JP2001239411A - 高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐摩耗性を発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリル - Google Patents

高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐摩耗性を発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリル

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐
摩耗性を発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリ
ルを提供する。 【解決手段】 外径0.1〜1.6mmのミニチュアド
リルが、微粒組織の分散相が平均値で80〜95面積%
を占め、残りが結合相と不可避不純物からなる微粒組織
を有する加圧焼結体からなり、さらに上記加圧焼結体を
構成する分散相を、実質的にWCにCoとCrが固溶含
有する割合が分散相に占める平均値で、Co:0.1〜
3質量%、Cr:0.1〜2質量%であるC単一相で構
成し、同じく上記結合相を、Crを結合相に占める平均
値で、1〜8質量%含有するCo基合金単一相で構成
し、かつ上記加圧焼結体は、Vを加圧焼結体全体に占め
る割合で、0.1〜1質量%含有すると共に、前記Vが
上記分散相と上記結合相の界面部に凝集した組織を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高強度を有し、
特に高速穴あけ加工で、すぐれた耐折損性および耐摩耗
性を発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリル
(以下、微粒組織ミニチュアドリルと云う)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、微粒組織ミニチュアドリ
ルとして、例えば図1(a)に概略拡大正面図で示され
る通り先端面を切刃面とし、かつ0.1〜1.6mmの
外径を有する溝形成部と、シャンク部とからなり、さら
に前記溝形成部が図1(b)に長さ方向中央部における
中心線に対して直角な方向の断面(直角断面)図で示さ
れる形状を有すると共に、Crによる粒成長抑制効果で
望ましくは0.8μm以下の平均粒径の微粒組織とした
分散相が走査型電子顕微鏡による組織観察に基づく平均
値で80〜95面積%を占め、残りが結合相と不可避不
純物からなる微粒組織の超硬合金で構成された加圧焼結
体(ホットプレス焼結体または熱間静水圧プレス焼結体
を云う)からなり、さらに前記加圧焼結体を構成する分
散相が、透過型電子顕微鏡による組織観察で、実質的に
炭化タングステン(以下、WCで示す)の単一相からな
り、同じく上記の結合相が、同じく透過型電子顕微鏡お
よびエネルギー分散型X線分析装置による測定で、WC
粒の成長を抑制する目的でCrを結合相に占める平均値
で、1〜8質量%含有したCo基合金単一相(焼結時に
Crの他に微量のWとC成分が固溶する)からなる微粒
組織ミニチュアドリルが知られている。
【0003】また、上記の微粒組織ミニチュアドリル
が、原料粉末として、いずれも0.1〜3μmの範囲内
の所定の平均粒径を有するWC粉末、Cr32粉末、お
よびCo粉末を用い、これら原料粉末を所定の配合組成
に配合し、湿式混合し、乾燥した後、押出しプレスにて
所定の直径の長尺状成形体とし、この長尺状成形体を、
1.3〜13.3Paの真空雰囲気中、1350〜14
80℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この昇温温度に
1〜2時間保持後、雰囲気を、例えばArを導入して
4.9〜14.7MPaの加圧雰囲気とし、前記昇温温
度および加圧雰囲気の条件下に15〜60分間保持した
後、少なくとも1200℃までを50〜100℃/mi
nの冷却速度で冷却することにより、所定の直径を有す
る超硬合金で構成された長尺状の加圧焼結体を形成し、
この加圧焼結体から図1に示される形状に研削加工する
ことにより製造されることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の穴あけ加
工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に対する
要求は強く、これに伴い、ボール盤などの高性能化と相
俟って、穴あけ加工は高速で行われる傾向にある。例え
ば半導体装置のプリント基板などの多層積層板では、こ
れを複数枚積み重ねた状態(加工抵抗の大きい状態)
で、高速で穴あけ加工が行われることになる。しかし、
上記の従来微粒組織ミニチュアドリルにおいては、これ
が十分な強度(靭性)および耐熱塑性変形性を具備する
ものでなく、一方ミニチュアドリルの場合、その穴あけ
加工形態から、穴あけ加工速度が速く、かつ穴あけ加工
抵抗が大きくなればなるほど、その外径が0.2〜2m
mと細径であることと相俟って、「ねじれ」や「たわ
み」が大きくなるばかりでなく、高い発熱を伴なうもの
となり、したがってこれを前記のようなきわめて苛酷な
穴あけ加工条件で用いると、ミニチュアドリル自体に発
生する大きな「ねじれ」や「たわみ」によって強度(靭
性)不足から折損が発生し易く、かつ高い発熱によって
ミニチュアドリル先端面(切刃面)の切刃に塑性変形が
発生し、これが偏摩耗の原因となって摩耗を促進するこ
とから、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような観点から、特に高速で、かつ大きい加工抵
抗を伴なう穴あけ加工でミニチュアドリル自体に発生す
る大きな「ねじれ」や「たわみ」に十分に耐えることの
できる高強度並びにミニチュアドリル先端面(切刃面)
の切刃がすぐれた耐熱塑性変形性を有する微粒組織ミニ
チュアドリルを開発すべく研究を行った結果、 (a)まず、1次原料粉末として、いずれも望ましくは
1μm以下の平均粒径を有する金属タングステン(以
下、Wで示す)粉末、酸化コバルト(以下、Co 25
示す)粉末、酸化クロム(以下、Cr23で示す)粉末、
および黒鉛(以下、Cで示す)粉末を用意し、これら原料
粉末を所定の割合に配合し、十分に混合した後、カーボ
ンボートに充填し、これを水素含有雰囲気中、1300
〜1500℃の温度に加熱保持の条件で共還元処理(前
記原料粉末のC粉末による還元炭化処理)を施すと、W
Cに所定割合のCoとCrが固溶含有してなるWとCo
とCrの複合炭化物固溶体[以下、(W,Co,Cr)
Cで示す]粉末を製造することができること。
【0006】(b)上記の従来微粒組織ミニチュアドリ
ルの製造に際して原料粉末として用いていたWC粉末に
代って、上記(a)で製造した(W,Co,Cr)C粉
末を、これに固溶含有するCoとCrの含有量を、C
o:0.1〜3質量%およびCr:0.1〜2質量%と
なるように調整すると共に、その平均粒径を1μm以下
とした状態で原料粉末として用い、さらに原料粉末とし
てVC粉末を、Vが加圧焼結体全体に占める割合で、
0.1〜1質量%含有するようになる割合で用い、これ
以外の条件は、上記の従来微粒組織ミニチュアドリルを
構成する加圧焼結体の製造条件と同一の条件で加圧焼結
体を製造すると、 分散相が走査型電子顕微鏡による組織観察に基づく平
均値(任意複数個所、望ましくは任意5ヶ所以上の測定
結果の平均値、以下に示す平均値も同じ)で80〜95
面積%を占め、残りが結合相と不可避不純物からなる微
粒組織を有し、 さらに上記分散相が、以下いずれも透過型電子顕微鏡
およびエネルギー分散型X線分析装置による測定で、実
質的に分散相に占める平均値で、Co:0.1〜3質量
%、Cr:0.1〜2質量%を含有する(W,Co,C
r)C単一相からなり、 同じく上記の結合相が、Crを結合相に占める平均値
で、1〜8質量%含有するCo基合金単一相(上記の従
来微粒組織ミニチュアドリルと同様に焼結時にCrの他
に微量のWとVとC成分が固溶する)からなり、 かつVを加圧焼結体全体に占める割合で、0.1〜1
質量%含有すると共に、前記Vが上記分散相と上記結合
相の界面部に凝集した組織を有する加圧焼結体が得られ
ること。
【0007】(c)上記(b)の加圧焼結体において
は、特にこれの分散相を構成する(W,Co,Cr)C
単一相が、Crの作用で上記の従来微粒組織ミニチュア
ドリルを構成する超硬合金の分散相であるWC相と同等
の硬さを保持したままで、かつCoの作用で前記WC相
に比して一段と強靭性に富んだものとなると共に、これ
の結合相を構成するCo基合金単一相が、Crの作用で
すぐれた耐熱性を有し、高い発熱に対してすぐれた耐熱
塑性変形性を発揮し、しかも上記分散相と上記結合相の
界面部に凝集したVが、前記分散相および結合相のそれ
ぞれの構成成分が焼結時に相互に拡散移動するのを抑制
する、すなわち焼結前後の前記分散相の構成成分含有量
に実質的変化が起らないように作用する(この結果結合
相の構成成分含有量も安定する)ことから、あらかじめ
原料粉末のCoおよびCrの含有量を調製して定めた特
性がそのまま焼結後も保持されると共に、WC粒の成長
が著しく抑制されるようになって、平均粒径で0.8μ
m以下の微粒組織をもつようになり、したがってこの結
果の加圧焼結体で構成されたミニチュアドリルは、特に
高強度が要求される高速穴あけ加工で折損の発生なく、
しかも高い加工抵抗を伴なう高速穴あけ加工でもすぐれ
た耐摩耗性を長期に亘って発揮すること。以上(a)〜
(c)に示される研究結果を得たのである。
【0008】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、シャンク部と、先端面を切刃面と
し、かつ0.1〜1.6mmの外径を有する溝形成部と
からなるミニチュアドリルを、微粒組織の分散相が走査
型電子顕微鏡による組織観察に基づく平均値で80〜9
5面積%を占め、残りが結合相と不可避不純物からなる
微粒組織を有する加圧焼結体で構成し、さらに上記加圧
焼結体を構成する分散相が、以下、いずれも透過型電子
顕微鏡およびエネルギー分散型X線分析装置による測定
で、実質的にWCにCoとCrが固溶含有し、かつその
含有割合が分散相に占める平均値で、Co:0.1〜3
質量%、Cr:0.1〜2質量%である(W,Co,C
r)C単一相からなり、同じく上記の結合相が、Crを
結合相に占める平均値で、1〜8質量%含有するCo基
合金単一相(微量のW,V,およびCを固溶含有する)
からなり、かつ上記加圧焼結体は、Vを加圧焼結体全体
に占める割合で、0.1〜1質量%含有すると共に、前
記Vが上記分散相と上記結合相の界面部に凝集した組織
を有する、高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐
摩耗性を発揮する微粒組織ミニチュアドリルに特徴を有
するものである。
【0009】以下に、この発明の微粒組織ミニチュアド
リルにおいて、これを構成する加圧焼結体の成分組成を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (1) 加圧焼結体の分散相の割合 その割合が平均値で80面積%未満では、相対的に軟質
の結合相の割合が多くなり過ぎて、先端面切刃面の摩耗
進行が速まるようになり、一方その割合が同95面積%
を越えると、靭性不足をきたし、先端面切刃面に欠けや
チッピング(微小欠け)が発生し易くなるばかりでな
く、ミニチュアドリル自体にも折損が発生するようにな
ることから、その割合を平均値で80〜95面積%、望
ましくは84〜91面積%と定めた。
【0010】(2) 分散相におけるCoおよびCr成
分の含有割合 分散相に固溶含有するCo成分には、分散相の強度(靭
性)を向上させる作用があるが、その含有割合が平均値
で0.1質量%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有割合が同3質量%を越えると、分散相
の硬さが急激に低下するようになって、摩耗進行を早め
る原因となることから、その含有割合を平均値で0.1
〜3質量%、望ましくは0.5〜2質量%と定めた。ま
た、同じく分散相に固溶含有するCr成分には、Co含
有による硬さ低下を補って、分散相の硬さを上記の従来
微粒組織ミニチュアドリルを構成する超硬合金の分散相
であるWC相と同等の硬さに保持する作用をもつが、そ
の含有割合が平均値で0.1質量%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有割合が同2質量%
を越えると、分散相中に微細な炭化クロムとして析出
し、これが分散相自体の強度低下の原因となることか
ら、その含有割合を平均値で0.1〜2質量%、望まし
くは0.5〜1質量%と定めた。
【0011】(3) 結合相におけるCr成分の含有割
合 結合相に固溶含有するCr成分には、上記の通り結合相
の耐熱性を著しく向上させる作用があり、この結果ミニ
チュアドリルの耐熱塑性変形性が向上して、偏摩耗の発
生が抑制されるようになるが、その含有割合が平均値で
1質量%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有割合が同8質量%を越えると、結合相中に微
細な炭化クロムなどとして析出し、結合相のもつ靭性が
損なわれるようになることから、その含有割合を平均値
で1〜8質量%、望ましくは2〜6質量%と定めた。
【0012】(4) 分散相と結合相の界面部に凝集す
るV成分の含有割合 V成分には、分散相と結合相の界面部に凝集して、焼結
時に分散相および結合相のそれぞれの構成成分が相互に
拡散移動するのを抑制し、もって前記分散相および結合
相に特性変化が起らないようにすると共に、前記分散相
の粒成長も抑制して、その粒径を平均粒径で0.8μm
以下に保持する作用があるが、その含有割合がで0.1
質量%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方
その含有割合が1質量%を越えると、微細な炭化バナジ
ウムなどとして析出し、ミニチュアドリルの強度を低下
させる原因となることから、その含有割合をで0.1〜
1質量%、望ましくは0.2〜0.5質量%と定めた。
【0013】
【発明の実施の態様】つぎに、この発明の微粒組織ミニ
チュアドリルを実施例により具体的に説明する。原料粉
末として、平均粒径:0.5μmを有するW粉末、同
0.6μmのCo 25粉末、同0.6μmのCr23
末、および同0.4μmのC粉末を用意し、まずこれら
原料粉末のうちのCo25粉末、Cr23粉末、および
C粉末を所定の割合に配合し、湿式ボールミルでアセト
ンを加えて3時間混合し、減圧乾燥した後、よくほぐし
た状態でこれに所定割合のW粉末を配合して、さらに1
時間乾式混合し、カーボンボートに充てんした後、水素
雰囲気中、1300〜1500℃の範囲内の所定の温度
に20分保持の条件で還元炭化処理を施し、還元炭化処
理後粒度調整を行うことにより、それぞれ表1に示され
るCoおよびCr含有量にして、平均粒径を有する本発
明微粒組織ミニチュアドリルを構成する加圧焼結体の分
散相形成用(W,Co,Cr)C粉末(以下、本発明分
散相用原料粉末と云う)A〜Lをそれぞれ製造した。
【0014】ついで、上記の本発明分散相用原料粉末A
〜Lのそれぞれに、平均粒径:1.2μmのCo粉末お
よび同1.8μmのVC粉末、さらに必要に応じて同
2.3μmのCr32粉末を表2に示される割合に配合
し、ボールミルで72時間湿式混合し、減圧乾燥し、さ
らにワックスと溶剤を加えて1時間混和した後、押出し
プレスにて直径:4.4mmの長尺状成形体とし、これ
らの長尺状成形体を、1.3Pa(1×10-2Tor
r)の真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1380〜
1480℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に
1時間保持して焼結した後、前記昇温温度に保持したま
ま、Arを導入して雰囲気を圧力:6MPaの加圧雰囲
気として1時間保持し、その後60℃/分の冷却速度で
急冷するHIP処理を施すことにより、いずれも直径が
3.5mmの長尺状の加圧焼結体とし、さらにこれらの
加圧焼結体から研削加工にて溝形成部の外径がそれぞれ
表2に示される寸法(この場合いずれもシャンク部の外
径は3.2mm、全長は38mm)を有し、かついずれ
も図1に示される形状をもった本発明微粒組織ミニチュ
アドリル(以下、本発明ミニチュアドリルと云う)1〜
12それぞれを製造した。
【0015】また、比較の目的で、原料粉末として、上
記のCo粉末およびCr32粉末、さらに平均粒径:
0.8μmのWC粉末を用い、これら原料粉末を表3に
示される配合組成に配合する以外は、上記の本発明ミニ
チュアドリル1〜12の製造条件と同一の条件で、混合
混和し、長尺状成形体を成形し、真空燒結し、さらにH
IP処理を施して加圧焼結体とし、これに研削加工を施
して同じく表3に示される溝形成部外径に仕上げること
により従来微粒組織ミニチュアドリル(以下、従来ミニ
チュアドリルと云う)1〜8それぞれを製造した。
【0016】この結果得られた本発明ミニチュアドリル
1〜12よび従来ミニチュアドリル1〜8について、こ
れの任意断面を走査型電子顕微鏡、並びに透過型電子顕
微鏡およびエネルギー分散型X線分析装置を用いて組織
観察し、分散相の平均粒径を測定すると共に、分散相の
全体割合、Co含有量、およびCr含有量、さらに結合
相のCr含有量をそれぞれ任意5ヶ所について測定し、
その測定結果をそれぞれ表2、3に平均値で示した。ま
た、前記分散相と結合相の界面部に凝集して存在するV
成分の含有量についても測定し、その測定結果を表2に
示した。なお、表2、3の分散相および結合相のCo平
均含有量およびCr平均含有量はそれぞれ分散相および
結合相に占める割合を示すものである。
【0017】つぎに、上記の各種のミニチュアドリルに
ついて、ガラス層とエポキシ樹脂層の交互6層積層板か
らなる厚さ:1.6mmのプリント基板を4枚重ねたも
のに表4に示される条件および試験本数:20本にて高
速穴あけ加工試験を行い、ミニチュアドリルの溝形成部
外径寸法に5%の摩耗が生じるまでの穴あけ加工数を測
定すると共に、使用寿命原因を観察した。これらの測定
結果を表4にそれぞれ平均値で示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【発明の効果】表2〜4に示される結果から、本発明ミ
ニチュアドリル1〜12は、いずれもこれを構成する加
圧焼結体の分散相が従来ミニチュアドリルを構成する超
硬合金の分散相であるWC相と同等の硬さを保持したま
まで、これより一段と強靭性に富んだ(W,Co,C
r)C単一相からなり、また同結合相が耐熱塑性変形性
のすぐれたCo基合金単一相からなり、しかも前記分散
相と結合相の界面部に凝集して存在するV成分が、前記
分散相および結合相のそれぞれの構成成分が焼結時に相
互に拡散移動するのを抑制するように作用し、前記分散
相および結合相のもつ特性がそのまま焼結後も保持され
ると共に、分散相の成長が著しく抑制されるようになっ
て、平均粒径で0.8μm以下の微粒組織が確保される
ことから、ことによって高強度およびすぐれた耐熱塑性
変形性を具備するようになるので、高い加工抵抗を伴な
う高速穴あけ加工でも、折損の発生がなく、すぐれた耐
摩耗性を長期に亘って発揮するのに対して、加圧焼結体
の分散相がWC単一相からなる従来ミニチュアドリル1
〜8においては、いずれも強度不足が原因で、大きな
「ねじれ」や「たわみ」が生じ、かつ高い加工抵抗も加
わる高速穴あけ加工では折損が発生し易く、比較的短時
間で使用寿命に至ることが明らかである。上述のよう
に、この発明の微粒組織ミニチュアドリルは、自体の
「たわみ」や「ねじれ」が大きい高速穴あけ加工は勿論
のこと、高い加工抵抗を伴なう高速穴あけ加工でもすぐ
れた性能を長期に亘って発揮するものであるから、穴あ
け加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十
分満足に対応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は微粒組織ミニチュアドリルを例示する
概略拡大正面図、(b)は溝形成部の長さ方向中央部に
おける中心線に対して直角な方向の断面(直角断面)図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 一樹 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 (72)発明者 岸野 淳 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 (72)発明者 秋山 和裕 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C037 AA02 CC08 FF06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)シャンク部と、先端面を切刃面と
    し、かつ0.1〜1.6mmの外径を有する溝形成部と
    からなるミニチュアドリルを、微粒組織の分散相が走査
    型電子顕微鏡による組織観察に基づく平均値で80〜9
    5面積%を占め、残りが結合相と不可避不純物からなる
    組織を有する加圧焼結体で構成し、 (b)上記加圧焼結体を構成する分散相が、実質的に炭
    化タングステンにCoとCrが固溶含有し、かつその含
    有割合が分散相に占める平均値で、Co:0.1〜3質
    量%、Cr:0.1〜2質量%であるWとCoとCrの
    複合炭化物固溶体単一相からなり、 (c)同じく上記の結合相が、Crを結合相に占める平
    均値で、1〜8質量%含有するCo基合金単一相からな
    り、 (d)さらに上記加圧焼結体は、Vを加圧焼結体全体に
    占める割合で、0.1〜1質量%含有すると共に、前記
    Vが上記分散相と上記結合相の界面部に凝集した組織を
    有し、 (e)以上の(b)〜(d)の成分含有量および組織は
    いずれも透過型電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線
    分析装置による測定結果のものであること、を特徴とす
    る高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐摩耗性を
    発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリル。
JP2000050881A 2000-02-28 2000-02-28 高速穴あけ加工ですぐれた耐折損性および耐摩耗性を発揮する微粒組織加圧焼結体製ミニチュアドリル Expired - Fee Related JP3811938B2 (ja)

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