JPH10119320A - 記録装置および方法および記憶媒体 - Google Patents

記録装置および方法および記憶媒体

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JPH10119320A
JPH10119320A JP8281202A JP28120296A JPH10119320A JP H10119320 A JPH10119320 A JP H10119320A JP 8281202 A JP8281202 A JP 8281202A JP 28120296 A JP28120296 A JP 28120296A JP H10119320 A JPH10119320 A JP H10119320A
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liquid
recording
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ink
area
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JP8281202A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Nakajima
芳紀 中島
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液と画像記録用のインクを吐出して記録
を行う記録装置、方法および記憶媒体に関し、画像の輪
郭がにじむことくなく、シャープで切れの良い高品位画
像を得ること。 【解決手段】 被記録材の所定領域10,20に被記録
材を着色するインクを吐出して画像を所定形状に記録
し、この画像の少なくとも輪郭部10において、インク
による記録領域よりも広い領域に処理液を吐出すること
により、処理液がインクと反応して画像の所定形状の変
化を防止する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録装置および記録
方法および記憶媒体に関し、特に、処理液と画像記録用
のインクを吐出して記録を行う記録装置および記録方法
および記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチック、OHP用
シート等の被記録材(以下、単に記録紙という)に対し
て記録を行うインクジェット記録装置は、高密度、かつ
高速記録動作が可能であることから、情報処理システム
の出力機器として利用されている。たとえば、複写機、
ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、
ワークステーション等の出力装置としてのプリンタ、あ
るいはパーソナルコンピータ、ホストコンピュータ、光
ディスク装置、ビデオ装置等に備えられるハンディまた
はポータブルプリンタとして商品化され、利用されてい
る。
【0003】この場合、インクジェット記録装置は、こ
れらの装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をと
る。一般にインクジェット記録装置は、記録手段(記録
ヘッド)およびインクタンクを搭載するキャリッジと、
記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手
段とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を
吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方
向)と略直行する方向(主走査方向)にシリアルスキャ
ンさせる。一方で、非記録時に記録紙を記録幅に等しい
量ずつ間欠搬送するものである。この搬送方法は、記録
信号に応じてインク滴を記録用紙上に吐出させて記録を
行うものであり、ランニングコストが安く、動作音が静
粛な記録方式としても用いられている。また、インク滴
を吐出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配列さ
れた記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録
紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録
がなされる。このため、記録動作の高速化を達成するこ
とが可能である。
【0004】ところで、インクジェット記録装置によっ
てカラー画像を普通紙に記録する場合、通常は普通紙へ
のインクの浸透性の良い速乾性のインクを用いる。この
ため、カラー画像を構成する各色の境界領域においてイ
ンクのにじみを防ぐことができる。しかし、速乾性のイ
ンクを用いた場合、黒の画像部は低濃度となり、また他
の彩色画像部は発色性の低いものとなってしまう。さら
に、文字等に代表される線画を記録した場合、記録紙の
繊維に沿ってインクがにじむ、いわゆるフェザリングが
発生してしまう。特に、黒文字はフェザリングが目立ち
易く、シャープさに欠けた不鮮明な文字となる。その結
果、記録画像の品位が著しく低下したものとなる。
【0005】そこで、黒の画像部が高濃度であり、かつ
フェザリングが発生することのない高品位の記録画像を
得るためには、普通紙への浸透度が比較的遅いインクを
ある程度多量に打ち込む必要がある。しかしこの場合に
は、黒の画像部と彩色画像部との境界部において黒イン
クとカラーインクのにじみが生じ、記録画像の品位が著
しく低下したものとなる。
【0006】このように、従来のインクジェット記録装
置およびその記録方法では、カラー画像の印字品位をユ
ーザのニーズに応じたレベルにすることは困難である。
【0007】このニーズに応えるべく、たとえば記録装
置内にヒータ等を設けてインクの乾燥を促進し、発色性
が高く色間のにじみのないカラー画像を得る方式も提案
され、実用化されている。しかしこの方式では、装置が
大型化し高コストのものになってしまい、小型、低コス
トのものでは、黒やカラー各色間のインクのにじみ防止
と、黒画像の高濃度化と、フェザリングの発生防止とを
図ることは困難であった。
【0008】そこで、特開平3−146355号公報、
特開平4−158049号公報、特開昭56−8499
2号公報、特開昭64−63185号公報、特開平7−
195823号公報による各種提案がなされている。特
開平3−146355号公報では、黒画像とカラー画像
との境界に沿った領域は記録を行わない方法が提案され
ている。しかし、この方法では、記録されるデータが変
化することで画像品位が低下する。
【0009】また特開平4−158049号公報では、
カラー記録用の複数色ヘッドと文字記録用のヘッドを有
し、記録画像に基づいて複数色ヘッドと文字記録用のヘ
ッドを切り替えて記録する方法が提案されている。しか
し、この方法では、カラー記録用の複数色ヘッドで記録
した黒画像と文字記録用のヘッドで記録した黒画像とが
混在した場合には、両者の画像品位の違いにより違和感
が生じてしまう。
【0010】さらに、黒画像とカラー画像との境界に沿
った黒領域はカラーインクを重ね打ちして形成し、黒画
像とカラー画像との境界域でのにじみを防止する方法が
考えられている。この方法では、黒画像は原理的には
Y,M,Cの3色を重ね打ちして(混色して)も得られ
る。しかし、このように混色して得た黒画像は、通常の
インクよりも発色が悪くなる。
【0011】上記公報のうち特開昭56−84992号
公報、特開昭64−63185号公報、特開平7−19
5823号公報には、インク中の染料を不溶化させる液
体を用いる技術が開示されている。すなわち、特開昭5
6−84992号公報には、染料を定着させるための材
料を予め記録紙に塗工させておく方法が開示されてい
る。しかし、この方法では特定の記録紙を用いる必要が
あるとともに、染料を定着させるための材料を予め記録
紙に塗工させておくためには装置の大型化、コストアッ
プは避けられない。さらに、記録紙上に当該材料を所定
の膜厚で安定して塗工させることは困難である。
【0012】また、特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記
録ヘッドによって記録紙上に付着させる技術が開示され
ている。この方法によれば、無色のインクのドット径を
画像記録用のインクのドット径よりも大きくしているの
で、画像記録用のインクと無色のインクの着弾位置がず
れた場合にも所望の特性を満足できるものとしている。
【0013】さらに、特開平7−195823号公報に
開示された技術では、無色の先がけ物質をインクジェッ
ト記録に先だって記録紙表面に付与することにより、特
に1パスでのカラー印字が可能になったとしている。
【0014】このように各提案の記録方法によれば、イ
ンク中の染料を不溶化するためにカラー記録に適応した
際には、各色間のインクのにじみを防止できる可能性が
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術では、染料を不溶化するインクを用い
た場合でも、画像輪郭部ではフェザリング等による画像
品位が低下するという課題があった。
【0016】そこで、本発明は上述の点に鑑みて成され
たもので、その目的は上記の課題を解決した記録装置お
よび記録方法および記憶媒体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明の装置は、第1の液体と第
2の液体を吐出する吐出手段を有し、前記第1および第
2の液体を被記録材に吐出することで前記被記録材上に
画像を記録する記録装置において、前記被記録材の所定
領域に前記第1の液体を吐出して前記画像を所定形状に
記録する第一手段と、前記第一手段によって記録された
前記画像の少なくとも輪郭部において、前記第1の液体
による記録領域よりも広い領域に前記第2の液体を吐出
する第二手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】ここで、前記第二手段によって前記第2の
液体を吐出された前記被記録材の前記所定領域に前記第
1の液体を吐出する第三手段をさらに備えることもでき
る。
【0019】ここで、前記第一手段によって吐出される
前記第1の液体は前記被記録材を着色するインクであ
り、前記第二手段によって吐出される前記第2の液体
は、前記第1の液体と反応して前記画像の前記所定形状
の変化を防止することもできる。
【0020】ここで、前記第二手段によって吐出される
前記第2の液体による前記被記録材上のドット径は、少
なくとも前記輪郭部において前記第1の液体によるドッ
ト径より大きくすることもできる。
【0021】ここで、前記第二手段による前記第2の液
体の一回の吐出量は、前記第1の液体の一回の吐出量よ
り少なくとも前記輪郭部において多くすることもでき
る。
【0022】さらに、前記第二手段による前記第2の液
体の吐出回数は、前記第一手段による前記第1の液体の
吐出回数より少なくとも前記輪郭部において多くするこ
ともできる。
【0023】さらに、前記第二手段によって、前記第一
手段により記録された前記画像の輪郭部に隣接する前記
画像外の画素にも前記第2の液体を吐出することもでき
る。
【0024】ここで、前記吐出手段は前記第1および第
2の液体に熱エネルギを付与する手段を有し、前記熱エ
ネルギによって気泡を生じさせることで前記第1および
第2の液体を吐出することもできる。
【0025】上記目的を達成するために、請求項9に記
載の本発明の方法は、第1の液体と第2の液体を被記録
材に吐出することで前記被記録材上に画像を記録する記
録方法において、前記被記録材の所定領域に前記第1の
液体を吐出して前記画像を所定形状に記録する第一段階
と、前記第一段階で記録された前記画像の少なくとも輪
郭部において、前記第1の液体による記録領域よりも広
い領域に前記第2の液体を吐出する第二段階とを含むこ
とを特徴とする。
【0026】ここで、前記第2の液体を吐出する前記第
二段階の後に、前記被記録材の前記所定領域に前記第1
の液体を吐出する第三段階をさらに有することもでき
る。
【0027】ここで、前記第一段階において吐出される
前記第1の液体は前記被記録材を着色するインクであ
り、前記第二段階において吐出される前記第2の液体
は、前記第1の液体と反応して前記画像の前記所定形状
の変化を防止することもできる。
【0028】ここで、前記第二段階において吐出される
前記第2の液体による前記被記録材上のドット径は、少
なくとも前記輪郭部において前記第1の液体によるドッ
ト径より大きくすることもできる。
【0029】ここで、前記第二段階では、前記第2の液
体の一回の吐出量を、前記第1の液体の一回の吐出量よ
り少なくとも前記輪郭部において多くすることもでき
る。
【0030】さらに、前記第二段階では、前記第2の液
体の吐出回数を、前記第一段階における前記第1の液体
の吐出回数より少なくとも前記輪郭部において多くする
こともできる。
【0031】さらに、前記第二段階では、前記第一段階
で記録された前記画像の輪郭部に隣接する前記画像外の
画素にも前記第2の液体を吐出することもできる。
【0032】ここで、前記第1および第2の液体に熱エ
ネルギを付与して気泡を生じさせることで前記第1およ
び第2の液体を吐出することもできる。
【0033】上記目的を達成するために、請求項17に
記載の本発明の記憶媒体は、被記録材の所定領域に第1
の液体を吐出して記画像を所定形状に記録する第一段階
と、第一段階で記録された前記画像の少なくとも輪郭部
において、前記第1の液体による記録領域よりも広い領
域に第2の液体を吐出する第二段階とを含む記録方法の
プログラムを記憶したことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を詳細に説明する。
【0035】(第1の実施の形態)図1は本発明を適用
したインクジェット記録装置の概略斜視図であり、本発
明にかかるインクジェット記録方法が適用される。
【0036】インクジェット記録装置9において、2は
キャリッジであり、それぞれインクジェットタイプの、
処理液を吐出させる記録ヘッド1sと画像記録用のイン
クを吐出させる記録ヘッド1kを搭載する。記録装置9
本体の電気回路から両記録ヘッド1s,1kには、フレ
キシブルケーブル3により電気信号が伝送される。4は
キャップユニットであり、記録ヘッド1s,1kに対応
したキャップ部材5s,5kと、ゴムなどの弾性部材で
形成されたワイパーブレード6を備えている。
【0037】キャップ部材5s,5kは上下方向に昇降
することができ、キャリッジ2がホームポジションにあ
るときには記録ヘッド部と接合してこれをキャッピング
し、記録ヘッド1s,1kの吐出口内のインクが蒸発し
て増粘・固着して吐出不良になるのを防いでいる。ま
た、記録ヘッドが万一吐出不良になった場合、ポンプユ
ニットを用いてキャップと記録ヘッド1s,1kとを接
合させて行う吸引回復処理などに際して、そのための負
圧を生じさせる。ワイパーブレード6は、吐出口面に付
着した液滴を拭き取り清掃(ワイピング)するように構
成されている。
【0038】また、8は被記録材である記録紙7を給紙
するための給紙トレイである。このような構成のインク
ジェット記録装置9は、記録ヘッド1s,1kを被記録
材の搬送方向(副走査方向)Aと略直交する方向(主走
査方向)Bにシリアルスキャンさせて記録ヘッド1s,
1kのノズル数に対応した幅の記録を行い、一方で、非
記録時には被記録材を当該記録幅に等しい量だけ間欠的
に搬送することで一枚の被記録材に記録を行うものであ
る。この際、記録ヘッド1sにより処理液を吐出して、
記録ヘッド1kより画像記録のためのインクを吐出して
被記録材に画像を記録する。
【0039】記録ヘッド1s,1kはそれぞれ64個の
ノズルを配列されており、各ノズルからはたとえば約8
0ngの処理液滴、または画像記録のためのインク滴が
吐出される。両記録ヘッド1s,1kは、ヒータ等によ
り熱エネルギを処理液、または画像記録用のインクに付
与して膜沸騰現象を起こし、これにより処理液滴または
インク滴を吐出させるバブルジェット方式を採るもので
ある。このタイプの記録ヘッドは吐出口を高密度に配列
することができるため、高解像度の記録が可能である。
また、電気的駆動パルスにより一対一の対応で液路の処
理液、またはインク内に気泡を発生させることができ、
さらに、即時かつ適切に気泡の成長・収縮を行わせるこ
とができるので、特に応答性の優れた吐出を実現するこ
とができる。
【0040】図2はインクジェット記録装置9の制御回
路のブロック図である。
【0041】システムコントローラ201の内部には、
マイクロプロッサをはじめ、装置の制御プログラムや本
発明の記録方法のプログラムが記憶されている記憶媒体
(ROM)、マイクロプロセッサが処理を行う際に使用
する記憶媒体(RAM)等が配置されている。システム
コントローラ201は、装置全体を制御する。モータ2
04はドライバ202からの速度、移動距離などの情報
を受け取り動作し、主走査方向に記録ヘッドを駆動す
る。モータ205はドライバ202からの速度、移動距
離などの情報を受け取り動作し、副走査方向に被記録材
を搬送させる。
【0042】ホストコンピュータ206は、本実施の形
態の記録装置1に対して記録すべき情報を転送するため
の装置である。受信バッファ207は、ホストコンピュ
ータ206からのデータを一時的に格納し、システムコ
ントローラ201からのデータが読み込まれるまでデー
タを蓄積しておく。フレームメモリ208は、印字すべ
きデータをイメージデータに展開するためのメモリであ
り、印字に必要な分のメモリサイズを有している。本実
施の形態では、フレームメモリ208は記録用紙1枚分
を記憶可能なものとして説明するが、本発明ではフレー
ムメモリの容量は限定されるものでない。
【0043】バッファ209S,209Kは、印字すべ
きデータを一時的に記憶し、記録ヘッドのノズル数によ
り記憶容量は変化する。印字制御部210は、記録ヘッ
ドをシステムコントローラ201からの指令により適切
に制御するためのもので、印字速度、印字データ数等を
制御するととも、さらには処理液を吐出させるためのデ
ータも作成する。ドライバ211は、処理液を吐出させ
るための記録ヘッド部212Sと画像記録用のインクを
吐出させるための記録ヘッド部212Kを駆動するため
のものであり、印字制御部210からの信号により制御
される。
【0044】まず、ホストコンピュータ206から画像
データが受信バッファ207に転送されて一時的に格納
される。次に、格納されている画像データはシステムコ
ントローラ201によって読み出されてバッファ209
S,209Kに展開される。印字制御部210は、バッ
ファ209S,209Kに展開された画像データを基に
して処理液を吐出させるための処理液用データの作成を
行う。そして、各バッファ209S,209K内の画像
データおよび処理液用データに基づいて記録ヘッドの吐
出動作を制御する。
【0045】本実施の形態では、たとえば以下に示す液
体組成物の単色インクと処理液を、記録ヘッド1kと1
sに用いた。
【0046】(インク) ジエチレングリコール 15重量部 イソプロピルアルコール 3重量部 酢酸リチウム 0.1重量部 C.I.ダイレクトブルー 3重量部 (処理液) ポリアクリルアミン−塩酸塩 1重量部 トリブチルアミンクロライド 1重量部 チオジグリコール 10重量部 アセチレノール 0.5重量部 水 残部 本実施の形態において、処理液を吐出させるためのデー
タを、図3および図4を参照して説明するインクジェッ
ト記録方法により記録した。
【0047】本発明のインクジェット記録方法では、イ
ンク中の染料を不溶化する化合物を含む無色または淡色
の液体組成物である上記処理液を画像情報に応じて吐出
する工程(以下、処理工程とも記す)と、染料を含有し
た有色の液体組成物である上記インクをこの画像情報に
応じて被記録材に吐出させる工程(以下、印字工程とも
記す)とからなる。
【0048】また本発明のインクジェット記録方法で
は、第一段階として印字工程を実施し、第二段階として
処理工程を実施し、全工程が少なくとも上記二段階から
なる。
【0049】本実施の形態では、縦横ともに4ドットか
らなる印字領域に単色画像を形成する例について図3を
参照して説明する。
【0050】まず、第一段階として印字工程を遂行し、
図3(A)の印字領域に図3(B)の如く画像記録用の
インクを吐出して所定形状に画像を形成する。ここで図
3(A)は印字領域を示し、処理液が付着する領域を最
外輪郭部10と内側部20に分割して考える。図3
(B)は、記録ヘッド1kにより吐出した画像記録用の
インク滴によって被記録材上に形成された画像の一例を
示す図である。ここでは、印字領域のすべてのドットが
間引かれることなく100%記録された、いわゆるベタ
パターンの画像が形成されている。
【0051】次に、第二段階として、図3(C)または
図3(D)のいずれかの処理工程を遂行して処理液を吐
出する。図3(C)と図3(D)は、図3(B)の画像
部分に処理液が付着した印字領域のドットの状態を示す
図である。処理液の付着パターンとは、最外輪郭部10
と内側部20とで異なるパターンとなる。内側部20で
は、図3(B)に示された画像記録用のインクの吐出量
および記録パターンと略同一となる。最外輪郭部10で
は、処理液の吐出量が異なる。
【0052】すなわち、図3(C)に示す処理液の記録
方法では、最外輪郭部10のみ一個の処理液滴の吐出量
を80ng以上に大きくしている。これにより、実質的
に図3(B)のインク滴による印字領域と比較して最外
輪郭部10の処理液滴によるドット径が大きくなり、図
3(B)の最外輪郭部10の印字領域をカバーしこの印
字領域よりも処理液滴による処理領域を大きくしてい
る。
【0053】また図3(D)に示す処理液の記録方法で
は、最外輪郭部10に対してはインク滴とほぼ同量の処
理液をインク滴よりも一回多く打っている。これによ
り、実質的に図3(B)のインク滴による印字領域と比
較して最外輪郭部10の処理液滴によるドット径が大き
くなり、図3(B)の最外輪郭部10の印字領域をカバ
ーしこの印字領域よりも処理液滴による処理領域を大き
くしている。
【0054】上記第二段階により、図3(B)の最外輪
郭部10に吐出されたインク滴は、ドット径の太りやフ
ェザリングが大きくなる前に処理液と化学反応する。反
応の結果、太りやフェザリングの増大が抑えられ、第一
段階で記録用のインクを吐出して記録した画像の所定形
状の変化が防止されるため、最外輪郭部10の画像はシ
ャープになる。
【0055】さらに第三段階として再び印字工程を遂行
しても良く、この第三段階を行えば、第二段階において
既に処理液が最外輪郭部10に吐出されているので、図
3(B)の最外輪郭部10に新たに吐出された画像記録
用のインク滴も処理液と化学反応し、ドット径の太りや
フェザリングの増大が防止されるため、全体として最外
輪郭部10の画像をシャープにすることができる。特
に、黒画像についてその効果は顕著である。
【0056】なお、内側部20に対して、図3(C)ま
たは図3(D)の処理工程における処理対象のドットが
0〜100%で間引かれたとしても、最外輪郭部10の
画像のシャープネスには影響はないが、画像濃度、耐水
性等の観点からは、全ての領域のドットに処理液を吐出
することが最も効果的である。
【0057】また、上記の例では所定形状の画像として
ベタパターン画像を記録する場合について説明したが、
たとえば「口」のような、ベタパターンでなく画像の内
側に輪郭部がある画像についても、少なくとも輪郭部に
おいてインクの画像領域よりも広い領域に処理液を吐出
することで、上記と同様の効果を得ることができる。上
記のようにして画像の品位を向上させる記録方法は、印
字領域の輪郭部におけるドットの太りやフェザリング等
を防止し得るものであれば良く、たとえば、印字領域の
輪郭より外側に隣接する少なくとも1画素分の隣接領域
を処理液滴による処理領域とすることも、印字領域の一
部とこの隣接領域を処理領域とすることも可能である。
このように構成した例について、次の実施の形態におい
て説明する。
【0058】(第2の実施の形態)第1の実施の形態で
は、画像記録用のインクが吐出される画像の領域と処理
液が吐出される処理領域は、最外輪郭部において略同一
のものであった。これに対し本実施の形態では、図3
(B)の印字領域に対して、図4のように処理液の処理
領域を新たに追加したものを考える。
【0059】すなわち、図4(A)のような縦横ともに
6ドットからなる領域に対し、処理液が付着する領域
を、最外輪郭部10,内側部20,さらに最外輪郭部1
0に隣接する輪郭隣接部30に分割して考える。なお、
印字領域と印字パターンは図3の場合と同様であり、第
一段階の印字工程も同様になされる。図4(B)に、第
二段階の処理工程で処理液を吐出させる一例を示す。同
図中、黒く塗りつぶされている部分は、処理液が付着し
たドットに対応する部分である。最外輪郭部10のさら
に1画素分外側の輪郭隣接部30の領域にも処理液を吐
出させることにより、図3(B)のインクによる印字領
域よりも処理液による処理領域が大きく、印字領域をカ
バーするようになっている。このため、吐出位置がずれ
てもインク滴と処理液との化学反応により、図3(B)
の印字領域の最外輪郭部10の印字のためのドット(イ
ンク滴)の太りやフェザリングが少なくとも輪郭部で防
止され、全体として輪郭のシャープな画像が形成され、
記録画像の品位を向上させることになる。特に、黒画像
についてその効果は顕著である。
【0060】さらに、図4(C)に印字領域の処理液滴
による処理領域のドットを100%間引いたパターン
を、図4(D)に印字領域の処理液滴による処理領域の
ドットを50%間引いたパターンを示した。各々最外輪
郭部10の印字画像を処理液でカバーするので、印字領
域の輪郭部におけるドットの太りやフェザリング等を防
止し得、最外輪郭部10の印字画像の輪郭に対してシャ
ープさを出すことができる。しかし、図4(B)に示し
た例では、印字領域に対し処理液のドットを間引かず、
印字領域すべておよび隣接領域を処理液で処理している
ので、画像濃度と耐水性の点から最も効果的である。
【0061】上記のとおり説明した記録ヘッド、画像記
録用のインク、処理液、記録装置を用いて第一,第二段
階の記録を行うことにより、耐水性があり、さらにフェ
ザリングのないシャープな高品位画像を得ることができ
た。さらに第三段階として、第1の実施の形態と同様に
再び印字工程を追加して遂行しても良い。
【0062】以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)
とインクとの混合において、本発明では、上述した処理
液とインクが被記録材上あるいは被記録材に浸透した位
置で混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含
まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分または
カチオン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン
性基を有する水溶性染料または顔料インクに使用してい
るアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合を
起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結果染
料インクでは凝集体ができ顔料インクにおいては分散破
壊が起こり、顔料の凝集体ができる。
【0063】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高
分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の
凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくな
り、被記録材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、そ
の結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にし
みこむことにより、プリント品位と定着性との両立が達
成される。同時に上述したようなメカニズムにより生成
したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリゴ
マーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成される
凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、液媒体
の動きとともに移動することがないので、フルカラーの
画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイン
クで形成されていたとしても互いに混じり合うようなこ
とはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝
集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性
は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により
形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有
する。
【0064】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。また、本発明の実施にあたっては、従来技術のよ
うに分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価の金属
塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必要があ
っても本発明の効果をさらに向上させるために補助的に
使用するだけで良いので、その使用量を最小限に抑える
ことができる。その結果として、従来のカチオン性高分
子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得ようとし
た場合の問題点であった染料の発色性の低下がなくなる
ということを本発明の別の効果として挙げることができ
る。
【0065】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被記録材については特に制限されるものではなく、従
来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆ
る普通紙を好適に用いることができる。
【0066】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0067】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0068】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0069】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0070】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0071】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0072】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0073】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0074】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0075】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0076】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0077】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0078】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0079】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0080】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0081】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0082】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0083】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0084】本発明方法は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用
しても良い。また、本発明方法はシステム或いは装置に
プログラムを供給することによって達成される場合にも
適用できることは言うまでもない。この場合、本発明方
法を達成するためのソフトウエアによって表されるプロ
グラムを格納した記憶媒体をシステム或いは装置に読み
出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明
方法の効果を享受することが可能になる。
【0085】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、被記録材の所定領域に被記録材を着色するインクを
吐出して画像を所定形状に記録し、この画像の少なくと
も輪郭部において、インクによる記録領域よりも広い領
域に処理液を吐出することにより、処理液がインクと反
応して画像の所定形状の変化を防止するので、画像の輪
郭がにじむことくなく、シャープで切れの良い高品位画
像を得られるという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の概
略斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の制
御部を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の記録方法を説明す
る説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の記録方法を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
1s,1k 記録ヘッド 2 キャリッジ 3 フレキシブルケーブル 4 キャップユニット 5s,5k キャップ部材 6 ワイパーブレード 8 給紙トレイ 9 インクジェット記録装置 10 最外輪郭部 20 内側部 30 輪郭隣接部 201 システムコントローラ 202,211 ドライバ 204,205 モータ 206 ホストコンピュータ 207 受信バッファ 208 フレームメモリ 209S,209K バッファ 210 印字制御部 212S,212K 記録ヘッド部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の液体と第2の液体を吐出する吐出
    手段を有し、前記第1および第2の液体を被記録材に吐
    出することで前記被記録材上に画像を記録する記録装置
    において、 前記被記録材の所定領域に前記第1の液体を吐出して前
    記画像を所定形状に記録する第一手段と、 前記第一手段によって記録された前記画像の少なくとも
    輪郭部において、前記第1の液体による記録領域よりも
    広い領域に前記第2の液体を吐出する第二手段とを備え
    たことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第二手段によって前記第2の液体を
    吐出された前記被記録材の前記所定領域に前記第1の液
    体を吐出する第三手段をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第一手段によって吐出される前記第
    1の液体は前記被記録材を着色するインクであり、前記
    第二手段によって吐出される前記第2の液体は、前記第
    1の液体と反応して前記画像の前記所定形状の変化を防
    止することを特徴とする請求項1または2に記載の記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第二手段によって吐出される前記第
    2の液体による前記被記録材上のドット径は、少なくと
    も前記輪郭部において前記第1の液体によるドット径よ
    り大きいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第二手段による前記第2の液体の一
    回の吐出量は、前記第1の液体の一回の吐出量より少な
    くとも前記輪郭部において多いことを特徴とする請求項
    4に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第二手段による前記第2の液体の吐
    出回数は、前記第一手段による前記第1の液体の吐出回
    数より少なくとも前記輪郭部において多いことを特徴と
    する請求項4に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記第二手段によって、前記第一手段に
    より記録された前記画像の輪郭部に隣接する前記画像外
    の画素にも前記第2の液体を吐出することを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記吐出手段は前記第1および第2の液
    体に熱エネルギを付与する手段を有し、前記熱エネルギ
    によって気泡を生じさせることで前記第1および第2の
    液体を吐出することを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 第1の液体と第2の液体を被記録材に吐
    出することで前記被記録材上に画像を記録する記録方法
    において、 前記被記録材の所定領域に前記第1の液体を吐出して前
    記画像を所定形状に記録する第一段階と、 前記第一段階で記録された前記画像の少なくとも輪郭部
    において、前記第1の液体による記録領域よりも広い領
    域に前記第2の液体を吐出する第二段階とを含むことを
    特徴とする記録方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の液体を吐出する前記第二段
    階の後に、前記被記録材の前記所定領域に前記第1の液
    体を吐出する第三段階をさらに有することを特徴とする
    請求項9に記載の記録方法。
  11. 【請求項11】 前記第一段階において吐出される前記
    第1の液体は前記被記録材を着色するインクであり、前
    記第二段階において吐出される前記第2の液体は、前記
    第1の液体と反応して前記画像の前記所定形状の変化を
    防止することを特徴とする請求項9または10に記載の
    記録方法。
  12. 【請求項12】 前記第二段階において吐出される前記
    第2の液体による前記被記録材上のドット径は、少なく
    とも前記輪郭部において前記第1の液体によるドット径
    より大きいことを特徴とする請求項9ないし11のいず
    れかに記載の記録方法。
  13. 【請求項13】 前記第二段階では、前記第2の液体の
    一回の吐出量を、前記第1の液体の一回の吐出量より少
    なくとも前記輪郭部において多くすることを特徴とする
    請求項12に記載の記録方法。
  14. 【請求項14】 前記第二段階では、前記第2の液体の
    吐出回数を、前記第一段階における前記第1の液体の吐
    出回数より少なくとも前記輪郭部において多くすること
    を特徴とする請求項12に記載の記録方法。
  15. 【請求項15】 前記第二段階では、前記第一段階で記
    録された前記画像の輪郭部に隣接する前記画像外の画素
    にも前記第2の液体を吐出することを特徴とする請求項
    9ないし14のいずれかに記載の記録方法。
  16. 【請求項16】 前記第1および第2の液体に熱エネル
    ギを付与して気泡を生じさせることで前記第1および第
    2の液体を吐出することを特徴とする請求項9ないし1
    5のいずれかに記載の記録方法。
  17. 【請求項17】 被記録材の所定領域に第1の液体を吐
    出して記画像を所定形状に記録する第一段階と、 第一段階で記録された前記画像の少なくとも輪郭部にお
    いて、前記第1の液体による記録領域よりも広い領域に
    第2の液体を吐出する第二段階とを含む記録方法のプロ
    グラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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