JP2001235020A - 車両用自動変速機の制御方法 - Google Patents

車両用自動変速機の制御方法

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JP2001235020A JP2000042106A JP2000042106A JP2001235020A JP 2001235020 A JP2001235020 A JP 2001235020A JP 2000042106 A JP2000042106 A JP 2000042106A JP 2000042106 A JP2000042106 A JP 2000042106A JP 2001235020 A JP2001235020 A JP 2001235020A
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勝久 飯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シフトレバーをD→N→D,R→N→Rのよう
に素早く切り替えた時に発生するショックを効果的に軽
減する車両用自動変速機の制御方法を得る。 【解決手段】シフトレバーがD→N→DまたはR→N→
Rに切り替えた場合に、Nレンジ状態での入力回転数が
目標回転数以上に復帰するまでの間、DまたはRレンジ
において係合される係合要素への油圧供給を遅延させ
る。これにより、入力回転数が急降下せず、シフトショ
ックを軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用自動変速機の
制御方法、特にシフトレバーをD→N→D、R→N→R
のように走行レンジからニュートラルレンジを経て再び
走行レンジへ切り替えた場合のショックを軽減する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用の自動変速機は、シフト
レバーを切替操作することにより、所定の係合要素を係
合または解放し、走行レンジとニュートラルレンジとに
切替可能となっている。シフトレバーはマニュアルバル
ブと機械的に連結されており、マニュアルバルブの油路
を切り替え、係合要素への元圧の給排を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両停止状
態で運転者がシフトレバーを操作してD→N→D、R→
N→Rのように走行レンジからニュートラルレンジを経
て再び走行レンジへ切り替える場合がある。特に、この
ような操作を素早く行なった場合には、ガレージショッ
クと呼ばれるショックが発生するという問題がある。
【0004】図11はシフトレバーをN→D→N→Dに
切り替えた時の係合要素の油圧、タービン回転数および
出力軸トルクの時間変化を示したものである。1回目の
Nレンジにおいては、タービン回転数はアイドル回転数
とほぼ等しい回転数を維持しているが、Dレンジに切り
替わるとともに、係合要素に油圧が供給されて係合を開
始するため、タービン回転数はほぼ0rpm(車両が停
止状態にある場合)まで徐々に低下する。この時には、
トルクコンバータによるショック吸収機能が働くので、
シフトショックは殆ど発生しない。次に、再びNレンジ
へ切り替えると、係合要素の油圧が抜け始めるので、タ
ービン回転数は上昇し始める。しかし、素早くNレンジ
からDレンジへ切り替えた場合には、Nレンジでの保持
時間が短いため、係合要素の油圧が十分に抜ける前に油
圧の供給が開始される。そのため、タービン回転数が0
rpmまで急降下し、トルクコンバータによるショック
吸収機能が働かず、ショックが発生することになる。こ
のようなショックは、特に低温時において発生しやす
い。
【0005】そこで、本発明の目的は、シフトレバーを
走行レンジからニュートラルレンジを経て再び走行レン
ジへ素早く切り替えた場合のショックを効果的に軽減で
きる車両用自動変速機の制御方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載の発明によって達成される。すなわち、請求項1に記
載の発明は、シフトレバーを切替操作することにより、
所定の係合要素を係合または解放し、走行レンジとニュ
ートラルレンジとに切替可能とした車両用自動変速機に
おいて、シフトレバーが走行レンジからニュートラルレ
ンジを経て再び走行レンジへ切り替えられたことを検出
する工程と、上記切替時におけるニュートラルレンジ状
態での入力回転数を検出する工程と、上記検出された入
力回転数が目標回転数以上に復帰するまでの間、走行レ
ンジにおいて係合される係合要素への油圧供給を遅延さ
せる工程と、を有することを特徴とする車両用自動変速
機の制御方法である。
【0007】例えばシフトレバーをD→N→Dに素早く
切り替えた場合を想定すると、D→Nへの切替に伴っ
て、係合要素の油圧が抜けるので、入力回転数は上昇し
始める。続いて、N→Dレンジへ素早く切り替えると、
係合要素の油圧が十分に抜ける前に油圧の供給が開始さ
れるので、入力回転数が0rpmまで急降下してしま
う。そこで、本発明ではNレンジでの入力回転数が目標
回転数以上に復帰するまでの間、係合要素への油圧供給
を遅延させる。つまり、シフトレバーがDレンジに切り
替わっても、係合要素には油圧を供給せずに待機させ
る。これによって、次に係合要素に油圧の供給を開始し
た時に入力回転数が0rpmまで急降下せず、ショック
が改善される。係合要素への油圧供給を開始する時の目
標入力回転数としては、あまり高く設定し過ぎると、係
合要素の係合開始が遅れるので、次に係合要素に油圧を
供給した時にトルクコンバータによるショック吸収機能
が働くことができる最低回転数付近とするのがよい。
【0008】本発明の制御方法は、電磁弁を用いた電子
制御式自動変速機に適用するのがよい。すなわち、シフ
トレバーを切り替えた場合、シフトレバーに機械的に連
結されたマニュアルバルブも同時に切り替わり、マニュ
アルバルブを介してライン圧が係合要素の油圧回路に供
給されるが、DレンジやRレンジ時に係合する係合要素
の油圧回路中には、この係合要素の油圧を制御するコン
トロールバルブが設けられている。コントロールバルブ
としては、リニアソレノイド弁やデューティ制御弁など
の電磁弁が用いられる。本発明では、D→N→DやR→
N→Rの切り替わり時の入力回転数を電気的に検出し、
この入力回転数に応じて電磁弁を電子制御することで、
係合要素への油圧供給を自在に遅延させることができ
る。つまり、既存の電子制御式自動変速機を利用し、そ
の係合要素の制御プログラムを一部変更するのみで、本
発明を実施することができる。
【0009】ところで、係合要素には油圧を受けてクラ
ッチ板を締結させるピストンと、ピストンを復帰付勢す
るリターンスプリングが設けられているが、ピストンに
油圧を供給しても、即座に係合を開始する訳ではない。
すなわち、油圧を受けてピストンがリターンスプリング
に抗して移動し、クラッチ板に接触するまでの間が無効
ストロークとなり、これが係合遅れの原因となる。この
ような係合遅れを解消するために、従来の自動変速機で
は、係合要素の係合開始時に高い油圧(例えばライン
圧)を一時的にかけて無効ストロークを短時間で解消す
ること、つまり 「がた詰め」が広く行なわれている。
なお、本発明で「がた詰め」とは、上記のようにピスト
ンを移動させる場合に限らず、係合要素への油圧回路に
油を満たすだけの制御も含むものであり、係合遅れを少
しでも短縮できる制御であればよい。D→N→D、R→
N→Rのように係合要素が係合〜解放〜係合へと状態変
化を生じた場合にもがた詰めが行なわれるが、本発明の
ようにNレンジでの入力回転数が目標回転数以上に復帰
するまでの間、係合要素への油圧供給を遅延させたとし
ても、がた詰めを行なうと入力回転数が大きく低下する
ので、ショックが発生する可能性がある。
【0010】そこで、請求項2では、Nレンジでの保持
時間が短くなるに従い、がた詰め量を小さくするか、あ
るいはNレンジでの保持時間が設定時間より短い時には
がた詰めを禁止するものである。つまり、Nレンジでの
保持時間が短い場合には、請求項1のように係合要素へ
の油圧供給を遅延させるとともに、Nレンジでの保持時
間が短くなるに従いがた詰め量を小さくするか、あるい
はがた詰めを禁止することで、係合遅れの解消と再係合
時のショック軽減とを両立させることができる。がた詰
め量を小さくする具体的方法としては、がた詰め時間を
短くする方法や、がた詰め油圧を低くする方法などがあ
る。また、Nレンジでの保持時間が設定時間より短い時
にはがた詰めを禁止する方法の場合には、係合遅れの解
消と再係合時のショック低減とを両立させることができ
るとともに、制御が簡単になるという利点がある。
【0011】請求項2の制御方法は、自動変速機の油温
が設定温度より低い場合のみ実施してもよい。つまり、
ATF油温が低い時には油の粘度が高くなり、油圧の立
ち下がりが鈍くなるので、Nレンジの保持時間と係合シ
ョックとの関係も高温時とで異なる。そこで、油温が設
定温度より低い場合のみ請求項2の制御を実施し、油温
が設定温度より高い場合には、通常通りの制御を行なっ
てもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかる車両用自動
変速機を搭載した車両のシステムを示す。エンジン1の
出力は自動変速機2のトルクコンバータ3を経て変速機
構4に伝達され、さらに変速機構4は出力軸5を介して
車輪(図示せず)に連結されている。自動変速機2はエ
ンジン1によりトルクコンバータ3を介して駆動される
オイルポンプ6を備え、このオイルポンプ6の吐出圧は
油圧制御装置7へ送られる。油圧制御装置7は第1〜第
4電磁弁21〜24を備えており、これら電磁弁21〜
24を電子制御装置20で制御することにより、変速機
構4に内蔵されている各種係合要素の油圧を走行状態に
応じた各種の信号に応じて制御している。ここでは、電
子制御装置20にシフトポジション,入力回転数(ター
ビン回転数),車速,スロットル開度,ATF油温など
の信号が入力されている。
【0013】図2は変速機構4の一例を示す。変速機構
4は、トルクコンバータ3を介してエンジン動力が伝達
される入力軸10、係合要素である3個のクラッチC1
〜C3および2個のブレーキB1,B2、ワンウエイク
ラッチF、ラビニヨウ型遊星歯車機構11、差動装置1
4などを備えている。遊星歯車機構11のフォワードサ
ンギヤ11aはC1クラッチを介して入力軸10と連結
されており、フォワードサンギヤ11aはB1ブレーキ
を介して変速機ケース16とも連結されている。リヤサ
ンギヤ11bはC2クラッチを介して入力軸10と連結
されている。キャリヤ11cはセンターシャフト15お
よびC3クラッチを介して入力軸10と連結されてい
る。また、キャリヤ11cはB2ブレーキとキャリヤ1
1cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウ
ェイクラッチFとを介して変速機ケース16に連結され
ている。キャリヤ11cは2種類のピニオンギヤ11
d,11eを支持しており、フォワードサンギヤ11a
は軸長の長いロングピニオン11dと噛み合い、リヤサ
ンギヤ11bは軸長の短いショートピニオン11eを介
してロングピニオン11dと噛み合っている。ロングピ
ニオン11dのみと噛み合うリングギヤ11fは出力ギ
ヤ12に結合されている。出力ギヤ12は中間軸13を
介して差動装置14と接続されている。
【0014】変速機構4は、クラッチC1,C2,C
3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの
作動によって図3のように前進4段、後退1段の変速段
を実現している。図3において、●は油圧の作用状態を
示している。なお、B2ブレーキは後退時とLレンジの
第1速時に係合する。また、図3には第1〜第4電磁弁
21〜24の作動状態も示されている。○は通電状態、
×は非通電状態、△は一時的な通電状態を示す。なお、
この作動表は定常状態の作動を示している。
【0015】第1電磁弁21はB1ブレーキ制御用であ
り、第2電磁弁22はC2クラッチ制御用であり、第3
電磁弁23はC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用
とを兼ねている。また、第4電磁弁24はLレンジ(1
速)時とRレンジの切換過渡時の制御用である。第1〜
第3電磁弁21〜23は微妙な油圧制御を行なうため、
デューティ制御弁またはリニアソレノイド弁が用いら
れ、第4電磁弁24はON/OFF切換弁が用いられ
る。なお、油圧制御装置7には、変速制御用の4個の電
磁弁21〜24の他に、トルクコンバータ3のロックア
ップ制御用やライン圧制御用などの電磁弁を設けてもよ
い。
【0016】図4はC2クラッチの油圧回路の一例を示
す概略図である。マニュアルバルブ30にはライン圧P
L が常時入力されており、マニュアルバルブ30をシフ
トレバー31の操作と連動してD位置へ切り替えること
により、ライン圧PL は常開型の第2電磁弁22を介し
てC2クラッチへ供給される。図4において、×はドレ
ーンを示す。なお、図4では、C2クラッチを第2電磁
弁22単体で制御する例を示すが、電磁弁と電磁弁の信
号圧によって制御されるスプール弁との組み合わせでも
よいし、別の弁を介在させてもよいことは勿論である。
【0017】次に、本発明にかかる制御方法の一例を図
5に示す。図5は、シフトレバーをN→D→N→Dへ切
り替えた場合、つまりC2クラッチが解放〜係合〜解放
〜係合へと状態変化した場合の第2電磁弁の供給電流、
C2クラッチ圧、タービン回転数および出力軸トルクの
時間変化を示す。最初のNレンジにおいては、マニュア
ルバルブ30からの供給油路がドレーンされているの
で、C2クラッチは解放され、タービン回転数はアイド
ル回転数とほぼ等しい回転数を維持している。Dレンジ
に切り替わるとともに、マニュアルバルブ30から第2
電磁弁22を介してC2クラッチに油圧が供給され、C
2クラッチが係合を開始するため、タービン回転数はほ
ぼ0rpm(車両が停止状態にある場合)まで徐々に低
下する。この時点では、シフトショックは殆ど発生しな
い。ここで再びNレンジへ切り替えると、C2クラッチ
の油圧が抜けるので、タービン回転数は上昇し始める
が、そこで素早くNレンジからDレンジへ切り替えた場
合には、タービン回転数が0rpmまで急降下し、ショ
ックが発生する可能性がある。しかしながら、本発明で
はシフトレバーがNレンジからDレンジへ切り替えられ
ても、タービン回転数が目標回転数N0 に達するまで第
2電磁弁22をON(ドレーン)状態に維持し、C2ク
ラッチへの油圧供給を遅延または待機させる。この目標
回転数N0 は、C2クラッチへ油圧が供給された時に瞬
間的に低下するタービン回転数より高い回転数N0 に設
定されている。したがって、次にC2クラッチへ油圧供
給が開始された時、タービン回転数が0rpmまで急降
下せず、トルクコンバータがショックを吸収できるの
で、シフトショックを改善することができる。N→Dへ
切り替えた後、タービン回転数が目標回転数N0 に達す
るまでの遅延期間T0 は、ATF油温やクラッチ容量に
もよるが、100msec程度である。その間にタービ
ン回転数は数百回転以上上昇するので、C2クラッチの
再係合時のショックを解消できる。
【0018】図6はシフトレバーをD→N→DまたはR
→N→Rへ切り替えた時の本発明の制御方法を示す。ス
タートすると、まずシフトレバーをD→N→DまたはR
→N→Rへ切り替えたか否かを判別する(ステップS
1)。切り替えた場合には、DまたはRレンジへ切り替
える直前のNレンジ時におけるタービン回転数Ntを検
出し(ステップS2)、このタービン回転数Ntを目標
回転数N0 と比較する(ステップS3)。Nt<N0
時には、再びステップS3に戻り、タービン回転数Nt
が上昇するのを待つ。つまり、シフトレバーをDレンジ
またはRレンジへ切り替えた後もNレンジ状態を維持す
る。やがてNt≧N0 になると、係合要素(D→N→D
の場合にはC2クラッチ,R→N→Rの場合にはB2ブ
レーキ)への油圧供給を開始し、DレンジまたはRレン
ジへ移行する。具体的には、電子制御装置20が第2電
磁弁22または第3電磁弁23への供給電流の制御を開
始することにより、C2クラッチまたはB2ブレーキを
徐々に締結する。
【0019】図5,図6ではC2クラッチの係合時にが
た詰めを行なわない例について説明したが、次にがた詰
めを行なう例について図7に従って説明する。ここで
は、Nレンジの保持時間(C2クラッチの解放時間)が
短くなるに従い、がた詰め時間を短くする方法について
説明する。図7はシフトレバーをN→D→N→Dへ切り
替えた場合のC2クラッチ制御用電磁弁22への供給電
流の変化を示す。なお、ここでは電磁弁として電流OF
F状態で出力油圧がONする常開型弁を用いたが、常閉
型弁の場合にはONとOFFとが逆になる。1回目のN
→Dへの切替時には、それ以前のNレンジの保持時間が
長いので、通常どおりのがた詰め時間Taでがた詰めを
行なってもショックは殆ど発生せず、クラッチ係合遅れ
を効果的に解消できる。一方、2回目のN→Dへの切替
時には、図5と同様にタービン回転数が目標回転数N0
まで上昇する間、C2クラッチへの油圧供給を遅延させ
るため、待機時間T0 を設ける。しかし、待機時間T0
を設けてもタービン回転数が通常時のアイドル回転数ま
で上昇していないので、通常どおりのがた詰め時間Ta
を設けるとショックが発生する可能性がある。そこで、
Nレンジの保持時間Tnが短い場合には、がた詰め時間
Tbを通常時より短くすることで、がた詰め量を小さく
している。その結果、2回目のN→Dへの切替時のがた
詰め量が小さくなり、タービン回転数が大きく低下しな
いので、ショックを回避することができる。
【0020】図8はNレンジの保持時間Tnとがた詰め
時間Tcとの関係を示す。図8の(a)では、保持時間
Tnの増加に伴ってがた詰め時間Tcもほぼ比例的に増
加するように設定してある。そして、所定の保持時間T
noを越えると、がた詰め時間Tcは基準時間Tcoと
なり、一定となる。なお、図8の(a)の実線は保持時
間Tnとがた詰め時間Tcとが比例的関係にある場合で
あるが、破線で示すように階段状に設定してもよいし、
さらに図8の(b)のように所定の保持時間Tno以下
ではがた詰め時間Tcを0、つまりがた詰めを禁止する
ようにしてもよい。がた詰めを禁止すれば、その時のタ
ービン回転数の変化は図5のようになる。このように、
保持時間Tnに応じてがた詰め時間Tcを可変すること
で、係合要素の係合遅れの防止と、ショックの解消とを
両立できる。
【0021】図9はがた詰め制御の他の実施例、つまり
Nレンジの保持時間が短くなるに従いがた詰め油圧(電
流値)を低くする方法を示す。この場合も、図7と同様
に、シフトレバーをN→D→N→Dへ切り替えた場合の
C2クラッチ制御用電磁弁(常開型)22への供給電流
の変化を示す。1回目のN→Dへの切替時には、それ以
前のNレンジの保持時間が長いので、通常どおりのがた
詰め油圧Paでがた詰めを行なってもショックは殆ど発
生せず、クラッチ係合遅れを効果的に解消できる。2回
目のN→Dへの切替時には、Nレンジ時の保持時間Tn
が短いので、タービン回転数が目標回転数N0 まで上昇
する間(時間T0 )、C2クラッチへの油圧供給を遅延
させる。そして、C2クラッチへの油圧の供給を開始す
る際、がた詰め油圧Pbを通常時より低くすることで、
がた詰め量を小さくしている。その結果、2回目のN→
Dへの切替時のがた詰め量が小さくなり、タービン回転
数が大きく低下しないので、ショックを回避することが
できる。
【0022】図10は保持時間Tnとがた詰め油圧Pc
との関係を示す。図10の(a)では、保持時間Tnの
増加に伴ってがた詰め油圧Pcもほぼ比例的に増加する
ように設定してある。そして、所定の保持時間Tnoを
越えると、がた詰め油圧Pcは基準圧力Pcoとなり、
一定となる。なお、図10の(a)の実線は保持時間T
nとがた詰め油圧Pcとが比例的関係にある場合である
が、破線で示すように階段状に設定してもよいし、さら
に図10の(b)のように所定の保持時間Tno以下で
はがた詰め油圧Pcを0、つまりがた詰めを禁止するよ
うにしてもよい。
【0023】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。上記実施例では、3個のクラッチC1〜C3と2
個のブレーキB1,B2を有する自動変速機について説
明したが、これに限るものではなく、種々の係合要素を
持つ自動変速機に適用可能である。また、本発明の制御
方法は、D→N→D、R→N→Rの切替のほか、R→P
→Rなどの切替においても有効であり、さらにD→N→
R→N→Dのように、Nレンジの間に別の走行レンジが
介在するような場合でも、本発明は有効である。
【0024】上記実施例では、Nレンジの保持時間Tn
に基づいてがた詰め時間Tcまたはがた詰め油圧(電
流)Pcの一方のみを変化させる例を示したが、両者を
同時に変化させてもよい。つまり、保持時間Tnが短く
なるに従い、がた詰め時間Tcおよびがた詰め油圧Pc
の双方を短く(小さく)設定してもよい。
【0025】上記実施例では、Nレンジの保持時間に基
づいてがた詰め時間またはがた詰め油圧を設定したが、
これに油温の条件を加味して設定してもよい。つまり、
ATF油温が低い時には油圧の立ち下がりが鈍く、保持
時間と係合ショックの関係も高温時とで異なるので、油
温が設定温度より低い場合のみ、保持時間が短くなるに
従いがた詰め量を小さく設定し、あるいは保持時間が設
定時間より短い時にがた詰めを禁止し、油温が設定温度
より高い場合には、通常通りのがた詰め制御 (がた詰
め時間およびがた詰め油圧が一定)を行なうようにして
もよい。
【0026】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載の発明によれば、シフトレバーを走行レンジから
ニュートラルレンジを経て再び走行レンジへ切り替えた
場合に、ニュートラルレンジ状態での入力回転数が目標
回転数以上に復帰するまでの間、走行レンジにおいて係
合される係合要素への油圧供給を遅延させるよう制御し
たので、入力回転数が急降下せず、シフトショックを軽
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における車両用自動変速機を搭載したシ
ステム図である。
【図2】図1の自動変速機の変速機構のスケルトン図で
ある。
【図3】図2に示す変速機構の各係合要素および電磁弁
の作動表である。
【図4】C2クラッチの油圧回路の一例の概略図であ
る。
【図5】本発明にかかるC2クラッチ圧、タービン回転
数および出力軸トルクの時間変化図である。
【図6】本発明にかかる制御方法の一例のフローチャー
ト図である。
【図7】本発明にがた詰め制御を併用した一例の電磁弁
への供給電流の時間変化図である。
【図8】図7におけるがた詰め時間と保持時間との関係
を示す図である。
【図9】本発明にがた詰め制御を併用した他の例の電磁
弁への供給電流の時間変化図である。
【図10】図9におけるがた詰め油圧と保持時間との関
係を示す図である。
【図11】従来の係合要素の油圧、タービン回転数およ
び出力軸トルクの時間変化図である。
【符号の説明】 C2 クラッチ(係合要素) B2 ブレーキ(係合要素) 20 電子制御装置 22,23 電磁弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シフトレバーを切替操作することにより、
    所定の係合要素を係合または解放し、走行レンジとニュ
    ートラルレンジとに切替可能とした車両用自動変速機に
    おいて、シフトレバーが走行レンジからニュートラルレ
    ンジを経て再び走行レンジへ切り替えられたことを検出
    する工程と、上記切替時におけるニュートラルレンジ状
    態での入力回転数を検出する工程と、上記検出された入
    力回転数が目標回転数以上に復帰するまでの間、走行レ
    ンジにおいて係合される係合要素への油圧供給を遅延さ
    せる工程と、を有することを特徴とする車両用自動変速
    機の制御方法。
  2. 【請求項2】上記係合要素への油圧供給の開始時に一時
    的に高い油圧を供給してがた詰めを行なう工程を含み、
    ニュートラルレンジでの保持時間が短くなるに従い、が
    た詰め量を小さくするか、あるいはニュートラルレンジ
    での保持時間が設定時間より短い時にはがた詰めを禁止
    することを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速
    機の制御方法。
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