JP2001242469A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JP2001242469A JP2000292956A JP2000292956A JP2001242469A JP 2001242469 A JP2001242469 A JP 2001242469A JP 2000292956 A JP2000292956 A JP 2000292956A JP 2000292956 A JP2000292956 A JP 2000292956A JP 2001242469 A JP2001242469 A JP 2001242469A
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Hirotaka Shinya
博孝 新屋
Ippei Ino
一平 伊納
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    • G02F1/133305Flexible substrates, e.g. plastics, organic film

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色ムラを抑制、真空領域の気泡の発生、コン
トラストの低下を抑制し、表示画像の表示品位が良好な
液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 プラスチックからなる一対の基板1と、
一対の基板1に挟持された液晶3と、一対の基板1に挟
持され、一対の基板1の間隔dを保つための複数のスペ
ーサ4とを備えており、複数のスペーサ4における一対
の基板1に挟持される方向の無荷重状態での厚みの平均
値をxとしたとき、d<x≦1.1dとする。また、ス
ペーサ4の数密度を、240個/mm2 以上、300個
/mm2 以下とする。さらに、スペーサ4の弾性率を、
一対の基板1の弾性率より大きくする。これにより、ス
ペーサ4の移動を抑制するとともに、一対の基板1の剛
性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックなど
からなる一対の基板の間にスペーサを挟持する液晶表示
素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶を挟持して液晶表示素子
を構成する一対の基板には、耐衝撃性などに優れている
という利点から、プラスチックなどからなるものが用い
られる場合がある。ところが、プラスチックなどからな
る基板は、ガスバリア性が小さい、すなわちガスが基板
を透過しやすいという問題を有している。これにより、
基板を透過したガスが液晶層内に溶け込み、気泡が発生
しやすくなるという問題が生じていた。
【0003】より具体的に説明すると、次の通りであ
る。液晶表示素子を構成する際には、基板に偏光板など
が貼り付けられる。この基板と偏光板などとは、一般に
伸縮率が異なるため、環境変化(温度・湿度などの変
化)によって基板がバイメタル状に変形することにな
る。この基板の変形により基板間のセルギャップが変化
し、液晶が挟持されている基板間の圧力が変化する。そ
して、この圧力変化により、液晶層内に溶け込んだガス
が気化し気泡が発生する。
【0004】これに対して、特開平6−281941号
公報などに開示されている技術では、基板間に挟持され
るスペーサの数を増やすことによって、特に高温・高湿
下での基板の変形を小さくすることにより、ガスバリア
性が小さい基板を用いた場合における気泡の発生を抑制
している。
【0005】また、上記の公報には、スペーサとして固
着型のものを用い、製造工程においてスペーサを基板に
固着することによりスペーサの移動を抑制し、基板の変
形を防止する技術についても開示されている。
【0006】なお、このような液晶表示素子は、一般
に、液晶注入口(液晶含浸口)を除いて周囲を封止剤に
て封止した一対の基板間に、真空含浸法により液晶を注
入した後、液晶注入口をUV硬化樹脂などからなるエン
ドシール(封止剤)にて封止して形成される。ここで、
例えば特開平5−142506号公報などに開示されて
いる技術では、液晶注入後に一対の基板からなるパネル
を加圧して液晶を押し出してから液晶注入口を封止する
ことにより、基板間のセルギャップの均一化を図ってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−281941号公報における固着型のスペーサを用
いる場合では、固着型のスペーサとして、スペーサの表
面に熱可塑性接着剤を塗布したものを用いている。この
場合では、スペーサの単価が高くなるため、液晶表示素
子のコストアップを招来するという問題が生じる。
【0008】また、この場合では、製造工程におけるシ
ール材の硬化の際の熱処理において、同時にスペーサの
基板への固着を行っているが、シール材として紫外線硬
化樹脂などを用いる場合では、別途熱処理工程を設ける
必要があり、工程の複雑化やコストアップの問題が生じ
る。
【0009】さらに、この場合では、熱可塑性接着剤が
液晶中に存在することになるため、熱処理の際に熱可塑
性接着剤が液晶中に溶け出し、液晶の性能悪化を招来し
得るという問題もある。
【0010】また、上記特開平6−281941号公報
に開示された技術では、高温・高湿下での基板変形に起
因する気泡発生に対しては効果がみられる。ところが、
スペーサの数が多すぎると、セル内における相対的な液
晶量が減少することになる。この相対的な液晶量が少な
い状態において、特に液晶が低温状態におかれ液晶自体
の収縮が大きい場合には、外部からの機械的衝撃によっ
て真空領域の気泡(液晶が排除され、かつ、気体もほと
んど含まれていない空間)が発生しやすくなるという問
題が生じる。
【0011】さらに、スペーサの数が多すぎると、液晶
表示素子のコントラストの低下を招来するという問題も
生じる。
【0012】一方、スペーサの数が少なすぎると、セル
内における相対的な液晶量は増加し、機械的衝撃による
気泡の発生度合い(耐機械的衝撃気泡性)の向上はみら
れる。しかし、スペーサの数が少ないということは、基
板間の支えが少なくなることになる。したがって、基板
の変形のしやすさ、耐押圧性の悪化、セルギャップの不
均一性などの問題を生じる。
【0013】特に、ガラスなどと比べて基板の剛性が小
さいプラスチックなどからなる基板を用いる場合では、
スペーサの密度をある程度大きくすることにより、液晶
表示素子の剛性を確保する必要がある。
【0014】また、高精度なセルギャップの調整が要求
されるSTN(Super-Twisted Nematic )型液晶セルで
は、セルギャップを均一に保つことが重要となる。具体
的には、STN型液晶セルでは、セルギャップdとセル
内に注入された液晶の複屈折Δnとの積Δnd(リタデ
ーション)によって背景色の色調が決定されるため、部
分的なセルギャップdの変動は色ムラを招来することに
なる。
【0015】セルギャップdを均一化させるためには、
上記特開平5−142506号公報に開示されたような
液晶注入口封止前のパネルの加圧が効果的であるが、こ
のときの圧力が高いと液晶を過剰排出することになる。
このため、封止後のパネルを低温環境に放置するとパネ
ル内の液晶が収縮してパネル内に真空領域の気泡を形成
してしまうことがある。
【0016】また、特にプラスチック基板を用いたパネ
ルでは、スペーサ密度(スペーサ散布密度)が低いと図
7に示すようにスペーサの有無にしたがって基板がたわ
むことになる。図7は、スペーサ4の密度が低い液晶表
示素子10の状態を示す断面図である。この液晶表示素
子10では、スペーサ4同士の間隔が広い部分において
表示側基板1aおよび裏側基板1bが内側にたわみ、こ
れによりこの部分のセルギャップが小さくなっている。
これは、STN型液晶セルでは色ムラとして認知され
る。さらに、スペーサ4が完全に等距離で分散して配置
されておればスペーサ4による表示側基板1aおよび裏
側基板1bの支持が均一になるが、一般的なスペーサ散
布技術では完全等距離分散配置は困難である。したがっ
て、スペーサ4による支持が場所によって異なるため、
セルギャップが不均一になり、上記の色ムラが強調され
ることがある。
【0017】一方、スペーサ密度が高いと表示側基板1
aおよび裏側基板1bのたわみを抑制し、さらに加圧に
よりスペーサ4の支持が均一になるため、セルギャップ
を均一にすることは比較的容易であるが、セル内空間を
占める液晶量が減少するため、低温環境に放置すると真
空領域の気泡を形成しやすくなる。
【0018】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、液晶表示素子において、工程の複雑
化などを招来することなく液晶パネルの剛性を確保し、
押圧時などにおける基板変形によるセルギャップの変動
を抑えて色ムラを抑制する。また、低温時における外部
からの機械的衝撃による真空領域の気泡の発生やコント
ラストの低下を抑制する。これにより、表示画像の表示
品位が良好な液晶表示素子を提供するとともに、その製
造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、上記の課題を解決するために、プラスチックからな
る一対の基板と、該一対の基板に挟持された液晶と、前
記一対の基板に挟持され、前記一対の基板の間隔dを保
つための複数のスペーサとを備えており、前記複数のス
ペーサにおける前記一対の基板に挟持される方向の無荷
重状態での厚みの平均値をxとしたとき、d<x≦1.
1dを満たすことを特徴としている。
【0020】上記の構成では、互いの間に液晶を挟持す
る一対の基板間の距離dを維持するために複数のスペー
サが設けられており、この複数のスペーサの平均的な厚
みx(但し一対の基板間に挟持されていない状態におけ
る無荷重状態での厚み)(以下、単にスペーサの厚みx
と称す)が距離dより大きい。つまり、液晶表示素子が
構成された状態では、一対の基板およびスペーサがその
厚み方向に圧縮された状態になっている。
【0021】このため、一対の基板をなす各基板とスペ
ーサとの接触部分には、各基板およびスペーサが圧縮さ
れることによる応力が発生する。この応力は、主にスペ
ーサの厚み方向に働く力を生じさせる。そして、この力
によって、各基板とスペーサとの間において各基板の面
方向に働く摩擦力が大きくなる。
【0022】したがって、上記の構成では、基板間の距
離dとスペーサの厚みxとが等しい場合と比較して、ス
ペーサが一対の基板に対してより確実に固定されること
になり、スペーサの基板の面方向への移動が抑制され
る。
【0023】したがって、この構成では、従来のように
接着剤が塗布された固着型のスペーサを用いることな
く、スペーサのサイズや製造工程における基板間の距離
dの調整を変更することによりスペーサを確実に固定す
ることができる。そのため、上述した固着型のスペーサ
を用いる場合における製造工程の複雑化などの問題を回
避することが可能である。
【0024】このように、スペーサを確実に固定するこ
とにより、液晶表示素子の表示面が押圧された場合など
において、スペーサが移動して基板間の距離dが変化す
ることを防ぐことができる。その結果、一対の基板間の
距離dの変化に起因して、表示画像に色ムラが発生する
ことを抑制することができる。
【0025】一方、スペーサの厚みxが基板間の距離d
の1.1倍を越える場合には、基板やスペーサの変形量
が極端に大きくなる。このため、基板間の距離を所定の
値に均一に調整することが困難となったり、基板上に形
成された透明電極が破損するなどの問題が生じることが
ある。
【0026】これに対して、上記の構成では、スペーサ
の厚みxが基板間の距離dの1.1倍以下となってい
る。これにより、基板やスペーサを過度に変形させるこ
とを防止することができ、上記の問題を回避できる。
【0027】このように、上記の構成では、液晶表示素
子において、スペーサの厚みxが基板間の距離dより大
きく基板間の距離dの1.1倍以下であることにより、
製造工程の複雑化や透明電極の破損などの問題を回避し
つつ、スペーサを確実に固定することができる。これに
より、色ムラの発生を抑えることができ、液晶表示素子
の表示品位の向上を図ることができる。
【0028】本発明の液晶表示素子は、さらに、前記ス
ペーサの数密度が、240個/mm 2 以上、300個/
mm2 以下であることが好ましい。
【0029】液晶表示素子において、スペーサの数密度
が大きくなると、相対的な液晶量が減少することにな
る。この相対的な液晶量が少ない状態では、上述したよ
うに、液晶表示素子が低温状態にあるときに外部から機
械的衝撃を受けると、真空領域の気泡が発生しやすくな
る。
【0030】上記の構成では、スペーサの数密度が30
0個/mm2 以下に設定されており、これによって相対
的な液晶量の減少に起因する真空領域の気泡の発生を抑
制することができる。
【0031】また、スペーサの数密度が300個/mm
2 以下であれば、スペーサによる光の散乱に起因する液
晶表示素子のコントラストの悪化を回避することも可能
である。
【0032】上記の構成では、さらに、スペーサの数密
度が240個/mm2 以上に設定されている。これによ
り、液晶表示素子の剛性が向上し、表示面が押圧された
場合などにおいて一対の基板が変形しにくくなる。その
結果、上記基板間の距離dの変化を抑制する効果が向上
し、色ムラの発生をさらに抑制することができる。この
ように、上記の構成では、相対的な液晶量の減少に起因
する真空領域の気泡の発生、コントラストの低下、色ム
ラの発生を抑制することができ、液晶表示素子の表示品
位の向上を図ることができる。
【0033】本発明の液晶表示素子は、さらに、前記ス
ペーサの弾性率が、前記一対の基板の弾性率より大きい
ことが好ましい。
【0034】上記の構成では、スペーサの弾性率が基板
の弾性率より大きいため、スペーサおよび基板が互いに
接触する部分において、基板における変形量がより大き
くなる。これにより、もともと平坦面であった基板の表
面に、凹部が形成されることになる。つまり、スペーサ
が基板に若干めり込みつつ基板を支えていることにな
る。
【0035】基板表面が平坦面である場合には、スペー
サは主に基板との摩擦力によって保持されることにな
る。これに対して、上記のように基板の表面に凹部が形
成されている場合には、摩擦力に加えてスペーサが凹部
に嵌まり込むことによって、スペーサが基板に確実に保
持されることになる。
【0036】したがって、上記の構成では、スペーサの
移動を抑制する効果がより向上する。このため、色ムラ
の発生をさらに効果的に抑え、液晶表示素子の表示品位
の向上を図ることができる。
【0037】本発明の液晶表示素子の製造方法は、上記
の課題を解決するために、プラスチックからなる一対の
基板の間に、この一対の基板の間隔を保つための複数の
スペーサと液晶とを挟持してなる液晶表示素子の製造方
法において、前記複数のスペーサを前記一対の基板の間
に配置し、そのスペーサが配置されている領域の周囲に
設けたシール材により前記一対の基板を張り合わせると
ともに、前記一対の基板の間に液晶を注入するための液
晶注入口を形成する工程と、前記液晶注入口を介して前
記一対の基板の間に液晶を注入する工程と、液晶が注入
された前記一対の基板の間隔を調整するために、前記一
対の基板に圧力を加え、その圧力を調整して前記液晶注
入口を封止する工程とを含み、前記複数のスペーサにお
ける前記一対の基板に挟持される方向の無荷重状態での
厚みの平均値をxとしたとき、前記圧力を調整する際に
は、液晶表示素子完成時における前記一対の基板の間隔
dが、d<x≦1.1dを満たす値となるように調整す
ることを特徴としている。
【0038】上記の方法では、液晶が注入された基板に
圧力を加えてその圧力を調整することにより、液晶表示
素子完成時に基板間の距離dとスペーサの厚みxとがd
<x≦1.1dを満たすようにする。これにより、上述
したように基板およびスペーサがその厚み方向に圧縮さ
れた状態となるため、スペーサをより確実に固定するこ
とができる。したがって、製造工程の複雑化などを回避
しつつ比較的容易な方法により、液晶表示素子の表示品
位の向上を図ることができる。
【0039】本発明の液晶表示素子の製造方法は、さら
に、前記スペーサを、その数密度が240個/mm2
上、300個/mm2 以下となるように前記一対の基板
の間に配置することが好ましい。
【0040】上記の方法では、上述したように、相対的
な液晶量の減少に起因する真空領域の気泡の発生を抑制
しつつ、剛性を向上させて液晶表示素子の表示品位およ
び信頼性の向上を比較的容易な方法によって図ることが
できる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1から図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0042】図1(a)は、本実施の形態における液晶
表示素子10の平面図であり、図1(b)は、図1
(a)におけるA−A線矢視断面図である。なお、図1
(a)および図1(b)では、本液晶表示素子10の構
成における基本的な構成要素のみを示している。また、
図1(a)および図1(b)では、説明のために一対の
基板1間のギャップであるセルギャップ(セル厚)Cg
やスペーサ4などを誇張して図示している。
【0043】本液晶表示素子10は、基本的な構成とし
て、一対の基板(上下基板)1としての表示側基板1a
および裏側基板1bと、一対の基板1を貼り合わせるシ
ール2と、一対の基板1の間に挟持された液晶3および
スペーサ4とを備えた構成である。
【0044】本液晶表示素子10では、耐衝撃性の向上
や軽量化の観点から、一対の基板1としてプラスチック
(例えばポリエーテルスルホンなど)からなる基板を用
いている。
【0045】この一対の基板1をなす表示側基板1aお
よび裏側基板1bにおける互いに対向するそれぞれの表
面(以下、内表面と称す)には、図示しない透明電極
(ITO膜)が形成されている。そして、この透明電極
で区分される領域により、画像表示の最小単位としての
画素が形成されている。
【0046】なお、本実施の形態は、液晶表示素子10
の駆動方式に限定されるものではなく、例えば単純マト
リクス駆動方式やアクティブマトリクス駆動方式などを
採用したものが考えられる。また、一対の基板1におけ
る上記の内表面には、駆動方式に応じて導電配線、スイ
ッチング素子、絶縁膜などが適宜形成される。さらに、
一対の基板1における液晶3との界面には、配向処理さ
れた配向膜が必要に応じて形成される。
【0047】そして、上記の一対の基板1は、互いの間
にスペーサ4を挟持した状態で、一対の基板1の外周に
配置されたシール2によって貼り合わされている。スペ
ーサ4は、シリカなどの無機物質やプラスチックなどか
らなる粒径の揃った球体であり、一対の基板1の間隔
(セルギャップCg、この間隔の大きさを表す場合には
セルギャップdと示す)を一定に保つ働きを担ってい
る。この一対の基板1の間には、液晶3が挟持されてお
り、シール2により外部に対して密封されている。
【0048】なお、本液晶表示素子10を実際の画像表
示装置として用いるにあたっては、上記構成に加えて偏
光板やカラーフィルタなどが表示側基板1aおよび裏側
基板1bの何れか一方、または両方における外表面(内
表面とは逆側の面)に貼り付けられる。また、本液晶表
示素子10には、本液晶表示素子10を照明する照明装
置や反射板などが組み付けられる。これらの構成につい
ては、従来の液晶表示素子と同様であるため説明は省略
する。
【0049】次に、本液晶表示素子10におけるスペー
サ4とセルギャップCgとの関係について説明する。
【0050】本液晶表示素子10では、セルギャップd
よりスペーサ4の粒径(直径、有効表示領域に存在する
スペーサの直径の平均値を指す、以下においても同じ)
の方が大きい。つまり、本液晶表示素子10は、完成さ
れた状態において、一対の基板1に対して互いが近接す
る方向に荷重が加わるようになっており、スペーサ4お
よび一対の基板1が部分的に変形(弾性変形)してスペ
ーサ4の粒径より小さいセルギャップdを保つように構
成されている。このような構成の液晶表示素子10を製
造する方法については後述する。なお、セルギャップd
は、液晶表示素子10の有効表示領域において、一対の
基板1の内表面における上記の変形部分を除いた平坦な
部分の平均値である。
【0051】この構成では、一対の基板1とスペーサ4
とが圧接された状態になるため、スペーサ4が一対の基
板1の面方向に移動することを抑制することができる。
したがって、液晶表示素子10の作製時においてスペー
サ4を均一に分散させておけば、液晶表示素子10の完
成後において表示面1dなどに外部から衝撃が加わるな
どした場合でも、スペーサ4が移動することを抑制する
ことができる。その結果、セルギャップdが変化するこ
とを防止することができ、セルギャップdの変化による
色ムラの発生を回避することが可能になる。
【0052】また、本液晶表示素子10では、さらに、
一対の基板1の弾性率(縦弾性係数、ヤング率)がスペ
ーサ4の弾性率より小さくなるように、それぞれを構成
する材料を選択している(具体的な材料については後述
する)。
【0053】この構成では、スペーサ4および一対の基
板1が互いに圧接される部分において、一対の基板1に
おける変形量がより大きくなる。これにより、もともと
平坦面であった一対の基板1の内表面に、凹部1cが形
成されることになる。つまり、図1(b)に示すよう
に、セルギャップdより大きい粒径を有するスペーサ4
が一対の基板1に若干めり込みつつ一対の基板1を橋の
ように支えている。
【0054】一対の基板1の内表面が平坦面である場合
には、スペーサ4は主に一対の基板1との摩擦力によっ
て保持されることになる。これに対して、一対の基板1
の内表面に凹部1cが形成されている場合には、摩擦力
に加えてスペーサ4が凹部1cに嵌まり込むことによっ
てより確実に保持されることになる。したがって、上記
の構成では、スペーサ4の移動を抑制する効果がより向
上する。
【0055】また、一対の基板1の弾性率がスペーサ4
の弾性率より大きい場合では、スペーサ4の変形量が不
均一になりやすく、セルギャップdが不均一になること
がある。
【0056】ここでは、表示側基板1aおよび裏側基板
1bのいずれの弾性率もスペーサ4の弾性率より小さく
設定している場合を示しているが、表示側基板1aおよ
び裏側基板1bのいずれか一方の弾性率をスペーサ4の
弾性率より小さく設定した場合であってもよい。
【0057】上記の構成は、発明が解決しようとする課
題の項における固着型のスペーサを用いるものとは異な
り、スペーサの表面に熱可塑性接着剤を塗布することで
スペーサの単価が高くなることなどによる装置のコスト
アップを回避することができる。また、熱可塑性接着剤
などの液晶3への混入を避けることができるため、液晶
3の特性悪化などの問題を回避することができる。
【0058】なお、ここではスペーサ4として球形状の
ものについて説明しているが、これに限らず、円柱形状
のものやその他の形状のものであってもよい。このと
き、そのスペーサの厚み(一対の基板1によって挟持さ
れる方向の厚み)が、ここでいう粒径に相当することに
なる。例えば、円柱形状のスペーサにおいては、その長
手方向と直行する面で切断した断面に現れる円の直径が
粒径に相当する。
【0059】このように、液晶表示素子10は、プラス
チックからなる一対の基板1と、該一対の基板1に挟持
された液晶3およびスペーサ4とを備えており、一対の
基板1における互いに対向する面(内表面)の間の距離
(セルギャップd)が、スペーサ4における一対の基板
1に挟持される方向の厚みであって、一対の基板1に挟
持されていない状態での粒径(厚み)より小さいもので
ある。
【0060】この構成では、一対の基板1およびスペー
サ4がその厚み方向に圧縮された状態になっている。こ
のため、一対の基板1をなす表示側基板1aおよび裏側
基板1bとスペーサ4との接触部分には、圧縮されるこ
とによる応力が発生する。この応力は、主にスペーサ4
の厚み方向に働く力を生じさせる。そして、この力によ
って、一対の基板1の面方向に働くスペーサ4との摩擦
力が大きくなる。
【0061】したがって、この構成では、セルギャップ
dとスペーサ4の粒径とが等しい場合と比較して、スペ
ーサ4が一対の基板1に対してより確実に固定されるこ
とになり、スペーサ4の移動が抑制される。
【0062】このように、スペーサ4を確実に固定する
ことにより、液晶表示素子10の表示面1dが押圧され
た場合などにおいて、スペーサ4が移動してセルギャッ
プdが変化することを防ぐことができる。その結果、セ
ルギャップdの変化に起因して、表示画像に色ムラが発
生することを抑制することができる。
【0063】また、スペーサ4の弾性率は、一対の基板
1の弾性率より大きいことが好ましい。
【0064】この構成では、スペーサ4および一対の基
板1が互いに接触する部分において、一対の基板1にお
ける変形量がより大きくなる。これにより、もともと平
坦面であった一対の基板1の内表面に、凹部1cが形成
されることになる。つまり、スペーサ4が一対の基板1
に若干めり込みつつ一対の基板1を支えていることにな
る。
【0065】一対の基板1の内表面が平坦面である場合
には、スペーサ4は主に一対の基板1との摩擦力によっ
て保持されることになる。これに対して、上記のように
一対の基板1の内表面に凹部1cが形成されている場合
には、摩擦力に加えてスペーサ4が凹部1cに嵌まり込
むことによって、スペーサ4が一対の基板1により確実
に保持されることになる。したがって、上記の構成で
は、スペーサ4の移動を抑制する効果がより向上する。
【0066】次に、上記構成の液晶表示素子10を製造
する方法について説明する。なお、表示側基板1aおよ
び裏側基板1bには、上記の透明電極や配向膜などが形
成されているものとする。これらの形成方法は、従来の
液晶表示素子の製造工程における方法と同様であるため
説明は省略する。
【0067】本液晶表示素子10の製造工程では、主
に、シール材塗布工程、スペーサ散布工程、基板貼合せ
工程、シール材硬化工程、パネル分断工程、液晶注入工
程、注入口封止工程の各工程を順次実施する。以下に、
この順にしたがって各工程を説明する。
【0068】シール材塗布工程では、表示側基板1aと
裏側基板1bとをスペーサ4を介して一体に貼り合わ
せ、封着するためのシール2を形成するシール材を、表
示側基板1aまたは裏側基板1bの何れか一方(ここで
は、表示側基板1aとする)の内表面に塗布する。シー
ル材の塗布形状は、後述する液晶注入工程において液晶
3を注入する液晶注入口2aの部分を欠いた枠状パター
ンである。なお、図1(a)では、便宜上液晶注入口2
aが開口している状態を示しているが、実際には液晶表
示素子10が完成した状態では液晶注入口2aは封止さ
れているものである。
【0069】このシール材の塗布は、スクリーン印刷法
やディスペンサにより描画する方法などによって行うこ
とができる。また、シール材としては、接着強度や耐湿
性などが良好である熱硬化性樹脂(例えば熱硬化性エポ
キシ樹脂)や紫外線硬化性樹脂(例えばアクリル系紫外
線硬化樹脂)などを用いることができる。
【0070】スペーサ散布工程では、表示側基板1aお
よび裏側基板1bのうち、上記のシール材が塗布されて
いないもの(ここでは、裏側基板1b)の内表面に上記
のスペーサ4を散布する。スペーサ4の散布方法とし
て、ここでは湿式散布法を採用している。つまり、スペ
ーサ4を分散させた水またはアルコール系などの混合溶
媒を、裏側基板1bに対してスプレー噴霧することで、
スペーサ4を散布する。なお、スペーサ4の散布方法と
しては、圧搾ドライ窒素などの気流で粉体状のスペーサ
4を裏側基板1b上に直接散布する乾式散布法を採用し
てもよい。
【0071】後述する実施例では、スペーサ4の密度
(数密度、散布個数)を50個/mm 2 から500個/
mm2 の間で変化させて液晶表示素子10を形成してい
る。このように、裏側基板1b上でのスペーサ4の密度
を所定の値に設定するためには、上記の散布方法により
スペーサ4を散布する散布時間を調整すればよい。つま
り、裏側基板1b上でのスペーサ4の密度は、溶媒中で
のスペーサ4密度と散布時間とを乗じた値にほぼ比例す
るため、散布時間を調整することにより裏側基板1b上
でのスペーサ4の密度を調整することができる。
【0072】基板貼合せ工程では、上記のシール材が塗
布された表示側基板1aと、スペーサ4が散布された裏
側基板1bとを精度よく位置合わせして重ね合わせる。
そして、一対の基板1間のギャップであるセルギャップ
dが所定の値となるように、重ね合わせた一対の基板1
をその厚さ方向に加圧する。
【0073】本液晶表示素子10では、上述したよう
に、完成時のセルギャップd(この値を設定値とする)
よりも大きい粒径を有するスペーサ4を用いている。し
たがって、この工程でセルギャップdが設定値になるよ
うに一対の基板1をその厚さ方向に加圧すると、上述し
たようにスペーサ4および一対の基板1が部分的に弾性
変形する。
【0074】この状態で、次のシール材硬化工程に入
り、シール材を硬化させて液晶パネルを形成する。ここ
で、シール材として熱硬化性樹脂を用いた場合には、加
熱処理することによりシール材を硬化させることができ
る。また、シール材として紫外線硬化性樹脂を用いた場
合には、紫外線を照射することによりシール材を硬化さ
せることができる。
【0075】このようにしてシール材を硬化させた後
に、セルギャップdを保つために加えていた圧力を除去
すると、スペーサ4および一対の基板1における弾性変
形部分(凹部1cなど)が復元することになる。したが
って、特にシール2から遠い部分においてセルギャップ
dが若干増加することになる。このような液晶パネルの
位置によるセルギャップdの変化は、後述する液晶注入
工程において修正される。
【0076】パネル分断工程では、上記の液晶パネル
を、所定のサイズに分断する。分断の必要がある場合と
しては、一対の基板1に複数の液晶パネルが形成されて
いる場合などである。このパネル分断工程は、設計・製
造条件に応じて適宜行うものである。
【0077】液晶注入工程では、上記の液晶パネルにお
ける一対の基板1の間の部分(液晶パネル内部)に、液
晶3を注入する。液晶パネルへの液晶3の注入は、毛細
管現象と圧力差を利用した真空注入法で行う。
【0078】具体的には、まず、液晶パネルを真空槽内
に設置し、真空槽内を1Pa程度の真空状態にする。こ
れにより、液晶3を注入すべき液晶パネル内部も真空状
態になる。次に、液晶パネルの液晶注入口2aを液晶溜
めに浸漬する。そして、真空槽内に窒素ガスなどを導入
して真空槽内の圧力を徐々に上げる。これにより、液晶
パネル内部と外部との間に圧力差が生じ、この圧力差と
セルギャップCgによる毛細管現象とにより液晶3が液
晶パネル内部に進入する。そして、真空槽内の圧力を大
気圧に戻し、液晶3の液晶パネル内部への進入が停止し
た状態で、液晶パネルを真空槽から取り出す。
【0079】次に、注入口封止工程において、液晶注入
口2aを封止する。ここで、液晶3を注入した液晶パネ
ルは、上述したように、セルギャップdが特に液晶パネ
ルの中央部において設定値よりも大きくなっている。そ
こで、液晶注入口2aを封止する際に、再度液晶パネル
を一対の基板1の厚さ方向(液晶パネル面と垂直方向)
に加圧し、液晶パネルが完成した状態でセルギャップd
が設定値となるように調整する。
【0080】なお、ここで加えている圧力を除去する
と、上述した表示側基板1aおよび裏側基板1bなどの
弾性変形による復元力により、液晶パネルが厚さ方向に
復元する(厚さが大きくなる)ことになる。この復元を
考慮することにより、上記の加圧時におけるセルギャッ
プdが実際の設定値よりもやや小さくなるように圧力を
調整する。
【0081】上記の加圧により、余分な液晶3が液晶注
入口2aから排出される。そして、液晶排出時の圧力を
保持したまま液晶注入口2aに付着した余分な液晶3を
拭き取った後、液晶注入口2aに紫外線硬化樹脂を塗布
し、液晶パネルに加える圧力を液晶排出時の圧力の2/
3に減圧して紫外線硬化樹脂からなるシール材(封止樹
脂)をセルギャップCgに浸透させる。紫外線硬化樹脂
が浸透したら、紫外線硬化樹脂を塗布した部分に紫外線
を照射して液晶注入口2aを封止する。好ましくは、液
晶排出時の圧力が30〜50kPa(約0.3〜0.5
kgf/cm2)であり、シール材浸透時の圧力が液晶
排出時の圧力の2/3である20〜33kPa(約0.
2〜0.3kgf/cm2 )である。この圧力の値は、
上記復元などを考慮して、液晶表示素子10の完成状態
においてセルギャップdが設定値となるように調整され
る。
【0082】このように、液晶パネルを加圧してセルギ
ャップdを調整した状態で液晶注入口2aを封止するこ
とで、液晶パネルに加えていた圧力を除去した際に液晶
パネルが厚さ方向に復元し、液晶パネル内が大気圧に対
してやや減圧状態となる。これにより、表示側基板1a
および裏側基板1bに等方的に荷重が加えられることに
なる。したがって、上述した液晶パネルの位置によるセ
ルギャップdの変化が修正され、液晶パネル全面におい
てセルギャップdが均一に所定の値になるように調整さ
れる。
【0083】なお、上記の製造工程によって製造された
液晶表示素子10では、液晶パネル内が大気圧に対して
やや減圧状態となる。しかし、本液晶表示素子10で
は、後述するように、スペーサ4の密度を調整すること
により充分な剛性が保たれ、一対の基板1の変形を抑制
することができるため、液晶パネル内の圧力変化は小さ
く、高温時などにおける気泡の発生も抑制される。
【0084】以上で説明した本液晶表示素子10の製造
工程の主な点をまとめると以下のようになる。裏側基板
1bの内表面にスペーサ4を、後述する適切な密度とな
るように散布する。この裏側基板1bをシール材を塗布
した表示側基板1aと張り合わせて液晶パネルを形成す
る。この液晶パネルに液晶を真空注入法で注入する。そ
して、液晶パネルの外部から圧力を加えて余分な液晶3
を排出し、圧力を加えたまま紫外線硬化樹脂を液晶注入
口2aに塗布する。その後、液晶パネルに加えている圧
力を液晶排出時の圧力の2/3程度に緩めて紫外線硬化
樹脂を液晶注入口2aから浸透させる。そして、液晶注
入口2aに紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ
て液晶注入口2aを封止する。なお、液晶パネルに加え
る圧力は、セルギャップdとスペーサの粒径xとが後述
するような関係になるように調整される。
【0085】
【実施例】次に、スペーサ4の密度と液晶表示素子の特
性との関係について説明する。ここでは、機械的衝撃に
よる気泡の発生度合い(耐機械的衝撃気泡性)、および
押圧による色ムラの発生度合い(耐押圧性)について調
べた。
【0086】なお、ここでは、上記の液晶表示素子10
として、STN型液晶セルからなるものを用いている。
【0087】また、一対の基板1としては、ポリエーテ
ルスルホン(弾性率2.35×10 9 N/m2 )からな
る厚み0.2mmのプラスチック板を用いている。スペ
ーサ4としては、粒径6.25μmであり、弾性率4.
70×109 N/m2 の積水化学工業株式会社製のミク
ロパールSP20625を用いている。したがって、ス
ペーサ4の弾性率は、一対の基板1の弾性率よりも大き
くなっている。
【0088】なお、上記以外に一対の基板1の材料とし
て採用できるものには、例えばポリカーボネート、ポリ
アリレート、エポキシ、アクリル、エポキシ/アクリル
共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリスルフォンな
どがある。また、スペーサ4の材料として採用できるも
のには、例えばジビニルベンゼン、シリカ、シロキサ
ン、アクリル、スチレンやこれらの共重合体などがあ
る。
【0089】この場合、フックの法則から圧縮弾性率の
比に基づき、スペーサ4の変形量は表示側基板1aまた
は裏側基板1bの変形量の約1/2になる。スペーサ4
が球状であり、表示側基板1aおよび裏側基板1bが平
板であるため、球状のスペーサ4が表示側基板1aおよ
び裏側基板1bの平面にめり込むことになる。
【0090】そして、これらを用いてセルギャップdが
6.0μmに設定された液晶表示素子を形成した。
【0091】まず、機械的衝撃による気泡の発生度合い
について説明する。発明が解決しようとする課題の項に
おいて述べたように、スペーサ4の数が多すぎると、セ
ルギャップCg内における液晶3の相対的な量が減少す
る。そして、特に液晶表示素子が低温状態におかれ、液
晶3自体の収縮が大きい場合には、外部からの機械的衝
撃によって真空領域の気泡(液晶3が排除され、かつ、
気体もほとんど含まれない空間)が発生しやすくなり好
ましくない。
【0092】そこで、上記の液晶表示素子において、ス
ペーサ4の密度を50個/mm2 から500個/mm2
の間で変化させてそれぞれ形成した。そして、これらの
液晶表示素子に対して、−20℃の雰囲気中において機
械的衝撃を与え、気泡発生率(%)を測定した。
【0093】ここで、スペーサ4の密度は、液晶表示素
子の有効表示領域内に含まれるスペーサ4の個数を、そ
の領域の面積で除した値で定義している。なお、実際の
液晶表示素子に対しては、液晶3が封入されている領域
における所定の5箇所において、直径1mmの円の領域
の内部に存在するスペーサ4の個数を、その円の面積で
除した値を求め、その値の全5箇所での平均値をスペー
サ4の密度とした。
【0094】機械的衝撃を与える方法としては、液晶表
示素子の表示面1dを上向きにして水平に設置し、表示
面1dから30cmの高さから直径約1cmの鋼球を表
示面1dに対して落下させた。
【0095】また、気泡発生率は、実験を行った液晶表
示素子の試験数に対する、実際に気泡が発生した液晶表
示素子の個数の割合(パーセンテージ)で表している。
【0096】図2に、上記の測定の結果を示す。図2
は、上記の測定の結果において、スペーサ4の密度の変
化に対する気泡発生率の変化を表したグラフである。
【0097】図2より明らかなように、スペーサ4の密
度が300個/mm2 以下では、気泡発生率がほぼ0
%、つまり機械的衝撃を与えた際に気泡が発生していな
い。これに対して、スペーサ4の密度が300個/mm
2 を越えると、気泡の発生が確認された。そして、スペ
ーサ4の密度の増加に伴って気泡発生率が高くなり、例
えばスペーサ4の密度が400個/mm2 では気泡発生
率が10%弱にまで増加している。
【0098】このことより、液晶表示素子において低温
状態での機械的衝撃による気泡の発生を抑制するために
は、スペーサ4の密度を小さくすればよい。特に、スペ
ーサ4の密度を300個/mm2 以下に設定した場合で
は、気泡の発生がほとんどみられなくなるため好まし
い。
【0099】ここで、スペーサ4の体積占有率を考え
る。このスペーサ4の体積占有率を、液晶パネルにおけ
る一対の基板1およびシール2により囲まれた空間(液
晶3およびスペーサ4が封入されるべき空間)の体積に
対する、この空間に含まれる全スペーサ4が占める体積
の割合として定義する。そして、上記のスペーサ4の密
度300個/mm2 を、スペーサ4の体積占有率に変換
すると約0.64%になる。したがって、スペーサ4の
体積占有率を、約0.64%以下に設定した場合に、気
泡の発生がほとんどみられなくなり好ましいといえる。
この気泡の発生とスペーサ4の体積占有率との関係は、
スペーサ4の粒径やセルギャップdなどに係わらず一般
的に成り立つものである。
【0100】なお、スペーサ4の体積占有率は、液晶パ
ネルのセルギャップd(ここでは6.0μm)、スペー
サ4の粒径(ここでは6.25μm)、およびスペーサ
4の密度に基づいて算出している。このとき、スペーサ
4などの変形は微小であるため、スペーサ4の体積は変
形前の球状のスペーサ4の体積で近似している。
【0101】具体的には、スペーサ4の粒径をxmm、
セルギャップdをdmm、スペーサ4の密度をn個/m
2 とすると、表示面1dの単位面積(Smm2 )当た
りに存在するスペーサ4の全体積の平均値vmm3 は、 v=4π・(x/2)3 ・n・S/3 となる。また、表示面1dの単位面積(Smm2 )にお
ける一対の基板1の間の空間の体積Vmm3 は、 V=d・S であることから、スペーサ4の体積占有率Ov%は、 Ov=v/V=4π・(x/2)3 ・n/3/d×10
0 となる。
【0102】次に、スペーサ4の面積占有率を考える。
このスペーサ4の面積占有率を、液晶パネルにおける液
晶3が封入されている領域の面積に対する、この領域に
含まれる全スペーサ4の表示面1dへの投影面積の割合
として定義する。そして、上記のスペーサ4の密度30
0個/mm2 を、スペーサ4の面積占有率に変換すると
約0.92%になる。
【0103】なお、スペーサ4の面積占有率も、上記の
体積占有率の場合と同様に近似して求めている。具体的
には、スペーサ4の面積占有率Os%は、 Os=π・(x/2)2 ・n×100 となる。
【0104】このように、スペーサ4の密度が300個
/mm2 以下であれば、スペーサ4の面積占有率が約
0.92%以下となる。この場合では、スペーサ4の面
積占有率が充分小さいため、スペーサ4による光の散乱
などの影響も充分小さい。したがって、スペーサ4の密
度を300個/mm2 以下とすることにより、コントラ
ストの低下を抑制することができる。
【0105】すなわち、本液晶表示素子10は、プラス
チックからなる一対の基板1と、この一対の基板1に挟
持された液晶3およびスペーサ4とを備えており、一対
の基板1の間であり、液晶3およびスペーサ4が挟持さ
れるべき空間に対するスペーサ4の体積占有率が約0.
64%以下であることが好ましい。
【0106】これにより、低温状態において液晶表示素
子10に機械的衝撃を与えた際の気泡の発生やコントラ
ストの低下を防止し、液晶表示素子10の表示品位を向
上させることができる。
【0107】次に、押圧による色ムラの発生度合いにつ
いて説明する。発明が解決しようとする課題の項におい
て述べたように、スペーサ4の数が少なすぎると一対の
基板1間の支えが少なくなる。そのため、押圧などによ
ってセルギャップdが変化しやすくなり、液晶表示素子
の表示において色ムラが発生しやすくなる。
【0108】このことは、本液晶表示素子10のよう
に、ガラスなどと比べて剛性が小さいプラスチックなど
からなる表示側基板1aや裏側基板1bを用いる場合
に、特に起こりやすい。また本液晶表示素子10のよう
に、STN型液晶セルでは、色ムラが特に顕著になりや
すい。
【0109】そこで、上記の気泡発生率と同様の実験を
行って、色ムラ発生率(%)を評価した。なお、この実
験では、上記の実験に対して、液晶表示素子を設置する
雰囲気の温度を室温(25℃)に変更した。これ以外の
条件および方法については上記の実験と同様である。
【0110】ここで、色ムラ発生率は、実験を行った液
晶表示素子の試験数に対する、実際に色ムラが発生した
液晶表示素子の個数の割合(パーセンテージ)で表して
いる。
【0111】図3に、上記の評価の結果を示す。図3
は、上記の評価の結果において、スペーサ4の密度の変
化に対する色ムラ発生率の変化を表したグラフである。
【0112】図3より明らかなように、スペーサ4の密
度が240個/mm2 以上では、色ムラ発生率がほぼ0
%、つまり液晶表示素子の表示面1dを押圧した際に色
ムラが発生していない。これに対して、スペーサ4の密
度が240個/mm2 未満では、色ムラが発生してい
る。そして、スペーサ4の密度の減少に伴って色ムラ発
生率が高くなっている。
【0113】このように、スペーサ4の密度を240個
/mm2 以上とすると、液晶表示素子の剛性が向上し、
押圧などに対して一対の基板1が変形しにくくなる。こ
れにより、セルギャップdの変化が抑制され色ムラの発
生が防止される。
【0114】このことより、液晶表示素子10におい
て、押圧による色ムラの発生を抑制するためには、スペ
ーサ4の密度を大きくすればよい。特に、スペーサ4の
密度を240個/mm2 以上に設定した場合では、色ム
ラの発生がほとんどみられなくなるため好ましい。
【0115】上記のようにして求めた気泡発生率および
色ムラ発生率の変化をまとめると図4のようになる。図
4は、スペーサ4の密度の変化に対する色ムラ発生率お
よび気泡発生率の変化を表したグラフである。図4よ
り、スペーサ4の密度を240個/mm2 以上、300
個/mm2 以下に設定することにより、機械的衝撃を与
えた際の気泡の発生、および押圧などによる色ムラの発
生を防止することができる。
【0116】次に、セルギャップdとスペーサ4の粒径
との関係による影響を調べるために、スペーサ4の粒径
を変更して液晶表示素子20を形成した。まず、スペー
サ4として、セルギャップdと等しい値の粒径のものを
用いて液晶表示素子20を形成した。具体的には、セル
ギャップdおよびスペーサ4の粒径をともに6.0μm
とした。また、スペーサ4の密度を260個/mm2
設定した。
【0117】この液晶表示素子20は、図5に示すよう
な断面形状を有することになる。ここで、図5は、セル
ギャップdに等しい粒径のスペーサ4を用いて形成した
液晶表示素子20の断面図であり、図1(b)に対応し
ている。なお、この液晶表示素子20の平面図は、図1
(a)と同等である。
【0118】この液晶表示素子20では、セルギャップ
dとスペーサ4の粒径とがほぼ等しいため、一対の基板
1およびスペーサ4はほとんど変形しない。そのため、
一対の基板1の内表面は平面を、スペーサ4は球形状を
保っている。したがって、図1(b)における凹部1c
が形成されておらず、一対の基板1がスペーサ4を面方
向に挟持する力が小さい。
【0119】このように、本液晶表示素子20は、外部
からの衝撃に対してスペーサ4の移動が起こりやすい。
したがって、本液晶表示素子20では、上記の液晶表示
素子10(図1(b)参照)と比較すると、セルギャッ
プdが不均一になり、色ムラが発生しやすい。
【0120】これに対して、上記の液晶表示素子10
は、セルギャップdよりスペーサ4の粒径の方が大きく
設定されている。そして、一対の基板1およびスペーサ
4が、互いが接する部分において弾性変形している。し
たがって、スペーサ4が一対の基板1によってより強く
挟持されていることになり、その結果、外部からの衝撃
に対してスペーサ4の移動が起こりにくい。つまり、液
晶表示素子10では、液晶表示素子20より押圧に対し
て、より色ムラが発生しにくい。
【0121】特に、液晶表示素子10では、スペーサ4
の弾性率が、表示側基板1aや裏側基板1bの弾性率よ
り大きく設定されている。これにより、表示側基板1a
や裏側基板1bに凹部1cが形成される。この凹部1c
は、表示側基板1aや裏側基板1bがスペーサ4をさら
に強固に保持するように働くため、このような構成で
は、より押圧に対する色ムラの発生を抑制する効果が得
られる。
【0122】次に、スペーサ4として、上記の液晶表示
素子10の場合より、さらに大きい粒径のもの、具体的
には粒径6.75μmのものを用いて液晶表示素子を形
成した。ここでは、スペーサ4の密度を260個/mm
2 に設定した。
【0123】この場合において、セルギャップdを6.
0μmにするためには、一対の基板1およびスペーサ4
を大きく変形させる必要があり、実際にセルギャップd
を均一に6.0μmに調整することは困難であった。
【0124】また、この液晶表示素子では、上述した−
20℃の雰囲気中における機械的衝撃に対する気泡発生
率を抑制することができなかった。これは、比較的大き
い粒径(6.75μm)のスペーサ4を用いてセルギャ
ップdを6.0μmにするため、内部に密封された液晶
3が過度に減圧された状態となっており、さらに低温状
態にすることによって液晶3が収縮するため、機械的衝
撃による真空領域の気泡が発生しやすくなるためであ
る。
【0125】さらに、この液晶表示素子では、一対の基
板1の内表面の変形量が大きいため、一対の基板1の内
表面に形成された透明電極が損傷を受け、断線される部
分が生じた。
【0126】ここで、セルギャップdに対するスペーサ
4の粒径xの比である変形率x/dを考えると、x/d
の値が大きくなるほど一対の基板1の内表面の変形量が
大きくなる。そこで、変形率x/dを変化させて液晶表
示素子を形成したところ、変形率x/dが1.1を越え
るとセルギャップdを所定値に均一に調整することが困
難となるとともに、透明電極の損傷が発生するようにな
った。
【0127】図6に、x/dの値の変化に対するセルギ
ャップムラ発生率の変化を表したグラフを示す。ここ
で、セルギャップムラ発生率は、実験を行った液晶表示
素子の試験数に対する、実際にセルギャップムラが発生
した液晶表示素子の個数の割合(パーセンテージ)で表
している。また、セルギャップムラは、セルギャップd
の不均一さを表すものであり、液晶表示素子完成時に色
ムラが発生した場合にはその液晶表示素子にセルギャッ
プムラが発生しているものとみなした。なお、上記のセ
ルギャップムラ発生率の調査は、液晶表示素子の製造ロ
ットごとに行ったものであり、図6における誤差バーは
各ロット間でのばらつきを示したものである。このばら
つきは、スペーサ4に起因しない他の要因を反映してい
るものである。
【0128】図6によると、x/dの値が大きくなるほ
どセルギャップdの調整が難しくなり、液晶表示素子に
おいてセルギャップdの不均一であるセルギャップムラ
が発生することが分かる。また、図6に示すように、x
/dが1.1を越えるとセルギャップムラの発生率は急
激に高くなる。x/d=1.1でもセルギャップムラの
発生率は0%ではないが、その発生率は許容範囲内であ
る。このことから、変形率x/dは1.1以下に設定さ
れることが好ましい。なお、セルギャップムラの発生率
の許容範囲は、良品率の観点から3%以下としている。
【0129】したがって、本実施の形態における液晶表
示素子10(図1(a)および図1(b)参照)では、
プラスチックからなる一対の基板1と、該一対の基板1
に挟持された液晶3およびスペーサ4とを備えており、
スペーサ4における一対の基板1に挟持される方向の厚
みであって、一対の基板1に挟持されていない状態での
粒径(厚み)が、一対の基板1における互いに対向する
面(内表面)の間の距離(セルギャップd)の1.1倍
以下に設定されることが好ましい。
【0130】これにより、基板やスペーサを過度に変形
させることを防止することができ、上記の問題を回避で
きる。
【0131】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子は、以上のよう
に、プラスチックからなる一対の基板の間隔dを保つた
めの複数のスペーサにおける厚みの平均値xが、d<x
≦1.1dを満たす構成である。
【0132】上記の構成では、一対の基板およびスペー
サがその厚み方向に圧縮された状態になっている。この
ため、一対の基板をなす各基板とスペーサとの接触部分
には、スペーサの厚み方向に力が働く。そして、この力
によって、各基板とスペーサとの間に各基板の面方向に
働く摩擦力が大きくなる。したがって、この構成では、
製造工程の複雑化などの問題を回避しつつスペーサを確
実に固定することができる。そして、スペーサを確実に
固定することにより、表示画像に色ムラが発生すること
を抑制することができる。
【0133】また、上記の構成では、スペーサの厚みx
が基板間の距離dの1.1倍以下となっている。これに
より、基板やスペーサを過度に変形させることによる透
明電極の破損などを防止することができる。
【0134】このように、上記の構成では、製造工程の
複雑化や透明電極の破損などの問題を回避しつつ、スペ
ーサを確実に固定することができる。これにより、色ム
ラの発生を抑えることができ、液晶表示素子の表示品位
の向上を図ることができる。
【0135】本発明の液晶表示素子は、さらに、スペー
サの数密度が、240個/mm2 以上、300個/mm
2 以下であることが好ましい。
【0136】上記の構成では、スペーサの数密度が30
0個/mm2 以下に設定されている。これにより、相対
的な液晶量の減少に起因する真空領域の気泡の発生を抑
制することができるとともに、液晶表示素子のコントラ
ストの悪化を回避することも可能である。
【0137】また、上記の構成では、スペーサの数密度
が240個/mm2 以上に設定されている。これによ
り、液晶表示素子の剛性が向上して一対の基板が変形し
にくくなり、色ムラの発生をさらに抑制することができ
る。
【0138】このように、上記の構成では、真空領域の
気泡の発生、コントラストの低下、色ムラの発生を抑制
することができ、液晶表示素子の表示品位の向上を図る
ことができる。
【0139】本発明の液晶表示素子は、さらに、スペー
サの弾性率が、一対の基板の弾性率より大きいことが好
ましい。
【0140】上記の構成では、スペーサおよび基板が互
いに接触する部分において、基板における変形量がより
大きくなる。これにより、スペーサが基板に若干めり込
みつつ基板を支えていることになる。
【0141】したがって、上記の構成では、スペーサの
移動を抑制する効果がより向上する。このため、色ムラ
の発生をさらに効果的に抑え、液晶表示素子の表示品位
の向上を図ることができる。
【0142】本発明の液晶表示素子の製造方法は、以上
のように、スペーサを配置し、その周囲に設けたシール
材により一対の基板を張り合わせるとともに、液晶注入
口を形成する工程と、一対の基板の間に液晶を注入する
工程と、一対の基板の間隔を調整するために、圧力を加
えてその圧力を調整して液晶注入口を封止する工程とを
含み、圧力を調整する際には、液晶表示素子完成時にお
ける基板の間隔dが、d<x≦1.1dを満たす値とな
るように調整する方法である。
【0143】上記の方法では、上述したように基板およ
びスペーサがその厚み方向に圧縮された状態となるた
め、スペーサをより確実に固定することができる。した
がって、製造工程の複雑化などを回避しつつ比較的容易
な方法により、液晶表示素子の表示品位の向上を図るこ
とができる。
【0144】本発明の液晶表示素子の製造方法は、さら
に、スペーサを、その数密度が240個/mm2 以上、
300個/mm2 以下となるように配置することが好ま
しい。
【0145】上記の方法では、上述したように、相対的
な液晶量の減少に起因する真空領域の気泡の発生を抑制
しつつ、剛性を向上させて液晶表示素子の表示品位およ
び信頼性の向上を比較的容易な方法によって図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本実施の形態における液晶表示素子
の平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線矢
視断面図である。
【図2】スペーサの密度の変化に対する気泡発生率の変
化を表したグラフである。
【図3】スペーサの密度の変化に対する色ムラ発生率の
変化を表したグラフである。
【図4】スペーサの密度の変化に対する色ムラ発生率お
よび気泡発生率の変化を表したグラフである。
【図5】セルギャップに等しい粒径のスペーサを用いて
形成した液晶表示素子の断面図である。
【図6】(スペーサ粒径:x)/(セルギャップ:d)
の値の変化に対するセルギャップムラ発生率の変化を表
したグラフである。
【図7】スペーサの密度が低い液晶表示素子の状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 一対の基板 1a 表示側基板 1b 裏側基板 1c 凹部 1d 表示面 2 シール 3 液晶 4 スペーサ Cg セルギャップ 10 液晶表示素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 LA20 NA09 NA25 NA41 NA42 NA44 NA45 QA12 QA14 5C094 AA03 AA36 AA42 AA43 AA44 AA45 BA43 EC03 GB01 JA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックからなる一対の基板と、該一
    対の基板に挟持された液晶と、前記一対の基板に挟持さ
    れ、前記一対の基板の間隔dを保つための複数のスペー
    サとを備えた液晶表示素子において、 前記複数のスペーサにおける前記一対の基板に挟持され
    る方向の無荷重状態での厚みの平均値をxとしたとき、
    d<x≦1.1dを満たすことを特徴とする液晶表示素
    子。
  2. 【請求項2】前記スペーサの数密度が、240個/mm
    2 以上、300個/mm2 以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記スペーサの弾性率が、前記一対の基板
    の弾性率より大きいことを特徴とする請求項1または2
    に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】プラスチックからなる一対の基板の間に、
    この一対の基板の間隔を保つための複数のスペーサと液
    晶とを挟持してなる液晶表示素子の製造方法において、 前記複数のスペーサを前記一対の基板の間に配置し、そ
    のスペーサが配置されている領域の周囲に設けたシール
    材により前記一対の基板を張り合わせるとともに、前記
    一対の基板の間に液晶を注入するための液晶注入口を形
    成する工程と、 前記液晶注入口を介して前記一対の基板の間に液晶を注
    入する工程と、 液晶が注入された前記一対の基板の間隔を調整するため
    に、前記一対の基板に圧力を加え、その圧力を調整して
    前記液晶注入口を封止する工程とを含み、 前記複数のスペーサにおける前記一対の基板に挟持され
    る方向の無荷重状態での厚みの平均値をxとしたとき、 前記圧力を調整する際には、液晶表示素子完成時におけ
    る前記一対の基板の間隔dが、d<x≦1.1dを満た
    す値となるように調整することを特徴とする液晶表示素
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記スペーサを、その数密度が240個/
    mm2 以上、300個/mm2 以下となるように前記一
    対の基板の間に配置することを特徴とする請求項4に記
    載の液晶表示素子の製造方法。
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