JP2001018592A - 転写用ポリエステルフィルム - Google Patents

転写用ポリエステルフィルム

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JP2001018592A
JP2001018592A JP19644199A JP19644199A JP2001018592A JP 2001018592 A JP2001018592 A JP 2001018592A JP 19644199 A JP19644199 A JP 19644199A JP 19644199 A JP19644199 A JP 19644199A JP 2001018592 A JP2001018592 A JP 2001018592A
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polyester film
film
treatment layer
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JP19644199A
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Kiyoshi Miyagi
清 宮城
Mikio Matsuoka
幹雄 松岡
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被転写材への転写性に優れ、かつ静電気の発
生が小さい転写用PEsフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面に、導電性
フィラー(A)とシリコーン系グラフトポリマー(B)
からなる背面処理層を設けてなり、前記ポリエステルフ
ィルムの表面固有抵抗値(Rs)が1×1012Ω/□以
下であることを特徴とする転写用ポリエステルフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のフィルムは、転写用
および成型同時転写用ポリエステルフィルム(以下PE
sフィルムと略す)の製造に関するが、その他に離型用
PEsフィルムにも適用することができる。
【0002】
【従来の技術】転写材は、基材PEsフィルムの片面に
順次、離型層、図柄層および接着層などを積層して構成
されている。これら離型層、図柄層および接着層などの
層に、帯電防止や、抗菌性その他各種機能性を付与する
ことにより、意匠効果や、各種機能性を付与することも
できる。
【0003】最近では、転写物の意匠性や各種機能が進
歩するとともに、転写装置の機能もレベルアップし、各
分野で加飾以外の用途にも展開が行われつつある。ま
た、転写材の加工工程も複雑になり、転写材として加工
する基材PEsフィルムに対する要求品質も多様化して
きており、PEsフィルムの背面にアンチブロッキング
処理層を形成し、転写材の加工性や、転写機能を向上さ
せることなどが行われている。
【0004】しかしながら、基材PEsフィルムの背面
処理層の樹脂として、従来の付加反応型シリコーン樹脂
やフッ素樹脂を使用した場合、基材PEsフィルムの背
面処理層の一部が、背面転写層側とは反対面に移行し、
シリコーン樹脂やフッ素樹脂によって汚染されるという
問題があった。
【0005】前記の付加反応型シリコーン樹脂やフッ素
樹脂からなる背面処理層を設けた基材PEsフィルムの
ロールを用いて、背面処理層側とは反対面に転写層を積
層する際、最初に離型層が積層される。離型層は、一般
的にパラフィン系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、セ
ルロース誘導体系、メラミン樹脂系離型剤、ポリオレフ
ィン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、尿素樹脂系離
型剤、及びこれら混合型離型剤などを適当な溶剤で溶解
して塗液とし、基材PEsフィルムの背面処理層側とは
反対面に塗工される。しかしながら、基材PEsフィル
ムの背面処理層とは反対面は、フィルムをロール状に巻
き取った際にシリコーン樹脂やフッ素樹脂が転移し汚染
されているため、前記離型層用の塗液を汚染された表面
に塗工すると塗液にハジキが起こり、不均一な塗膜とな
ってしまう。この様に不均一に形成された離型層に、更
に印刷層、接着層を積層して転写層を設け、転写装置を
用いて被転写材に転写を行っても、離型層が不均一に形
成されているために、転写が不均一となり所望の転写は
出来ないという問題もあった。
【0006】さらに、基材PEsフィルムに離型層、図
柄層、接着層等を形成して転写材を製造する工程や、転
写材で被転写物へ転写する工程において、基材PEsフ
ィルムに起因する静電気によって各種トラブルが発生し
ている。転写材の製造におけるトラブルの例として、静
電気発生で溶剤の発火、印刷の図柄にヒゲが発生、ゴミ
の付着、などのような様々な静電気トラブルが発生して
いる。転写の工程では、雰囲気中のゴミが静電気で転写
材に付着し、そのゴミが付着した部分は転写ができず所
望の図柄が転写できない等のトラブルが発生している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来の問題点を解決しようとするものであり、被転写
材への転写性に優れ、かつ静電気の発生が小さい転写用
PEsフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた転写用ポリエステルフィルムとは、以下
の通りである。
【0009】(1)ポリエステルフィルムの片面に、導
電性フィラー(A)とシリコーン系グラフトポリマー
(B)からなる背面処理層を設けてなり、前記ポリエス
テルフィルムの表面固有抵抗値(Rs)が1×1012Ω
/□以下であることを特徴とする転写用ポリエステルフ
ィルム。 (2)前記導電性フィラー(A)が酸化スズであること
を特徴とする前記(1)記載の転写用ポリエステルフィ
ルム。 (3)前記シリコーン系グラフトポリマーの幹部分がア
クリル系ポリマーで、枝部分がシリコーンで構成された
櫛型グラフトポリマーであることを特徴とする前記
(1)又は(2)記載の転写用ポリエステルフィルム。 (4)前記導電性フィラー(A)とシリコーン系グラフ
トポリマー(B)の混合重量比率が99/1〜20/8
0であることを特徴とする前記(1)乃至(3)記載の
転写用ポリエステルフィルム。 (5)前記背面処理層がトルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチルの1種またはそれら2種以上の混合溶剤
を含んだガーゼでラビングした際のフィルムヘイズの変
化が1.0%以下であることを特徴とする前記(1)乃
至(4)記載の転写用ポリエステルフィルム。 (6)前記背面処理層を有するポリエステルフィルムを
ロール状に巻き取った際に、前記背面処理層がフィルム
の反対面に転移しないことを特徴とする前記(1)乃至
(6)記載の転写用ポリエステルフィルム。 (7)前記ポリエステルフィルムの背面処理層を設けた
面とは反対面に離型層、印刷層、接着層を順次形成して
なる転写層を積層し、前記転写層と背面処理層の面を重
ね合わせ、荷重3kg/cm2の荷重下で、温度60℃
で24時間処理した場合に、転写層が背面処理層側に転
移しないことを特徴とする前記(1)乃至(6)記載の
転写用ポリエステルフィルム。 (8)前記背面処理層の固形塗布量が0.01〜2.0
g/m2であることを特徴とする前記(1)乃至(7)
記載の転写用ポリエステルフィルム。 (9)前記ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフ
タレートであることを特徴とする前記(1)乃至(8)
記載の転写用背面ポリエステルフィルム。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の基材フィルムに使用するポリエス
テル(PEs)とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸また
はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1−4ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリ
コールとを重縮合させて製造されるポリエステルであ
る。
【0012】これらの酸成分とグリコール成分とからな
るポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用
して製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン
酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステ
ル交換反応を行わせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸
とグリコールとを直接エステル化させて、実質的に芳香
族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその
低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、240℃以
下の温度で重縮合させる方法が採用される。この際、通
常の触媒、安定剤、各種添加剤などを任意に使用するこ
とができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリ
エチレンテレフタレートやポリエチレナフタレートある
いはポリ(1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフ
タレート)などが挙げられ、なかでもポリエチレンテレ
フタレートが好ましい。これらのポリエステルはホモポ
リマーであっても第三成分を少量共重合させたものでも
よく、また、これらのポリエステルを混合したものであ
っても良い。
【0013】本発明でいうPEsフィルムとは、公知の
方法を用いて溶融押出後延伸されてなるフィルムであっ
て、その厚みが10〜250μのものが好適に用いられ
る。また、PEsフィルムには、各種安定剤、紫外線防
止剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、及び可塑
剤などを含有していてもよい。
【0014】本発明の転写用PEsフィルムは、その片
面に導電性フィラー(A)とシリコーン系グラフトポリ
マー(B)からなる背面処理層を設け、該背面処理層の
表面固有抵抗値を1×1012Ω/□以下としているの
で、転写材から発生する静電気が小さい。
【0015】本発明の転写用PEsフィルムの背面転写
層の表面固有抵抗値は1×1012Ω/□以下である必要
があり、好ましくは1×1010Ω/□以下である。
【0016】本発明で用いる導電性フィラーは、粒子状
のカーボンブラック、ニッケル、銅などの金属紛、酸化
スズ、酸化亜鉛などの金属酸化物、繊維状の黄銅、ステ
ンレス、アルミニウム等の金属コートファイバー、鱗片
上黒鉛、アルミニウムフレーク、銅フレーク等が挙げら
れる。これらの導電性フィラーのなかで、素材、形状、
サイズ、表面積、比重、表面状態から、金属酸化物が好
適である。金属酸化物の中でも、PEsフィルムの表面
固有抵抗値及び透明性の点から、1μm以下の酸化スズ
がさらに好適である。
【0017】前記導電性フィラーを分散させる汎用の熱
可塑性樹脂としては、エステル系樹脂、アクリル系樹
脂、メラミン系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂等が
挙げられる。上記導電性フィラーをトルエン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、n−ヘキサン、ソルベッソ、
シクロヘキサノン、ベンゼン、クロロホルム等の溶剤に
均一に分散させ、コート剤の塗料として挙げられる。ま
た、前記熱可塑性樹脂は水溶性やエマルジョンの水分散
体タイプの塗料を使用してもよい。
【0018】これらの溶剤は、基材PEsフィルムの片
面に順次、離型層、印刷層、接着層をコーティングによ
って積層する時の塗液に用いられる溶剤である。これら
離型層、図柄層、接着層の積層は各層ごとにコーティン
グによって塗布し、乾燥工程で溶剤を除去する。しか
し、乾燥工程で溶剤が完全に除去できず、転写材として
の機能を損なわない程度に微量の溶剤が各層に残る場合
がある。
【0019】これらの微量の溶剤を含んだ状態で、基材
PEsフィルムに形成した転写層をロール状に巻き取っ
た場合、ロールの巻き取り圧力と経時で、耐溶剤性の無
い背面処理層はこの残留の溶剤によって膨潤し、該背面
処理層の親和性が強くなるとともに膜強度が低下する。
これは、高速転写機能を付与するために用いた接着層と
耐溶剤性の無い背面処理層との親和性が増すことによ
り、接着層と背面処理層が密着しやすくなり、転写層が
背面処理層側に転移しやすくなるためである。また、転
写層が背面処理層側に転写しなくても、転写装置を用い
て加熱ロールで被転写物に転写する際に、加熱ロールに
接触する背面処理層の皮膜強度が弱いために、前記背面
処理層がロールに転移しやすくなり、ロールを汚染した
り、ロールに劣化物が付着堆積することにより、転写性
が阻害されやすくなる。
【0020】前記導電性フィラー(A)とシリコーン系
グラフトポリマー(B)の混合重量比率は、99/1〜
20/80であることが好ましい。さらに好ましくは、
90/10〜30/70であり、特に好ましくは、85
/15〜40/60である。
【0021】前記導電性フィラー(A)の混合重量比率
が99%を超えると、基材PEsフィルムとの密着性が
不充分となり、背面処理層が反対面に移行したり、加工
工程中に背面処理層が脱落するなどの問題が生じる。一
方、前記導電性フィラー(A)の混合重量比率が20%
未満では、表面固有抵抗値が1012Ω/□を超えてしま
うので好ましくない。
【0022】本発明で用いるシリコーン系グラフトポリ
マーはと、重合可能な官能基を持つ高分子モノマーを用
いて共重合することで得られるグラフトポリマーであ
る。前記シリコーン系グラフトポリマーは、シリコーン
マクロモノマーとアクリル系モノマーとの共重合により
合成され、幹部分がアクリル系モノマーで、枝部分がシ
リコーンで構成された櫛型ポリマーである。なかでも前
記グラフトポリマーの分子量は、約2万で、枝の分子量
が約1,000〜10,000のものが好ましい。背面
処理の効果の点からは、枝の分子量が5,000以上の
グラフトポリマーが特に好ましい。
【0023】前記グラフトポリマーは基材PEsフィル
ムに対する密着性に優れるために、基材PEsの反対面
に移行することがなく、更に枝部のシリコンポリマーは
背面処理層の表面に存在するため、転写層の最外層の接
着層と密着せず、背面処理の効果が得られる。
【0024】従来の付加型シリコーンポリマーを用いて
背面処理層を形成したPEsフィルムをロール状に巻き
取った際、該シリコーンポリマー中のフリーオイルや、
形成時の未反応モノマーが、背面処理層とは反対側のフ
ィルム表面に移行しやすい。この背面処理層を設けたロ
ールフィルムを巻き出し、背面処理層とは反対面に転写
層を積層する際に、最初に離型層を積層する。しかしな
がら、基材PEsフィルムの背面処理層とは反対面は既
に汚染されているため、前記離型層用の塗液を汚染され
た表面に塗工した際に、ハジキなどの塗布斑が生じ、不
均一な塗膜となってしまう。この様に不均一に形成され
た離型層に、更に印刷層、接着層を積層して転写層と
し、転写装置を用いて被転写材に転写を行っても、離型
層が不均一に形成されているために、転写が不均一とな
りやすい。
【0025】本発明において、基材PEsフィルムに導
電性フィラー(A)とシリコーン系グラフトポリマー
(B)からなる背面処理層を設ける方法として、リバー
スロールコーター、グラビヤコーター、ロッドコータ
ー、エアドクターコーター、あるいはこれら以外の塗布
装置を用いて、PEsフィルム製造工程外で塗布する方
法やPEsフィルム製造工程内で塗布する方法があげら
れる。
【0026】PEsフィルム製造工程内で塗布する方法
としては、1)PEsの未延伸フィルムに塗布液を塗布
し、逐次または同時に二軸延伸する方法、2)一軸延伸
されたPEsフィルムに塗布し、さらに一軸延伸方向と
直角の方向に延伸する方法、3)二軸延伸PEsフィル
ムに塗布する方法、4)二軸延伸PEsフィルムに塗布
し、さらに横及び/または縦方向に延伸する方法などが
ある。前記PEsフィルム製造工程内で塗布する際に
は、適宜乾燥工程を設けても良い。
【0027】背面処理層を積層する時の塗布量は、0.
01〜2.0g/m2であることが好ましい。特に好ま
しくは、0.03〜1.5g/m2である。塗布量が
0.01g/m2未満の場合には、塗膜の耐溶剤性が不
充分となり、ロール状にした場合に転写層の一部が背面
処理層側に転移しやすくなる。一方、2.0g/m2
超えると、乾燥時間を長くする必要があり、経済的でな
い。
【0028】また、本発明の転写用PEsフィルムは、
前記背面処理層の耐溶剤性の指標である「トルエン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチルの1種または2種以上の
混合溶剤を含んだガーゼで前記背面処理層をラビングし
た際のフィルムヘイズの変化が1.0%以下」であるこ
とが好ましく、また前記ポリエステルフィルムの背面処
理層を設けた面とは反対面に離型層、印刷層、接着層を
順次形成してなる転写層を積層し、前記転写層と背面処
理層の面を重ね合わせ、3kg/cm2の荷重下で、温
度60℃で24時間処理した場合に、転写層が背面処理
層側に転移しないことが好ましい。これらは前記手段を
採用することにより達成することができるが、前記手段
のみに制約されるものではない。
【0029】本発明の転写用PEsフィルムを使用した
転写材は、基材PEsフィルムの片面に順次帯電防止
層、背面処理層を設けており、背面処理層とは反対面に
転写層(離型層、印刷層、接着層を順次積層した層)を
設けた構成になっている。
【0030】離型層は、転写後に基材PEsフィルムを
剥離した時に基材PEsフィルムとともに転写層から離
型する。離型層の材料はパラフィン系離型剤、シリコー
ン樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、メラミン
樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、フッ素樹
脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、及びこれら混合型離型
剤などを用いることができる。離型層の形成法として
は、リバースコート法、グラビヤコート法、ワイヤバー
コート法、スクリーン印刷法などがある。
【0031】印刷層は通常離型層の上に形成するが、剥
離性を改善する目的で離型層の上に更に剥離層を設け、
その上に印刷層を形成しても良い。剥離層は転写後に基
材PEsフィルムを剥離した際に、基材PEsフィルム
から剥離して被転写物の最外層となる層である。剥離層
の材料としてはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
セルロース型樹脂、ポリ塩化ビニル型樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等を用いることが出来る。剥
離層に硬度が必要な場合は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化
樹脂など用いることもできる。剥離層の形成法は、リバ
ースコート法、グラビヤコート法、ワイヤバーコート
法、スクリーン印刷法などがある。
【0032】印刷層の材料としては、アクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、アルキ
ド系樹脂などが挙げられ、これらの樹脂をバインダーと
して顔料または染料で着色して印刷インキとする。印刷
層の形成法としては、オフセット印刷法、グラビヤ印刷
法、スクリーン印刷法など通常の印刷法を用いると良
い。また、印刷層は金属薄膜層や金属薄膜層と印刷層の
組み合わせからなるものでも良い。
【0033】金属薄膜層は真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。
表現したい図柄に応じて、金属薄膜層を部分的に設ける
場合がある。部分的に金属薄膜層を形成する方法とし
て、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶性樹脂を
形成した後、その表面の全面に金属薄膜を形成し、溶剤
で洗浄することにより、金属薄膜を除去する方法があ
る。この場合に用いる溶剤は水がよく用いられる。ま
た、別の方法として、金属薄膜を全面に形成した後、金
属薄膜を残しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸
またはアルカリでエッチングを行い、レジスト層を除去
する方法がある。
【0034】接着層は、被転写物上に転写の各層を接着
する層である。接着層は被転写物の素材に適する樹脂を
選定する必要がある。例えば、被転写物の材質がポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂の場合はこれら
と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、
エステルウレタン系樹脂などを使用すれば良い。また、
被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル樹脂
を用いると良い。更に、被転写物の樹脂がポリプロピレ
ンの場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂などが使用出来
る。接着層の形成法としては、グラビヤコート法、リバ
ースコート法、ワイヤバーコート法、コンマドクターコ
ート法などの方法がある。
【0035】これら転写フィルムの転写方法としては、
転写装置を用いて加熱ロールで被転写物に転写する方法
や、射出成型機やブロー成型機の金型に接着層が成型樹
脂と接するように転写フィルムをセッティングした後、
成型樹脂を射出またはブローし、冷却後金型より成型品
を取り出して転写フィルムを剥離する、いわゆる成型同
時転写が一般的に行われている。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中の「部」とあるのは
「重量部」を示す。
【0037】1)表面固有抵抗値 フィルムサンプルを温度23℃、湿度50%RHで24
時間シーズニングした後、表面固有抵抗計(三菱油化
製:ハイレスターHT−201)を用いて、温度23
℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定する。
【0038】2)ヘイズの変化 学振式摩擦試験機(山口科学産業(株)製)を用い、ガ
ーゼにトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルの1
種または前記いずれか2種を1/1に混合した溶剤を含
浸させる。転写用ポリエステルフィルムの背面処理層を
荷重500gで、10往復ラビングする。ヘイズメータ
ー(東京電色(株)製)でラビング後のフィルムのヘイ
ズ(%)を測定し、ラビング前のヘイズ値との差を計算
する。
【0039】3)背面処理層のPEsフィルムへの転移
性 PEsフィルムの非処理面側の面と背面処理層側の面を
重ね、2kg/cm2の荷重をかける。15分間放置し
た後、重ね合ったフィルムの非処理面側の面と背面処理
層側の面とを手で剥離し、パラフィンワックスを溶剤で
固形分濃度を3wt%とし、ワイヤバー#3で非処理面
にハンドコートする。コートした面を目視判定し、次の
ランク付けを行った。 コート面ハジキなし ○ コート面ハジキあり ×
【0040】4)背面処理層と転写層接着剤との密着性 PEsフィルムの背面処理層の反対面に、接着剤として
ガラス転移点6℃のエステル系の樹脂を溶剤で溶解し固
形分濃度20wt%の塗液とする。ワイヤバー#5でハ
ンドコートし乾燥後、この接着剤層側の面と背面処理層
側の面を重ね合わせ、3kg/cm2の加圧下で、温度
60℃で24時間処理する。フィルムの接着剤層側の面
と背面処理側の面とを手で剥がし密着性(ブロッキン
グ)を目視判定する。 接着剤層と背面処理層の密着なし ○ 接着剤層と背面処理層の密着あり × (フィルムの破れが発生する場合あり)
【0041】5)固形塗布量 フィルムサンプルを10cm×10cmの大きさに切
る。重量を直示天秤(島津製作所(株)製)を用い、g
単位で少数4桁まで測定する。測定後、塗布面をメチル
エチルケトンの溶剤で完全に除去する。再度重量を測定
し、重量差を計算する。その重量差を100倍すれば、
固形塗布量(g/m2)を算出することができる。
【0042】実施例1 導電性フィラーとして、粒径2nmの酸化スズの水溶液
(含有量8%)を55部、シリコーン系グラフトポリマ
ーとして、幹部がアクリル樹脂で枝部がシリコーンポリ
マー(分子量10,000)である共重合グラフトポリ
マー(分子量:約20,000、固形分濃度:30重量
%)15部を、水25部及びIPA5部の混合溶媒に混
合し、固形分濃度が5重量%の塗布液を得た。この塗布
液を厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの片面にグラビヤコートした。コート後、1
20℃で30秒間乾燥し、固形分の塗布量が0.3g/
2の背面処理層を設けた。得られた転写用PEsフィ
ルムの特性を表1に示す。
【0043】実施例2 導電性フィラーとして粒径1μm以下の酸化スズ、及び
バインダーとしてポリエステル樹脂を、MEK/トルエ
ンの溶媒に分散させた塗料(酸化スズ含有量:20重量
%)を12部、シリコーン系グラフトポリマーとして、
幹部がアクリル樹脂で枝部がシリコーンポリマー(分子
量10,000)である共重合グラフトポリマー(分子
量:約20,000、固形分濃度:30重量%)5部
を、トルエン35部及びMEK48部の混合溶媒に混合
し、固形分濃度が5重量%の塗布液を得た。この塗布液
を厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムの片面にグラビヤコートした。コート後、12
0℃で30秒間乾燥し、固形分の塗布量が0.3g/m
2の背面処理層を設けた。得られた転写用PEsフィル
ムの特性を表1に示す。
【0044】比較例1 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに背面処理層を設けなかったこと以外は実施例1と同
様にした。得られた転写用PEsフィルムの特性を表1
に示す。
【0045】比較例2 実施例1において、背面処理層を付加反応型のシリコー
ン樹脂(ダウコーニング社製 DK−Q3−203)に
変えた以外は実施例1と同様にした。得られた転写用ポ
リエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の転写用PEsフィルムは、基材
PEsフィルムの片面に特定の背面処理層を有してお
り、背面処理層の反対面に転写層を設けた転写材をロー
ル状に巻き取り、高速転写機能を付与するために基材P
Esフィルムに積層した転写層の最上層の接着層を反対
面のPEsと密着させても、耐溶剤性に優れた特定の背
面処理層を設けているので、転写層が反対面に転移しな
い。したがって、転写材から転写層(接着層/印刷層)
を被転写物に高速で転写することができる。さらに、転
写材を製造する工程、及び転写時の静電気によるトラブ
ルを防止することができる。本発明のフィルムは、転写
用PEsフィルムのみならず、離型用PEsフィルムな
どにも適用することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの片面に、導電性
    フィラー(A)とシリコーン系グラフトポリマー(B)
    からなる背面処理層を設けてなり、前記ポリエステルフ
    ィルムの表面固有抵抗値(Rs)が1×1012Ω/□以
    下であることを特徴とする転写用ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記導電性フィラー(A)が酸化スズで
    あることを特徴とする請求項1記載の転写用ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記シリコーン系グラフトポリマーの幹
    部分がアクリル系ポリマーで、枝部分がシリコーンで構
    成された櫛型グラフトポリマーであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の転写用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記導電性フィラー(A)とシリコーン
    系グラフトポリマー(B)の混合重量比率が99/1〜
    20/80であることを特徴とする請求項1乃至3記載
    の転写用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 前記背面処理層がトルエン、メチルエチ
    ルケトン、酢酸エチルの1種またはそれら2種以上の混
    合溶剤を含んだガーゼでラビングした際のフィルムヘイ
    ズの変化が1.0%以下であることを特徴とする請求項
    1乃至4記載の転写用ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 前記背面処理層を有するポリエステルフ
    ィルムをロール状に巻き取った際に、前記背面処理層が
    フィルムの反対面に転移しないことを特徴とする請求項
    1乃至6記載の転写用ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステルフィルムの背面処理層
    を設けた面とは反対面に離型層、印刷層、接着層を順次
    形成してなる転写層を積層し、前記転写層と背面処理層
    の面を重ね合わせ、荷重3kg/cm2の荷重下で、温
    度60℃で24時間処理した場合に、転写層が背面処理
    層側に転移しないことを特徴とする請求項1乃至6記載
    の転写用ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 前記背面処理層の固形塗布量が0.01
    〜2.0g/m2であることを特徴とする請求項1乃至
    7記載の転写用ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 前記ポリエステルフィルムがポリエチレ
    ンテレフタレートであることを特徴とする請求項1乃至
    8記載の転写用背面ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001171295A (ja) * 1999-12-17 2001-06-26 Dainippon Printing Co Ltd 転写シート

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