℃)にまで降温した後、さらに大気中で600 ℃で1時
間焼成した。このときの昇温速度は1時間あたり500 ℃
とした。焼成終了後、室温(約25℃)まで冷却した。
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.025 であることが確認された。
波長が472nm に存在し、複合酸化物のa*値は-11.5 、b*
値は52.3であった。また、体積平均粒子径は0.63μmで
あり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が20.8%であ
り、粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満である粒子の
頻度が68.4%であり、粒径が2μm以上である粒子の頻
度が10.8%であった。
が0.075 となるように、原料であるCeO2ゾル(CeO2 換算
で15%含有)458.97 g、TiO2ゾル(TiO2 換算で6%含
有)266.27 g及びCaCO3 3.00gを秤量した。これを容量
2000cm3 のガラス製のビーカーに入れた後、ホモミキサ
ーを用いて3500rpm の回転数で10分間混合を行なった。
大川原製作所製、商品名:SFD-ミニ型〕を用いてスラリ
ーを乾燥し、粉末状のCeO2-TiO2-CaCO3 の均質混合物を
得た。
℃で1時間焼成した。1200℃までの昇温過程中は真空雰
囲気とし、保持過程以降はN2雰囲気とした。このときの
昇温速度は、1時間あたり1200℃とした。さらに、大気
中で600 ℃で1時間焼成した。このときの昇温速度を1
時間あたり500 ℃とした。
イシン企業製、商品名:Co-Jet System αMark III型〕
を用いて粉砕した。粉砕後の粉末をエタノール溶液に分
散させて遠心分離することにより分級し、その後スラリ
ーを乾燥させて複合酸化物を得た。
た結果、組成式(I)において、xが0.5 であり、yが
0.075 であることが確認された。
波長が485nm に存在し、複合酸化物のa*値は-9.3、b*値
は57.9であった。また、体積平均粒子径は、0.58μmで
あり、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が15.7%、粒径
が0.3 μm以上2μm未満の粒子の頻度が66.8%、粒径
2μm以上の粒子の頻度が17.5%であった。
波長は545nm であり、顔料のa*値は5.6 、b*の値は51.2
であった。また、体積平均粒子径は0.3 μm であり、複
合酸化物の10%水分散液のpHは5.5 であった。
り、顔料のa*値は13.5、b*の値は43.1であった。体積平
均粒子径は0.32μm であり、複合酸化物の10%水分散液
のpHは7.5 であった。
Cey Tiz O t (式中、x=0.17、y=0.5 、z=0.33、t=1.74
5)なる組成物からなる顔料の変曲点波長は481nm であ
り、顔料のa*値は-6.9、b*の値は39.7であった。また、
体積平均粒子径は5.87μm であり、複合酸化物の10%水
分散液のpHは10.2であった。
は、実施例5と同様の操作を行なった。
波長が661nm に存在し、複合酸化物のa*値は1.12、b*値
は9.76であった。また、体積平均粒子径は0.53μmであ
り、粒径が0.3 μm未満の粒子の頻度が32.1%であり、
粒径が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度が2
5.2%であり、粒径が2μm以上の粒子の頻度が42.7%
であった。
物及びそれからなる黄色顔料は、500〜620nm の波長領
域におけるスペクトルの窪みを大きくする変曲点波長を
有するので、例えば、顔料組成物、化粧料等に好適に使
用しうるものである。
射特性が制御され、化粧料等として好適に使用しうる黄
色顔料が得られる。
Claims (12)
- 【請求項1】 組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物。 - 【請求項2】 組成式(I): CeTix Cay O z (I) (式中、xは0.2 〜0.75の数、yは0 〜0.5 の数、zは
1≦z≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物か
らなる黄色顔料。 - 【請求項3】 複合酸化物の分光反射スペクトルにおい
て、変曲点波長が450 〜520nm の範囲内にある請求項2
記載の黄色顔料。 - 【請求項4】 複合酸化物のX線回折において、格子間
隔dが3.02±0.05及び3.06±0.05であるときに主たる回
折ピークを有する請求項2又は3記載の黄色顔料。 - 【請求項5】 複合酸化物が体積平均粒子径0.01〜50μ
m を有するものである請求項2〜4いずれか記載の黄色
顔料。 - 【請求項6】 複合酸化物の10重量%水分散液のpHが
3.5 〜5.5 の範囲内にある請求項2〜4いずれか記載の
黄色顔料。 - 【請求項7】 セリウム化合物、チタン化合物及び必要
によりカルシウム化合物を混合し、得られた混合物を非
酸化性雰囲気中で300 〜1500℃で焼成する組成式
(I): CeTix Cay O z (I) (式中、x は0.2 〜0.75の数、y は0〜0.5 の数、z は
1≦z ≦2+2x+yを満足する数)で表される複合酸化物の
製造方法。 - 【請求項8】 非酸化性雰囲気中で焼成する際の昇温速
度が200 〜2000℃/hである請求項7記載の製造方法。 - 【請求項9】 非酸化性雰囲気中で焼成した後、更に大
気中で焼成する請求項7又は8記載の製造方法。 - 【請求項10】 大気中で焼成する際の焼成温度が200
〜800 ℃である請求項9記載の製造方法。 - 【請求項11】 請求項7〜10いずれか記載の製造方
法で得られた複合酸化物を粉砕し、得られた粉末を、粒
径が0.3 μm未満の粒子の頻度が30%以下となり、粒径
が0.3 μm以上でかつ2μm未満の粒子の頻度が40%以
上となり、粒径が2μm以上の粒子の頻度が30%以下と
なるように分級する複合酸化物の製造方法。 - 【請求項12】 L*,a*,b*表色系で表した色相a*値が
-20 〜0 であり、b*値が40〜70である請求項11記載の
製造方法によって得られた複合酸化物からなる黄色顔
料。
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JP2000042483A JP3835663B2 (ja) | 1999-02-26 | 2000-02-21 | 黄色顔料 |
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JP11-50849 | 1999-12-28 | ||
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JP37492999 | 1999-12-28 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008222962A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Inax Corp | 無機顔料、その製造方法、インクジェット用インク、加飾セラミック体及びその製造方法 |
JP2010515792A (ja) * | 2007-01-12 | 2010-05-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | スズ元素と、希土類元素とを含む着色剤 |
JP2017156185A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 国立大学法人 香川大学 | 溶存化学物質濃度測定方法 |
WO2023053720A1 (ja) * | 2021-10-01 | 2023-04-06 | チタン工業株式会社 | カルシウムチタン複合酸化物からなる化粧料組成物配合用粉体 |
-
2000
- 2000-02-21 JP JP2000042483A patent/JP3835663B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2023053720A1 (ja) * | 2021-10-01 | 2023-04-06 | チタン工業株式会社 | カルシウムチタン複合酸化物からなる化粧料組成物配合用粉体 |
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