JP2001237486A - 半導体レーザの冷却装置 - Google Patents

半導体レーザの冷却装置

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JP2001237486A JP2000045878A JP2000045878A JP2001237486A JP 2001237486 A JP2001237486 A JP 2001237486A JP 2000045878 A JP2000045878 A JP 2000045878A JP 2000045878 A JP2000045878 A JP 2000045878A JP 2001237486 A JP2001237486 A JP 2001237486A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起光源となる複数のLDが発生する膨大な
熱を確実に除去することのできる半導体レーザの冷却装
置を提供すること。 【解決手段】 LD101a〜101fと一体化された
良導性の金属部材からなる放熱体構成要素2a〜2f
(総じてブロック状放熱体2)の内部に冷却水を流すた
めの冷却路4を形成し、さらに冷却路4内に、環状体6
a〜6fで形成される突起を配置する。これらの突起に
よって冷却水を攪拌して乱流を形成させることで冷却路
4の壁面から冷却水に対する熱伝達性能を高め、LD1
01a〜101fの温度の低減ならびに温度制御を達成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザの冷
却装置に関し、特に、レーザ媒質の周囲に並列配備され
た複数の励起光源の冷却と各励起光源の発振波長制御を
行う機能を備えた半導体レーザの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、励起の吸収効率が高く、小さな結
晶体積から高い出力を得られる半導体レーザ(Laser Dio
de,以下単にLDと称する)の技術的な進歩によって、
固体レーザの励起光源はランプ励起からLD励起へと変
わりつつあり、金属材料の切断、溶接等の機械加工への
利用において、さらなるLDの高出力化が望まれてい
る。
【0003】ところで、このようにLDの高出力化が進
んでくると、これを冷却するための冷却機構が必要にな
ってくる。
【0004】例えば、高出力化のため複数のLDを励起
光源として高密度に実装するような場合では、膨大な熱
が発生するため、絶対温度を低減してLDの寿命を延ば
す冷却機構が必要になる。
【0005】また、LDのレーザ発振波長と励起される
YAG結晶等のレーザ媒質との吸収スペクトルにずれが
生じないようLDの温度制御を行い、レーザ発振効率の
低下を防止する冷却機構も必要になってくる。
【0006】特に、LDパワーの約60%程度が熱にな
るので、例えば複数のLDを高密度に実装するような場
合、熱量が数100ワットを超えてしまい、通常の強制
空冷等の冷却手段では能力不足が生じることがある。
【0007】従来この種の冷却機構として、例えば、ス
ーパーコンピュータの冷却のための水冷機構が知られて
いる。
【0008】これは、冷却水の配管を湾曲させ、それを
基板の表面あるいは内部に設置し、基板の表面に搭載し
た半導体デバイスを冷却するものである。
【0009】このような水冷機構を半導体レーザの冷却
装置に応用する場合、熱伝導率の高い銅等の伝熱部材で
励起光源となるLDをパッケージ化し、これらの伝熱部
材の内部に冷却水を流して冷却する方法が考えられる。
【0010】例えば、LDの冷却や温度制御を行う従来
例として、特開平10−294513号公報に掲載され
た「レーザダイオード励起固体レーザ装置」がある。
【0011】このものは、例えば、図7に示されるよう
に、レーザ媒質となるYAG結晶100の周りに4個の
LD101a〜101dを搭載してなる高出力半導体レ
ーザモジュールが複数個配置されている。なお、ここで
は1モジュール分だけを図示している。
【0012】又、搭載されているLD101a〜101
dは、それぞれ放熱体102a〜102dに接触固定さ
れている。そして、これらの放熱体102a〜102d
は、各々個別に冷却路103a〜103dを介して冷却
器104に接続されている。
【0013】この冷却器104は、放熱体102a〜1
02dの冷却路103a〜103dに対して冷却水を供
給することにより、LD101a〜101dを冷却する
構成となっている。
【0014】このような構成を有する従来の半導体レー
ザモジュールは、次のような特徴を持つ。
【0015】初めに、LD101a〜101dの中で発
振波長の最も長い光を出射するLD、例えば、LD10
1aに備えた温度センサ107によって温度を検出し、
更に各LD101a〜101dからの光の波長がレーザ
媒質の吸収スペクトルに合うように、LD101a〜1
01dの各々に接続固定された放熱体102a〜102
dの冷却路103a〜103dに流す冷却水の流量をバ
ルブ105a〜105dで調節する。つまり、放熱体1
02a〜102d自体の冷却能力の調整によるLD10
1a〜101dの温度制御である。
【0016】次に、放熱体102a〜102dとLD1
01a〜101dとの間に熱伝導率の異なるベリリアま
たは窒化アルミニウムなどの伝熱部材106a〜106
dを設け、LD101a〜101dの温度制御を行う。
これは、放熱体102a〜102dとLD101a〜10
1dとの間の熱伝導率の調整によるLD101a〜10
1dの温度制御である。
【0017】更に、放熱体102a〜102dとLD1
01a〜101dとの間の伝熱部材群106a〜106d
に対し、放熱体102a〜102dあるいはLD101a
〜101dとの間の接触面積を調整することによって熱
流束を変化させ、LD101a〜101dの温度を制御
する。なお、実際に接触面積を調整するための方法とし
ては伝熱部材群106a〜106dの表面に溝を形成し
たり、または、孔を穿設したり、更には、伝熱部材群1
06a〜106d自体の形状を変えるといった方法もあ
る。これも、広い意味では、放熱体102a〜102d
とLD101a〜101dとの間の熱伝導率の調整によ
るLD101a〜101dの温度制御である。
【0018】最後に、放熱体102a〜102dの内部
に設けた冷却路103a〜103dの長さや断面積を変
えたり、あるいは、放熱体102a〜102dの内部を
走る冷却路103a〜103dの経路を調整したりする
ことにより、搭載されたLD101a〜1101dの発振
波長や温度制御を行うようにしている。これも、広い意
味では、放熱体102a〜102d自体の冷却能力の調
整によるLD101a〜101dの温度制御である。
【0019】このように、従来技術において様々な方法
を駆使して複雑な温度制御を行っていたのは、当時のL
D製造技術が未熟で、各LDの発振波長にバラツキが生
じ、これを補償するために各LD毎に個別の最適温度制
御が要求されていたからである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年のLD製造
技術の進歩はめざましく、従来問題となっていた製造上
の問題によるLDの発振波長のバラツキは大幅に改善さ
れ、専ら、LDの高出力化に対処するための強力な冷却
装置が要求されている。
【0021】つまり、前述したようにLD毎個別に温度
制御を実施する温度制御方法や冷却装置は発振波長の制
御の点からは有効な方法ではあるが、LD品質の安定し
た最近の状況下においては、これらの方法および装置は
オーバーエンジニアリングであり、むしろ、小型化の阻
害やコスト上昇を招くといった問題がある。
【0022】
【発明の目的】そこで、本発明の目的の一つは、高パワ
ーで高品質な励起光の得られる高出力半導体レーザを実
現するため、レーザ媒質の周囲に励起光源となる複数の
LDを高密度で実装し、このとき発生する膨大な熱を除
去できる半導体レーザの冷却装置を提供することにあ
る。
【0023】また、複数の励起光源の発振波長を均一化
してレーザ媒質を効率よく励起し、高出力で安定したレ
ーザを出力すること、および、冷却装置を大幅に改良す
ることなく簡単な構成で放熱性能を上げてコスト低減効
果を得ることも、その目的の一部である。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ媒質の
周囲に並列配備された複数の励起光源を冷却する半導体
レーザの冷却装置であり、前記目的を達成するため、特
に、熱伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体の表
面に励起光源の各々を整列配備すると共に、励起光源の
整列方向に沿ってブロック状放熱体の内部に冷却路を穿
設し、この冷却路内に所定の離間距離で突起を形成し、
ブロック状放熱体の冷却路の両端の開口部を冷却水供給
用の冷却器に接続したことを特徴とする構成を有する。
【0025】この構成によれば、励起光源から発散され
る熱が伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体に伝
達され、また、ブロック状放熱体に穿設された冷却路を
流れる冷却水によって、このブロック状放熱体が冷却さ
れる。この際、冷却路を流れる冷却水が冷却路内に設け
られた突起によって攪拌されて乱流を形成しているの
で、冷却路の壁面から内部の冷却水に万遍無く熱が伝達
されるようになり、冷却水を用いたブロック状放熱体の
冷却性能が向上する。また、冷却水を供給する冷却器自
体は従来のものをそのまま流用することができるため、
周辺装置等に関して格別の設備投資を必要としない。こ
の結果、励起光源となる複数のLDをレーザ媒質の周囲
に高密度で実装したときに発生する膨大な熱を僅かなコ
ストで除去することが可能となり、高パワーで高品質な
励起光の得られる高出力半導体レーザが実現される。ま
た、冷却装置の冷却能力が強力であって、しかも、近年
の製造技術の向上に伴ってLDにおける発振波長のバラ
ツキが少ないことから、複数の励起光源の発振波長が均
一化し、レーザ媒質の効率よい励起が可能となって、高
出力で安定したレーザが得られるようになる。
【0026】具体的には、各々の励起光源に対応して分
割形成された複数の放熱体構成要素を設けて、前記放熱
体構成要素の各々に冷却路を穿設すると共に、各放熱体
構成要素における冷却路の少なくとも一方の開口部に周
溝を形成して弾性部材から成る環状体を内嵌し、前記複
数の放熱体構成要素を前記励起光源の整列方向に沿って
重合して固定し、前記環状体の各々を両側の放熱体構成
要素により圧縮して弾性変形させて環状体の内径を縮径
することにより前記所定の離間距離毎の突起を形成する
といった構成を適用することができる。
【0027】この構成によれば、放熱体構成要素におけ
る周溝の加工と弾性部材から成る環状体の内嵌および放
熱体構成要素同士の重合接続といった簡単な製造工程に
よって、冷却路内に突起を備えたブロック状放熱体を形
成することができる。この際、弾性部材から成る環状体
としては、例えば、液漏れ防止用のオー・リング等の市
販素材を流用することが可能である。オー・リングを使
用した場合、突起を形成するオー・リング自体がブロッ
ク状放熱体の液漏れ防止手段を兼ねるので、格別の液漏
れ防止手段を別部品として配備する必要はない。また、
前記周溝の深さ或いは両側の放熱体構成要素による圧接
力を変えて環状体の圧縮量を調整することにより、環状
体の内径、即ち、突起の突出量を調整することが可能で
ある。このため、必要とされる攪拌機能に応じた突起を
容易に形成して発振波長調整のための温度制御や冷却の
ための適切な温度制御を実施することができるようにな
る。また、冷却器におけるポンプ能力に応じて環状体の
内径、つまり、冷却液の流動抵抗を調整することも可能
である。しかも、各々の励起光源に対応して分割形成さ
れた複数の放熱体構成要素を重合して一つのブロック状
放熱体を構成しているため、放熱体構成要素の組み合わ
せ個数を変えるだけの簡単な作業で、レーザ媒質の大き
さ等に応じた励起光源の配置が可能となる。この場合、
冷却水供給用の冷却器に接続されるのは、重合して接続
された複数の放熱体構成要素のうち最外郭に位置する2
つの放熱体構成要素の開口部である。
【0028】また、所定の離間距離毎に突起を形成する
ための構成として、各々の励起光源に対応して分割形成
された複数の放熱体構成要素を設け、前記放熱体構成要
素の各々に前記冷却路を穿設すると共に、各放熱体構成
要素における冷却路の一方の開口部を縮径させ、複数の
放熱体構成要素を励起光源の整列方向に沿って重合して
固定した構造を適用することもできる。
【0029】この場合、放熱体の冷却路における複数の
突起は、各々の放熱体構成要素の冷却路の一方の開口部
に設けられた縮径部によって構成されることになる。こ
の縮径部は放熱体構成要素の一方の開口部にだけ設けれ
ば済むので、各放熱体構成要素の冷却路の中央部あるい
は両側に縮径部を設けた場合と比べ、加工工程を簡略化
することができる。
【0030】ここで、各々の放熱体構成要素の冷却路に
おける一方の開口部に縮径部を設けるための手段として
は、該一方の開口部に周溝を形成し、冷却路の内径より
も小さな内径を有する環状部材をこの周溝に内嵌すると
いった構造を適用することが可能である。
【0031】この場合、縮径部を構成する環状部材を放
熱体構成要素と独立して加工することができるので、全
体的な加工作業が容易となる利点がある。
【0032】また、各々の放熱体構成要素の冷却路にお
ける一方の開口部に縮径部を設けるための手段として、
前記冷却路の内径に相当する直径の盲穴加工と該盲穴加
工よりも小径の貫通穴加工とを併用することも可能であ
る。
【0033】この場合、除去加工の対象となる放熱体構
成要素の内部に対してのみ加工が行われることになるの
で、放熱体構成要素を製造するときの材料が節約される
といった利点がある。
【0034】更に、前記一方の開口部の縮径部には、該
縮径部の軸方向の中央部から両側に向けて拡径するテー
パ面を形成するようにしてもよい。
【0035】この構成によれば、前記テーパ面の作用に
よって冷却路における急激な流路の縮小および拡大が防
止されるので、冷却水の圧力上昇が緩和され、冷却器に
おけるポンプの負荷が軽減されるといった利点がある。
【0036】また、縮径部の軸方向の中央部から両側に
向けて拡径するテーパ面に代えて、該縮径部の軸方向の
一端から他端に向けて拡径するテーパ面を採用すること
も可能である。
【0037】この場合、冷却路における急激な流路の縮
小または拡大のうち何れか一方を防止することが可能で
あり、また、加工の面から見れば、中央部から両側に向
けて拡径するテーパ面を設ける場合よりも容易となる利
点がある。
【0038】更に、放熱体構成要素の一方の開口部に設
けられた縮径部には、該縮径部を軸方向に貫通する切欠
部を所定の周方向ピッチで複数形成することも可能であ
る。
【0039】この切欠部を設けることにより、冷却水の
攪拌能力が著しく向上し、その攪拌によって発生する大
小様々な流体渦による熱伝達の促進により、更に効率の
よい冷却機能が達成される。
【0040】また、複数の放熱体構成要素間にオー・リ
ングを配備して液漏れ防止手段としてもよい。
【0041】この構成は、特に、環状部材を周溝に内嵌
して放熱体構成要素の冷却路における一方の開口部を縮
径した構造、あるいは、盲穴加工と小径の貫通穴加工と
を併用して一方の開口部を縮径させた構造に対して有効
である。
【0042】更に、前述した各構成において、前記冷却
路内に螺旋溝を刻設することも可能である。
【0043】この構成によれば、冷却路内を流れる冷却
水が螺旋溝によって攪拌されて乱流や旋回流が形成され
るので、ブロック状放熱体から冷却水への熱伝達性能が
大幅に向上する。この螺旋溝は、突起を備えていない冷
却路の部分に前記各突起と併設して設けてもよいし、ま
た、螺旋溝の突条自体が突起としての機能を有するの
で、格別な突起を備えていない冷却路にこの螺旋溝のみ
を刻設することにより、その突条自体を突起として利用
することもできる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の幾つかについて詳細に説明する。図1(a)
は、本発明によって想定され得る実施形態のうち、複数
の放熱体構成要素を重合固定して一つのブロック状放熱
体を構成する実施形態に共通する外観を簡略化して示し
た平面図、また、図1(b)は図1(a)の平面図から
ブロック状放熱体の部分のみを取り出して簡略化して示
した斜視図である。
【0045】半導体レーザの冷却装置1は、図1(a)
に示されるように、概略において、ブロック状放熱体2
と冷却器3とによって構成される。このうち、冷却器3
の部分に関する構成は従来の冷却器と同様である。つま
り、この冷却器3には、冷却水を送出および回収して循
環させながら所定温度に冷却する機能がある。
【0046】図1(a)および図1(b)の例では6個
の放熱体構成要素2a〜2fを重合固定して一つのブロ
ック状放熱体2を構成した例について示しているが、そ
の数は、レーザ媒質となるYAG結晶100の大きさ等
に応じて任意に調整可能であり、個数は問わない。
【0047】放熱体構成要素2a〜2fの各々は熱伝導
率の高い金属、例えば、銅等によって構成される。そし
て、放熱体構成要素2a〜2fの表面には、YAG結晶
100に対する励起光源となるLD(Laser Diode)10
1a〜101fの各々が、放熱体構成要素2a〜2fの
各々に対して熱伝導可能な状態で固着されている。
【0048】従って、放熱体構成要素2a〜2fの各々
は、LD101a〜101fの各々に対応して分割形成
された放熱体構成要素、つまり、ブロック状放熱体2の
一部であり、これらの放熱体構成要素2a〜2fをLD
101a〜101fの整列方向、要するに、YAG結晶
100の長手方向に沿って重合することにより、YAG
結晶100に適した一つのブロック状放熱体2が得られ
る。
【0049】そして、ブロック状放熱体2の略中央部に
はLD101a〜101fの整列方向に沿った冷却路4
が図1(b)に示されるように貫通して穿設されてお
り、この冷却路4の両端の開口部、より具体的には、最
外郭に位置する放熱体構成要素2aの一方の開口部と放
熱体構成要素2fの他方の開口部に、冷却水供給用の冷
却器3が図1(a)に示されるようにして接続されてい
る。
【0050】なお、図1(a)では1ユニット分のブロ
ック状放熱体2について示しているが、YAG結晶10
0を取り巻くようにして複数のブロック状放熱体2が配
備される場合もある。通常、このような場合であっても
冷却器3の数は1つである。
【0051】次に、冷却路4の内部に所定の離間距離で
冷却水攪拌用の突起を形成するための構成について詳細
に説明する。
【0052】図2は各放熱体構成要素2a〜2fの一方
の開口部に形成された周溝5a〜5fと弾性のある環状
体6a〜6fとを利用して冷却水攪拌用の突起を形成し
た実施形態(以下、第1実施形態という)について示す
断面図であり、図1(b)の矢視A−A部分の断面に相
当する。
【0053】この実施形態においては、図2に示す通
り、放熱体構成要素2a〜2fの各々毎に冷却路4a〜
4fを穿設し、各冷却路4a〜4fの一方の開口部、つ
まり、図2における右側の開口部に周溝5a〜5fを形
成して、その内部に弾性部材から成る環状体6a〜6f
を内嵌することによって冷却路4内における所定離間距
離毎の突起としている。
【0054】放熱体構成要素2a〜2fの構造は全て同
様であるので、これらを代表して放熱体構成要素2a,
2bの部分のみを取り出し、図3(a)において、その
内部構造を詳細に示す。
【0055】周溝5a,5bの各々は、放熱体構成要素
2a,2bの冷却路4a,4bと同心円上に放熱体構成
要素2a,2bの一方の面つまり右端面側に形成され、
その内径は、非圧縮状態にある環状体6a,6bの外径
と略同一の大きさとされている。また、環状体6a,6
bの内径dは冷却路4a,4bの内径と略同一である。
【0056】周溝5a,5bの深さtは、環状体6a,
6bの厚みに比べてある程度浅くなるように形成され、
図3(c)に示されるようにして隣接する放熱体構成要
素を圧着したときに環状体6a,6bが厚み方向に弾性
変形され、該環状体6a,6bの内径dが縮径されて、
冷却路4a,4bの内壁側に突出するようになってい
る。この突出部分が冷却水攪拌用の突起として機能する
部分である。
【0057】従って、周溝5a,5bの深さtを調整し
て環状体6a,6bの圧縮量を変化させることによって
突起の突出量を自由に調整することが可能である。ま
た、弾性部材からなる環状体6a,6b自体が放熱体構
成要素2a,2b間で冷却水の漏れを防止するため、改
めて放熱体構成要素間に別部材の液漏れ防止手段を配備
するといった手間も省ける。
【0058】環状体6a,6bとしては、市販のオー・
リング等をそのまま流用することが可能である。
【0059】この構成を適用した場合のブロック状放熱
体2の組み立て工程の概略を図3(b)に示す。ブロッ
ク状放熱体2を組み立てる際には、図3(b)に示すよ
うに、各々の放熱体構成要素2a〜2fの周溝5a〜5
fに予め環状体6a〜6fを内嵌して取り付けておき、
これらの放熱体構成要素2a〜2fを並べるように重合
させて一つのブロック状放熱体2とした後、各放熱体構
成要素2a〜2fの外周部に形成されたボルト穴8,
8,8・・・に長尺ボルト7を挿通し、ボルトヘッド7
aとナット9によりブロック状放熱体2を両端から締め
付ける。
【0060】この場合、各放熱体構成要素2a〜2fの
ボルト穴8,8,8・・・は、各放熱体構成要素2a〜
2fの四隅、あるいは、図1(b)のように対角線の両
端に配備することが望ましい。
【0061】以上に述べた第1実施形態によれば、励起
光源となるLD101a〜101fから発散される熱が
伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体2に伝達さ
れ、また、ブロック状放熱体2に穿設された冷却路4を
流れる冷却水によって、このブロック状放熱体2が冷却
される。
【0062】この際、冷却路4を流れる冷却水は、図2
に示されるようにして冷却路4内に突出する環状体6a
〜6fによって形成される突起の各々によって攪拌され
て乱流を形成するので、冷却路4の壁面から内部の冷却
水に万遍無く熱が伝達されるようになり、冷却水を用い
たブロック状放熱体2の冷却性能、最終的には、LD1
01a〜101fに対しての冷却性能が向上する。
【0063】また、冷却水を供給する冷却器3自体は従
来のものをそのまま流用することができるため、周辺装
置等に関して格別の設備投資を必要としない。
【0064】この結果、励起光源となる複数のLD10
1a〜101fを高密度で実装したときに発生する膨大
な熱を僅かなコストで除去することが可能となり、高パ
ワーで高品質な励起光の得られる高出力半導体レーザが
実現される。また、ブロック状放熱体2による冷却能力
が強力であって、しかも、近年の技術の向上に伴ってL
Dの製造上の問題による発振波長のバラツキが少ないこ
とから、複数のLD101a〜101fの発振波長が確
実に均一化され、レーザ媒質となるYAG結晶100の
効率よい励起が可能となって、高出力で安定したレーザ
が得られるようになる。
【0065】また、放熱体構成要素2a〜2fにおける
周溝5a〜5fの加工とオー・リング等の環状体6a〜
6fの内嵌、および、長尺ボルト7とナット9による放
熱体構成要素2a〜2f同士の重合接続といった簡単な
組み立て工程によって冷却路4内に複数の突起を形成す
ることができるため、冷却装置の製造工程が簡略なもの
となる。
【0066】この際、環状体6a〜6fとしては市販の
オー・リング等を流用することが可能であり、また、オ
ー・リング自体が液漏れ防止手段を兼ねるため、格別の
液漏れ防止手段を別部品として配備する場合と比べて製
造コストの軽減や部品点数の削減といった利点もある。
【0067】また、周溝5a〜5fの深さtを変えて環
状体6a〜6fの圧縮量を調整することによって環状体
6a〜6fの内径、即ち、突起の突出量を調整すること
が可能である。このため、必要とされる攪拌機能に応じ
た突起を容易に形成してLD101a〜101fの発振
波長調整のための温度制御や冷却のための適切な温度制
御を実施することができるようになる。また、冷却器3
のポンプ能力に応じて環状体6a〜6fの内径つまり突
起の突出量を調整することも可能である。
【0068】なお、環状体6a〜6fの内径によって形
成される突起の突出量を減少させる場合には周溝5a〜
5fに更に切り込みを加えて深さtを増大させればよ
く、また、これとは逆に突起の突出量を増大させたい場
合には、放熱体構成要素2a〜2fの端面を削る等して
実質的な溝深さtを減少させればよい。
【0069】また、長尺ボルト7とナット9の締結力を
調整して環状体6a〜6fの内径、即ち、突起の突出量
を調整することも可能である。この場合、長尺ボルト7
とナット9の締結力を弱めれば突起の突出量は減少し、
また、長尺ボルト7とナット9の締結力を強めれば突起
の突出量は増大する。なお、図3(c)では放熱体構成
要素2aの端面と放熱体構成要素2bの端面とが完全に
密着した状態を示しており、これ以上長尺ボルト7とナ
ット9の締結力を強めても突起の突出量を増大させるこ
とのできない限界状態を表している。
【0070】次に、オー・リング等の弾性部材を使用す
る代わりに放熱体構成要素2a〜2fにおける冷却路4
a〜4fの一方の開口部を縮径させて冷却水攪拌用の突
起とした実施形態について説明する。
【0071】図4(d)は各放熱体構成要素の一方の開
口部に形成された周溝に弾性のない環状部材を内嵌して
冷却路4a〜4fの一方の開口部を縮径させて冷却水攪
拌用の突起を形成した実施形態(以下、第2実施形態と
いう)について示す断面図である。図4(d)では図1
(b)の矢視A−Aの断面のうち放熱体構成要素2a,
2bに相当する部分のみを取り出して示しているが、他
の放熱体構成要素2c〜2fの構造もこれと同様であ
る。
【0072】弾性のない環状部材10bを内嵌するため
の周溝11a,11bの各々は、放熱体構成要素2a,
2bの冷却路4a,4bと同心円上に放熱体構成要素2
a,2bの一方の面つまり左端面側に形成され、その内
径は、環状部材10bの外径と略同一とされている。ま
た、環状部材10bの内径は冷却路4a,4bの内径よ
りも小さく形成されており、この縮径部12bによって
冷却水攪拌用の突起が形成されている。
【0073】この場合、環状部材10b自体には冷却水
の漏れを防止する機能はないので、放熱体構成要素2
a,2bの他方の面つまり右端面側にオー・リング収納
用の周溝13a,13bを設け、その中に液漏れ防止専
用のオー・リング14a,14bを内嵌して、放熱体構
成要素間における冷却水の漏れを防止する構成としてい
る。
【0074】環状部材10bの正面形状を図4(a)
に、また、放熱体構成要素2bから環状部材10bを取
り外した状態を図4(b)に示す。
【0075】環状部材10bの縮径部12bには、図4
(b)および図4(a)に示されるように、該縮径部1
2bの軸方向の中央部から両側に向けて拡径するテーパ
面15bが形成されている。このテーパ面15bは環状
部材10bの両側からの皿モミ加工、あるいは、他の塑
性加工等を利用することによって容易に形成することが
可能である。
【0076】この構成を適用した場合のブロック状放熱
体2の組み立て工程の概略を図4(c)に示す。ブロッ
ク状放熱体2を組み立てる際には、まず、図4(c)に
示すように、放熱体構成要素2bを始めとする放熱体構
成要素各々の左端面側の周溝11a,11b,・・・に
環状部材10bを始めとする各放熱体構成要素毎の環状
部材を内嵌して取り付け、また、放熱体構成要素2bを
始めとする放熱体構成要素各々の右端面側の周溝13
a,13b,・・・にはオー・リング14a,14b,
・・・を始めとする液漏れ防止専用のオー・リングを取
り付けておく。
【0077】そして、これらの放熱体構成要素2a〜2
fを重合させて一つのブロック状放熱体2とした後、各
放熱体構成要素2a〜2fの外周部に形成されたボルト
穴8,8,8・・・に長尺ボルトを挿通し、図3(b)
と同様の組み立て作業を行う。
【0078】この操作により、液漏れ防止専用のオー・
リング14a,14b,・・・が放熱体構成要素間で圧
縮され、各放熱体構成要素間における冷却水の漏れを防
止すると共に、その反発力によって環状部材10b,・
・・を右側に隣接する放熱体構成要素の端面に圧着固定
する。
【0079】図3(a)〜図3(c)を参照して説明し
た実施形態とは違い、環状部材10bの硬度が高く、ま
た、この環状部材に強力な外力が作用することもないの
で、突起を形成する縮径部12b等の初期精度が確実に
維持される。
【0080】このようにして、環状部材10bを始めと
する各放熱体構成要素毎の環状部材を取り付けて縮径部
を形成した複数の放熱体構成要素2a〜2fを、連続的
に並べるように重合して長尺ボルトおよびナットによる
締結作業を行うことにより、ブロック状放熱体2の冷却
路4内に、各放熱体構成要素2a〜2fの冷却路4a〜
4fの長さに匹敵する所定の離間距離で、冷却水攪拌用
の突起となる縮径部が形成されることになる。
【0081】以上に述べた第2実施形態によれば、各放
熱体構成要素2a〜2fの片面にだけ加工を施して縮径
部を設ければ済むので、各放熱体構成要素2a〜2fの
冷却路4a〜4fの中央部等に縮径部を設ける場合と比
べ、加工工程を簡略化することができる。
【0082】また、縮径部を構成する環状部材10b等
を放熱体構成要素2a〜2fと独立して加工することが
できるので、全体的な加工作業が容易となり高い加工精
度も期待できるといった利点がある。そして、環状部材
10bを始めとする各放熱体構成要素毎の縮径部12b
に設けられたテーパ面15bの作用によって冷却路4内
部における急激な流路の縮小および拡大が防止されるの
で、冷却水の圧力上昇が緩和され、冷却器3におけるポ
ンプの負荷が軽減されるといった効果もある。
【0083】しかも、縮径部を構成する環状部材10b
等の剛性が高く、製造時の初期精度が確保されるので、
再現性の高い安定した乱流を発生することができ、温度
制御や絶対温度を低減する機能として効果的な利点が得
られる。
【0084】更に、図5(a)および図5(b)に示さ
れるように、環状部材10bの縮径部12bを軸方向に
貫通する切欠部16bを所定の周方向ピッチで複数形成
し、この縮径部12bを実質的なフィン形状として冷却
路4内の突起としてもよい。
【0085】このように、フィン形状の突起を多数設け
ることにより、冷却路4を流れる冷却水の攪拌能力が著
しく向上し、その攪拌によって発生する大小様々な流体
渦による熱伝達の促進により、更に効率のよい冷却機能
が達成されるようになる。
【0086】次に、冷却路の内径に相当する直径の盲穴
加工とこの盲穴加工よりも小径の貫通穴加工とによって
冷却路4a〜4fの一方の開口部を縮径させることで冷
却水攪拌用の突起を形成した実施形態について説明す
る。
【0087】図6(a)は盲穴加工と小径の貫通穴加工
とを併用して冷却路4a〜4fの一方の開口部を縮径さ
せて単純形状の縮径部17a,17b,・・・を形成
し、この縮径部17a,17b,・・・を冷却路4内の
突起として利用した実施形態(以下、第3実施形態とい
う)について示す断面図である。図6(a)では図1
(b)の矢視A−Aの断面のうち、放熱体構成要素2
a,2bに相当する部分のみを取り出して示している
が、他の放熱体構成要素2c〜2fの構造もこれと同様
である。
【0088】まず、放熱体構成要素2aを例にとって、
単純形状の縮径部17aを形成するための加工工程につ
いて簡単に説明する。
【0089】この加工工程は、縮径部17aの厚みに匹
敵するだけの肉厚を残して放熱体構成要素2aの略中央
部に冷却路4aの内径に相当する直径の盲穴加工を施す
工程と、その後、盲穴の取り残し部分の略中央部に冷却
路4aの内径よりも小径の貫通穴を穿設する工程とによ
って構成される。
【0090】この加工工程を逆に実施し、小径の貫通穴
加工を行ってから大径の盲穴加工を施すことも可能であ
るが、小径の深穴加工にはドリル等の工具の耐久性が要
求されるので、一般には、大径の盲穴加工を実施してか
ら取り残し部分に小径の貫通穴加工を行う方が好まし
い。
【0091】結果的に、図6(a)に示されるように、
2回の穴あけ加工によって残された端面の外周部分が縮
径部17a,17b、つまり、冷却路4内の突起とな
る。
【0092】なお、この実施形態では縮径部17a,1
7bの各々を同一肉厚の平面状に形成しているので、盲
穴加工に用いる工具としては先端が平らなポケット加工
用のフライス・エンドミル等が好適であり、また、貫通
穴加工に関しては、適当な刃先角のドリル・ビット等の
使用が可能である。
【0093】また、放熱体構成要素2a,2bの他方の
面にはオー・リングを収納するための周溝13a,13
bを設け、その中に液漏れ防止専用のオー・リング14
a,14bを内嵌して放熱体構成要素間における冷却水
の漏れを防止する。
【0094】このようにして形成された放熱体構成要素
2a〜2fを重合させてブロック状放熱体2として組み
立てるときの工程に関しては、前述した各実施形態と同
様である。
【0095】以上に述べた第3実施形態によれば、もと
もと除去加工の対象となる冷却路4a〜4fの部分、つ
まり、放熱体構成要素2a〜2fの内部に対してのみ加
工が行われることになるので、図4(a)〜図4(d)
を参照して説明した第2実施形態や図5(a)および図
5(b)を参照して説明したその変形例とは違い、突起
(縮径部)を構成するための別部材は不要であり、ブロ
ック状放熱体2を製造するときの材料が節約されるとい
った利点がある。
【0096】更に、盲穴加工に用いる工具としては先端
に90°,60℃等の角度を有する刃先を備えたドリル
・ビット等を利用することも可能であり、その場合は、
例えば図6(b)に示されるように、軸方向の一端から
他端に向けて拡径するテーパ面18a18bを備えた縮
径部17a,17bを形成して突起とすることもでき
る。なお、図6(b)における符号19a,19bはオ
ー・リング収納用の周溝であり、この中に液漏れ防止専
用のオー・リング14a,14bが内嵌される。
【0097】このような構成によれば、冷却路4におけ
る急激な流路の縮小または拡大のうち少なくとも何れか
一方を防止することが可能であり、また、全体的な加工
の面から見れば、図4(a)〜図4(d)を参照して説
明した第2実施形態や図5(a)および図5(b)を参
照して説明したその変形例と比べ、突起(縮径部)を構
成するための別部材が不要となって、加工が容易となる
利点がある。
【0098】図6(b)の例では、冷却路4における急
激な流路の縮小を防止して冷却水の圧力上昇を緩和する
ため、冷却器3から供給される冷却水の流れの方向を左
から右に向かう方向としている。
【0099】更に、冷却路4の内径に相当する直径の盲
穴加工と小径の貫通穴加工とを併用して冷却路4a〜4
fの一部に縮径部を形成して冷却水攪拌用の突起とする
場合に可能な変形例の幾つかについて、簡単に説明す
る。
【0100】まず、図6(b)に示されるような放熱体
構成要素2a,2bに対して図中右側からの皿モミ加
工、例えば、先端角90°,60℃等の皿モミ加工を施
すことにより、縮径部17a,17bの部分に、軸方向
の中央部から両側に向けて拡径するテーパ面を形成する
ことが可能である。
【0101】こうして得られた縮径部17a,17bの
形状は、実質的に、図4(d)に示されるような縮径部
12bの形状と同等である。
【0102】また、冷却路4a〜4fの中央部付近(要
するに端部以外の位置)に突起となる縮径部17a,1
7bを形成することも可能である。
【0103】この場合は、放熱体構成要素2a〜2f各
々の左右両側から中央部に向けて盲穴加工を施した後、
中央部に残った壁面に対して貫通穴加工を施せばよい。
既に述べた説明から明らかなように、適切な工具を選択
することにより、この縮径部の形状は、図6(a)に示
されるような単純な形状の平面、または、図6(b)に
示されるような片側にテーパ面を備えた形状とすること
ができ、更には、両側にテーパ面を備えた形状とするこ
ともできる。
【0104】両面からの加工が要求されるため、加工効
率は劣化するが、同一形状の放熱体構成要素2a〜2f
を製造した場合、突起となる縮径部間の離間距離は放熱
体構成要素2a〜2fの幅によって確定されるので、機
能的には、図6(a)あるいは図6(b)に記したもの
と同等の作用効果を達成することが可能である。
【0105】次に、冷却路4内に螺旋溝を刻設した実施
形態(以下、第4実施形態)について簡単に説明する。
【0106】図6(c)は冷却路4内に螺旋溝を刻設し
た実施形態について示す断面図である。冷却路4aおよ
び冷却路4b内の螺旋溝20a,20bは、例えば、目
標とされる直径よりも僅かに小径の貫通穴を放熱体構成
要素2a,2bに下穴として穿設した後、通常の雌ネジ
加工と同等のタッピング処理を施すことにより容易に実
現可能であり、NC旋盤による加工やマシニングセンタ
による完全自動作業が利用できる。なお、符号19a,
19bはオー・リング収納用の周溝であり、この中に縮
径部形成および液漏れ防止のためのオー・リング14
a,14bが内嵌される。放熱体構成要素2c〜2fの
構造もこれらと同様である。
【0107】このようにして形成された放熱体構成要素
2a〜2fを重合させてブロック状放熱体2として組み
立てるときの工程に関しては、前述した各実施形態と同
様である。
【0108】このような構成を適用した第4実施形態に
よれば、冷却路4内を流れる冷却水が螺旋溝20a,2
0bの突条により攪拌されて乱流や旋回流が形成される
ので、熱伝達性能を大幅に向上させることができる。
【0109】図6(c)の例ではオー・リング14a,
14bによって形成される縮径部と螺旋溝の突条とを併
用して冷却路4内に突起を設けた例について述べたが、
オー・リング14a,14bによる突起を省略して螺旋
溝の突条のみによって突起を形成する構成とすることも
可能である。この場合、突起となる縮径部を構成するオ
ー・リング14a,14bを内嵌する必要はなくなるの
で、必ずしもブロック状放熱体2を放熱体構成要素2a
〜2fに分割して構成する必要はない。また、ブロック
状放熱体2を放熱体構成要素2a〜2fに分割して構成
した場合には、前述した通り、レーザ媒質となるYAG
結晶100の大きさ等に応じて任意にブロック状放熱体
2の長さを調整できるといった利点がある。
【0110】また、図6(c)に示されるような例に限
らず、図4(d),図6(a),図6(b)等に示され
るような実施形態に関しても、螺旋溝を併用した構成を
適用することが可能である。
【0111】以上、構造上の観点から様々な実施形態に
ついて説明したが、次に、これらの実施形態で採用され
た突起の具体的な効果について、シミュレーションに基
いて説明する。
【0112】まず、ここでは突起の放熱性能を検証する
ための理論値として、冷却路4内に突起が無い場合の冷
却装置(以下、比較例という)について実験式で求め
た。なお、突起の有無を除き、他の条件に関しては図2
の実施形態における冷却装置と同一のものである。
【0113】冷却水温度(θ)と冷却路4の壁面(t1)
との温度差は式(1)で表される。 θ−t1=Q/h/A ・・・(1) ここで、Qは発熱体の熱量(W)、hは熱伝達係数(W/m
2K)、Aは冷却路4の表面積(m)であり、熱伝達係
数hは式(2)で表される。 h=Nu×λ/de ・・・(2)
【0114】ここで、Nuはヌセルト数、λは冷却水の
熱伝導率(W/mk)、deは等価水力直径(m)であり、ヌ
セルト数Nuは式(3)、等価水力直径deは式(4)
で表される。 Nu=0.023×Re0.8×Pr0.4Nu ・・・(3) de=4×D1/D2 ・・・(4)
【0115】ここで、Reはレイノルズ数、Prは冷却
水のプラントル数、D1は冷却路断面積(m2)、D2は冷
却路周長(m)である。これらの式は発達した流れの乱流
熱伝達であり、よく知られる管内流の実験式である。そ
して、レイノルズ数Reは式(5)で表される。 Re=υ・de・ρ/μ ・・・(5)
【0116】ここで、υは冷却水の流速(m/s)、ρは冷
却水の密度(kg/m3)、μは冷却水の粘性係数(Kgfs/m2
×10-4)である。
【0117】比較例において、例えば、単体のLDが3
0Wで発熱し、内径φ4mm、長さ10mmの突起の無
い冷却路4内に対し、20℃の冷却水を流量1リットル
/分で冷却する場合を仮定すると、冷却水温度θ(20
℃)と冷却路4の壁面(t1)との温度差は以下のよう
になる。結果として、前記実験式よりレイノルズ数=45
93、プラントル数=7.09からヌセルト数42.8となり、熱
伝達係数hは式(2)より7274 W/mKとなる。
【0118】結局、冷却水温度θ(20℃)と冷却路4
の壁面温度t1との温度差は24.2℃となるので、冷
却路4内に突起がない比較例の場合の壁面温度の理論値
は約44℃となる。
【0119】次に、前記と同様に突起の無い比較例にお
いて、冷却路4の上流から下流に沿って搭載されるLD
の温度上昇を実験式で求めると、以下のようになる。例
えば、突起が無く流路長も摩擦の影響を受けない程度に
短く、理想的な流れ(層流)で効率よく冷却されている
場合を仮定すると、LD全体の熱抵抗(Rtotal)は、
(6)式で表される。 Rtotal=1/ρ・Cp・f ・・・(6) ここで、ρは冷却水の密度(kg/m3)、Cpは冷却水の
定圧比熱(J/kgK)、fは体積流量(m3/s)である。
【0120】比較例によると、冷却水温度20℃、流量
1リットル/分の冷却条件の場合での6個並列のLD全
体の熱抵抗は、(6)式より0.014℃/Wが得られ
る。そして、前述したように全LDの総熱量180Wで
発熱した場合に冷却路4の上流から下流に配置されたL
Dの温度差ΔT(温度上昇)は、ΔT=0.014℃/W
×180W=2.52℃であり、従って、冷却路内に突
起の無い比較例の冷却装置での冷却路4の上流と下流に
配置されたLD温度差の理論値は、2.52℃というこ
とになる。
【0121】次に、図2の実施形態のように本発明の突
起を設けた場合の放熱効果について説明する。前述した
ように本発明の目的の1つは、LDの高出力化に伴うL
Dの絶対温度を低減して寿命を延ばすことである。そし
て2つめは、効率的にレーザ励起を行うためにLDの発
振波長を制御するため、LDの温度上昇を抑えることで
ある。
【0122】そこで本実施形態においては、冷却路4内
に突起が無い状態での2つの理論値(絶対温度、温度上
昇値)を基本として、突起を設けた場合の効果につい
て、三次元熱流体シミュレーション手法を用いて検証を
行った。
【0123】前述した冷却路4内に突起が無い比較例の
場合の理論値(冷却路壁面温度44℃、温度差2.
5℃)に対し、冷却路内径φ4mmのうち、片側の突起
高さを最大1.2mmの範囲で合計10種類の突起をモ
デル化し、突起高さの違いによる放熱性能を解析した。
【0124】結果として、冷却路4内に突起が無い場合
の冷却路壁面温度の理論値(44℃)に比べ、同一の冷
却条件(水温20℃、流量1リットル/分)で、一例と
して片側の突起高さ0.8mmにおいて、約11℃(3
2℃)の温度低減効果のあることが示された。
【0125】この結果は、突起が高くなるほど攪拌によ
る乱流効果が大きくなり、その効果によって効率よく熱
伝達が促進され、突起が無い理論値(44℃)に比べ、
放熱性能が向上するためである。更に、本実施形態での
冷却装置は、小型化を実現するために放熱体構成要素2
a〜2f同士を高密度に実装しているために冷却路4の
長さが短いので、冷却水は冷却路4の壁面の摩擦を受け
ることなく一様な速度分布をもつ安定した流れ(層流=
速度助長区間)になり、突起の無い基本機構では乱流効
果を得ることができない。
【0126】一方、突起を設けた構造では、流路の長さ
に関係なく、局所的に設けた突起による流路4の縮小拡
大に伴って、急激に乱流状態へと移行する。
【0127】そして、乱流中には不規則な運動による流
体渦が存在しており、大小の流体渦による拡散作用によ
って、冷却路4の壁面から離れた位置にある冷却路4中
の冷却水が直接に冷却路4の壁面に到達するので、搭載
されたLDの温度を効率よく下げることができる。
【0128】これらの伝熱現象は、一般的に乱流効果と
して知られる。結局、前述のように突起を設けること
で、大幅にLD冷却構造を改造することなく、放熱性能
が向上(約25%)できるので、LDの励起の高出力化
に対し、極めて高い放熱効果が得られる。
【0129】但し、突起を高くするほど放熱性能は向上
するが、冷却路4内の圧力は突起高さが1mmを超える
と、突起の無い場合に比べ、圧力が急激に高くなる(約
12倍=2.1×105Pa)。従って、冷却水が流れに
くくなるため放熱性能が低下することや、冷却器3のポ
ンプへの負荷が大きくなるなど信頼性の点でも問題とな
るので、冷却器3のポンプの最大能力に応じた突起高さ
を予め知っておく必要がある。
【0130】実験結果によると、用いたポンプの最大能
力4.4×105(Pa)に対し、突起高さ0.8mmの場
合、3系列の冷却装置に冷却水(流量1リットル/分)
を流すことができ、突起の無い構造に比べ約25%の放
熱性能を向上する等の効果が得られた。
【0131】次に、冷却路4の壁面からLDまでの熱伝
導による放熱性能を上げるための冷却機構について、冷
却路4の壁面からLDまでの最適な距離について説明す
る。
【0132】ここでは、冷却液の圧力上昇を抑え且つ放
熱性能を上げるのに最も適した構造として図5(a)に
示されるような環状部材10bの縮径部12bによって
形成される突起を適用し、その突起の高さを0.8mm
として、冷却路4の壁面とLDとの距離を5段階に変え
て試験を行った。
【0133】具体的には、LDとの離間距離0.5mm
の位置に冷却路4を設けた場合と、1mmの場合、2m
mの場合、3mmの場合、および、4mmの場合で比較
を行った。
【0134】結果として、冷却路4とLDとの離間距離
が短くなるほど放熱性能は顕著に上がる。5種類の距離
の中で、最も放熱性能の良いのは離間距離1mmの場合
であり、例えば離間距離4mmの場合に比べ、LDの熱
量が30Wで3℃程低くできた。
【0135】従って、今後、LDの高出力化に伴って単
体のLDの熱量が40Wになると6℃の低減効果とな
り、同60Wでは約9℃の低減効果が得られる。
【0136】なお、冷却路4とLDとの離間距離が0.
5mmの場合、LDに近い部分の冷却路4の壁面から逃
げる放熱量と遠い部分の冷却路4の壁面から逃げる放熱
量に偏りが生じてしまうので、逆に1mmの距離に比べ
てLD温度は高くなってしまう。
【0137】以上のことから、冷却路4の壁面とLDと
の間の離間距離を最適化し、効率よく熱伝導により熱を
冷却水に伝え、更に冷却路4内に備えた突起によって攪
拌効果を高めて熱伝達を促進し、LDの絶対温度を低減
すると共に、冷却路4内で発生する乱流の大小さまざま
な流体渦によって上流側のLDと下流側のLDとの温度
上昇を制御することが望まれる。
【0138】実験結果によれば、突起高さ0.8mm、
流量1リットル/分の冷却水で冷却を行った場合、熱量
180Wの6個並列のLDを備えた冷却装置の場合で、
上流側のLDのマウント部の温度27.8℃、下流側の
LDのマウント部の温度は29.5℃、温度上昇はΔ
T:1.7℃であった。そして、6個のLDの発振波長
のバラツキは、0.5nm以下の良好な結果が得られ
た。
【0139】
【発明の効果】本発明による半導体レーザの冷却装置
は、熱伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体の表
面に励起光源を整列配備すると共に励起光源の整列方向
に沿ってブロック状放熱体の内部に冷却路を穿設し、こ
の冷却路内に所定の離間距離で突起を形成して冷却器か
らの冷却水を攪拌しながら流すようにしたので、冷却路
の壁面から内部の冷却水に万遍無く熱が伝達されるよう
になり、冷却水による冷却性能が大幅に向上する。ま
た、冷却水を供給する冷却器自体は従来のものをそのま
ま流用することができるため、周辺装置等に関して格別
の設備投資をする必要がない。この結果、励起光源とな
る複数のLD(Laser Diode)をレーザ媒質の周囲に高密
度で実装したときに発生する膨大な熱を僅かなコストで
除去することが可能となり、高パワーで高品質な励起光
の得られる高出力半導体レーザが実現される。また、冷
却装置の冷却能力が強力であって、しかも、近年のLD
の生産技術の高度化に伴ってLD毎の発振波長のバラツ
キも少ないことから、複数の励起光源の発振波長が確実
に均一化され、レーザ媒質の効率よい励起が可能となっ
て、高出力で安定したレーザが得られるようになる。
【0140】また、冷却装置の主要部を構成するブロッ
ク状放熱体は個々の励起光源に対応して分割形成した複
数の放熱体構成要素によって構成し、各放熱体構成要素
間に設けた周溝に弾性部材から成る環状体を内嵌して両
側から圧縮することによりその内径を縮径して突起を形
成するようにしたので、放熱体構成要素における周溝の
加工と環状体の内嵌および放熱体構成要素同士の重合接
続といった簡単な製造工程によって、冷却路内に突起を
形成することができる。この際、弾性部材から成る環状
体としてオー・リング等の市販素材を流用することが可
能であり、このオー・リング自体がブロック状放熱体の
液漏れ防止手段を兼ねるので、格別の液漏れ防止手段を
必要としない安価な冷却装置を提供することができる。
また、周溝の深さ或いは押圧力を変えて環状体の圧縮量
を調整することによって環状体の内径、即ち、突起の突
出量を調整することが可能であり、必要とされる冷却水
の攪拌機能に応じた突起を容易に形成して発振波長調整
のための温度制御や冷却のための適切な温度制御を実施
することができる。同様にして、冷却器のポンプ能力に
応じて環状体の内径を調整することも可能である。しか
も、各々の励起光源に対応して分割形成された複数の放
熱体構成要素を重合して一つのブロック状放熱体を構成
しているため、放熱体構成要素の組み合わせ個数を変え
るだけの簡単な作業で、レーザ媒質の大きさ等に応じた
励起光源の配置が可能となる。
【0141】また、分割形成された各放熱体構成要素に
おける冷却路の一方の開口部を縮径させるだけの簡単な
構造で冷却路内に突起を形成することができるため、ブ
ロック状放熱体の製造が容易である。
【0142】放熱体構成要素の冷却路における縮径部
は、冷却路の内径よりも小さな内径を有する環状部材の
取り付けによって達成することができる。この場合、縮
径部を構成する環状部材を放熱体構成要素と独立して加
工することができるので、全体的な加工作業が容易とな
る利点がある。
【0143】また、冷却路の内径に相当する直径の盲穴
加工と小径の貫通穴加工とを併用して突起となる縮径部
を構成することも可能で、この場合、除去加工の対象と
なる放熱体構成要素の内部に対してのみ加工が行われる
ので、放熱体構成要素を製造するときの材料が節約され
るといった利点が生じる。
【0144】更に、中央部から両側に向けて拡径するテ
ーパ面あるいは一端から他端に向けて拡径するテーパ面
を縮径部に形成することにより、冷却路における急激な
流路の縮小および拡大を防止することができ、冷却器に
おけるポンプの負荷を軽減することができる。
【0145】更に、この縮径部に所定の周方向ピッチで
切欠部を形成すれば、冷却水の攪拌によって大小様々な
流体渦が発生し、熱伝達が促進されて一層効率のよい冷
却機能が達成される。
【0146】また、冷却路内に螺旋溝を刻設することに
よって一層の攪拌能力が発揮され、ブロック状放熱体の
熱伝達性能を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は複数の放熱体構成要素を重合固定
して一つのブロック状放熱体を構成した実施形態につい
て示した平面図、また、図1(b)は図1(a)からブ
ロック状放熱体の部分のみを取り出して簡略化して示し
た斜視図である。
【図2】周溝と弾性環状体とを利用して冷却水攪拌用の
突起を形成した第1実施形態について示した断面図であ
る。
【図3】図3(a)は第1実施形態の放熱体構成要素の
構造を示した断面図、図3(b)はその組み立て工程に
ついて示した断面図、図3(c)は組み立て後の状態に
ついて示した断面図である。
【図4】図4(a)は放熱体構成要素毎の開口部に形成
された周溝に弾性のない環状部材を内嵌して冷却水攪拌
用の突起を形成した第2実施形態で採用された環状部材
を示した正面図、図4(b)は同実施形態で採用された
環状部材を示した断面図、図4(c)は同実施形態の組
み立て工程について示した断面図、図4(d)は組み立
て後の状態について示した断面図である。
【図5】図5(a)は第2実施形態の変形例で採用され
た環状部材を示した正面図、図5(b)は同環状部材を
示した断面図である。
【図6】図6(a)は盲穴加工と小径の貫通穴加工とに
よって縮径部を形成して冷却路内の突起とした第3実施
形態について示した断面図、図6(b)はその変形例に
ついて示した断面図、また、図6(c)は冷却路内に螺
旋溝を刻設した第4実施形態について示した断面図であ
る。
【図7】従来の半導体レーザの冷却装置の構成の概略を
示した概念図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザの冷却装置 2 ブロック状放熱体 2a〜2f 放熱体構成要素 3 冷却器 4 ブロック状放熱体の冷却路 4a〜4f 放熱体構成要素毎の冷却路 5a〜5f 周溝 6a〜6f 環状体(突起) 7 長尺ボルト 7a ボルトヘッド 8 ボルト穴 9 ナット 10b 環状部材 11a,11b 周溝(環状部材内嵌用) 12b 縮径部(突起) 13a,13b 周溝(オー・リング収納用) 14a,14b オー・リング(液漏れ防止専用) 15b テーパ面 16b 切欠部 17a,17b 縮径部 18a,18b テーパ面 19a,19b 周溝(オー・リング収納用) 20a,20b 螺旋溝 100 レーザ媒質としてのYAG結晶 101a〜101f 励起光源としての半導体レーザ 102a〜102d 放熱体 103a〜103d 冷却路 104 冷却器 105a〜105d バルブ 106a〜106d 伝熱部材 107 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常包 正樹 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5E322 AA07 AB11 FA01 5F036 AA01 BA10 BB01 BB05 BB44 BB45 5F072 AB01 PP07 YY06 5F073 BA09 EA24 EA29 FA26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒質の周囲に並列配備された複数
    の励起光源を冷却する半導体レーザの冷却装置であっ
    て、熱伝導率の高い金属から成るブロック状放熱体の表
    面に前記励起光源の各々を整列配備すると共に、該励起
    光源の整列方向に沿って前記ブロック状放熱体の内部に
    冷却路を穿設し、該冷却路内に所定の離間距離で突起を
    形成し、前記ブロック状放熱体の冷却路の両端の開口部
    を冷却水供給用の冷却器に接続したことを特徴とする半
    導体レーザの冷却装置。
  2. 【請求項2】 各々の励起光源に対応して分割形成され
    た複数の放熱体構成要素を設け、前記放熱体構成要素の
    各々に前記冷却路を穿設すると共に、各放熱体構成要素
    における前記冷却路の少なくとも一方の開口部に周溝を
    形成して弾性部材から成る環状体を内嵌し、前記複数の
    放熱体構成要素を前記励起光源の整列方向に沿って重合
    して固定し、前記環状体の各々を両側の放熱体構成要素
    により圧縮して弾性変形させて該環状体の内径を縮径す
    ることで前記所定の離間距離の突起を形成したことを特
    徴とする請求項1記載の半導体レーザの冷却装置。
  3. 【請求項3】 各々の励起光源に対応して分割形成され
    た複数の放熱体構成要素を設け、前記放熱体構成要素の
    各々に前記冷却路を穿設すると共に、各放熱体構成要素
    における前記冷却路の一方の開口部を縮径させ、前記複
    数の放熱体構成要素を前記励起光源の整列方向に沿って
    重合して固定することで前記所定の離間距離の突起を形
    成したことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザの
    冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記各放熱体構成要素における前記冷却
    路の少なくとも一方の開口部に周溝を形成して前記冷却
    路の内径よりも小さな内径を有する環状部材を内嵌して
    前記一方の開口部を縮径させたことを特徴とする請求項
    3記載の半導体レーザの冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却路の内径に相当する直径の盲穴
    加工と該盲穴加工よりも小径の貫通穴加工とによって前
    記一方の開口部を縮径させたことを特徴とする請求項3
    記載の半導体レーザの冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記一方の開口部の縮径部に、該縮径部
    の軸方向の中央部から両側に向けて拡径するテーパ面を
    形成したことを特徴とする請求項3,請求項4または請
    求項5の何れか一項に記載の半導体レーザの冷却装置。
  7. 【請求項7】 前記一方の開口部の縮径部に、該縮径部
    の軸方向の一端から他端に向けて拡径するテーパ面を形
    成したことを特徴とする請求項3,請求項4または請求
    項5の何れか一項に記載の半導体レーザの冷却装置。
  8. 【請求項8】 前記一方の開口部の縮径部に、該縮径部
    を軸方向に貫通する切欠部を所定の周方向ピッチで複数
    形成したことを特徴とする請求項3,請求項4,請求項
    5,請求項6または請求項7の何れか一項に記載の半導
    体レーザの冷却装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の放熱体構成要素間にオー・リ
    ングを配備して液漏れ防止手段としたことを特徴とする
    請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7ま
    たは請求項8の何れか一項に記載の半導体レーザの冷却
    装置。
  10. 【請求項10】 前記冷却路内に螺旋溝を刻設したこと
    を特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項
    4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8または請
    求項9の何れか一項に記載の半導体レーザの冷却装置。
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