JP2001242564A - 画像焼付方法、画像焼付装置、ならびに写真処理装置 - Google Patents

画像焼付方法、画像焼付装置、ならびに写真処理装置

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JP2001242564A
JP2001242564A JP2000056345A JP2000056345A JP2001242564A JP 2001242564 A JP2001242564 A JP 2001242564A JP 2000056345 A JP2000056345 A JP 2000056345A JP 2000056345 A JP2000056345 A JP 2000056345A JP 2001242564 A JP2001242564 A JP 2001242564A
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light
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JP2000056345A
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English (en)
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Kazuya Tanizawa
和哉 谷澤
Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル露光による画像の焼付において、コ
ストの上昇を招くことなく、低濃度域での階調飛びを抑
制することのできる画像焼付方法を提供する。 【解決手段】 画像を表示するための光変調素子とし
て、応答速度が比較的遅い液晶表示素子を用いる。この
液晶表示素子の各画素から印画紙上に光を照射する照射
時間を、それぞれの画素の階調に応じて制御するととも
に、この照射時間を、液晶表示素子の応答期間内に設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示
素子などを用いて走査露光によって印画紙上に画像の焼
付を行う画像焼付方法、画像焼付装置、ならびに写真処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真の焼き付けは、原画像を記録
したネガフィルムに光を照射し、ネガフィルムを透過し
た光を印画紙に照射するアナログ露光が行われている。
また、デジタル写真では、原画像の画像データに応じて
赤、青、緑の単色光を印画紙に照射するデジタル露光を
行うことによって、画像の焼き付けが行われている。
【0003】上記のデジタル露光は、例えば、光源から
の光を、画像を表示させた光変調素子に透過させて、印
画紙上に照射することによって行われる。このようなデ
ジタル露光を行う画像焼付装置の一例としては、画素が
1列から数列のライン状に設けられたPLZTが用いら
れ、印画紙を搬送させながら露光を行う走査露光方式の
画像焼付装置がある。
【0004】このような従来の画像焼付装置の一例につ
いて、図10を参照しながら以下に説明する。この画像
焼付装置は、光源51、調光フィルタユニット52、カ
ラーホイール53、光ファイバー束54、および露光ヘ
ッド55を備えた構成となっている。
【0005】光源51は、例えばハロゲンランプなどの
白色光を発するランプによって構成される。調光フィル
タユニット52は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、
シアン(C)の各色に対応した調光フィルタを備えた構
成となっている。これらの調光フィルタを適宜光路上に
挿入することによって、光源51を出射した光の調光を
行っている。
【0006】カラーホイール53は、円盤形のホイール
を備えており、その中心から放射方向に3等分する領域
に、赤色、緑色、青色のそれぞれに対応した略扇形形状
の3つのフィルタが設けられた構成となっている。そし
て、光源51からの光が上記フィルタのいずれかの領域
を透過できるように、回転軸を中心に回転するようにな
っている。
【0007】光ファイバー束54は、カラーホイール5
3を透過した光を露光ヘッド55に導くものである。こ
の光ファイバー束54は、多数の光ファイバーから構成
されており、導光を行うとともに、スポット状の光領域
を、直線状に並んだ複数の点光源に変換している。
【0008】露光ヘッド55は、PLZT56とロッド
レンズアレイ57とを備えた構成となっている。PLZ
T56は、透明強誘電性セラミックス材料であるPLZ
T素子を一対の偏光板(偏光子および検光子)の間に配
したものである。また、このPLZT56には、光源5
1からの光の透過および遮断を制御するシャッター部が
備えられており、各シャッター部は、印画紙58の搬送
方向と直交する方向に、1列あるいは2列以上で直線状
に設けられている。この各シャッター部の光入射側に
は、上記の光ファイバー束54を構成する各光ファイバ
ーが接続されており、この光ファイバーを介して、光源
51からの光が各シャッター部に入射される。画像デー
タに応じて、各画素に対応する位置のシャッター部に駆
動電圧を印加すると、偏光子で直線偏光された光は、P
LZT素子を通過する際にその偏光状態が変調され、検
光子の偏光軸方向に平行な光成分のみが検光子から出射
される。
【0009】ロッドレンズアレイ57は、PLZT56
の光の出射側に設けられており、複数のセルフォック
(登録商標)レンズが、印画紙58の搬送方向と直交す
る方向に、1列あるいは2列以上で直線状に配置された
構成となっている。セルフォックレンズは、例えばガラ
スなどから構成された円筒状のレンズであり、中心部が
最も屈折率が大きく、周縁部に向けて徐々に屈折率が小
さくなるように構成されている。このロッドレンズアレ
イ57によって、PLZT56によって表示された画像
が、印画紙58上に1対1で対応して結像される。
【0010】上記のような構成の焼付装置における焼付
動作は次のようになる。ネガ/ポジ等のフィルムあるい
は反射原稿を読み取って得られた画像データ、またはP
C(Personal Computer) などで作成された画像データな
どが、上記のPLZT56に対して、図示しない制御部
から送られる。PLZT56は、送られた画像データに
基づいて駆動され、光ファイバー束54を介して送られ
る光源51からの光によって、印画紙58を露光する。
上記のように、PLZT56は、印画紙58の搬送方向
と直交する方向に複数のドットが直線状に設けられてお
り、露光動作時には、印画紙58はPLZT56の駆動
に同期した速度で搬送され、走査露光方式によって焼付
が行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のような
構成の画像焼付装置において、PLZTの各画素に入力
される階調データと、印画紙上における露光量との関係
について説明する。図11は、PLZTの各画素におけ
る、応答時間と透過率との関係を示すグラフである。同
図に示すように、PLZTは、ON信号が入力される
と、極めて僅かな時間で透過率100%となる特性とな
っている。
【0012】そして、階調を表現する際には、光源の光
量および印画紙の発色特性に基づき、露光時間を変化さ
せることによって濃度を制御する。詳しく説明すると、
ON信号が入力されて印画紙の露光が始まってから、印
画紙が完全な黒色に焼き付けられるまでの時間を階調数
で等分割し、入力された画素データの階調数に応じて露
光時間を制御している。
【0013】図12は、上記のように階調制御を行う場
合の階調と露光量との関係を示すグラフである。このグ
ラフに示すように、上記のような階調制御、すなわち、
1階調の増分に対する露光時間が任意の階調で等しくな
るように露光時間を制御する場合には、階調と露光量と
が比例関係となる。言い換えれば、1階調の増分に対す
る露光量の増分は、どの階調においてもほとんど変化し
ないことになる。
【0014】しかしながら、印画紙上に焼き付けられた
画像を実際に観察すると、同じ露光量の変化に対して、
高濃度域よりも低濃度域の方が、濃度の変化が大きく現
れることがわかる。これは、印画紙の発色特性や、人間
の視覚特性などによるものである。
【0015】したがって、上記の階調制御のように、任
意の階調において、1階調の増分に対する露光量の増分
が一定である場合には、低濃度域で階調飛びが発生しや
すくなるという問題があった。また、このような階調飛
びを防ぐために、階調数を増やすことによって対応しよ
うとすると、PLZTを制御するコントローラをより高
性能なものにする必要があり、装置のコストの上昇など
の問題を招くことになる。
【0016】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、デジタル露光による画像
の焼付において、コストの上昇を招くことなく、低濃度
域での階調飛びを抑制することのできる画像焼付方法、
画像焼付装置、ならびに写真処理装置を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の画像焼付方法は、複数の画素を有
する画像表示手段に画像を表示させ、該画像の光を感光
材料上に照射することによって単色あるいは複数色から
なる画像の焼付を行う画像焼付方法であって、上記画像
表示手段の各画素から上記感光材料上に光を照射する照
射時間を、それぞれの画素の階調に応じて制御するとと
もに、上記画像表示手段の各画素から出射される光量が
増大しつつある応答期間内に、少なくとも1つの階調に
対応する照射時間が設定されていることを特徴としてい
る。
【0018】上記の方法では、まず、感光材料上に焼付
られる画像の階調を制御する方法として、画像表示手段
の各画素から感光材料上に光を照射する照射時間を、階
調に応じて変化させる方法をとっている。そして、画像
表示手段の各画素から出射される光量が増大しつつある
応答期間内に、少なくとも1つの階調に対応する照射時
間が設定されている。このような応答期間内に照射時間
が設定されている階調では、1階調の増分に対する露光
量の増分が小さく、階調が大きくなるにつれて、1階調
の増分に対する露光量の増分が大きくなる。
【0019】ここで、例えば感光材料として印画紙を用
いた場合、印画紙上に焼き付けられた画像を実際に観察
すると、印画紙の発色特性や、人間の視覚特性などが原
因により、同じ露光量の変化に対して、高濃度域よりも
低濃度域の方が、濃度の変化が大きく現れることがわか
る。
【0020】したがって、上記のような方法によれば、
同じ露光量の変化に対する濃度の変化が大きく現れる低
濃度域では、1階調毎の露光量のステップが細かくな
り、濃度が高くなるにつれて、1階調毎の露光量のステ
ップが大きくなるように階調制御することが可能とな
る。よって、階調数を増やすことなく、低濃度域におけ
る階調飛びの現象を抑制することが可能となるので、コ
ストの上昇を招くことなく、画質の優れた焼付画像を提
供することができる。
【0021】請求項2記載の画像焼付方法は、請求項1
記載の方法において、上記の画像表示手段が、光源と、
上記光源からの光を、画像情報に応じて各画素毎に変調
させる光変調素子とから構成されており、上記の応答期
間が、上記光変調素子の応答速度に依存していることを
特徴としている。
【0022】上記の方法では、画像表示手段が、光源と
光変調素子とを備えており、光変調素子の応答速度が、
上記の応答期間を決定する方法となっている。よって、
光量の微妙な制御が難しい光源は、一定の光量で照射さ
せた状態で、制御の容易な光変調素子における各画素を
応答させることによって、上記のような階調制御を行う
ことができる。よって、高価で複雑な制御を必要とする
構成を不要とすることができるので、安価に高画質な焼
付画像を提供することができる。
【0023】請求項3記載の画像焼付方法は、請求項2
記載の方法において、上記の光変調素子が、液晶表示素
子であることを特徴としている。
【0024】上記の方法によれば、光変調素子として、
技術的に完成度の高い液晶表示素子を用いているので、
信頼度が高く、かつ、画像情報を忠実に反映した画像光
を感光材料上に照射することができる。
【0025】また、液晶表示素子は、例えばPLZTな
どと比較して、その応答速度が遅いものである。よっ
て、応答期間内において、複数の階調を制御するのに十
分な時間を設定することが可能となる。
【0026】請求項4記載の画像焼付装置は、複数の画
素を有し、単色あるいは複数色からなる画像を表示させ
る画像表示手段と、上記画像表示手段に表示された画像
を感光材料上に投影する投影手段とを備え、上記画像表
示手段の各画素から上記感光材料上に光を照射する照射
時間が、それぞれの画素の階調に応じて制御されるとと
もに、上記画像表示手段の各画素から出射される光量が
増大しつつある応答期間内に、少なくとも1つの階調に
対応する照射時間が設定されていることを特徴としてい
る。
【0027】上記の構成では、まず、感光材料上に焼付
られる画像の階調を制御するために、画像表示手段の各
画素から感光材料上に光を照射する照射時間を、階調に
応じて変化させている。そして、画像表示手段の各画素
から出射される光量が増大しつつある応答期間内に、少
なくとも1つの階調に対応する照射時間が設定されてい
る。このような応答期間内に照射時間が設定されている
階調では、1階調の増分に対する露光量の増分が小さ
く、階調が大きくなるにつれて、1階調の増分に対する
露光量の増分が大きくなる。
【0028】ここで、例えば感光材料として印画紙を用
いた場合、印画紙上に焼き付けられた画像を実際に観察
すると、印画紙の発色特性や、人間の視覚特性などが原
因により、同じ露光量の変化に対して、高濃度域よりも
低濃度域の方が、濃度の変化が大きく現れることがわか
る。
【0029】したがって、上記の構成によれば、同じ露
光量の変化に対する濃度の変化が大きく現れる低濃度域
では、1階調毎の露光量のステップが細かくなり、濃度
が高くなるにつれて、1階調毎の露光量のステップが大
きくなるように階調制御することが可能となる。よっ
て、階調数を増やすことなく、低濃度域における階調飛
びの現象を抑制することが可能となるので、装置自体の
コストの上昇を招くことなく、画質の優れた画像を焼き
付けることが可能な画像焼付装置を提供することができ
る。
【0030】請求項5記載の画像焼付装置は、請求項4
記載の構成において、上記の画像表示手段が、光源と、
上記光源からの光を、画像情報に応じて各画素毎に変調
させる光変調素子とから構成されており、上記の応答期
間が、上記光変調素子の応答速度に依存していることを
特徴としている。
【0031】上記の構成では、画像表示手段が、光源と
光変調素子とを備えており、光変調素子の応答速度が、
上記の応答期間を決定する構成となっている。よって、
光量の微妙な制御が難しい光源は、一定の光量で照射さ
せた状態で、制御の容易な光変調素子における各画素を
応答させることによって、上記のような階調制御を行う
ことができる。よって、高価で複雑な制御を必要とする
構成を不要とすることができるので、安価に高画質な焼
付画像を提供することができる。
【0032】請求項6記載の画像焼付装置は、請求項5
記載の構成において、上記の光変調素子が、液晶表示素
子であることを特徴としている。
【0033】上記の構成によれば、光変調素子として、
技術的に完成度の高い液晶表示素子を用いているので、
信頼度が高く、かつ、画像情報を忠実に反映した画像光
を感光材料上に照射することができる。
【0034】また、液晶表示素子は、例えばPLZTな
どと比較して、その応答速度が遅いものである。よっ
て、応答期間内において、複数の階調を制御するのに十
分な時間を設定することが可能となる。
【0035】請求項7記載の写真処理装置は、請求項4
ないし6のいずれかに記載の画像焼付装置と、上記画像
焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、現像処理
液を用いることによって現像処理を行う現像部と、上記
現像部において現像処理がなされた感光材料を乾燥させ
る乾燥部とを備えたことを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、感光材料に対する焼
付処理、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して
行うことができるので、使用者に操作上の負担をかける
ことなしに、多量の写真を連続的にプリントすることが
できる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
面に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0038】本実施形態に係る写真処理装置は、原画像
の画像データに基づいて、感光材料に対して焼き付け,
現像および乾燥処理を施すことにより、原画像を感光材
料にプリントするデジタル写真プリンタである。
【0039】図2は、上記写真処理装置の構成を示す説
明図である。図2に示すように、該写真処理装置は、露
光部1、印画紙格納部2、現像部3、乾燥部4、および
PC(Personal Computer)5を備えている。
【0040】印画紙格納部2は、感光材料である印画紙
を格納しており、プリント時に、該印画紙を露光部1に
供給するためのものである。露光部1は、印画紙格納部
2から供給される印画紙に対して、原画像の画像データ
に応じて走査露光を施すことにより、画像の焼き付けを
行うものである。この露光部1の詳細については後述す
る。
【0041】現像部3は、焼き付け処理が施された印画
紙に対して、各種の現像処理液を施しながら搬送するこ
とによって、画像を現像するものである。乾燥部4は、
現像処理が施された印画紙を乾燥させるためのものであ
る。PC5は、写真処理装置における諸々の動作を制御
する制御部としての機能を果たしているとともに、原画
像の画像データを保存する機能や、画像データに対して
データ処理を施す機能などを有している。
【0042】次に、上記の露光部1の構成について説明
する。図3は、露光部1および印画紙格納部2の構成を
示す説明図である。図3に示すように、露光部1の上部
に位置する印画紙格納部2は、ロール状の印画紙Pを格
納するための2つのペーパーマガジン2a・2bを備え
ている。各ペーパーマガジン2a・2bには、それぞれ
異なるサイズの印画紙Pが格納されており、ユーザーが
求める出力画像のサイズに応じて、供給する印画紙Pが
切り換えられるように設定されている。露光部1は、上
記したように、印画紙格納部2から供給される印画紙P
に対して、走査露光を行うものであり、焼付部6と、搬
送ローラR1〜R5とを備えている。
【0043】焼付部6は、搬送ローラR1〜R5によっ
て搬送されている印画紙Pに対して、露光のための光を
照射するものである。搬送ローラR1〜R5は、印画紙
格納部2から供給された印画紙Pを、焼付部6を経由し
て現像部3に送り込むためのものである。
【0044】次に、上記の焼付部6の構成について説明
する。図4は、焼付部6の一構成例の概略を示す斜視図
である。図4に示すように、焼付部6は、印画紙Pに対
してそれぞれ青、緑、赤の単色光を照射するための青色
ヘッド7B、緑色ヘッド7G、および赤色ヘッド7Rを
備えている。そして、青色ヘッド7B、緑色ヘッド7
G、および赤色ヘッド7Rは、光源部8B・8G・8
R、LCS9B・9G・9R、およびロッドレンズアレ
イ10B・10G・10Rを備えた構成となっている。
【0045】光源部8B・8G・8Rは、それぞれ青、
緑、赤の単色光を発生する光源装置である。この光源部
8B・8G・8Rは、ランプ11B・11G・11R、
および伝送部12B・12G・12Rをそれぞれ備えた
構成となっている。
【0046】ランプ11B・11G・11Rとしては、
例えばハロゲンランプなどが用いられ、各色の単色光を
出射するために、電球の表面に波長選択膜などが形成さ
れたものが用いられる。なお、この波長選択膜は、ラン
プから印画紙に到る光路上のどの位置に設けても構わな
いものであり、例えば、LCS9B・9G・9Rにカラ
ーフィルタを設けた構成としてもよい。また、ハロゲン
ランプの他に、キセノンランプ、メタルハライドランプ
などの放電灯や、LEDなどを利用することが可能であ
る。
【0047】伝送部12B・12G・12Rは、ランプ
11B・11G・11Rからの光を主走査方向に伝送す
るとともに、主走査方向に延びたライン状の光線を、L
CS9B・9G・9Rに向けて照射するものである。伝
送部12B・12G・12Rは、アルミ合金からなる筒
状のスリーブ、および、このスリーブの内部に配され
た、石英ガラスからなるロッドなどから構成される。ス
リーブには、軸方向に形成されたスリットが設けられて
いる。
【0048】ランプを出射した光は、ロッドの端面から
内部に入射し、光ファイバーと同様に全反射を繰り返し
ながら、ロッドの内部を伝送していく。そして、ロッド
内を伝送してきた光は、スリーブの内側に設けられた拡
散板によって乱反射されることによって拡散し、この拡
散光が、スリットを通って外部に出射される。これによ
り、スリットから出射される光は、ほぼ均一な線状の光
となる。
【0049】なお、本実施形態では、上記のような構成
の光源部8B・8G・8Rを採用したが、これに限定さ
れるものではなく、LCS9B・9G・9Rに対して実
用上問題ない程度に均一な光を照射することが可能な光
源であれば、どのようなものを用いてもよい。
【0050】LCS9B・9G・9Rは、光源部8B・
8G・8Rから照射される単色光を透過あるいは遮断す
ることで、印画紙に対する単色光の照射量を制御するも
のである。図5は、LCS9Bの概略構成を示す斜視図
である。なお、LCS9B・9G・9Rは、構成自体に
関してはそれぞれ互いに同一となっているので、以下で
は、LCS9Bの構成について説明する。
【0051】図5に示すように、LCS9Bは、液晶層
を内部に備えた液晶素子13と、該液晶素子13におけ
る光入射面および光出射面に設けられた偏光板14・1
4と、FPC(Flexible Printed Circuit)ケーブル15
とによって構成されている。そして、LCS9Bには、
複数の画素開口16…が2列に交互に並ぶように設けら
れている。なお、この複数の画素開口16…による列の
方向は、走査露光における主走査方向、すなわち、印画
紙Pの横幅方向となっている。
【0052】上記液晶素子13は、図示はしないが、互
いに対向して配置された透光性基板に、透明電極が形成
され、これら透明電極間に、液晶層が配置された構成と
なっている。さらに、透光性基板上には、遮光性を有す
る材料からなるマスクが形成されている。このマスク
は、LCS9Bを光入射面に垂直な方向から見た際に、
偏光板が形成されている領域と重なるように設けられて
おり、画素開口16…に対応する位置に開口部が設けら
れている。
【0053】上記の透明電極には、FPCケーブル15
が接続されており、このFPCケーブル15を介して、
図示しない駆動回路からの電圧が供給されている。液晶
層は、透明電極によって印加される電圧に応じて配向状
態が変化する液晶材料が封入された層である。そして、
この液晶層は、液晶材料の配向状態に応じて、偏光板1
4を透過した光の偏光状態を変化させる機能を有してい
る。
【0054】以上のように、LCS9B・9G・9R
は、画素開口16…を2列に交互に並ぶように設けてい
ることによって、印画紙Pに対して走査露光を行う際
に、隣合う画素同士の端部が重なるように露光すること
ができる。すなわち、各列における画素開口16同士の
間のマスクが未露光部として印画紙P上に焼き付けられ
ることはない。よって、開口率が比較的小さいLCSを
用いても、問題なく焼付を行うことができるので、コス
トの低減を図ることができる。
【0055】ロッドレンズアレイ10B・10G・10
Rは、複数のロッドレンズを束ねて、光入射面と光出射
面とを有する板状の構成としたものである。ロッドレン
ズとしては、セルフォック(登録商標)レンズなどがあ
げられる。セルフォックレンズは、円柱形状からなる中
実のレンズであり、円柱の軸方向に垂直な断面におい
て、中心部へいくほど屈折率が大きくなっている構成の
レンズである。このようなセルフォックレンズの一方の
端面から光が入射すると、一定の周期をもって蛇行しな
がらセルフォックレンズ内を進み、もう一方の端面から
出射する。
【0056】上記のような構成のロッドレンズアレイ1
0B・10G・10Rにおいて、光入射側の焦点距離上
に位置する1点からロッドレンズアレイ10B・10G
・10Rに入射した光は、光出射側の結像面においても
1点に集束するとともに、その位置も変化しないことを
特徴としている。すなわち、光入射側の焦点距離上に位
置する点とロッドレンズアレイ10B・10G・10R
を構成する各ロッドレンズとの相対位置にかかわらず、
光入射側の焦点距離上に位置する点の位置と光出射側の
結像点の位置とが1対1で対応することになる。これに
より、LCS9B・9G・9Rを透過した単色光が、光
出射側の結像点に位置する印画紙P上に結像される。な
お、このようなロッドレンズアレイ10B・10G・1
0Rと同等の機能を有するものとして、リコー光学株式
会社製のルーフミラーレンズアレイ(登録商標)などが
ある。
【0057】そして、この焼付部6は、印画紙Pを矢印
方向に移動させながら光源部8B・8G・8Rから単色
光を発生させ、画像データに応じてLCS9B・9G・
9Rにおける光透過状態を制御することで、印画紙Pに
画像を焼き付ける構成となっている。
【0058】次に、上記のLCS9B・9G・9Rの表
示特性について説明する。本実施形態においては、LC
S9B・9G・9Rとして、応答速度が比較的遅いLC
Sを用いている。具体的には、液晶の駆動方式としてS
TN(Super Twisted Nematic) 方式を採用したLCSを
用いている。
【0059】図1は、STN方式を採用したLCS9B
・9G・9Rの応答時間および透過率の関係を示すグラ
フである。同図において、横軸が応答時間(msec)、縦軸
が透過率(%) を示している。なお、本実施形態では、L
CS9B・9G・9Rを、ノーマリーホワイトモード、
すなわち、電圧が印加されていない状態で光を透過し、
電圧が印加されている状態で光を遮断する方式に設定し
てある。
【0060】図1に示すように、本実施形態において用
いているLCS9B・9G・9Rは、信号が入力されて
印加されていた電圧がOFFとなると、即座に透過率が
100%にならずに、所定の微分係数で透過率が上昇し
始め、徐々に微分係数が小さくなりながら透過率が上昇
していき、微分係数が0に近づくとともに透過率がほぼ
100%となるような応答となっている。
【0061】また、図1に示す例では、応答時間が2m
sec近傍となる時に、透過率がほぼ100%となって
いる。そして、このような応答を示す場合において、1
つの画素に割り当てられる露光時間の範囲を0〜2ms
ecとし、最大露光時間となる2msecの露光によっ
て印画紙が最大濃度で焼き付けられるように、光源の光
量が調整されている。
【0062】任意の階調の表現は、露光時間を制御する
ことによって行われる。すなわち、最大濃度となる階調
を、2msecの最大露光時間に設定するとともに、こ
の最大露光時間を階調数で等分割し、任意の階調に応じ
た露光時間で露光を行うことにより、印画紙上での濃度
の制御が行われる。
【0063】ここで、一例として、階調数が256(8
ビット)となるように、LCS9B・9G・9Rのコン
トローラが設定されている場合について説明する。な
お、以下の説明では、階調の範囲を0〜255とし、階
調0が最小濃度、階調255が最大濃度となるものとす
る。このように階調数が設定されている場合、最大露光
時間である2msecを階調255に対応させ、この2
msecを256等分した時間を1階調分の時間に対応
させることになる。
【0064】図6は、階調63となる中間階調の画素を
焼き付ける際の、LCS9B・9G・9Rにおける光の
透過制御の状態を示すグラフである。階調63の場合に
は、露光時間を(2/256)×64=0.5msec
に設定し、焼付を行うことになる。まず、LCS9B・
9G・9Rにおける該当する画素に対してON信号が入
力されると、液晶に印加されていた電圧が解除され、透
過率が徐々に上昇していく。そして、露光時間が0.5
msecとなった瞬間に再び液晶に電圧を印加すること
によって透過率を0に戻す。この際の最大の透過率は6
0〜70%程度となる。
【0065】図7は、階調255となる最大濃度の階調
の画素を焼き付ける際の、LCS9B・9G・9Rにお
ける光の透過制御の状態を示すグラフである。階調25
5の場合には、上記のように、露光時間を最大露光時間
である2msecに設定し、焼付を行うことになる。ま
ず、LCS9B・9G・9Rにおける該当する画素に対
してON信号が入力されると、液晶に印加されていた電
圧が解除され、透過率が徐々に上昇していく。そして、
時間とともに、徐々に微分係数が小さくなりながら透過
率が上昇していき、微分係数が0に近づくとともに透過
率がほぼ100%となり、露光時間が2msecとなっ
た瞬間に再び液晶に電圧を印加することによって透過率
を0に戻す。
【0066】なお、図6および図7において、LCS9
B・9G・9Rにおける光の透過制御の状態を示した
が、この透過率の変化曲線において、透過率が上昇する
ときには緩やかに上昇し、透過率が下がるときは急激に
下がっていることがわかる。これは、LCS9B・9G
・9Rにおいて、ノーマリーホワイトモードで表示を行
っていることによるものである。詳しく説明すると、透
過率が上昇するときには、液晶に印加されていた電圧が
解除されて、液晶分子同士の相互作用によって透過率が
上昇する配向状態に変化することになる。このような分
子間の相互作用は比較的弱いものであるので、透過率の
上昇は緩やかなものとなる。一方、透過率が下がるとき
には、液晶に電圧が印加され、液晶の誘電率異方性によ
って透過率が下降する配向状態に変化することになる。
この電界による誘電作用は、上記の分子間の相互作用よ
りは強いものであるので、透過率の下降は比較的速いも
のとなる。
【0067】なお、図6および図7においては、簡単の
ために、露光時間の終了とともに透過率が垂直に下降し
ているように示されているが、実際には、透過率の下降
も徐々に行われることになる。また、この透過率の変化
曲線は、液晶の種類および粘度や、セルギャップ、印加
電圧値などによって大きく変わるものである。
【0068】以上では、階調63と階調255との場合
の露光時間の制御について説明したが、その他の任意の
階調においても同様に、階調に応じた露光時間となるよ
うに露光を行うことになる。
【0069】図6および図7において、上記のように焼
付を行った際の露光量は、時間に対する透過率の変化曲
線と横軸とで囲まれた面積に比例することになる。図8
は、上記のような焼付を行った際の階調と露光量との関
係を示すグラフである。同図において、横軸が階調、縦
軸が露光量を示している。
【0070】図8に示すように、階調の変化に対する露
光量の変化曲線は、階調が小さい領域では小さい微分係
数で露光量が上昇し、階調が大きくなるにつれて微分係
数が大きくなっている。これは、図1および図6・7で
示したように、露光時間に対する透過率の変化曲線が、
露光開始とともにすぐに透過率100%近くになるので
はなく、露光開始から徐々に上昇して透過率100%に
至る特性となっているからである。
【0071】例えば、図6および図7に示した、階調6
3の場合および階調255の場合を比較すると、露光時
間に関しては、階調63の場合の0.5msecに対
し、階調255の場合は2.0msecとなり、4倍の
時間となっている。これに対して、露光量に相当するこ
とになる、透過率の変化曲線と横軸とで囲まれた領域の
面積に関しては、階調255の場合の面積は、階調63
の場合の面積の4倍よりも大きくなっている。その他の
階調においても、同様の関係が成り立つので、階調の変
化に対する露光量の変化曲線は、図8に示すような変化
を示すことになる。
【0072】ここで、比較のために、前記した従来の技
術で示した構成において、画像を表示する光変調素子と
して、PLZTを用いた場合について説明する。PLZ
Tは応答速度が極めて速いので、図11に示すように、
信号の入力から極めて短い時間で透過率が100%とな
っている。この場合には、露光時間を階調数で等間隔に
分割して階調制御を行うと、図12に示すように、階調
と露光量とが比例関係となる。
【0073】しかしながら、印画紙上に焼き付けられた
画像を実際に観察すると、印画紙の発色特性や、人間の
視覚特性などが原因により、同じ露光量の変化に対し
て、高濃度域よりも低濃度域の方が、濃度の変化が大き
く現れることがわかる。
【0074】したがって、上記の階調制御のように、任
意の階調において、1階調の増分に対する露光量の増分
が一定である場合には、低濃度域で階調飛びが発生しや
すくなるという問題が生じることになる。また、このよ
うな階調飛びを防ぐために、階調数を増やすことによっ
て対応しようとすると、PLZTを制御するコントロー
ラをより高性能なものにする必要があり、装置のコスト
の上昇などの問題を招くことになる。
【0075】これに対して、本実施形態の構成によれ
ば、図8に示す露光量の変化曲線のように、階調が比較
的低い階調領域、すなわち低濃度域では、1階調の増分
に対する露光量の増分が小さく、階調が大きくなるにつ
れて、1階調の増分に対する露光量の増分が大きくなっ
ている。すなわち、同じ露光量の変化に対する濃度の変
化が大きく現れる低濃度域では、1階調毎の露光量のス
テップが細かくなり、濃度が高くなるにつれて、1階調
毎の露光量のステップが大きくなる。
【0076】このような階調制御を行うことによって、
階調数を増やすことなく、低濃度域での階調飛びの発生
を抑制することができる。別の言い方をすれば、上記の
ような特性を有するLCSを用いれば、従来と同じ階調
数を制御することのできるLCSコントローラを用いな
がら、従来では発生していた低濃度域での階調飛びを抑
制することが可能となる。したがって、低濃度域での階
調飛びを抑制するために、装置の高性能化を図る必要が
ないので、装置のコストの上昇などの問題を招くことな
く、画質の優れた焼付画像を提供することができる。
【0077】以上のような構成の焼付部6における焼付
動作は次のようになる。ランプ11B・11G・11R
から出射した光は、伝送部12B・12G・12Rに伝
送されて、均一な線状の光として出射し、LCS9B・
9G・9Rに入射する。LCS9B・9G・9Rでは、
各色成分の画像データに基づいて、各画素毎に光の透過
状態が制御される。そして、LCS9B・9G・9Rを
出射した光は、ロッドレンズアレイ10B・10G・1
0Rを介して印画紙Pに照射される。このような露光動
作を印画紙Pを搬送させながら行うことによって走査露
光が行われ、2次元の画像が印画紙Pに焼き付けられ
る。
【0078】なお、各青色ヘッド7B、緑色ヘッド7G
および赤色ヘッド7Rから印画紙P上に照射される点
(光照射点)の位置は、それぞれ印画紙Pの搬送方向に
対してずれている。よって、印画紙Pの搬送速度ならび
に光照射点同士の間隔に基づいて、LCS9B・9G・
9Rに入力する画像データを制御することによって、1
つの画素に対応する各色成分の光が、印画紙P上の同じ
位置に照射されることになる。
【0079】ここで、焼付部6として、図4に示す構成
とは異なる構成例について説明する。図9は、焼付部6
の他の構成例の概略を示す斜視図である。図9に示すよ
うに、この焼付部6は、光源部8B・8G・8R、LC
S9B・9G・9R、ダイクロイック合成プリズム2
4、およびロッドレンズアレイ10を備えた構成となっ
ている。光源部8BおよびLCS9Bからの光と、光源
部8GおよびLCS9Gからの光と、光源部8Rおよび
LCS9Rからの光とが、3方向から1つのダイクロイ
ック合成プリズム24に入射するように、光源部8B・
8G・8R、LCS9B・9G・9R、およびダイクロ
イック合成プリズム24が配置されている。また、ダイ
クロイック合成プリズム24から出射した光が、ロッド
レンズアレイ10を介して印画紙Pに照射されるよう
に、ダイクロイック合成プリズム24、およびロッドレ
ンズアレイ10が配置されている。
【0080】光源部8B・8G・8R、LCS9B・9
G・9Rは、上記とほぼ同様の構成であるので、その説
明を省略する。ダイクロイック合成プリズム24は、L
CS9B・9G・9Rを出射した各色の単色光を合成
し、その合成した光をロッドレンズアレイ10に向けて
出射するものである。ロッドレンズアレイ10は、その
構成自体は、図4に示す構成におけるロッドレンズアレ
イ10B・10G・10Rと同様であるが、図4に示す
構成と異なり、ダイクロイック合成プリズム24からの
光を印画紙P上に照射するための、1組のロッドレンズ
アレイから構成されている。
【0081】このような構成の場合、各LCSから出射
した光をダイクロイック合成プリズム24によって合成
した後に印画紙Pに照射するので、各色成分毎の画素ず
れが生じていない、良好な焼付画像を提供することがで
きる。これに対して、図4に示す構成の場合には、各色
成分毎に、印画紙P上の異なる位置に照射されるので、
印画紙Pの搬送むらなどが原因による画素ずれが生じる
可能性がある。
【0082】しかしながら、図9に示す構成の場合に
は、印画紙Pの主走査方向の幅にわたるダイクロイック
合成プリズム24を用意する必要がある。一般的にダイ
クロイック合成プリズムは、強度上の問題および製造上
の問題により、その長手方向の長さには限界がある。す
なわち、図9に示す構成の場合には、焼付画像における
主走査方向の長さをあまり長くすることができないとい
う問題がある。
【0083】なお、本実施形態においては、画像を表示
する光変調素子として、STN方式によるLCS9B・
9G・9Rを用いた構成としていたが、これに限定され
るものではなく、例えば、TN(Twisted Nematic) 方式
のLCSなどを用いても構わない。すなわち、画像を表
示する光変調素子としては、応答期間内において、複数
の階調を制御するのに十分な時間を設定することが可能
な程度に、応答速度が遅いものであれば、どのような構
成を用いても構わない。
【0084】また、本実施形態においては、複数の画素
開口16…が2列に交互に並ぶように設けられているL
CS9B・9G・9Rを用いて、走査露光によって画像
の焼付を行っていたが、これに限定されるものではな
く、2次元に画素が配列された面状のLCD(Liquid Cr
ystal Display)を用いて、面露光を行う構成において
も、同様に上記の焼付方法を適用することが可能であ
る。
【0085】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る画
像焼付方法は、複数の画素を有する画像表示手段に画像
を表示させ、該画像の光を感光材料上に照射することに
よって単色あるいは複数色からなる画像の焼付を行う画
像焼付方法であって、上記画像表示手段の各画素から上
記感光材料上に光を照射する照射時間を、それぞれの画
素の階調に応じて制御するとともに、上記画像表示手段
の各画素から出射される光量が増大しつつある応答期間
内に、少なくとも1つの階調に対応する照射時間が設定
されている方法である。
【0086】これにより、同じ露光量の変化に対する濃
度の変化が大きく現れる低濃度域では、1階調毎の露光
量のステップが細かくなり、濃度が高くなるにつれて、
1階調毎の露光量のステップが大きくなるように階調制
御することが可能となる。よって、階調数を増やすこと
なく、低濃度域における階調飛びの現象を抑制すること
が可能となるので、コストの上昇を招くことなく、画質
の優れた焼付画像を提供することができるという効果を
奏する。
【0087】請求項2の発明に係る画像焼付方法は、上
記の画像表示手段が、光源と、上記光源からの光を、画
像情報に応じて各画素毎に変調させる光変調素子とから
構成されており、上記の応答期間が、上記光変調素子の
応答速度に依存している方法である。
【0088】これにより、請求項1の方法による効果に
加えて、光量の微妙な制御が難しい光源は、一定の光量
で照射させた状態で、制御の容易な光変調素子における
各画素を応答させることによって、上記のような階調制
御を行うことができる。よって、高価で複雑な制御を必
要とする構成を不要とすることができるので、安価に高
画質な焼付画像を提供することができるという効果を奏
する。
【0089】請求項3の発明に係る画像焼付方法は、上
記の光変調素子が、液晶表示素子である方法である。
【0090】これにより、請求項2の方法による効果に
加えて、光変調素子として、技術的に完成度の高い液晶
表示素子を用いているので、信頼度が高く、かつ、画像
情報を忠実に反映した画像光を感光材料上に照射するこ
とができるという効果を奏する。
【0091】また、液晶表示素子は、例えばPLZTな
どと比較して、その応答速度が遅いものである。よっ
て、応答期間内において、複数の階調を制御するのに十
分な時間を設定することが可能となるという効果を奏す
る。
【0092】請求項4の発明に係る画像焼付装置は、複
数の画素を有し、単色あるいは複数色からなる画像を表
示させる画像表示手段と、上記画像表示手段に表示され
た画像を感光材料上に投影する投影手段とを備え、上記
画像表示手段の各画素から上記感光材料上に光を照射す
る照射時間が、それぞれの画素の階調に応じて制御され
るとともに、上記画像表示手段の各画素から出射される
光量が増大しつつある応答期間内に、少なくとも1つの
階調に対応する照射時間が設定されている構成である。
【0093】これにより、同じ露光量の変化に対する濃
度の変化が大きく現れる低濃度域では、1階調毎の露光
量のステップが細かくなり、濃度が高くなるにつれて、
1階調毎の露光量のステップが大きくなるように階調制
御することが可能となる。よって、階調数を増やすこと
なく、低濃度域における階調飛びの現象を抑制すること
が可能となるので、装置自体のコストの上昇を招くこと
なく、画質の優れた画像を焼き付けることが可能な画像
焼付装置を提供することができるという効果を奏する。
【0094】請求項5の発明に係る画像焼付装置は、上
記の画像表示手段が、光源と、上記光源からの光を、画
像情報に応じて各画素毎に変調させる光変調素子とから
構成されており、上記の応答期間が、上記光変調素子の
応答速度に依存している構成である。
【0095】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、光量の微妙な制御が難しい光源は、一定の光量
で照射させた状態で、制御の容易な光変調素子における
各画素を応答させることによって、上記のような階調制
御を行うことができる。よって、高価で複雑な制御を必
要とする構成を不要とすることができるので、安価に高
画質な焼付画像を提供することができるという効果を奏
する。
【0096】請求項6の発明に係る画像焼付装置は、上
記の光変調素子が、液晶表示素子である構成である。
【0097】これにより、請求項5の構成による効果に
加えて、光変調素子として、技術的に完成度の高い液晶
表示素子を用いているので、信頼度が高く、かつ、画像
情報を忠実に反映した画像光を感光材料上に照射するこ
とができるという効果を奏する。
【0098】また、液晶表示素子は、例えばPLZTな
どと比較して、その応答速度が遅いものである。よっ
て、応答期間内において、複数の階調を制御するのに十
分な時間を設定することが可能となるという効果を奏す
る。
【0099】請求項7の発明に係る写真処理装置は、請
求項4ないし6のいずれかに記載の画像焼付装置と、上
記画像焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、現
像処理液を用いることによって現像処理を行う現像部
と、上記現像部において現像処理がなされた感光材料を
乾燥させる乾燥部とを備えた構成である。
【0100】これにより、感光材料に対する焼付処理、
現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して行うこと
ができるので、使用者に操作上の負担をかけることなし
に、多量の写真を連続的にプリントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真処理装置の焼
付部が備えるLCSの応答時間と透過率との関係を示す
グラフである。
【図2】上記写真処理装置の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図3】上記写真処理装置が備える露光部および印画紙
格納部の構成を示す説明図である。
【図4】上記焼付部の概略構成を示す斜視図である。
【図5】上記焼付部が備えるLCSの概略構成を示す斜
視図である。
【図6】中間階調の画素を焼き付ける際の、LCSにお
ける光の透過制御の状態を示すグラフである。
【図7】最大濃度となる階調の画素を焼き付ける際の、
LCSにおける光の透過制御の状態を示すグラフであ
る。
【図8】本実施形態の構成による焼付を行った際の階調
と露光量との関係を示すグラフである。
【図9】上記焼付部の他の構成例の概略を示す斜視図で
ある。
【図10】従来の走査露光方式の画像焼付装置の一例の
概略構成を示す斜視図である。
【図11】従来の画像焼付装置が備えるPLZTの応答
時間と透過率との関係を示すグラフである。
【図12】従来の画像焼付装置による焼付を行った際の
階調と露光量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 露光部 2 印画紙格納部 3 現像部 4 乾燥部 5 PC 6 焼付部 7B・7G・7R 青色ヘッド・緑色ヘッド・赤色ヘ
ッド 8B・8G・8R 光源部 9B・9G・9R LCS 10B・10G・10R ロッドレンズアレイ 11B・11G・11R ランプ 12B・12G・12R 伝送部 13 液晶素子 14 偏光板 15 FPCケーブル 16 画素開口 24 ダイクロイック合成プリズム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素を有する画像表示手段に画像を
    表示させ、該画像の光を感光材料上に照射することによ
    って単色あるいは複数色からなる画像の焼付を行う画像
    焼付方法であって、 上記画像表示手段の各画素から上記感光材料上に光を照
    射する照射時間を、それぞれの画素の階調に応じて制御
    するとともに、 上記画像表示手段の各画素から出射される光量が増大し
    つつある応答期間内に、少なくとも1つの階調に対応す
    る照射時間が設定されていることを特徴とする画像焼付
    方法。
  2. 【請求項2】上記の画像表示手段が、光源と、上記光源
    からの光を、画像情報に応じて各画素毎に変調させる光
    変調素子とから構成されており、上記の応答期間が、上
    記光変調素子の応答速度に依存していることを特徴とす
    る請求項1記載の画像焼付方法。
  3. 【請求項3】上記の光変調素子が、液晶表示素子である
    ことを特徴とする請求項2記載の画像焼付方法。
  4. 【請求項4】複数の画素を有し、単色あるいは複数色か
    らなる画像を表示させる画像表示手段と、 上記画像表示手段に表示された画像を感光材料上に投影
    する投影手段とを備え、 上記画像表示手段の各画素から上記感光材料上に光を照
    射する照射時間が、それぞれの画素の階調に応じて制御
    されるとともに、 上記画像表示手段の各画素から出射される光量が増大し
    つつある応答期間内に、少なくとも1つの階調に対応す
    る照射時間が設定されていることを特徴とする画像焼付
    装置。
  5. 【請求項5】上記の画像表示手段が、光源と、上記光源
    からの光を、画像情報に応じて各画素毎に変調させる光
    変調素子とから構成されており、上記の応答期間が、上
    記光変調素子の応答速度に依存していることを特徴とす
    る請求項4記載の画像焼付装置。
  6. 【請求項6】上記の光変調素子が、液晶表示素子である
    ことを特徴とする請求項5記載の画像焼付装置。
  7. 【請求項7】請求項4ないし6のいずれかに記載の画像
    焼付装置と、 上記画像焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、
    現像処理液を用いることによって現像処理を行う現像部
    と、 上記現像部において現像処理がなされた感光材料を乾燥
    させる乾燥部とを備えたことを特徴とする写真処理装
    置。
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Cited By (2)

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