JP2000178072A - 窒化アルミニウム質焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム質焼結体

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JP2000178072A
JP2000178072A JP10361451A JP36145198A JP2000178072A JP 2000178072 A JP2000178072 A JP 2000178072A JP 10361451 A JP10361451 A JP 10361451A JP 36145198 A JP36145198 A JP 36145198A JP 2000178072 A JP2000178072 A JP 2000178072A
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metal oxide
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Tomohiro Iwaida
智広 岩井田
Hiroshi Okayama
浩 岡山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高熱伝導性を有しながらも、1700℃以下の
温度で焼結可能であり、強度に優れた窒化アルミニウム
質焼結体とその製造方法を提供する。 【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とし、少なくと
も希土類元素酸化物(RE2 3 )とアルカリ土類金属
酸化物(RO)を、RO/RE2 3 の比率が0.2〜
0.5を満足する割合で合計0.5〜20重量%含み、
シリカ(SiO2)およびアルミナ(Al2 3 )を合
計で0.1〜5.0重量%の割合でそれぞれ含む焼結体
であって、窒化アルミニウム粒子の粒界相が、YAG型
結晶相と、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結晶相
を含み、前記YAG型結晶相における(2,1,1)面
ピーク強度をY、前記アルカリ土類金属酸化物−アルミ
ナ系結晶相のうちアルカリ土類金属酸化物:アルミナの
モル比が1:1であるものにおける(2,2,0)面ピ
ーク強度をRAとした時、Y/RAで表されるピーク強
度比が3〜15となるように制御して、3点曲げ強度が
530MPa以上の焼結体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種配線基板や半
導体素子収納用パッケージ用の絶縁材料に適用される窒
化アルミニウム質焼結体に関し、詳細には1700℃以
下の低温での焼成が可能であって、良好な熱伝導率を有
するとともに、高い強度を有する窒化アルミニウム質焼
結体に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導
体装置から発生する熱も増加しており、該半導体装置の
誤動作をなくすためには、このような熱を装置外に速や
かに放出する基板が必要になっている。しかしながら、
これまで各種絶縁基板材料として用いられてきたアルミ
ナ材料では、熱伝導率が15W/m・K程度低いことか
ら、それに代わるものとして高い熱伝導率を有する窒化
アルミニウムが注目され始め、本来、窒化アルミニウム
は単結晶では理論熱伝導率が320W/m・Kと高いこ
とから、最近では多結晶で200W/m・Kを越えるよ
うな窒化アルミニウム質焼結体も得られている。
【0003】このような、窒化アルミニウム質焼結体の
製造方法としては、従来より希土類化合物またはアルカ
リ土類化合物等の焼結助剤を添加して1800℃以上の
高温で焼成する方法がある。
【0004】しかしながら、前記製造方法では焼成に使
用する冶具の消耗や、焼成炉の構造、更に焼成に係わる
ランニングコスト等を考慮すると製造コストがかなり高
くなるという欠点があった。そこで、係る欠点を解消し
て製造コストを低減するために、焼結助剤として希土類
化合物とアルカリ土類化合物を同時に添加し、1600
〜1700℃で焼成する方法が提案されている(特公平
6−49613号公報、特公平7−17454号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記希
土類化合物とアルカリ土類化合物を同時に添加して得ら
れた窒化アルミニウム質焼結体は強度が高くとも450
MPaと低く、これを用いて銅貼り基板やパッケージ等
の製品を製造する場合、銅貼り時の熱応力により割れが
発生したり、あるいは実装後の信頼性試験時に破壊する
等の諸処の問題があり、強度の向上が求められていた。
【0006】従って、本発明は、1700℃以下の低温
で焼結可能であり、且つ高熱伝導率と高強度を兼ね備え
た窒化アルミニウム質焼結体を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に対して鋭意検討を重ねた結果、窒化アルミニウムに対
する助剤成分として、希土類元素酸化物、アルカリ土類
金属酸化物、SiO2およびAl2 3 を含有するとと
もに、粒界相中にYAG型結晶相(Y)とアルカリ土類
金属酸化物−アルミナ系結晶相(RA)をX線回折チャ
ートにおいて、特定の関係を満足するように析出させる
ことにより、上記目的が達成されることを見いだし、本
発明に至った。
【0008】即ち、本発明の窒化アルミニウム質焼結体
は、少なくとも希土類元素酸化物(RE2 3 )とアル
カリ土類金属酸化物(RO)を、RO/RE2 3 の比
率が0.2〜0.5を満足する割合で合計0.5〜20
重量%の割合で含むとともに、シリカ(SiO2 )およ
びアルミナ(Al2 3 )を合計で0.1〜5.0重量
%の割合でそれぞれ含み、窒化アルミニウム粒子の粒界
相が、YAG型結晶相と、アルカリ土類金属酸化物−ア
ルミナ系結晶相を含み、前記YAG型結晶相における
(2,1,1)面ピーク強度をY、前記アルカリ土類金
属酸化物−アルミナ系結晶相のうちアルカリ土類金属酸
化物とアルミナのモル比が1:1の化合物の(2,2,
0)面におけるピーク強度をRAとしたとき、Y/RA
で表されるピーク強度比が3〜15であり、且つ3点曲
げ強度が530MPa以上であることを特徴とするもの
である。
【0009】また、上記焼結体中には、Siを酸化物換
算で0.1重量%以上の割合で含有することが低温焼結
性の点で望ましい。
【0010】
【作用】希土類元素酸化物は、窒化アルミニウム原料中
に含有される不純物酸素と反応し、液相を生成すること
により焼結を促進する他、焼結中にYAG、YAP、Y
AM型結晶相を生成し、焼結体を構成する窒化アルミニ
ウム粒子に固溶する酸素を減少させて焼結体の高熱伝導
化を図る作用をなすもので、また、アルカリ土類金属酸
化物も、窒化アルミニウム原料中に含有される不純物酸
素と反応し、希土類元素酸化物に比べてより低温で液相
を生成し、焼結を促進する上、アルカリ土類金属酸化物
−アルミナ系結晶相(アルミネート)を生成し、焼結体
を構成する窒化アルミニウム粒子に固溶する酸素を減少
させて焼結体の高熱伝導化を図る作用をなし、SiO2
は、低温にて液相を生成して低温焼結性を高める成分で
あり、また、Al2 3 は希土類元素をアルミネート化
して、耐薬品性を高める作用をする。
【0011】窒化アルミニウム粒子の粒界には、YAG
型結晶相を主として含み、さらに副結晶相として、アル
カリ土類金属酸化物(RO)−アルミナ系結晶相を含
む。アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結晶相として
は、RAl2 4 、RAl4 7 で表される結晶相が挙
げられる。このうちのROとAl2 3 のモル比率が
1:1で化合しているRAl2 4 とYAG型結晶相と
のXRDピーク強度比Y/RAが3未満のときは強度が
低下した。このとき破壊源としては助剤の偏析となって
おりこれが原因と考えられる。またY/RAが15以上
のときまた強度は低下した。これはアルカリ土類金属酸
化物:アルミナの比率が1:2のRAl4 7 で表され
る結晶相が多くなる為である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の窒化アルミニウム質焼結
体は、組成として、窒化アルミニウムからなる主成分に
対して、少なくとも希土類元素酸化物(RE2 3 )と
アルカリ土類金属酸化物(RO)を合計で0.5〜20
重量%、特に7〜15重量%の割合で含有する。また、
これらの希土類元素酸化物(RE2 3 )とアルカリ土
類金属酸化物(RO)とは、RO/RE2 3 の重量比
率が0.2〜0.5、特に0.25〜0.4を満足する
割合で含有されるものである。
【0013】ここで、上記含有量が0.5重量%よりも
少ないと、1700℃以下の低温で緻密化できず、熱伝
導率が大幅に低下し、20重量%を越えると、熱伝導率
が低下し表面にシミ状の結晶が多発し外観不良となるた
めである。また、RO/RE2 3 比率が0.2よりも
小さいと、低温で焼結することが困難であり、0.5よ
りも大きいと、耐薬品性が劣化するためである。
【0014】希土類元素酸化物は、窒化アルミニウム原
料中に含有される不純物酸素と反応し、液相を生成する
ことにより焼結を促進する他、焼結中にYAG、YA
P、YAM型結晶相を生成し、焼結体を構成する窒化ア
ルミニウム粒子に固溶する酸素を減少させて焼結体の高
熱伝導化を図る作用をなすもので、具体的には、Y2
3 、Er2 3 、Yb2 3 等が挙げられ、これらの中
でも耐薬品性の点でEr2 3 、Y2 3 が望ましい。
【0015】また、アルカリ土類金属酸化物も、窒化ア
ルミニウム原料中に含有される不純物酸素と反応し、希
土類元素酸化物に比べてより低温で液相を生成し、焼結
を促進する上、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結
晶相(アルミネート)を生成し、焼結体を構成する窒化
アルミニウム粒子に固溶する酸素を減少させて焼結体の
高熱伝導化を図る作用をなし、具体的には、CaO、M
gO、SrO、BaO等が挙げられ、これらの中でも耐
薬品性に優れる点からSrO、CaOが望ましい。
【0016】また、本発明の窒化アルミニウム質焼結体
中には、シリカ(SiO2 )およびアルミナ(Al2
3 )を合計で0.1〜5.0重量%、特に2.0〜4.
0重量%の割合でそれぞれ含む。これは、0.1重量%
よりも少ないと、耐薬品性が低下し、5.0重量%より
も多いと熱伝導率が低下するためである。特に、SiO
2 は、低温にて液相を生成して低温焼結性を高める成分
であり、0.1重量%以上、特に0.3重量%以上の割
合で添加し、また、Al2 3 は希土類元素をアルミネ
ート化して、耐薬品性を高める作用をすることから、2
重量%以上の割合でそれぞれ含まれることが望ましい。
【0017】なお、上記の各組成は、焼結体中に金属元
素として検出される希土類元素、アルカリ土類金属、S
i量を酸化物換算したものであるが、Al2 3 量は、
焼結体中の全酸素量から、検出された希土類元素、アル
カリ土類金属およびSiに化学量論的に結合している酸
素量を除いた酸素をAl2 3 換算することにより算出
される。
【0018】また、本発明の窒化アルミニウム質焼結体
は、組織上、窒化アルミニウム粒子を主とするものであ
り、かかる窒化アルミニウム粒子は、平均粒径1〜3μ
mの大きさで存在する。
【0019】また、窒化アルミニウム粒子の粒界には、
YAG型結晶相を主として含み、さらに副結晶相とし
て、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結晶相を含
む。YAG型結晶相とは、一般化学式Al5 3 12
表される希土類元素酸化物とアルミナとの複合酸化物結
晶である。また、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系
結晶相としては、RAl2 4 、RAl4 7 で表され
る結晶相が挙げられる。
【0020】本発明によれば、X線回折測定において、
2θ=18°付近に検出されるYAG型結晶相における
(2,1,1)面のピーク強度をY、2θ=29°付近
に検出される前記アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系
結晶相における(2,2,0)面ピーク強度をRAとし
た時、Y/RAで表されるピーク強度比が、3〜15特
に4〜10であることが重要である。これは、上記ピー
ク強度比が、3より小さいか、あるいは15よりも大き
いと、いずれも目的とする強度が得られないためであ
る。
【0021】また、本発明によれば、2θ=33°付近
に検出される窒化アルミニウムの(1,0,0)面ピー
ク強度をALとした時、Y/ALで表されるピーク強度
比が0.01〜0.8、RA/ALで表されるピーク強
度比が0.003〜0.1であることが焼結体の熱伝導
率、強度、外観の観点から望ましい。
【0022】さらに、これらの窒化アルミニウム粒子、
粒界中の各結晶相間には、少なくともSi、Al、酸素
を含有する非晶質相が存在する場合もある。
【0023】本発明の窒化アルミニウム質焼結体は、上
記の構成によって、後述する実施例からも明らかなよう
に、熱伝導率が70W/m・K以上、特に80W/m・
K以上の高い熱伝導率を有するとともに、JISR16
01に基づく3点曲げ強度試験において、530MPa
以上、特に550MPa以上の優れた強度を有するもの
である。
【0024】本発明の窒化アルミニウム質焼結体の製造
方法によれば、まず、窒化アルミニウム原料粉末を準備
する。この原料粉末は、直接窒化法、あるいは還元窒化
法によって作製されたものであり、特に、低温焼結性を
高める上で還元窒化法の原料であることが望ましい。
【0025】また、窒化アルミニウム原料粉末は、平均
粒径が0.8〜2.5μm、BET比表面積が2〜5m
2 /g、不純物酸素量が0.5〜3.0重量%のものが
望ましい。
【0026】次に、上記窒化アルミニウム原料粉末に対
して、前述したような希土類元素酸化物(RE
2 3 )、アルカリ土類金属酸化物(RO)を合計で
0.5〜20重量%、特に7〜15重量%の割合で添加
する。その時、RO/RE2 3 の重量比率が0.2〜
0.5、特に0.25〜0.4を満足するように添加混
合する。この時の比率を上記範囲に限定するのは、前述
した通りである。
【0027】また、本発明によれば、さらに、シリカ
(SiO2 )およびアルミナ(Al23 )を合計で
0.1〜5.0重量%、特に2.0〜4.0重量%の割
合でそれぞれ添加混合する。この時のAl2 3 量は、
窒化アルミニウム原料粉末中に含まれる酸素量をAl2
3 換算したものも含める。なお、SiO2 量は、0.
1重量%以上、特に0.3重量%以上、Al2 3 量は
2.0重量%以上であることが望ましい。
【0028】次に、各成分を上記のような比率で配合し
た混合物に、適宜、アクリル系、ブチラール系等の有機
バインダーと、イソプロピルアルコール、トルエン等の
溶媒を添加混合して成形用原料を調製する。この成形用
原料を用いて、所望の成形手段、例えば、ドクターブレ
ード法、圧延法などのシート成形法、金型プレス、冷間
静水圧プレス、押出成形等により任意の形状に成形す
る。
【0029】上記のようにして作製された成形体を非酸
化性雰囲気もしくは還元雰囲気中にて1550〜170
0℃の温度で焼成する。雰囲気としては、窒素中の他、
水素と窒素混合雰囲気中で焼成するが、特に配線基板な
どの作製において、WやMo等の高融点金属との同時焼
成を行う場合には、窒素水素混合の雰囲気中で同時焼成
する。この焼成によって、相対密度が99%以上となる
ように焼成する。
【0030】その後、上記焼成後の冷却過程で焼成時と
同様な雰囲気のままで1300〜1500℃の温度領域
で1〜2時間程度一時的に放置あるいは徐冷した後、室
温まで冷却する。その他、焼成後に一旦室温付近まで冷
却した後、再度、昇温して1300〜1500℃で1〜
2時間程度熱処理する。
【0031】この熱処理によって、焼結体中の希土類元
素酸化物をYAG型結晶相として、アルカリ土類金属酸
化物を、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結晶相と
して積極的に粒界に析出させることができるとともに、
所望の結晶相比率に粒界結晶相を変化させることが出来
る。
【0032】
【実施例】還元窒化法によって作製された平均粒径1.
3μm、不純物酸素量1.0重量%、陽イオン不純物量
が400ppm以下の窒化アルミニウム原料粉末に対し
て、純度99.9%以上の各種希土類元素酸化物、アル
カリ土類金属炭酸塩、SiO2 粉末、Al2 3 粉末を
用いて、表1、2に示すような割合で添加混合した。こ
の粉末に成形用バインダーとしてアクリル系バインダー
とトルエンの有機溶媒と混練した後、ドクターブレード
法によりグリーンシートを成形した。
【0033】前記グリーンシートを30mm□に切断し
た後、水素窒素混合雰囲気中で表1、表2に示す温度で
3時間焼成後、さらに表1、2に示す温度で1時間熱処
理を施した。
【0034】得られた焼結体に対して、X線回折法によ
り窒化アルミニウム結晶以外の結晶相、即ち、粒界結晶
相を同定するとともに、2θ=18°付近に検出される
YAG型結晶相における(2,1,1)面のピーク強度
Y、2θ=29°付近に検出される前記アルカリ土類金
属酸化物−アルミナ系結晶相における(2、2、0)面
ピーク強度RA、2θ=33°付近に検出される窒化ア
ルミニウムの(1,0,0)面ピーク強度ALを求め、
Y/RA、Y/AL、RA/ALの各ピーク強度比を算
出した。なお、表中、試料No.22の焼結体について、
そのX線回折チャート図を図1に示した。
【0035】また、焼結体に対してアルキメデス法によ
り焼結体の相対密度を求め、さらにJISR1611に
基づき厚み3mmの試料によってレーザーフラッシュ法
により熱伝導率を求め、厚さなどによる測定値を補正し
た値を表1に示した。さらに、JISR1601に従い
研磨後の3点曲げ強度を評価した。結果は、表1、2に
示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1、2の結果から明かなように、本発明
の試料は、いずれも熱伝導率が70W/m・K以上の特
性を有しながら、3点曲げ強度530MPa以上の強度
が得られた。
【0039】これに対して、希土類元素量、アルカリ土
類元素量、あるいは焼成条件などによってX線ピーク強
度比(Y/RA)が3未満または15を超える試料N
o.1〜4、6、7、10、13、14、17、19、
25、26、30、33、35、38では、3点曲げ強
度が530MPaに達しないものであった。X線ピーク
強度比(Y/RA)が3未満のものではいずれも助剤成
分の偏析が多くなり、このために強度が低下していた。
これは結晶相の変化により助剤の偏析が起こりやすくな
った為と考えられる。(Y/RA)が15よりも大きい
ものでは、破壊源ははっきりせず強度低下の原因は定か
でないがおそらく、粒界自体の強度が低下しているもの
と推察される。また、試料No.34は、助剤量が20重
量%を越える結果、高い強度を有するものの、熱伝導性
が低いものであった。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、高
い熱伝導性を有しながらも、1700℃以下の低温での
焼成が可能であり、3点曲げ強度530MPa以上の窒
化アルミニウム質焼結体を提供できる。これにより、か
かる窒化アルミニウム質焼結体を用いて銅貼り基板や実
装信頼性の要求される製品を製造する場合においても、
量産性に優れた安価な製品を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化アルミニウム質焼結体(試料No.
22)のX線回折チャート図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA36 BA71 BA73 BB03 BB04 BB05 BB06 BB07 BB08 BB09 BB36 BC13 BC53 BC54 BC57 BD03 BD14 BD23 BE01 BE26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムを主成分とし、少なくと
    も希土類元素酸化物(RE2 3 )とアルカリ土類金属
    酸化物(RO)を、RO/RE2 3 の比率が0.2〜
    0.5を満足する割合で合計0.5〜20重量%含み、
    シリカ(SiO2 )およびアルミナ(Al2 3 )を合
    計で0.1〜5.0重量%の割合でそれぞれ含む焼結体
    であって、窒化アルミニウム粒子の粒界相が、YAG型
    結晶相と、アルカリ土類金属酸化物−アルミナ系結晶相
    を含み、前記YAG型結晶相における(2,1,1)面
    ピーク強度をY、前記アルカリ土類金属酸化物−アルミ
    ナ系結晶相のうちアルカリ土類金属酸化物:アルミナの
    モル比が1:1であるものにおける(2,2,0)面ピ
    ーク強度をRAとした時、Y/RAで表されるピーク強
    度比が3〜15であり、3点曲げ強度が530MPa以
    上であることを特徴とする窒化アルミニウム質焼結体。
  2. 【請求項2】Siを酸化物換算で0.1重量%以上の割
    合で含有する請求項1記載の窒化アルミニウム質焼結
    体。
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