JP2001246900A - 転写材 - Google Patents

転写材

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JP2001246900A
JP2001246900A JP2001005257A JP2001005257A JP2001246900A JP 2001246900 A JP2001246900 A JP 2001246900A JP 2001005257 A JP2001005257 A JP 2001005257A JP 2001005257 A JP2001005257 A JP 2001005257A JP 2001246900 A JP2001246900 A JP 2001246900A
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Kiyoshi Miyagi
清 宮城
Akira Takahashi
明 高橋
Tomoaki Ogino
倫明 荻野
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写材に高速転写機能を付与するために基材
PEsフィルムに設けた接着層が、基材PEsフィルム
の接着層とは反対面に密着しても、その面に背面処理層
を設けることによって、転写層が転移しない転写材を提
供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの一方の面に離型
層、印刷層、接着層を順次形成してなる転写層を設け、
他方の面に、熱硬化性樹脂(A)と飽和脂肪酸で変性し
たアルキド樹脂(B)からなる背面処理層を設けてなる
ことを特徴とする転写材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】転写材は、基材ポリエステルフィルム
(以下PEsフィルムと略す)の片面に順次、離型層、
図柄層および接着層などを積層して構成されている。こ
れら離型層、図柄層および接着層などの層に、帯電防止
や、抗菌性その他各種機能性を付与する事により、意匠
効果や、各種機能性を付与することもできる。
【0003】最近では、転写物の意匠性や各種機能が進
歩するとともに、転写装置の機能もレベルアップし、各
分野で加飾以外の用途にも展開が行われつつある。一方
で、転写材の転写加工時の生産性を向上させるために、
転写材の転写速度を上げることが要望されている。この
手段として、基材PEsフィルムに積層した転写層最上
層の接着層にガラス転移点が低い接着剤用樹脂を使用し
たり、被転写物と親和性の良い接着剤用の樹脂を選定し
使用することで、低い転写温度、低い転写圧力での転写
が可能となり、転写時の時間を短縮できるようになっ
た。その結果、転写速度を上げることができ、また被転
写物への接着不良の改善や品質、歩留まりの向上も可能
となった。
【0004】しかしながら、接着層にガラス転移点の低
い接着剤や基材PEsフィルムと親和性の良い接着剤を
転写層の最上層に設けた転写材をロール状に巻き取り、
このロール状の転写材を用いて被転写物に印刷層を転写
しても、印刷層が被転写物へ一部または全部が転写しな
いという問題があることがわかった。
【0005】また、基材PEsフィルムの背面処理層の
樹脂として、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を使用した場
合にも、基材PEsフィルムの背面処理層の一部が、背
面転写層側とは反対面に移行し、シリコーン樹脂やフッ
素樹脂によって汚染されるという問題がある。
【0006】これらは、基材PEsフィルムの片面に積
層した転写層がロール状に巻いた後に、ロールの巻き取
り圧力と経時によってブロッキングを起こし、転写層の
一部または全部が転写層中の離型層から剥離して、基材
PEsフィルムの転写層とは反対面に転移したためであ
る。基材PEsフィルムの片面に転写層を積層した転写
材は、一般的にロールの巻き状態で製造、供給され、各
種転写装置や成型同時転写によって、被転写体に転写す
る。従って、この様な問題は転写材をロール状にする限
り避けられない問題である。
【0007】また、前記シリコーン樹脂やフッ素樹脂か
らなる背面処理層を設けた基材PEsフィルムのロール
を用いて、背面処理層側とは反対面に転写層を積層する
際、最初に離型層が積層される。離型層は、一般的にパ
ラフィン系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、セルロー
ス誘導体系、メラミン樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹
脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、
及びこれら混合型離型剤などを適当な溶剤で溶解して塗
液とし、基材PEsフィルムの背面処理層側とは反対面
に塗工される。しかしながら、基材PEsフィルムの背
面処理層とは反対面はシリコーン樹脂やフッ素樹脂で汚
染されているため、前記離型層用の塗液を汚染された表
面に塗工すると塗液にハジキが起こり、不均一な塗膜と
なってしまう。この様に不均一に形成された離型層に、
更に印刷層、接着層を積層して転写層を設け、転写装置
を用いて被転写材に転写を行っても、離型層が不均一に
形成されているために、転写が不均一となり所望の転写
は出来ないという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題点を解決しようとするものであり、転写材に高速
転写機能を付与するために基材PEsフィルムに設けた
接着層が、基材PEsフィルムの接着層とは反対面に密
着しても、その面に背面処理層を設けることによって、
転写層が転移しない転写材を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた転写材とは、以下の通りである。
【0010】(1)ポリエステルフィルムの一方の面に
離型層、印刷層、接着層を順次形成してなる転写層を設
け、他方の面に、熱硬化性樹脂(A)と飽和脂肪酸で変
性したアルキド樹脂(B)からなる背面処理層を設けて
なることを特徴とする転写材。 (2)前記熱硬化性樹脂(A)と脂肪酸で変性したアル
キド樹脂(B)の混合重量比率が、10/90〜90/
10であることを特徴とする前記(1)記載の転写材。 (3)前記熱硬化性樹脂(A)が、尿素樹脂、メラミン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、
エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする前記
(1)または(2)のいずれかに記載の転写材。 (4)前記背面処理層を、トルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチルの少なくとも1種または2種以上の混合
溶剤を含んだガーゼでラビングした際のフィルムヘイズ
の変化が1.0%以下であることを特徴とする前記
(1)乃至(3)のいずれかに記載の転写材。 (5)前記転写層と背面処理層の面を重ね合わせ、3k
g/cm2の荷重下で、温度60℃で24時間処理した
場合に、転写層が背面処理層側に転移しないことを特徴
とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の転写
材。 (6)前記背面処理層の固形塗布量が0.01〜0.5
g/m2であることを特徴とする前記(1)乃至(5)
のいずれかに記載の転写材。 (7)前記ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフ
タレートフィルムであることを特徴とする前記(1)乃
至(6)のいずれかに記載の転写材。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の転写材に使用するポリエステル
(PEs)とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸またはそ
のエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1−4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコー
ルとを重縮合させて製造されるポリエステルである。
【0013】これらの酸成分とグリコール成分とからな
るポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用
して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン
酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステ
ル交換反応を行わせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸
とグリコールとを直接エステル化させて、実質的に芳香
族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその
低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、240℃以
下の温度で重縮合させる方法が採用される。この際、通
常の触媒、安定剤、各種添加剤などを任意に使用するこ
とができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリ
エチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートあ
るいはポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレ
フタレート)などが挙げられ、なかでもポリエチレンテ
レフタレートが好ましい。これらのポリエステルはホモ
ポリマーであっても第三成分を少量共重合させたもので
もよく、また、これらのポリエステルを混合したもので
あっても良い。
【0014】本発明でいうPEsフィルムとは、公知の
方法を用いて溶融押出後延伸されてなるフィルムであっ
て、その厚みが10〜250μのものが好適に用いられ
る。また、PEsフィルムには、各種安定剤、紫外線防
止剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、及び可塑
剤などを含有していてもよい。
【0015】本発明の転写材は、その片面に熱硬化性樹
脂(A)及び飽和脂肪酸で変性したアルキド樹脂(B)
からなる背面処理層を設けており、ロール状に巻き取ら
れても、もう一方の反対面は背面処理層に用いた樹脂が
移行することはなく、転写層を積層する側の面を前記樹
脂で汚染されることはない。
【0016】本発明の転写材の背面転写層に使用される
熱硬化性樹脂(A)は、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、エポキシ樹
脂のいずれかが好ましく、必要に応じて、酸触媒を用い
硬化を促進することができる。また、飽和脂肪酸で変性
したアルキド樹脂(B)は、飽和脂肪酸として、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等を使
用してアルキド樹脂を重合して得ることができる。更
に、必要に応じて、背面処理層に易滑剤や帯電防止剤な
どを含有させることもできる。
【0017】前記熱硬化性樹脂(A)と脂肪酸で変性し
たアルキド樹脂(B)の混合重量比率が、10/90〜
90/10であることが好ましい。特に好ましくは、2
0/80〜80/20である。脂肪酸で変性したアルキ
ド樹脂(B)の混合重量比率が90%を超えると、背面
処理層の硬化が不十分となるため、背面処理層が溶出ま
たは膨潤しやすくなり、耐溶剤性の無い背面処理層とな
る。
【0018】これらの溶剤は、基材PEsフィルムの片
面に順次、離型層、印刷層、接着層をコーティングによ
って積層する時の塗液に用いられる溶剤である。これら
離型層、図柄層、接着層の積層は各層ごとにコーティン
グによって塗布し、乾燥工程で溶剤を除去する。しか
し、乾燥工程で溶剤が完全に除去できず、転写材として
の機能を損なわない程度に微量の溶剤が各層に残る場合
がある。
【0019】これらの微量の溶剤を含んだ状態で、基材
PEsフィルムに形成した転写層をロール状に巻き取っ
た場合、ロールの巻き取り圧力と経時で、耐溶剤性の無
い背面処理層はこの残留の溶剤によって膨潤し、該背面
処理層の親和性が強くなるとともに膜強度が低下する。
これは、高速転写機能を付与するために用いた接着層と
耐溶剤性の無い背面処理層との親和性が増すことによ
り、接着層と背面処理層が密着しやすくなり、転写層が
背面処理層側に転移しやすくなるためである。また、転
写層が背面処理層側に転写しなくても、転写装置を用い
て加熱ロールで被転写物に転写する際に、加熱ロールに
接触する背面処理層の皮膜強度が弱いために、前記背面
処理層がロールに転移しやすくなり、ロールを汚染した
り、ロールに劣化物が付着堆積することにより、転写性
が阻害されやすくなる。
【0020】また、熱硬化性樹脂(A)の混合重量比率
が90%を超える場合、高速転写機能性を付与するため
に用いた接着層と背面処理層との親和性が良くなるため
に、前記接着層が背面処理層と密着しやすくなり、その
結果、転写層が背面処理層側に転移しやすくなる。
【0021】本発明において、基材PEsフィルムに熱
硬化性樹脂(A)と飽和脂肪酸で変性したアルキド樹脂
(B)からなる背面処理層を設ける方法としては、リバ
ースロールコーター、グラビヤコーター、ロッドコータ
ー、エアドクターコーター、あるいはこれら以外の塗布
装置を用いて、PEsフィルム製造工程外で塗布する方
法やPEsフィルム製造工程内で塗布する方法があげら
れる。
【0022】PEsフィルム製造工程内で塗布する方法
としては、1)PEsの未延伸フィルムに塗布液を塗布
し、逐次または同時に二軸延伸する方法、2)一軸延伸
されたPEsフィルムに塗布し、さらに一軸延伸方向と
直角の方向に延伸する方法、3)二軸延伸PEsフィル
ムに塗布する方法、4)二軸延伸PEsフィルムに塗布
し、さらに横及び/または縦方向に延伸する方法などが
ある。前記PEsフィルム製造工程内で塗布する際に
は、適宜乾燥工程を設けても良い。
【0023】背面処理層を積層する時の塗布量は、0.
01〜0.5g/m2であることが好ましい。特に好ま
しくは、0.03〜0.3g/m2である。塗布量が
0.01g/m2未満の場合には、塗膜の耐溶剤性が不
充分となり、ロール状にした場合に転写層の一部が背面
処理層側に転移しやすくなる。一方、0.5g/m2
超えると、熱硬化性樹脂の硬化が不十分となり、耐溶剤
性が悪化する傾向がみられる。
【0024】また、本発明の転写材は、前記背面処理層
の耐溶剤性の指標である「トルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチルの少なくとも1種または2種以上の混合
溶剤を含んだガーゼで前記背面処理層をラビングした際
のフィルムヘイズの変化が1.0%以下」であることが
好ましく、また前記ポリエステルフィルムの背面処理層
を設けた面とは反対面に離型層、印刷層、接着層を順次
形成してなる転写層を積層し、前記転写層と背面処理層
の面を重ね合わせ、3kg/cm2の荷重下で、温度6
0℃で24時間処理した場合に、転写層が背面処理層側
に転移しないことが好ましい。これらは前記手段を採用
することにより達成することができるが、前記手段のみ
に制約されるものではない。
【0025】本発明の転写材は、基材PEsフィルムの
片面に背面処理層を設けており、背面処理層とは反対面
に転写層(離型層、印刷層、接着層を順次積層した層)
を設けた構成になっている。
【0026】離型層は、転写後に基体PEsフィルムを
剥離した時に基体PEsフィルムと共に転写層から離型
する。離型層の材料はパラフィン系離型剤、シリコーン
樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、メラミン樹
脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、フッ素樹脂
系離型剤、尿素樹脂系離型剤、及びこれら混合型離型剤
などを用いることが出来る。離型層の形成法としては、
リバースコート法、グラビヤコート法、ワイヤバーコー
ト法、スクリーン印刷法などがある。
【0027】印刷層は通常離型層の上に形成するが、剥
離性を改善する目的で離型層の上に更に剥離層を設け、
その上に印刷層を形成しても良い。剥離層は転写後に基
体PEsフィルムを剥離した際に、基体PEsフィルム
から剥離して被転写物の最外層となる層である。剥離層
の材料としてはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
セルロース型樹脂、ポリ塩化ビニル型樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等を用いることが出来る。剥
離層に硬度が必要な場合は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化
樹脂など用いることもできる。剥離層の形成法は、リバ
ースコート法、グラビヤコート法、ワイヤバーコート
法、スクリーン印刷法などがある。
【0028】印刷層の材料としては、アクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、アルキ
ド系樹脂などが挙げられ、これらの樹脂をバインダーと
して顔料または染料で着色して印刷インキとする。印刷
層の形成法としては、オフセット印刷法、グラビヤ印刷
法、スクリーン印刷法など通常の印刷法を用いると良
い。また、印刷層は金属薄膜層や金属薄膜層と印刷層の
組み合わせからなるものでも良い。
【0029】金属薄膜層は真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。
表現したい図柄に応じて、金属薄膜層を部分的に設ける
場合がある。部分的に金属薄膜層を形成する方法とし
て、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂を
形成した後、その表面の全面に金属薄膜を形成し、溶剤
で洗浄することにより、金属薄膜を除去する方法があ
る。この場合に用いる溶剤は水がよく用いられる。ま
た、別の方法として、金属薄膜を全面に形成し、次ぎに
金属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、
酸またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除
去する方法がある。
【0030】接着層は、被転写物上に転写の各層を接着
する層である。接着層は被転写物の素材に適する樹脂を
選定する必要がある。例えば、被転写物の材質がポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の場合はこれら
と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、
エステルウレタン系樹脂などを使用すれば良い。また、
被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル樹脂
を用いると良い。更に、被転写物の樹脂がポリプロピレ
ンの場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂などが使用出来
る。接着層の形成法としては、グラビヤコート法、リバ
ースコート法、ワイヤバーコート法、コンマドクターコ
ート法などの方法がある。
【0031】これら転写材の転写方法としては、転写装
置を用いて加熱ロールで被転写物に転写する方法や、射
出成型機やブロー成型機の金型に接着層が成型樹脂と接
するように転写フィルムをセッティングした後、成型樹
脂を射出またはブローし、冷却後金型より成型品を取り
出して転写フィルムを剥離する、いわゆる成型同時転写
が一般的に行われている。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中の「部」とあるのは
「重量部」を示す。
【0033】1)ヘイズの変化 学振式摩擦試験機(山口科学産業(株)製)を用い、ガ
ーゼにトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルの少
なくとも1種、または前記いずれか2種を1/1に混合
した溶剤を含浸させる。転写材の背面処理層を荷重50
0gで、10往復ラビングする。ヘイズメーター(東京
電色(株)製)でラビングしたフィルムのヘイズ(%)
を測定し、ラビング前のヘイズ値との差を計算する。
【0034】2)背面処理層のPEsフィルムへの転移
性 PEsフィルムの被処理面側と背面処理層側の面を重
ね、2kg/cm2の荷重をかける。15分間放置した
後、重ね合ったフィルムの非処理面側の面と背面処理層
側の面とを手で剥離し、非処理面にパラフィンワックス
を溶剤で固形分3%にし、ワイヤバー#3でハンドコー
トする。コートした面を目視判定し、次のランク付けを
行った。 コート面ハジキなし ○ コート面ハジキあり ×
【0035】3)背面処理層と転写層接着剤との密着性 転写材の背面処理層の反対面に、接着剤としてガラス転
移点6℃のエステル系の樹脂を溶剤で溶解し固形分20
%の塗液とする。ワイヤバー#5でハンドコートし乾燥
後、この接着剤層側の面と背面処理層側の面を重ね合わ
せ、3kg/cm2の加圧下で、温度60℃で24時間
処理する。転写材の接着剤層側の面と背面処理側の面と
を手で剥がし密着性(ブロッキング)を目視判定する。 接着剤層と背面処理層の密着なし ○ 接着剤層と背面処理層の密着あり ×(フィルムの破れ
が発生する場合あり)
【0036】4)固形塗布量 フィルムサンプルを10cm×10cmの大きさに切
る。重量を直示天秤(島津製作所(株)製)を用い、g
単位で少数4桁まで測定する。測定後、塗布面をメチル
エチルケトンの溶剤で完全に除去する。再度重量を測定
し、重量差を計算する。その重量差を100倍すれば、
固形塗布量(g/m2)を算出することができる。
【0037】[飽和脂肪酸で変性したアルキド樹脂の製
造]無水フタル酸とグリセロールを180℃まで加熱し
て第一段階のシロップにし、溶融したステアリン酸を添
加して遊離水酸基をエステル化する。加熱を180℃か
ら220℃まで続け、酸価10(KOHmg/g)にな
るまで反応させ、ステアリン酸変性アルキド樹脂を得
る。
【0038】実施例1 メチル化メラミン樹脂(住友化学工業:スミマールM−
100)7部、ステアリン酸変性アルキド樹脂3部、酸
触媒としてP−トルエンスルホン酸1部、をトルエン9
0部に溶解させて調整した固形分10重量%の塗布液
を、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの片面にグラビヤコートした。コート後、温
度160℃で30秒で乾燥し、固形塗布量0.05g/
2の背面処理層を設けた。得られた転写用PEsフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1において、メラミン樹脂(住友化学工業:スミ
マールM−100)3部、ステアリン酸アルキド樹脂7
部、P−トルエンスルホン酸1部をトルエン90部に溶
解させて調整した塗布液を使用する以外は実施例1と同
様にした。得られた転写用PEsフィルムの特性を表1
に示す。
【0040】実施例3 実施例1において、厚さ38μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムを用い、固形塗布量を0.20g/m
2とする以外は、実施例1と同様にした。得られた転写
用PEsフィルムの特性を表1に示す。
【0041】実施例4 実施例1において、ステアリン酸の代わりに飽和脂肪酸
のベヘン酸変性アルキド樹脂に変えた以外は実施例1と
同様にした。得られた転写用PEsフィルムの特性を表
1に示す。
【0042】実施例5 実施例1において、メラミン樹脂の代わりにグリコール
ウリル樹脂(三井サイテック:サイメル1170)に変
えた以外は実施例1と同様にした。得られた転写用PE
sフィルムの特性を表1に示す。
【0043】実施例6 実施例1において、メラミン樹脂の代わりにベンゾグア
ナミン樹脂(大日本インキ化学:スーパーベッカミンT
D−126)に変えた以外は実施例1と同様にした。得
られた転写用PEsフィルムの特性を表1に示す。
【0044】比較例1 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに背面処理層を設けなかったこと以外は実施例1と同
様にした。得られたPEsフィルムの特性を表1に示
す。
【0045】比較例2 実施例1において、背面処理層を付加反応型のシリコー
ン樹脂(ダウコーニング社製DK−Q3−203)に変
えた以外は実施例1と同様にした。得られた転写用ポリ
エステルフィルムの特性を表1に示す。
【0046】比較例3 メチル化メラミン樹脂(住友化学工業:スミマールM−
100)10部と酸触媒としてP−トルエンスルホン酸
1部をトルエン90部に溶解させる以外は実施例1と同
様にした。得られた転写用PEsフィルムの特性を表1
に示す。
【0047】比較例4 ステアリン酸アルキッド樹脂10部と酸触媒としてP−
トルエンスルホン酸1部をトルエン90部に溶解させる
以外は実施例1と同様にした。得られた転写用PEsフ
ィルムの特性を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の転写材は、基材ポリエステルフ
ィルムの片面に特定の背面処理層を有しており、背面処
理層の反対面に転写層を設けた転写材をロール状に巻き
取り、高速転写機能を付与するために用いた転写層の最
上層の接着層が反対面のPEsと密着させても、耐溶剤
性及び適切な硬度を有する特定の背面処理層を設けてい
るので、転写層が反対面に転移しない。したがって、転
写材から転写層(接着層/印刷層)を被転写物に高速で
転写することができる。
フロントページの続き (72)発明者 荻野 倫明 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社フィルム開発研究所堅田フィル ムセンター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの一方の面に離型
    層、印刷層、接着層を順次形成してなる転写層を設け、
    他方の面に、熱硬化性樹脂(A)と飽和脂肪酸で変性し
    たアルキド樹脂(B)からなる背面処理層を設けてなる
    ことを特徴とする転写材。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂(A)と脂肪酸で変性
    したアルキド樹脂(B)の混合重量比率が、10/90
    〜90/10であることを特徴とする請求項1記載の転
    写材。
  3. 【請求項3】 前記熱硬化性樹脂(A)が尿素樹脂、メ
    ラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル
    樹脂、エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする
    請求項1または2のいずれかに記載の転写材。
  4. 【請求項4】 前記背面処理層を、トルエン、メチルエ
    チルケトン、酢酸エチルの少なくとも1種または2種以
    上の混合溶剤を含んだガーゼでラビングした際のフィル
    ムヘイズの変化が1.0%以下であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の転写材。
  5. 【請求項5】 前記転写層と背面処理層の面を重ね合わ
    せ、3kg/cm2の荷重下で、温度60℃で24時間
    処理した場合に、転写層が背面処理層側に転移しないこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写
    材。
  6. 【請求項6】 前記背面処理層の固形塗布量が0.01
    〜0.5g/m2であることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の転写材。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステルフィルムがポリエチレ
    ンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の転写材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012148491A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Seiko Epson Corp 熱転写媒体の製造方法、熱転写媒体、画像形成方法および記録物

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