JP2001138554A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

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JP2001138554A
JP2001138554A JP32137499A JP32137499A JP2001138554A JP 2001138554 A JP2001138554 A JP 2001138554A JP 32137499 A JP32137499 A JP 32137499A JP 32137499 A JP32137499 A JP 32137499A JP 2001138554 A JP2001138554 A JP 2001138554A
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ink
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Yoshinori Nakajima
芳紀 中島
Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
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Canon Inc
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液の吐出量を最適に設定することによ
り、異なるインクを吐出可能な記録ヘッドによって双方
向記録を実施した場合にも色ムラの発生を防止して、高
品位な画像の高速記録が可能なインクジェット記録方法
およびインクジェット記録装置を提供すること。 【解決手段】 インク吐出用の記録ヘッドB,C,D,
Eの走査方向における両側に、処理液吐出用の記録ヘッ
ドA,Fを配備し、記録ヘッドB,C,D.Eからイン
クを吐出させるためのデータに基づいて、記録ヘッド
A,Fから処理液を吐出させるための処理液データを生
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリアルスキャン
方式のインクジェット記録方法およびインクジェット記
録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチック、OHP用
シート等の被記録媒体(以下単に「記録用紙」ともいう)
に対して記録を行うインクジェット記録装置は、高密度
かつ高速な記録動作が可能である。そのため、このよう
なインクジェット記録装置は、情報処理システムの出力
手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライ
タ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端
子としてのプリンタとして、あるいはパーソナルコンピ
ュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ
装置等に備えられるハンディーまたはポータブルプリン
タとして、広く利用されている。この場合、インクジェ
ット記録装置は、これらの応用装置固有の機能、使用形
態等に対応した構成を採ることになる。
【0003】一般のインクジェット記録装置は、記録手
段としての記録ヘッドおよびインクタンクを搭載して往
復移動可能なキャリッジと、記録紙を搬送する手段と、
これらを制御するための制御手段とを具備する。記録ヘ
ッドは、複数のインク吐出口からインク滴を吐出可能で
ある。この記録ヘッドをキャリッジと共に主走査方向に
シリアルスキャンさせる動作と、記録ヘッドの記録幅分
だけ記録紙を主走査方向と直交する副走査方向に搬送さ
せる動作とを繰り返すことによって、記録用紙に順次画
像を記録する。
【0004】このような記録方式は、記録信号に応じ
て、記録ヘッドから記録用紙上にインクを吐出させて記
録をおこなうものであり、ランニングコストが高く、静
かな記録方式として広く用いられている。また、記録ヘ
ッドとして、インク吐出口によって形成される多数のノ
ズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用
いることにより、記録ヘッドの1回の走査毎に、そのノ
ズルの配備数に対応した幅の記録が可能となる。したが
って、記録動作の高速化を図ることが可能となる。
【0005】さらに、昨今では、このような記録ヘッド
をインクの3〜4色分に相当する数だけ用いることによ
って、フルカラーの画像形成が可能な装置が実用化され
ている。このような装置は、例えば、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色のインク、また
は。これらの3原色にブラック(B)を含めた4色のイ
ンクに対応するように、3種類または4種類の記録ヘッ
ドを用いて画像を記録する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録装置によって普通紙にカラー画像を記録する場合、
ブラック,イエロー,マゼンタおよびシアンインクの各
色間における記録用紙上のインクにじみ防止と、黒画像
の高濃度化およびフェザリングの防止とは、互いに相反
する課題であり、それらを同時に防止して高濃度の画像
を記録することがきわめて困難であった。以下、それら
の防止が互いに相反する課題であることについて説明す
る。
【0007】通常、インクジェット記録方法によってカ
ラー画像を普通紙に記録する場合は、普通紙への浸透速
度が速い速乾性のインクを用いる。これにより、記録用
紙上において、各インク色による記録境界領域間におけ
るインクのにじみを防ぐことができる。一方、速乾性の
インクを用いた場合には、黒画像の濃度が低くなり、逆
に、黒以外の彩色画像部は発色性が低いものとなってし
まう。さらに、文字部等に代表される線画を記録した場
合、紙の繊維にそってインクがにじむ、いわゆるフェザ
リングが発生してしまう。特に、黒色で印字された文字
は、他の色のものと比較してフェザリングが目立ちやす
く、いわゆるシャープさに欠けた不鮮明な文字となる。
その結果、全体として記録画像は品位が著しく低下した
ものとなる。
【0008】一般に、黒画像部の濃度が高く、かつフェ
ザリングの生じない高品位な画像を記録するためには、
普通紙への浸透が比較的遅いインクをある程度多く打ち
込む必要がある。しかし、この場合には、黒画像部とカ
ラー画像部との隣接境界部において、黒インクとカラー
インクのにじみが生じ、記録画像の品位を著しく損ねて
しまう。
【0009】これらの問題を改善するために、記録装置
内に設けたヒータを利用してインクの乾燥を促進し、高
発色で色間にじみのないカラー画像を得る方式も実用化
されている。しかし、この方式では、装置の大型化、コ
ストアップが避けられない。
【0010】このように、黒やカラー各色間のインクの
にじみ防止と、黒画像の高濃度化およびフェザリングの
防止は、互いに相反する課題となっていた。
【0011】そこで、特開平3−146355号公報で
は、黒画像部とカラー画像部の境界域に添った領域には
記録をしない方法が提案されている。しかしこの方法で
は、記録されるデータが変化してしまう問題がある。
【0012】また、特開平4−158049号公報で
は、カラー記録用の複数色のインクに対応するカラー記
録用の記録ヘッドと、文字記録用の記録ヘッドとを用
い、記録画像に基づいてカラー記録用の記録ヘッドと文
字記録用のヘッドとを切り替えて記録をする方法が提案
されている。この方法では、カラー記録用の記録ヘッド
を用いて記録した黒画像と、文字記録用の記録ヘッドを
用いて記録した黒画像とが混在した場合に、両者の品位
の違いによる違和感が生じてしまうという問題がある。
【0013】さらに、黒画像部とカラー画像部の境界に
沿った黒領域にカラーインクを重ね打ちすることによっ
て、黒画像部とカラー画像部の境界域におけるにじみを
防止する方法が考えられている。原理的には、黒色はY
(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の3色の
インクを重ねあわせて(混色して)も得られる。しか
し、このようにカラーインクを混色して形成した黒画像
は、通常の黒インクに比べ発色性が悪い。
【0014】一方、特開昭56−84992号公報や特
開昭64−63185号公報には、インクの染料を不溶
化させる液体を用いる技術が開示されている。
【0015】前者の特開昭56−84992号公報に
は、記録紙に、予め染料を定着させるための材料を塗工
しておく方法が明示されている。しかしながら、この方
法を実施するためには、特定の記録紙を用いる必要があ
り、しかも予め染料を定着するための材料を記録紙に塗
工するためには、装置の大型化およびコストアップが避
けられず、さらに、そのような材料を記録紙上に安定し
て所定の膜厚で塗工することが困難である、といった解
決すべき課題がある。
【0016】後者の特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記
録ヘッドによって記録紙上に付着させる技術が開示され
ている。この方法によれば、無色のインクのドット径を
画像用インクのドット径よりも大きくすることによっ
て、画像記録用のインクと無色のインクとの着弾位置が
ずれた場合にでも所望の特性が満足できるとされてい
る。しかし、この方法では、画像位置に対応した部分に
打ち込まれる無色インクは通常よりも多いため、インク
の乾燥時間が長くなるだけでなく、画像が比較的不鮮明
になりかねない、といった解決すべき問題点があった。
【0017】このようにインクを不溶化する液体を用い
る方法は、それぞれ解決すべき課題を有してはいるもの
の、インク中の染料を不溶化するという点からは、カラ
ー記録に適用した際に、各色間のインクのにじみを防止
できる可能性がある。
【0018】先に、本出願人は、上記課題を解決すると
共に、染料を不溶化する液体を用いながら、この液体の
消費量を極力抑えて低ランニングコスト化を実現するイ
ンクジェット記録方法を提案した(特開平8−3979
5号)。かかる記録方法によれば、普通紙上に記録して
も従来よりも優れた耐水性を示し、また高濃度の画像を
得ることができると共に、カラー記録に適用した場合
に、色間のにじみがなく高発色な画像を得ることができ
る。
【0019】また本出願人は、特願平9−170097
号において、高濃度かつ色間のにじみがない高発色な画
像を得ることができるカラー1パス片方向記録、つまり
記録ヘッドのI回の走査によって1行分のカラー画像の
記録を完成し、かつ1行分のカラー画像を往走査または
復走査のいずれか片方向走査時に記録する片方向記録を
実現するインクジェット記録方法を提案した。
【0020】一方、昨今ではさらなる記録の高速化が要
求されており、その要求を実現する一つの方法としてカ
ラー1パス双方向記録、つまり記録ヘッドの1回の走査
によって1行分のカラー画像の記録を完成し、かつ1行
分のカラー画像を記録ヘッドの往走査と復走査の双方向
走査時に順次記録する双方向記録方式が考えられてい
る。しかし、このカラー1パス双方向記録に特願平9−
170097号のインクジェット記録方法を適用した場
合には、往復走査による色ムラが発生し、画像品位が劣
化してしまう。
【0021】本発明の目的は、処理液の吐出量を最適に
設定することにより、異なるインクを吐出可能な記録ヘ
ッドによって双方向記録を実施した場合にも色ムラの発
生を防止して、高品位な画像の高速記録が可能なインク
ジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供
することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録方法は、異なるインクを吐出可能なインク吐出口群
と、前記インク中の色材を不溶化させる処理液を吐出可
能な処理液吐出口群とを有するシリアルスキャン用の記
録ヘッドを用い、前記インク吐出口群から吐出されるイ
ンクと前記処理液吐出口群から吐出される処理液を被記
録媒体に付与することによって、前記被記録媒体に画像
を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記録
方法において、前記記録ヘッドの走査方向における前記
インク吐出口群の両側に、前記処理液吐出口群を第1,
第2の処理液吐出口群として位置させ、前記第1、第2
の処理液吐出口群から処理液を吐出させるための処理液
データは、前記インク吐出口群からインクを吐出させる
ためのデータに基づいて生成することを特徴とする。
【0023】本発明のインクジェット記録装置は、異な
るインクを吐出可能なインク吐出口群と、前記インク中
の色材を不溶化させる処理液を吐出可能な処理液吐出口
群とを有するシリアルスキャン用の記録ヘッドを用い、
前記インク吐出口群から吐出されるインクと前記処理液
吐出口群から吐出される処理液を被記録媒体に付与する
ことによって、前記被記録媒体に画像を記録するシリア
ルスキャン方式のインクジェット記録装置において、前
記記録ヘッドの走査方向における前記インク吐出口群の
両側に、前記処理液吐出口群を第1、第2の処理液吐出
口群として配置し、前記第1、第2の処理液吐出口群か
ら処理液を吐出させるための処理液データを、前記イン
ク吐出口群からインクを吐出させるためのデータに基づ
いて生成する処理液データ生成手段を備えたことを特徴
とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0025】(第1の実施形態)図1(a)は、本実施
形態におけるインクジェット記録装置の外観斜視図であ
る。
【0026】11は、インクジェットカートリッジを搭
載可能なキャリッジであり、ガイドロッド10によっ
て、主走査方向(矢印X1、X2方向)に沿って往復動
自在にガイドされている。12は、キャリッジ11を主
走査方向に往復移動させるキャリッジ駆動モータであ
り、その駆動力は、ベルトなどの伝達機構を介してキャ
リッジ11に伝達される。13は、インクジェット記録
装置の図示しない制御部からの電気信号をインクジェッ
トカートリッジに送るためのフレキシブルケーブル13
である。インクジェットカートリッジは、インクや処理
液を吐出可能なインクジェット記録ヘッドと、それにイ
ンクや処理液を供給するためのタンクとによって構成さ
れており、それらは互いに交換可能に結合してもよい。
【0027】記録ヘッドは、吐出口からインクや処理液
を吐出するために、例えば、電気熱変換体を備えた構成
とすることができる。この場合には、吐出口のそれぞれ
に連通する流路中に電気熱変換体が備えられ、その電気
熱変換体の熱エネルギーによって流路中のインクおよび
処理液に気泡が発生し、その気泡の成長に伴なって、吐
出口からインクおよび処理液が吐出されることになる。
【0028】14は、インクジェット記録ヘッドの回復
処理、つまりインクや処理液の吐出状態を良好に保つた
めの処理を行うための回復手段である。15は、紙など
のプリント媒体(被記録媒体)を積層状態で蓄える給紙
トレイ、16は、キャリッジ11の位置を光学式に読み
取る光学式位置センサである。このような構成のインク
ジェット記録装置は、プリント媒体の矢印Yの搬送方向
(副走査方向)と直交する主走査方向にキャリッジ11
をシリアルスキャンさせつつ、インクジェット記録ヘッ
ドの吐出口からインクや処理液を吐出して、その吐出口
の数(ノズル数)に対応した幅の記録動作と、プリント
媒体を所定量搬送する搬送動作とを繰り返すことによっ
て、プリント媒体に順次画像を記録する。
【0029】図1(b)は、図1(a)中のI円部の拡
大平面図である。図1(b)において、141は吸引お
よび放置キャップであり、記録ヘッドの吐出口からイン
クや処理液を吸引排出する回復処理(吸引回復処理)を
するとき、および記録ヘッドが待機しているときに、記
録ヘッドをキャッピングする。142は処理液用の吐出
受けであり、吐出回復処理時、つまり記録ヘッドから画
像の記録に寄与しないインクや処理液を吐出するための
回復処理時に、記録ヘッドから吐出される処理液を受け
る。143は、吐出回復処理時に記録ヘッドから吐出さ
れたインクを受けるためのインク用の吐出受けである。
144は、記録ヘッドのフェイス面(吐出口の形成面)
をワイピングするワイパーブレードであり、図1(b)
中の矢印方向に移動しながらフェイス面をワイピングす
る。
【0030】図2は、本例において使用される記録ヘッ
ドを吐出口側から見た図である。AからFは、主走査方
向(矢印X1,X2方向)に配備された計6つの記録ヘ
ッドであり、それぞれには、256個の吐出口1が主走
査方向と直交する方向に600DPIのピッチで列状に
形成されている。これらの記録ヘッドAからFによっ
て、ヘッドユニットが構成されている。このユニット
は、往走査方向(矢印X1方向)および復走査方向(矢
印X2方向)に走査しながらインクや処理液を吐出する
ことによって、記録動作をする。記録ヘッドAおよびF
は、処理液を吐出口1から吐出可能な処理液吐出用の記
録ヘッドである。また、記録ヘッドBはブラックイン
ク、記録ヘッドCはシアン、記録ヘッドDはマゼンタイ
ンク、記録ヘッドEはイエローインクをそれぞれ吐出口
1から吐出可能なインク吐出用の記録ヘッドである。
【0031】図3は、記録画像の一例を示し、本例の記
録画像は、256×512画素の計6つの記録領域S1
からS6によって形成される。記録領域S1,S2,S
3は、一次色のシアン(以下、「C」ともいう)、マゼン
タ(以下、「M」ともいう)、イエロー(以下、「Y」とも
いう)の100%ベタのパッチとされ、記録領域S4,
S5,S6は、二次色のレッド(以下、「R」ともい
う)、グリーン(以下、「G」ともいう)、ブルー(以
下、「B」ともいう))の100%ベタのパッチとされて
いる。
【0032】図5は、図3の画像の記録方向を説明する
ための図である。まず、記録ヘッドの往走査(矢印X1
方向の走査)によって、記録領域S4,S5,S6にお
ける副走査方向(矢印Y方向)の下流側の256×25
6画素の記録領域S4−1,S5−1,S6−1を記録
してから、記録ヘッドの復走査(矢印X2方向の走査)
によって、記録領域S4,S5,S6における副走査方
向上流側の256×256画素の記録領域S4−2,S
5−2,S6−2を記録する。その後、記録ヘッドの往
走査(矢印X1方向の走査)によって、記録領域S1,
S2,S3における副走査方向下流側の256×256
画素の記録領域S1−1,S2−1,S3−1を記録し
てから、記録ヘッドの復走査(矢印X2方向の走査)に
よって、記録領域S1,S2,S3における副走査方向
上流側の256×256画素の記録領域S1−2,S2
−2,S3−2を記録する。このように、記録ヘッドを
往復走査して、その往走査および復走査の1パス毎にカ
ラー画像の双方向記録を実施する。
【0033】図4は、処理液吐出用のデータ(処理液デ
ータ)を生成するためのフローチャートである。
【0034】まず、ドライバー(ホスト装置)にて作成
されたプリントファイル41をプリンタ(記録装置)が
受信し、ブラックデータ42K、シアンデータ42C、
マゼンタデータ42M、イエローデータ42Yが各々の
バッファー内に蓄積される。次に、シアン、マゼンタ、
イエローデータ42C,42M,42YのAND(論理
積)データから、プロセスブラック43PB(三次色)
を生成する。さらに、シアン、マゼンタ、イエローデー
タ42C,42M,42Yからプロセスブラックデータ
43PBを差し引いた残りのシアン、マゼンタ、イエロ
ーデータから、レッドデータ43R、グリーンデータ4
3G、ブルーデータ43B(二次色データ)を作成す
る。最後に、シアンデータ42C,マゼンタデータ42
M、イエローデータ42Yから、三次色成分、二次色成
分を差し引いた残りをシアンデータ43C、マゼンタデ
ータ43M、イエローデータ43Y(一次色データ)と
して生成する。
【0035】その後、走査方向判定部44にて、各色
(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブ
ルー、グリーン、プロセスブラック)の各画素毎に、そ
の画素が記録ヘッドの往方向走査時に記録される画素で
あるか、あるいは記録ヘッドの復方向走査時に記録され
る画素であるかを判定する。その画素が往方向走査時の
記録画素である場合は、処理液マスク記憶部45Aに記
憶されているマスクを用いて、各色に相当するマスクパ
ターンデータと各色データとのANDデータから、記録
ヘッドAの処理液吐出用の処理液データ1、および記録
ヘッドFの処理液吐出用の処理液データ2を生成する。
一方、復方向走査時に記録される画素である場合、処理
液マスク記憶部45Bに記憶されているマスクを用い
て、各色に相当するマスクパターンデータと各色データ
とのANDデータから、記録ヘッドAの処理液吐出用の
処理液データ1、および記録ヘッドFの処理液吐出用の
処理液データ2を生成する。
【0036】このように、本例では、処理液データの生
成をプリンタ側で実施している。しかし、このような処
理液データ生成をドライバー(ホスト装置)にて実施
し、プリントファイルの中に処理液データを入れてプリ
ンタに送信してもよい。
【0037】図6(a)から(f)は、処理液マスクの
マスクパターンの説明図である。これらのマスクAから
Fを用いて、以下のように、記録ヘッドA、Fの処理液
吐出用の処理液データ1,2が生成される。図6(a)
から(f)のマスクパターンAからFにおいて、黒部分
の画素はデータ「1」、白部分の画素はデータ「0」であ
り、これらのマスクパターンデータと各色データとの論
理積によって、処理液データが生成される。つまり、そ
れらのマスクパターンを用いて、各色データが間引きさ
れることによって、処理液データが生成されることにな
る。
【0038】まず、一次色の往走査記録の場合、記録ヘ
ッドAの処理液データ1は、一次色データが図6(a)
のマスクAによって50%に間引きされることによって
生成され、記録ヘッドFの処理液データ2は、一次色デ
ータが図6(b)のマスクBによって0%とされること
によって生成される。また、一次色の復走査記録の場
合、記録ヘッドAの処理液データ1は、一次色データが
図6(b)のマスクBによって0%とされることによっ
て生成され、記録ヘッドFの処理液データ2は、一次色
データが図6(a)のマスクAによって50%に間引き
されることによって生成される。
【0039】次に、二次色の記録の場合は、二次色の色
毎に異なるマスクが用いられる。
【0040】レッド(R)の往走査記録の場合、記録ヘ
ッドAの処理液データ1は、レッドデータが図6(e)
のマスクEによって33%に間引きされることによって
生成され、記録ヘッドFの処理液データ2は、レッドデ
ータが図6(f)のマスクFによって17%に間引きさ
れることによって生成される。レッド(R)の復走査記
録の場合、記録ヘッドAの処理液データ1は、レッドデ
ータが図6(f)のマスクFによって17%に間引きさ
れることによって生成され、記録ヘッドFの処理液デー
タ2は、レッドデータが図6(e)のマスクEによって
33%に間引きされることによって生成される。
【0041】ブルー(B)記録は、往復の走査方向に拘
わらず、記録ヘッドA、Fの処理液データ1、2は、ブ
ルーデータを25%に間引きすることによって生成され
る。ただし、ブルー(B)の往走査記録の場合、記録ヘ
ッドAの処理液データ1は、ブルーデータが図6(c)
のマスクCによって25%に間引きされることによって
生成され、記録ヘッドFの処理液データ2は、ブルーデ
ータが図6(d)のマスクDによって25%に間引きさ
れることによって生成される。また、ブルー(B)の復
走査記録の場合、記録ヘッドAの処理液データ1は、ブ
ルーデータが図6(d)のマスクDによって25%に間
引きされることによって生成され、記録ヘッドFの処理
液データ2は、ブルーデータが図6(c)のマスクCに
よって25%に間引きされることによって生成される。
【0042】グリーン(G)の往走査記録の場合、記録
ヘッドAの処理液データ1は、グリーンデータが図6
(a)のマスクAによって50%に間引きされることに
よって生成され、記録ヘッドFの処理液データ2は、グ
リーンデータが図6(b)のマスクBによって0%とさ
れることによって生成される。また、グリーン(G)の
復走査記録の場合、記録ヘッドAの処理液データ1は、
グリーンデータが図6(b)のマスクBによって0%と
されることによって生成され、記録ヘッドFの処理液デ
ータ2は、グリーンデータが図6(a)のマスクAによ
って50%に間引きされることによって生成される。
【0043】図8(a)および(b)は、図5のような
100%ベタのパッチ(記録領域S1からS6)を図5
のような方向に記録する場合に生成される処理液データ
1,2の説明図である。処理液データ1,2は、前述し
たように、図6中のマスクAからFを用いて生成され
る。その結果、例えば、1回目の主走査によって記録さ
れる記録領域S4−1,S5−1,S6−1において、
処理液データ1は、それぞれ33%,50%,25%に
間引きされたデータとなり、処理液データ2は、それぞ
れ17%,0%,25%に間引きされたデータとなる。
【0044】この図8(a)および(b)のように生成
した処理液データ1,2を用いて、図5のような100
%ベタのパッチ(記録領域S1からS6)を記録した結
果、全ての記録領域S1からS6に関して、往走査記録
と復走査記録による色ムラのない画像を記録することが
できた。
【0045】図7(a)および(b)は、このような色
ムラの軽減メカニズムを説明するための図である。ここ
では、色ムラが発生しやすい二次色について説明する。
【0046】図7(a)の先がけ記録の場合は、まず、
プリント媒体の所定の画像領域に処理液Sを付与し、そ
の後に第1のインクI−1を付与し、さらに第2のイン
クI−2を付与する。この場合には、処理液Sの効果に
より、後に打たれた第2のインクI−2が第1のインク
I−1よりも強く現れる傾向となる。また、図7(b)
の後がけ記録の場合は、まず第1のインクI−1を付与
し、その後に第2のインクI−2を付与し、さらに処理
液Sを所定の画像領域に付与する。この場合には、先に
付与された第1のインクI−1の下に、後に付与される
第2のインクI−2が沈み込み、第1のインクI−1が
プリント媒体表面を占めるため、第1のインクI−1の
色味の方が第2のインクI−2よりも強く現れる傾向と
なる。つまり、例えば、レッドの画像を記録する際、マ
ゼンタ、イエローの順にインクをプリント媒体に付与す
ると、先がけ記録の場合にはイエローが強く現れ、一
方、後がけ記録の場合にはマゼンタが強く現れる傾向と
なる。逆に、イエロー、マゼンタの順にインクをプリン
ト媒体に付与すると、先がけ記録の場合にはマゼンタが
強く現れ、一方、後がけ記録の場合にはイエローが強く
現れることになる。
【0047】そこで、前述したように、先がけ記録用と
なる処理液と、後がけ記録用となる処理液の付与量を調
整することにより、ベタの均一性を保ったまま、記録の
色ムラを軽減することができた。例えば、マゼンタ、イ
エローの順にインクを付与する場合と、イエロー、マゼ
ンタの順にインクを付与する場合において、記録の色ム
ラを軽減することができた。記録ヘッドAは、矢印X1
の往走査記録時に先がけ記録用の処理液を吐出し、矢印
X2の復走査記録時に後がけ記録用の処理液を吐出する
ことになる。逆に、記録ヘッドFは、矢印X1の往走査
記録時に後がけ記録用の処理液を吐出し、矢印X2の復
走査記録時に先がけ記録用の処理液を吐出することにな
る。
【0048】また、上述した図7(a)および(b)よ
うな二次色の先がけ記録と後がけ記録においては、処理
液と個々のインクとの反応性、それらのプリント媒体へ
の浸透性、および処理液と第1、第2のインクのそれぞ
れの付与位置間の距離が影響して、特性の違いが生じて
いると考えられる。したがって、このようなインクおよ
び処理液の特性や反応性に応じて、先がけ記録用の処理
液と後がけ記録用の処理液の付与量を最適に調整すれば
よい。
【0049】(第2の実施形態)図9は、本実施形態に
おいて、処理液吐出用のデータ(処理液データ)を生成
するためのフローチャートである。
【0050】まず、ドライバー(ホスト装置)にて作成
されたプリントファイル91をプリンタ(記録装置)が
受信し、ブラックデータ92K、シアンデータ92C、
マゼンタデータ92M、イエローデータ92Yが各々の
バッファー内に蓄積される。次に、走査方向判定部93
にて、各色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)
の各画素毎に、その画素が記録ヘッドの往方向走査時に
記録される画素であるか、あるいは記録ヘッドの復方向
走査時に記録される画素であるかを判定する。その画素
が往方向走査時の記録画素である場合、記録ヘッドAの
処理液吐出用の処理液データ1は、処理液マスク記憶部
94Aに記憶されている図6(c)のマスクCを用い
て、そのマスクパターンデータと各色データとのAND
データから生成し、また記録ヘッドFの処理液吐出用の
処理液データ2は、処理液マスク記憶部94Bに記憶さ
れている図6(d)のマスクDを用いて、そのマスクパ
ターンデータと各色データとのANDデータから生成す
る。一方、その画素が復方向走査時の記録画素である場
合、記録ヘッドAの処理液吐出用の処理液データ1は、
処理液マスク記憶部94Bに記憶されている図6(d)
のマスクDを用いて、そのマスクパターンデータと各色
データとのANDデータから生成し、また記録ヘッドF
の処理液吐出用の処理液データ2は、処理液マスク記憶
部94Aに記憶されている図6(c)のマスクCを用い
て、そのマスクパターンデータと各色データとのAND
データから生成する。
【0051】このように、本例では、処理液データ生成
をプリンタ側で実施している。しかし、このような処理
液データ生成をドライバー(ホスト装置)にて実施し、
プリントファイルの中に処理液データを入れてプリンタ
に送信してもよい。
【0052】図10(a)および(b)は、図5のよう
な100%ベタのパッチ(記録領域S1からS6)を図
5のような方向に記録する場合に生成される処理液デー
タ1,2の説明図である。本例の場合、処理液データ
1,2は、前述したように、図6中のマスクC、Dを用
いて生成される。その結果、処理液データ1,2は、異
なるマスクC,Dを用いて共に25%に間引きされたデ
ータとなり、往走査記録用の処理液と復走査記録用の処
理液の付与量に差はない。
【0053】このように生成した処理液データを用い
て、図5のような100%ベタのパッチ(記録領域S1
からS6)を記録した結果、前述した第1の実施形態の
場合に比して、レッドとグリーンの二次色の記録におい
て往走査記録と復走査記録による色ムラが若干発生する
ものの、実使用上(自然画の記録等)は問題ないレベル
にすることができた。また、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラック(一次色)、ブルー(二次色)に関して
は、色ムラはほとんど発生しなかった。
【0054】また、本実施形態は、前述した第1の実施
形態に比べて、実施が比較的容易であり、かつ実使用上
問題ない程度の色ムラに抑えることができる。
【0055】(第3の実施形態)本実施形態の場合は、
基本的には、前述した第2の実施形態と同様に、図9の
フローチャートにしたがって処理液吐出用のデータ(処
理液データ)を生成する。
【0056】すなわち、ドライバー(ホスト装置)にて
作成されたプリントファイル91をプリンタ(記録装
置)が受信し、ブラックデータ92K、シアンデータ9
2C、マゼンタデータ92M、イエローデータ92Yが
各々のバッファー内に蓄積される。次に、走査方向判定
部93にて、各色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ロー)の各画素毎に、その画素が記録ヘッドの往方向走
査時に記録される画素であるか、あるいは記録ヘッドの
復方向走査時に記録される画素であるかを判定する。
【0057】本実施形態の場合、走査方向判定部93の
判定結果に基づく処理データ1,2の生成方法は、前述
した第2の実施形態と異なる。
【0058】すなわち、判定結果が往方向走査時の記録
画素である場合、記録ヘッドAの処理液吐出用の処理液
データ1は、処理液マスク記憶部94Aに記憶されてい
る図6(e)のマスクEを用いて、そのマスクパターン
データと各色データとのANDデータから生成し、また
記録ヘッドFの処理液吐出用の処理液データ2は、処理
液マスク記憶部94Bに記憶されている図6(f)のマ
スクFを用いて、そのマスクパターンデータと各色デー
タとのANDデータから生成する。一方、その画素が復
方向走査時の記録画素である場合、記録ヘッドAの処理
液吐出用の処理液データ1は、処理液マスク記憶部94
Bに記憶されている図6(f)のマスクFを用いて、そ
のマスクパターンデータと各色データとのANDデータ
から生成し、また記録ヘッドFの処理液吐出用の処理液
データ2は、処理液マスク記憶部94Aに記憶されてい
る図6(e)のマスクEを用いて、そのマスクパターン
データと各色データとのANDデータから生成する。
【0059】このように、本例では、処理液データの生
成をプリンタ側で実施している。しかし、このような処
理液データ生成をドライバー(ホスト装置)にて実施
し、プリントファイルの中に処理液データを入れてプリ
ンタに送信してもよい。
【0060】図11(a)および(b)は、図5のよう
な100%ベタのパッチ(記録領域S1からS6)を図
5のように記録する場合に生成される処理液データ1,
2の説明図である。本例の場合、処理液データ1,2
は、前述したように、図6中のマスクE、Fを用いて生
成される。その結果、主走査によって記録される記録領
域S4−1,S5−1,S6−1,S1−1,S2−
1,S3−1において、処理液データ1は図6(e)の
マスクEによって33%に間引きされたデータとなり、
処理液データ2は図6(f)のマスクFによって17%
に間引きされたデータとなる。逆に、復走査によって記
録される記録領域S4−2,S5−2,S6−2,S1
−2,S2−2,S3−2おいて、処理液データ1は図
6(f)のマスクFによって17%に間引きされたデー
タとなり、処理液データ2は図6(e)のマスクEによ
って33%に間引きされたデータとなる。
【0061】このように生成した処理液データ1,2を
用いて、図5のような100%ベタのパッチ(記録領域
S1からS6)を記録した結果、前述した第1の実施形
態の場合に比して、グリーンとブルーの二次色の記録に
おいて往走査記録と復走査記録による色ムラが若干発生
するものの、実使用上(自然画の記録等)は問題ないレ
ベルにすることができた。また、シアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラック(一次色)、レッド(二次色)に関し
ては、色ムラはほとんど発生しなかった。
【0062】また、本実施形態も第2の実施形態と同様
に、前述した第1の実施形態に比べて、実施が比較的容
易であり、かつ実使用上問題ない程度の色ムラに抑える
ことができる。
【0063】(処理液およびインクの組成例)以下、上
述した実施形態において使用した処理液およびインクの
成分を記載する。
【0064】「インク中の色剤を不溶化する処理液」 グリセリン:7.0% ジエチレングリコール;5.0% PAA−1L−15B(15%水溶液);24.0% 50%酢酸水溶液:7.02% カチオンG50(51%水溶液);1.92% プチルトリグリコール;0.95% 純水;54.11%「 ブラックインク」 グリセリン:7.5% チオジグリコール:7.5% 尿素;7.5% IJA260(10%水溶液);9.50% Projet Fast Black 2(4%水溶液);36.5% Daiwa Yellow 330EP;0.27% Direct Blue 199 (10%水溶液);7.20% イソプロピルアルコール;4.00% 純水;20.03%「 シアンインク」 グリセリン:7.5% チオジグリコール:7.5% 尿素;7.5% Projet Fast Cyan 1C (10%水
溶液);28% アセチレノールEH;0.4% 純水;44.0% 50%IPA水溶液;5%「 マゼンタインク」 グリセリン:7.5% チオジグリコール:7.5% 尿素;7.5% Projet Fast Magenta 2C(5%水溶液);45% アセチレノールEH;0.4% 純水;26.98% 50%IPA水溶液;5%「 イエローインク」 グリセリン:7.5% チオジグリコール:7.5% 尿素;7.5% Projet Fast Yellow 2(4.3%水溶液);52.33
% Daiwa Yellow 330GR;0.65% アセチレノールEH;0.4% 純水;19.02% 50%IPA水溶液;5% (その他)なお、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりイ
ンクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装
置において優れた効果をもたらすものである。かかる方
式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるから
である。
【0065】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0066】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0067】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0068】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0069】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0070】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0071】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、記録ヘ
ッドの走査方向におけるインク吐出口群の両側に、第
1、第2の処理液吐出口群を位置させ、インク吐出口群
からインクを吐出させるためのデータに基づいて、第
1、第2の処理液吐出口群から処理液を吐出させるため
の処理液データを生成することにより、処理液の吐出量
を最適に設定することができ、この結果、異なるインク
を吐出可能な記録ヘッドによって双方向記録を実施した
場合にも色ムラの発生を防止して、高品位な画像を高速
記録することができる。また、記録ヘッドの1回の走査
によって1行分の画像の記録を完成させる双方向記録
(1パス双方向記録)を実施した場合にも色ムラの発生
を防止して、高品位画像の更なる高速記録を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態におけるイ
ンクジェット記録装置の概略斜視図、(b)は、図1
(a)のI円部の平面図である。
【図2】図1におけるキャリッジに搭載可能なインクジ
ェット記録ヘッドの吐出口列の説明図である。
【図3】記録画像の一例の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における処理液データ
の生成方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態において図3の画像を
記録する場合の記録方向の説明図である。
【図6】(a)から(b)は、本発明の第1の実施形態
において用いた処理液マスクパターンの説明図である。
【図7】(a)は、処理液を先がけした場合の画像記録
部の拡大断面図、(b)は、処理液を後がけした場合の
画像記録部の拡大断面図である。
【図8】(a)は、図6の処理液マスクパターンを用い
て図3の画像を記録する場合における処理液データ1の
説明図、(b)は、図6の処理液マスクパターンを用い
て図3の画像を記録する場合における処理液データ2の
説明図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における処理液データ
の生成方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施形態において
図3の画像を記録する場合の処理液データ1の説明図、
(b)は、本発明の第2の実施形態において図3の画像
を記録する場合の処理液データ2の説明図である。
【図11】(a)は、本発明の第3の実施形態において
図3の画像を記録する場合の処理液データ1の説明図、
(b)は、本発明の第3の実施形態において図3の画像
を記録する場合の処理液データ2の説明図である。
【符号の説明】
1 吐出口 10 ガイドロッド 11 キャリッジ 12 キャリッジ駆動モータ 13 フレキシブルケーブル 14 回復手段 15 給紙トレイ 16 光学式位置センサ A,F 処理液吐出用の記録ヘッド B,C,D,E インク吐出用の記録ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA06 EA11 EA13 ED05 ED07 EE09 FA03 FA10 HA42 2C057 AF39 AF91 AN01 CA05 CA07 2H086 BA03 BA51

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なるインクを吐出可能なインク吐出口
    群と、前記インク中の色材を不溶化させる処理液を吐出
    可能な処理液吐出口群とを有するシリアルスキャン用の
    記録ヘッドを用い、前記インク吐出口群から吐出される
    インクと前記処理液吐出口群から吐出される処理液を被
    記録媒体に付与することによって、前記被記録媒体に画
    像を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記
    録方法において、 前記記録ヘッドの走査方向における前記インク吐出口群
    の両側に、前記処理液吐出口群を第1,第2の処理液吐
    出口群として位置させ、 前記第1、第2の処理液吐出口群から処理液を吐出させ
    るための処理液データは、前記インク吐出口群からイン
    クを吐出させるためのデータに基づいて生成することを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、前記インク吐出口群
    を有する複数のインク吐出用記録ヘッドと、前記第1の
    処理液吐出口群を有する第1の処理液吐出用記録ヘッド
    と、前記第2の処理液吐出口群を有する第2の処理液吐
    出用記録ヘッドと、を含むことを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記インク吐出口群から吐出されるイン
    クの種類および吐出順序に応じて、前記第1、第2の処
    理液吐出口群のそれぞれから吐出される処理液の吐出量
    を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の
    インクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドの走査方向に応じて、前
    記第1、第2の処理液吐出口群のそれぞれから吐出され
    る処理液の吐出量を制御することを特徴とする請求項1
    から3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 往走査方向および復走査方向における前
    記記録ヘッドの1回の走査時に、前記インク吐出口群お
    よび前記第1、第2の処理液吐出口群からインクおよび
    処理液を吐出させて、前記被記録媒体に1行分の画像の
    記録を完成させる1パス双方向記録を実施することを特
    徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記インク吐出口群は、ブラック,シア
    ン,マゼンタ,イエローのインクを吐出することを特徴
    とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  7. 【請求項7】 前記インク吐出口群は、少なくとも1色
    のインクとして、異なった濃度のインクを吐出すること
    を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインク
    ジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、インクおよび処理液
    の吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生する電気熱
    変換体を有することを特徴とする請求項1から7のいず
    れかに記載のインクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 異なるインクを吐出可能なインク吐出口
    群と、前記インク中の色材を不溶化させる処理液を吐出
    可能な処理液吐出口群とを有するシリアルスキャン用の
    記録ヘッドを用い、前記インク吐出口群から吐出される
    インクと前記処理液吐出口群から吐出される処理液を被
    記録媒体に付与することによって、前記被記録媒体に画
    像を記録するシリアルスキャン方式のインクジェット記
    録装置において、 前記記録ヘッドの走査方向における前記インク吐出口群
    の両側に、前記処理液吐出口群を第1、第2の処理液吐
    出口群として配置し、 前記第1、第2の処理液吐出口群から処理液を吐出させ
    るための処理液データを、前記インク吐出口群からイン
    クを吐出させるためのデータに基づいて生成する処理液
    データ生成手段を備えたことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、前記インク吐出口
    群を有する複数のインク吐出用記録ヘッドと、前記第1
    の処理液吐出口群を有する第1の処理液吐出用記録ヘッ
    ドと、前記第2の処理液吐出口群を有する第2の処理液
    吐出用記録ヘッドと、を含むことを特徴とする請求項9
    に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記インク吐出口群から吐出されるイ
    ンクの種類および吐出順序に応じて、前記第1、第2の
    処理液吐出口群のそれぞれから吐出される処理液の吐出
    量を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項
    9または10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドの走査方向に応じて、
    前記第1、第2の処理液吐出口群のそれぞれから吐出さ
    れる処理液の吐出量を制御する制御手段を備えたことを
    特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記インク吐出口群は、ブラック,シ
    アン,マゼンタ,イエローのインクを吐出することを特
    徴とする請求項9から12のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記インク吐出口群は、少なくとも1
    色のインクとして、異なった濃度のインクを吐出するこ
    とを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドは、インクおよび処理
    液の吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生する電気
    熱変換体を有することを特徴とする請求項9から14の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 往走査方向および復走査方向における
    前記記録ヘッドの1回の走査時に、前記インク吐出口群
    および前記第1、第2の処理液吐出口群からインクおよ
    び処理液を吐出させて、前記被記録媒体に1行分の画像
    の記録を完成させる1パス双方向記録制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載の
    インクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記記録ヘッドと前記被記録媒体を主
    走査方向に相対移動させる第1の移動手段と、 前記記録ヘッドと前記被記録媒体を前記主走査方向と交
    差する副走査方向に相対移動させる第2の移動手段とを
    備えたことを特徴とする請求項9から16のいずれかに
    記載のインクジェット記録装置。
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