JP2001245801A - 洗面器の取付構造 - Google Patents

洗面器の取付構造

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JP2001245801A JP2000058327A JP2000058327A JP2001245801A JP 2001245801 A JP2001245801 A JP 2001245801A JP 2000058327 A JP2000058327 A JP 2000058327A JP 2000058327 A JP2000058327 A JP 2000058327A JP 2001245801 A JP2001245801 A JP 2001245801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗面器を洗面キャビネットに載設して洗面化粧
台を構築するにあたり、洗面器のがたつきを無くし、位
置決めを容易に、構造安定性を向上させる。 【解決手段】洗面器30の垂下壁31を洗面キャビネッ
ト1の載置段部Eに外装し、リブ40の支持凸起41を
垂下壁31内側面に当接させる。垂下壁31下端の係止
片部34,36をリブ省略領域44,44上に重合さ
せ、中間部の支承リブ35をリブ切欠領域42に重合さ
せる。洗面器30の内法が洗面キャビネット1より若干
大きくてもがたつきを防止できる。垂下壁31後方側の
係止片部36をリブ40後端の当接段部43に当接させ
ることにより洗面器30の位置決めが容易になり、前後
方向のがたつきが防止される。支持凸起41は変形可能
なので洗面器30の取り付けを確実に行える。洗面器3
0の荷重を係止片部34,36と支承リブ36とで支持
するから耐荷重強度が大きく、構造安定性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗面キャビネット
の上部に洗面器を載設してなる洗面化粧台における洗面
器の取付構造に関し、詳しくは、洗面器のがたつきを抑
え、正確な位置決めを容易に行えるようにし、さらに構
造安定性を高めることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】洗面キャビネットの上部に洗面器を載設
して成る洗面化粧台が周知である。かかる洗面化粧台
は、洗面キャビネット部分が木質の板材や枠材等の素材
で製作され、洗面器部分が陶器,せっ器等のセラミック
によって製作され、両者を製造工場で組み立てて出荷す
るというのが一般的な態様であった。このため上記洗面
化粧台は、製造工場で組み立てられた嵩高い状態で現地
へ搬送されるため、製造コスト及び搬送コストが高くな
る傾向がある。
【0003】そこで本発明者らは、洗面キャビネットを
合成樹脂製の部品として出荷・輸送し、施工現場で組立
作業を行って洗面化粧台を施工するという方式を提案し
た。図10にかかる洗面化粧台X、図11乃至図19に
洗面キャビネット1の構成部材を例示する。各構成部材
はいずれも合成樹脂で製作され、洗面器30の重量及び
使用時の荷重を支持できる強度を備えると共に、合成樹
脂材料の節減を図るため内側に中空部を形成した中空パ
ネルとされている。また、合成樹脂の種類は共通化さ
れ、再利用が容易なようになされている。
【0004】図10は、洗面キャビネット1の上に洗面
器30を載設して成る洗面化粧台Xの一例を示すもので
あり、図(A)は正面図、図(B)は右側面図である。
図11は、背板部10の左右両側に側板部11,12を
折り曲げ可能に連設して構成したパネル構成体2を示す
ものであって、図(A)は平面状に広げた状態の正面
図、図(B)は同状態の平面図、図(C)は同状態の左
側面図である。図12は、上記パネル構成体2の背面図
であり、図13は、上記パネル構成体2の中間部分を省
略して、左右両端部分を拡大して示す平面図である。図
14は、底板部3を示すものであって、図(A)は底面
図、図(B)は部分断面した背面図である。図15は、
幅木板部4を示すものであって、図(A)は正面図、図
(B)は右側面図、図(C)は部分断面した平面図であ
る。図16は、幕板部5を示すものであって、図(A)
は一部を断面した正面図、図(B)は平面図、図(C)
は背面図である。図17は、右側の扉構成体7を示すも
のであって、図(A)は部分断面した正面図、図(B)
は平面図である。図18は、寄せ蟻継手14を示すもの
であって、図(A)は逃げ穴15a及び蟻穴15bを示
す正面図、図(B)は蟻ほぞ16を示す正面図、図
(C)は逃げ穴15a及び蟻穴15bに蟻ほぞ16を差
し込む前の状態の側面図、図(D)は逃げ穴15a及び
蟻穴15bに蟻ほぞ16を差し込んだ状態の側面図であ
る。図19は、ヒンジ具8,9を示すものであって、図
(A)は上方のヒンジ具8の正面図、図(B)は上方の
ヒンジ具8の平面図、図(C)は下方のヒンジ具9の正
面図、図(D)は下方のヒンジ具9の平面図である。
【0005】前記洗面化粧台Xの洗面キャビネット1
は、背板と側板とを構成するパネル構成体2、底板部
3、正面下方に設けられる幅木板部4、正面上方に設け
られる幕板部5、底板部3と幕板部5との間において正
面中央部に設けられる左右の扉構成体6,7を組み合わ
せてなる。
【0006】扉構成体6,7は、左右の側板部11,1
2それぞれの端縁部に取着した上下一組のヒンジ具8,
9(図19参照)により枢支される。洗面器30は、組
み立てた洗面キャビネット1の幕板部5、背板部10、
左右の側板部11,12それぞれの上面部で支持される
と共に、その底面側の一部が上面開口からキャビネット
内へ挿入されるようなされている。
【0007】パネル構成体2(図11及び図12参照)
は、背板部10の左右両端に側板部11,12を折曲げ
可能に連設して一体化したものであって、各部分はいず
れも内側に中空部を備え、合成樹脂素材より形成されて
いる。背板部10と左右の側板部11,12との連結箇
所には、天地方向に延びるほぼ90°のV字状の凹溝2
a,2aが形成されており、該凹溝2aの隅部箇所2a
−1を同じ合成樹脂素材の可撓性のもので形成すること
により、左右の側板部11,12を手前側へ直角に折り
曲げることができるようなされている。図11(A)の
正面図に示す如く、パネル構成体2の正面下方寄りに
は、横方向の全長にわたって直線状に延びる横凹溝2b
が設けられており、後述する底板部3aの三辺の縁部を
挿着できるようになされている。左右の側板部11,1
2の横凹溝2b内には、後述する寄せ蟻継手14(図1
1参照)の一方側を構成する逃げ穴15a及び蟻穴15
bからなる穴15が設けられている。背板部10の横凹
溝2b内には、係止用の凹部2fが形成されている。パ
ネル構成体2の左右側端部2g,2gそれぞれには、寄
せ蟻継手14のもう一方側を構成する蟻ほぞ16と、ヒ
ンジ具連結用のブラケット17,17とが設けられてい
る。
【0008】底板部3は、図14に示す如く、表層3b
を合成樹脂素材で成形すると共に内側に中空部3cを形
成したものであって、左右の外側面3a,3aそれぞれ
の所定箇所に、寄せ蟻継手14を構成する蟻ほぞ16,
16が設けられ、背面側の外側面3fに係止用の凸部3
g,3gが突設されている。下面の手前側には、横方向
に延びる凹溝3dが凹設され、該凹溝3d内に寄せ蟻継
手用の穴15を構成する逃げ穴15a及び蟻穴15bが
二組設けられている。また適所に排水管用の貫通孔3e
を設けてある。底板部3の奥行き寸法は、前記左右の側
板部11,12の奥行き寸法より大きく設定されてお
り、洗面キャビネット1を組み立てたときに、底板部3
の手前側が両側板部11,12より突出して、蹴込み部
が形成されるよう設定されている。
【0009】幅木板部4は、図15に示す如く、合成樹
脂素材で成形した表層4bの内側に中空部4cを形成し
たものであり、上端面に前記底板部3下面の凹溝3dへ
嵌合し得る凸部4dが形成されると共に、該凸部4d上
の所定箇所に寄せ蟻継手14を構成する蟻ほぞ16が設
けられている。当該幅木板部4の幅寸法は、底板部3の
幅寸法とほぼ同一に設定されている。
【0010】幕板部5は、図16に示す如く、主体部の
表層5bを合成樹脂素材で成形すると共にその内側に中
空部5cを形成したものであり、背面両側の所定箇所
に、前記左右側板部11,12の蟻ほぞ16と接合して
寄せ蟻継手14を構成する逃げ穴15a及び蟻穴15b
からなる穴15が二組設けられている。当該幕板部5の
幅寸法は、組み立てた洗面キャビネット1の左右幅寸法
と同一寸法となるように設定されている。
【0011】図17は、扉構成体6,7のうちの右側の
構成体7を示すものである。図示する扉構成体7は、表
層7bを合成樹脂素材で成形すると共に内側に中空部7
cを設けたものとしてあるが、中空部7cを形成するこ
となく中実の板状に成形される場合もある。同扉構成体
7の正面側には把手7dが形成され、上下端面それぞれ
の右端付近にヒンジ用孔7eが設けられると共に、左端
付近にはストッパー用凸部7f,7fが設けられてい
る。なお左側の扉構成体6(図10参照)は、右側の扉
構成体7と左右対称の形状なので、ここでの説明は省略
する。
【0012】前記各構成部材どうしの接合に用いる前記
寄せ蟻継手14について説明する。図18に示す如く、
寄せ蟻継ぎ手14は、逃げ穴15a及び該逃げ穴15a
より間口が狭く形成された蟻穴15bから成る穴15
と、この穴15内へ嵌装される蟻ほぞ16とから構成さ
れる。当該蟻ほぞ16は、逃げ穴15a内へ挿入したの
ち蟻穴15bへ向かってスライドさせることで、蟻穴1
5bから容易には脱落することのない状態に嵌合させる
ことができ、これによって所望の二つの部材を接合する
ことが可能である。なお寄せ蟻継手14を構成する穴1
5及び蟻ほぞ16の形成対象は、場合によって、図示の
例とは反対とすることも可能である。
【0013】前記左右の扉構成体6,7の上下を枢支す
るヒンジ具8,9は、図19に示す如く、本体18とピ
ン19又は20とからなる。ヒンジ具本体18は、前記
側板部11,12の端縁部に設けたブラケット17に嵌
着される挟持片部18aと、挟持片部18aから片持ち
状に張り出し形成したピン受部18bとを備え、該ピン
受部18bに縦貫通孔18cが形成されている。扉構成
体6,7の上端面側を支持するヒンジ具8のピン19
は、上端の鍔部19aとピン部19bとを備え、縦貫通
孔18cに貫挿したときに該ピン部19bの先端がピン
受け部18bの下端から突出するよう、比較的長寸に製
作される。他方、扉構成体6,7の下端面を支持するヒ
ンジ具9のピン20は、中間の鍔部20aと、該鍔部2
0aの上下に突設されたピン部20b,20cとを備
え、比較的短寸に製作されたものであって、下側のピン
部20bがピン受け部18bの縦貫通孔18c内へ嵌装
されている。
【0014】続いて、前記構成部材からなる洗面キャビ
ネット1の組立て手順を説明する。組み立てに先立ち、
底板部3の下面側に、寄せ蟻継手14を用いて幅木板部
4をあらかじめ接合しておく。すなわち、底板部3下面
側の凹溝3d内へ幅木板部4の凸部4dを挿入し、一方
に設けた逃げ穴15aに他方の蟻ほぞ16を挿入した
後、幅木板部4を凹溝3dに沿ってスライド移動させて
蟻穴15bに蟻ほぞ16を容易には抜けない状態に嵌合
させる。これにより、幅機構成体4が底板部3に装着さ
れる。
【0015】次に、図11に示す平面状態のパネル構成
体2の左右側板部11,12を、図20に示すように手
前側へ来るよう折曲げて自立可能な立体形状とすると共
に、側板部11,12に若干突出するよう形成された支
持部2c,2c上に、底板部3の左右奥隅部3h,3h
を載置する。しかるのち、底板部3の前後位置を調整し
ながら、左右両側の側板部11,12を接近させ、側板
部11,12の4つの逃げ穴15aそれぞれに、対応す
る底板部3の4つの蟻ほぞ16を挿入させる。挿入終了
後、底板部3を背板部10へ向かって押し込み、側板部
11,12の各蟻穴15bに各蟻ほぞ16をスライド嵌
合させて容易には抜けない状態に装着すると同時に、背
板部10の係止用凹部2f内に底板部3の係止用凸部3
gを嵌合させる。これにより、パネル構成体2と底板部
3とが、四組の寄せ蟻継手14により接合され一体化す
る。
【0016】次いで、平面コ字状となった左右の側板部
11,12の手前側上方に、幕板部5を接合する。この
接合は、側板部11,12と幕板部5との間に設けられ
ている二組の寄せ蟻継手14を用いて行われる。すなわ
ち、幕幾構成体5の背面側に形成した逃げ穴15aに、
側板部11,12の蟻ほぞ16を嵌入させた後、幕板部
5を下方へ移動させて各蟻穴15bに蟻ほぞ16をスラ
イド嵌合させることにより、蟻穴15bから蟻ほぞ16
が容易には抜けない状態に装着される。
【0017】最後に、左右の側板部11,12の端面部
にヒンジ具8,9を用いて、左右の扉構成体6,7を取
り付ける。これは、左右両側の側板部11,12の各側
端面に設けた上下一組のブラケット17,17それぞれ
に、上下一組のヒンジ具8,9を嵌着し、下方のヒンジ
具9,9に短寸のピン20を挿着したのち、左右の扉構
成体6,7の下端面のヒンジ用孔7eに、上記下側のピ
ン20を挿入させるように配置し、続けて扉構成体6,
7それぞれの上端面のヒンジ用孔7eに、上方のヒンジ
具10,10に貫挿した長寸のピン19の先端を挿入す
ることによりなされる。
【0018】このようにして洗面キャビネット1を組み
立てたのち、その上部に洗面器30を載設することによ
り、目的とする洗面化粧台Xを完成させることができ
る。洗面キャビネット1の全体をほぼ合成樹脂製とする
ことにより、一人でも簡単に組み立てることが可能とな
る、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】洗面キャビネット1の
上部に載設される洗面器30は、ボール部の周囲にエプ
ロン部が形成されて成り、図21に示す如く、エプロン
部の縁部に形成した垂下壁31の下端面31bを洗面キ
ャビネット1の上面部1sに重合させることにより、洗
面器30を支持する構造になされている。しかるに、洗
面器30と洗面キャビネット1との間の寸法誤差によ
り、しばしば両者の間でがたつきが生ずることがあると
いう問題が有った。
【0020】また洗面化粧台Xは、美観上の要請から、
垂下壁31の外側面31aをキャビネット1の外側面1
tよりわずかに突出させるように設定して、両側面31
a,1t間にちり(散り)Hと呼ばれる寸法差を設ける
ことが一般に行われている。このため、洗面器30の垂
下壁31が洗面キャビネット1の上面部1sに重合する
領域の幅寸法Gは、非常に狭いものに限定される。例え
ば、垂下壁31の厚み寸法Dが6mmであり、ちり寸法
Hが3mmに設定されると、前記重合幅Gは約3mmで
ある。しかるに、洗面器30とキャビネット1との間に
寸法誤差が有る場合は、同図(B)に示す如く、重合幅
Gがわずか1mm程度となる可能性もある。さらに、洗
面キャビネット1の上端縁に面取を施して湾曲面に形成
した場合は、洗面器30の垂下壁31の実質的な重合幅
Gが一層狭くなる可能性もある。洗面器30自体の重量
及び使用中に洗面器30に加わる荷重は、洗面器30の
垂下壁31が洗面キャビネット1の上面部1sに重合す
る部分で支持するから、重合幅Gが狭くなると、それだ
け洗面化粧台Xの構造安定性を低下させるおそれがあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗面化粧台に
おいて、洗面キャビネットに対し洗面器をがたつきなく
取り付けることができ、洗面器の位置決めを容易に行
え、洗面器の安定な支持構造が得られる取付手段の提供
を目的とする。本発明がかかる目的のため採用した取付
構造の特徴とするところは、洗面キャビネットの上面部
に短幅のリブを設けて外面側に載置段部を形成し、前記
洗面器におけるエプロン部の縁部に形成した垂下壁を上
記載置段部に外装することにより洗面器を載置し、前記
リブの外側面又は前記エプロン部の垂下壁の内側面のい
ずれか一方に変形可能な支持凸起を設けたことにある。
かかる構成により、洗面器の垂下壁の内側面とリブの外
側面との間に寸法誤差に基づく隙間が生じたとしても、
支持凸起の接触によって、洗面器のがたつきを抑えるこ
とができる。また支持凸起は変形可能であるから、寸法
誤差が小さくて隙間が狭いときでも、洗面器の垂下壁を
確実に洗面キャビネットの載置段部に外装することが可
能である。
【0022】また本発明が、洗面器の取付構造を安定化
させるために採用した手段の特徴とするところは、洗面
キャビネットの上面部に短幅のリブを設けて外面側に載
置段部を形成し、前記洗面器におけるエプロン部の縁部
に形成した垂下壁を上記載置段部に外装することにより
洗面器を載置し、前記洗面キャビネット上面部に前記リ
ブの省略領域又は切欠領域を形成し、前記洗面器におけ
る垂下壁の下端部適所に形成した幅広の係止片部を上記
リブ省略領域又はリブ切欠領域に重合させたことにあ
る。かかる構成により、洗面器における幅広の係止片部
を洗面キャビネットに重合させるから荷重の支持面積が
大きくなり、よって耐荷重強度に優れた洗面器の取付構
造が得られる。
【0023】前記取付構造において、前記洗面器の垂下
壁下端部に形成したいずれか一つの係止片部の前端面
を、前記洗面キャビネットの側板部に形成したリブに当
接させる構造を採用することができる。かかる構成によ
り、洗面器の位置決めが容易になる。
【0024】さらに、前記洗面器の側方部位における垂
下壁の内側面に高さ方向の全長にわたって支承リブを形
成し、当該支承リブを、前記洗面キャビネットの側板部
におけるリブ省略領域又はリブ切欠領域に重合させる構
成も可能である。かかる構成を採用することにより、洗
面器の耐荷重強度を向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面を用い
て説明する。なお、前記従来例を示す図面において用い
たのと同じ符号は、共通又は類似の部材を示している。
図1は本発明の実施に用いる洗面キャビネット1及び洗
面器30それぞれの要部の構造を示す斜視図、図2は本
発明の実施に用いる洗面キャビネット1の平面図、図3
は本発明の実施に用いる洗面器30の底面図である。
【0026】これらの図面に示す如く、本実施形態の特
色とするところは、洗面キャビネット1の側板部11に
ついては、その上端部に、若干幅の狭いリブ40を設け
てその外面側に載置段部Eを形成したこと、当該リブ4
0における外側面の適所に変形可能な支持凸起41を形
成したこと、当該リブ40における中間部の外側面に切
欠領域42を形成したこと、当該リブ40の前後にリブ
省略領域44,44を形成したこと、当該リブ40の後
端部は当接段部43としたこと、さらに、上記リブ省略
領域44において側板部11の内面側に、後述する保持
部材60(図6〜図9参照)を着脱可能に嵌着させるた
めの嵌合凹部45,45を形成したことにある。また、
洗面キャビネット1の正面上部を構成する幕板部5につ
いては、その上端部に、若干幅の狭いリブ50を設けて
その外面側に載置段部Fを形成すると共に、当該リブ5
0における外側面の中央部に変形可能な支持凸起51を
形成した。
【0027】他方、洗面器30については、その側方部
位のエプロン部32に形成した垂下壁31の下端部の前
後端寄りに係止片部34,36を形成し、上記垂下壁3
1の内側面の中間位置に高さ方向の全長にわたる支承リ
ブ35を形成した。
【0028】前記の如く構成された洗面キャビネット1
に洗面器30を取り付けるには、洗面器30の垂下壁3
1,33を、図4に示す如く、洗面キャビネット1の上
端部に形成された載置段部E,Fに外装する。このと
き、側板部11のリブ40に形成した支持凸起41,4
1を、洗面器30の側方部位の垂下壁31の内側面に当
接させる。また図5に示すように、洗面器30の正面部
位の下面30aを、幕板部5に設けたリブ50の上端面
50aに当接させると共に、当該リブ50に形成した支
持凸起51を、洗面器30の正面部位における垂下壁3
3の内側面に当接させる。そして、側方部位の垂下壁3
1に形成した係止片部34,36を側板部11のリブ省
略領域44,44上に重合させ、当該垂下壁31の中間
部に形成した支承リブ35を、側板部11のリブ40に
おける中間部位に形成した切欠領域42に重合させる。
さらに垂下壁31の後方側の係止片部36の前端面を、
リブ40の後端部に形成した当接段部43に当接させ
る。
【0029】しかるのち、図6に示す如く、側板部11
の嵌合凹部45に保持部材60を嵌着して、洗面器30
の係止片部34,36を押さえ込み、洗面器30が洗面
キャビネット1から分離するのを防止する。嵌合凹部4
5は、図7に示すように、上端が開口する主凹部45
a、該主凹部45aの適所に幅寸法を拡張するよう部分
的に形成された副凹部45bとから成る。本例では、副
凹部45bの内周面がほぼ円筒面状に形成し、その入口
部に、隆起部45cを形成して幅が若干狭くなしてあ
る。
【0030】一方、保持部材60は、図8に示す如く、
上記嵌合凹部45の主凹部45aに嵌装される主部6
1、副凹部45bに嵌着される円筒状の枝部62、平板
状に形成され洗面器30の係止片部36の上面を押さえ
る頭部63、及び、主部61の下端から前方へ斜めに突
出するよう形成された尾部64より成っている。
【0031】図9(A)に示すように、洗面器30の係
止片部34(36)を、洗面キャビネット1の側板部1
1におけるリブ省略領域44に重合させたのち、同図
(B)のように保持部材60の頭部63を係止片部34
(36)の上面に重ね合わせ、枝部62を嵌合凹部45
の副凹部45b内へ無理嵌め状に押し込む。これにより
保持部材60が嵌合凹部45へ容易には脱落しないよう
に嵌着され、その結果、洗面器30の係止片部34(3
6)が洗面キャビネット1の側板部11上面に固定され
る。なお、修理,交換等のため洗面器30を洗面キャビ
ネット1から分離したいときには、嵌合凹部45から突
出している保持部材60の尾部64を引っ張り出すこと
により、保持部材60を容易に取り外すことが可能であ
る。
【0032】かかる取付構造により、洗面器30の載設
が容易なように、その内法寸法が洗面キャビネット1よ
りも若干大きめに製作された場合でも、両者の間でがた
つきが生ずるのが防止される。すなわち、洗面器30の
側方部位における垂下壁31の内側面が、側板部11の
リブ40に形成した支持凸起41と当接することによ
り、洗面器30の左右方向のがたつきが防止される。ま
た正面部位の垂下壁33の内側面が幕板部5のリブ50
に形成した支持凸起51と当接すると共に、側方部位の
垂下壁31における後方側の係止片部36の前端を側板
部11のリブ40後端の当接段部43と当接させること
により、洗面器30の前後方向のがたつきが防止され
る。なお、支持凸起41,51は変形可能に製作されて
いるので、寸法誤差のため、洗面器30と洗面キャビネ
ット1との間の隙間が狭くなった場合でも、支持凸起4
1,51を強制的に変形させることにより、洗面器30
の取り付けを確実に行うことができる。この場合、支持
凸起41,51の変形は、材質によるが、塑性変形,弾
性変形のいずれであってもよい。
【0033】前記取付構造は、洗面器30の自重及び使
用時に加わる荷重を、垂下壁31,33の下端面のみな
らず、側方部位においては、垂下壁31の下端に設けた
係止片部34,36、及び、垂下壁31の内側面に形成
した支承リブ36を、洗面キャビネット側板部11の上
面部に重合させることによって支持する。また正面部位
においては、幕板部5におけるリブ50の上端面50a
で洗面器下面30aを支持する構造を採用している。従
って、洗面器30に加わる荷重の支持面積が従来より拡
張されているので、耐荷重強度が大きく、構造安定性に
優れている。
【0034】ところで、本発明の実施形態は前述したも
のに限定されない。例えば、洗面キャビネット1上端部
のリブ40,50に形成する支持凸起41,51の個数
は、洗面器30の寸法等に応じ、適宜増減することが可
能である。また洗面器30を合成樹脂で製作した場合
は、支持凸起を洗面器30の垂下壁31,33の内側面
に形成してもよい。図示する例では、洗面器30の側方
部位における垂下壁31の内側面に支承リブ35を一個
だけ形成したが、これを複数個形成することも妨げな
い。反対に、洗面器30の強度が十分であるならば、支
承リブ35を省略することも可能である。さらに、洗面
器30を洗面キャビネット1に固定する保持部材60の
形態は、適当に変更してもよい。なお洗面器30は、合
成樹脂製でもよく、従来のセラミック製でもよい。その
他、本発明は、実施の状況に応じた変更を妨げない。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る洗面器の取付構造によれ
ば、洗面キャビネットの上端部に設けたリブと洗面器の
垂下壁とのいずれか一方に変形可能な支持凸起を設けた
ので、両者の間に隙間が有ったとしても支持凸起が垂下
壁又はリブに当接するから、洗面器の洗面キャビネット
に対するがたつきをなくすことができる。また支持凸起
は変形可能であるから、洗面器に多少の寸法誤差が生じ
た場合でも、洗面キャビネットへ確実に取り付けること
が可能である。洗面キャビネット側板部のリブに当接段
部を設け、垂下壁の係止片部の前端面をこれに当接させ
た場合は、洗面器の位置決めが容易になる。
【0036】さらに本発明は、洗面器における垂下壁の
下端部に幅広の係止片部を設け、これを洗面キャビネッ
トの上面部に重合させて荷重の支持面積を拡大したの
で、耐荷重強度が増大し、構造安定性に優れる。かかる
効果は、洗面器の垂下壁の内側面に支承リブを設け、こ
れを洗面キャビネットの上端部に重合させる構成を採用
することにより、一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るものであって、洗
面器及び洗面キャビネットの要部を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施に利用する洗面キャビネットの
一例を示す平面図である。
【図3】 本発明の実施に利用する洗面器の一例を示す
底面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係るものであって、図
(A)は洗面器を洗面キャビネットの上面部に外装した
状態の側方部位の平面断面図、図(B)は同状態におけ
る側面断面図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るものであって、洗
面器を洗面キャビネットの上面部に外装した状態の正面
部位を拡大して示す側面断面図である。
【図6】 本発明の一実施形態に係るものであって、図
(A)は洗面器を洗面キャビネットの上面部に外装した
のち保持部材で固定した状態の側方部位の平面断面図、
図(B)は同状態における側面断面図である。
【図7】 本発明の一実施形態に係るものであって、洗
面器の垂下壁に形成した係止片部、洗面キャビネットの
内面側に形成した嵌合凹部、及び、保持部材を示す分解
斜視図である。
【図8】 本発明の実施に用いる保持部材の一例を示す
ものであり、図(A)は正面図、図(B)は側面図、図
(C)は平面図である。
【図9】 保持部材を用いて洗面器の係止片部を洗面キ
ャビネットの上面部に固定する要領を説明するための図
面であって、図(A)は保持部材の嵌着前の状態を示す
側面断面図、図(B)は保持部材を嵌着した状態を示す
側面断面図である。
【図10】従来の洗面化粧台の一例を示すものであっ
て、図(A)は正面図、図(B)は側面図である。
【図11】背板部の左右両側に側板部を連設して製作し
た従来の洗面キャビネット用のパネル構成体の一例を示
すものであって、図(A)は平面状に広げた状態の正面
図、図(B)は同状態の平面図、図(C)は同状態の側
面図である。
【図12】図11に示すパネル構成体の背面図である。
【図13】図11に示すパネル構成体の中間を省略し、
左右両端部を拡大して示す部分断面した平面図である。
【図14】図10に示す洗面化粧台の構築に使用する底
板部を示すものであって、図(A)は底面図、図(B)
は部分断面した背面図である。
【図15】図10に示す洗面化粧台の構築に使用する幅
木板部を示すものであって、図(A)は正面図、図
(B)は側面図、図(C)は一部断面した平面図である
【図16】図10に示す洗面化粧台の構築に使用する幕
板部を示すものであって、図(A)は部分断面した正面
図、図(B)は平面図、図(C)は背面図である。
【図17】図10に示す洗面化粧台の構築に使用する右
側の扉構成体を示すものであって、図(A)は部分断面
した正面図、図(B)は平面図である。
【図18】図10に示す洗面化粧台の構築に利用する寄
せ蟻継手の構造を示すものであって、図(A)は逃げ穴
及び蟻穴を示す正面図、図(B)は蟻ほぞを示す正面
図、図(C)は逃げ穴及び蟻穴に蟻ほぞを差し込む前の
状態を示す側面断面図、図(D)は逃げ穴及び蟻穴に蟻
ほぞを差し込んだ状態を示す側面断面図である。
【図19】図10に示す洗面化粧台の構築に利用するヒ
ンジ具の一例を示すものであって、図(A)は上方のヒ
ンジ具の正面図、図(B)は上方のヒンジ具の平面図、
図(C)は下方のヒンジ具の正面図、図(D)は下方の
ヒンジ具の平面図である。
【図20】図10に示す洗面化粧台の洗面キャビネット
の組み立て途中の状態を示す平面図である。
【図21】従来の洗面器の取付構造の欠点を説明するも
のであって、図(A)洗面キャビネットの上端部に洗面
器の垂下壁を重合させた普通の状態を示す断面図、図
(B)は問題が生じ得る状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 …洗面キャビネット 2…パネル構成体 3…底板部
4…幅木板部 5…幕板部 6,7…扉構成体 8,
9…ヒンジ具 10…背板部 11,12…側板部
14…寄せ蟻継手 15…穴 15a…逃げ穴 15b
…蟻穴 16…蟻ほぞ 17…ブラケット 18…ヒン
ジ具の本体 18a…挟持片部 18b…ピン受部 1
8c…縦貫通孔 19…ピン(上) 20…ピン(下)
30…洗面器 30a…洗面器の下面 31…垂下壁
(側方部位) 32…エプロン部33…垂下壁(正面部
位) 34…係止片部 35…支承リブ 36…係止
片部 40…リブ 41…支持凸起 42…切欠領域
43…当接段部 44…省略領域 45…嵌合凹部 4
5a…主凹部 45b…副凹部 45c…隆起部50…
リブ 50a…リブの上端面 51…支持凸起 60…
保持部材 61…主部 62…枝部 63…頭部 64
…尾部 X…洗面化粧台

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボール部の周囲にエプロン部を備えた洗面
    器を洗面キャビネットの上部に取り付けるための構造で
    あって、洗面キャビネットの上面部に短幅のリブが設け
    られて外面側に載置段部が形成され、前記洗面器におけ
    るエプロン部の縁部に形成した垂下壁を上記載置段部に
    外装することにより洗面器が載置され、前記リブの外側
    面又は前記エプロン部の垂下壁の内側面のいずれか一方
    に変形可能な支持凸起が設けられていることを特徴とす
    る洗面器の取付構造。
  2. 【請求項2】ボール部の周囲にエプロン部を備えた洗面
    器を洗面キャビネットの上部に取り付けるための構造で
    あって、洗面キャビネットにおける側板部の上面部に短
    幅のリブが設けられて外面側に載置段部が形成され、前
    記洗面器におけるエプロン部の縁部に形成した垂下壁を
    上記載置段部に外装することにより洗面器が載置され、
    前記洗面キャビネットにおける側板部の上面部に前記リ
    ブの省略領域又は切欠領域が形成され、前記洗面器にお
    ける垂下壁の下端部適所に形成した幅広の係止片部を上
    記リブ省略領域又はリブ切欠領域に重合させたことを特
    徴とする洗面器の取付構造。
  3. 【請求項3】前記洗面器における垂下壁の下端部に形成
    したいずれか一つの係止片部の前端面を、前記洗面キャ
    ビネットの側板部に形成したリブに当接させた請求項2
    に記載する洗面器の取付構造。
  4. 【請求項4】前記洗面器の側方部位における垂下壁の内
    側面に高さ方向の全長にわたって支承リブが形成され、
    当該支承リブを、前記洗面キャビネットの側板部におけ
    るリブ省略領域又はリブ切欠領域に重合させた請求項2
    又は3に記載する洗面器の取付構造。
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