JP3998775B2 - 液晶表示素子装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は液晶表示素子、特に、基板間隔の均一な液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶パネルの組立工程順序を簡略に以下に述べる。
▲1▼素子基板を作製する。
▲2▼スペーサにより前記基板と対向基板の基板間隔を保ち、シール材(接着材)によって接着する。
▲3▼一対の基板をシール材により貼り合わせ、加熱加圧して強固に接着する。
▲4▼貼り合わせ、接着した一対の基板を任意の形状に分断する。
▲5▼液晶注入口から液晶を注入し、注入口を封止する。
以上の工程により、図4に示すような液晶パネルを作製していた。
【0003】
▲1▼の工程において、素子基板とは、下地基板400上にアクティブマトリクス回路および周辺回路が設けられた基板を指している。また、▲2▼の工程の対向基板401は、素子基板に対向配置して設けられる基板であって、対向電極、カラーフィルター等が形成されたものを指している。図4中において、402は表示部および周辺回路、407は封止材である。
【0004】
このような液晶表示素子においては、表示特性は基板の歪みや、セル間隔(液晶セルの液晶層の厚さ)の変化に極めて敏感に反応するため、基板の形状不変と、精度の高い均一性を有する基板間隔およびセル間隔が求められていた。特に、基板の変形による歪みは、基板間隔およびセル間隔を変化させ、色ムラを伴って表示品位を大きく損なうものであった。
【0005】
従来、基板間隔およびセル間隔を均一にする方法として、液晶層中にスペーサ(ギャップ材とも呼ぶ)を分散させ、基板全体において基板間隔およびセル間隔を均一にする方法や、対向基板と素子基板を接着するためのシール材(接着材と呼ぶこともある)中に円柱状のファイバーや、微粒子(スペーサ)を混合させることにより、基板端部において基板間隔およびセル間隔を均一にする方法が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記基板間隔およびセル間隔を均一にする方法を用いて、基板を貼り合わせると、基板間隔がバラツキ、基板が変形してしまうという問題が生じていた。なぜなら、従来のパネルの構成では、シールパターン下層に配線が形成されているので最後に下地基板に積層される層間絶縁膜表面に凸凹を有していたためである。
【0007】
このシールパターン下層の配線は、信号線であり表示部に配置されている画素部TFTに接続されている。また、この配線の端部はそのまま引き出し端子となっている。通常、層間絶縁膜として平坦化膜を積層しているが、この凸凹した箇所を完全に平坦化することはできない。
【0008】
そこで、この基板の凸凹した箇所、特に、シール材を引き出し端子部を端部に有する配線の凸部により生じるシールパターン下層の段差を緩和する方法として、シールパターンの下層にダミー配線を設ける方法(特開平9−179130号)を用いた。図5(a)のA─A’断面図で示すように、シールパターン下層の配線417は上下間でショートするのを防ぐ目的で、2層構造としている。そのために、ダミー配線413を等間隔に第2の層間絶縁膜415上および第1の層間絶縁膜414上に設けて、下部構成を一様にし、下地基板表面から層間絶縁膜表面までの距離を一定にした。
【0009】
しかしながら、作製工程中における表示素子の静電破壊防止のために、ショートリングを設けた場合、ショートリング配線411、412の上層または下層にダミー配線を設けると容量が形成されてしまうので好ましくない。
【0010】
なお、このショートリング配線の配線数411は、少なくとも走査線の数だけある。また、ショートリング配線の配線数412は、少なくとも信号線の数だけある。
【0011】
また、ショートリング配線411、412の幅は、引き出し端子(408)を端部に有する配線417(幅30〜40μm)に比べ、5μm程度と細く、層間絶縁膜を用いても平坦化できず、段差が生じていた。
【0012】
仮に、ショートリング配線411、412の上層または下層にダミー配線を設けたとしても、シールパターンを形成する他の箇所(ダミー配線を設けた箇所)と比較して、へこんでしまい、凹部が形成されてしまうといった問題点が生じていた。
【0013】
この凹部に、シール材406を設け、圧力を加えて接着すると図5(b)のB−B’断面図や、図5(c)のC−C’断面図で示すように基板401が変形し、基板間隔が一定でなくなっていた。図5(b)および図5(c)には、図示していないが、同様に下地基板400および素子基板全体も変形することは勿論である。
【0014】
一対の基板を貼り合わせて接着した時に、素子基板上の凸凹した箇所、特に、ショートリング配線周辺403、404の基板が変形して、表示にムラが生じ、表示不良が目立っていた。
【0015】
本発明は、基板間隔が一定で、干渉色等の表示ムラのない良好な液晶表示素子装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する本発明の構成は、
マトリクス回路を有する素子基板と、
前記素子基板と対向する対向基板と、
前記素子基板と前記対向基板の間隙に、少なくとも一箇所の液晶注入口から液晶を封入してなる液晶表示素子装置であって、
前記素子基板と前記対向基板は、複数の異なるシール材で接着されていることを特徴とする液晶表示素子装置である。
【0017】
また、本発明の他の構成は、
マトリクス回路を有する素子基板と、
前記素子基板と対向する対向基板と、
前記素子基板と前記対向基板の間隙に、少なくとも一箇所の液晶注入口から液晶を封入してなる液晶表示素子装置であって、
前記素子基板と前記対向基板は、第1のシール材と第2のシール材で接着されていることを特徴とする液晶表示素子装置である。
【0018】
上記構成において、前記第1のシール材の下方には、層間絶縁膜を介してショートリング配線が設けられている。
【0019】
ここでいう第1のシール材の下方とは、素子基板において、下地基板側を指している。
【0020】
上記構成において、第1のシール材と第2のシール材には、少なくとも微粒子またはファイバーが混合され、
前記第1のシール材に混合されている微粒子またはファイバーの直径は、前記第2のシール材に混合されている微粒子またはファイバーの直径よりも大きい。
【0021】
上記構成において、前記微粒子としては、グラスファイバースペーサ、プラスチィック球スペーサ、アルミナ粒子、が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1を用いて本発明の構成について説明を行う。図1は本発明の概略の上面構造図であり、周辺回路(周辺駆動回路)と表示部をパネル一体化したものである。
【0023】
本発明の液晶表示素子は、一対の基板(素子基板と対向基板101)にスペーサ118を配置して、表示部周辺をシール材105、106でシールしてセルを形成し、注入口から液晶119を封入して封止材107で封止した液晶表示素子である。
【0024】
本発明において最も特徴的な構成は、2つのシールパターンで一対の基板を貼り合わせている点である。すなわち、ショートリング配線が下層に形成されている第1のシールパターンは、粒径の大きい微粒子109を含有しているシール材105で形成し、第2のシールパターンは、第1のシールパターンの粒径より小さい微粒子110を含有しているシール材106で形成している。
【0025】
第2のシールパターンの下層には、ダミー配線113が設けられており、下地基板(100)表面から第2のシールパターンに接する層間絶縁膜(116)表面までの距離を一定に保っている。一方、第1のシールパターンの下層には、ショートリングが設けられているため、ダミー配線を形成しない。そのため、下地基板表面から第1のシールパターンに接する層間絶縁膜(116)表面までの距離は、下地基板表面から第2のシールパターンに接する層間絶縁膜(116)表面までの距離よりも短くなっており、段差が生じている。
【0026】
ショートリング配線111は、マトリクス回路の画素TFTのゲイト線に接続されており、シール材105を横切って基板端部まで延在している。また、ショートリング配線112は、マトリクス回路の画素TFTの信号線に接続されており、シール材105を横切って基板端部まで延在している。
【0027】
実際、これらのショートリング配線は多数設けられているが、図中には、便宜上、数本しか図示していない。また、配線117も多数設けられているが、同様に図中には、便宜上、数本しか図示していない。
【0028】
また、図1(c)においては、表示部および周辺回路102に配置されたスペーサ118の粒径と微粒子110の粒径が概略同一に示されているが、実際は微粒子110の粒径より表示部のスペーサ118の粒径の方が大きい。
【0029】
本発明は、ショートリング配線が下層に形成されている第1のシールパターンを、粒径の大きい微粒子を含有しているシール材で形成し、第2のシールパターンを、第1のシールパターンの粒径より小さい微粒子を含有しているシール材で形成することによって、基板間隔を一定に保つ構成とした。
【0030】
本発明においては、粒径の大きい微粒子を含有しているシール材で形成された第1のシールパターンの下層には、ダミー配線が存在しない構成とすることが重要である。第1のシールパターンは、図1に示すように、全てのショートリング配線111、112上に形成することが望ましいが、基板間隔を一定に保つことが可能であれば、特に全てのショートリング配線上に設ける必要はない。
【0031】
また、第2のシールパターンは、ショ─トリング配線領域103、104上の一部にまで延長させて、パネルの貼り合わせ時に第1のシールパターンと確実に密着するようにマージンを取ることが望ましい。ただし、このショ─トリング配線上に延長した部分(マージン)の下層には、ダミー配線が存在しない構成とする。
【0032】
すなわち、ショートリング領域のシール形成領域においては粒径の大きい微粒子によって、基板基板間隔が一定に保たれている。また、ショートリング形成領域以外のシール形成領域においては、粒径の小さい微粒子によって、基板基板間隔が一定に保たれている。
【0033】
さらに、粒径の大きい微粒子を含有しているシール材で形成されたシールパターンの端部と、粒径の小さい微粒子を含有しているシール材で形成されたシールパターンの端部との接合部においては、粒径の大きい微粒子によって、基板基板間隔が一定に保たれている。
【0034】
本発明は、層間絶縁膜(116)表面の段差の分だけ大きい粒径の微粒子を含有しているシール材を第1のシールパターンに用いる。すなわち、シールパターン形成領域において、基板間隔を一定に保つために、シール材に混合している微粒子の粒径を調整することを特徴としている。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、この実施例に限定されないことは勿論である。
図1は、本発明の一実施例を示す図である。
図1(a)は、液晶セルの基本的な上面図であり、図1(b)は、基板と垂直にB−B’面で切断して内部を示した断面図である。
以下に、本実施例のパネルの作製工程を説明する。
【0036】
まず、素子基板と対向基板101を用意する。
【0037】
素子基板とは、下地基板100上にアクティブマトリクス回路および周辺回路が設けられた基板を指している。ここで、103はショートリング配線領域(走査線側)、111はショートリング配線、104はショートリング配線領域(信号線側)、112はショートリング配線、113はダミー配線、114は下地膜または第1の層間絶縁膜、115は第2の層間絶縁膜、116は第3の層間絶縁膜、117は引き出し端子を端部に有する配線である。
【0038】
素子基板において、ダミー配線113が設けられているが、これはシールパターンが形成される領域において、引き出し端子(100)を端部に有する配線117の箇所が凸部となるため、高さを均一にするために同時に形成したものである。
【0039】
また、対向基板101は、素子基板に対向配置して設けられる基板であって、対向電極、カラーフィルター等が形成されたものを指している。下地基板と対向基板は、ガラス基板、プラスティック基板等の絶縁性を有する基板であれば、特に限定されない。
【0040】
次に、上記素子基板と対向基板に液晶を配向させるための配向膜(図示しない)を塗布し、焼成した後にラビング処理を行う。本実施例においては、液晶を垂直配向させる。
【0041】
次いで、スペーサ118を表示部および周辺回路102に選択的に散布する。スペーサ材としては、ポリマー系、ガラス系、シリカ系等の球形状のものを用いる。シール材で囲まれた表示部にはスペーサが均一に分散されて、セル間隔を均一にする機能を果たしている。本実施例において、このスペーサ118の粒径は、5μmのものを用いた。
【0042】
その後、シール印刷機またはシールディスペンサーにより、素子基板あるいは対向基板にパネルのシールパターンを設ける。シール材105、106には、紫外線硬化性や熱硬化性を有し、且つ、円柱状のファイバーあるいは微粒子109、110が混合されている封止用の樹脂等を用いる。
【0043】
微粒子109、110としては、グラスファイバースペーサ、プラスチィック球スペーサ、アルミナ粒子、が挙げられる。
【0044】
本実施例においては、2種類のそれぞれ粒径の異なる微粒子を含むシール材105、106を用いてシールパターンを設ける。なぜなら、本実施例における素子基板表面は、段差を有しており、特に、ショートリング配線形成領域103、104において、下地基板(100)表面から層間絶縁膜(116)表面までの距離が、他の箇所の下地基板(100)表面から層間絶縁膜(116)表面までの距離よりも短いからである。
【0045】
従って、ショートリング配線が下層に形成されている領域には、粒径の大きい微粒子109を含有しているシール材105で第1のシールパターンを形成する。ショートリング配線が下層に存在しない領域には、第1のシールパターンの粒径より小さい微粒子110を含有しているシール材106で第2のシールパターンを形成する。また、第1のシール材の微粒子109の粒径と、第2のシール材の微粒子110の粒径の差は、層間絶縁膜116の段差の距離と概略等しい構成とした。こうすることによって、基板間隔を一定に保つ構成とする。本実施例において、この微粒子109の粒径は、4.2μm、微粒子110の粒径は、4μmのものを用いた。
【0046】
シール材の形状は、図1に示すような角枠状に限定されず、素子に要求される表示領域の形状に応じて任意の形状をとることができる。
【0047】
次に、スペーサとシールパターンが設けられた素子基板あるいは対向基板を重ね合わせて、熱プレスを行い接着させる。この時に、2種類のシールパターンが接合される。
【0048】
次に、スクライバーとブレイカーによる分断工程により、液晶材料の注入口を形成し、該注入口をパネルの一対の端面が揃っている辺に1つまたは複数設ける。この時ショートリングも切断される。
【0049】
そして、液晶層は液晶注入口から液晶材料119を注入し、封止材107により注入口を封止することにより形成される。
【0050】
液晶材料119としては、ネマチック、スメクチック、コレステリック等を使用できる。ここではネマチック液晶を用いる。
【0051】
また、ここでの封止材107としては、紫外線硬化型や熱硬化型の封止用の樹脂を用いた。
【0052】
本実施例においては、透過型の液晶表示素子を作製したが、反射型の液晶表示素子を作製する場合には、素子基板に反射電極を設け、表示部のスペーサの直径は5μm、第1のシール材に含有されている微粒子の粒径は3.8μm、第2のシール材に含有されている微粒子の粒径は3μmのものを用いる。
【0053】
以上のようにして、基板間隔とセル間隔を一定にすることができ、均一な背景色と良好な表示特性を有する液晶表示素子装置が得られる。
【0054】
〔実施例2〕
図2に本実施例の構造図を示す。
本実施例は、4つのシールパターンで構成した場合の例である。
基本的な構成は、実施例1で作製したものとほぼ同様である。図2中において、200は下地基板、201は対向基板、202は表示部および周辺(駆動)回路、207は封止材、208は引き出し端子、217は引き出し端子(208)を端部に有する配線である。
【0055】
ショートリング配線領域203、204のみに、第2のシール材206の外縁に接して第1のシール材205を形成した構成とした。こうすることによって、粒径の大きい微粒子を含有しているシール材で形成された第1のシールパターンの下層に、より確実にダミー配線が存在しない構成とすることができる。
【0056】
本実施例において、表示部および周辺(駆動)回路202に配置されたスペーサの直径は4.5μm、第1のシール材に含有されている微粒子の粒径は4μm、第2のシール材に含有されている微粒子の粒径は3.8μmのものを用いた。
【0057】
〔実施例3〕
図3に本実施例の構造図を示す。
本実施例は、4つのシールパターンで構成した場合の例である。
基本的な構成は、実施例1で作製したものとほぼ同様である。図3中において、300は下地基板、301は対向基板、302は表示部および周辺(駆動)回路、307は封止材、308は引き出し端子、317は引き出し端子(308)を端部に有する配線である。
【0058】
ショートリング配線領域303、304のみに、第2のシール材306の内縁に接して第1のシール材305を形成した構成とした。こうすることによって、粒径の大きい微粒子を含有しているシール材で形成された第1のシールパターンの下層に、より確実にダミー配線が存在しない構成とすることができる。
【0059】
本実施例において、表示部および周辺(駆動)回路302に配置されたスペーサの直径は5μm、第1のシール材に含有されている微粒子の粒径は4.2μm、第2のシール材に含有されている微粒子の粒径は4μmのものを用いた。
【0060】
〔実施例4〕
本実施例では、本発明を利用した電気光学装置を利用する電子機器(応用製品)の一例を図6に示す。なお、電子機器とは半導体回路および/または電気光学装置を搭載した製品のことを意味している。
【0061】
本願発明を適用しうる電子機器としてはビデオカメラ、電子スチルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、PHS(パーソナルハンディフォンシステム)等)などが挙げられる。
【0062】
図6(A)は携帯電話であり、本体2001、音声出力部2002、音声入力部2003、表示装置2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006で構成される。本願発明は音声出力部2002、音声出力部2003、表示装置2004等に適用することができる。
【0063】
図6(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示装置2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106で構成される。本願発明は表示装置2102、音声入力部2103、受像部2106等に適用することができる。
【0064】
図6(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示装置2205で構成される。本願発明はカメラ部2202、受像部2203、表示装置2205等に適用できる。
【0065】
図6(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体2301、表示装置2302、バンド部2303で構成される。本発明は表示装置2302に適用することができる。
【0066】
図6(E)はリア型プロジェクターであり、本体2401、光源2402、表示装置2403、偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター2405、2406、スクリーン2407で構成される。本発明は表示装置2403に適用することができる。
【0067】
図6(F)はフロント型プロジェクターであり、本体2501、光源2502、表示装置2503、光学系2504、スクリーン2505で構成される。本発明は表示装置2503に適用することができる。
【0068】
以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、電気光学装置や半導体回路を必要とする製品であれば全てに適用できる。
【0069】
【発明の効果】
本発明では、粒径の異なる微粒子がそれぞれ混合されている複数のシール材を用いた。
【0070】
粒径の大きい微粒子を含有しているシール材はショートリングの箇所に設け、他の箇所には、粒径の小さい微粒子を含有しているシール材を設ける構造としたため、一定の基板間隔を高精度に保ち、干渉色等の表示ムラがなく、コントラストが良好な液晶表示素子装置を提供することができる。
【0071】
特に、本発明は、液晶の複屈折性を利用する(ECBモード)液晶表示素子において、最も効果を発揮する。また、本発明は、例えば、透過型液晶表示素子、反射型液晶表示素子、代表的には、TN型液晶表示素子、S−TN型液晶表示素子等のあらゆる液晶表示モードに適用することができ、同様の効果、すなわち、干渉色等の表示ムラ(輝度ムラ等)がなく、良好なコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における上面構造図および断面図
【図2】 本発明の実施例2における上面構造図
【図3】 本発明の実施例3における上面構造図
【図4】 従来例の上面構造図
【図5】 従来例の断面図
【図6】 電気機器の一例を示す図
【符号の説明】
100 下地基板
101 対向基板
102 表示部および周辺回路
103 ショートリング配線領域(走査線側)
104 ショートリング配線領域(信号線側)
105 第1のシール材
106 第2のシール材
107 封止材
108 引き出し端子
109 微粒子(第1のシール材)
110 微粒子(第2のシール材)
111 ショートリング配線(走査線)
112 ショートリング配線(信号線)
113 ダミー配線
114 下地膜または第1の層間絶縁膜
115 第2の層間絶縁膜
116 第3の層間絶縁膜
117 引き出し端子を端部に有する配線
118 スペーサ(表示部および周辺回路102上に配置された)
119 液晶材料
Claims (6)
- マトリクス回路を有する素子基板と、
前記素子基板と対向する対向基板と、を有し、
前記素子基板と前記対向基板の間隙に、少なくとも一箇所の液晶注入口から液晶を封入してなる液晶表示素子装置であって、
前記素子基板と前記対向基板は、粒径の大きい微粒子が混合された第1のシール材と粒径の小さい微粒子が混合された第2のシール材で接着され、前記素子基板と前記対向基板との間隔は一定に保持され、
前記第1のシール材の下方には、層間絶縁膜を介してショートリング配線が設けられ、
前記第2のシール材の下方には、前記層間絶縁膜を介してダミー配線が設けられていることを特徴とする液晶表示素子装置。 - マトリクス回路を有する素子基板と、
前記素子基板と対向する対向基板と、を有し、
前記素子基板と前記対向基板の間隙に、少なくとも一箇所の液晶注入口から液晶を封入してなる液晶表示素子装置であって、
前記素子基板と前記対向基板は、粒径の大きい微粒子が混合された第1のシール材と粒径の小さい微粒子が混合された第2のシール材で接着され、前記素子基板と前記対向基板との間隔は一定に保持され、
前記素子基板上には第1の層間絶縁膜が設けられ、
前記第1の層間絶縁膜上であって、前記第2のシール材下方には第1のダミー配線が設けられ、
前記第1のダミー配線及び前記第1の層間絶縁膜上には第2の層間絶縁膜が設けられ、
前記第2の層間絶縁膜上であって、前記第2のシール材下方には第2のダミー配線が設けられ、
前記第2の層間絶縁膜上であって、前記第1のシール材下方にはショートリング配線が設けられ、
前記第2のダミー配線、前記ショートリング配線及び前記第2の層間絶縁膜上には第3の層間絶縁膜が設けられ、
前記第1のシール材及び第2のシール材は前記第3の層間絶縁膜上に接して設けられていることを特徴とする液晶表示素子装置。 - マトリクス回路を有する素子基板と、
前記素子基板と対向する対向基板と、を有し、
前記素子基板と前記対向基板の間隙に、少なくとも一箇所の液晶注入口から液晶を封入してなる液晶表示素子装置であって、
前記素子基板と前記対向基板は、粒径の大きい微粒子が混合された第1のシール材と粒径の小さい微粒子が混合された第2のシール材で接着され、前記素子基板と前記対向基板との間隔は一定に保持され、
前記素子基板上には第1の層間絶縁膜が設けられ、
前記第1の層間絶縁膜上であって、前記第2のシール材下方には第1のダミー配線が設けられ、
前記第1の層間絶縁膜上であって、前記第1のシール材下方にはショートリング配線が設けられ、
前記第1のダミー配線、前記ショートリング配線及び前記第1の層間絶縁膜上には第2の層間絶縁膜が設けられ、
前記第2の層間絶縁膜上であって、前記第2のシール材下方には第2のダミー配線が設けられ、
前記第2のダミー配線及び前記第2の層間絶縁膜上には第3の層間絶縁膜が設けられ、
前記第1のシール材及び第2のシール材は前記第3の層間絶縁膜上に接して設けられていることを特徴とする液晶表示素子装置。 - 請求項1において、前記素子基板表面から前記第1のシール材に接する前記層間絶縁膜表面までの距離は、前記素子基板表面から前記第2のシール材に接する前記層間絶縁膜表面までの距離よりも短いことを特徴とする液晶表示素子装置。
- 請求項2又は3において、前記素子基板表面から前記第1のシール材に接する前記第3の層間絶縁膜表面までの距離は、前記素子基板表面から前記第2のシール材に接する前記第3の層間絶縁膜表面までの距離よりも短いことを特徴とする液晶表示素子装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一において、前記微粒子は、グラスファイバースペーサ、プラスチィック球スペーサ、アルミナ粒子から選ばれたものを用いることを特徴とする液晶表示素子装置。
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