JP2001234543A - 伐採木を利用する法面浸食防止用の袋体、伐採木を利用する土留、伐採木を利用する法面保護体、および、伐採木を利用する法枠の形成方法 - Google Patents

伐採木を利用する法面浸食防止用の袋体、伐採木を利用する土留、伐採木を利用する法面保護体、および、伐採木を利用する法枠の形成方法

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JP2001234543A JP2000046317A JP2000046317A JP2001234543A JP 2001234543 A JP2001234543 A JP 2001234543A JP 2000046317 A JP2000046317 A JP 2000046317A JP 2000046317 A JP2000046317 A JP 2000046317A JP 2001234543 A JP2001234543 A JP 2001234543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造成地において造成の段階で大量に発生
する伐採木を多額のコストをかけることなく有効に活用
して資源の再利用を行なうと共に、造成地の安定化に寄
与することができる伐採木を利用する法面浸食防止用の
袋体、伐採木を利用する土留、伐採木を利用する法面保
護体、および、伐採木を利用する法枠の形成方法を提供
する。 【解決手段】 筒状の網体2内に伐採木4を裁断した木
材片3を充填してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伐採木を利用する法
面浸食防止用の袋体、伐採木を利用する土留、伐採木を
利用する法面保護体、および、伐採木を利用する法枠の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大規模造成地において造成の
段階で大量の伐採木が発生している。これらの伐採木の
うち木材としての価値があるものについては、これに加
工を施して利用することが可能であるが、木材としての
価値がないものについては、その処分に困っていた。ま
た、木材としての価値がない伐採木は法面の保護用の土
留を形成するとしても形が歪で十分の機能を持たせるこ
とが困難であった。そこで、このような伐採木を裁断し
て木材片(伐採木チップ)を形成し、この木材片を厚層
基材吹付土の基盤材に30%程度の割合で混入すること
によって伐採木を処分していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の伐採木の処分方法では造成の段階で大量に発生する
全ての伐採木を処分することができなかった。そこで、
厚層基材吹付土の基盤材に30%を越える木材片を混入
することが考えられるが、木材片が腐蝕するときに窒素
を吸収して窒素飢餓が生じたり、揮発成分や樹脂が生じ
るなどして、植物の成育にふさわしくない環境を発生す
る原因となり、厚層基材吹付土としての性能に問題が生
じることが懸念される。
【0004】また、伐採木を現地において焼却処分する
ことも、産業廃棄物として他の場所において処分するこ
とも法律による規制があった。つまり、伐採木の単位面
積あたりの発生量に対して、この伐採木の使用量に限り
があり、伐採木の発生量に対応することができないとい
う実情があった。
【0005】本発明はこのような実情を考慮に入れてな
されたものであって、造成地において造成の段階で大量
に発生する伐採木を多額のコストをかけることなく有効
に活用して資源の再利用を行なうと共に、造成地の安定
化に寄与することができる伐採木を利用する法面浸食防
止用の袋体、伐採木を利用する土留、伐採木を利用する
法面保護体、および、伐採木を利用する法枠の形成方法
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための手段を以下のように構成している。すな
わち、第1発明の伐採木を利用する法面浸食防止用の袋
体は、筒状の網体内に伐採木を裁断した木材片を充填し
てなることを特徴としている。
【0007】上記構成の袋体を用いることにより、伐採
木の状態に関係なく多量の伐採木を効果的に用いること
ができるので、造成の段階で発生する伐採木がたとえ木
材としての価値がないものであってもこれを有効に活用
でき、単位面積当たりに発生する伐採木を現地にて再利
用することにより、資源の有効利用を図ることができ
る。
【0008】また、前記袋体は法面に配置したときに、
法面の湾曲に対して土嚢の如く柔軟に対応でき、袋体と
法面との間に隙間が生じることがない。そして、袋体に
アンカなどを突き刺して直接法面に配置することが可能
となり、この袋体を用いた施工が極めて容易となる。加
えて、前記網体が耐蝕性を有する合成樹脂からなる場合
には、法面浸食防止用の袋体が比較的長期間にわたって
その形を保形できるので、その信頼性を高めることがで
きる。
【0009】第2発明の伐採木を利用する土留は、前記
袋体と、この袋体を法面に対して等高線状に配列した状
態で法面に固定するアンカとを有することを特徴として
いる。
【0010】また、第3発明の伐採木を利用する土留
は、前記袋体と、この袋体を法面に対して等高線状に配
列した状態で法面に固定する支柱とを有することを特徴
としている。
【0011】したがって、前記土留の強度や形状は袋体
の材質および木材片の充填密度などによって自由に設定
可能であり、あらゆる土留工事に適用できる土留を提供
できる。特に、本発明の土留は土壌の流亡を防止できる
だけでなく、木材片の間に生じた隙間を用いて浄化され
た水を適量流すことができるので、環境保全に役立つと
共に、実質的に法面の勾配を部分的に緩和することがで
きる。
【0012】そして、土留によって留められる土内が水
浸しになることを防止できるので、この土を用いて効果
的な植生を行うことができる。また、前記土留が筒状の
袋体内に前記木材片を充填してなるものであるから、土
留の強度を高く保つことができ、それだけ土留としての
信頼性を向上できる。前記袋体が前記支柱の山側に沿わ
せた状態で重ねられた複数の袋体である場合には、この
土留によってより多くの土砂を保持することができる。
【0013】第4発明の伐採木を利用する法面保護体
は、法面に敷設されるネット材と、このネット材に対し
てほゞ等高線状に取り付けられた筒状の網体と、この網
体内に充填される伐採木を裁断した木材片とを有するこ
とを特徴としている。
【0014】したがって、上記構成の法面保護体を用い
ることにより、造成の段階で発生する伐採木を現地にて
再利用して資源の有効利用を図ることができるだけでな
く、ネット材に対して袋体が取り付けられているので、
この法面保護体を配置することにより、筒状の網体によ
って法面から流れ出る土砂をくい止めることができ、結
果的に法面の傾斜を部分的に緩くして、その保護を行う
ことができる。
【0015】また、前記法面保護体は、法面に敷設され
るネット材に対して筒状の網体からなる袋体を取り付け
て、この袋体がほゞ等高線状に配列されるようにネット
材および袋体を法面に敷設する一方、伐採木を裁断して
木材片を形成し、この木材片を前記袋体内に充填するこ
とによって形成することも可能である。この場合、法面
保護体は前記ネット材および袋体を先に法面に配置した
後に、次いで木材片を袋体内に充填するので、施工時に
軽作業によって伐採木を利用する法面保護体を形成する
ことができる。
【0016】第5発明の法枠の形成方法は、前記袋体を
複数法面に配列し、これらの袋体によってほゞ四角形状
の法枠を形成することを特徴としている。
【0017】したがって、前記法枠の形成方法を実施す
ることにより、法枠の形成を簡便に行うことができる。
特に、前記土留は雨水を適度に減速しながら通すことが
できるので、実質的に法面の勾配を部分的に緩和するこ
とができる。すなわち、多量の雨によるエロージョンか
ら法面を効果的に保護できる。前記法枠によって囲まれ
た部分に植生基材を吹きつける場合には植生基材の流亡
を防止し、植生基盤を安定させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の伐採木を利用する
法面浸食防止用の袋体1の一例を示す図である。図1に
おいて、2は筒状の網体、3は伐採木を裁断した木材片
である。網体2は例えば、耐久性に富む繊維からなり、
例えばナイロンやポリエステル、ポリエチレン、アラミ
ド、カーボン、ガラス、ポリアセタール等からなる繊維
を用いて、目合い2〜15mmの格子状に成型したもの
を筒状に形成したものである。しかしながら、前記網体
2は上記の繊維による線条を用いて、上記と同様の目合
いの網状体に編組したものにしてもよく、これら両者を
重ね合わせてもよい。また、前記網体2を構成する繊維
は、幅1m当たりの引っ張り強度を、0.5〜7.0t
程度としている。なお、この引っ張り強度は、袋体1の
保形強度を適切なものとするために、望ましくは0.8
〜2.0t程度としている。
【0019】前記網体2は耐蝕性を有する合成樹脂によ
って形成することにより、施工後の長期間にわたって、
その形状を保持することができるが、本発明は網体2の
材料を耐蝕性を有する合成樹脂に限定するものではな
い。すなわち、網体2を長期的には徐々に腐蝕して、最
終的に自然分解されるヤシ繊維などの繊維によって形成
してもよい。
【0020】また、前記袋体1は網体2内に充填される
木材片3を大量に詰め込むことにより、より保形強度の
高い袋体1を形成することが可能であるが、網体2内に
充填される木材片3の量を少なくすることにより、袋体
1の柔軟性を高めることができる。すなわち、袋体1に
充填する木材片3の量により、袋体1の特性を自在に設
定できる。さらに、網体2として金網を用いてもよく、
この場合には、袋体1を形の整った丸太のように強固な
剛性を有するものとして使用することも可能となる。
【0021】前記袋体1の大きさは、施工や運搬の容易
性および充填する木材片3の量によって任意に変更可能
であるが、例えば、長さ1m〜5m、直径50mm〜3
00mm程度にすることができる。すなわち、木材片3
の充填作業にかかる手間や形成された袋体1の重量の関
係からその大きさを適宜選択することができる。
【0022】図2は前記袋体1の形成方法を開示する図
である。図2において、Nは法面、4はこの法面Nを切
り開いて造成する段階で発生する伐採木、5はこの伐採
木4を裁断して前記網体2の目合いより大きい木材片3
を生成する裁断機、6は生成された木材片3を搬送する
空気圧送装置、7はこの空気圧送装置6によって搬送さ
れた木材片3を前記網体2内に充填するためのノズル、
Aはノズル7の部分まで搬送された木材片3を勢い良く
吐出するために供給されるエアーである。
【0023】なお、前記木材片3が5cm以下(2,3
cm程度)の小径である場合には、前記空気圧送装置6
としてエアロシーダー、モルタル吹付け機、コアンダ方
式充填機などを用いることにより、エアー圧送によって
袋体2内に木材片3を充填することができる。また、前
記裁断機5によって裁断されて網体2内に充填する物と
して前記伐採木4に加えて、建築廃材としての木材など
を混合してもよいことはいうまでもない。
【0024】すなわち、森林などを切り開いて造成する
ときに発生する伐採木4が、たとえ木材としての価値が
ない、歪な形状のものであっても、これを裁断して網体
2に充填することにより、太さや長さが均一な袋体1を
形成することができ、これを法面Nの造成工事に役立て
ることができる。また、一つの袋体1内に多量の木材片
3を封入してこれを消費できるだけでなく、長期的には
木材片3が腐蝕して、何れ他の植物の成育のための栄養
素を供給することになる。長期間にわたって、土留その
他の効果を持続させるためには、袋体に使用する網体を
体腐食性の合成樹脂素材とし、充填した、または充填す
る木材片を防腐処理すれば、その効果を持続させること
ができる。
【0025】加えて、前記袋体1は適度に水を吸収し、
木材片3によって浄化して下流側に流すことができる。
したがって、この袋体1を法面Nに配置することによ
り、法面Nにおける水の流れを抑制し浄化しながら適度
に流すことができ、環境保全に役立てることができる。
【0026】つまり、従来では処分に困っていた伐採木
4を有効に活用でき、資源を再利用できる。さらに、従
来のように木材片3を法面Nの全面に頒布する必要がな
いので、腐蝕の段階で発生する窒素飢餓が法面Nにおけ
る植物の成育を妨げることがない。なお、本発明の袋体
1を法面Nに配置した上で、植物の成育を妨げない程度
に植生材料に木材片3を混合して法面Nの全面に頒布し
てもよいことはいうまでもない。
【0027】図3(A),(B)は前記袋体1を用いた
施工例を開示する図であって、伐採木を利用する土留の
構成を示す図である。また、図3(A)は前記袋体1を
用いた土留1Aの設置状態を示す斜視図であって、図3
(B)は前記土留1Aの断面図である。
【0028】図3(A)に示すように、本例の袋体1は
柔軟性のある繊維からなる網体2によって形成されてお
り、柔軟性を有するものであるから、法面Nに対してそ
の等高線を描くように配置することにより、法面Nの凹
凸に対して土嚢の如く柔軟に対応できる。すなわち、法
面Nに対して隙間なく敷設可能である。しかも、土嚢に
比べてはるかに軽量であるから施工が容易となる。
【0029】また、配置した袋体1に対して任意の位置
にアンカ8を打ち込むことができ、こうして袋体1とア
ンカ8によって極めて容易に土留1Aを形成することが
できる。つまり、前記土留1Aは法面Nに対して極めて
容易に設置可能であり、土留1Aの形成を極めて容易に
行うことができる。
【0030】そして、図3(B)に示すように、法面N
に形成された土留1Aは土砂の流亡を阻止して二点鎖線
で示すように土砂の堆積部分9を形成することができ
る。さらに、土留1Aを構成する袋体1は筒状の網体2
と、この網体2の内部に充填された木材片3とからなっ
ているので、土砂の流れをせき止めるだけでなく雨水な
どを浄化しながら下流に流すことができる。したがっ
て、前記土砂の堆積部分9に堆積された土砂が水浸しに
なることを避けることができ、この堆積部分9を利用し
て植物の成育をすることも可能となる。
【0031】また、前記土留1Aは土砂の堆積部分9を
形成することにより、法面Nの勾配を部分的に緩和する
ことができ、それだけ法面Nを雨水などによるエロージ
ョンから保護することが可能となる。さらに、この土留
1Aを配置した後に、法面Nに植生基材などを吹きつけ
た場合には、植生基材の流亡を防止し、植生基盤を安定
させることができる。
【0032】図4は(A),(B)は前記袋体1を用い
た別の施工例を開示する図であって、伐採木を利用する
土留の別の例を示す図である。また、図4(A)は前記
袋体1を用いた土留1Bの設置状態を示す断面図であっ
て、図4(B)はこの土留1Bを用いて水際を形成した
状態を示す断面図である。
【0033】図4(A)において、10は法面Nに対し
て等高線状に配列した状態で複数打ち込まれた支柱であ
る。本例の土留1Bは、この支柱10と、支柱10の山
側に沿わせた状態で複数段(図示例では3段)重ねられ
て設置する袋体1とからなっている。本例のように、複
数の袋体1を重ねて土留1Bを構成する場合には、この
土留1Bによって形成される土砂の堆積部分9に多量の
土砂をせき止めることが可能となる。しかしながら、本
発明の土留1Bを構成する袋体1は複数あることに限定
するものではない。
【0034】本発明の土留1Bは、各袋体1の形状がほ
ゞ均一であるから、丸太などの木材を用いた従来の土留
に比べて隙間を少なくすることができ、それだけ土留1
Bとしての性能を高めることができる。なお、本例の場
合、袋体1を構成する網体2はある程度の保形強度を得
ることができる程度の引っ張り強度を有する繊維からな
ることが好ましく、望ましくは金網を用いることができ
る。また、網体2内には木材片3を密に充填することが
望ましい。
【0035】一方、法面Nの凹凸が激しい場合には、袋
体1を構成する網体2を合成樹脂などの適度な柔軟性を
有するものとして、支柱10をより短い間隔で配置する
ことも可能である。この場合には法面Nの凹凸に柔軟に
対応する土留1Bを形成することができる。
【0036】また、本例の土留1Bにおいても、図1〜
3の説明において詳述した変形と同様の変形が可能であ
ることはいうまでもない。
【0037】図4(B)に示すように、本例の土留1B
は水際を構成する土留として用いるのに好適である。す
なわち、前記土留1Bは、符号11によって示す土砂を
せき止めるだけでなく、土砂11にしみ込んだ雨水など
を濾して流すことができる。したがって、符号Wによっ
て示す湖や水田などの貯水域を汚すことなく自然な水の
流れを形成することができ、それだけ環境保全を達成す
ることができる。
【0038】図5は前記伐採木4(図2参照)を利用す
る法面保護体1Cの構成を示す斜視図である。図5にお
いて、12は法面N(図2〜4参照)に敷設されるネッ
ト材であって、既に詳述した網体2と同じ繊維によって
形成される。本例の法面保護体1Cは、ネット材12
と、このネット材12に取り付けられた網体2およびこ
の網体2内に充填された木材片3からなる袋体1とを有
している。なお、前記ネット材12に取り付けられた網
体2の構成およびこの網体2内への木材片3の充填方法
については図1,2の説明とほゞ同じであるので、その
詳細な説明を省略する。
【0039】また、前記袋体1はネット材12に対して
例えば50〜100cmの間隔で平行に取り付けられて
いる。したがって、これら各袋体1が法面Nの斜面に対
してほゞ等高線状に配置されるように、前記法面保護体
1Cを法面Nに敷設することにより、複数の袋体1を法
面に設置することができる。また、袋体1に柔軟性を持
たせることにより、法面保護体1Cは法面Nの起伏に柔
軟に対応させることができる。
【0040】なお、本例の法面保護体1Cはネット材1
2に既に取り付けられた網体2内に木材片3を充填した
例を開示しているが、本発明はこの例に限定するもので
はない。すなわち、ネット材12に対して既に形成され
た袋体1を適宜の間隔で取り付けることにより法面保護
体1Cを形成してもよい。
【0041】逆に、網体2が適宜の間隔で取り付けられ
たネット材12を法面Nに敷設し、その後、各網体2の
それぞれの中に図2に示すような空気圧送装置6によっ
て木材片3を吹き込んで袋体1を形成してもよい。この
場合、軽量のネット材12および網体2を法面Nに配置
し、これを法面Nに固定したのちに、図2に示すノズル
7を法面Nに配設された網体2内に挿入して、袋体1を
形成することにより、伐採木を利用する法面保護体1C
を形成可能である。したがって、法面保護体1Cの施工
が容易となり、それだけ施工コストを抑えることができ
る。
【0042】なお、前記法面保護体1Cを法面Nに設置
した後に、法面保護体1Cの上から植生基材を吹きつけ
てもよい。すなわち、法面保護体1Cを利用してこれに
よって植生基盤を形成し、植生基材の流亡防止および植
生基盤の安定化を図ることができる。また、このとき植
生基材内に約30%程度までの木材片3を混入させて、
伐採木4をより効率的に消費しもよい。
【0043】図6(A),(B)は前記袋体1を複数本
用いた法枠1Dの形成方法を説明する図であって、図6
(A)は法枠1Dの全体構成を示す斜視図、図6(B)
は要部拡大図である。
【0044】図6(A)において、1a,1bは法面N
の傾斜に対して互いにほぼ直角に交わるように配列され
た袋体1である。すなわち、これらの袋体1a,1bに
よってほゞ四角形状の法枠1Dを形成する。なお、本例
の場合、各袋体1a,1bの長さが法面N全体を縦断ま
たは横断できる程度の長さを有するものであれば、前記
袋体1a,1bを途中で継ぎ足すことがないので望まし
いが、袋体1a,1bが複数本の袋体1を継ぎ足して形
成されていてもよい。
【0045】また、前記法枠1Dは、図6(B)に示す
ように、両袋体1a,1bの交差部分において、アンカ
8によって法面Nに固定される。そして、これらの袋体
1a,1bを交差した部分においては、網体2内の木材
片3が矢印a,bで示すように適度に分散する。したが
って、本発明の袋体1を用いて複数の袋体1をほゞ直角
に交差させて所定間隔をおいて配置し、適所においてア
ンカ8によって法面Nに固定することにより、極めて容
易に法枠1Dを形成することができる。
【0046】特に法面Nに図6(A)に示すような起伏
がある場合には袋体1が法面Nの凹凸に柔軟に対応で
き、隙間なく法枠1Dを形成することができるので、雨
水などの流れを確実に減速できる。したがって、それだ
け法面Nを流水によるエロージョンから確実に保護する
ことができる。
【0047】図7(A),(B)は前記袋体1を複数本
用いた法枠1E,1Fの別の形成方法を説明する図であ
って、図7(A)は縦方向の幅が狭い横長の法面Nを保
護する法枠1E、図7(B)は横方向の幅が狭い縦長の
法面Nを保護する法枠1Fを示している。
【0048】図7(A)において、1cは本例の法枠1
Eを構成する袋体であって、前記袋体1をほゞ直角に屈
曲させることによりジグザグに配置してなる。また、こ
の袋体1cの屈曲部分には支柱10を打ち込んで固定す
ることにより、各袋体1cおよび支柱10によってほゞ
四角形状の法枠1Eを形成する。本例のように構成する
ことにより、法枠1Eを縦方向の幅が狭い法面Nにおい
ても効率的かつ容易に形成できる。
【0049】一方、図7(B)に示す例では、図7
(A)の構成を90°回転させたような構成となってい
る。すわなち、1dは袋体であり、この袋体1dの屈曲
部分には支柱10を打ち込んで固定して、各袋体1dお
よび支柱10によってほゞ四角形状の法枠1Fを形成す
る。本例のように構成した場合には、法枠1Fを横方向
の幅が狭い法面Nにおいて効率的かつ容易に形成でき
る。
【0050】なお、上述の図6,7を用いて説明した各
例の法枠1D〜1Fは、その形成後に枠内1D〜1Fに
植生基材などを吹きつけて、法面Nを緑化する緑化工法
にも使用可能である。この場合、植生基材に30%以下
の木材チップを混入することも可能である。さらに、法
枠1D〜1Fの下層に別途の網体を敷設したり、網体に
対して袋体1a〜1dを取り付けることも容易に考えら
れる。その他にも、図1〜5の説明で詳述した種々の変
形が可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の伐採木を
利用する法面浸食防止用の袋体によれば、現地造成地に
伐採した伐採木の状態に関係なく有効に活用できるの
で、造成の段階で発生する木材としての価値がない伐採
木を現地にて再利用でき、処分に困る木材の発生を抑え
て、資源の有効利用を図ることができる。また、前記袋
体は法面に配置したときに、法面の湾曲に対して土嚢の
如く柔軟に対応できるので袋体と法面との間に隙間が生
じることがなく、この袋体を用いた施工が極めて容易と
なる。前記網体が耐蝕性を有する合成樹脂からなる場合
には、法面浸食防止用の袋体が比較的長期間にわたって
その形を保形できるので、その信頼性を高めることがで
きる。
【0052】本発明の伐採木を利用する土留によれば、
土留の強度や形状は袋体の材質および木材片の充填密度
などによって自由に設定可能であり、あらゆる土留工事
に適用できる土留を提供できる。特に、本発明の土留は
土壌の流亡を防止できるだけでなく、木材片の間に生じ
た隙間を用いて浄化された水を流すことができるので、
実質的に法面の勾配を部分的に緩和でき、土留によって
留められる土内が水浸しになることを防止できるので、
この土を用いて効果的な植生を行うことができる。
【0053】本発明の伐採木を利用する法面保護体によ
れば、造成の段階で発生する伐採木を現地にて再利用し
て資源の有効利用を図ることができるだけでなく、ネッ
ト材に対して袋体が取り付けられているので、施工時に
極めて容易に配置することができる。また、この法面保
護体は前記ネット材および袋体を先に法面に配置した後
に、次いで木材片を袋体内に充填することにより施工時
に軽作業によって伐採木を利用する法面保護体を形成す
ることができる。
【0054】本発明の伐採木を利用する法枠の形成方法
を行うことにより、法枠の形成を簡便に行うことができ
る。特に、前記土留は雨水を適度に減速しながら通すこ
とができるので、実質的に法面の勾配を部分的に緩和す
ることができる。すなわち、多量の雨によるエロージョ
ンから法面を効果的に保護できる。前記法枠によって囲
まれた部分に植生基材を吹きつける場合には植生基材の
流亡を防止し、植生基盤を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伐採木を利用する法面浸食防止用の袋
体の構成を示す図である。
【図2】前記袋体の形成方法の一例を開示する図であ
る。
【図3】前記袋体を用いた伐採木を利用する土留の一例
を示す図である。
【図4】前記袋体を用いた伐採木を利用する土留の別の
例を示す図である。
【図5】前記袋体を用いた伐採木を利用する法面保護体
の構成を示す図である。
【図6】前記袋体を用いた伐採木を利用する法枠の形成
方法を示す図である。
【図7】前記袋体を用いた伐採木を利用する法枠の別の
形成方法を示す図である。
【符号の説明】
1…伐採木を利用する法面浸食防止用の袋体、1A,1
B…伐採木を利用する土留、1C…伐採木を利用する法
面保護体、1D,1E,1F…伐採木を利用する法枠、
2…網体、3…木材片、4…伐採木、8…アンカ、10
…支柱、12…ネット材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の網体内に伐採木を裁断した木材片
    を充填してなることを特徴とする伐採木を利用する法面
    浸食防止用の袋体。
  2. 【請求項2】 前記網体が耐蝕性を有する合成樹脂から
    なることを特徴とする請求項1に記載の法面浸食防止用
    の袋体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の袋体と、この
    袋体を法面に対して等高線状に配列した状態で法面に固
    定するアンカとを有することを特徴とする伐採木を利用
    する土留。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の袋体と、この
    袋体を法面に対して等高線状に配列した状態で法面に固
    定する支柱とを有することを特徴とする伐採木を利用す
    る土留。
  5. 【請求項5】 法面に敷設されるネット材と、このネッ
    ト材に対してほゞ等高線状に取り付けられた筒状の網体
    と、この網体内に充填される伐採木を裁断した木材片と
    を有することを特徴とする伐採木を利用する法面保護
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の袋体を複数法
    面に配列し、これらの袋体によってほゞ四角形状の法枠
    を形成することを特徴とする伐採木を利用する法枠の形
    成方法。
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