JP2002012447A - 表面強化したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス - Google Patents
表面強化したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスInfo
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- JP2002012447A JP2002012447A JP2000193100A JP2000193100A JP2002012447A JP 2002012447 A JP2002012447 A JP 2002012447A JP 2000193100 A JP2000193100 A JP 2000193100A JP 2000193100 A JP2000193100 A JP 2000193100A JP 2002012447 A JP2002012447 A JP 2002012447A
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- coefficient
- li2o
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱膨張係数の小さいLi2O−Al2O3−S
iO2系結晶化ガラスを表面強化した物品を提供するこ
とである。 【解決手段】 −30〜60×10-7/℃の熱膨張係数
を有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの
表面に、それより小さい熱膨張係数を有する粒子が融着
していることを特徴とする。
iO2系結晶化ガラスを表面強化した物品を提供するこ
とである。 【解決手段】 −30〜60×10-7/℃の熱膨張係数
を有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの
表面に、それより小さい熱膨張係数を有する粒子が融着
していることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面強化したLi
2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスに関するもので
ある。
2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ガラス及び結晶化ガラスの表面強化は、
一般には、風冷強化法によって行われてきた。この風冷
強化法は、冷却中に物品の表面層と内部の熱収縮量の差
を利用しているため、窓板ガラスのように熱膨張係数の
大きい物品を表面強化するのに広く用いられているのが
現状である。
一般には、風冷強化法によって行われてきた。この風冷
強化法は、冷却中に物品の表面層と内部の熱収縮量の差
を利用しているため、窓板ガラスのように熱膨張係数の
大きい物品を表面強化するのに広く用いられているのが
現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、Li2O−
Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、核形成剤として
TiO2、ZrO2を含み、主結晶としてβ―石英固溶体
又はβ−スポジュメン固溶体が析出した結晶化ガラスで
あり、熱膨張係数が低く、機械的強度の高いものであ
る。
Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、核形成剤として
TiO2、ZrO2を含み、主結晶としてβ―石英固溶体
又はβ−スポジュメン固溶体が析出した結晶化ガラスで
あり、熱膨張係数が低く、機械的強度の高いものであ
る。
【0004】このような熱膨張係数が低い結晶化ガラス
を更に高強度にして使用するためには、上記の風冷強化
法によって強化することができない。それは、通常、風
冷強化される窓板ガラスの場合、その熱膨張係数は90
×10-7/℃と高いので冷却中での熱収縮量が大きくな
り表面に圧縮応力が発生して強化できるが、一方、低膨
張結晶化ガラスの場合は熱膨張係数は−10〜30×1
0-7/℃と低いため熱収縮量が小さくなり、その低膨張
結晶化ガラス表面に応力がほとんど発生しないので強化
することができない。
を更に高強度にして使用するためには、上記の風冷強化
法によって強化することができない。それは、通常、風
冷強化される窓板ガラスの場合、その熱膨張係数は90
×10-7/℃と高いので冷却中での熱収縮量が大きくな
り表面に圧縮応力が発生して強化できるが、一方、低膨
張結晶化ガラスの場合は熱膨張係数は−10〜30×1
0-7/℃と低いため熱収縮量が小さくなり、その低膨張
結晶化ガラス表面に応力がほとんど発生しないので強化
することができない。
【0005】本発明の目的は、熱膨張係数の小さいLi
2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを表面強化した
物品を提供することである。
2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスを表面強化した
物品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験を
行った結果、低膨張結晶化ガラスよりも小さい熱膨張係
数を有する粉末粒子をその表面に融着させると、熱膨張
係数の差によって低膨張結晶化ガラスの表面に圧縮応力
が発生して低膨張結晶化ガラスの強度が向上することを
見出した。
行った結果、低膨張結晶化ガラスよりも小さい熱膨張係
数を有する粉末粒子をその表面に融着させると、熱膨張
係数の差によって低膨張結晶化ガラスの表面に圧縮応力
が発生して低膨張結晶化ガラスの強度が向上することを
見出した。
【0007】即ち、本発明の表面強化したLi2O−A
l2O3−SiO2系結晶化ガラスは、−30〜60×1
0-7/℃の熱膨張係数を有するLi2O−Al2O3−S
iO2系結晶化ガラスの表面に、それより小さい熱膨張
係数を有する粒子が融着していることを特徴とする。
l2O3−SiO2系結晶化ガラスは、−30〜60×1
0-7/℃の熱膨張係数を有するLi2O−Al2O3−S
iO2系結晶化ガラスの表面に、それより小さい熱膨張
係数を有する粒子が融着していることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の方法において使用する粉
末粒子は、−40〜50×10-7/℃、好ましくは−3
5〜45×10-7/℃の熱膨張係数を有するものであ
る。熱膨張係数が−40×10-7/℃より小さいと熱膨
張係数の差によるストレス(圧縮応力)が大きくなり、融
着粒子によって結晶化ガラスの表面がえぐり取られるこ
とになる。一方、熱膨張係数が50×10-7/℃より大
きいと熱膨張係数の差によるストレス(引張応力)が大き
くなり結晶化ガラスの表面にクラックが多数発生する。
末粒子は、−40〜50×10-7/℃、好ましくは−3
5〜45×10-7/℃の熱膨張係数を有するものであ
る。熱膨張係数が−40×10-7/℃より小さいと熱膨
張係数の差によるストレス(圧縮応力)が大きくなり、融
着粒子によって結晶化ガラスの表面がえぐり取られるこ
とになる。一方、熱膨張係数が50×10-7/℃より大
きいと熱膨張係数の差によるストレス(引張応力)が大き
くなり結晶化ガラスの表面にクラックが多数発生する。
【0009】このような特性を有する粉末粒子は、β―
ユークリプタイト(β−Li2O・Al2O3・2Si
O2:−5×10-7/℃)、α―コーディエライト(α
―2MgO・2Al2O3・5SiO2:25×10−7
/℃)等である。更に、粉末粒子の平均粒径は、結晶化
ガラスの表面状態に大きく作用するため、その平均粒径
は0.5〜200μm、好ましくは1〜150μmの粉
末粒子を用いることが望ましい。200μmより大きい
粉末粒子を用いると結晶化ガラス表面にピット(凹み)
が生じ、0.5μmより細かい粉末粒子を使用した場合
には結晶化ガラス表面がざらざらしたマット状となり表
面光沢が無くなる。
ユークリプタイト(β−Li2O・Al2O3・2Si
O2:−5×10-7/℃)、α―コーディエライト(α
―2MgO・2Al2O3・5SiO2:25×10−7
/℃)等である。更に、粉末粒子の平均粒径は、結晶化
ガラスの表面状態に大きく作用するため、その平均粒径
は0.5〜200μm、好ましくは1〜150μmの粉
末粒子を用いることが望ましい。200μmより大きい
粉末粒子を用いると結晶化ガラス表面にピット(凹み)
が生じ、0.5μmより細かい粉末粒子を使用した場合
には結晶化ガラス表面がざらざらしたマット状となり表
面光沢が無くなる。
【0010】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の表面強化し
たLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスについて
説明する。
たLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスについて
説明する。
【0011】
【表1】
【0012】表1は、主結晶がβ―スポジュメン固溶体
である低膨張結晶化ガラスの実施例(試料No.1、
2)と比較例(試料No.3〜5)を示している。
である低膨張結晶化ガラスの実施例(試料No.1、
2)と比較例(試料No.3〜5)を示している。
【0013】各試料は次のように調整した。
【0014】まず、粉末粒子としてβ―ユークリプタイ
ト、α―アルミナ(熱膨張係数:約90×10-7/℃)
を用意した。
ト、α―アルミナ(熱膨張係数:約90×10-7/℃)
を用意した。
【0015】結晶化ガラスの組成は、SiO2 66
%、Al2O3 22%、Li2O 4%、MgO 0.
5%、TiO2 2%、ZrO2 2.5%、P2O5
1.5%、Na2O 0.5%、K2O 0.5%、As
2O3 0.5%となるように各原料を酸化物、水酸化
物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩等の形態で調合し、
均一に混合した後、白金坩堝を用いて電気炉で1550
〜1650℃で8〜20時間溶融した。次いで溶融した
ガラスをカーボン定盤上に流しだし、ステンレスローラ
ーを用いて5mm厚さに成形して、さらに徐冷炉を用い
て室温まで冷却した。このガラス成形体に上記のβ―ユ
ークリプタイト粉末粒子を表面が薄く覆われる程度に上
部から均等に散布して、電気炉内にて結晶化の熱処理を
行った。その熱処理条件は、核形成を800℃−2時
間、結晶成長を1150℃−1時間で行った。なお、昇
温速度は、室温から核形成温度までを300℃/時間、
核形成から結晶成長温度までを60℃/時間とし、降温
速度は、炉冷にて行った。
%、Al2O3 22%、Li2O 4%、MgO 0.
5%、TiO2 2%、ZrO2 2.5%、P2O5
1.5%、Na2O 0.5%、K2O 0.5%、As
2O3 0.5%となるように各原料を酸化物、水酸化
物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩等の形態で調合し、
均一に混合した後、白金坩堝を用いて電気炉で1550
〜1650℃で8〜20時間溶融した。次いで溶融した
ガラスをカーボン定盤上に流しだし、ステンレスローラ
ーを用いて5mm厚さに成形して、さらに徐冷炉を用い
て室温まで冷却した。このガラス成形体に上記のβ―ユ
ークリプタイト粉末粒子を表面が薄く覆われる程度に上
部から均等に散布して、電気炉内にて結晶化の熱処理を
行った。その熱処理条件は、核形成を800℃−2時
間、結晶成長を1150℃−1時間で行った。なお、昇
温速度は、室温から核形成温度までを300℃/時間、
核形成から結晶成長温度までを60℃/時間とし、降温
速度は、炉冷にて行った。
【0016】得られた各試料について、結晶相、熱膨張
係数、表面クラックの有無、表面ピット(融着粒子粉末
による凹み)の有無、曲げ強度を評価した。これらの結
果を、表1にまとめた。
係数、表面クラックの有無、表面ピット(融着粒子粉末
による凹み)の有無、曲げ強度を評価した。これらの結
果を、表1にまとめた。
【0017】表1の結果から、β―ユークリプタイトの
粉末粒子を使用した実施例は、表面クラック及び表面ピ
ットの発生は認められなかった。また曲げ強度は、21
0〜240MPaで、結晶化ガラスよりも大きい熱膨張
係数のアルミナ融着粉末粒子を用いた比較例の90〜1
00MPaに比べて約2〜3倍の高強度を示した。
粉末粒子を使用した実施例は、表面クラック及び表面ピ
ットの発生は認められなかった。また曲げ強度は、21
0〜240MPaで、結晶化ガラスよりも大きい熱膨張
係数のアルミナ融着粉末粒子を用いた比較例の90〜1
00MPaに比べて約2〜3倍の高強度を示した。
【0018】なお、結晶相はX線回折装置を用いて評価
した。熱膨張係数はDilatoメーターによって測定
した。表面クラック、表面ピットは目視によって評価し
た。表面クラックの有無は、表面にクラックがないもの
を「○」、表面にクラックがあるものを「×」として評価
した。表面ピットの有無は、ないものを「○」、あるも
のを「×」として評価した。曲げ強度は、JIS R−1
601に準じて測定を行った。
した。熱膨張係数はDilatoメーターによって測定
した。表面クラック、表面ピットは目視によって評価し
た。表面クラックの有無は、表面にクラックがないもの
を「○」、表面にクラックがあるものを「×」として評価
した。表面ピットの有無は、ないものを「○」、あるも
のを「×」として評価した。曲げ強度は、JIS R−1
601に準じて測定を行った。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の表面強化し
たLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、熱膨
張係数の小さく、高強度であるために、電子部品や光部
品等の種々の用途に好適に利用できる。
たLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスは、熱膨
張係数の小さく、高強度であるために、電子部品や光部
品等の種々の用途に好適に利用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 −30〜60×10-7/℃の熱膨張係数
を有するLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの
表面に、それより小さい熱膨張係数を有する粒子が融着
していることを特徴とする表面強化したLi2O−Al2
O3−SiO2系結晶化ガラス。 - 【請求項2】 粒子の平均粒径が、0.5〜200μm
であることを特徴とする請求項1の表面強化したLi2
O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス。 - 【請求項3】 粒子が、β―ユークリプタイト粉末又は
α―コーディエライト粉末であることを特徴とする請求
項1又は2の表面強化したLi2O−Al2O 3−SiO2
系結晶化ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000193100A JP2002012447A (ja) | 2000-06-27 | 2000-06-27 | 表面強化したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000193100A JP2002012447A (ja) | 2000-06-27 | 2000-06-27 | 表面強化したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002012447A true JP2002012447A (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18692148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000193100A Pending JP2002012447A (ja) | 2000-06-27 | 2000-06-27 | 表面強化したLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002012447A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101013223B1 (ko) | 2010-09-06 | 2011-02-10 | 주식회사 정관 | 음의 열팽창 계수를 가지는 결정화 유리 및 그 제조방법 |
JP2017178638A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 | 球状ユークリプタイト粒子およびその製造方法 |
-
2000
- 2000-06-27 JP JP2000193100A patent/JP2002012447A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101013223B1 (ko) | 2010-09-06 | 2011-02-10 | 주식회사 정관 | 음의 열팽창 계수를 가지는 결정화 유리 및 그 제조방법 |
JP2017178638A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 新日鉄住金マテリアルズ株式会社 | 球状ユークリプタイト粒子およびその製造方法 |
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