JP2002029774A - 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板 - Google Patents
情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板Info
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Abstract
り、大量生産に適した情報記録媒体基板用ガラスの提
供。 【解決手段】モル%で、SiO2:56〜75、Al2O
3:0〜20、MgO:0〜20、CaO:0〜1.9
9、SrO:0.1〜20、ZnO:0〜4、Ti
O2:0〜10、ZrO2:0〜4、Li2O:0〜2
0、 Na2O:0〜10、K2O:0〜10、等からな
る情報記録媒体基板用ガラス。
Description
い耐候性を有する情報記録媒体基板用ガラスおよび情報
記録媒体用ガラス基板に関する。
(ハードディスク)用基板としてガラス基板が用いられ
ており、モル%で表示した組成が、SiO2:65.3
%、Al2O3:8.6%、ZrO2:3.5%、Li
2O:12.5%、Na2O:10.1%、であるガラス
(以下「従来ガラス」という。)からなる基板が例示さ
れる。この従来ガラスは通常化学強化処理されて使用さ
れる。
による搭載枚数の増加が求められている。一方、記録密
度を増すために磁気ディスクと読み取り磁気ヘッドの間
隔は小さくなっており、前記基板の薄板化にともなう基
板のたわみや反りの増大は磁気ディスク破損の原因とな
る。
問題を解決するためにヤング率の高いガラスが求められ
ている。なお、前記従来ガラスのヤング率は82GPa
である。
中に表面性状が著しく変化し、前記基板上に形成される
下地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすくなること
がないこと、すなわち耐候性が求められる。前記従来ガ
ラスの耐候性は決して高くはないが、化学強化処理によ
って耐候性は許容されるレベルになる。これは、従来ガ
ラスの耐候性を低下させる主因と考えられるアルカリ成
分が、化学強化処理によってガラス表面から抽出除去さ
れるためと考えられる。しかし化学強化処理には、工程
が増加する、化学強化処理後の基板表面によごれが付着
しやすい、等の問題がある。
である磁性層の保磁力を増加させることが有効であり、
そのためには磁性層形成に際して行われる熱処理をより
高い温度で行う必要がある。この観点から、基板に用い
られるガラスのガラス転移点が高いことが求められてい
る。なお、前記従来ガラスのガラス転移点は500℃で
ある。
ブックパソコン等に用いられる2.5インチ基板(ガラ
ス基板外径:65mm)が主であったが、今後はサーバ
等に用いられるより大きな基板、すなわち3.0インチ
基板(ガラス基板外径:84mm)、3.5インチ基板
(ガラス基板外径:95mm)、等も増加する可能性が
高い。したがって、このようなガラス基板に使用される
ガラスは大量生産に適したものであることが求められて
いる。
われる。ガラス溶融窯の溶融ガラスと直接接触する部分
には通常AZS(Al2O3−ZrO2−SiO2)系電鋳
煉瓦が使用される。したがって、AZS系電鋳煉瓦に対
する溶融ガラスの侵食性が小さいことも求められてい
る。
をはじめとする連続成形法により広く行われている。こ
のような連続成形法として、フロート法以外にフュージ
ョン法、ダウンドロー法が例示される。したがって、フ
ロート成形等の連続成形が可能なガラスであることが求
められている。
0GPa以上であり、モル%表示で、TiO2:0.1
〜30、CaO:1〜45、MgO+CaO:5〜4
0、Na2O+Li2O:3〜30、Al2O3:0〜1
5、SiO2:35〜65、であるガラスをダイレクト
プレス成形することを特徴とする情報記録媒体用ガラス
基板の製造方法が開示されている。なお、ダイレクトプ
レス成形は連続成形法ではない。
されているガラスの一部について追試した(後掲表4中
の例32、例33)。その結果、WO99/06333
に開示されているガラスに対し連続成形法を適用して板
ガラスを製造することは困難ではないか、という感触を
得た。本発明は、上記課題を解決する情報記録媒体基板
用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板の提供を目的
とする。
実質的に、 SiO2 56〜75、 Al2O3 0〜20、 MgO 0〜20、 CaO 0〜1.99、 SrO 0.1〜20、 ZnO 0〜4、 TiO2 0〜10、 ZrO2 0〜7、 Li2O 0〜20、 Na2O 0〜10、 K2O 0〜10、 からなる情報記録媒体基板用ガラス、および、前記情報
記録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基
板を提供する。
ス(以下単に本発明のガラスという。)のヤング率は8
5GPa以上である。85GPa未満では基板のたわみ
や反りの問題が発生する。好ましくは86GPa以上、
より好ましくは88GPa以上である。
以上であることが好ましい。550℃未満では磁性層形
成熱処理温度を充分高くできず、磁性層の保磁力増加が
困難になるおそれがある。より好ましくは560℃以
上、さらに好ましくは570℃以上、一層好ましくは5
80℃以上、最も好ましくは590℃以上である。
℃)、粘度が104P(ポアズ)となる温度をT4(単
位:℃)として、TL−T4<50であることが好まし
い。TL−T4≧50ではフロート成形が困難になるおそ
れがある。より好ましくはTL−T 4<40、特に好まし
くはTL−T4<30である。
を単に%と表示して説明する。なお、本発明のガラスは
実質的に、 SiO2 60〜70、 Al2O3 3〜8、 MgO 2〜8、 CaO 0〜1、 SrO 4〜13、 ZnO 0〜3、 TiO2 0〜6、 ZrO2 0〜3、 Li2O 2〜12、 Na2O 0〜4、 K2O 0〜2、 からなることが好ましい。
分である。56%未満では、化学耐久性、特に耐酸性が
低下する、または液相温度が高くなりすぎる。好ましく
は58%以上、より好ましくは60%以上、特に好まし
くは61%以上、最も好ましくは62%以上である。7
5%超では、溶解温度が高くなりすぎる、またヤング率
が低下する。好ましくは72%以下、より好ましくは7
0%以下、特に好ましくは68%以下である。
を高くし、またガラス転移点を高くし、さらには耐候性
を高くする効果があり、20%まで含有してもよい。2
0%超では液相温度が高くなりすぎる、またAZS系電
鋳煉瓦に対する侵食性も大きくなる。好ましくは15%
以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは8%
以下、最も好ましくは7%以下である。また、 Al2O
3を含有する場合、その含有量は1%以上であることが
好ましい。より好ましくは2%以上、さらに好ましくは
4%以上である。
高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、
20%まで含有してもよい。20%超ではガラスが不安
定になる。好ましくは15%以下、より好ましくは10
%以下、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは7
%以下、最も好ましくは6.5%以下である。また、M
gOを含有する場合、その含有量は1%以上であること
が好ましい。より好ましくは2%以上、さらに好ましく
は4%以上である。
高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、
1.99%まで含有してもよい。1.99%超では耐候
性を低下させる、または液相温度が高くなりすぎるおそ
れがある。好ましくは1%以下、より好ましくは0.5
%以下である。なお、液相温度をより低下させたい場
合、または耐候性をより向上させたい場合には実質的に
含有しないことが好ましい。
の溶解性を向上させる効果があり必須成分である。0.
1%未満では前記効果が小さい。好ましくは1%以上、
より好ましくは2%以上、さらに好ましくは4%以上、
特に好ましくは6%以上、最も好ましくは8%以上であ
る。20%超ではヤング率が低下する、またはガラスが
不安定になる。好ましくは16%以下、より好ましくは
13%以下、さらに好ましくは12%以下、特に好まし
くは11%以下である。
高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、
4%まで含有してもよい。4%超では液相温度が高くな
りすぎるおそれがある。好ましくは3.5%以下、より
好ましくは3%以下、特に好ましくは2.5%以下であ
る。また、ZnOを含有する場合、その含有量は0.1
%以上であることが好ましい。より好ましくは0.5%
以上、特に好ましくは1%以上である。
を高くし、また耐候性を高くする効果があり、10%ま
で含有してもよい。10%超では液相温度が高くなりす
ぎるおそれがある、または分相現象が起りやすくなるお
それがある。好ましくは8%以下、より好ましくは6%
以下、特に好ましくは5%以下である。また、TiO 2
を含有する場合、その含有量は1%以上であることが好
ましい。より好ましくは2%以上、特に好ましくは2.
5%以上である。なお、分相または着色をより抑制した
い場合、または液相温度をより低下させたい場合にはT
iO2を実質的に含有しないことが好ましい。
を高くし、また耐候性を高くし、ガラス転移点を高くす
る効果があり、4%まで含有してもよい。4%超では液
相温度が高くなりすぎるおそれがある。好ましくは3%
以下、より好ましくは2%以下である。また、ZrO2
を含有する場合、その含有量は0.1%以上であること
が好ましい。より好ましくは0.2%以上、特に好まし
くは0.3%以上、最も好ましくは0.6%以上であ
る。
溶解性を向上させ、またヤング率を高くする効果があ
り、20%まで含有してもよい。20%超では、液相温
度が高くなりすぎる。好ましくは12%以下、より好ま
しくは10%以下、さらに好ましくは9%以下、特に好
ましくは8%以下である。Li2Oを含有する場合、そ
の含有量は1%以上であることが好ましい。より好まし
くは2%以上、さらに好ましくは4%以上、特に好まし
くは5%以上である。なお、ガラス転移点をより高くし
たい、またはT4を高くしたい場合にはLi2Oを実質的
に含有しないことが好ましい。
溶解性を向上させる効果があり、10%まで含有しても
よい。10%超ではヤング率が低下するおそれがある、
また耐候性が低下するおそれがある。好ましくは6%以
下、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以
下、特に好ましくは2.5%以下である。また、Na 2
Oを含有する場合、その含有量は好ましくは0.1%以
上、より好ましくは0.3%以上である。
解性を向上させる効果があり、10%まで含有してもよ
い。10%超ではヤング率が低下するおそれがある。好
ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ま
しくは2%以下、最も好ましくは1%以下である。ま
た、K2Oを含有する場合、その含有量は好ましくは
0.1%以上、より好ましくは0.2%以上である。な
お、ヤング率をより高くしたい場合は、K2Oを実質的
に含有しないことが好ましい。
瓦に対する侵食性をより小さくしたい場合にはLi
2O、Na2OおよびK2Oの含有量の合計は15%以下
であることが好ましい。より好ましくは10%以下、特
に好ましくは9%以下、最も好ましくは8%以下であ
る。
り高くし、かつAZS系電鋳煉瓦に対する侵食性をより
小さくしたい場合には、Na2OおよびK2Oの含有量の
合計は10%以下であることが好ましい。より好ましく
は6%以下、特に好ましくは4%以下、最も好ましくは
2%以下である。
るが、この他に以下に例示する成分を、本発明の目的を
損なわない範囲で含有してもよい。SO3、Cl、As2
O3、Sb2O3等の清澄剤を合計で1%まで含有しても
よい。SrOと同様の効果を得るためにBaOを2%ま
で含有してもよい。TiO2と同様の効果を得るために
SnO2を2%まで含有してもよい。ガラスの溶解性や
安定性を向上させるために、B2O3、P2O5、V2O5等
を合計で3%まで含有してもよい。
は、Sc2O3、Y2O3、La2O3、Pr2O3、Nd
2O3、Pm2O3、Sm2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb
2O3、Dy 2O3、Ho2O3、Er2O3、Tm2O3、Yb
2O3、Lu2O3、のいずれも実質的に含有しないように
することが好ましい。
単に本発明のガラス基板という。)は本発明のガラスか
らなり、所定の寸法・形状に切断されたガラス板であ
る。本発明のガラス基板は、120℃、2気圧の水蒸気
雰囲気に20時間保持したとき、該ガラス基板表面に存
在する、大きさが10μm以上の付着物の数NLが1個
/cm2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満
の付着物の数NSが105個/cm2以下であることが好
ましい。
cm2超では、ガラス基板在庫中にガラス基板表面に付
着物(白ヤケ)が発生し、ガラス基板上に形成される下
地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすくなる。この
付着物は、空気中の水分や炭酸ガスの影響によりガラス
基板に生成付着した反応生成物であると考えられ、拭い
ても除去できないものである。NLはより好ましくは
0.5個/cm2以下、特に好ましくは0.2個/cm2
以下である。NSはより好ましくは0.8×105個/c
m2以下、特に好ましくは0.6×105個/cm2以下
である。
法は特に限定されず、各種方法を適用できる。たとえ
ば、通常使用される各成分の原料を目標組成となるよう
に調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バブリ
ング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、
周知のフロート法、プレス法、フュージョン法またダウ
ンドロー法などの方法により所定の厚さの板ガラスに成
形し、徐冷後必要に応じて研削、研磨などの加工を行っ
た後、所定の寸法・形状のガラス基板とされる。成形法
としては、特に、大量生産に適したフロート法が好適で
ある。また、フロート法以外の連続成形法、たとえば、
フュージョン法、ダウンドロー法にも好適である。本発
明のガラスおよびガラス基板は、特に磁気ディスク基板
に好適である。
の欄にモル%表示で示した組成となるように調合し、白
金るつぼを用いて1450〜1550℃の温度で3〜5
時間溶解した。溶解にあたっては、白金スターラを溶融
ガラス中に挿入し、2時間撹拌してガラスを均質化し
た。次いで溶融ガラスを流し出して板状に成形し、徐冷
した。
グ率E(単位:GPa)、ガラス転移点Tg(単位:
℃)、液相温度TL(単位:℃)、粘度が104Pとなる
温度T4(単位:℃)、前記NL(単位:個/cm2)お
よび前記NS(単位:105個/cm2)を、以下に示す
方法により測定した。結果を表1に示す。
m×4cmのガラス板について、超音波パルス法により
測定した。 Tg:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料と
して室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸
び率を、ガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくな
る温度、すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲
線における屈曲点に相当する温度をガラス転移点とし
た。
粒に粉砕し、このガラス粒を白金ボートに並べて置き、
温度傾斜炉中で24時間熱処理した。結晶が析出してい
るガラス粒の温度の最高値を液相温度とした。 T4:回転粘度計により測定した。
cm×4cmのガラス板の両面を鏡面研磨し、炭酸カル
シウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、超加速寿命
試験器(不飽和型プレッシャークッカーTPC−41
0、タバイエスペック(株))に入れて120℃、2気
圧の水蒸気雰囲気に20時間静置した。取り出したガラ
ス板の表面200μm角の範囲を微分干渉顕微鏡で観察
し、大きさが10μm以上の付着物の個数と大きさが1
μm以上10μm未満の付着物の個数をカウントした。
3のガラスは比較例である。例31は従来ガラスであ
り、例32および例33はWO99/06333に開示
されているガラスである。
する情報記録媒体用ガラス基板を提供できる。 (1)ヤング率が高く、基板のたわみや反りが小さく、
基板を薄板化できる。これにより、記録装置の磁気ディ
スク搭載枚数を増加できる。 (2)化学強化処理がなくとも耐候性に優れ、在庫中に
付着物(白ヤケ)が発生しにくい。したがってこの付着
物に起因する、下地膜、磁性膜、保護膜等の膜はがれが
起こりにくい。 (3)ガラス転移点が高く、磁性層形成熱処理温度を高
くできる。これにより、磁性層の保磁力を増加でき記録
密度を増加できる。
小さく、ガラス溶融窯を用いた大量生産ができる。 (5)フロート法、フュージョン法、ダウンドロー法等
の連続成形法による成形ができ、高品質のガラス基板を
大量生産できる。
Claims (6)
- 【請求項1】モル%表示で実質的に、 SiO2 56〜75、 Al2O3 0〜20、 MgO 0〜20、 CaO 0〜1.99、 SrO 0.1〜20、 ZnO 0〜4、 TiO2 0〜10、 ZrO2 0〜7、 Li2O 0〜20、 Na2O 0〜10、 K2O 0〜10、 からなる情報記録媒体基板用ガラス。
- 【請求項2】ヤング率が85GPa以上である請求項1
に記載の情報記録媒体基板用ガラス。 - 【請求項3】ガラス転移点が550℃以上である請求項
1または2に記載の情報記録媒体基板用ガラス。 - 【請求項4】液相温度をTL(単位:℃)、粘度が104
Pとなる温度をT4(単位:℃)として、TL−T4<5
0である請求項1、2または3に記載の情報記録媒体基
板用ガラス。 - 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載の情報記
録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基
板。 - 【請求項6】請求項5に記載の情報記録媒体用ガラス基
板であって、120℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時
間保持した該ガラス基板表面に存在する、大きさが10
μm以上の付着物の数が1個/cm2以下であり、大き
さが1μm以上10μm未満の付着物の数が105個/
cm2以下である情報記録媒体用ガラス基板。
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