JP2001240418A - オキシナイトライドガラスのプレス成形方法および該方法によって成形されたオキシナイトライドガラス製ディスク - Google Patents

オキシナイトライドガラスのプレス成形方法および該方法によって成形されたオキシナイトライドガラス製ディスク

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JP2001240418A
JP2001240418A JP2000389307A JP2000389307A JP2001240418A JP 2001240418 A JP2001240418 A JP 2001240418A JP 2000389307 A JP2000389307 A JP 2000389307A JP 2000389307 A JP2000389307 A JP 2000389307A JP 2001240418 A JP2001240418 A JP 2001240418A
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Moriyoshi Kanamaru
守賀 金丸
Katsuhisa Takagi
勝寿 高木
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 オキシナイトライドガラスをディスク化する
ために、最適のプレス条件を見出すと共に、比剛性の高
い高性能な磁気ディスクとして有用なオキシナイトライ
ドガラス製ディスクを提供する。 【解決手段】 オキシナイトライドガラスを用いて、半
径r、厚み2hのディスクをプレス成形によって得るた
めの成形方法であって、プレス荷重F、プレス温度Tお
よびプレス時間tが下式(1)の範囲内になるように設
定してプレスする。 ここで、F:プレス荷重(N)、T:温度(℃)、t:
時間(秒)、π:円周率、r:プレス後のディスクの半
径(mm)、h:プレス後のディスクの半厚み(m
m)、A:ガラスの組成によって決まる定数(℃)14
50≧A≧650

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク等記
録媒体用のディスクとして利用可能なディスクをオキシ
ナイトライドガラスでプレス成形する場合のプレス成形
方法を好適なガラスと該ガラスを用いたハードディスク
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置の分野では、記録密度
と転送速度の向上を目指して日進月歩の技術開発がなさ
れている。特に昨今は、転送速度の向上を目指してディ
スクの高速回転化が急務となっており、高速回転中にも
振動しない様な高比剛性ディスク材料が望まれている。
従来から使用されているアルミニウム製ディスク(以下
アルミ基板と言う)の比剛性は26.7(ヤング率:7
2GPa/密度:2.7g/cm3)であり、1000
0rpmに及ぶ高速回転中での使用には、その2倍以上
の比剛性が必要と言われている。しかしながら、アルミ
基板の比剛性を倍増させるためには、セラミックスとの
複合化(MMC)等の方法しかなく、コスト面から見て
実用可能性は低い。
【0003】一方、2.5インチサイズで使用されてい
るガラス製ディスク(以下ガラス基板)は、高比剛性化
し易いという点で注目を集めている。例えばガラスを適
当な温度で熱処理し、高ヤング率な結晶相を析出させる
ことでガラスセラミックス化し、ヤング率を向上させる
試みが多くなされている。例えば、特開平6−3294
40号公報、特開平8−111024号公報、特開平8
−221747号公報には、二酸化リチウム結晶とαク
オーツ結晶を析出させる例が開示されている。また、特
開平9−77531号公報には、尖晶石結晶を析出させ
ることによってヤング率を109〜144Gpa、比剛
性を36〜47に向上させた例が開示されている。
【0004】しかしながら、ガラスの比剛性自体は結晶
化により上がるものの、硬質結晶相と軟質ガラス相の複
合組織になっているため、ポリシングの際に微細な段差
が生じ、ディスクに必要とされる超鏡面が得られにくい
欠点がある。
【0005】一方、ガラスそのものの比剛性向上策とし
て、ガラスのヤング率を改善する効果が期待される希土
類を添加する方策も知られている。しかしながら、希土
類を添加するとガラスのヤング率が向上すると同時に比
重が増加し、その結果として比剛性は期待通りには向上
しない。
【0006】そこで、ガラスの比重を著しく増加させる
ことなく、ヤング率を向上させる方策として、ガラス中
の酸素を窒素で置き換えたオキシナイトライドガラスを
使用することが検討されている。しかし、オキシナイト
ライドガラスは高温での粘性が高く、工業的にプレス成
形でディスク化することが難しかった。特に、高温で粘
性を増したガラスが、プレス型に付着してしまい、目的
とする大きさのディスクが得られないことがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、オ
キシナイトライドガラスをディスク化するために、最適
のプレス条件を見出すと共に、比剛性の高い高性能な磁
気ディスクとして有用なオキシナイトライドガラス製デ
ィスクを提供することを課題として掲げた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、オキシナイト
ライドガラスを用いて、半径r、厚み2hのディスクを
プレス成形によって得るための成形方法であって、プレ
ス荷重F、プレス温度Tおよびプレス時間tが下式
(1)の範囲内になるように設定してプレスするところ
に要旨を有する。
【0009】
【数2】
【0010】式(1)中、F:プレス荷重(N)、T:
温度(℃)、t:時間(秒)、 π:円周率、r:プレス後のディスクの半径(mm)、 h:プレス後のディスクの半厚み(mm)、 A:ガラスの組成によって決まる定数(℃)であり、 1450≧A≧650である。
【0011】また、特に5eq%以上のNを含むオキシ
ナイトライドガラスをプレス成形するに当たり、オキシ
ナイトライドガラスにマイクロ波を照射することによっ
て、該ガラスを所定のプレス温度に加熱する方法は、プ
レス型へのガラスの付着を防ぐことができ、本発明法の
好ましい実施態様である。
【0012】本発明には、上記方法でプレスされたオキ
シナイトライドガラス製ディスクも含まれる。ディスク
の材料としては、M1−Al−Si−O−N(M1は、C
a、Mg、Y、Gd、CeおよびLaのうちの1種また
は2種以上)で表されるオキシナイトライドガラス、M
2−Si−O−N(M2は、Caおよび/またはMg)で
表されるオキシナイトライドガラス、あるいはこれらの
組成のガラスを2種以上混合したオキシナイトライドガ
ラスのいずれかを用いることが好ましい。
【0013】特に、M1がCa、Mg、Y、Gdおよび
Ceのうちの1種であることが好ましく、この組成のオ
キシナイトライドガラスについては、5eq%≦N≦2
5eq%の範囲でのM1、AlおよびSiの金属成分量
が図1〜5に示される斜線部内であり、かつ、O+N=
100eq%であることがより好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、オキシナイトライドガ
ラスを円盤状物(ディスク)に成形するための条件を検
討した結果、プレス荷重F、プレス温度Tおよびプレス
時間tについて、下式(1)の範囲内になるように設定
することによって、所望半径rおよび所望厚み2hのデ
ィスクが得られることを見出した。
【0015】
【数3】
【0016】式(1)中、F:プレス荷重(N)、T:
温度(℃)、t:時間(秒)、 π:円周率、r:プレス後のディスクの半径(mm)、 h:プレス後のディスクの半厚み(mm)、 A:ガラスの組成によって決まる定数であり、 1450℃≧A≧650℃である。
【0017】半径rおよび厚み2hのディスクをプレス
成形によって得ようとするときに、ガラスの組成によっ
て決まる定数A(後述する)、rおよびhは定数であ
り、プレス荷重F、プレス温度T、プレス時間tは変数
である。プレス温度Tを、1900℃以下に定めたの
は、1900℃以上でプレス成形すると、ガラス中の窒
素量が減少して、ヤング率が下がり、目的とする比剛性
の高いガラス製ディスクが得られないためである。
【0018】上記式の範囲からはずれるようなプレス荷
重F、プレス温度T、プレス時間tを選択すると、半径
t、厚み2hのディスクを得ることはできない。すなわ
ち、半径がtより小さなディスクになり、目的とする大
きさのディスクが得られないのである。オキシナイトラ
イドガラスの粘性はプレス温度Tと関係するが、プレス
後に得られるディスクの半径は、プレス荷重Fおよびプ
レス時間tにも関連する。このことから、本発明では、
式(1)において、プレス荷重F、プレス時間tおよび
プレス温度Tを変数とした。これらの変数が関連し合っ
た結果、式(1)の範囲であれば、所望形状のディスク
が確実に得られることが見出されたので、ヤング率の高
い高性能なガラス製ディスクを工業的に生産することが
できるようになった。なお、成形前のガラスの形状は特
に限定されない。プレス成形における成否は、最終形状
(半径r)と、上記変数によって定まり、プレス前の形
状には影響を受けないためである。
【0019】式(1)におけるAは、オキシナイトライ
ドガラスの組成によって決まる定数である。すなわち、
オキシナイトライドガラスの組成によって粘性挙動が変
わるため、これを加味したものである。Aの値は各ガラ
ス組成によって幅があるが、650〜1450の範囲内
に収まる。
【0020】上記プレス成形に際し、所定のプレス温度
を得るためには、オキシナイトライドガラスをプレス型
ごと、抵抗加熱炉へ入れて加熱する方法が簡便である。
しかし、プレス型ごと加熱すると、型も加熱しなければ
ならないことからエネルギー的に無駄であり、長時間高
温に耐えることのできる型材料を選択する必要もある。
さらに、プレス後にガラスがプレス型に付着し易く、所
望の形状のディスクが得られないこともある。このた
め、マイクロ波をガラスゴブに照射して加熱する方法を
採用してもよい。このマイクロ波加熱法であればガラス
のみを加熱して、型温度を低減させることができるの
で、型材料に過酷な耐熱性は要求されず、型とガラスの
付着といった不都合も起こらない。
【0021】マイクロ波加熱を利用したプレスの具体的
な方法としては、プレス型上にプレスすべきガラスゴブ
を置いてマイクロ波を照射し、ガラスが所定の温度に達
したら、速やかにプレスすればよい。マイクロ波として
は、速やかにガラスを加熱するために、周波数20GH
z以上とすることが好ましい。Nが5eq%より少ない
と、ガラスの誘電率が低く、マイクロ波加熱が難しいの
で、このマイクロ波加熱法はNが5eq%以上のオキシ
ナイトライドガラスに用いることが好ましい。型の素材
としては、オキシナイトライドガラスのプレス温度に耐
え得る材料が好ましく、黒鉛、等方性グラファイト、不
浸透性カーボン、ガラス状カーボン等が挙げられる。
【0022】次に、上記プレス条件によってディスクの
製造に用いることのできるオキシナイトライドガラスの
組成について説明する。本発明のディスクの材料は、 M1−Al−Si−O−N(M1は、Ca、Mg、Y、
Gd、CeおよびLaのうちの1種または2種以上)で
表されるオキシナイトライドガラス、 M2−Si−O−N(M2は、Caおよび/またはM
g)で表されるオキシナイトライドガラス、 およびのガラスを2種以上混合したオキシナイト
ライドガラスのいずれかである。
【0023】において、通常はM1は、Ca、Mg、
Y、Gd、CeおよびLaのうちの1種である組成が知
られているが、2種以上の金属元素が混在していても構
わない。においても、MgとCaの両方が混在してい
ても良い。は、プレス前に2種以上の組成のガラスを
混合したような場合である。
【0024】本発明において好ましく用いられるオキシ
ナイトライドガラスは、O+N=100eq%とすると
きの窒素が5eq%≦N≦25eq%のものである。窒
素が5eq%より少ないと、ヤング率の高いディスクが
得にくく、窒素が25eq%を超えると、窒化珪素等が
析出する可能性がありディスクとしては好ましくないか
らである。
【0025】M1、Al、Siの3つの金属成分の組成
比(M1+Al+Si=100eq%)については、C
a−Al−Si−O−Nで表せるCa系オキシナイトラ
イドガラスにおいては図1に示される組成図における斜
線部内、Mg−Al−Si−O−Nで表せるMg系オキ
シナイトライドガラスにおいては図2に示される組成図
における斜線部内、Y−Al−Si−O−Nで表せるY
系オキシナイトライドガラスにおいては図3に示される
組成図における斜線部内、Gd−Al−Si−O−Nで
表せるオキシナイトライドガラスにおいては図4に示さ
れる組成図における斜線部内、Ce−Al−Si−O−
Nで表せるオキシナイトライドガラスにおいては図5に
示される組成図における斜線部内の組成比を選択するこ
とが、プレス成形性と得られるディスクの性能の点で最
も好ましい。これらの斜線部分の組成比は、本願出願人
によって出願された特願平11−96987号に示され
るように、高ヤング率で均質なガラスを得ることのでき
る組成として決定されたものである。
【0026】前記式(1)におけるA(℃)の値は、ガ
ラス組成によって異なる。例えば、M1−Al−Si−
O−N(M1は、Ca、Mg、Y、Gd、CeおよびL
aのうちの1種または2種以上)で表されるオキシナイ
トライドガラスにおいて、窒素が5eq%(O+N=1
00eq%)であれば、A値は、Ca系では850、M
g系では650、Y系では1150、Gd系では125
0、Ce系では1200である。窒素が20eq%(O
+N=100eq%)であれば、A値は、Ca系では1
000、Mg系では800、Y系では1300、Gd系
では1400、Ce系では1350であり、窒素が5%
の場合に比べて150ずつ増加する。
【0027】窒素が25eq%(O+N=100eq
%)であれば、A値は、Ca系では1050、Mg系で
は850、Y系では1350、Gd系では1450、C
e系では1400であり、窒素が5%の場合に比べてそ
れぞれ200ずつ、窒素が20%の場合に比べてそれぞ
れ50ずつ増える。
【0028】すなわち、窒素が5%の場合を基準とし
て、窒素1%につき10℃ずつ増大させれば、各組成の
A値がわかる。A値が正しく決定されないと、式(1)
を用いてもプレス成形がうまくいかないこととなる。M
2−Si−O−N(M2は、Caおよび/またはMg)の
場合も上記と同様にA値を決定するとよい。また、混合
系、適宜、混合比を加味してA値を決定するとよい。
【0029】オキシナイトライドガラスは、金属酸化物
(SiO2、Al23、MgO、CaO等)と、窒素源
となる窒化物(Si34、AlN、BN等)を混合し、
高温で溶融後急冷する方法によって作成することができ
る。また、金属酸化物をN2ガスやNH3ガス中で溶融す
る方法、溶融ガラスにN2ガスやNH3をバブリングで吹
き込む方法、多孔質ガラスをNH3ガス中で焼成する方
法等も採用可能である。
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て
本発明に含まれる。
【0031】実験例1 表1に示した組成のM1−Al−Si−O−N(M1は、
Ca、Mg、Y、GdまたはCe)系オキシナイトライ
ドガラスを用いてプレス成形実験を行った。この実験で
は、プレス温度への加熱は抵抗加熱炉内で行った。表
中、オキシナイトライドガラスの組成は、酸素0および
窒素Nの和が100eq%、残る金属元素の和が100
eq%となる。
【0032】
【表1】
【0033】プレス実験は、プレス後のディスクの半厚
みhが0.6mmの一定となるようにし、半径48mm
のディスクを成形することのできる型内に、表1に示し
た組成のオキシナイトライドガラスのゴブを入れて、プ
レスすることにより行った。プレス荷重F(N)は、1
960〜14210N、プレス時間t(秒)は、1〜3
0秒と変えた。表2〜表4に、半径48mmのディスク
を作成するときに、式(1)により導かれるプレス温度
の下限値を、ガラス組成別に計算した結果を示した。表
5〜表20には、実際に行ったプレス実験の結果を示し
た。表中の数字は、成形後のディスクの半径(mm)で
ある。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】表5には、Ca系で、Nが20eq%のオ
キシナイトライドガラス(Ca−N20)について、プ
レス温度とプレス時間を変化させたときに得られたディ
スクの半径(mm)を示した。表2に示した式(1)に
よるTの下限値(℃)も併せて示した。太字部分は目標
とする半径48mmのディスクが得られた部分、斜字体
部分は目標とする半径48mmに達していない部分であ
る。48mmに達していない部分について検証すると、
式(1)によるTの下限値よりも低い温度でプレスを行
っていることがわかり、式(1)の正当性が証明され
た。
【0041】また、表6には、Mg系で、Nが20eq
%のオキシナイトライドガラス(Mg−N20)につい
てプレス実験を行った結果を、表5と同様に示した。こ
の系においても、式(1)の正当性が証明された。表7
は、Y系で、Nが20eq%のオキシナイトライドガラ
ス(Y−N20)についてプレス実験を行った結果を、
表5と同様に示した。この系においても、式(1)の正
当性が証明された。Gd−N20およびCe−N20に
ついては、1400℃以下、30秒以内のプレス実験で
は、いずれも48mmのディスクは得られなかった。
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】
【表11】
【0046】
【表12】
【0047】表8〜12には、Nが5eq%の場合のプ
レス実験結果を、表5と同様に示した。いずれの系にお
いても、式(1)によるTの下限値よりも低い温度でプ
レスした場合には、目標とする半径48mmのディスク
が得られず、式(1)によるTの下限値以上の温度でプ
レスした場合には、目標とする半径48mmのディスク
が得られている。
【0048】
【表13】
【0049】
【表14】
【0050】表13〜14には、Ca−N25とMg−
N25の系についてのプレス実験結果を、表5と同様に
示した。いずれの系においても、式(1)によるTの下
限値よりも低い温度でプレスした場合には、目標とする
半径48mmのディスクが得られず、式(1)によるT
の下限値以上の温度でプレスした場合には、目標とする
半径48mmのディスクが得られている。Y、Gd、C
eについては、このプレス条件では目標とするディスク
は得られなかった。
【0051】
【表15】
【0052】
【表16】
【0053】表15〜16には、Ca−N20とMg−
N20の系について、プレス荷重F(N)とプレス温度
T(℃)を変えた場合のプレス実験結果を示した。いず
れの系においても、式(1)によるTの下限値よりも低
い温度でプレスした場合には、目標とする半径48mm
のディスクが得られず、式(1)によるTの下限値以上
の温度でプレスした場合には、目標とする半径48mm
のディスクが得られている。Y、Gd、Ceについて
は、このプレス条件では目標とするディスクは得られな
かった。
【0054】
【表17】
【0055】
【表18】
【0056】表17〜18には、Ca−N5とY−N5
の系について、プレス荷重F(N)とプレス温度T
(℃)を変えた場合のプレス実験結果を示した。いずれ
の系においても、式(1)によるTの下限値よりも低い
温度でプレスした場合には、目標とする半径48mmの
ディスクが得られず、式(1)によるTの下限値以上の
温度でプレスした場合には、目標とする半径48mmの
ディスクが得られている。Mgについては、全ての実験
において目標達成することができたが、Gd、Ceにつ
いては、このプレス条件では目標とするディスクは得ら
れなかった。
【0057】
【表19】
【0058】
【表20】
【0059】表19〜20には、Ca−N25とMg−
N25の系について、プレス荷重F(N)とプレス温度
T(℃)を変えた場合のプレス実験結果を示した。いず
れの系においても、式(1)によるTの下限値よりも低
い温度でプレスした場合には、目標とする半径48mm
のディスクが得られず、式(1)によるTの下限値以上
の温度でプレスした場合には、目標とする半径48mm
のディスクが得られている。Y、Gd、Ceについて
は、このプレス条件では目標とするディスクは得られな
かった。
【0060】以上のように、式(1)によるTの下限値
以上の温度でプレスした場合には、目標とする大きさの
半径のディスクが得られており、式(1)の正当性が示
された。
【0061】実験例2 表21に示した組成のM1−Al−Si−O−N(M
1は、CaまたはMg)系オキシナイトライドガラスを
用いてプレス成形実験を行った。この実験では、抵抗加
熱炉内で型(黒鉛)ごと加熱した場合と、マイクロ波加
熱した場合について、成形性を検討した。プレス実験
は、プレス後のディスクの半厚みhが0.6mmの一定
となるようにし、半径48mmのディスクを成形するこ
とのできる型内に、表1に示した組成のオキシナイトラ
イドガラスのゴブを入れて、各加熱方法で加熱して、プ
レスすることにより行った。プレス荷重F(N)は、1
4187N、プレス時間t(秒)は、10秒である。抵
抗加熱炉での加熱は、型ごと加熱炉で昇温し、所定温度
になってからプレスした。マイクロ波による加熱は、出
力3kW、周波数28GHzのマイクロ波を3分間ガラ
スゴブに照射することで行った。照射直後にガラス温度
を測定すると共に、速やかにプレスした。表22〜表2
3に、式(1)により導かれるプレス温度の下限値と、
プレス時の温度およびプレス成形状況を示した。プレス
成形状況は、所望のディスク形状が得らなかった場合を
×、所望のディスク形状が得られたが、型にガラスが若
干付着したものを○、型へのガラスの付着もなく、所望
のガラス形状が得られた場合を◎として評価した。
【0062】
【表21】
【0063】
【表22】
【0064】
【表23】
【0065】式(1)から導かれる温度よりも低い温度
では、いずれの方法でもプレス成形性は悪い。抵抗加熱
炉による加熱でもディスクが得られたが、Nが5eq%
以上のガラスではマイクロ波加熱でも速やかにプレス温
度に達することがわかった。さらに、ガラスのプレス型
への付着やガラスの酸化も認められず、実用的な加熱方
法であることが確認できた。
【0066】
【発明の効果】本発明法によれば、式(1)を用いて、
プレス温度、プレス荷重およびプレス時間をコントロー
ルすることにより、オキシナイトライドガラスのディス
クを効率よくプレス成形できるようになった。また、A
値を変えることによって、ガラス組成に応じて個別にコ
ントロールできるので、各組成のディスクを歩留まり良
好にプレス成形できる。特に、マイクロ波加熱法を用い
ると、ガラスのみを加熱でき、ガラスの型への付着もな
く、より一層効率のよいプレス成形が可能となった。
【0067】従って、本発明法は高比剛性ディスクの製
造に適しており、また本発明法によって得られるオキシ
ナイトライドガラス製ディスクは、磁気ディスク等記録
媒体用のディスクに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】5eq%≦N≦30eq%の場合のCa−Al
−Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスに
おけるCa、Al、Siの金属成分の好ましい範囲を示
す組成図である。
【図2】5eq%≦N≦30eq%の場合のMg−Al
−Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスに
おけるMg、Al、Siの金属成分の好ましい範囲を示
す組成図である。
【図3】5eq%≦N≦30eq%の場合のY−Al−
Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスにお
けるY、Al、Siの金属成分の好ましい範囲を示す組
成図である。
【図4】5eq%≦N≦30eq%の場合のGd−Al
−Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスに
おけるGd、Al、Siの金属成分の好ましい範囲を示
す組成図である。
【図5】5eq%≦N≦30eq%の場合のCe−Al
−Si−O−Nで表されるオキシナイトライドガラスに
おけるCe、Al、Siの金属成分の好ましい範囲を示
す組成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシナイトライドガラスを用いて、半
    径r、厚み2hのディスクをプレス成形によって得るた
    めの成形方法であって、プレス荷重F、プレス温度Tお
    よびプレス時間tが下式(1)の範囲内になるように設
    定してプレスすることを特徴とするオキシナイトライド
    ガラスのプレス成形方法。 【数1】 式(1)中、F:プレス荷重(N)、T:温度(℃)、
    t:時間(秒)、 π:円周率、r:プレス後のディスクの半径(mm)、 h:プレス後のディスクの半厚み(mm)、 A:ガラスの組成によって決まる定数(℃)であり、 1450≧A≧650である。
  2. 【請求項2】 5eq%以上のNを含むオキシナイトラ
    イドガラスにマイクロ波を照射することによって、該ガ
    ラスを所定のプレス温度に加熱するものである請求項1
    に記載のオキシナイトライドガラスのプレス成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法でプレス
    されたものであることを特徴とするオキシナイトライド
    ガラス製ディスク。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のディスクの材料が、M
    1−Al−Si−O−N(M1は、Ca、Mg、Y、G
    d、CeおよびLaのうちの1種または2種以上)で表
    されるオキシナイトライドガラス、M2−Si−O−N
    (M2は、Caおよび/またはMg)で表されるオキシ
    ナイトライドガラス、あるいはこれらの組成のガラスを
    2種以上混合したオキシナイトライドガラスのいずれか
    である請求項3に記載のオキシナイトライドガラス製デ
    ィスク。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のオキシナイトライドガ
    ラスが、Ca−Al−Si−O−Nで表されるCa系オ
    キシナイトライドガラスであって、5eq%≦N≦25
    eq%の範囲でのCa、AlおよびSiの金属成分量が
    図1に示される組成図における斜線部内であり、かつ、
    O+N=100eq%である請求項4に記載のオキシナ
    イトライドガラス製ディスク。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のオキシナイトライドガ
    ラスが、Mg−Al−Si−O−Nで表されるMg系オ
    キシナイトライドガラスであって、5eq%≦N≦25
    eq%の範囲でのMg、AlおよびSiの金属成分量が
    図2に示される組成図における斜線部内であり、かつ、
    O+N=100eq%である請求項4に記載のオキシナ
    イトライドガラス製ディスク。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載のオキシナイトライドガ
    ラスが、Y−Al−Si−O−Nで表されるY系オキシ
    ナイトライドガラスであって、5eq%≦N≦25eq
    %の範囲でのY、AlおよびSiの金属成分量が図3に
    示されるY、AlおよびSiの組成図における斜線部内
    であり、かつ、O+N=100eq%である請求項4に
    記載のオキシナイトライドガラス製ディスク。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載のオキシナイトライドガ
    ラスが、Gd−Al−Si−O−Nで表されるGd系オ
    キシナイトライドガラスであって、5eq%≦N≦25
    eq%の範囲でのGd、AlおよびSiの金属成分量が
    図4に示される組成図における斜線部内であり、かつ、
    O+N=100eq%である請求項4に記載のオキシナ
    イトライドガラス製ディスク。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載のオキシナイトライドガ
    ラスが、Ce−Al−Si−O−Nで表されるCe系オ
    キシナイトライドガラスであって、5eq%≦N≦25
    eq%の範囲でのCe、AlおよびSiの金属成分量が
    図5に示される組成図における斜線部内であり、かつ、
    O+N=100eq%である請求項4に記載のオキシナ
    イトライドガラス製ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002179432A (ja) * 2000-09-14 2002-06-26 Carl-Zeiss-Stiftung ガラス半製品の粘着温度以上での加熱方法及びそのための装置

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