JPH10294513A - レーザダイオード励起固体レーザ装置 - Google Patents

レーザダイオード励起固体レーザ装置

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JPH10294513A
JPH10294513A JP20007397A JP20007397A JPH10294513A JP H10294513 A JPH10294513 A JP H10294513A JP 20007397 A JP20007397 A JP 20007397A JP 20007397 A JP20007397 A JP 20007397A JP H10294513 A JPH10294513 A JP H10294513A
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JP
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laser
heat
cooling
heat sink
diode
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JP20007397A
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Inventor
Michio Nakayama
通雄 中山
Hiroyuki Takada
弘之 高田
Atsushi Takada
淳 高田
Tomohiro Takase
智裕 高瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、LDの発振波長をレーザ媒質の吸収
スペクトルに合わせて効率よくレーザ発振させる。 【解決手段】各LD4−1〜4−8のうち温度の最も低
いLDの波長がYAG結晶1の吸収スペクトルに合うよ
うに冷却水の温度を設定し、かつ他のLDの各ヒートシ
ンク5−1〜5−8に流す冷却水の流量をYAG結晶1
の吸収スペクトルに合うように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のレーザダイ
オード(以下、LDと称する)の発光によりレーザ媒
質、例えばYAG結晶を励起してレーザ光を出力するレ
ーザダイオード励起固体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】YAG結晶を用いたLD励起固体レーザ
装置は、YAG結晶の周囲に複数のLDを配置し、これ
らLDからの発光によりYAG結晶を励起してレーザ発
振を発生し、レーザ光を出力している。
【0003】このようなLDを励起光源とする固体レー
ザ装置では、各LDはそれぞれ冷却された冷却ヒートシ
ンク(以下、ヒートシンクと省略する)に接触固定さ
れ、同一温度に制御されている。
【0004】ところで、これらLDの発振波長は、製作
時のばらつきにより数nmのずれが生じている。このた
め、全てのLDが各ヒートシンクにより同一温度に冷却
制御された場合、LDの発振波長は、製作時の品質によ
るばらつきがそのまま現れるため、YAG結晶の吸収ス
ペクトルとずれが生じてしまい、発振効率が低下してし
まう。
【0005】そこで、ペルチェ素子を用いて各LDごと
に温度制御する方法があるが、この方法ではLDの数だ
けペルチェ素子を用いた制御部が必要となり、レーザ装
置の小形化を図ることができず、そのうえ信頼性を低下
させてしまう。
【0006】又、YAG結晶に入射する各LDからの光
の光軸は、これらLDがヒートシンクに接触固定されて
いるので、これらヒートシンク等の加工精度と組立精度
との影響を受ける。
【0007】これらLDからの光の光軸は、YAG結晶
内に生じる励起分布に影響するためヒートシンク等の製
作には、厳しい加工精度が要求されるが、これを実現す
るのに困難な面が多い。
【0008】このため、LDからの光が効率よくYAG
結晶に吸収することができず、レーザ光の発振効率が低
下する。一方、LDを励起光源とする固体レーザ装置で
は、複数のLDを水冷する方法が採られており、その方
法として、冷却器から各LDに対して水を並列に流す方
法と、冷却器から各LDに水を直列に流す方法が行われ
ている。
【0009】例えば複数のLD100〜103を備えて
いる場合、水を並列に流す方法は各LD100〜103
に対して水を並列に流し、水を直列に流す方法は例えば
LD100、LD101、LD102、LD103の順
序で水を流す方法である。
【0010】しかしながら、水を並列に流す方法では、
各LDに流す水量に違いが生じ、各LDを均一に冷却で
きない。又、水を直列に流す方法では、冷却器から遠方
にあるLDは、冷却器に近い側にあるLDからの発熱を
吸収した水により冷却されるので、冷却器に近い側にあ
るLDの冷却温度と異なった冷却温度となる。
【0011】このため、複数のLDの発光によりYAG
結晶等のレーザ媒質を励起する場合、これらLDにおい
て発振する波長にばらつきが生じ、レーザ媒質を効率よ
く励起することができない。
【0012】例えば、高出力固体レーザの励起に使用さ
れるLDは、出力20W程度の半導体レーザバーと呼ば
れるものが多く、このタイプのレーザでは、温度変化当
たりの波長のずれは0.3nm/℃程度となっている。
そして、このようなLDの特性として、LD出力の倍程
度の熱量がLD部から発生するので、この発熱を冷却す
るために、冷却用のヒートシンクが使用されることが多
い。
【0013】このヒートシンクを使用したLDの冷却で
は、ヒートシンク内に冷却水が流れ、この冷却水が熱を
吸収することにより冷却水温度が上昇する。この冷却水
の温度上昇は、LDからの発熱量、冷却水流量、その他
のパラメータによって決まる。
【0014】この冷却水温度の上昇のためにヒートシン
クには、冷却水水路に沿って入口から出口方向へ上昇す
る温度勾配が生じる。通常、LDの冷却効率を良くする
ために冷却水水路とLDとの間の熱流路長を短くした
り、ヒートシンクの板厚を薄くしているが、上記の通り
ヒートシンクに生じた温度勾配により複数のLD間に温
度勾配を生じさせることになり、ヒートシンク上に配置
された複数のLDは、その配置場所に応じた温度にな
り、冷却水の流れる方向に沿って発振波長に分布が生じ
てしまう。
【0015】LD励起固体レーザ装置では、通常固体レ
ーザの発振効率を向上するために、固体レーザ媒質の吸
収波長に合ったLDを使用する。波長ずれの許容は、固
体レーザ媒質の種類によって異なるが、通常は2〜3n
mである。
【0016】従って、複数のLD間で温度差が10℃以
上になると、これらLD間で発振波長が3nm以上ずれ
てしまい、固体レーザ装置としての発振効率の低下を招
く。又、複数の高出力LDを複数のヒートシンクにそれ
ぞれ分けて設けて冷却する場合にも、各ヒートシンクが
冷却水の流れる方向に沿って直列に配置されている場合
は、冷却水の温度上昇に伴い各ヒートシンク間で温度差
が生じることにより各LD間の温度差による波長のずれ
を生じ、固体レーザ発振の効率低下となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のように全てのL
Dを同一温度に冷却制御すると、LDの発振波長は、Y
AG結晶の吸収スペクトルとずれが生じてしまい、発振
効率が低下する。又、LDからの光の光軸のずれによ
り、LDからの光を効率よくYAG結晶に吸収させるこ
とができず、レーザ光の発振効率が低下する。
【0018】又、複数のLDにおいて波長のばらつきが
生じ、レーザ媒質を効率よく励起することができない。
そこで本発明は、効率よくレーザ発振ができるレーザダ
イオード励起固体レーザ装置を提供することを目的とす
る。
【0019】又、本発明は、LDの発振波長をレーザ媒
質の吸収スペクトルに合わせて効率よくレーザ発振がで
きるレーザダイオード励起固体レーザ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0020】又、本発明は、LDからの光の光軸を調整
してLDからの光を効率よくレーザ媒質に吸収させて効
率よくレーザ発振ができるレーザダイオード励起固体レ
ーザ装置を提供することを目的とする。
【0021】又、本発明は、LDの発振波長をレーザ媒
質の吸収スペクトルに合わせ、かつLDからの光の光軸
を調整してLDからの光を効率よくレーザ媒質に吸収さ
せて効率よくレーザ発振ができるレーザダイオード励起
固体レーザ装置を提供することを目的とする。又、本発
明は、複数のLDにおける波長を均一化してレーザ媒質
を効率よく励起できるレーザダイオード励起固体レーザ
装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、複数
のレーザダイオードの発光によりレーザ媒質を励起して
レーザ発振を発生させるレーザダイオード励起固体レー
ザ装置において、各レーザダイオードをそれぞれ接触固
定し、かつこれらレーザダイオードをそれぞれ冷却する
複数のヒートシンクと、各レーザダイオードの波長がレ
ーザ媒質の吸収スペクトルに合うように各ヒートシンク
に流す冷却媒体の温度及び流量をそれぞれ制御する制御
手段と、を備えたレーザダイオード励起固体レーザ装置
である。
【0023】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、レーザ媒質を励起する複数のレーザダ
イオードのそれぞれを接触固定する複数のヒートシンク
に冷却媒体を流して冷却する場合、この冷却媒体の温度
を制御するとともに各レーザダイオードにそれぞれ流れ
る冷却媒体の各流量を制御し、全てのレーザダイオード
の波長がレーザ媒質の吸収スペクトルに合うように制御
して効率よくレーザ発振を行う。
【0024】請求項2によれば、請求項1記載のレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置において、制御手段は、
複数のレーザダイオードのうちの所定温度における最も
長い波長の光を出射する所定のレーザダイオードに対し
て、所定のレーザダイオードからの光の波長がレーザ媒
質の吸収スペクトルに合うように冷却媒体の温度を設定
し、かつ複数のレーザダイオードのうち他のレーザダイ
オードの各ヒートシンクに流す冷却媒体の流量をレーザ
媒質の吸収スペクトルに合うように制御する機能を有す
る。
【0025】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、複数のレーザダイオードのうちの所定
温度における最も長い波長の光を出射する所定のレーザ
ダイオードに対して、所定のレーザダイオードからの光
の波長がレーザ媒質の吸収スペクトルに合うように冷却
媒体の温度を設定し、かつ複数のレーザダイオードのう
ち他のレーザダイオードの各ヒートシンクに流す冷却媒
体の流量をレーザ媒質の吸収スペクトルに合う。
【0026】請求項3によれば、請求項1記載のレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置において、制御手段は、
少なくとも1つのレーザダイオードの温度を検出する温
度センサと、各ヒートシンクに流れる冷却媒体の流量を
それぞれ調節する複数のバルブと、各レーザダイオード
の波長をレーザ媒質の吸収スペクトルに合うように、温
度センサにより検出されたレーザダイオードの温度に応
じて各バルブを調節して冷却媒体の流量を制御する制御
部とを有するレーザダイオード励起固体レーザ装置であ
る。
【0027】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、少なくとも1つのレーザダイオードの
温度を検出し、このレーザダイオード温度に応じて各バ
ルブを調節し、冷却媒体の流量を制御することにより、
各レーザダイオードの波長をレーザ媒質の吸収スペクト
ルに合うようにする。
【0028】請求項4によれば、複数のレーザダイオー
ドの発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発生
させるレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流れる
複数の第1のヒートシンクと、これら第1のヒートシン
クに対してそれぞれ一面に接触固定されるとともに各レ
ーザダイオードがそれぞれ他面に接触固定され、かつ各
第1のヒートシンクからの熱をそれぞれ各レーザダイオ
ードに伝導する複数の第2のヒートシンクと、第1のヒ
ートシンクと第2のヒートシンクとの間又は第2のヒー
トシンクとレーザダイオードとの間のうちいずれか一方
又は両方に設けられた伝熱部材と、を備えたレーザダイ
オード励起固体レーザ装置である。
【0029】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、レーザダイオードを冷却するに、第1
のヒートシンクに冷却媒体を流し、この第1のヒートシ
ンクから第2のヒートシンクを介して熱を伝導してレー
ザダイオードを冷却し、かつ第1のヒートシンクと第2
のヒートシンクとの間又は第2のヒートシンクとレーザ
ダイオードとの間のうちいずれか一方又は両方に伝熱部
材を設けることにより、レーザダイオードの光軸を調節
する。
【0030】請求項5によれば、複数のレーザダイオー
ドの発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発生
させるレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流れる
複数の第1のヒートシンクと、これら第1のヒートシン
クに対してそれぞれ一面に接触固定されるとともに各レ
ーザダイオードがそれぞれ他面に接触固定され、かつ各
第1のヒートシンクからの熱をそれぞれ各レーザダイオ
ードに伝導する複数の第2のヒートシンクと、第1のヒ
ートシンクと第2のヒートシンクとの間又は第2のヒー
トシンクとレーザダイオードとの間のうちいずれか一方
又は両方に設けられた伝熱部材と、各レーザダイオード
の波長がレーザ媒質の吸収スペクトルに合うように各第
1のヒートシンクに流す冷却媒体の温度及び流量をそれ
ぞれ制御する制御手段と、を備えたレーザダイオード励
起固体レーザ装置である。
【0031】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、レーザダイオードを冷却するに、第1
のヒートシンクに冷却媒体を流し、この第1のヒートシ
ンクから第2のヒートシンクを介して熱を伝導してレー
ザダイオードを冷却する場合、各レーザダイオードの波
長がレーザ媒質の吸収スペクトルに合うように冷却媒体
の温度及び流量をそれぞれ制御し、かつ第1のヒートシ
ンクと第2のヒートシンクとの間又は第2のヒートシン
クとレーザダイオードとの間のうちいずれか一方又は両
方に伝熱部材を設けることにより、レーザダイオードの
光軸を調節する。
【0032】請求項6によれば、請求項4又は5記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、第1の
ヒートシンクと第2のヒートシンクとの間に設けられる
伝熱部材は、熱伝導率のそれぞれ異なる各伝熱板から形
成される。
【0033】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、第1のヒートシンクと第2のヒートシ
ンクとの間に設けられる伝熱部材を、熱伝導率のそれぞ
れ異なる各伝熱板から形成することにより、レーザダイ
オードへの熱伝導を変化させ、レーザダイオードの発振
波長を変えることができる。
【0034】請求項7によれば、請求項4又は5記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、第1の
ヒートシンクと第2のヒートシンクとの間に設けられる
伝熱部材は、チタンの第1の伝熱板及び銅の第2の伝熱
板から形成され、このうち第2の伝熱板の厚さを所望厚
さに形成される。
【0035】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、第1のヒートシンクと第2のヒートシ
ンクとの間に設けられる伝熱部材を、チタンの第1の伝
熱板及び銅の第2の伝熱板から形成することによりレー
ザダイオード温度を変えてその発振波長をレーザ媒質の
吸収スペクトルに合うようにし、かつこのうち第2の伝
熱板の厚さを所望厚さに形成することにより、レーザダ
イオードの光軸を調節する。
【0036】請求項8によれば、請求項4又は5記載の
レーザダイオード励起固体レーザ装置において、第2の
ヒートシンクとレーザダイオードとの間に設けられる伝
熱板は、ベリリア又は窒化アルミニウムにより形成され
る。
【0037】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、第2のヒートシンクとレーザダイオー
ドとの間に設けられる伝熱板を、ベリリア又は窒化アル
ミニウムにより形成することによりその熱抵抗を無視で
きるものとし、レーザダイオードの波長をレーザ媒質の
吸収スペクトルに合うようにする。
【0038】請求項9によれば、複数のレーザダイオー
ドの発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発生
させるレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流れる
複数のヒートシンクと、これらヒートシンクから各レー
ザダイオードへの熱流束を制限する伝熱部材と、を備え
たレーザダイオード励起固体レーザ装置である。
【0039】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、複数のヒートシンクに流れる冷却媒体
から各レーザダイオードへの熱流束が制限され、各レー
ザダイオードに対する冷却を制御できる。
【0040】請求項10によれば、請求項4、5又は9
記載のレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
伝熱部材は、各レーザダイオードとの接触面積を可変と
する。
【0041】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、伝熱部材のレーザダイオードとの接触
面積を可変することにより各レーザダイオードへの熱流
束を制限し、レーザダイオードに対する冷却を制御す
る。
【0042】請求項11によれば、請求項4、5又は9
記載のレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
伝熱部材は、少なくとも外形を変える、孔を形成する、
又は溝を形成することにより各レーザダイオードとの接
触面積を可変とする。
【0043】このようなレーザダイオード励起固体レー
ザ装置であれば、伝熱部材の少なくとも外形を変えた
り、孔又は溝を形成したりして、レーザダイオードとの
接触面積を可変し、各レーザダイオードへの熱流束を制
限してレーザダイオードに対する冷却を制御する。
【0044】請求項12によれば、複数のレーザダイオ
ードの発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発
生させるレーザダイオード励起固体レーザ装置におい
て、複数のレーザダイオードが冷却媒体の流れる冷却路
に沿って接触固定され、冷却路に流れる冷却媒体により
複数のレーザダイオードを冷却し、かつ冷却路から各々
の複数のレーザダイオードまでの熱流路長をそれぞれ所
定の長さに形成されたヒートシンク、を備えたレーザダ
イオード励起固体レーザ装置である。
【0045】請求項13によれば、請求項12記載のレ
ーザダイオード励起固体レーザ装置において、複数のレ
ーザダイオードが冷却媒体の流れる冷却路に沿って接触
固定されたヒートシンクを複数直列接続した場合、これ
らヒートシンクは、冷却媒体の流れる上流から下流の流
域に応じて熱流路長を短く形成した。
【0046】請求項14によれば、複数のレーザダイオ
ードが冷却媒体の流れる冷却路に沿って接触固定され、
冷却媒体の流れにより複数のレーザダイオードを冷却す
るヒートシンクを備え、かつ複数のレーザダイオードの
発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させ
るレーザダイオード励起固体レーザ装置において、冷却
路から複数のレーザダイオードまでの熱流路長が一定の
場合、複数のレーザダイオードは、それぞれヒートシン
クに接触固定する位置に応じた各発振波長を持つレーザ
ダイオード励起固体レーザ装置である。
【0047】請求項15によれば、複数のレーザダイオ
ードが接触固定され、冷却媒体の流れにより複数のレー
ザダイオードを冷却するヒートシンクを備え、かつ複数
のレーザダイオードの発光によりレーザ媒質を励起して
レーザ発振を発生させるレーザダイオード励起固体レー
ザ装置において、相反する方向で冷却媒体を流す少なく
とも2つの冷却路をヒートシンクに形成したレーザダイ
オード励起固体レーザ装置である。
【0048】請求項16によれば、請求項15記載のレ
ーザダイオード励起固体レーザ装置において、複数のレ
ーザダイオードが接触固定されたヒートシンクを複数直
列接続した場合、これらヒートシンク間に相反する方向
で冷却媒体を流す少なくとも2つの冷却路を形成した。
【0049】請求項17によれば、請求項15又は16
記載のレーザダイオード励起固体レーザ装置において、
少なくとも2つの冷却路は、平行でかつ所定の間隔に接
近して形成されている。
【0050】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。図1はLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の構成図である。レーザ媒質であるYAG結晶1の
長手方向側には、それぞれ光共振器を形成する出力ミラ
ー2、高反射ミラー3がYAG結晶1を挟んで対向配置
されている。
【0051】又、YAG結晶1の側面側には、個数8つ
のLD4−1〜4−8が1列あたり4個で、かつ各列間
を45度ずらして配置されている。これらLD4−1〜
4−8は、LDドライバ5に対して直接接続され、この
LDドライバ5からの電力供給により発光するものとな
っている。
【0052】又、これらLD4−1〜4−8は、それぞ
れヒートシンク6−1〜6−8に接触固定されている。
これらヒートシンク6−1〜6−8は、それぞれ冷却水
路7を介して冷却器8に接続されている。この冷却器8
は、冷却媒体としての冷却水を冷却水路7を通して各ヒ
ートシンク6−1〜6−8に供給し、各LD4−1〜4
−8を冷却するものである。なお、この冷却器8は、冷
却水の温度を調整する機能を有している。
【0053】一方、各ヒートシンク6−1〜6−8に配
管される各冷却水路7には、それぞれ流量調節用の各バ
ルブ9−1〜9−4(ヒートシンク6−1〜6−8側は
不図示)が設けられている。
【0054】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD4−1〜4−8にLDドライバ5
から電力が供給されると、各LD4−1〜4−8はそれ
ぞれ光を出射する。これらLDからの光は、YAG結晶
1に入射することにより、YAG結晶1は励起される。
このYAG結晶1の励起により出力ミラー2と高反射ミ
ラー3との間で光の共振が発生し、レーザ光が出力され
る。
【0055】このとき、LDドライバ5からの電気入力
の一部が熱量Qに変換される。この熱は、各LD4−1
〜4−8から各ヒートシンク6−1〜6−8を伝導して
冷却水に伝わる。
【0056】ここで、各LD4−1〜4−8のLD温度
LDは、熱量Qによる温度上昇と冷却水温度Tw とで決
定される。すなわち、 TLD=Tw +Q・R/A …(1) である。
【0057】ここで、Aは各ヒートシンク6−1〜6−
8の断面積であり、Rは各LD4−1〜4−8において
冷却水までの熱抵抗を示す。すなわち、この熱抵抗Rは
次式で表される。 R=(1/hLH+LH /kh +1/hHW) …(2) ここで、hLHはLDとヒートシンクとの間の熱伝達係
数、hHWはヒートシンクと冷却水との間の熱伝達係数、
h はヒートシンクの熱伝導率、LH はLDから冷却水
までのヒートシンクの長さである。
【0058】一方、定常状態では、冷却水に熱量Qが伝
導するため、冷却水温度TW も各ヒートシンク6−1〜
6−8の各出口において温度上昇ΔTW が生じる。 ΔTW =Q/(VW ・CW ) …(3) なお、VW は冷却水流量、CW は水の比熱である。
【0059】この事から、定常状態での各LD4−1〜
4−8の温度TLDは、上記式(1) 及び式(3) から TLD=TWi+Q・R/A+Q/2(VW ・CW ) …(4) により表される。ここで、TWiは各ヒートシンク6−1
〜6−8の入口の冷却水温度である。
【0060】この温度TLDを表す式(4) から各LD4−
1〜4−8の温度を冷却水の流量で変えることが可能で
あることが分かる。ところで、ハイパワー用の各LD4
−1〜4−8を使用した場合、数W〜数十Wの熱量が発
生する。
【0061】例えば、定格入力として電流88A、電圧
10V、パルス幅をYAG結晶1の励起寿命に合わせて
200μsec 、繰り返し数を100pps により各LD4
−1〜4−8を動作させた場合、変換効率が50%程度
であるため発生する熱量Qは、約8.8Wとなる。そし
て、水の比熱CW は1cal /deg ・gであることから上
記式(4) の第3項は〜1/VW となる。
【0062】そこで、各ヒートシンク6−1〜6−8に
流れる冷却水流量を各バルブ9−1〜9−4を調節する
ことで10ml/secから0.9ml/secに制御すれば、各L
Dの温度は約1℃上昇し、発振波長は0.3nm長くな
る。
【0063】又、冷却水の流量が多いと冷却水の温度上
昇が少ないので、各LDの温度は上記式(4) の冷却水温
度TWiにより決定される。従って、先ず、冷却水の温度
上昇が無視できる程度に流量が十分に多い状態の場合、
8個のLD4−1〜4−8のうち所定温度で最も長い波
長の光を出射するLDからの光の波長、例えばLD4−
1からの光の波長を、YAG結晶1の吸収スペクトルに
合うように冷却水の温度を設定する。
【0064】次に、他の7個のLD4−2〜4−8の各
ヒートシンク6−2〜6−8に流す冷却水の流量を、各
バルブ9−1〜9−4を調整してLDの温度を上昇させ
る。これにより、8個の全てのLD4−1〜4−8の発
振波長がYAG結晶1の吸収スペクトルに合い、これら
LD4−1〜4−8のLDからの光は、YAG結晶1に
効率よく吸収され、レーザ光に変換される。
【0065】このように上記第1の実施の形態において
は、各LD4−1〜4−8のうち所定温度で最も長い波
長の光を出射するLDからの光の波長がYAG結晶1の
吸収スペクトルに合うように冷却水の温度を設定し、か
つ他のLDの各ヒートシンク6−1〜6−8に流す冷却
水の流量をYAG結晶1の吸収スペクトルに合うように
制御するので、全てのLD4−1〜4−8の波長をYA
G結晶1の吸収スペクトルに合うことができ、LDから
の光を効率よくYAG結晶1に吸収して、レーザ光に変
換できる。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0066】図2はLD側面励起YAG結晶レーザ装置
の構成図である。少なくとも1つのLD、例えばLD4
−8には、このLD4−8の温度を検出する温度センサ
10が設けられている。この温度センサ10から出力さ
れるLD温度信号は、制御部11に送られている。
【0067】この制御部11は、各LD4−1〜4−8
の波長をYAG結晶1の吸収スペクトルに合うように、
温度センサ10により検出されたLDの温度に応じて各
バルブ9−1〜9−4を調節して冷却水の流量を制御す
る機能を有している。
【0068】このような構成であれば、冷却水の温度上
昇が無視できる程度に流量が十分に多い状態の場合、8
個のLD4−1〜4−8のうちYAG結晶1の吸収スペ
クトルに合うLDの温度の最も低いLD、例えばLD4
−1の波長を、YAG結晶1の吸収スペクトルに合うよ
うに冷却水の温度を設定し、次に他の7個のLD4−2
〜4−8の各ヒートシンク6−2〜6−8に流す冷却水
の流量を、各バルブ9−1〜9−4を調整してLDの温
度を上昇させる。
【0069】これにより、8個の全てのLD4−1〜4
−8の発振波長がYAG結晶1の吸収スペクトルに合
い、これらLD4−1〜4−8のLDからの光は、YA
G結晶1に効率よく吸収され、レーザ光に変換される。
【0070】ところが、実際のLDの温度は、周囲環境
温度の変化等の影響を受けるので、制御部11において
温度センサ10を通してLDの温度をモニタし、このL
Dの温度に応じて各バルブ9−1〜9−4を調節して冷
却水の流量を制御する。
【0071】この冷却水の流量制御により、各LD4−
1〜4−8に対する周囲環境温度の変化等の影響を受け
ずに波長変化の誤差を低減できる。なお、上記第1及び
第2の実施の形態は、次の通りに変形してもよい。
【0072】例えば、全てのLD4−1〜4−8にそれ
ぞれ制御部を接続し、それぞれのLD4−1〜4−8へ
の異なる電気入力の変化や変換効率の変化等による誤差
を低減するようにしてもよい。
【0073】又、LDの温度の代わりにヒートシンク温
度をモニターしたり、又はLDからの光の発振波長をモ
ニターして冷却水の流量を調節するようにしてもよい。 (3) 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0074】図3はLD側面励起YAG結晶レーザ装置
の構成図である。各LD4−1〜4−8は、それぞれヒ
ートシンク体20−1〜20−8に対して接触固定され
ている。
【0075】これらヒートシンク体20−1〜20−8
は、冷却器21に対して冷却水路22を通して直列接続
され、それぞれにLD4−1〜4−8を冷却するものと
なっている。
【0076】図4はヒートシンク体20−1の具体的な
構成図である。なお、他のヒートシンク体20−2〜2
0−8も同一構成なのでその説明は省略する。第1のヒ
ートシンク23には、冷却水路24が形成されている。
この第1のヒートシンク23の側面には、第1の伝熱部
材たる第1の伝熱平行平板25を介して第2のヒートシ
ンク26が接触固定されている。
【0077】第1の伝熱平行平板25は、熱伝導率のそ
れぞれ異なる第1及び第2の伝熱板25a、25bから
形成されるもので、具体的に第1の伝熱板25aはチタ
ンにより形成され、第2の伝熱板25bは銅により形成
されている。
【0078】又、第2のヒートシンク26の上面には、
ベリリア又は窒化アルミニウムから形成される第2の伝
熱部材たる第2の伝熱平行平板27を介してLD4−1
が接触固定されている。
【0079】しかるに、第2の伝熱板(銅)25b、及
び第2の伝熱平行平板27の厚さを変えることにより、
LD4−1の光軸を変えるものとなっている。次に上記
の如く構成された装置の作用について説明する。
【0080】各LD4−1〜4−8にLDドライバ5か
ら電力が供給されると、各LD4−1〜4−8はそれぞ
れ光を出射する。これらLDからの光は、YAG結晶1
に入射することにより、YAG結晶1は励起される。こ
のYAG結晶1の励起により出力ミラー2と高反射ミラ
ー3との間で光の共振が発生し、レーザ光が出力され
る。
【0081】このとき、LDドライバ5からの電気入力
の一部が熱量Qに変換される。この熱は、各LD4−1
〜4−8から各伝熱平行平板27を介して第2のヒート
シンク26に伝導し、さらに第1及び第2の伝熱板25
b、25aから第1のヒートシンク23を介して冷却水
に伝導する。
【0082】このLDの温度は、上記式(1) に示すよう
に熱量Qによる温度上昇と冷却水温度Tw とで決定され
る。又、第2及び第1のヒートシンク26,23、第2
の伝熱平行平板27、第2及び第1の伝熱板25b、2
5aの各熱伝導率をkhA、khB、kTS、kSA、kSB
し、各長さをLhA、LhB、LTS、LSA、LSBとし、それ
ぞれ固体相互間の熱伝達係数をhLDTS、hTShA
hASA、hSASB、hSBhB、hhBW とすると、熱抵抗Rは
次式により表される。 R=(1/hLDTS)+(LTS/kTS)+(1/hTShA)+(LhA/khA) +(1/hhASA)+(LSA/kSA)+(1/hSASB)+(LSB/kSB) +(1/hSBhB)+(LhB/khB)+(1/hhBW ) …(5) この式(5) から異なる熱伝導率を有する第1及び第2の
伝熱板25a、25bの厚さを変えることで、熱抵抗R
が変化し、最終的に各LD4−1〜4−8の温度が変化
する。
【0083】しかるに、本実施の形態において熱抵抗R
を小さくするための第1及び第2のヒートシンク23、
26の両方の材料に熱伝導率の大きい銅(熱伝導率4W
/cm℃)を使用し、LD4−1〜4−8から冷却水まで
の熱の伝わるヒートシンク長を約2cm、断面積を2c
2 に形成している。
【0084】各固体間の接触部に薄いInシートを挟む
ことにより固体間の熱伝達係数は、大きくなりヒートシ
ンク内の熱抵抗に比べ無視できる程度となる。第1のヒ
ートシンク23と冷却水との間の熱伝達係数もまた無視
できる程度である。
【0085】第2の伝熱平行平板27にLD4−1〜4
−8及び第2のヒートシンク26を電気絶縁することも
考慮し熱伝導率の大きい例えば厚さ1〜2mm程度のベ
リリア(熱伝導率2W/cm℃)を使用することで、これ
らの間の熱伝達係数もまた無視できる程度である。
【0086】さらに、第1の伝熱板25aにチタン(熱
伝導率0.15W/cm℃)、第2の伝熱板25bに銅を
使用し、このうち第2の伝熱板25bの厚さが1〜2m
m程度であるので、この伝熱板25bの熱抵抗は無視で
きる。
【0087】このような事から、熱抵抗Rを表す上記式
(5) は、銅の熱伝導率をkcu、チタンの熱伝導率をKTi
とすると、 R=(LhA/khA)+(LSA/kSA)+(LSB/kSB)+(LhB/khB) =(2cm/kcu)+(LTi/KTi) =0.5+(LTi/0.15) …(6) となる。
【0088】すなわち、LDからの光軸調整に第2の伝
熱平行平板27と伝熱板(銅)25bの各厚さを変化さ
せても熱抵抗Rを表す上記式(6) は成立する。ここで、
ハイパワー用の各LD4−1〜4−8を使用した場合、
数W〜数十Wの熱量が発生する。
【0089】例えば、定格入力として電流88A、電圧
10V、パルス幅をYAG結晶1の励起寿命に合わせて
200μsec 、繰り返し数を100pps により各LD4
−1〜4−8を動作させた場合、変換効率が50%程度
であるため発生する熱量Qは、約8.8Wとなる。
【0090】上記式(6) において第1の伝熱板25aの
チタンの厚さを1〜2mmで変化させると、熱抵抗Rは
1.2〜1.8cm2 ℃/Wとなり、LDの温度は上記式
(1)から冷却水温度が3〜6℃上昇し、3℃の調整がで
きる。
【0091】従って、第1の伝熱板(チタン)25aの
厚さを1mm変化させると、その分の厚さ変化を第2の
伝熱板(銅)25bにより補正することで、各LD4−
1〜4−8のLDからの光軸を変化することなくLDの
温度を3℃だけ調整できる。
【0092】このLDの温度の調整によって最終的に
は、LDからの光の発振波長を約1nm調整できる。こ
の伝熱板25aの厚さをさらに変化させたり、熱伝導率
の小さい材料に変えたりすることで、さらに大きくLD
からの光の発振波長を調整できる。
【0093】このように上記第3の実施の形態において
は、第1のヒートシンク23と第2のヒートシンク26
との間の第1の伝熱平行平板25、及び第2のヒートシ
ンク26とLD4−1〜4−8との間の第2の伝熱平行
平板27の各厚さを所望厚さに形成することにより、L
D4−1〜4−8からの光の光軸を2軸方向で調節でき
る。
【0094】これと共に第1の伝熱平行平板25及び第
1の伝熱板(チタン)25aの材料を変えてその熱伝導
率を変化させることにより、冷却水による各LD4−1
〜4−8の冷却温度を調整できる。
【0095】このLDの温度調整により各LD4−1〜
4−8の発振波長を制御でき、YAG結晶1の吸収スペ
クトルに合わせることができ、LDからの光を効率よく
YAG結晶1に吸収して、レーザ光に変換できる。
【0096】又、第1の伝熱平行平板25をそれぞれ熱
伝導率の異なる各伝熱板25a、25bにより形成する
ので、第1のヒートシンク23から各LD4−1〜4−
8に伝導する熱量をその熱伝導率を変えることにより調
整でき、このうちの伝熱板(銅)25bの厚さを変える
ことによりLDからの光の光軸の調整ができる。
【0097】なお、第2の伝熱板25bとして銅を使用
することによりこの伝熱板25bの熱抵抗を無視でき、
かつ第2の伝熱平行平板27として熱伝導率の大きいベ
リリア又は窒化アルミニウムを使用することで、これら
の間の熱伝達係数を無視でき、これによって第2の伝熱
平行平板27と伝熱板(銅)25bとの各厚さを変えて
も、熱抵抗Rは変化せず、LDからの光の光軸の調整が
できる。
【0098】なお、上記第3の実施の形態は、次の通り
に変形してもよい。例えば、上記第3の実施の形態で
は、各固体間の熱伝達係数を小さくするためにInシー
トを挟んだが、この熱伝達係数値に影響されるものでな
い。
【0099】又、各ヒートシンク23、26や各伝熱平
行平板25、27等の材質や形状に限定されるものでな
く、LDからの光の光軸を2軸方向で調整できる形状
で、かつLDが動作できる範囲の温度に制御できればよ
い。 (4) 次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0100】図5はレーザダイオード励起固体レーザ装
置の構成図である。固体レーザ媒質であるYAG結晶1
の周囲には、複数のLDユニット30−1〜30−5が
配置されている。なお、YAG結晶1の長手方向の両端
には、それぞれ出力ミラー、高反射ミラーが配置されて
いるが同図では省略する。
【0101】これらLDユニット30−1〜30−5
は、冷却器31から冷却水路32を通して直列接続され
ている。図6はかかるLDユニット30−1〜30−5
の具体的な構成図である。
【0102】ヒートシンク33には、水路34が形成さ
れ、この水路34に冷却水路32が接続されている。こ
のヒートシンク33には、伝熱平板としての金属シート
35及び絶縁シート36を介してLD37が設けられて
いる。これら金属シート35及び絶縁シート36は、ヒ
ートシンク33とLD37との間の熱流束を制限する作
用を有している。
【0103】このうち金属シート35は、ヒートシンク
33とLD37との間の密着性を高め、これらヒートシ
ンク33とLD37との間の熱の伝導性を高めるもので
ある。この金属シート35は、例えばインジウム(I
n)により形成されている。
【0104】又、絶縁シート36は、LD37と冷却水
路32との電気的絶縁を図るもので、LD37が冷却水
路32を通して導通しないようにするものである。この
絶縁シート36は、例えば酸化ベリリウム、アルミナ、
窒化アルミニウムから形成されている。
【0105】これら金属シート35又は絶縁シート36
のうちいずれか一方又は両方は、LDユニット30−1
〜30−5に応じてLD37との接触面積を変えたもの
となっている。
【0106】例えば、これら金属シート35又は絶縁シ
ート36は、LDユニット30−5に対する接触面積が
最も大きく、次にLDユニット30−4に対する接触面
積、次にLDユニット30−3に対する接触面積、次に
LDユニット30−2に対する接触面積、次にLDユニ
ット30−1に対する接触面積の順序で小さくなるよう
に形成されている。
【0107】これら金属シート35又は絶縁シート36
のLDユニット30−1〜30−5に対する接触面積を
変える構造は、図7(a) に示すように金属シート35又
は絶縁シート36の外形を変えて小さくする、又は同図
(b) に示すように金属シート35又は絶縁シート36に
複数の孔38を開ける、又は同図(c) に示すように金属
シート35又は絶縁シート36に溝39を形成するもの
となっている。
【0108】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LDユニット30−1〜30−5の各
LD37に電力が供給されると、これらLD30−1〜
30−5はそれぞれ光を出射する。
【0109】これらLDからの光は、YAG結晶1に入
射することにより、YAG結晶1は励起される。このY
AG結晶1の励起により出力ミラーと高反射ミラーとの
間で光の共振が発生し、レーザ光が出力される。
【0110】一方、冷却器31は、冷却水路32を通し
て各LDユニット30−1〜30−5に冷却媒体、例え
ば冷却水を供給し、各LD37を冷却して各LDユニッ
ト30−1〜30−5ごとのLDからの光の波長を同一
になるように制御する。
【0111】この場合、冷却媒体は、LDユニット30
−1、30−2、30−3、…の順序で供給されるの
で、LDユニット30−5に供給される冷却水は、既に
LDユニット30−1、30−2、30−3、…の各L
D37の熱を吸収したものとなっている。
【0112】このため、LD37におけるLDユニット
30−5のLDからの光の波長は、他のLDユニット3
0−1〜30−4の各LDからの光の波長よりも長くな
る。このような事から冷却水の温度は、LDユニット3
0−5の各LDからの光の波長が所定値になる最適な温
度に設定される。
【0113】ところが、LDユニット30−5に対して
は最適温度の冷却水が供給されるが、他のLDユニット
30−1〜30−4に対しては過剰冷却となるが、上記
の如くこれらLDユニット30−1〜30−4における
金属シート35又は絶縁シート36は、LD37に対す
る接触面積を変えてあるので、LD37とヒートシンク
33との間の熱流束が小さく制限されている。
【0114】すなわち、冷却水は、LDユニット30−
1〜30−5の順序で流れるので、この順序でLDユニ
ット30−1〜30−5に対する冷却の度合いが大きく
なっている。
【0115】従って、金属シート35又は絶縁シート3
6のLD37に対する接触面積を、LDユニット30−
4〜30−1の順序で小さく形成することにより、各L
Dユニット30−1〜30−5の各LD37は略同一温
度に冷却される。
【0116】これにより、複数のLD37の発光により
YAG結晶1を励起する場合、これらLD37において
波長を均一化でき、YAG結晶1を効率よく励起でき
る。このように上記第4の実施の形態においては、金属
シート35又は絶縁シート36のLD37との接触面積
を可変するので、複数のLD37に直列に冷却水を流し
て冷却する場合、各LD37と金属シート35又は絶縁
シート36との熱流束を制限し、各LD37を略同一温
度に冷却でき、これにより複数のLD37の各LDから
の光の波長を均一化でき、YAG結晶1を効率よく励起
できる。
【0117】又、LD37の冷却温度は、各LDユニッ
ト30−1〜30−5ごとの個々に制御できる。なお、
本発明は、上記第1〜第4の実施の形態に限定されるも
のでなく次の通りに変形してもよい。
【0118】例えば、上記第3の実施の形態における第
1の伝熱平行平板25又は第2の伝熱平行平板27のう
ちいずれか一方又は両方において、これらの形状を図7
(a)に示すように外形を変えて小さくしたり、又は同図
(b) に示すように複数の孔38を開けたり、又は同図
(c) に示すように溝39を形成して、LD4−1の冷却
温度を制御するようにしてもよい。
【0119】又、上記各実施の形態では、YAG結晶レ
ーザに適用した場合について説明したが、吸収スペクト
ルがLDの発振波長と合うレーザ媒質であれば、このレ
ーザ媒質に限定されるものでない。
【0120】又、LDからの光をYAG結晶に対して側
面から照射しているが、このYAG結晶等のレーザ媒質
を励起できれば、各LDの配置位置に限定されるもので
ない。
【0121】さらに、LDやレーザ媒質、ミラーの各個
数に限定されるものでなく、レーザ発振できる個数、光
共振器の構成であればよい。そして、本発明の上記各実
施の形態については、LDの数を8つで説明をしたが、
大出力とするためにYAG結晶1を長くしてLDの数を
多数個にしてもよい。このような場合には、多数のLD
を均一に冷却するために上記各実施の形態の手法は有効
である。 (5) 次に本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0122】図8はLD側面励起YAG結晶レーザ装置
の構成図である。YAG結晶1の長手方向側には、それ
ぞれ出力ミラー2、高反射ミラー3がYAG結晶1を挟
んで対向配置されている。
【0123】又、YAG結晶1の側面側には、複数のL
D群40、41が配置されており、これらLD群40、
41は、LDドライバ42に対して直接接続され、この
LDドライバ42からの電力供給により発光するものと
なっている。
【0124】又、これらLD群40、41は、それぞれ
ヒートシンク42、43に接触固定されている。図9は
かかるLD群40、41及びヒートシンク42、43の
具体的な構成図であり、各LD群40、41は、それぞ
れ複数のLD40−1〜40〜n、41−1〜41〜n
(なお、LD41−1〜41〜nは図面の関係上図示せ
ず)を有している。
【0125】これら複数のLD40−1〜40〜nは、
それぞれ接合板44及び絶縁ワイヤボンドプレート45
から成る半導体パッケージ46を単位として形成され、
複数の半導体パッケージ46−1〜46−n、例えば5
つの半導体パッケージが絶縁板47を介して1つのヒー
トシンク42、43上に固定接触されている。
【0126】一方、ヒートシンク42、43は、冷却水
48を流す冷却路49が形成されており、この冷却路4
9において冷却水48の流れる方向Aに沿って傾斜する
ようにヒートシンク板厚を薄く形成し、冷却路49から
各LD40−1〜40〜nまでの熱流路長が短く形成さ
れている。
【0127】一般に熱抵抗は、2点間の距離をδ、熱伝
導率をλとすると、δ/λで表される。2点間の温度差
を熱抵抗で除算すると熱流束が得られる。例えば図9に
示すa点からb点(冷却水48の流れる方向A)に向か
ってヒートシンク板厚を減らしていくことで、同方向に
熱抵抗を減らすことができ、冷却水の温度が上昇しても
それを打ち消すように各LD40−1〜40〜nと冷却
水48との温度差を減らすことができる。
【0128】これらヒートシンク42、43は、それぞ
れ冷却水路50、51を介して冷却器52に接続されて
いる。この冷却器52は、冷却媒体としての冷却水48
を冷却水路50、51を通して各ヒートシンク42、4
3に供給し、各LD40−1〜40〜n、41−1〜4
1〜nを冷却するものである。なお、この冷却器52
は、冷却水の温度を調整する機能を有している。
【0129】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD40−1〜40−n、41−1〜
41−nにLDドライバ42から電力が供給されると、
これらLD40−1〜40−n、41−1〜41−nは
それぞれ光を出射する。
【0130】これらLD40−1〜40−n、41−1
〜41−nからのLD光は、YAG結晶1に入射するこ
とにより、YAG結晶1は励起される。このYAG結晶
1の励起により出力ミラー2と高反射ミラー3との間で
光の共振が発生し、レーザ光が出力される。
【0131】このとき、LDドライバ42からの電気入
力の一部が熱量Qに変換され、この熱は、各LD40−
1〜40−n、41−1〜41−nから各ヒートシンク
42、43を伝導して冷却水48に伝わり、各LD40
−1〜40−n、41−1〜41−nの温度が一定に保
たれる。
【0132】ここで、例えば各LD40−1〜40−
n、41−1〜41−nのレーザ出力が20Wであり、
1つのヒートシンク42、43にそれぞれ半導体パッケ
ージ46が25個固定されていると、1つの半導体パッ
ケージ46が40Wを発熱すると、25個のLDからは
合計1kWの熱量が発生する。
【0133】一方、各ヒートシンク42、43に流れる
冷却水48の流速を例えば毎分1リッターとし、各LD
40−1〜40−n、41−1〜41−nの発熱を全て
冷却水48で冷却するものと仮定すると、これらヒート
シンク42、43に冷却水48が流れることで、冷却水
48の温度は14℃上昇する。
【0134】この冷却水48の温度上昇により各LD4
0−1〜40−n、41−1〜41−nの波長ずれは約
4nmとなり、固体レーザ発振装置として発振効率の低
下につながる可能性があるが、上記ヒートシンク42、
43では、冷却水48の流れる方向Aに沿ってヒートシ
ンク板厚を薄く形成したので、方向AI沿って冷却路4
9から各LD40−1〜40〜nまでの熱流路長が順次
短くなり、冷却水の温度が上昇してもそれを打ち消すよ
うに各LD40−1〜40〜n、41−1〜41−nの
各々の間の温度差が減るものとなる。
【0135】これにより各LD40−1〜40〜n、4
1−1〜41−nの各温度差がなくなり、これらLD4
0−1〜40〜n、41−1〜41−nの温度差による
波長のずれがなくなり、固体レーザ発振の効率が向上す
る。
【0136】このように上記第5の実施の形態において
は、ヒートシンク42、43について、冷却水48の流
れる方向Aに沿ってヒートシンク板厚を順次薄く形成
し、冷却路49から各LD40−1〜40〜nまでの熱
流路長を順次短く形成したので、冷却水の温度が上昇し
てもそれを打ち消すように各LD40−1〜40〜n、
41−1〜41−nの各々の間の温度差が減り、各LD
40−1〜40〜n、41−1〜41−nの各温度を均
一化でき、これらLD40−1〜40〜n、41−1〜
41−nの各々の間の温度差による発振波長のずれを無
くしてYAG結晶1の吸収波長に合わせ、固体レーザ発
振の効率を向上できる。 (6) 次に本発明の第6の実施の形態について説明する。
なお、図8と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0137】図10はLD側面励起YAG結晶レーザ装
置の構成図である。YAG結晶1の側面側には、複数の
半導体レーザパッケージ46から成る8つの半導体アレ
イ60−1〜60−8が配置され、かつこれら半導体ア
レイ60−1〜60−8は、LDドライバ61に対して
直接接続され、このLDドライバ61からの電力供給に
より発光するものとなっている。
【0138】又、これら半導体アレイ60−1〜60−
8は、それぞれヒートシンク62−1〜62−8に接触
固定されている。図11はかかるヒートシンク62−1
〜62−8の具体的な構成図である。なお、ヒートシン
ク62−1〜62−4と62−5〜62−4とは同一構
成なので、ヒートシンク62−5〜62−4は省略して
ある。
【0139】これらヒートシンク62−1〜62−4に
は、それぞれ絶縁板63を介して各半導体アレイ60−
1〜60−4が接触固定されている。これらヒートシン
ク62−1〜62−4は、冷却水48を流す各冷却路6
3−1〜63−4が形成されており、これら冷却路63
−1〜63−4は、冷却水48の流れる方向Aに沿って
各ヒートシンク板厚が薄く形成され、それぞれの熱流路
長C1 〜C4 がC1 >C2 >C3 >C4 の関係で短く形
成されている。
【0140】これにより、ヒートシンク62−1〜62
−4の方向に流れる冷却水48の温度が上昇してもそれ
を打ち消すように各半導体アレイ60−1〜60−4の
各々の間の温度差が減るものとなる。
【0141】これらヒートシンク60−1〜60−8
は、それぞれ冷却水路64、65を冷却器66に接続さ
れている。次に上記の如く構成された装置の作用につい
て説明する。
【0142】各半導体アレイ60−1〜60−8にLD
ドライバ61から電力が供給されると、これら半導体ア
レイ60−1〜60−8はそれぞれ光を出射し、これら
のLD光がYAG結晶1に入射することにより、YAG
結晶1は励起される。このYAG結晶1の励起により出
力ミラー2と高反射ミラー3との間で光の共振が発生
し、レーザ光が出力される。
【0143】このとき、LDドライバ61からの電気入
力の一部が熱量Qに変換され、この熱は、各半導体アレ
イ60−1〜60−8から各ヒートシンク62−1〜6
2−8を伝導して冷却水48に伝わり、これら半導体ア
レイ60−1〜60−8の各々の温度が一定に保たれ
る。
【0144】ここで、例えば各半導体アレイ60−1〜
60−8から40Wの熱が発生すると、各ヒートシンク
62−1〜62−8では200Wの熱量を除去する必要
があり、冷却水48の流量を毎分1リッターとすると、
冷却水48は1つのヒートシンクを通過すると約3℃温
度が上昇する。
【0145】これに対して各ヒートシンク62−1〜6
2−8は、それぞれ冷却水48の流れる方向Aに沿って
ヒートシンク板厚が薄く形成され、各半導体アレイ60
−1〜60−8までの各熱流路長C1 〜C4 を順次短く
形成したので、冷却水の温度が上昇してもそれを打ち消
すように各半導体アレイ60−1〜60−8間の温度差
が減る。
【0146】これにより各半導体アレイ60−1〜60
−8の各々の間の温度差がなくなり、これら半導体アレ
イ60−1〜60−8の各々の間の温度差による発振波
長のずれがなくなり、固体レーザ発振の効率が向上す
る。
【0147】このように上記第6の実施の形態において
は、各ヒートシンク62−1〜62−4ごとに冷却水4
8の流れる方向Aに沿って各ヒートシンク板厚を薄く形
成したので、各ヒートシンク62−1〜62−4の方向
に流れる冷却水48の温度が上昇してもそれを打ち消す
ように各半導体アレイ60−1〜60−4間の各々の温
度差を無くすことができる。これにより、各半導体アレ
イ60−1〜60−4の各温度を均一化でき、これら半
導体アレイ60−1〜60−4の各々の間の温度差によ
る発振波長のずれを無くしてYAG結晶1の吸収波長に
合わせ、固体レーザ発振の効率を向上できる。
【0148】なお、上記第6の実施の形態における各ヒ
ートシンク62−1〜62−4は、それぞれの熱流路長
1 〜C4 に形成されているが、これに限らず各ヒート
シンク62−1〜62−4ごとに上記第5の実施の形態
に示すと同様に、冷却水48の流れる方向Aに沿って傾
斜するようにヒートシンク板厚を薄く形成してもよい。
これにより、各半導体アレイ60−1〜60−8の各々
の間の温度差をより均一化でき、固体レーザ発振の効率
を向上できる。 (7) 次に本発明の第7の実施の形態について説明する。
なお、図8と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0149】図12はLD側面励起YAG結晶レーザ装
置の構成図である。YAG結晶1の側面側には、複数の
LD群70、71が配置され、これらLD群70、71
は、それぞれヒートシンク板厚が一定の各ヒートシンク
72、73にそれぞれ接触固定されている。
【0150】図13はかかるLD群70、71及びヒー
トシンク72、73の具体的な構成図であり、各LD群
70、71は、それぞれ複数のLD70−1〜70〜
n、71−1〜71〜n(なお、LD71−1〜71〜
nは図面の関係上図示せず)を有している。
【0151】これら複数のLD70−1〜70〜nは、
それぞれ接合板44及び絶縁ワイヤボンドプレート45
から成る半導体パッケージ74を単位として形成され、
複数の半導体パッケージ74−1〜74−n、例えば5
つの半導体パッケージが絶縁板47を介して1つのヒー
トシンク72、73上に固定接触されている。
【0152】これら複数のLD70−1〜70〜nは、
冷却水48の流れる方向Aに従い、そけぞれ温度差例え
ば1℃に対して例えば波長0.3nmづつ発振波長が短
くなるように選択されて配置されている。
【0153】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD群70、71にLDドライバ42
から電力が供給されると、これらLD群70、71はそ
れぞれLD光を出射し、YAG結晶1を励起する。この
YAG結晶1の励起により出力ミラー2と高反射ミラー
3との間で光の共振が発生し、レーザ光が出力される。
【0154】このとき、各LD群70、71で発生した
熱は、各ヒートシンク72、73を伝導して冷却水48
に伝わり、各LD群70、71が冷却される。ここで、
ヒートシンク72、73に冷却水48が流れ、各LD7
0−1〜70−n、71−1〜71−nの発熱を全て冷
却水48で冷却するものと仮定すると、冷却水48の温
度は、LD70−1からLD70−nに向かって次第に
上昇する。
【0155】この冷却水48の温度上昇により各LD7
0−1〜70−n、71−1〜71−nの間で波長ずれ
が生じ、固体レーザ発振装置として発振効率の低下につ
ながる可能性があるが、これらLD70−1〜70〜n
の発振波長は、冷却水48の流れる方向Aに従い、それ
ぞれ温度差例えば1℃に対して例えば波長0.3nmづ
つ短くなるように選択されているので、これらLD70
−1〜70〜n、71−1〜71−nの間で発振波長の
ずれがなくなり、固体レーザ発振の効率が向上する。
【0156】このように上記第7の実施の形態において
は、LD70−1〜70〜nの発振波長を、冷却水48
の流れる方向Aに従い、それぞれ温度差例えば1℃に対
して例えば波長0.3nmづつ短くなるように選択した
ので、冷却水48の温度が上昇しても、これらLD70
−1〜70〜n、71−1〜71−nの発振波長のずれ
が無くなりYAG結晶1の吸収波長に合わせることがで
きるので、固体レーザ媒質に対する励起効率を向上でき
る。
【0157】なお、上記第7の実施の形態は、図10に
示す各半導体アレイ60−1〜60−8に代えて適用す
ることで可能である。 (8) 次に本発明の第8の実施の形態について説明する。
【0158】図14はLD側面励起YAG結晶レーザ装
置の構成図である。YAG結晶1の長手方向側には、そ
れぞれ出力ミラー2、高反射ミラー3がYAG結晶1を
挟んで対向配置され、かつYAG結晶1の側面側には、
複数のLD80−1〜80−nが配置されている。
【0159】これらLD80−1〜80−nは、LDド
ライバ81に対して直接接続され、このLDドライバ8
1からの電力供給により発光するものとなっている。
又、これらLD80−1〜80−nは、それぞれ長さが
Xのビートシンク82に接触固定されている。
【0160】このヒートシンク82には、互いに相反す
る方向で冷却水48を流すための2つの冷却路83、8
4が形成されている。これら冷却路83、84は、図1
5に示すようにYAG結晶1側から見て平行で、かつ各
LD80−1〜80−nを挟んで所定の間隔に接近して
形成されている。なお、これら冷却路83、84から各
LD80−1〜80−nまでの距離は、全て等しく形成
されている。
【0161】冷却器85は、ヒートシンク82の各冷却
路83、84に互いに相反する方向で冷却水48を流す
もので、これら冷却路83、84に流す冷却水48の温
度を等しく制御する機能を有している。
【0162】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD80−1〜80−nにLDドライ
バ81から電力が供給されると、これらLD80−1〜
80−nはそれぞれLD光を出射し、YAG結晶1を励
起する。このYAG結晶1の励起により出力ミラー2と
高反射ミラー3との間で光の共振が発生し、レーザ光が
出力される。
【0163】このとき、各LD80−1〜80−nで発
生した熱は、ヒートシンク82を伝導し、各冷却路8
3、84に互いに相反する方向でそれぞれ流れる冷却水
48に伝わり、これらLD80−1〜80−nが冷却さ
れる。
【0164】すなわち、冷却路83に冷却水48が流れ
ると、LD80−1〜80−nの各々からの熱を吸収
し、図16に示すように冷却水48の温度T1 は、LD
80−1側からLD80−n側に流れるに従って上昇す
る。
【0165】これと共に、冷却路84に冷却水48が流
れると、LD80−n〜80−1の各々からの熱を吸収
し、その冷却水48の温度T2 は、図16に示すように
LD80−n側からLD80−1側に流れるに従って上
昇する。
【0166】これら冷却路83、84にそれぞれ流れる
冷却水48の温度上昇は、互いに等しい上昇率となるの
で、ヒートシンク82の温度は、冷却路83、84の各
々についてのX/2の地点の温度である(T1 +T2
/2で均一化される。
【0167】これにより各LD80−1〜80−nの各
々の間の温度差が無く均一化され、これら各LD80−
1〜80−nの温度差による発振波長のずれを無くして
YAG結晶1の吸収波長に合わせ、固体レーザ発振の効
率を向上できる。
【0168】このように上記第8の実施の形態において
は、ヒートシンク82に冷却水48を相反する方向で流
す各冷却路83、84を形成したので、各LD80−1
〜80−n間の温度を均一化でき、これら各LD80−
1〜80−nの各々の発振波長を等しくでき、YAG結
晶1の吸収波長に合わせ、固体レーザ発振の効率を向上
できる。
【0169】又、LD80−1〜80−nに関するコス
トを低くでき、高出力、高効率のLD励起固体レーザ装
置を実現できる。 (9) 次に本発明の第9の実施の形態について説明する。
【0170】図17はLD側面励起YAG結晶レーザ装
置の構成図である。高反射ミラー2と出力ミラー3との
間のレーザ光軸上には、複数例えば3つのYAG結晶9
0〜92が配置されている。
【0171】これらYAG結晶90〜92の側面側に
は、それぞれ複数づつの各LD93a、93b、…95
bが配置されている。そして、これらLD93a、93
b、…95bの各々は、それぞれ各ヒートシンク96
a、96b、…98bに接触固定されている。
【0172】これらヒートシンク96a、96b、…9
8bは、上記第8の実施の形態に示すヒートシンク82
と同様の構成であり、相反する方向で冷却水を流すため
の2つの冷却路83、84が形成されている。これら冷
却路83、84の各々は、図15に示すようにYAG結
晶1側から見て平行で、かつ各LD93a、93b、…
95bを挟んで所定の間隔に接近して形成されている。
なお、これら冷却路83、84の各々から各LD93
a、93b、…95bまでの距離は、全て等しく形成さ
れている。
【0173】冷却器99は、各ヒートシンク96a、9
6b、…98bの各冷却路83、84について互いに相
反する方向で冷却水48を流すもので、これら冷却路8
3、84の各々に流す冷却水48の温度を等しく制御す
る機能を有している。
【0174】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD93a、93b、…95bにLD
ドライバから電力が供給されると、これらLD93a、
93b、…95bはそれぞれLD光を出射し、YAG結
晶1を励起する。このYAG結晶1の励起により出力ミ
ラー2と高反射ミラー3との間で光の共振が発生し、レ
ーザ光が出力される。
【0175】このとき、各LD93a、93b、…95
bで発生した熱は、各ヒートシンク96a、96b、…
98bを伝導し、各冷却路83、84において互いに相
反する方向でそれぞれ流れる冷却水48に伝わり、これ
らLD93a、93b、…95bが冷却される。
【0176】このように各ヒートシンク96a、96
b、…98bにおいて冷却水48が互いに相反する方向
でそれぞれ流れることにより、各ヒートシンク96a、
96b、…98bでの温度は、上記図16に示すと同様
に(T1 +T2 )/2で均一化される。
【0177】これによりLD93a、93b、…95b
の各々の間の温度差が均一化され、これらLD93a、
93b、…95bの各々の温度差による発振波長のずれ
を無くして各YAG結晶90〜92の吸収波長に合わせ
ることができ、固体レーザ発振の効率を向上できる。
【0178】このように上記第9の実施の形態によれ
ば、上記第8の実施の形態と同様に、各ヒートシンク9
6a、96b、…98bに冷却水48を相反する方向で
流す各冷却路83、84を形成したので、各LD93
a、93b、…95b間の温度を均一化でき、これら各
LD93a、93b、…95bの発振波長を等しくで
き、YAG結晶90〜92の吸収波長に合わせ、固体レ
ーザ発振の効率を向上できる。 (10)次に本発明の第10の実施の形態について説明す
る。
【0179】図18はLD側面励起YAG結晶レーザ装
置の構成図である。高反射ミラー2と出力ミラー3との
間のレーザ光軸上には、YAG結晶100が配置されて
いる。
【0180】このYAG結晶100の側面側には、それ
ぞれ複数づつの各LD101a、101b、…104b
が配置されている。そして、これらLD101a、10
1b、…104bの各々は、それぞれ各ヒートシンク1
05a、105b、…108bに接触固定されている。
【0181】これらヒートシンク105a、105b、
…108bの各々は、上記第8の実施の形態に示すヒー
トシンク82と同様の構成であり、互いに相反する方向
で冷却水を流すための2つの冷却路83、84が形成さ
れている。これら冷却路83、84は、図15に示すよ
うにYAG結晶1側から見て平行で、かつ各LD101
a、101b、…104bを挟んで所定の間隔に接近し
て形成されている。なお、これら冷却路83、84の各
々から各LD101a、101b、…104bまでの距
離は、全て等しく形成されている。
【0182】そして、これらヒートシンク105a、1
05b、…108bの各々は、このうちのヒートシンク
105aと106a、ヒートシンク107aと108
a、ヒートシンク105bと106b、ヒートシンク1
07bと108bとがそれぞれ直列接続され、かつ冷却
器109に接続されている。
【0183】この冷却器109は、ヒートシンク105
aと106a、ヒートシンク107aと108a、ヒー
トシンク105bと106b、ヒートシンク107bと
108bとにおける各冷却路83、84にそれぞれ互い
に相反する方向で冷却水48を流すもので、これら冷却
路83、84の各々に流す冷却水48の温度を等しく制
御する機能を有している。
【0184】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。各LD101a、101b、…104b
にLDドライバから電力が供給されると、これらLD1
01a、101b、…104bはそれぞれLD光を出射
し、YAG結晶100を励起する。このYAG結晶10
0の励起により出力ミラー2と高反射ミラー3との間で
光の共振が発生し、レーザ光が出力される。
【0185】このとき、LDドライバからの電気入力の
一部が熱量Qに変換され、この熱は、各LD101a、
101b、…104bからヒートシンク105a、10
5b、…108bを伝導し、それぞれの各冷却路83、
84に互いに相反する方向でそれぞれ流れる冷却水48
に伝わり、これらLD101a、101b、…104b
の各々が冷却される。
【0186】すなわち、各ヒートシンク105aと10
6aとの間、各ヒートシンク107aと108aとの
間、各ヒートシンク105bと106bとの間、及び各
ヒートシンク107bと108bとの間には、それぞれ
各冷却路83、84に互いに相反する方向でそれぞれ冷
却水48が流れる。
【0187】このように相反する方向でそれぞれ冷却水
48が流れると、上記同様に、各ヒートシンク105a
と106aとの間、各ヒートシンク107aと108a
との間、各ヒートシンク105bと106bとの間、及
び各ヒートシンク107bと108bとの間の各温度
は、均一化される。
【0188】これによりLD101a、101b、…1
04bの各々の間の温度差が無く温度を均一化でき、こ
れらLD101a、101b、…104bの温度差によ
る発振波長のずれを無くして各YAG結晶100の吸収
波長に合わせることができ、固体レーザ発振の効率を向
上できる。
【0189】このように上記第10の実施の形態によれ
ば、上記第8の実施の形態と同様に、各LD101a、
101b、…104bの各々の間の温度を均一化でき、
これら各LD101a、101b、…104bの発振波
長を等しくでき、YAG結晶100の吸収波長に合わ
せ、固体レーザ発振の効率を向上できる。 (11)次に本発明の第11の実施の形態について説明す
る。なお、図14と同一部分には同一符号を付してその
詳しい説明は省略する。
【0190】図19は多段増幅のLD側面励起YAG結
晶レーザ装置の構成図である。LD側面励起YAG結晶
レーザ装置から出力されるレーザ光の光軸上には、レー
ザ増幅器110が配置されている。このレーザ増幅器1
10は、YAG結晶111を備え、このYAG結晶11
1の側面側には、複数のLD112−1〜112−nが
配置されている。
【0191】これらLD112−1〜112−nは、L
Dドライバに対して直接接続され、このLDドライバか
らの電力供給により発光するものとなっている。又、こ
れらLD112−1〜112−nは、それぞれヒートシ
ンク113に接触固定されている。
【0192】このヒートシンク113には、相反する方
向で冷却水48を流すための2つの冷却路114、11
5が形成されている。これら冷却路114、115は、
図15に示すと同様に、YAG結晶111側から見て平
行で、かつ各LD112−1〜112−nを挟んで所定
の間隔に接近して形成されている。なお、これら冷却路
114、115から各LD112−1〜112−nまで
の距離は、全て等しく形成されている。
【0193】冷却器116は、ヒートシンク113の各
冷却路114、115について互いに相反する方向で冷
却水48を流すもので、これら冷却路114、115に
流す冷却水48の温度を等しく制御する機能を有してい
る。
【0194】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。LD側面励起YAG結晶レーザ装置にお
いて、各LD80−1〜80−nにLDドライバ81か
ら電力が供給されると、これらLD80−1〜80−n
からはそれぞれLD光が出射されてYAG結晶1を励起
し、このYAG結晶1の励起により出力ミラー2と高反
射ミラー3との間で光の共振が発生し、レーザ光が出力
される。
【0195】このとき、冷却路83に冷却水48が流れ
ると、LD80−1〜80−nからの熱を吸収し、その
冷却水48の温度T1 は、上記図16に示すようにLD
80−1側からLD80−n側に流れるに従って上昇
し、これと共に冷却路84に冷却水48が流れると、L
D80−n〜80−1からの熱を吸収し、その冷却水4
8の温度T2 は、LD80−n側からLD80−1側に
流れるに従って上昇し、これによりヒートシンク82の
温度は、(T1 +T2 )/2で均一化される。
【0196】一方、レーザ増幅器110において、各L
D112−1〜112−nにLDドライバから電力が供
給されると、これらLD112−1〜112−nからは
それぞれLD光が出射されてYAG結晶113を励起す
る。
【0197】この状態に、LD側面励起YAG結晶レー
ザ装置から出力されたレーザ光がレーザ増幅器110に
入力すると、このレーザ光は増幅されて出力される。こ
のとき、冷却路114に冷却水48が流れると、LD1
12−1〜112−nからの熱を吸収し、その冷却水4
8の温度は、LD112−1側からLD112−n側に
流れるに従って上昇し、これと共に冷却路115に冷却
水48が流れると、LD112−n〜112−1からの
熱を吸収し、その冷却水48の温度は、LD112−n
側からLD112−1側に流れるに従って上昇し、これ
によりヒートシンク113の温度は、均一化される。
【0198】このようにLD側面励起YAG結晶レーザ
装置側とレーザ増幅器110側との各LD80a、80
b、…80b、各LD112a、112b、…112b
m間の温度が均一化されてこれらの発振波長が等しくな
り、LD側面励起YAG結晶レーザ装置から出力された
レーザ光が効率よくレーザ増幅器110で増幅出力され
る。
【0199】このように上記本発明の第11の実施の形
態によれば、LD側面励起YAG結晶レーザ装置とレー
ザ増幅器110において各YAG結晶100、113を
励起する各LD80a、80b、…80b、112a、
112b、…112bm間の温度を均一化でき、レーザ
増幅の効率を向上できる。
【0200】なお、上記第8〜第11の実施の形態で
は、相反する方向で冷却水48を流すための2つの冷却
路をヒートシンクに形成しているが、このように相反す
る方向で1往復しかない冷却路に限らず、複数だけ往復
する冷却路を形成してもよい。
【0201】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、効
率よくレーザ発振ができるレーザダイオード励起固体レ
ーザ装置を提供できる。又、本発明によれば、LDの発
振波長をレーザ媒質の吸収スペクトルに合わせて効率よ
くレーザ発振ができるレーザダイオード励起固体レーザ
装置を提供できる。
【0202】又、本発明によれば、LDからの光の光軸
を調整してLDからの光を効率よくレーザ媒質に吸収さ
せて効率よくレーザ発振ができるレーザダイオード励起
固体レーザ装置を提供できる。
【0203】又、本発明によれば、LDの発振波長をレ
ーザ媒質の吸収スペクトルに合わせ、かつLDからの光
の光軸を調整してLDからの光を効率よくレーザ媒質に
吸収させて効率よくレーザ発振ができるレーザダイオー
ド励起固体レーザ装置を提供できる。
【0204】又、本発明によれば、複数のLDにおける
発振波長を均一化してレーザ媒質を効率よく励起できる
レーザダイオード励起固体レーザ装置を提供できる。
又、本発明によれば、複数のLDに対する冷却温度を均
一化できてその発振波長をレーザ媒質の吸収波長に合わ
せ、固体レーザ発振の効率を向上できるレーザダイオー
ド励起固体レーザ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の第2の実施の形態を示す構成図。
【図3】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の第3の実施の形態を示す構成図。
【図4】ヒートシンクの具体的な構成図。
【図5】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の第4の実施の形態を示す構成図。
【図6】LDユニットの具体的な構成図。
【図7】金属シート又は絶縁シートの接触面積を変える
構造図。
【図8】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レーザ
装置の第5の実施の形態を示す構成図。
【図9】ヒートシンクの具体的な構成図。
【図10】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レー
ザ装置の第6の実施の形態を示す構成図。
【図11】半導体アレイ及びヒートシンクの具体的な構
成図
【図12】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レー
ザ装置の第7の実施の形態を示す構成図。
【図13】LD及びヒートシンクの具体的な構成図。
【図14】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レー
ザ装置の第8の実施の形態を示す構成図。
【図15】ヒートシンクに形成された2つの冷却路を示
す構成図。
【図16】ヒートシンクにおける温度均一化の作用を示
す図。
【図17】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レー
ザ装置の第9の実施の形態を示す構成図。
【図18】本発明に係わるLD側面励起YAG結晶レー
ザ装置の第10の実施の形態を示す構成図。
【図19】本発明に係わる多段増幅のLD側面励起YA
G結晶レーザ装置の第11の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
1…YAG結晶、 2…出力ミラー、 3…高反射ミラー、 4−1〜4−8…LD(レーザダイオード)、 6−1〜6−8…ヒートシンク、 8…冷却器、 9−1〜9−4…バルブ、 10…温度センサ、 11…制御部、 20−1〜20−8…ヒートシンク、 23…第1のヒートシンク、 24…冷却水路、 25…第1の伝熱平行平板、 25a…第1の伝熱板(チタン)、 25b…第2の伝熱板(銅)、 26…第2のヒートシンク、 27…第2の伝熱平行平板(ベリリア)、 30−1〜30−5…LDユニット、 31…冷却器、 32…冷却水路、 33…ヒートシンク、 35…金属シート、 36…絶縁シート、 37…LD、 40,41…LD群、 40−1〜40〜n…LD、 42,43…ヒートシンク、 46…半導体パッケージ、 60−1〜60−8…半導体アレイ、 62−1〜62−8…ヒートシンク、 70−1〜70−n…LD、 72,73,82…ヒートシンク、 83,84…冷却路、 90〜92〜YAG結晶、 93a〜95b…LD、 96a〜98b…ヒートシンク、 100…YAG結晶、 101a〜104b…LD、 105a〜108b…ヒートシンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 智裕 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレーザダイオードの発光によりレ
    ーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレーザダイ
    オード励起固体レーザ装置において、 前記複数のレーザダイオードをそれぞれ接触固定し、か
    つこれらレーザダイオードをそれぞれ冷却する複数のヒ
    ートシンクと、 前記複数のレーザダイオードの波長が前記レーザ媒質の
    吸収スペクトルに合うように前記複数のヒートシンクに
    流す冷却媒体の温度及び流量をそれぞれ制御する制御手
    段と、を具備したことを特徴とするレーザダイオード励
    起固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記複数のレーザダイ
    オードのうちの所定温度における最も長い波長の光を出
    射する所定のレーザダイオードに対して、前記所定のレ
    ーザダイオードからの光の波長が前記レーザ媒質の吸収
    スペクトルに合うように前記冷却媒体の温度を設定し、
    かつ前記複数のレーザダイオードのうち他のレーザダイ
    オードの前記各ヒートシンクに流す前記冷却媒体の流量
    を前記レーザ媒質の吸収スペクトルに合うように制御す
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザダイオード励
    起固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、少なくとも1つの前記
    レーザダイオードの温度を検出する温度センサと、 前記各ヒートシンクに流れる前記冷却媒体の流量をそれ
    ぞれ調節する複数のバルブと、 前記各レーザダイオードの波長を前記レーザ媒質の吸収
    スペクトルに合うように、前記温度センサにより検出さ
    れたレーザダイオードの温度に応じて前記各バルブを調
    節して前記冷却媒体の流量を制御する制御部と、 を有すること特徴とする請求項1記載のレーザダイオー
    ド励起固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 複数のレーザダイオードの発光によりレ
    ーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレーザダイ
    オード励起固体レーザ装置において、 前記各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流
    れる複数の第1のヒートシンクと、 これら第1のヒートシンクに対してそれぞれ一面に接触
    固定されるとともに前記各レーザダイオードがそれぞれ
    他面に接触固定され、かつ前記各第1のヒートシンクか
    らの熱をそれぞれ前記各レーザダイオードに伝導する複
    数の第2のヒートシンクと、 前記第1のヒートシンクと前記第2のヒートシンクとの
    間又は前記第2のヒートシンクと前記レーザダイオード
    との間のうちいずれか一方又は両方に設けられた伝熱部
    材と、を具備したことを特徴とするレーザダイオード励
    起固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 複数のレーザダイオードの発光によりレ
    ーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレーザダイ
    オード励起固体レーザ装置において、 前記各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流
    れる複数の第1のヒートシンクと、 これら第1のヒートシンクに対してそれぞれ一面に接触
    固定されるとともに前記各レーザダイオードがそれぞれ
    他面に接触固定され、かつ前記各第1のヒートシンクか
    らの熱をそれぞれ前記各レーザダイオードに伝導する複
    数の第2のヒートシンクと、 前記第1のヒートシンクと前記第2のヒートシンクとの
    間又は前記第2のヒートシンクと前記レーザダイオード
    との間のうちいずれか一方又は両方に設けられた伝熱部
    材と、 前記各レーザダイオードの波長が前記レーザ媒質の吸収
    スペクトルに合うように前記各第1のヒートシンクに流
    す前記冷却媒体の温度及び流量をそれぞれ制御する制御
    手段と、を具備したことを特徴とするレーザダイオード
    励起固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記第1のヒートシンクと前記第2のヒ
    ートシンクとの間に設けられる前記伝熱部材は、熱伝導
    率のそれぞれ異なる各伝熱板から形成することを特徴と
    する請求項4又は5記載のレーザダイオード励起固体レ
    ーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記第1のヒートシンクと前記第2のヒ
    ートシンクとの間に設けられる前記伝熱部材は、チタン
    の第1の伝熱板及び銅の第2の伝熱板から形成され、こ
    のうち前記第2の伝熱板の厚さを所望厚さに形成するこ
    とを特徴とする請求項4又は5記載のレーザダイオード
    励起固体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記第2のヒートシンクと前記レーザダ
    イオードとの間に設けられる前記伝熱板は、ベリリア又
    は窒化アルミニウムにより形成することを特徴とする請
    求項4又は5記載のレーザダイオード励起固体レーザ装
    置。
  9. 【請求項9】 複数のレーザダイオードの発光によりレ
    ーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレーザダイ
    オード励起固体レーザ装置において、 前記各レーザダイオードを冷却するための冷却媒体が流
    れる複数のヒートシンクと、 これらヒートシンクと前記各レーザダイオードとの間の
    熱流束を制限する伝熱部材と、を具備したことを特徴と
    するレーザダイオード励起固体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記伝熱部材は、前記各レーザダイオ
    ードとの接触面積を可変とすることを特徴とする請求項
    4、5又は9記載のレーザダイオード励起固体レーザ装
    置。
  11. 【請求項11】 前記伝熱部材は、少なくとも外形を変
    える、孔を形成する、又は溝を形成することにより前記
    各レーザダイオードとの接触面積を可変とすることを特
    徴とする請求項4、5又は9記載のレーザダイオード励
    起固体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 複数のレーザダイオードの発光により
    レーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレーザダ
    イオード励起固体レーザ装置において、 前記複数のレーザダイオードが冷却媒体の流れる冷却路
    に沿って接触固定され、前記冷却路に流れる前記冷却媒
    体により前記複数のレーザダイオードを冷却し、かつ前
    記冷却路から各々の前記複数のレーザダイオードまでの
    熱流路長をそれぞれ所定の長さに形成されたヒートシン
    ク、を具備したことを特徴とするレーザダイオード励起
    固体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 前記複数のレーザダイオードが冷却媒
    体の流れる冷却路に沿って接触固定された前記ヒートシ
    ンクを複数直列接続した場合、これらヒートシンクは、
    前記冷却媒体の流れる上流から下流の流域に応じて前記
    熱流路長を短く形成したことを特徴とする請求項12記
    載のレーザダイオード励起固体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 複数のレーザダイオードが冷却媒体の
    流れる冷却路に沿って接触固定され、前記冷却媒体の流
    れにより前記複数のレーザダイオードを冷却するヒート
    シンクを備え、かつ前記複数のレーザダイオードの発光
    によりレーザ媒質を励起してレーザ発振を発生させるレ
    ーザダイオード励起固体レーザ装置において、 前記冷却路から前記複数のレーザダイオードまでの熱流
    路長が一定の場合、前記複数のレーザダイオードは、そ
    れぞれ前記ヒートシンクに接触固定する位置に応じた各
    発振波長を持つことを特徴とするレーザダイオード励起
    固体レーザ装置。
  15. 【請求項15】 複数のレーザダイオードが接触固定さ
    れ、冷却媒体の流れにより前記複数のレーザダイオード
    を冷却するヒートシンクを備え、かつ前記複数のレーザ
    ダイオードの発光によりレーザ媒質を励起してレーザ発
    振を発生させるレーザダイオード励起固体レーザ装置に
    おいて、 相反する方向で前記冷却媒体を流す少なくとも2つの冷
    却路を前記ヒートシンクに形成したことを特徴とするレ
    ーザダイオード励起固体レーザ装置。
  16. 【請求項16】 前記複数のレーザダイオードが接触固
    定された前記ヒートシンクを複数直列接続した場合、こ
    れらヒートシンク間に相反する方向で前記冷却媒体を流
    す少なくとも2つの冷却路を形成したことを特徴とする
    請求項15記載のレーザダイオード励起固体レーザ装
    置。
  17. 【請求項17】 少なくとも2つの前記冷却路は、平行
    でかつ所定の間隔に接近して形成されることを特徴とす
    る請求項15又は16記載のレーザダイオード励起固体
    レーザ装置。
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