JP2002055396A - 画像焼付装置およびこれを備えた写真処理装置 - Google Patents

画像焼付装置およびこれを備えた写真処理装置

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JP2002055396A
JP2002055396A JP2000240025A JP2000240025A JP2002055396A JP 2002055396 A JP2002055396 A JP 2002055396A JP 2000240025 A JP2000240025 A JP 2000240025A JP 2000240025 A JP2000240025 A JP 2000240025A JP 2002055396 A JP2002055396 A JP 2002055396A
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Japan
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light
image
photosensitive material
rod lens
pixel
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JP2000240025A
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English (en)
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Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
Kazuya Tsukamoto
和也 塚本
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LCSなどの光量制御手段によって感光材料
上に画像を焼き付ける画像焼付装置において、簡素な構
成によって焼付画像における各画素の周囲の未露光領域
をなくすことができる画像焼付装置を提供する。 【解決手段】 ランプから出射した光を、LCS9によ
って各画素毎に変調し、ロッドレンズアレイ10によっ
て印画紙P上に照射する。この際に、LCS9からロッ
ドレンズアレイ10を介して印画紙Pに到る光軸の方向
において、ロッドレンズアレイ10の中心位置m’が、
LCS9の光出射面と印画紙Pの露光面との距離の中心
位置M’とずれているように、各構成を配置する。これ
により、ロッドレンズアレイ10の各ロッドレンズによ
る投影像がずれることにより、焼付画像における各画素
の大きさが大きくなり、未露光領域がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印画紙などの感光
材料を露光することにより、感光材料に画像を焼き付け
るための画像焼付装置、および、この画像焼付装置を備
えた写真処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真画像を印画紙上に焼き付ける
際には、原画像を記録したネガフィルムに光を照射し、
ネガフィルムを透過した光を印画紙に照射するアナログ
露光が行われている。また、デジタル画像データからな
る写真画像に対しては、原画像の画像データに応じて
赤、青、緑の単色光を印画紙に照射するデジタル露光を
行うことによって、画像の焼き付けが行われている。
【0003】上記のデジタル露光は、例えば、光源から
の光を、画像を表示させた光変調素子に透過させて、印
画紙上に照射することによって行われる。このようなデ
ジタル露光を行う画像焼付装置の一例としては、画素が
1列から数列のライン状に設けられたLCS(Liquid C
rystal Shutter)を用いるとともに、印画紙を搬送させ
ながら露光を行う走査露光方式の画像焼付装置がある。
【0004】このような画像焼付装置は、例えば次に示
すような構成となっている。すなわち、印画紙に対して
それぞれ青,緑,赤の単色光を照射するための青色ヘッ
ド、緑色ヘッド、および赤色ヘッドが設けられていると
ともに、各ヘッドが、ランプ、LCS、および屈折率分
布型のレンズ(例えば、日本板硝子社製のセルフォック
(登録商標)レンズ)からなるレンズアレイを有してい
る。
【0005】ランプは、それぞれ青,緑,赤の単色光を
発生する光源である。LCSは、画像データに応じて、
各画素毎に液晶に印加する電圧を変化させることによっ
て光の透過率を変化させる光変調素子である。すなわ
ち、このLCSは、ランプから照射される単色光を透過
あるいは遮断することで、印画紙に対する単色光の照射
量を制御するものである。また、レンズアレイは、LC
Sを透過した単色光を、印画紙上に結像させるためのも
のである。
【0006】そして、この画像焼付装置では、印画紙を
副走査方向に移動させながらランプから単色光を発生さ
せ、画像データに応じてLCSにおける光透過状態を制
御することで、走査露光方式によって印画紙に1コマ分
の画像を焼き付けるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のLCSにおい
て、光の透過部となる各画素は、上記のように、1列か
ら数列のライン状に設けられている。各画素の周囲に
は、光の透過状態を制御できない領域があり、この領域
を遮光するためのブラックマトリクスが設けられてい
る。すなわち、このような構成のLCSに光を照射した
場合、各画素の光透過領域に入射した光は、当該画素に
てその透過が制御されて印画紙に照射されるが、ブラッ
クマトリクスに照射された光は、当該ブラックマトリク
スによって遮光されて、印画紙に届かない。その結果、
印画紙上に焼き付けられた画像には、各画素の周囲にブ
ラックマトリクスによる未露光領域が生じることにな
る。すなわち、画像中に縞状の模様が存在することにな
り、画像の品質が低下するという問題がある。
【0008】そこで、このような画像の品質低下を回避
する手法として、例えば画素ずらし露光という手法が従
来から提案されている。この画素ずらし露光は、1回通
常の露光を行った後に、1回目の露光における未露光領
域を露光するように、光変調素子と印画紙との相対位置
をずらした状態でさらに露光を行う手法である。
【0009】この手法によれば、光変調素子の画素数を
そのままとしながら、画素数を増加させた場合と同程度
の擬似的な解像度を得ることができるという利点があ
る。しかしながら、光変調素子と印画紙との相対位置を
変化させる構成、例えば電動マイクロステージやピエゾ
素子は高価であるため、装置自体の価格が上昇するとい
う問題がある。また、特に、光変調素子側を移動させる
場合には、移動に伴って生じる振動を光変調素子に与え
ることになる。一般的に、光変調素子には、振動、衝撃
等によって断線しやすい細い配線が多数設けられている
ものであり、これらの配線が断線すると、表示品位が低
下して、焼き付け画像の画質が損なわれてしまう。
【0010】また、上記の構成のように、光変調素子を
LCSによって構成し、走査露光を行う構成の場合に
は、次のような問題が生じる。すなわち、この構成の場
合の画素ずらしは、1回1コマ分の画像を通常に走査露
光した後に、LCSの配置位置をずらし、印画紙を逆方
向に搬送させながら再び露光を行う、などの手法によっ
て行うことになる。この場合、印画紙の搬送における横
方向の搬送精度を極めて高くする必要が生じるので、装
置のさらなる高価格化を招くことになる。また、露光に
要する時間が増大するので、処理能力の低下を招くこと
になる。
【0011】また、LCSによって走査露光を行う構成
の場合、各画素の配置を、主走査方向において2列に交
互に並べた配置とすることによって、未露光領域をなく
す構成も提案されている。この構成は、副走査方向から
見て、隣り合う画素同士の端部が重なるように各画素を
配置することが可能となるので、走査露光を行うことに
よって焼き付けられた画像に、副走査方向における各画
素間の隙間が生じなくなり、表示品位を低下させる未露
光領域の発生を抑制することができる。
【0012】しかしながら、副走査方向に画素の配置が
ずれているので、画像データの入力タイミングを、印画
紙の搬送速度に応じてずらして転送する必要が生じ、デ
ータ処理の複雑化を招くことになる。つまり、露光時の
LCSと印画紙との相対移動にずれが生じると、いとも
簡単に画像ずれが生じることになる。これに対処しよう
とすれば、LCSと印画紙とを相対移動させる機構の精
度を向上させるか、もしくは、副走査方向の画素のずれ
を考慮したデータずらし転送を、上記相対移動と同期す
る形としなければならない。つまり、1ライン毎のデー
タ転送の同期に加えて、副走査方向の画素のずれを考慮
したデータずらし転送をも別に制御して同期をとらなく
てはならなくなり、コストアップを招くことになる。
【0013】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、LCSなどの光量制御手
段によって感光材料上に画像を焼き付ける画像焼付装置
において、簡素な構成によって焼付画像における各画素
の周囲の未露光領域をなくすことができる画像焼付装置
およびこれを備えた写真処理装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の画像焼付装置は、感光材料に対し
て光を照射することによって画像の焼付処理を行う画像
焼付装置において、画像情報に応じて各画素毎に出射す
る光量を制御する光量制御手段と、上記光量制御手段の
各画素から出射される光を上記感光材料上に投影する複
数の投影手段からなる投影手段群とを備え、上記光量制
御手段における任意の1つの画素から出射する光が、複
数の上記投影手段を介して上記感光材料上に照射される
とともに、各投影手段によって感光材料上に投影され
る、対応する画素の投影像が、それぞれ異なる位置に投
影されることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、光量制御手段の1つ
の画素から出射した光は、複数の投影手段を介して感光
材料上に投影されるとともに、各投影手段による投影像
がそれぞれずれた位置に配置されることになる。したが
って、1つの画素に対応する複数の投影像を互いに重複
した領域を残した状態で位置をずらすことによって、感
光材料上において、各画素同士の間隔を一定にした状態
で各画素の大きさを大きくすることができる。よって、
例えば、光量制御手段から出射した光をそのまま感光材
料上に投影した場合には、各画素の周囲に未露光領域が
生じてしまうような場合にも、上記のように、感光材料
上に投影される各画素の大きさを大きくすることによっ
て、このような未露光領域の発生を抑制することが可能
となり、画質の向上を図ることができる。
【0016】請求項2記載の画像焼付装置は、請求項1
記載の構成において、上記投影手段群が、円柱形状から
なり、円柱の軸方向に垂直な断面において、中心部へい
くほど屈折率が大きくなっているロッドレンズをアレイ
状に配置したロッドレンズアレイであり、光量制御手段
からロッドレンズアレイを介して感光材料に到る光軸の
方向において、ロッドレンズアレイの中心位置が、光量
制御手段の光出射面と感光材料の露光面との距離の中心
位置とずれていることを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、光量制御手段におけ
る1つの画素を出射した光は、複数のロッドレンズを介
して感光材料上に投影されることになる。この際に、ロ
ッドレンズアレイの中心位置を、光量制御手段の光出射
面と感光材料の露光面との距離の中心位置と一致させた
場合には、感光材料上に投影される、対応する画素の投
影像は同じ位置に投影されることになるが、上記の構成
のような配置の場合には、対応する画素の投影像は、互
いに異なる位置に投影されることになる。よって、ロッ
ドレンズアレイの配置位置を通常の配置位置からずら
す、という簡単な構成によって、上記したように、未露
光領域の発生を抑制することが可能となり、画質の向上
を図ることができる。
【0018】請求項3記載の画像焼付装置は、請求項1
または2記載の構成において、上記光量制御手段が、各
画素毎に、光源から出射した光の透過量を制御する液晶
表示素子であることを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、技術的に完成度の高
い液晶表示素子によって、各画素における光の透過量を
制御しているので、信頼度が高く、かつ、画像情報を忠
実に反映した画像光を感光材料上に照射することができ
る。
【0020】請求項4記載の画像焼付装置は、請求項
1、2、または3記載の構成において、上記感光材料
と、上記光量制御手段および上記投影手段群とを相対的
に移動させることによって、走査露光を行うことを特徴
としている。
【0021】上記の構成によれば、走査露光方式によっ
て画像の焼付処理を行うので、上記光量制御手段は、主
走査方向に1列あるいは数列からなる画素を備えた構成
のものとなる。よって、例えば面露光方式においては、
1コマ分の画像に対応する画素を全て二次元的に配置し
た構成の光量制御手段が必要とされるが、これと比較し
て、光量制御手段の構成を簡素化することができ、装置
のコストを低減することができる。また、画素数を増や
す場合や、露光領域を拡大する場合にも、光量制御手段
の主走査方向の画素を増やすのみで対応することが可能
となる。
【0022】また同様に、投影手段群の構成も、主走査
方向に長くなるように、各投影手段を配置した構成のも
のとなるので、面露光方式において必要とされる構成と
比較して、より簡素な構成とすることができ、さらに装
置のコストの低減を図ることができる。
【0023】請求項5記載の画像焼付装置は、請求項4
記載の構成において、上記光量制御手段における任意の
一点から出射した光が感光材料上に投影される際に寄与
する上記複数の投影手段が配置される領域が、副走査方
向よりも主走査方向の方が長くなるように、上記投影手
段群における各投影手段が配置されていることを特徴と
している。
【0024】上記の構成によれば、光量制御手段におけ
る任意の一点から出射した光が感光材料上に投影される
際に寄与する投影手段が配置される領域が、副走査方向
よりも主走査方向の方が長くなっているので、感光材料
上に投影される画像における各画素の形状が、主走査方
向に長い形状となる。よって、このような状態で走査露
光を行うと、各画素が感光材料上に焼き付けられる領域
は、各画素の感光材料上に照射される照射領域に、各画
素の焼付に要する時間内に感光材料が移動する移動量だ
け副走査方向に広がった領域となり、正方形に近い領域
とすることができる。したがって、このようにして感光
材料上に焼き付けられた画像は、隣り合う画素同士で重
なり合う部分がほとんどなく、かつ、各画素の周囲に未
露光領域がほとんど発生していないことになる。よっ
て、未露光領域によるムラの発生がなく、かつ、シャー
プな画質の焼付画像を提供することができる。
【0025】請求項6記載の写真処理装置は、請求項1
ないし5のいずれかに記載の画像焼付装置と、上記画像
焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、現像処理
液を用いることによって現像処理を行う現像部と、上記
現像部において現像処理がなされた感光材料を乾燥させ
る乾燥部とを備えたことを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、感光材料に対する焼
付処理、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して
行うことができるので、使用者に操作上の負担をかける
ことなしに、多量の写真を連続的にプリントすることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図16に基づいて説明すれば、以下のとおりで
ある。
【0028】本実施形態に係る写真処理装置は、原画像
の画像データに基づいて、感光材料としての印画紙上に
焼き付け、現像および乾燥処理を施すことにより、原画
像を印画紙にプリントするデジタル写真プリンタであ
る。
【0029】図2は、上記写真処理装置の構成を示す説
明図である。図2に示すように、該写真処理装置は、露
光部1、印画紙格納部2、現像部3、乾燥部4、および
PC(Personal Computer)5を備えている。
【0030】印画紙格納部2は、感光材料である印画紙
を格納しており、プリント時に露光部1に供給するため
のものである。露光部1は、印画紙格納部2から供給さ
れる印画紙に対して、原画像の画像データに応じて走査
露光を施すことにより、画像の焼き付けを行うものであ
る。この露光部1の詳細については後述する。
【0031】現像部3は、焼き付け処理が施された印画
紙に対して、各種の現像処理液を施しながら搬送するこ
とによって、画像を現像するものである。乾燥部4は、
現像処理が施された印画紙を乾燥させるためのものであ
る。PC5は、写真処理装置における諸々の動作を制御
する制御部としての機能を果たしているとともに、原画
像の画像データを保存する機能や、画像データに対して
データ処理を施す機能などを有している。
【0032】次に、上記の露光部1の構成について説明
する。図3は、露光部1および印画紙格納部2の構成を
示す説明図である。図3に示すように、露光部1の上部
に位置する印画紙格納部2は、ロール状の印画紙Pを格
納するための2つのペーパーマガジン2a・2bを備え
ている。各ペーパーマガジン2a・2bには、それぞれ
異なるサイズの印画紙Pが格納されており、ユーザーに
求められる出力画像のサイズに応じて、供給する印画紙
Pが切り換えられるように設定されている。
【0033】露光部1は、上記したように、印画紙格納
部2から供給される印画紙Pに対して走査露光を行うも
のであり、焼付部6と、搬送ローラR1〜R5とを備え
ている。焼付部6は、搬送ローラR1〜R5によって搬
送されている印画紙Pに対して、露光のための光を照射
するものである。搬送ローラR1〜R5は、印画紙格納
部2から供給された印画紙Pを、焼付部6を経由して現
像部3に送り込むためのものである。
【0034】次に、焼付部6の構成について説明する。
図4は、本実施形態における焼付部6の概略構成を示す
側面図である。図4に示すように、焼付部6は、印画紙
Pに対してそれぞれ青色成分、緑色成分、および赤色成
分の画像光を照射するための青色ヘッド7a、緑色ヘッ
ド7b、および赤色ヘッド7cを備えている。
【0035】青色ヘッド7aは、ランプ(光源)8a、
LCS(液晶表示素子)9a、およびロッドレンズアレ
イ10aを備えている。この青色ヘッド7aにおいて、
ランプ8a、LCS9a、およびロッドレンズアレイ1
0aはこの順で1つの直線上に配置されている。そし
て、ランプ8aを出射した光は、LCS9a、ロッドレ
ンズアレイ10aを通って印画紙P上に照射される。ま
た同様に、緑色ヘッド7bおよび赤色ヘッド7cは、そ
れぞれランプ8b・8c、LCS9b・9c、およびロ
ッドレンズアレイ10b・10cを備えており、同様の
配置によって各構成が設けられている。
【0036】ランプ8a〜8cは、それぞれ青色、緑
色、および赤色の単色光を発生する光源である。このラ
ンプ8a〜8cは、例えばハロゲンランプなどによって
構成されており、電球の表面に、該当する色成分の波長
のみを透過させる波長選択膜などが形成されているもの
が用いられる。なお、このランプとしては、上記のハロ
ゲンランプを用いた構成の他に、LEDを用いた構成
や、ハロゲンランプからの光を導光板を介して出射させ
る構成などを用いても構わない。
【0037】LCS9a〜9cは、それぞれ、原画像に
おける赤色成分、緑色成分、および青色成分の画像デー
タに基づいて、各画素の光の透過および遮断を制御する
ものである。なお、これらのLCS9a〜9cの構成の
詳細については後述する。
【0038】ロッドレンズアレイ10a〜10cは、そ
れぞれ2列から数列からなる屈折率分布型のロッドレン
ズの列が、印画紙Pの横幅方向に平行な方向に並んで配
置された構成となっている。
【0039】上記のロッドレンズとは、円柱形状からな
る中実のレンズであり、円柱の軸方向に垂直な断面にお
いて、中心部へいくほど屈折率が大きくなっているもの
である。そして、ロッドレンズにおいて共役となる焦点
距離にある1点から出射した光は、結像面においてもあ
る1点に集束するとともに、その位置も変化しないこと
を特徴としている。すなわち、光の出射点とロッドレン
ズとの相対位置に影響されることなく、光の出射点の位
置と結像点の位置とが1対1で対応することになる。な
お、ロッドレンズアレイ10a〜10cとしては、例え
ば、日本板硝子社製のセルフォック(登録商標)レンズ
アレイなどが挙げられる。
【0040】以上のような構成により、焼付部6では、
印画紙Pを矢印方向に移動させながらランプ8a〜8c
から単色光を発生させ、画像データに応じてLCS9a
〜9cにおける光透過状態を制御することで、印画紙P
に画像を焼き付けるようになっている。
【0041】次に、上記のLCS9a〜9cの構成につ
いて説明する。なお、LCS9a〜9cは、構成自体に
関してはそれぞれ互いに同一となっているので、以下で
は、これらをLCS9と呼ぶことにする。
【0042】図5は、LCS9の概略構成を示す斜視図
である。同図に示すように、LCS9は、液晶層を内部
に備えた液晶素子11と、該液晶素子11における光入
射面および光出射面に設けられた偏光板12・12と、
FPCケーブル13とによって構成されている。そし
て、LCS9には、複数の画素開口14…が1列上に並
ぶように設けられている。なお、この複数の画素開口1
4…による列の方向は、走査露光における主走査方向、
すなわち、印画紙Pの横幅方向となっている。
【0043】図6は、図5におけるA方向から見た際
の、画素開口14近傍の断面図を示している。図6に示
すように、上記液晶素子11は、互いに対向して配置さ
れた透光性基板16・17に、透明電極18・19が形
成され、これら透明電極18・19間に、液晶層20が
配置された構成となっている。
【0044】さらに、透光性基板16上には、遮光性を
有する材料からなるマスク21が形成されている。この
マスク21は、LCS9を光入射面に垂直な方向から見
た際に、偏光板12が形成されている領域と重なるよう
に設けられており、画素開口14…に対応する位置に開
口部が設けられている。
【0045】透明電極18・19は、液晶層20に電圧
を印加するためのITO(Indium Tin Oxide)からなる電
極である。そして、これらの透明電極18・19には、
図5で示したFPCケーブル13が接続されており、こ
のFPCケーブル13を介して、図示しない駆動回路か
らの電圧が供給されている。
【0046】液晶層20は、透明電極18・19によっ
て印加される電圧に応じて配向状態が変化する液晶材料
が封入された層である。そして、この液晶層20は、液
晶材料の配向状態に応じて、偏光板12を透過した光の
偏光状態を変化させる機能を有している。
【0047】すなわち、液晶層20は、印加される電圧
が所定の閾値未満である場合には、液晶層20は、偏光
板12を透過した光の偏光方向を約90°だけ回転させ
る配向状態となるように設定されている。一方、印加電
圧が閾値以上である場合には、偏光板12を透過してく
る直線偏光を、偏光状態に影響を与えることなく透過さ
せる配向状態となる。また、光入射側の偏光板12と光
出射側の偏光板12とにおける偏光軸の方向は直角とな
るように設定されている。従って、LCS9は、閾値以
上の電圧が印加されていない場合に光を透過させる、ノ
ーマリーホワイトの液晶表示素子となっている。
【0048】次に、LCS9a〜9c、ロッドレンズア
レイ10a〜10c、および印画紙Pの配置について説
明する。なお、LCS9a〜9c、ロッドレンズアレイ
10a〜10cの配置関係は、それぞれ互いに同一とな
っているので、以下では、LCS9a〜9cをLCS
9、ロッドレンズアレイ10a〜10cをロッドレンズ
アレイ10と呼ぶことにする。
【0049】まず、比較例として、LCS9、ロッドレ
ンズアレイ10、および印画紙Pの通常の配置について
図7を参照しながら説明する。図7に示すように、LC
S9、ロッドレンズアレイ10、および印画紙Pは、L
CS9における光出射点と印画紙Pとの距離Lが、ロッ
ドレンズアレイ10のTC(Total Conjugate length)値
に一致するように配置されるとともに、距離Lの中点と
なる位置Mと、ロッドレンズアレイ10の光軸方向の長
さにおける中心位置mとが一致するように配置される。
ここで、TC値とは、ロッドレンズアレイ10における
共役長のことであり、光の入射側の焦点位置から出射側
の焦点位置までの距離を表している。このような配置と
することによって、LCS9における各光出射点は、ロ
ッドレンズアレイ10を介して印画紙P上に、1対1で
対応した状態で照射されることになる。
【0050】すなわち、図7に示すような配置とする
と、LCS9における各画素の周囲のブラックマトリク
スの領域が、印画紙上にそのまま未露光領域として焼き
付けられてしまう。よって、焼き付け画像に縞状のむら
が生じることになり、画質の低下を招来することにな
る。
【0051】そこで、本実施形態では、LCS9、ロッ
ドレンズアレイ10、および印画紙Pの配置を図1に示
すような配置としている。すなわち、LCS9における
光出射点と印画紙Pとの距離L’の中点となる位置M’
と、ロッドレンズアレイ10の中心位置m’とが、ずれ
た位置となるように、LCS9、ロッドレンズアレイ1
0、および印画紙Pが配置されている。この際に、LC
S9を出射した光が、ロッドレンズアレイ10における
各ロッドレンズによって印画紙P上に投影される際に、
焦点が合った状態となるように各構成が配置される。す
なわち、LCS9におけるある光出射点から出射した光
は、ロッドレンズアレイ10における複数のロッドレン
ズに入射し、各ロッドレンズのそれぞれの焦点位置で印
画紙P上に照射されることになる。この場合、LCS9
における各光出射点と、印画紙P上における照射位置と
の関係は1対1とはなっておらず、1つの光出射点に対
して、複数の光照射位置が存在することになる。以下
に、このことについて詳しく説明する。
【0052】まず、ロッドレンズアレイ10の構成につ
いて説明する。図8は、ロッドレンズアレイ10の構成
の一例を示す斜視図である。同図に示すように、ロッド
レンズアレイ10は、複数のロッドレンズ15が2列に
交互に並んで配置された構成となっている。
【0053】また、図9は、図8に示すロッドレンズア
レイ10を光入射側から見た際の平面図を示している。
各ロッドレンズ15は、一定の光入射可能角度の範囲を
有しており、この範囲を越えた角度で入射した光は、光
出射側の面から出射されないという性質を有している。
したがって、LCS9における特定の1点から出射され
た光は、その光出射点が光入射可能角度の範囲に入って
いるロッドレンズ15を介してのみ、印画紙P上に照射
されることになる。
【0054】図9において、斜線領域で示されている3
つのロッドレンズ15…は、LCS9における特定の1
点から出射された光が印画紙P上に投影される際に寄与
するロッドレンズの一例を示している。すなわち、この
例では、LCS9における特定の1点から出射された光
は、3つのロッドレンズ15…を介して印画紙P上に投
影されることになる。
【0055】図10(a)および図10(b)は、図9
に示すB−B線における矢視断面図を示している。同図
(a)は、図7に示す配置状態、すなわち、LCS9に
おける光出射点と印画紙Pとの距離Lが、ロッドレンズ
アレイ10のTC値に一致するとともに、距離Lの中点
となる位置Mと、ロッドレンズアレイ10の光軸方向の
長さにおける中心位置mとが一致するような配置状態に
おける光路の状態を示している。また、同図(b)は、
図1に示す配置状態、すなわち、LCS9における光出
射点と印画紙Pとの距離L’の中点となる位置M’と、
ロッドレンズアレイ10の中心位置m’とが、ずれた位
置となるような配置状態における光路の状態を示してい
る。
【0056】図10(a)に示す状態では、光出射点E
から出射した光は、左側のロッドレンズ15を介して光
が照射される側の焦点に達する位置FLと、右側のロッ
ドレンズ15を介して光が照射される側の焦点に達する
位置FRとが一致している。すなわち、LCS9におけ
る光出射点は、ロッドレンズアレイ10を介して印画紙
P上に、1対1で対応した状態で照射されていることに
なる。別の言い方をすれば、1つの光出射点を出射した
光は、3つのロッドレンズ15…を通過し、それぞれ同
じ位置で結像することになる。
【0057】これに対して、図10(b)に示す状態で
は、光出射点Eから出射した光は、左側のロッドレンズ
15を介して光が照射される側の焦点に達する位置FL
と、右側のロッドレンズ15を介して光が照射される側
の焦点に達する位置FRとがずれている。すなわち、L
CS9における特定の光出射点から出射した光は、ロッ
ドレンズアレイ10を介して印画紙P上に、通過したロ
ッドレンズ15…の数だけ分離した状態で照射されてい
ることになる。
【0058】例えば図9に示すように、LCS9におけ
る特定の1点から出射された光が印画紙P上に投影され
る際に寄与するロッドレンズが、斜線領域で示されてい
る3つのロッドレンズ15…となっている場合、LCS
9を1つのドットとして出射した光は、印画紙P上にお
いて、3つのドットとして照射されることになる。図1
1は、このような状態における印画紙上のドットの状態
を示す説明図である。図11に示すように、中心が互い
にずれた3つのドットd1・d2・d3が重なり合って
印画紙P上に照射されることになる。なお、この図11
に示す結像は、LCS9における光出射点が円形状であ
る場合の状態を示している。
【0059】ここで、図10(b)に示す配置関係につ
いて再び説明する。この状態において、LCS9におけ
る光出射点と印画紙Pとの距離は、ロッドレンズアレイ
10のTC値よりも長くなっている。これは、ロッドレ
ンズアレイ10を、図10(a)に示す位置よりもLC
S9側に近づけているために、ロッドレンズアレイ10
における光出射側の焦点位置が延びたからである。すな
わち、LCS9における光出射点と印画紙Pとの距離
が、ロッドレンズアレイ10のTC値よりも長くなって
はいるものの、印画紙P上に照射される像は、ピントが
ずれているわけではなく、分離されている各結像自体
は、各ロッドレンズ15の焦点に位置していることにな
る。
【0060】この状態では、図10(a)に示す配置に
よって結像される元のドットの大きさよりも、図10
(b)に示す配置によって結像される各ドットd1・d
2・d3の大きさの方が若干小さくなる。しかしなが
ら、これらの3つのドットd1・d2・d3によって形
成されるドットは、元のドットの大きさよりも大きくな
ることが図11によってわかる。したがって、図10
(a)に示す配置によって焼付を行った場合には、各ド
ットの周囲に未露光領域が形成される場合にも、図10
(b)に示すような配置によって焼付を行うことによっ
てドットの大きさを大きくすることにより、未露光領域
をなくすことが可能となる。
【0061】また、上記したように、図11において、
3つのドットd1・d2・d3のそれぞれは、ピントが
合った状態の結像であるので、これらの3つのドットd
1・d2・d3によって形成されるドットの輪郭はぼけ
ているわけではない。したがって、このようなドットに
よって焼付画像が構成されていても、画像自体がぼやけ
た感じになることはなく、シャープな画質の画像を焼き
付けることも可能である。
【0062】なお、上記の構成において、3つのドット
d1・d2・d3によって形成されるドットの直径をD
を、元のドットおよびその周囲に形成される未露光領域
を含む領域の直径とほぼ等しくなるように設定すること
によって、未露光領域の発生を抑制している。この3つ
のドットd1・d2・d3によって形成されるドットの
直径の大きさの制御は、LCS9、ロッドレンズアレイ
10、および印画紙Pの配置位置を変化させることによ
って行うことができる。すなわち、ロッドレンズアレイ
10を、さらにLCS9側に近づけて、各ロッドレンズ
15における焦点の位置となるように、印画紙Pをさら
にロッドレンズアレイ10から離して配置した場合に
は、3つのドットd1・d2・d3がさらに互いに遠ざ
かる位置に照射されることになり、上記の直径Dをさら
に大きくすることができる。
【0063】このように、上記の構成によれば、未露光
領域の大きさに合わせて、印画紙P上に照射されるドッ
トの大きさを変化させることができるので、必要以上に
隣り合う画素同士を重ならせることなく、未露光領域を
なくすことが可能となる。よって、隣り合う画素同士の
重なりによる画像のぼけを最小限に抑えることが可能と
なる。
【0064】なお、必要以上に3つのドットd1・d2
・d3の位置を遠ざけてしまうと、図12に示すよう
に、各ドットd1・d2・d3が完全に分離してしま
い、これらのドットの間の領域が未露光領域となってし
まう。このような状態では、逆に未露光領域が増えてし
まい、焼付画像の画質は低下してしまう。したがって、
このような未露光領域の増大を招かない程度に、すなわ
ち、各ドットの分離が適度となるように、LCS9、ロ
ッドレンズアレイ10、および印画紙Pの配置位置を制
御することが必要である。
【0065】上記では、ロッドレンズアレイ10とし
て、図8に示すような、ロッドレンズ15…が主走査方
向に2列に交互に並んで設けられた構成のものを用いた
構成例を示した。これに対して、図13に示すような構
成のロッドレンズアレイ10を用いた構成とすることも
可能である。
【0066】この図13に示すロッドレンズアレイ10
は、ロッドレンズ15…が主走査方向に1列に並んだ構
成となっている。このような構成のロッドレンズアレイ
10を用いる場合、LCS9における特定の1点から出
射された光が印画紙P上に投影される際に主に寄与する
ロッドレンズは、隣り合う2つのロッドレンズ15・1
5となる。したがって、LCS9、ロッドレンズアレイ
10、および印画紙Pを図10(b)に示すような配置
とした場合には、LCS9における1点から出射した光
は、印画紙P上において、主走査方向に並んだ状態でド
ットが形成される。図14は、このような状態における
印画紙上のドットの状態を示す説明図である。なお、こ
の図14に示す結像は、LCS9における光出射点が円
形状である場合の状態を示している。
【0067】図14に示すように、ロッドレンズ15…
が主走査方向に1列に並んだ構成のロッドレンズアレイ
10を用いる場合には、印画紙P上に照射される画素の
形状が、主走査方向に延びた形状となる。このように、
印画紙P上において、主走査方向に長い形状の画素を照
射することによって、焼き付けられる画像の画質を向上
させることができる。以下にこのことについて説明す
る。
【0068】図15(a)および(b)は、印画紙P上
に照射される画素の形状および印画紙P上に焼き付けら
れる画素の形状を示す説明図であり、同図(a)は、例
えば図8に示すようなロッドレンズアレイ10を用いた
構成による場合、同図(b)は、図13に示すようなロ
ッドレンズアレイ10を用いた構成による場合を示して
いる。
【0069】例えば図8に示すようなロッドレンズアレ
イ10を用いた構成による場合には、LCS9から出射
される各画素は、主走査方向および副走査方向の両方向
に分離された状態で印画紙P上に照射されることにな
る。ここで、LCS9における各画素の形状が正方形で
あれば、印画紙P上に照射される画素の形状は、図15
(a)の左側の図に示すように、正方形に近いものとな
る。
【0070】ここで、本実施形態においては、走査露光
によって焼付が行われる構成となっている。すなわち、
各画素の焼付に要する時間において、印画紙Pは搬送に
伴って移動していることになる。よって、各画素が印画
紙P上に焼き付けられる領域は、各画素の印画紙P上に
照射される照射領域に、各画素の焼付に要する時間内に
印画紙Pが移動する移動量Δxだけ副走査方向に広がっ
た領域となる。このような状態で印画紙P上に焼き付け
られる画素の形状を、図15(a)の右側の図に示す。
この図に示すように、印画紙P上に焼き付けられる画素
の形状は、主走査方向の幅をa、副走査方向の幅をcと
すると、c>aとなる長方形となっている。したがっ
て、印画紙P上に焼き付けられた画像は、副走査方向に
おいて隣り合う画素同士の端部が重なることになる。よ
って、焼付画像は、若干ぼけた画質の画像となり、シャ
ープな画質の画像が必要とされる場合に対応できないと
いうう問題がある。
【0071】一方、図13に示すようなロッドレンズア
レイ10を用いた構成による場合には、LCS9から出
射される各画素は、主走査方向のみに分離された状態で
印画紙P上に照射されることになる。ここで、LCS9
における各画素の形状が正方形であれば、印画紙P上に
照射される画素の形状は、図15(b)の左側の図に示
すように、主走査方向に長い長方形に近いものとなる。
【0072】このような状態で走査露光を行うと、各画
素が印画紙P上に焼き付けられる領域は、各画素の印画
紙P上に照射される照射領域に、各画素の焼付に要する
時間内に印画紙Pが移動する移動量Δxだけ副走査方向
に広がった領域となり、図15(b)の右側に示すよう
な領域となる。ここで、印画紙P上に照射される各画素
の形状における主走査方向の幅および副走査方向の幅
と、上記の印画紙Pの移動量Δxとの関係を最適化すれ
ば、印画紙P上に焼き付けられる画素の形状は、主走査
方向の幅および副走査方向の幅が共にaとなる正方形と
することができる。また、上記の関係が若干ずれていて
も、印画紙P上に焼き付けられる画素の形状をほぼ正方
形に近づけることが可能となる。
【0073】したがって、このようにして印画紙P上に
焼き付けられた画像は、隣り合う画素同士で重なり合う
部分がほとんどなく、かつ、各画素の周囲に未露光領域
がほとんど発生していないことになる。よって、未露光
領域によるムラの発生がなく、かつ、シャープな画質の
焼付画像を提供することができる。
【0074】なお、上記では、ロッドレンズアレイ10
として、図13に示すような、主走査方向に1列にロッ
ドレンズ15…が並んだ構成について説明したが、これ
に限定するものではない。すなわち、LCS9における
任意の一点から出射した光が印画紙P上に投影される際
に寄与する複数のロッドレンズ15…が配置される領域
が、副走査方向よりも主走査方向の方が長くなるよう
に、ロッドレンズアレイ10における各ロッドレンズ1
5が配置されている構成であれば、主走査方向に並ぶロ
ッドレンズ15…の列数は何列でもよい。つまり、各ロ
ッドレンズ15の直径の大きさや、各ロッドレンズ15
の光入射可能角度などによって、ロッドレンズアレイ1
5におけるロッドレンズ15…の配置が決定されること
になる。
【0075】また、上記の構成では、図1に示すよう
に、LCS9から印画紙Pに到る光軸の方向において、
ロッドレンズアレイ10の中心位置m’を、LCS9か
ら印画紙Pまでの距離の中心位置M’よりもLCS9側
にずらした構成となっているが、逆に、上記の中心位置
m’を、中心位置M’よりも印画紙P側にずらした構成
としてもよい。この場合にも、上記とほぼ同様に作用す
ることになる。
【0076】また、上記の構成では、焼付部6として、
図4に示すような構成のものを用いていたが、これに限
定するものではなく、例えば図16に示すような構成の
焼付部6としてもよい。図16に示す焼付部6では、各
LCS9a〜9cを透過した単色光が、合成プリズム
(ダイクロイック合成プリズム)22によって合成さ
れ、1つのロッドレンズアレイ10を介して、印画紙P
における同一のドットに向けて照射されるように設定さ
れている。
【0077】また、これ以外にも、ランプ、LCS、ロ
ッドレンズアレイをそれぞれ1つずつ設けるとともに、
ランプとLCSとの間に回転板からなるBGRフィルタ
を設けた構成としてもよい。この構成の場合、BGRフ
ィルタを順次回転させて、LCSに照射する光の色を変
化させるとともに、照射されている光の色に応じて、そ
の色成分の画像データをLCSに表示させてカラー画像
を印画紙上に焼き付けることになる。また、BGRフィ
ルタを設けずに、モノクロ画像を印画紙上に焼き付ける
構成としてもよい。
【0078】また、上記では、走査露光を行う構成につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、面露
光を行う構成としてもかまわない。さらに、画像の表示
を行う手段としてLCSに限定するものではなく、例え
ばPLZTやCRT(CathodeRay Tube)などを用いた構
成としてもかまわない。
【0079】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る画
像焼付装置は、感光材料に対して光を照射することによ
って画像の焼付処理を行う画像焼付装置において、画像
情報に応じて各画素毎に出射する光量を制御する光量制
御手段と、上記光量制御手段の各画素から出射される光
を上記感光材料上に投影する複数の投影手段からなる投
影手段群とを備え、上記光量制御手段における任意の1
つの画素から出射する光が、複数の上記投影手段を介し
て上記感光材料上に照射されるとともに、各投影手段に
よって感光材料上に投影される、対応する画素の投影像
が、それぞれ異なる位置に投影される構成である。
【0080】これにより、1つの画素に対応する複数の
投影像を互いに重複した領域を残した状態で位置をずら
すことによって、感光材料上において、各画素同士の間
隔を一定にした状態で各画素の大きさを大きくすること
ができる。よって、例えば、光量制御手段から出射した
光をそのまま感光材料上に投影した場合には、各画素の
周囲に未露光領域が生じてしまうような場合にも、上記
のように、感光材料上に投影される各画素の大きさを大
きくすることによって、このような未露光領域の発生を
抑制することが可能となり、画質の向上を図ることがで
きるという効果を奏する。
【0081】請求項2の発明に係る画像焼付装置は、上
記投影手段群が、円柱形状からなり、円柱の軸方向に垂
直な断面において、中心部へいくほど屈折率が大きくな
っているロッドレンズをアレイ状に配置したロッドレン
ズアレイであり、光量制御手段からロッドレンズアレイ
を介して感光材料に到る光軸の方向において、ロッドレ
ンズアレイの中心位置が、光量制御手段の光出射面と感
光材料の露光面との距離の中心位置とずれている構成で
ある。
【0082】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、対応する画素の投影像は、互いに異なる位置に
投影されることになるので、ロッドレンズアレイの配置
位置を通常の配置位置からずらす、という簡単な構成に
よって、上記したように、未露光領域の発生を抑制する
ことが可能となり、画質の向上を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0083】請求項3の発明に係る画像焼付装置は、上
記光量制御手段が、各画素毎に、光源から出射した光の
透過量を制御する液晶表示素子である構成である。
【0084】これにより、請求項1または2の構成によ
る効果に加えて、技術的に完成度の高い液晶表示素子に
よって、各画素における光の透過量を制御しているの
で、信頼度が高く、かつ、画像情報を忠実に反映した画
像光を感光材料上に照射することができるという効果を
奏する。
【0085】請求項4の発明に係る画像焼付装置は、上
記感光材料と、上記光量制御手段および上記投影手段群
とを相対的に移動させることによって、走査露光を行う
構成である。
【0086】これにより、請求項1、2、または3の構
成による効果に加えて、例えば面露光方式と比較して、
光量制御手段の構成を簡素化することができ、装置のコ
ストを低減することができる。また、画素数を増やす場
合や、露光領域を拡大する場合にも、光量制御手段の主
走査方向の画素を増やすのみで対応することが可能とな
るという効果を奏する。
【0087】また同様に、投影手段群の構成も、主走査
方向に長くなるように、各投影手段を配置した構成のも
のとなるので、面露光方式において必要とされる構成と
比較して、より簡素な構成とすることができ、さらに装
置のコストの低減を図ることができるという効果を奏す
る。
【0088】請求項5の発明に係る画像焼付装置は、上
記光量制御手段における任意の一点から出射した光が感
光材料上に投影される際に寄与する上記複数の投影手段
が配置される領域が、副走査方向よりも主走査方向の方
が長くなるように、上記投影手段群における各投影手段
が配置されている構成である。
【0089】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、感光材料上に投影される画像における各画素の
形状が、主走査方向に長い形状となる。このようにして
感光材料上に焼き付けられた画像は、隣り合う画素同士
で重なり合う部分がほとんどなく、かつ、各画素の周囲
に未露光領域がほとんど発生していないことになる。よ
って、未露光領域によるムラの発生がなく、かつ、シャ
ープな画質の焼付画像を提供することができるという効
果を奏する。
【0090】請求項6の発明に係る写真処理装置は、請
求項1ないし5のいずれかに記載の画像焼付装置と、上
記画像焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、現
像処理液を用いることによって現像処理を行う現像部
と、上記現像部において現像処理がなされた感光材料を
乾燥させる乾燥部とを備えた構成である。
【0091】これにより、感光材料に対する焼付処理、
現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して行うこと
ができるので、使用者に操作上の負担をかけることなし
に、多量の写真を連続的にプリントすることができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真処理装置の焼
付部が備えるLCS、ロッドレンズアレイ、および印画
紙の配置を示す説明図である。
【図2】上記写真処理装置の構成を示す説明図である。
【図3】上記写真処理装置が備える露光部および印画紙
格納部の構成を示す説明図である。
【図4】上記焼付部の概略構成を示す側面図である。
【図5】上記LCSの概略構成を示す斜視図である。
【図6】図5におけるA方向から見た際の、画素開口近
傍の断面図を示している。
【図7】比較例としての、LCS、ロッドレンズアレ
イ、および印画紙の通常の配置を示す説明図である。
【図8】ロッドレンズアレイの構成の一例を示す斜視図
である。
【図9】図8に示すロッドレンズアレイを光入射側から
見た際の平面図である。
【図10】同図(a)および同図(b)は、図9に示す
B−B線における矢視断面図であり、同図(a)は、図
7に示す配置状態における光路の状態を示しており、同
図(b)は、図1に示す配置状態における光路の状態を
示している。
【図11】LCSにおける特定の1点から出射された光
が印画紙上に投影される際に寄与するロッドレンズが、
3つのロッドレンズとなっている場合、LCSを1つの
ドットとして出射した光が、印画紙上に照射される際の
ドットの状態を示す説明図である。
【図12】印画紙上に照射される3つのドットが完全に
分離してしまった状態を示す説明図である。
【図13】ロッドレンズが主走査方向に1列に並んだ構
成のロッドレンズアレイの構成を示す斜視図である。
【図14】図13に示すロッドレンズアレイを用いて露
光を行った際の印画紙上のドットの状態を示す説明図で
ある。
【図15】同図(a)および同図(b)は、印画紙上に
照射される画素の形状および印画紙上に焼き付けられる
画素の形状を示す説明図であり、同図(a)は、図8に
示すようなロッドレンズアレイを用いた構成による場
合、同図(b)は、図13に示すようなロッドレンズア
レイを用いた構成による場合を示している。
【図16】焼付部の他の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 露光部 2 印画紙格納部 3 現像部 4 乾燥部 5 PC 6 焼付部 7a・7b・7c 青色ヘッド・緑色ヘッド・赤色ヘ
ッド 8a・8b・8c ランプ(光源) 9・9a・9b・9c LCS(液晶表示素子) 10・10a・10b・10c ロッドレンズアレイ 14 画素開口 15 ロッドレンズ P 印画紙(感光材料)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光材料に対して光を照射することによっ
    て画像の焼付処理を行う画像焼付装置において、 画像情報に応じて各画素毎に出射する光量を制御する光
    量制御手段と、 上記光量制御手段の各画素から出射される光を上記感光
    材料上に投影する複数の投影手段からなる投影手段群と
    を備え、 上記光量制御手段における任意の1つの画素から出射す
    る光が、複数の上記投影手段を介して上記感光材料上に
    照射されるとともに、各投影手段によって感光材料上に
    投影される、対応する画素の投影像が、それぞれ異なる
    位置に投影されることを特徴とする画像焼付装置。
  2. 【請求項2】上記投影手段群が、円柱形状からなり、円
    柱の軸方向に垂直な断面において、中心部へいくほど屈
    折率が大きくなっているロッドレンズをアレイ状に配置
    したロッドレンズアレイであり、光量制御手段からロッ
    ドレンズアレイを介して感光材料に到る光軸の方向にお
    いて、ロッドレンズアレイの中心位置が、光量制御手段
    の光出射面と感光材料の露光面との距離の中心位置とず
    れていることを特徴とする請求項1記載の画像焼付装
    置。
  3. 【請求項3】上記光量制御手段が、各画素毎に、光源か
    ら出射した光の透過量を制御する液晶表示素子であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の画像焼付装置。
  4. 【請求項4】上記感光材料と、上記光量制御手段および
    上記投影手段群とを相対的に移動させることによって、
    走査露光を行うことを特徴とする請求項1、2、または
    3記載の画像焼付装置。
  5. 【請求項5】上記光量制御手段における任意の一点から
    出射した光が感光材料上に投影される際に寄与する上記
    複数の投影手段が配置される領域が、副走査方向よりも
    主走査方向の方が長くなるように、上記投影手段群にお
    ける各投影手段が配置されていることを特徴とする請求
    項4記載の画像焼付装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の画像
    焼付装置と、 上記画像焼付装置によって焼付が行われた感光材料を、
    現像処理液を用いることによって現像処理を行う現像部
    と、 上記現像部において現像処理がなされた感光材料を乾燥
    させる乾燥部とを備えたことを特徴とする写真処理装
    置。
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