JP2001239655A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001239655A
JP2001239655A JP2000050037A JP2000050037A JP2001239655A JP 2001239655 A JP2001239655 A JP 2001239655A JP 2000050037 A JP2000050037 A JP 2000050037A JP 2000050037 A JP2000050037 A JP 2000050037A JP 2001239655 A JP2001239655 A JP 2001239655A
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ink
discharge
recording
ejection
nozzles
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JP2000050037A
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Takehiko Kasamatsu
健彦 笠松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドの全ノズルに対応する電源容量を
もたなくてもノズルの温度の均一化を図れるインクジェ
ット記録装置の提供。 【解決手段】 インク吐出しない範囲の短パルス幅を計
算する。記録データが1であれば、記録に係わるヒータ
にはヒートパルスを供給し、記録に係わるヒータ以外の
ヒータには短パルスを供給する。記録データが0であれ
ば、全ヒータに短パルスを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、できるだけ良好な
条件で記録を行うためのノズルの温度を均一化を図るこ
とのできるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置により記録媒体
上に形成される画像は、温度変化に応じて画像濃度が変
動しやすいという問題がある。その原因はインクの組成
が温度変化に対して敏感である結果、画像形成の際に吐
出量が温度条件で変化してしまうためである。すなわ
ち、温度が上昇すると、インクの粘度低下を招き、吐出
量が増大する。
【0003】特に、電気熱変換体を発熱させ、インクを
沸騰させてその圧力でインク吐出を行うバブルジェット
方式の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の場
合、インクを急激に昇温させるため、画像の濃度変動が
大きいという問題もある。
【0004】例えば、記録を開始するとヘッド温度が急
激に上昇し、その記録を続けるうちに、記録開始の直後
よりも徐々にインク吐出のための条件が変化してしまう
ことになり、画像に乱れが生じてくる。逆に、しばらく
記録をしないでおくと、再びヘッド温度が低下し、イン
ク粘度が上昇し吐出量が低下してしまうこともある。
【0005】このような温度変化に対して、インクの吐
出状態を安定させる方法としては、特公平5−3062
7号等に記載されているように、インクを吐出しない範
囲のパルス幅または電圧により電気熱変換体を予備的に
発熱させておくことにより、ヘッド温度を上昇させる方
法がある。
【0006】このような加熱を記録前に行うことによ
り、記録直前のヘッド温度を上昇させておくことがで
き、記録開始直後の画像濃度が上昇し、記録を続けた場
合の温度との差を小さくすることができるため、形成画
像にムラを生じさせにくくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェット記録装置の高速化、また高精細化が進むに連れ
て、ヘッドのノズル数が増大していく傾向がある昨今、
記録前にヘッドを単に加温しているのみでは、吐出を頻
繁に行ったノズルとほとんど吐出を行わなかったノズル
とがある場合、各ノズルの間に生じる温度差によりそれ
ぞれのノズルから吐出されるインク滴の体積に差が生じ
てしまい、画像にムラが生じることがある。
【0008】また、インク吐出のための電源容量に関す
る課題もある。一般に、インクジェット記録装置の電源
部では、記録ヘッド部の全ノズルから同時にインクを吐
出するのに十分な電源容量をもつのが望ましい。
【0009】しかしながら、特に多ノズル化されたカラ
ーインクジェット記録装置では、電源容量が格段に増加
してしまい、安価な記録装置を実現する場合には大きな
障害となる。
【0010】そこで、シリアルタイプのインクジェット
記録装置では、通常、全てのノズルあるいはそのほとん
どを使用して記録することが極めて希であると考え、全
ノズル分の電源容量を持たないようにし、極めて希に電
源容量をオーバーするような吐出を命じる記録データが
出力された場合には、吐出動作を行うノズルの数をカウ
ントしてから、当該ノズルを用い、記録動作のためのキ
ャリッジの移動を例えば2回のパスに振り分けて記録し
ている。
【0011】以上のようなことから、限られた電源容量
において、できるだけ良好な画像形成を行うために、ノ
ズルの温度の均一化を図ることが必要となっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のインクジェット記録装置は、吐出用の電源
容量に対して、余った電源容量を算出し、インク吐出し
ないノズルに対して、インク吐出しない程度の加熱信号
を、インクジェット記録装置の持つ電源容量から記録に
使用しない電源容量の余り具合に応じて、非吐出ノズル
に供給する制御手段を有することを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明は、インクを吐出するた
めの吐出口と、該吐出口に連通する液路に設けられ前記
吐出口からインクを吐出するのに十分な熱エネルギを発
生する熱エネルギ発生手段とを備えた記録ヘッドおよび
該記録ヘッドを搭載して記録媒体に対して往復移動する
キャリッジを用いて画像記録を行うインクジェット記録
装置において、インクを吐出させない程度の熱エネルギ
を付与するための加熱信号を前記熱エネルギ発生手段に
供給する加熱信号供給手段と、画像記録を行う際に、前
記キャリッジが1スキャンする時に前記記録ヘッドの吐
出口のうち、インク吐出に係わる吐出口の数を数えるカ
ウント手段と、該カウント手段により数えた前記吐出口
の数に応じて、前記加熱信号の条件を変化させるように
制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】ここで、前記制御手段は、前記記録ヘッド
の全吐出口に対して、インク吐出に係わる吐出口の数、
および当該吐出口に連通する前記熱エネルギ発生手段に
必要な電源容量に応じて、インク吐出に係わらない吐出
口に連通する前記熱エネルギ発生手段に対する前記加熱
信号の条件を変化させる制御を行ってもよい。
【0015】また、前記制御手段は、インク吐出に係わ
らない吐出口の中から選択し、該選択された前記吐出口
に連通する前記熱エネルギ発生手段に対して前記加熱信
号を供給する制御を行ってもよい。
【0016】さらに、前記制御手段は、前記記録ヘッド
の全吐出口を複数のブロックに分け、各ブロック内の吐
出口がインク吐出に係わらない場合にのみ、当該ブロッ
ク内の吐出口に連通する前記熱エネルギ発生手段に対し
て前記加熱信号を供給する制御を行ってもよい。
【0017】また、前記制御手段は、インクを記録媒体
上に吐出する以前に、インクの吐出箇所にインク中の色
材を不溶化または凝集させる作用を有する成分を含む無
色の液体を吐出する際、インクおよび液体に応じて、前
記加熱制御を行ってもよい。
【0018】さらに、前記熱エネルギ発生手段は電気熱
変換体であってもよい。
【0019】上記構成によれば、加熱信号を供給する場
合、全吐出ノズルに相当する電源容量を持たなくても、
記録が可能であり、その電源容量を最大限利用すること
ができる上に、記録の際の画像形成においても、ムラの
発生を抑えた記録が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のイ
ンクジェット記録装置の一実施形態を詳細に説明する。
【0021】(実施形態1)図1は本発明のインクジェ
ット記録装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【0022】図1において、ロール状に巻かれた記録媒
体としての記録紙5は、搬送ローラ1および2により張
設され、紙送りモータ10の駆動により回転する給送ロ
ーラ3により矢印f方向に間欠的に搬送される。記録紙
5の搬送方向(矢印f方向)に直交する方向(矢印P方
向)にはガイドレール6および7が平行に配されてお
り、これらガイドレール6および7にはキャリッジ8が
矢印P方向に摺動方向に支持されている。キャリッジ8
には記録ヘッドユニット9が着脱可能に搭載されてい
る。記録紙5は上述したように記録ヘッドユニット9に
よる記録幅分づつ間欠送りされるが、記録紙5が停止し
ている間に記録ヘッドユニット9が矢印P方向に走査さ
れ、画像信号に応じてインク滴を記録紙5上に吐出す
る。
【0023】図2(A)は図1に示したインクジェット
記録装置に用いられる記録ヘッドユニットの要部を拡大
して示す概略斜視図であり、図2(B)は図2(A)に
示した記録ヘッドユニットの吐出口列を拡大して示す概
略平面図であり、図2(C)は図2(B)に示した吐出
口列の駆動ブロック割りを示す概略平面図である。
【0024】図2(A)において、所定のギャップを保
持しつつ記録紙5と対向する記録ヘッドユニット9の吐
出口面81には所定のピッチで複数の吐出口82が形成
され、共通液室83と各吐出口82を連通する各液路8
4にはその壁面に沿って、インク吐出用の熱エネルギを
発生するためのヒータ(電気熱変換体)85が設けられ
ている。なお、上記吐出口82と、この吐出口82に連
通しかつ少なくとも1つのヒータ85を有する液路84
とは1つのノズルを構成している。本発明においては、
単にノズルというときは、ヒータ85の表面に対向する
位置に吐出口82が配された、いわゆるサイドシュータ
タイプ、あるいはヒータ85の表面に沿う方向の延長線
上に吐出口82が配された、いわゆるエッジシュータタ
イプのいずれもが含まれるものとする。
【0025】本実施形態の記録ヘッドユニット9の上記
複数の吐出口82は、キャリッジ8の走査方向と直交す
るような方向に配列されている。画像信号または吐出信
号に基づいて、対応するヒータ85は駆動され、当該液
路84内のインクが膜沸騰され、そのときに発生する圧
力で吐出口82からインクが吐出される。また、ヘッド
部には液路84内の温度を測定する温度センサ(不図
示)が備え付けられており、状況温度に応じて記録に最
適な長さの吐出信号をヘッド部に供給するようになって
いる。
【0026】図2(B)において、符号P1〜P256
は上記記録ヘッドユニット9の各吐出口82を特定する
ための番号である。
【0027】図3は、図1に示したインクジェット記録
装置における制御を示すブロック図である。図3におい
て、12a〜12cはコンピュータ11等から送られて
くるRGB信号であり、画像処理部13はRGB信号
(12a〜12c)を各ヘッドの並び方や吐出順序を踏
まえた上で、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー
(Y),ブラック(K)の画像信号であるCMYK信号
(14a〜14d)に変換する。
【0028】ヘッド駆動回路24a〜24dは、それぞ
れC,M,Y,Kごとにパルス信号を出力する。26a
〜26dはそれぞれシアン(C),マゼンタ(M),イ
エロー(Y),ブラック(K)用のヘッド部である。2
9はCPU、31は画像制御信号、34は駆動制御信号
である。32はキャリッジモータ制御信号、33はキャ
リッジモータ、42は紙送りモータ制御信号、10は紙
送りモータである。
【0029】通常は、CMYK信号14a〜14dに変
換された吐出データにおいて、吐出データが存在する場
合に、各ヘッド駆動回路24a〜24dは、電圧24
V、パルス幅10μsec 程度のパルスの画像信号を入力
することにより、記録のための駆動パルスが発生するよ
うになっている。各ヘッド26a〜26dはこれらのパ
ルスによりヒータを発熱させ、インクを膜沸騰させてイ
ンクを吐出させることができる。
【0030】図4(A)〜(D)はそれぞれパルス幅の
異なるヘッド駆動パルスの例を示すグラフである。図4
中のTh(min)とTh(max)との間の長さの駆
動パルス、例えば図4(A)あるいは図4(B)のよう
な駆動パルスをヘッド部に転送すると、インク滴の吐出
に適した長さのパルス幅となり、このパルス幅でヒータ
を駆動することにより、ノズルからインク吐出が行われ
る。
【0031】なお、図4(A)と図4(B)のパルス幅
が違う理由は、温度により吐出条件が変化するため、最
適なパルス幅をヘッド部に転送しているためである。こ
の時のヘッド温度は、記録ヘッドユニット9内のダイオ
ードセンサ等で検出され、画像形成に最適な吐出パルス
が供給されるように制御される。
【0032】図4(C)あるいは図4(D)は、図4
(A)および図4(B)に示した信号よりも短い信号を
示している。このような短い信号を転送すると、インク
滴が吐出されない程度のパルス幅となり、インクは吐出
されなくなる。これにより、インクを吐出することなし
にヘッド部の温度を上昇させておくことができる。
【0033】次に、電源容量の余り分を算出するため、
吐出が必要となる箇所に関する画像情報について、1ス
キャン(走査)分のドットカウントを行い、吐出のため
に使用する電源容量を求める。
【0034】図5はキャリッジの1スキャンにおける記
録範囲を模式的に示す平面図である。図5において、1
色分の縦の短冊状の矩形部分が1ヘッド分の記録範囲を
示したもので、これを矢印P方向に走査したものが、キ
ャリッジの1スキャン分の全記録範囲である。Nがノズ
ル数、Lが1スキャンにおいて記録する列の数である。
この記録範囲は1色分であるので、CMYKの各色ごと
に存在する。但し、この記録範囲において、全ノズル数
の半分以上の記録箇所があった場合、つまり、電源容量
を超える吐出箇所が存在した場合には、スキャン数を例
えば2倍に増やし、上記記録箇所を半分ずつに振り分け
て第1回目と第2回目の各スキャンで全吐出箇所を記録
する方法である。
【0035】要するに、この範囲において記録すべきド
ット数が0.5×LN以上である場合は記録を2回に分
けて行うものとする。すなわち、紙送りモータ10で紙
送りをせずに、2回に分けて、1スキャン分のデータを
吐出する。
【0036】本実施形態では4色のヘッドをもっている
ので、0.5×LN×4色分のノズル数が基準となる。
以上の処理により、キャリッジの1スキャンにおいて
は、必ず電源容量を満足する条件となる。
【0037】また、以上のドットカウント処理により、
1スキャンに行う画像情報形成のための電源容量を把握
することで、余った電源容量を求めることができ、これ
を加熱パルス用の電源とし、これを吐出しないノズル数
で割ることにより、吐出しないノズルに供給するパルス
幅を計算できる。
【0038】これを式で表わすと、 A:インクジェット記録装置の全ノズルに対する吐出用
電源容量の係数(A<1)、 X:ヘッドのノズル数、 B:1スキャンでの平均インク吐出量、 C:余る電源容量 として、ノズル数で換算すると、
【0039】
【数1】 C=AX−B …(1) となる。また、全ノズル数の内、使用していないノズル
の平均をDとすると、
【0040】
【数2】 D=X−B …(2) で求められる。そして、 Y:吐出しないノズルに送るパルス幅の係数として求め
ると、
【0041】
【数3】 Y=C/D …(3) で求められる。
【0042】例えば、1024ノズルのヘッド(256
ノズル×4色)において、その半分の512(128×
4色)ノズル分の電源容量をもつインクジェット記録装
置の例で説明する。
【0043】1スキャンにおいて、例えば各色とも平均
32×4色分の吐出という画像データを記録する場合で
は、電源容量は全ノズル数1024に対して128×4
色ノズル分はもっているので、インクジェット記録装置
の全ノズルに対する吐出用電源容量の係数A=128/
256=0.5,ヘッドのノズル数X=256,1スキ
ャンでの平均インク吐出量B=32となり、(1)式か
【0044】
【数4】 余る電源容量C=0.5×256−32=96 となり、96ノズル分の電源容量がまだ余っていること
になる。この余った電源容量Cを、吐出しないノズルに
対して前記加熱のためのパルスに使用することとする。
使用していないノズル数の平均値Dを求めると、(2)
式から、
【0045】
【数5】D=256−32=224 となる。
【0046】96ノズル分の電源容量が余っているた
め、1ノズル当たりの係数は(3)式から
【0047】
【数6】Y=96/224=0.428
【0048】従って、1ノズル当たりの吐出に必要なパ
ルス幅に対して0.428倍のパルス幅の短パルスをヒ
ータに送ることにより、吐出しないノズルについても加
熱を行うことができる。これにより、吐出に係わるノズ
ルと吐出に係わらないノズルとの間における温度差が少
なくなり、画像形成におけるムラが低減される。
【0049】この例では、通常、パルス幅が10μse
cで吐出するヘッドでは、4.28μsecの短パルス
をヒータに送ることにより、吐出しないノズルについて
も温度上昇をもたらすことができ、画像形成におけるム
ラを低減することができる。
【0050】次に、図6(A)〜(C)を参照して短パ
ルスをヘッド部に供給する方法を説明する。なお、上記
短パルスとはインクを吐出するに十分なパルス幅を有す
るヒートパルスよりも短いパルス幅のパルスをいい、ヒ
ータの予熱を目的として供給される駆動信号をいう。ま
た、図6(A)はヘッド部にヒートパルス信号を送る回
路の一例を示したものであり、図6(B)はそのタイミ
ングを示したものであり、図6(C)は短パルス供給の
制御を示すフローチャートである。
【0051】図6(C)に示すように、まず、予め上記
のドットカウント処理で短パルスの信号の幅Tsは計算
されている(ステップS1)。計算されていれば、その
ときに、データが1であるとき(ステップS2)、すな
わち記録データがあるときは、当該データが優先されて
ヒートパルスがそのまま駆動信号となり、インクが吐出
されるための幅の駆動信号が吐出に係わるヒータに供給
される(ステップS3)と共に、上記ヒータ以外の吐出
に係わらないヒータには短パルスが供給される(ステッ
プS4)。また、データが0であるとき(ステップS
5)、短パルスがそのまま駆動信号の出力となり、吐出
されない程度の駆動パルス(短パルス)が全ヒータに送
られ、吐出しない程度の加熱が行われる(ステップS
6)。
【0052】以上のドットカウント処理により、吐出し
ないノズルについても基本的に吐出しない程度の駆動パ
ルスが送られるので、画像形成に大きく関係するノズル
との温度差を小さくでき、記録ヘッド内のノズル温度の
均一化を図ることができ、良好な画像を記録できる。
【0053】なお、本実施形態では、吐出しないノズル
について均一に短パルスを送っているが、図2(C)の
ようにノズルをブロックで区切り、吐出動作するブロッ
クと吐出動作しないブロックとに分け、そのブロック内
に吐出箇所のノズルがない場合にのみ、そのブロックの
ノズルに短パルスを転送する。すなわち、ブロック内に
吐出箇所のノズルが1つでもあれば、当該ノズルにのみ
吐出用のヒートパルスが送られるものの、残りのノズル
には上記の短パルスも送られないことになるが、ブロッ
ク単位での温度の均一化を図ることができる。要する
に、ブロック内で短パルスを送るノズルを選択すること
で、より少ない電源容量でノズル間温度の均一化を図れ
るように制御することも可能である。
【0054】なお、図2(C)中においては、256個
のノズルを4ノズル毎に64ブロックに分けているが、
これらの設定は任意に行うことができることは言うまで
もない。
【0055】(実施形態2)図7は本発明のインクジェ
ット記録装置の他の実施形態を説明するためのブロック
図である。なお、図7では、インクに耐水性を持たせる
ための特殊インク(以下、AMMインクという)の吐出
が可能なインクジェット記録装置の一例を示したもので
ある。
【0056】AMMインクは、記録インク滴に先駆けて
打つことにより効果があることから、基本的には記録箇
所全てにAMMインクを吐出する必要がある。
【0057】そこで、CMYKの各インクを吐出する個
所には、AMMインクを基本的には吐出しなければなら
ない。図7中のAMMデータ生成回路90においては、
画像処理部13で生成されたすべての色の吐出個所にデ
ータを読み出し、AMMインクヘッドの位置に各色ヘッ
ドが移動してきたときに一個所でも吐出個所がある場合
には色インクに先駆けてAMMインクを吐出する処理を
行う。
【0058】このとき、基本的にはCMYKの色インク
の吐出ノズル数の合計がAMMインクの吐出ノズル数の
最大値となる。
【0059】従って、BaをAMMインクの平均吐出ノ
ズル数の最大値とすると、
【0060】
【数7】Ba=Bk+Bc+Bm+Byとなる。
【0061】このとき、 Bk:ブラックインクの平均吐出ノズル数 Bc:シアンインクの平均吐出ノズル数 Bm:マゼンタインクの平均吐出ノズル数 By:イエローインクの平均吐出ノズル数 である。そして、
【0062】
【数8】C=256−Ba がAMMインクの使用しないノズルの最小値となる。こ
のとき、 Ba≧256 の場合は Ba=256 である。
【0063】従って、全ノズルの中で使用しないノズル
の数の総数は、最低でも、
【0064】
【数9】C=5X−(Ba+Ba) となる。
【0065】また、吐出に使用しない電源容量は
【0066】
【数10】D=A×5X−2Ba となり、短パルス用に使用できるパルス幅は
【0067】
【数11】Y=C/D で求められる。
【0068】先の実施形態1のように各色平均32ノズ
ル吐出するような記録データに対して当てはめてみる。
AMMインクは最大32×4=126ノズルで打つ可能
性があることになる。
【0069】このとき、全ヘッドの平均吐出ノズル数は
32×4+126=256ノズルとなる。
【0070】このときに、先の実施形態1と同様に全ヘ
ッドに対して電源容量を半分持っているインクジェット
記録装置であるとすると、ノズルに対して(256×
5)/2=640ノズル持っていることになると、64
0−256=384ノズル分は少なくとも電源容量が余
っていることになる。従って、これを吐出しないノズル
数全数で割ると、
【0071】
【数12】 384/(1280−256)=0.3757 となるので、通常の吐出信号に比べて約0.37倍の駆
動パルスを吐出しないノズルに送ることにより、ノズル
の保温を行うことができるようになる。
【0072】インク染料を不溶化する処理液は、一例と
して以下のようにして得ることができる。
【0073】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
整し、処理液A1を得ることができる。
【0074】 [A1の成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0075】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0076】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 商品名;アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代えた以外はY1と 同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以外はY1と同じ 組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外はY1と同じ組成
【0077】以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)
とインクとの混合において、本発明では、上述した処理
液とインクが被プリント材上あるいは被プリント材に浸
透した位置で混合する結果、反応の第1段階として処理
液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成
分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用している
アニオン性基を有する水溶性染料とがイオン的相互作用
により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こ
す。
【0078】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0079】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0080】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0081】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0082】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス株式会社製)に仕込み、1
mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷し
つつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cp
s、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機
にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカ
ーボンブラック分散体を作製した。
【0083】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック 24部 (商品名;Mogul L、キャブラック株式会社製) ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0084】イエローインクY2アニオン系高分子P−
2(スチレン−アクリル酸−メチルメタアクリレート、
酸価280、重量平均分子量11,000、固形分20
%の水溶液、中和剤:ジエタノールアミン)を分散剤と
して用い、以下に示す材料を用いて、ブラックインクK
2の作製の場合と同様に分散処理を行い、重量平均粒径
103nmのイエロー色分散体を作製した。
【0085】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (商品名;ノバパームイエロー PH−G、 Hoechst Aktiengesellschaft製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0086】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (商品名;ファストゲンブル−FGF、 大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0087】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0088】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122 24部 (大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0089】以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)
とインクとの混合において、本発明では、上述した処理
液とインクが被プリント材上あるいは被プリント材に浸
透した位置で混合する結果、反応の第1段階として処理
液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成
分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用している
アニオン性基を有する水溶性染料または顔料インクに使
用しているアニオン性化合物とがイオン的相互作用によ
り会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。こ
の結果顔料インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の
凝集体ができる。
【0090】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくな
り、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙
中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両
立が達成される。同時に上述したようなメカニズムによ
り生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性
オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成
される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、
液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカ
ラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色
のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うよ
うなことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、
上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の
耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果
により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効
果も有する。
【0091】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0092】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0093】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0094】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0095】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0096】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0097】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0098】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0099】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0100】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0101】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0102】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
全ノズル分の電源容量をもつことなく、記録が可能であ
る上、もっている電源容量を最大限利用した上で、画像
上の乱れを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
を示す概略斜視図である。
【図2】(A)は図1に示したインクジェット記録装置
に用いられる記録ヘッドユニットの要部を拡大して示す
概略斜視図であり、(B)は(A)に示した記録ヘッド
ユニットの吐出口列を拡大して示す概略平面図であり、
(C)は(B)に示した吐出口列の駆動ブロック分けを
示す概略平面図である。
【図3】図1に示したインクジェット記録装置における
制御を示すブロック図である。
【図4】(A)〜(D)はそれぞれパルス幅の異なるヘ
ッド駆動パルスの例を示すグラフである。
【図5】キャリッジの1スキャンにおける記録範囲を模
式的に示す平面図である。
【図6】(A)はヘッド部にヒートパルス信号を送る回
路の一例を示したブロック図であり、(B)はそのタイ
ミングを示したタイミングチャートであり、(C)は短
パルス供給の制御を示すフローチャートである。
【図7】本発明のインクジェット記録装置の他の実施形
態を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
1、2 搬送ローラ 3 給送ローラ 5 記録媒体 6、7 ガイドレール 8 キャリッジ 9 記録ヘッドユニット 10 紙送りモータ 11 コンピュータ 12a〜12c RGB信号 13 画像処理部 14a〜14d CMYK信号 24a〜24d、24s 駆動回路 25a〜25d、25s 駆動信号 26a〜26d、26s ヘッド 29 CPU 31 画像制御信号 32 キャリッジモータ制御信号 33 キャリッジモータ 34 駆動制御信号 42 紙送りモータ制御信号 81 吐出口面 82 吐出口 83 共通液室 84 液路 85 ヒータ(電気熱変換体) 90 AMMデータ生成回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口と、該吐
    出口に連通する液路に設けられ前記吐出口からインクを
    吐出するのに十分な熱エネルギを発生する熱エネルギ発
    生手段とを備えた記録ヘッドおよび該記録ヘッドを搭載
    して記録媒体に対して往復移動するキャリッジを用いて
    画像記録を行うインクジェット記録装置において、 インクを吐出させない程度の熱エネルギを付与するため
    の加熱信号を前記熱エネルギ発生手段に供給する加熱信
    号供給手段と、 画像記録を行う際に、前記キャリッジが1スキャンする
    時に前記記録ヘッドの吐出口のうち、インク吐出に係わ
    る吐出口の数を数えるカウント手段と、 該カウント手段により数えた前記吐出口の数に応じて、
    前記加熱信号の条件を変化させるように制御する制御手
    段とを有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記記録ヘッドの全吐
    出口に対して、インク吐出に係わる吐出口の数、および
    当該吐出口に連通する前記熱エネルギ発生手段に必要な
    電源容量に応じて、インク吐出に係わらない吐出口に連
    通する前記熱エネルギ発生手段に対する前記加熱信号の
    条件を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、インク吐出に係わらな
    い吐出口の中から選択し、該選択された前記吐出口に連
    通する前記熱エネルギ発生手段に対して前記加熱信号を
    供給する制御を行うことを特徴とする請求項2記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記記録ヘッドの全吐
    出口を複数のブロックに分け、各ブロック内の吐出口が
    インク吐出に係わらない場合にのみ、当該ブロック内の
    吐出口に連通する前記熱エネルギ発生手段に対して前記
    加熱信号を供給する制御を行うことを特徴とする請求項
    3記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、インクを記録媒体上に
    吐出する以前に、インクの吐出箇所にインク中の色材を
    不溶化または凝集させる作用を有する成分を含む無色の
    液体を吐出する際、インクおよび液体に応じて、前記加
    熱制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    の項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記熱エネルギ発生手段は電気熱変換体
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に
    記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006007759A (ja) * 2004-05-26 2006-01-12 Canon Inc 記録装置、当該記録装置の制御方法および、コンピュータプログラム
US7699424B2 (en) 2006-12-13 2010-04-20 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus and inkjet printing method

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